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1次選後(300) ~20180131 [自選集 通 期]

1/31wed 2018
春めくや 子だくさんの 岸の家
     (はるめくや こだくさんの きしのいえ)
        ※いつもやや遠目に見ている川沿いの家。今朝はい
         つも以上の満艦飾。大量の洗濯物がやわらかい冬
         の日に揺れている。子だくさんに違いないと踏んで
         いる。

1/30tue 2018
鮒を嗅ぐ 寺の前行く 釣り師かな
     (ふなをかぐ てらのまえいく つりしかな)
        ※道具を抱えた釣り師が川辺に歩いていく。ベテラ
         ンのヘラブナ釣り師は川の善し悪し、釣り場の善
         し悪しを臭いで嗅ぎ分けるという。 本当かな?と
         思うが、分かるような気もする。既に備え付けの
         専用の釣り台にどっかと腰を下ろし、寒風をもの
         ともせず、じっと浮きを見つめる。

1/17wed
蝋梅や 思い出もまた かすかなり
     (ろうばいや おもいでもまた かすかなり)
        ※今朝は蝋梅が里山への道沿いに並んでいるところ
         まで足を伸ばした。ここのは色も匂いも地味なほう
         だが、それがなんとも興趣をそそる。一時のぞいた
         青空を背景にした花の見事さは一流。遠い思い出
         がかすかに浮かんでくる。

1/7sun 2018
七草の 欠けるを数え 粥啜る
     (ななくさの かけるをかぞえ かゆすする)
        ※強風で体感温度はきびしい。冷えた身体には足り
         ない粥でもすごくありがたい。

1/3wed 2018
すり鉢や 三日とろろの 朝仕事
     (すりばちや みっかとろろの あさしごと)
        ※東北(の一部)では正月三日の朝に「とろろ飯」
         を食べる。とろろ芋をその朝にすり鉢に摺り下ろ
         し、更にすりこぎ棒で延々とすり込む。大家族で
         全て大量だったから、この仕事の長かったことが
         忘れられない。「まだ?」「だめッ、まだまだ」
         これが終わらないと朝ごはんにありつけない。

         円谷幸吉は「父上様、母上様、三日とろろ美味し
         うございました。・・・幸吉はもう走れません。
         幸吉は父母上様の側で暮しとうございました」と
         遺書に記した。

1/1mon 2018
青ペンで 去年の賀状を 恩師褒め
     (あおぺんで こぞのがじょうを おんしほめ)
        ※一年前に賀状に刷ったスケッチの絵を褒められた。
         学校時代に褒められれば、また別な道があったか
         なァ? 70歳過ぎてもうれしい。

1/1mon 2018
戸のすきに 電車の音と 初明かり
    (とのすきに でんしゃのおとと はつあかり)
        ※「戸の隙を洩れ入る光・・・」、中原中也の「朝の
         歌」冒頭の一節。新年早々からパクリ?実はパ
         クりたくてウズウズしていた。こいつは春から縁
         起が良いようで・・・。

1/1mon 2018
遊ぶ子の 路地に声聞く 子規の春
     (あそぶこの ろじにこえきく しきのはる)
        ※昨年正岡子規の明治34年の歳旦帳が発見さ
         れた。亡くなる前の年のものである。中に未発
         表の5句があったという。その中の一句、
           『暗きより元朝を騒く子供哉』
         これから子規の正月を思い描いた。

12/31sun 2017
ほうきやの 嬶が店出す 大晦日
     (ほうきやの かかあがみせだす おおみそか)

12/30sat 2017
拍子木の 遠く近くで 動きおり
     (ひょうしぎの とおくちかくで うごきおり)
        ※年末はどの町内も毎日火の用心の声が聞こえる。
         軽トラにスピーカーをつけてやっていたところも、
         いつしか本来の復古調に。当番を決め、拍子木の
         音に続いて皆で声を合わせる。
         勤め人は大方家にいる昨日今日、「年末が正月ら
         しくなって」きた。あの声、落ち着くなァ・・・。
         (正月は年々落ち着かなくなってきている、とか)

12/29fri 2017
おしつまる 障子は小さき 紙を貼り
     (おしつまる しょうじはちいさき かみをはり)
        ※家の大掃除、思ったほどにははかどらず、第4コ
         ーナーを回ったところでタメ息が。障子は今年も
         全面張替えを断念し、小さな紙で部分補修となる。
         紙を花の形にしたり、色紙で昆虫をまねたり、せ
         めて工夫したつもりが終わって眺めたら、成果は
         イマイチ。もう2日。

12/28thu 2017
賀状書かぬ 師走わずかに 日脚伸ぶ
     (がじょうかかぬ しわすわずかに ひあしのぶ)
        ※新年の挨拶は遠慮することにしている。賀状の用
         意をしない12月もおしせまって、今日は誕生日で
         やわらかな日差しが降りそそいでいる。俳句は季
         語の重なりを原則禁じるが、これはなんと三つも
         ・・・、季語のテンコモリ。

12/24sun 2017
入院の 寝着でやつれ 聖夜かな
     (にゅういんの ねまきでやつれ せいやかな)
        ※どういうわけか病院の寝間着に着替え、ベッドに
         横になると、途端にやつれて見えた。患者らしく
         なったということ。

12/23sat 2017
犬が寝て 手が動きおり 冬至の夜
     (いぬがねて てがうごきおり とうじのよ)
        ※犬や猫のペットが寝ぼける、夢を見る、寝言を言
         うとか言われるが、どうなのだろう? 当家の7歳
         メス雑種犬は眠っている時に、表情は変えないが
         オテのように片方の前足を差し出す仕草をする。
         夢を見ているとしか思えない。

12/18mon 2017
門前に 居酒屋開くを 待つ初冬
     (もんぜんに いざかやあくを まつしょとう)
        ※居酒屋の席に案内され、営業時間までそのまま
         待たされる。ビールもこない。文句は言わない。

12/17sun 2017
男とて 暮らしのことなど 渓紅葉
     (おとことて くらしのことなど たにもみじ)  
        ※久しぶりとはいえ、話題はいつも高尚にというわけ
         にはいかない。気のおけない間柄はまず暮らし向
         きのことに始まる。医療費がどうの、年金がどうの
         ・・・。話題に男女の差は縮まっていくものなのだろ
         うか?

12/13wed 2017
干し柿と 同じ色ともる 友の家
     (ほしがきと おなじいろともる とものいえ)
        ※古い家でどうにも・・・と言っていたが、よその目
         からすれば羨ましいことばかり。縁側があり、庭
         に面して木製雨戸がある。まして、この御仁は
         茶の間の窓に障子を残している。夕方近くを通
         ると、今ではレアものとなった「暖か色の光」が
         障子窓にほんのり映っている。いいなァと眺め
         る。これはもう皆のために残すべきだ。寒さをこ
         らえるのは本人。

12/11sat 2017
亡父の名を ちゃんづけで呼ぶ 露時雨
     (ちちのなを ちゃんづけでよぶ つゆしぐれ)
        ※父の親しい友人がいつも「ちゃん」づけで呼んで
         いたことをふと思い出した。それを真似てふざけ
         て「〇〇ちゃん」と呼んだことも。今は二人ともい
         ない。なのに「ちゃん」で呼ぶ音の響きが耳を離
         れない。

12/10sun 2017
鼻水の 光る飼い主 曳かれおり
     (はなみずの ひかるかいぬし ひかれおり)
        ※今朝は今シーズン一の冷え込み。風邪気味を押し
         ての犬の散歩はきびしい。あれッ、向こうからも元
         気な犬に引っ張られてシニアがやってくる。あれあ
         れ・・・鼻水たらして。良く見ると、犬も飼い主も似て
         いる。誰に?・・・。微熱の朝の幻想。

12/7thu 2017
本線は 50万ボルトと 冬に咆え
     (ほんせんは ごじゅうまんぼるとと ふゆにほえ)
        ※送電線の鉄塔を何本も見通せる場所がある。豪
         快な冬空を背景にしたところはなかなかのものだ。

12/6wed 2017
室蘭に 母恋という街 寒夜かな
     (むろらんに ぼこいというまち かんやかな)
        ※なにげなく母恋の街を思い出した。室蘭に住んだ
         のは40年以上前、今にして思えばなにもかもが
         輝いた体験だった。夏にも思い出すし、冬にも。
         きれいに整備された街に、あの頃と同じ素晴らし
         い光がさしているだろうか? そしてあの頃の大
         好きな人たちは・・・。

12/5tue 2017
秋深し 挑みし本を 置く今宵
     (あきふかし いどみしほんを おくこよい)
        ※なにも今宵に限ったことではない。読んでみた
         いなァと思っても、過去の実績から読了困難?
         と思われるタイプの本がある。ヒマは無限にあ
         るのに・・・と思いつつ、繰り返し押し寄せるギ
         ブアップの波に抗しきれずに枕元に放り出す。

12/3sun 2017
さおだけぇ テープなれども 師走かな
     (さおだけぇ てーぷなれども しわすかな)
        ※物干し竿売りの呼び声が聞こえる。スピーカー
         から流れるのはテープの音だが、12月なら「い
         いかな」と思う。売っているのは最早ステンレス
         製だけだけれど。

12/1fri
酉の市 住んだ街まで 廻り道
     (とりのいち すんだまちまで まわりみち)
        ※今年は三の酉まであり、11月30日でした。行く
         ことはできませんでしたが、縁起熊手を求める人
         と売り手の掛け合い、恒例の手締めの光景が報
         道されていました。地方出の者にとっては、こうし
         た下町の季節の催しにはなぜか憧れが強く、ちょ
         っと遠くの駅で降り、ゆっくり徒歩で出向いたもの
         でした。

11/30thu 2017
鹿野山 古寺は甍も 黄ばみおり
     (かのうざん こじはいらかも きばみおり)

11/26sun 2017
蓮根掘り もはや体験 すべからず
     (はすねほり もはやたいけん すべからず)
        ※初冬の風物詩、内房線沿いに蓮田が広がる。以前
         住んだ浜松市でも天竜川の支流沿いに蓮田があり、
         季節には蓮根堀りの作業を眺めたものだ。発動機
         によるポンプで水を噴出させ、泥を飛ばして蓮根を
         取り出し、浮かべた舟に乗せる。寒風の中、時には
         腰まで畑の水と泥に浸かりながらの作業だ。最近は
         観光用の体験教室なんてのもあるらしいが・・・。

11/22wed 2017
干し柿の 数を減らして 見張り番
     (ほしがきの かずをへらして みはりばん)
        ※このところの寒さは一日の寒暖差も大きく、干し
         柿には最適らしい。しかし、そろそろとなると鳥た
         ちがやって来る。尾長、ヒヨドリなど。実に賢いし、
         かつ貪欲である。
         畑では良い出来だと楽しみにしていた落花生が
         軒並みハクビシンにやられガックリきた。鳥たち
         にも寛容ではいられない。

豊作や 僧が風切る スクーター
     (ほうさくや そうがかぜきる すくーたー)
        ※若い僧侶が秋晴れの街道を行く。農家は不順な夏
         の天候で心配されたが、まずまずの米作だったとか。
         秋の野菜収穫は絶好調。豊作であれば檀家の実入
         りも豊かだろう。お布施も・・・。お坊さんの表情も明
         るい。

11/21tue 2017
秋の句を 諳んじ若き 僧が行く
     (あきのくを そらんじわかき そうがいく)
        ※後を継いだ坊さんは地域の文化活動にも積極的だ。
         句会とか歴史講座などにお寺を開放している。彼自
         身が句会の有力メンバー。

11/17fri 2017
柿たわわ 食い散らしたる 日々遥か
     (かきたわわ くいちらしたる ひびはるか)
        ※こちらは時期的にはちょっと前。小粒の甘柿。

11/16thu 2017
松茸や 薄いが施設の 土瓶蒸し
     (まつたけや うすいがしせつの どびんむし)
        ※介護付き有料老人ホームに見学に行った。それ
         も丁寧なバージョンらしくて、昼食と喫茶付きであ
         る。最近は地方でも街中の一角に開業する例が
         多い。自然が多すぎて、人間の住む環境が恋しい、
         といった笑えない話は減ったみたい。びっくりした
         のは昼食についた土瓶蒸しだ。マッタケを過度に
         ありがたがる人種には属さないが、つましい暮ら
         しだから何年ぶりだろう?

11/14tue 2017
故郷の 紅葉ひときわ チバニアン
     (ふるさとの もみじひときわ ちばにあん)
        ※市原市養老川沿いの地層が地球の歴史を画する
         標準標本と認められた。地球新生代の一時期(77
         万年前~13万年前)の名称として「チバニアン(千
         葉時代)」が採用され、全世界で使用される。一時
         期とはいえ、ざっと64万年間、6400世紀分だ。
         以前訪れた場所、紅葉の盛りにはちょっと早いが、
         地球の磁場NSの転換を証明する地層が朝の光に
         輝いている。


11/12sun 2017
人知れず コンビニ裏の アケビかな
     (ひとしれず こんびにうらの あけびかな)
        ※なんとか今年も収穫?したい。侵入罪、窃盗罪に
         ならないように気をつけて、暗くなってこっそりと。
         ちょうど絵画教室の会があるから格好の素材にな
         るのでは、と思っている。

11/8wed 2017
野菜手に ダム人帰る 秋の暮
     (やさいてに だむびとかえる あきのくれ)
        ※ダムを保守する人々が交代で街に帰っていく。近
         くの村で求めた野菜を持って。キノコやアケビなど、
         ここにはお宝も多い。 

11/6mon 2017
ふかしたる 大芋の湯気 子の目線
     (ふかしたる おおいものゆげ このめせん)
        ※今年の収穫したサツマイモは品種のせいかどうか
         大ぶりである。無理は覚悟で、切らずにそのまま
         ふかしてみた。「アッチッチー」と言いながら半分に
         すると盛大な湯気が・・・。その向こうに子供たちの
         顔が見える。今時の子供は女の子でもイモ好きは
         少なくなったというが、大芋の迫力はすごい。

11/5sun 2017
秋の灯や 父の草書に 歯が立たず
     (あきのひや ちちのそうしょに はがたたず)
        ※文化の日。先人の文物に接し、楽しむなかで、更
         なる文化が育まれるものだろうけれど、親の書付
         すら読めないとは・・・。

10/29sun 2017
もうとろう 妻まだまだと 柿笑う
     (もうとろう つままだまだと かきわらう)
        ※台風22号が今夜にも接近しそう。強風の前に柿
         をとろうとするが反対される。このあたりではたわ
         わに実った柿を収穫しようとしない家々が多い中
         で、我が家はなんとも・・・。

10/27fri 2017
棄てられし 野菜崩れる 野分かな
     (すてられし やさいくずれる のわきかな)
        ※日照時間が少なかった夏は野菜の価格が急騰し
         たが、旬の野菜は9月後半に入って落ち着いた。
         しかしこうなると一部は価格が急落して、運賃す
         ら出ないとかで出荷されず、畑の傍らに捨てられ
         てしまう。そうした野菜の山が台風21号の風で
         散々に吹き飛ばされている。

10/26thu 2017
ヤギ二頭 草食む上に 柿千個
     (やぎにとう くさはむうえに かきせんこ)
        ※今日は「柿の日」とか。いわれは知らない。いつも
         散歩で見かけるヤギは薄暮の光でやっと確認できた。
         ヤギがいるのは柿の木10本ほどの畑、どの木も葉
         が落ちて赤い実がたわわになっている。
         古式ゆかしい日本の景色? いや、新型のイルミネ
         ーションのデザインかとも思う。その下は明るくは
         ないが・・・。

10/22sun 2017
秋さわぎ ロボコン部室の 灯が揺れる
     (あきさわぎ ろぼこんぶしつの ひがゆれる)
        ※台風が接近し、既に強風が吹き荒れている。木更
         津高専チームは過去に大会で活躍した強豪。人気
         があるのか、部室は結構な数の男女で賑わってい
         る。悪天候の週末も遅くまで。

10/21sat 207
野球部の 子ら声変わり オフの秋
     (やきゅうぶの こらこえがわり おふのあき)
        ※近くの中学校の野球部、夏に2年生以下の新チ
         ームになり、秋の新人戦も終えた。朝のランニン
         グの掛け声がぐっと低くなったような気がする。み
         んな声変わりの時期だ。

10/19thu 2017
冷やかに バッハのアダージョ のみを聴く
     (ひややかに ばっはのあだーじょ のみをきく)
        ※大学時代の友人が会社経営を託した子息に先立た
         れたという。言葉がなかった。

10/13fri 2017
クレオメは 暑い日々から 三月咲き 
     (くれおめは あついひびから みつきさき)
        ※クレオメ(風蝶草)は妻がもらってきて植えたも
         のだ。大好きな花の一番のニューフェース。5本
         ほどが次々と花をつけ、3ヶ月以上になる。
         「花魁草」と間違えた記事を書いたのが8/14。そ
         れからもずうっと。現在は最後の一本だから、月
         末まで持つかな? 一日花で咲き終わると節を
         作るようにして上に伸びて咲くから、咲いた日数、
         回数が節の数でわかる。

10/12thu 2017
ウンという 仁王すじ雲の 空に立つ
     (うんという におうすじぐもの そらにたつ)
        ※「阿吽」の両像のうち描くの吽像。秋のすじ雲を
         背景にスクッと立つ仁王像は生半可な写生を跳
         ね返す。

10/10tue 2017
秋日和 師の絵横目で 描けども
     (あきびより しのえよこめで えがけども)
        ※今日の絵画教室は郊外に出かけてのスケッチ。
         天気が良すぎて、10月で熱中症要注意の夏日と
         なった。どこを描くかより、いい日陰があるかどう
         かを優先。先生のすぐ隣で、真似をする良い機
         会だと意気込んだのだが、結果はまだまだ。

10/8sun 2017
赤き紅 真っ赤なバイクの シニア行く
     (あかきべに まっかなばいくの しにあいく)
        ※爽やかな秋の朝にぴったり。

10/6fri 2017
秋の道 老執事行く 恋の旅
     (あきのみち ろうしつじゆく こいのたび)
        ※映画のすじなんかは割愛。最後半に主人公が
         信じる女性を訪ねて行くシーンが印象的だ。

9/29fri 2017
秋彼岸 菓子量り売る ジジの店
     (あきひがん かしはかりうる じじのみせ)
        ※孫らしき子供が祖父母と遊ぶ店があった。なつか
         しいお菓子、煎餅や飴玉などがガラスの容器に入
         っていて見た目が本当にきれい。全てバラ売りか
         量り売りとか。

9/28thu 2017
句碑ありて 根岸の里の 路地の秋
     (くひありて ねぎしのさとの ろじのあき)
        ※根岸の里という響きがいい。江戸時代から明治大
         正期までの通り呼び名か、今は台東区根岸。隣接
         するのは下谷、更に南は入谷、その東側は浅草。
         江戸の繁華街の郊外になる。現代の根岸のウリ
         は子規庵と路地の散策。

9/24sun 2017
糸瓜忌や 居士の倍なる 年齢数え
     (へちまきや こじのばいなる としかぞえ)
        ※9月22日鶯谷駅近く根岸に子規庵を訪ねた。糸
         瓜忌にちなんで友人と行ったのだが、生憎雨降り。
         その分しっとりと庵を楽しむことが出来た。加えて
         現在「生誕150年記念特別展示」中である。
         友人ともども子規没年年齢の倍以上・・・。今更に
         子規の偉業を感じた。 
       
9/20wed 2017
メール来る 友の秀句や 秋日和
     (めーるくる とものしゅうくや あきびより)
        ※台風一過で秋日和。友人とは月に一二度メールの
         やり取りをしている。お互いに3句ほど直近の句を
         交換する。なかなか良い頻度で気に入っている。
         強風が吹き荒れた後のほっとした気持ちが感じ取
         れた。

9/9sat 2017
遅き実を 黙って待ちし 糸瓜かな
     (おそきみを だまってまちし へちまかな)
        ※6月の畑に棚を作ったが、他のツル物が次々と実
         をつけ収穫を迎えたのに、糸瓜は葉っぱと多くの
         花をつけるが、実の成長は遅々としていた。
         子規が日夜眺めた庭に、夏はヘチマが実をつけた。
         彼は成長を喜び、ヘチマ水を飲んだとか。同じヘチ
         マでも万分の一の詩心さえないのが哀しい。

9/7thu 2017
ハッピ着た 男が笑う 別な顔
     (はっぴきた おとこがわらう べつなかお)
        ※法被を着て、一杯入った赤い顔の男がこちらを見
         て会釈した。アレッ?と一瞬思ったが、時々朝に挨
         拶する人と思いついた。あの真面目そうな彼が・・・。

9/1fri 2017
防災の 話あるとて 萩の家
     (ぼうさいの はなしあるとて はぎのいえ)
        ※町内の各班ごとに集合して、防災の学習をすると
         か。教材はなにかと問えば、漬物やらお菓子の持
         ち寄りと言う。ははーん、食料の備蓄の訓練かな?

8/31thu 2017
病院の 裏手のヤギの 眼が強し
     (びょういんの うらてのやぎの めがつよし)
        ※草を食むヤギに我が家の犬が尻尾を振って近づく。
         痩せてはいても大柄のヤギが悠然と振り向く。犬は
         この一瞬でたじろぐ。おとなしい、やさしい・・・という
         ヤギだが、目と目線は意外と厳しい。

8/27sun 2017
秋来ぬと 沙矢香の弦の 響きかな
     (あききぬと さやかのげんの ひびきかな)
        ※庄司紗矢香の比較的新しいYouTube。ヴィバ
         ルディ「四季」のアレンジ版というのも、室内楽
         団を彼女がリードしての演奏というのも面白い。

8/26sat 2017
お座敷へ 路地にさやかな 風蝶草
     (おざしきへ ろじにさやかな ふうちょうそう)
8/15tue 2017
墓地を掃く 少女なりけり 盆の朝
     (ぼちをはく しょうじょなりけり ぼんのあさ)
        ※早朝墓参の人はまだ殆どいない。静寂。墓地の
         通路を掃除していたのは、いつも見かける寺の人
         ではなく、作業の服装を整えた若い女性だった。

8/14mon 2017
盆の入り 夕に紅さす 花魁草
     (ぼんのいり ゆうにべにさす おいらんそう)
        ※ピンクの可憐な花々にかんざしのような細いツル
         を伸ばした花魁草は、夕方になると蕾が真っ赤に
         見えて、色合いが増す。
         故人をしのぶ迎え日の気持ちは、恋しい人を待っ
         て紅をさす花魁の切ない思いに通じるものがある
         ・・・。
         (実は実は花魁草というのは別の花で、長い間勘
          違いしていた。今日句にした花は「クレオメ」が
          本名らしい。別名「風蝶草」、「酔蝶花」とか)

8/9wed 2017
長崎の空 絶対悪という響き
      (ながさきのそら ぜったいあくというひびき)
        ※今日9日は長崎原爆の日。

8/8tue 2017
新聞で くるむ野菜の 昭和かな
     (しんぶんで くるむやさいの しょうわかな)
        ※今季の畑で自慢の作は「小玉スイカ」。これを新
         聞紙でくるむ。設定も新聞紙の上にズッキーニ、
         トウモロコシ、ゴーヤ、ナス、トマトを配し、傍らに
         麦わら帽子を添えた。
         野趣あふれる昭和の畑のイメージ。

8/7mon 2017
盆踊り 帰りはスイカの 賞品と
     (ぼんおどり かえりはすいかの しょうひんと)
        ※優秀な踊り手に与えられる賞品? いや、そうで
         はない。盆踊り大会の今時の売りは「抽選会」で
         ある。これがあるから、年寄りも若者も集まる。
         長らくクジ運に恵まれなかったが、今年は二等賞
         のスイカが当たった。

8/6sun 2017
原爆忌 朝一番の 草むしり
     (げんばくき あさいちばんの けさむしり)
        ※暑さがもどってきて、今日の広島原爆記念日。朝の
         うち日陰で庭仕事をする。家の中から記念式典を伝
         えるラジオの音が・・・。

7/23sun 2017
夾竹桃 愛煙患者の 吹き溜まり
     (きょうちくとう あいえんかんじゃの ふきだまり)
        ※いつも通る病院の、道路沿いに置いてあるベンチ。
         入院患者が朝の一服とおしゃべり。怪我などの外
         科の患者だから、包帯は巻いていても至極元気が
         良い。こちらの犬にまで挨拶してくれる。
         それにしても病院の「敷地内全面禁煙」だが、外来
         患者や職員、見舞い客などはわかるが、入院患者
         に関してはいかがなものか? 敷地外には行けな
         いのだから・・・。喫煙禁止とまで言うんですか? 
         ちょっと前まではこうした患者の交流の場は病棟の
         各階毎にあったものだ。もちろん灰皿付きで。

7/21fri 2017
陽水の 少年時代の 空と雲
     (ようすいの しょうねんじだいの そらとくも)
        ※真っ青な空にモクモクと立ち上る入道雲。自分の
         記憶の底にある夏の空と雲、陽水の曲から連想す
         る空と雲、8月終戦にまつわる出来事のシンボル
         としての空と雲・・・三つとも思い浮かべる空と雲の
         イメージはみな同じ。

7/20thu 2017
姉に送る 我が家の桃の 宅急便
     (あねにおくる わがやのももの たっきゅうびん)
        ※家内が、病気で遠くに離れてしまった姉に桃を送
         った。一番良いのは鳥にやられ二番手ということ
         になるが、甘さと香りは抜群。これを味わって早く
         帰って来て・・・と。

7/14fri 2017
熱帯夜 芳紀18歳が 枕辺に
     (ねったいや ほうきじゅうはっさいが まくらべに)
         ※23時前、東に向いた寝室の窓を全開にして就
          寝。暑気は残るが心地よい涼風も来る。なによ
          り雲のない空に見事な月が・・・。月齢18歳ちょ
          っとの色白な月だ。真っ暗な寝床で目を凝らす。
          暑苦しさがすーっと引き、落ち着いてくる。絶
          妙なタミング。

7/12wed 2017
香港の 一国二制度 明けぬ梅雨
     (ほんこんの いっこくにせいど あけぬつゆ)
        ※文字通りに期待した人は少なかったかも知れない
         が、中国一国に占める香港のウェイトがこんなに
         も急速に下げるとは、そして大中華思想に浮かれ
         る中国の「民意」がこんなにも急に膨張するとは
         ・・・。かの国に民意があるとしての話だが。

7/8sat 2017
再会は 炎熱の日の ビル影で
     (さいかいは えんねつのひの びるかげで)
        ※昨夜は元の勤務先の同期会。最寄りの駅で待ち
         合わせ、馴れた道を歩いて会場まで行く。代々木
         の森も喘いでいる。暑さのピークを避けての日程
         なのだが、今年はこれだ。ただ暑い。

7/7fri 2017
酔芙蓉 遠き日京島の 親子連れ
     (すいふよう とおきひきょうじまの おやこづれ)
        ※酔芙蓉の見事な花を見た。ちょうど一年ほど前、
         曳舟で降りて、京島界隈を訪ねた時を思い出した。
         初めてなのに何故か懐かしい町並みと路地のたた
         ずまいがいい。スカイツリーが見下ろす街として再
         開発が進行しているようだが、もう少しそっとしてお
         いて貰いたい・・・、と勝手な希望が。
         突然の降雨で、子の手を引く女性が傘をさして歩
         く傍らに酔芙蓉が咲いていた。

6/24sat 2017
空師いる 森の静けさ 梅雨最中
     (そらしいる もりのしずけさ つゆさなか)
        ※空師は簡単な道具ひとつで、木をするすると登り、
         余分な枝を落として矯正し、下枝を刈ったりする林
         業の専門職。チェーンソーのエンジン音やバサッ
         バサッと鉈で枝が払われる音がする。
         それらの音が止まるとシーンとした静寂。・・・
         音が再び始まっても、かえって森の静けさが感じ
         られるようだ。

6/23fri 2017
短夜や ミュシャの眼に 静まりぬ
     (みじかよや みゅしゃのまなこに しずまりぬ)
        ※ミュシャの展覧会が終わったようだ。スラブ叙事詩
         に描かれた母国の歴史とその変遷そして民衆の悲
         劇、慟哭は凄まじい迫力で迫ってくる。
         一枚に描かれた男の眼は、場面を想像することさえ
         拒否するような深刻さだ。思い出すと・・・静まりはす
         るのだけれど、決して鎮まりはしない。

6/21wed 2017
梅雨寒や 老班ついに 手の甲に
     (つゆざむや ろうはんついに てのこうに)
        ※昨日は蒸し暑い中、上野の美術館に知人が出品し
         た板院展を見に行った。今日は打って変わって朝か
         ら雨。老班というもの、付き合いが始まってもう十年
         近いので、取り立てての感興はない。「手の甲はよ
         せ」って言ったのに・・・。

6/19mon 2017
商店の 引越し荷物 鉢あじさい
     (しょうてんの ひっこしにもつ はちあじさい)
        ※地方の暮らしが便利になるのはいいに違いないが、
         どこも「金太郎飴」のようで街に特色がなくなる。個
         人商店が今も減り続けているのが一因だ。半年ほど
         前に小間物店を閉めた家が、離れた住宅地に越し
         ていくという。丹精を込めた花々がいつも店先を飾
         っていた・・・。
         「今日の便利より、明日のおもてなし」だが。

6/17sat 2017
タチアオイ 小路にラジオの 音漏れて
     (たちあおい こうじにらじおの おともれて)
        ※もうすぐ夏至、日が長い。塀も倒れて朽ちてしま
         った庭に見事なタチアオイが咲いている。3色も
         4色も・・・午後7時を回ったのに夕日にほんのり
         輝いている。ラジオのニュースがこぼれてくる。

6/16fri 2017
予約本 重なり来たる 梅雨の入り
     (よやくぼん かさなりきたる つゆのいり)
        ※当市の図書館は財政上の理由から購入する本の
         数が少ない。人気があって予約が殺到する本も購
         入は大概一冊だ。直木賞と本屋大賞のダブル受賞
         とか聞くと、まず予約するのが私のルーティン。予
         約の消化はゆっくりで、半年余りかかってやっと順
         番がやって来た。 「えっ、なんだっけ? この本」
         貸出の延長はきかないから、第一優先で読まねば
         ならない。

6/13tue 2017
桃の実の ジューンドロップは 音もなく
     (もものみの じゅーんどろっぷは おともなく)
        ※強風や病害などによるものではなく、果樹が自ら
         生育不良の実や過多な実を落とす。子孫(種子)
         の確実な繁栄を期しての現象とか。
         ジューンブライドの花嫁が結婚に幻滅して、同月
         内に身を隠す・・・のではないらしい。

6/9fri 2017
スイカなり 雌花に翻弄されて梅雨
     (すいかなり めばなにほんろうされてつゆ)
        ※素人のスイカ挑戦はなにかと騒がしい。このとこ
         ろ雌花がようやくしっかりしてきたと思ったら、梅
         雨だァ・・・。強い雨に濡れると受粉の確率が落ち
         るとか。ここは、やっぱり虫頼み。

6/8thu 2017
ケータイで 焚き火の許可とる 梅雨の朝
     (けーたいで たきびのきょかとる つゆのあさ)

6/7wed 2017
美女柳 二日見ぬ間の 黄の乱舞
     (びじょやなぎ ふつかみぬまの きのらんぶ)
        ※留守にしていた2日の間に一気に「満開」。ちょ
         っともったいない。明日辺りから曇りがちとなり、
         梅雨入りとなるかも。

6/7wed 2017
早寝して かわず鳴く音の 一二分
     (はやねして かわずなくねの いちにふん)
        ※疲労対策で早寝した。遠くでカエルの声が・・・。
         田舎暮らしの特権、寝入り薬。

6/5mon 2017
タチアオイ 郵便局の 門構え
     (たちあおい ゆうびんきょくの もんがまえ)
        ※郵政民営化で名称はなくなったものの、今も続く
         特定郵便局。弊害は指摘されるが、土地も建物も
         局長の所有物だから局ごとに違う装いと習慣が出
         来る。良く言えばお役所仕事とは違う独特のアイ
         デンティティがあったものだ。この立葵もその名残
         りのひとつ。

6/4sun 2017
背を合わせ キャストする二人 水の上
     (せをあわせ きゃすとするふたり みずのうえ)
        ※ここ2、3日は暑さ一服。今朝の微風は目をつぶれ
         れ高原の涼風だ。近くの小櫃川取水堰ダム湖に釣
         り客多数。小さな釣り用のボートにルアーを操る2
         人。バッテリーで動く小さなモーターがついているか
         ら、水面を音も立てずにゆっくりゆっくり移動する。
         最近のウィークエンド光景。

6/3sat 2017
新しき 畑に馬鈴薯の 花二列
     (あたらしき はたにばれいしょの はなにれつ)
        ※スギナ満載?だった畑に立派な畝がいくつか、汗
         の結晶である。
         スイカ、馬鈴薯、サツマイモなど酸性土壌に比較的
         強い苗を植えた。今しも遅めの馬鈴薯が花をつけ
         ている。これからはオクラを植える。

6/1thu 2017
新築の 家浮かびおり 茅萱の穂
     (しんちくの いえうかびおり ちがやのほ)
        ※4月下旬~6月にかけて空き地や野原に繁茂する。
         穂が出る前の実を口に入れ舐めると、かすかに甘
         い味がすると言われる。家内は小学生の頃何度も
         口にしたという。おやつもろくになかった時代。
         穂が重なると白くて厚いジュウタンのよう。その向こ
         うの家々が白い穂の上に浮かんで見える。

6/1thu 2017
茅萱の穂 道路に沿いて 飛びつくす
     (ちがやのほ どうろにそいて とびつくす)
        ※5月下旬あたりから穂は次第に細くなり、風に舞
         い始める。

5/31wed 2017
泰山木 母の金歯の 恋しかり
     (たいさんぼく ははのきんばの こいしかり)
        ※母が死亡したのは故郷とは遠く離れた九州勤務の
         時だった。知らせのあった翌朝、空港に向かう時に
         目にしたのが社宅の庭にあった見事な泰山木。
         早朝の光に輝いていた、真っ白な花々を忘れない。

5/30tue 2017
二株の スイカの開花に 通いづめ
     (ふたかぶの すいかのかいかに かよいづめ)
        ※スイカは3度目の挑戦。小さめのラグビーボール
         型の品種。初心者は安全な接木済の苗で、やや
         高価。雌花の咲いた早朝に受粉をしてやるのだが、
         結構きまぐれでうまくいかない日も・・・。クルマで
         出かけ、よ~く会話をしながら・・・?。実がなる日
         を夢見れば、苦にならない。

5/27sat 2017
泰山木 根元に続く 靴の跡
     (たいさんぼく ねもとにつずく くつのあと)
        ※久しぶりのお湿りあり。泰山木の葉っぱが格段に
         光って見える。蕾がいくつか大きく、いい色になり
         つつある。夕方蕾を数えに近づいて見上げる。

5/18thu 2017
焼き鳥を買って帰る 真っ赤な夕焼け
     (やきとりをかってかえる まっかなゆうやけ)
        ※近くの坂道の中程にある焼き鳥屋。坂道は商売
         に向かないというが、商店が次々と廃業していく
         中で、ここだけは30年近く繁盛している。実にう
         まくて、安い。ネクタイのサラリーマンから、子供
         連れの母親、トラックの運転手などなど、夕方は
         いつも客が待っている。

5/17wed 2017
タラの芽は 得られず戻る 山の駅
     (たらのめは えられずもどる やまのえき)
        ※会津若松市内では既に遅く買えなかった。それで
         はと、会津鉄道の停車時間の間に山間の駅前スー
         パーらしき店に急行。結果は「今日はない」と。
         雨も強くなり、諦める。今年はだめ。

5/17wed 2017
五月雨や 県境の村の 道くねり
     (さみだれや けんざかいのむらの みちくねり)
        ※会津鉄道の県境近く。サクラが咲いている。まだ
         春の真っ盛り。

5/17wed 2017
花ミズキ 赤のみ多き 村のあり
     (はなみずき あかのみおおき むらのあり)
        ※会津山村道場とか七ケ岳登山口とかの駅名があ
         る。このあたりは秋の紅葉が素晴らしい。
         会津高原尾瀬口駅からは東武線で、今市経由で
         浅草まで行く。この春から、この路線に速い特急
         が走っている。速すぎるかな? 今回はバカ空き。
         今市近くになると集落にミズキが目立つ。

5/17wed 2017
雨をおして ソースカツ丼で ビール飲み
     (あめをおして そーすかつどんで びーるのみ)
        ※会津から今市に抜けるローカル線に乗った。生憎
         の雨で眺望は良くないが、山々や線路沿いの谷は
         若い新緑が煙っていて、なかなかのもの。途中の
         駅で降りて、見知りの店まで歩き昼食をとった。
         至極満足しました。

5/15mon 2017
故郷の町並みは 歯の抜けるごと
     (ふるさとのまちなみは はのぬけるごと)
        ※地方都市はどこも同じだろうが、個人商店の衰退
         は通りに空き地を量産している。昔通りの家々が
         空き地のせいで、昔見えなかった角度から見えて、
         「ほほう・・・」と感心したり。
         粗末な家が多かったにしても、通りにびっしり詰
         まった頃の方が街としては断然豊かだった。

5/15mon 2017
友は孫に 店を譲りて ヤマボウシ
     (ともはまごに みせをゆずりて やまぼうし)
        ※こうした街の有り様、変遷に多くの感慨を持つで
         あろう友人は多くを語らない。何十年もここに暮
         らしてきたのだから。

5/14sun 2017
桐の花 昔家業の 栄えた日
     (きりのはな むかしかぎょうの さかえたひ)
        ※弟の納骨の法要のため会津若松市に帰省。小雨
         の中、久しぶりにゆっくり街を歩いた。その昔名家と
         言われた特産下駄の老舗はとっくに廃業。塀越しに
         見頃の桐の花が見えた。


5/10wed 2017
ネギ坊主 中学生の 口喧嘩
     (ねぎぼうず ちゅうがくせいの くちげんか)
        ※畑に沿った通学路で、男の生徒同士の諍いの声
         が・・・。結構険悪な感じ。手や足が出るか・・・。
         大変だ。でも、大丈夫。パタッと口喧嘩がやみ、
         黙って並んで歩いていく。この二人は大丈夫だ、
         仲良くなるためのケンカ・・ネギ坊主が見ている。

5/5fri 2017
ナツユキソウ 北海道からの 同居人
     (なつゆきそう ほっかいどうからの どうきょにん)
        ※今から40年ほど前北海道勤務の頃に出会った花。
         白い清楚な花で、塀や垣根が少ない道内の家々に
         良く似合っていた。調べてみたらセラスチューム
         Cerastiumが正式名みたい。Snow in Summer
         とも呼ばれるらしい。日本ではシロミミナグサとも。
         今日は「子供の日」。先日前を通りかかった女子中
         学生が「可愛いね。この花、大好き」と言う声が聞こ
         えた。度重なる引越しにもめげず、同居してきた甲斐
         があったというもの。
白360-5.jpegなつゆきそう.jpg

5/2tue 2017
春陰や 森繁が誦む 千曲川
     (しゅんいんや もりしげがよむ ちくまがわ)
        ※YouTubeに森繁久彌が朗読する藤村「千曲川旅
         情の歌」がある。春先のやわらかな光の信州が目
         に浮かぶ。いいなァ・・・。絶品。

4/29sat 2017
断崖の椿は 叫びつつ落ちて
     (だんがいのつばきは さけびつつおちて)
        ※日の当たらない岩壁に月遅れ?の椿が咲いていた。
         真紅に白の斑が見事な花々。それが見ているうちに
         ポロッと落ち、真下に転げ落ちた。

4/25tue 2017
オダマキは 虫ふところに あやしおり
     (おだまきは むしふところに あやしおり)
        ※このところの陽気で背丈を増したオダマキだが、
         意外と強い。かなりの風にも揺れるけれども実
         は軸はびくともしない。しかし、そよ風にゆっくり
         揺れるのがいい・・・。

4/24mon 2017
東北の 茎わかめ届く 友の味
     (とうほくの くきわかめとどく とものあじ)
        ※我が家にとっては季節の風物詩。今年採れたての
         わかめが届いた。岩手県産。ポン酢でいただく。

4/13thu 2017
フィエスタの 埃と脂粉 夢に見る
     (ふぃえすたの ほこりとしふん ゆめにみる)
        ※今年の聖週間は4/9~15。スペインアンダルシア
         では各地で伝統の催しが続く。なかでも聖像を聖
         地に運ぶ巡礼の行進はすさまじいほど熱気に溢
         れている。会社や学校はどうなる? いやいや、
         その数日はひたすら歩き、歌い、踊り、食べ、飲
         み、そして祈る。

4/13thu 2017
桜舞う 息子今流 ハグ2回
     (さくらまう むすこいまりゅう はぐにかい)
        ※決して今流とは言えぬ息子が、玄関先で母親
         をハグ。顔を見合わせて黙って。そして笑顔で
         「もう一度」と。

4/6thu 2017
花愛でる 言葉を学ぶ 橋の上
     (はなめでる ことばをまなぶ はしのうえ)
        ※今年も恒例の目黒川沿いの花見。昨年は中目
         黒の雑踏に辟易したので、今年は目黒行人坂下
         の周辺にした。夕暮れ、人出はまあまあ、ゆっく
         り散策が出来る。それでもサクラを眺める橋の上
         は人がいっぱい、各国の言葉が混じっている。
         しっとりと、しみじみと花見を楽しむ気分、「・・・今
         宵会う人みなうつくしき」とかにはちょっと遠いかな。
         目黒の住人が良い店に案内してくれた。満足。

4/3mon 2017
悪妻と 良妻はいつも 紙一重
     (あくさいと りょうさいはいつも かみひとえ)
        ※ハタ目には全面的な悪妻も、ホンの一面で夫に好
         かれ、世間からも珍重されたり。その逆、誰の目に
         も良妻賢母間違いなしなのに、ホンの一面の偏向、
         性癖で悪妻確定となる。
         「良かったね」と「ご愁傷様」が交錯する。

4/2sun 2017
虫たちに 任せておけぬと 桃受粉
     (むしたちに まかせておけぬと ももじゅふん)
        ※三月は暖かい日が続かず、桃の開花も遅いし、
         虫たちも影を潜めているようだ。今年は去年に引
         き続き、桃の豊作を夢見ているが、そうは問屋は
         卸してくれぬかも・・・。

3/27mon 2017
両側を見て 泣きべその我が絵かな
     (りょうがわをみて なきべそのわがえかな)
        ※ところが絵自身は正直で、周りの絵を見ておろお
         ろしている・・・。

3/27mon 2017
作品展 うれし恥ずかし 春幻
     (さくひんてん うれしはずかし はるまぼろし)
        ※隣市の図書館で絵画教室の作品展を行う。今日
         はそのために作品を持ち寄る日(搬入日というら
         しい)。立派な図書館で、広いフリースペースが企
         画もので常に活用されているところ。そんなところ
         で一ヶ月も・・・? でも戦線離脱は無理なよう。で
         も、少し嬉しくもある。
 
3/24fri 2017
老班の手が 班なきを撫で別れ
     (ろうはんのてが はんなきをなでわかれ)
        ※昨日告別式。弟との別れ。

span style="font-size:x-small;">3/20mon 2017
桃は咲きてあり 弟は逝きてあり
     (ももはさきてあり おとうとはゆきてあり)
        ※昨夜入院先で弟が死んだ。今朝桃が数輪開花した。

3/10fri 2017
また髪が 薄くなったねと 初雲雀
     (またかみが うすくなったねと はつひばり)
        ※大きなお世話。

3/7tue 2017
春雷や 不義理をわびる 電話口
     (しゅんらいや ふぎりをわびる でんわぐち)
        ※週末は急遽遠出したので、予定していた会合を
         電話でドタキャンした。もどってから、幹事役の友
         人からキツーイ詰問の電話が・・・。少しわけを話
         してやっと了解してくれた。

3/6mon 2017
安達太良の 麓でかすかな 息をする
     (あだたらの ふもとでかすかな いきをする)
        ※週末に入院中の弟を郡山市に見舞う。

3/6mon 2017
寝たきりの 視線すがしや 春の山
     (ねたきりの しせんすがしや はるのやま)
        ※重篤と聞いてかけつけたが、幸い持ち直している。
         視線は以前より落ち着いているように見受けられ
         た。静かに窓外を見る眼は穏やかだが動かない。

3/6mon 2017
出迎えは この顔なりき 夏の駅
     (でむかえは このかおなりき なつのえき)
        ※夏休みなどに帰省した時、駅で待っていてくれた
         のは、いつもこの顔。いつも笑顔だった。

3/1wed 2017
春眠や 父の遺した 軸の前
     (しゅんみんや ちちののこした じくのまえ)
        ※世界情勢が落ち着かない?とか言っても、たっぷ
         り春眠を貪る日もある。雪解けで疎らに見え始め
         た地面をジョウビタキが餌を探して歩いている図、
         故郷の今ごろのイメージだ。気に入っている。

2/22wed 2014
春燈や 万太郎の句を 口ごもる
     (しゅんとうや まんたろうのくを くちごもる)
        ※「春燈」は久保田万太郎の主宰した俳句誌。夕方
         の散歩で彼の好きな句がどうしても出てこない。
         記憶力の減退? 仕方なしに有名な句を諳んじる
         ことに。季節が合わない・・・。
           草笛を ふいて神田の 生まれかな
           時雨るるや 麻布二の橋 三の橋

2/20mon 2017
70歳の デニムパンツや カラス啼く
     (ななじゅうの でにむぱんつや からすなく)
        ※久しぶりに新調する。現在の体重、体型に合わせ
         た最初の一本で、今までより細身だ。やや恥ずか
         しい・・・。カラスがひやかしたらどうしよう。

2/17fri 2017
とちもちは 手間を惜しまぬ 風味あり
     (とちもちは てまをおしまぬ ふうみあり)
        ※遥か昔、山に遊びに行って、トチノミが「食べら
         れる」と聞いて、リュックに目一杯詰め込んで意
         気揚々と家に持ち帰った。しかし母親にあえなく
         引取りを拒否された。ちょっと苦い記憶。
         時間をかけて丹念にアクを抜き、もち米と合わ
         せ蒸して撞く。丁寧にやると短くとも20日ほど
         日にちがかかる。
         山に落ちている実は、そのままではクマもイノシ
         シも目もくれない。

2/15wed 2017
あげるけど 場所は秘密と ふきのとう
     (あげるけど ばしょはひみつと ふきのとう)
        ※早取りのふきのとうをくれた御仁は場所を明かさ
         ないとか。ふふふ、こちらも実は良い場所を知っ
         ている。そこはまだ早い。
         ・・・しかし本命はタラの芽だ。知っていた場所
         はことごとく荒らされてしまっている・・・。

2/13mon 2017
ふきのとう 大雪報道の 日に届く
     (ふきのとう おおゆきほうどうの ひにとどく)
        ※西日本に執拗な降雪が続く。ところがフキノトウ
         が届いた。葉が開く前なのにずっしり大きなもの
         で、粒ぞろい。びっくり、こんなにも早い? 
         当地は晴れ続きで少し後ろめたさを感じるほどな
         のに、外房などは更に暖かだからなあ?

2/11sat 2017
初午や 祖母にひかれて 祠参り
     (はつうまや そぼにひかれて ほこらまいり)
        ※次々と商家のお稲荷さまを訪ね、好物のお土産
         を供え、お祈りした。固いモチをサイコロ状に切り
         油で揚げたもの、だったような気がする。商家の
         庭はどこも屋根から落ちた雪が小山のようにあり、
         小さな祠には家人の足跡を辿って行った

2/5sun 2017
ダクタク集 一年となりぬ ジョウビタキ
     (だくたくしゅう いちねんとなりぬ じょうびたき)
        ※ダクタク【駄句多句】句集、一周年を迎える

2/5sun 2017
夢に見て 句にさいなまれ 春めぐる
     (ゆめにみて くにさいなまれ はるめぐる)
        ※おおげさだが、こうしたことも一再ならず

2/4sat 2017
春立つ日 豆食う犬を 妻叱る
     (はるたつひ まめくういぬを つましかる)
        ※節分の翌朝、散歩コースの家の玄関前に豆が落ち
         ている。摂食中の我が家の愛犬は見逃さない。帰
         って家人に言うと大いに怒る。「豆とチョコそしてネ
         ギ」は絶対与えたら駄目と。叱られたのは私・・

1/26thu 2017
大寒や クリームすりこむ 白き爪
     (だいかんや くりーむすりこむ しろきつめ)
        ※乾燥で足の指の爪が硬くなり、少し白くなってい
         る。生色がない。爪は万病を映すとも言われる。
         歳のせいもあろうが、裸足で寒風にさらしたこと
         にも原因があるかも? 気休めかも知れないが、
         ハンドクリームを爪の下にすり込んだ

1/25wed 2017
冬のバラ 仲間の筆の 速く見え
     (ふゆのばら なかまのふでの はやくみえ)
        ※今年最初の絵画教室。年末年始から続くサボリ癖
         を断ち切らんと出かけたが、筆は遅々として進まず。
         どうも花はいけないと言い訳。顔は笑顔で・・・


1/24tue 2017
寒風や 場末の店の 煮込みかな
     (かんぷうや ばすえのみせの にこみかな)
        ※場末といってもここは浅草。売りは煮込み。湯気
         の向こうの、80歳過ぎの越後出身の女将さんが
         「もう閉めるよ」と。まだ五時前なのに・・・

1/20fri 2017
妻倒れ 難聴進む 友の顔
     (つまたおれ なんちょうすすむ とものかお)
        ※行きつけの理髪店の奥さんが入院した。やつれ
         顔の主人が不安と睡眠不足を訴える。しかし、こ
         ちらの言うことが殆ど聞き取れない。少しの間に
         悪化した・・・。奥さんの快癒を祈ること切なり

1/17tue 2017
統計は 最後ではないと 年男
     (とうけいは さいごではないと としおとこ)
        ※酉年年男。72歳の平均余命は13.4年とか
         (厚生労働省「平成19年簡易生命表」)。今はこ
         の種のデータが一瞬のうちに入手できる。統計
         曰く、「君の年齢では今年が最後の年男ではな
         いよ」「12年後まで頑張ってね、平均では生き
         られるはずだよ」
         ありがたいことなのか、どうか? 「たかが統計、
         されど統計」である・・・

1/15sun 2017
ブログ書く 今の農家の 冬仕事
     (ぶろぐかく いまののうかの ふゆしごと)
        ※知り合いの農家の後継は四季の仕事と交友など
         を中心にいいブログを持っている。冬は時間があ
         り、遊びもブログも充実しているという。冬仕事と
         言えば、稲わらの加工、筵や縄作りなどが定番
         で、ささやかな現金収入となっていたのは遥か昔
         の話で今はゼロとか。それに代わる収入の道が
         アルバイト以外にないのが悩み・・・

1/14sat 2017
カレンダーに 叱られ防止の WA
     (かれんだーに しかられぼうしの だぶりゅーえい)
        ※結婚記念日Wedding Anniversaryだ。小さく印刷
         文字のような字で2文字だけのサイン。このところ、
         この書き込みのおかげで事なきを得ている。以前
         は時々あった。その日になって突然言うものだから、
         どうしよう? かなり困った。やや陰険だと思った。
         来年頑張ろう・・と思った

1/13fri 2017
寒坊主と 呼びし昔は 雪の中
     (かんぼうずと よびしむかしは ゆきのなか)
        ※故郷の街では寒行托鉢のお坊さんを良く見かけた。
         今はどうかな? 編笠と黒づくめの僧形に、小学生
         は悪態をついてこう呼んでいた。根雪で道路が狭く
         なり、まっすぐに路肩を歩けなかった光景が蘇る

1/12thu 2017
朝練の 子が切なげに 咳をする
     (あされんの こがせつなげに せきをする)
        ※中学校の周囲を白い息を吐きながらランニングし
         ている。寒稽古という言葉が浮かぶ。あの子はや
         めとけばいいのに・・・

1/11wed 2017
二年越し 鳥の名調べ 初ひかり
     (にねんごし とりのなしらべ はつひかり)
        ※ジョービタキ? アカハラ? 年が明けてもまだ
         名前に行き着かない。留鳥で、見かける時はいつ
         も一羽。うすい赤茶色の胴体で腹に真っ白な部分
         がある。ピヨーーヨ?いい声で鳴く。もっと真面目
         に調べてみよう 

1/9mon 2017
駅頭に 師を待つ父の 赭い顔
     (えきとうに しをまつちちの あかいかお)
        ※戦後間もない年の正月に、師の篠田悌二郎とその
         師の水原秋桜子を待っている。若い父にとって大巨
         人を迎える喜びと緊張・・・

1/7sat 2017
寒の入り スーラの光 欲しいまま
     (かんのいり すーらのひかり ほしいまま)
        ※厳しい寒さ。今朝の光はピリピリしている。季節は
         違うが、点描の絵の光を思い出す。寒い朝に景色
         を眺めている者などいないから、独り占め、欲しい
         まま・・・。しかし「欲しいまま」というフレーズはいく
         つかの句で見たことがある。パクリ。
         点描風景画の趣味からすればスーラよりシスレー
         だが、字数がね・・・

1/6fri 2017
タオルまき 隣町まで 初湯かな
     (たおるまき となりまちまで はつゆかな)
        ※近くの温泉施設へなどではない。隣の町にある老
         舗の銭湯へクルマで出かける。節目節目でしか行
         かないが、本当にゆったりする。身も心も・・・

1/3tue 2017
名を知らぬ 読者に一礼 ブログ初め
     (なをしらぬ どくしゃにいちれい ぶろぐぞめ)
        ※こんな「シニアの雑記帳」のようなブログにも一定
         の読者がいる。感謝しながら、今年初めのブログ
         を書いた。よろしくお願いします

1/2mon 2017
初詣 樹木葬とやらを 見て廻り
     (はつもうで じゅもくそうとやらを みてまわり)
        ※清新な気持ちでお参りが出来た。最近は地方のお
         寺や自治体でも様々な形で「新しい墓」を売り出して
         いる。評判を読んだ都の「樹木葬」、当地でも古い寺
         が境内の一角に樹木葬を設置した。なかなかの場
         所だし、提案の内容もいい。ただ代替わりした、こ
         の寺の坊主が「かなりのやり手」なのが気にかかる

1/1sun 2017
去年今年 虚子を手本に 句をひねる
     (こぞことし きょしをてほんに くをひねる)
        ※しょうもない川柳らしき駄句を今年も作ろうと思っ
         ている。このダクタク(駄句多句)句集は日々の小
         文とあわせ「暮らしの意識」書き付け帳である。レ
         ベルは低いが、比較はなしよ・・・
         一年の計のつもり

12/31sat 2016
イェペスが ソルを奏でる 大晦日
     (いぇぺすが そるをかなでる おおみそか)
        ※大掃除は何も年内じゃなくとも、と思うと楽になる。
         イェペスの12弦ギターがソルの「24の練習曲」を
         演奏するYouTubeを聴く。いつ聴いても、静かで
         素直な曲とギターの音にホッコリする。
         ・・・いやいやゆっくり聴いてばかりはいられない。
         早く入浴して紅白に備えねば。

12/31sat 2016
年の暮れ 青空文庫で 荷風読む
     (としのくれ あおぞらぶんこで かふうよむ)
        ※先日向島を散歩した折に、玉ノ井、鳩の巣の旧赤
         線とそこを舞台とした荷風の「濹東綺譚」を思い出し
         た。年末とてさしてせわしくはない。タブレットにかの
         小説を呼び出してみる。ゆっくり眺める・・・

12/28wed 2016
駆けぬのに 馬齢重ねて 年の暮れ
     (かけぬのに ばれいかさねて としのくれ)
        ※誕生日を迎えた。年齢は70+α歳。来年は自分の
         干支(酉)だけれども、せっかく馬齢を重ねている
         のだから、ささやかでもほんの一隅であっても駆け
         るようなことをしたい・・・

12/28wed 2016
子が増えて 配給増えて 笑顔増え
     (こがふえて はいきゅうふえて えがおふえ)
        ※終戦直後の生まれ。当時は米の配給があった。年の
         瀬に家族が増えると、その年の配給が一人分遡って
         増えたという。さしずめ年末調整のようなものだろう
         か? 生まれつき親孝行と言われた?
         配給は昭和30年代の終わり頃まで続いた。修学旅
         行で宿泊するのに生徒は米を持参した。また、大学
         で上京し寮に入る時は「米穀通帳」を持っていって
         預けたっけ。今や信じられない話・・・

12/25sun 2016
初氷 咳払いして ひとまたぎ
     (はつごおり せきばらいして ひとまたぎ)

12/21wed 2016
古稀の年 持病さわがず 冬至る
     (こきのとし じびょうさわがず ふゆいたる)
        ※自慢にならないが、生活習慣病といわれる持病
         (複数)がある。「良くつきあってこそ一病息災」と
         長年世話になっているお医者さんから言われて
         いる。おかげさまで、この一年何事もなかった

12/20tue 2016
菊坂に 住まう人あり 鉢八手
     (きくざかに すまうひとあり はちやつで)
        ※以前に東京本郷の菊坂界隈にスケッチをしにでか
         けた。様々な季節に思い出す。一葉が住んだという
         谷あいの狭い土地は東京のど真ん中でありながら、
         今でもひっそりとしていた。すさまじいビル化の波は
         近くまでで、止まっていたが・・

12/19mon 2016
錯覚や 屋根に横とう オリオン座
     (さっかくや やねによことう おりおんざ)
        ※夕方の犬の散歩の時間、18時~19時。「オリオ
         ン舞い立ちスバルはさざめく・・・」と唄う星座が、
         この季節この時間には低く家々の屋根のすぐ上に
         横たわっている。ものすごく大きく見える。立ったオ
         リオンの2、3倍にも・・・。昇る満月が山のすぐ上で
         大きく見える、あれと同じ

12/16fri 2016
湯の町で 二人の首脳 ほっこりと
     (ゆのまちで ふたりのしゅのう ほっこりと)
        ※温泉の効能が交渉の円滑な進展に寄与するかな?

12/15thu 2016
脚線美 施設に入る 霜の朝
     (きゃくせんび しせつにはいる しものあさ)
        ※毎朝通る介護施設の駐車場を、脚のきれいな子
         が歩いて行く。短いスカートとコート、相当ご自慢
         なのだろう。実に、ヒナにはマレ。・・・入所してい
         る人たちが羨ましい。到る処青山あり・・・

12/14wed 2016
リュック流行り 尊徳翁の よみがえり
     (りゅっくはやり そんとくおうの よみがえり)
        ※背中に背負うバッグ。ビジネスマンもスーツにネク
         タイで背負うとか。見栄えより、楽さ・機能性が重
         視されるか。戦前の勤励報国の象徴として、すっ
         かり姿を消した二宮尊徳像が浮かびます。・・・あ
         のなつかしい校門横の銅像を思い出していたら、
         いつしか「歩きスマホ」の姿になり現実に逆戻り

11/26sat 2016
酔いつぶれ 友にすがりて 代々木まで
     (よいつぶれ ともにすがりて よよぎまで)
        ※酔いつぶれるのも悪くない。みんなが声をかけてく
         れる。駅までの徒歩をずうっと支えてくれた友

11/23wed 2016
柿の葉を 描き短き 午後を終え
     (かきのはを えがきみじかき ごごをおえ)
        ※去年は温州みかんが、今年は富有柿が豊作。ヘタ
         虫にやられずに済んだので数が多い。葉っぱ付き柿、
         というより柿の実付き葉っぱを絵画教室に持っていっ
         た。じっくり見ると柿の葉っぱの面白いこと、尽きるこ
         とがない。幸い好評。いい絵が出来た

11/7mon 2016
重吉と 加藤がつぶやく 秋の夜
     (じゅうきちと かとうがつぶやく あきのよる)
        ※「日曜名作座」
         効果音と音楽を除いたら、二人の語りで全てをやる。
         老若の登場人物からナレーションも。場合によって
         は応答する二人、三人を見事にこなす。実に見事だ
         った。滋味溢れるものだった。なにより余計な表現
         が削いであるから、聴く者の想像が自然に広がる

10/31mon 2016
飼い主は 買い食い犬は 拾い食い
     (かいぬしは かいぐいいぬは ひろいぐい)
       ※我が家の犬は健康そのもの、食欲もすごい。ついつい
        路上のものを口にするから、制止するのが大変。飼い
        主も時にそこらで買い食いするのが趣味? だから犬
        の気持ちがわかる。
        このコンビ、救いようがない・・・

10/30sun 2016
絵を出して 羞恥心なし 鰯雲
     (えをだして しゅうちしんなし いわしぐも)
        ※街の公民館の文化祭に絵画教室皆で絵を展示した。
         多くのおじさん、おばさんが見てくれる。半年前まで
         には考えられないことなのだが、不思議に恥ずかし
         く感じない。絵が上手になったとかではない。これっ
         て羞恥心が減退したってことかな・・・

10/27thu 2016
積ん読の 果ては哀しき 資源ゴミ
     (つんどくの はてはかなしき しげんごみ)
        ※「いつかきっと読むぞ」とせっせと買い込んだ本、
         また本。「今がその時ですぜ」と囁く自分がいるが、
         読書の秋でもなかなか・・・。本棚に飾っておく趣
         味はないし、思い切って一部は処分する

10/26wed 2016
ドライヤー 所要時間の 短さよ
     (どらいやー しょようじかんの みじかさよ)
        ※少し風邪気味なので、風呂上がりの髪をドライヤー
         で乾かした。面倒がり屋で滅多にやらない、実に久
         しぶり。驚いた! なんと手早く乾いてしまうものか。
         昔日の半分の時間、髪の量は何分の一だろう?
         これからはちょいちょい使えるなァ。地肌を焼かな
         いように・・・。さらにドライヤー自体が不要に
10/23sun 2016
磐梯の 赤き衣を 夢に見し
     (ばんだいの あかきころもを ゆめにみし)

10/23sun 2016
暮れなずむ 出湯の里に 君在りて
     (くれなずむ いでゆのさとに きみありて)
        ※田部井淳子さん亡くなる。77歳。
         磐梯山の麓、沼尻温泉に彼女が関係する小さなロッ
         ジがある。彼女の山行業績にまつわる記録や写真、
         道具類が展示されていた。6、7年前に妻と弟と3
         人で立ち寄り、休憩し、温泉を楽しんできた。温泉
         は素朴そのもので湯は熱く、弟と1時間以上もゆっ
         くりしたものだ。今はちょうど紅葉真っ盛り・・・

10/14fri 2016
額届き 馬子にも衣装の 我が絵なり
     (がくとどき まごにもいしょうの わがえなり)
        ※絵画教室で、秋の文化祭に近くの公民館に展示す
         るという。一番新米は戸惑うが、否やは許されず、
         渋々額をネットで求めた。実力並みの廉価なものは
         少ない。・・・しかし、届いた額に候補作品を嵌めて
         眺めてみたら、ニコニコ・・・もうちょっと高いのにす
         れば良かった

10/9sun 2016
使わざりし 砲台訪ね 雨しとど
     (つかわざりし ほうだいたずね あめしとど)
        ※地域のフィールドワークで対岸横須賀市走水にある
         砲台跡を訪ねた。生憎の強い雨でガイドさんともど
         もずぶ濡れとなる。東京湾口を見下ろす、この地に
         は幕末に作られた砲台と、明治20年代に作られ太
         平洋戦争まで現役だった砲台とがある。いずれも実
         戦には使用されなかった

10/9sun 2016
両岸は 古事記の媛の 縁続き
     (りょうがんは こじきのひめの えんつづき)
        ※古代の東海道は横須賀走水から海路を通り上総に
         至っていた。日本武尊の東征軍が渡海に難渋する中、
         最愛の妻弟橘媛(おとたちばなひめ)が海に身を投
         げ、海を鎮めた。軍は海の上を走るように進んだと
         か。このお話が木更津、君津、袖ヶ浦3市名の源、
         横須賀市とつながる所以

9/30fri 2016
便利とは 不便のことなり スマホ秋
     (べんりとは ふべんのことなり すまほあき)
        ※電話やメールが時を問わずにくるし、便利さにかま
         けて費やす時間は知らぬ間になにかを奪っている。
         こんなもの、もう飽きたと言いたいのだが・・・
         空を見上げれば秋の雲の見事さ

9/26mon 2016
萩の家 まわり道行く 犬の恋
     (はぎのいえ まわりみちいく いぬのこい)
        ※9月に入って極端に日照時間が少なかったが、この
         一両日少しだけ太陽が顔を覗かせた。朝の散歩も楽
         だ。犬に引かれて、彼氏の家を経由する

9/25sun 2016
カストロで チェの顔浮かぶ 彼岸明け
     (かすとろで ちぇのかおうかぶ ひがんあけ)
        ※フィデル・カストロとチェ・ゲバラ、稀代の英雄

9/24sat 2016
レシピ付け 瓢箪カボチャを 人にやる
     (れしぴつけ ひょうたんかぼちゃを ひとにやる)
        ※カボチャの中でも瓢箪かぼちゃは我が物顔に畑に
         蔓延る(?)が、大きな実をいくつもつける。種類が
         あるらしいが、総じて味は淡白、煮物には向かない。
         家畜の餌に、とかいう悪口は言わずに考えよう。
         ・・・焼いて醤油をたらして食べてみる。結構いけ
         る。食感がモチに似てるとも。自己主張が少ない
         食材だから、調理法はまだまだ他にもあるはず

9/22thu 2016
菊坂の 路地裏恋し 萩咲けり
     (きくざかの ろじうらこいし はぎさけり)
        ※マンション化の波が谷合いの路地近くまで押し寄せ
         てきているが、明治大正の家並が生きているここ。
         住民がいてこその雰囲気がいい。あの地形と不便さ
         が近代化を拒絶する。
         でも大丈夫かな・・・今も変わらないかな。萩が生垣
         からこぼれていた狭い路地・・・

9/12mon 2016
浮かぬ日は バッハのアダージョで 腰を上げ
     (うかぬひは ばっはのあだーじょで こしをあげ)
        ※犬の散歩は年中無休。悪天はまだしも、体調や気
         分が最悪な日も。そんな日は急がず、これを聴く・・
         ・・・。霊験あらたか?

9/11sun 2016
「弘法も筆を選ぶのよ」と 言われ買い
     (「こうぼうもふでをえらぶのよ」と いわれかい)
        ※絵画教室のS先生が手にした私の筆は、なんと中学
         校時代のもの。物持ちが良いほうではないが、何故
         かこれだけは。60年近く昔のもの。
         半信半疑のまま、筆を買った。なるほど・・・これはい
         い、良い絵が描けそう。疑っていたわりには、納得が
         ややイージーかな

9/8thu 2016
花オクラ 喉元を過ぎる 夏の味
     (はなおくら のどもとすぎる なつのあじ)
        ※花びらをさっとゆがいて、酢じょうゆで。ニュル
         ニュルが通り過ぎる時、あのオクラの味が。近所の
         畑自慢の方からのいただきもの

9/6tue 2016
朝練の 子が駆けていく 残暑かな
     (あされんの こがかけていく ざんしょかな)
        ※2学期が始まり、近所の中学生が朝練の時刻に遅れ
         るのか、全速で学校に走っていく。長い夏休みで朝
         寝坊のクセが抜けない?

8/30tue 2016
IOT ハッカー巣食う 数珠となり
     (あいおーてぃ はっかーすくう じゅずとなり)
        ※ネットと設備や電気機器などが無数に数珠のように
         つながる。その数珠は希望と快適の数珠であり、同
         時に悪意が暗躍する数珠ともなる

8/28sun 2016
風の盆 まだ見ぬ土地の いい女
     (かぜのぼん まだみぬとちの いいおんな)
        ※越中八尾のおわら風の盆。照明や灯りを最小限にし
         た闇の演出、ドラマや小説などで膨らんだ幻想と魅
         力・・・訪れたことがない者だけ?が味わえる憧憬。
         きっといい女が踊っている

8/26fri 2016
夏富士の 高く見ゆる日 友の逝く
     (なつふじの たかくみゆるひ とものいく)
        ※F氏のお通夜に参列。肩痛の原因が肺がん、既にリ
         ンパ腺に転移していてアッという間に逝去。合掌

8/23tue 2016
夏シニア 北海道で 畑作に
     (なつしにあ ほっかいどうで はたさくに)
        ※年上の知人がもう10年も前から「夏限定北海道
         移住+農業生産」をしている。なんとも思い切ったも
         のだと思う。そして持続。北海道の大雨被害が報道
         されて、彼の生活を想う。被害のないことを・・・

8/20sat 2016
夏の闇 不沈戦艦の 慟哭や
     (なつのやみ ふちんせんかんの どうこくや)
        ※毎年8月になると海底に沈んだ戦艦武蔵、大和の静
         かな慟哭が聞こえる。今年はレスリング女子の不沈
         戦艦も轟沈した・・・泣け、泣けばいい

8/19fri 2016
まだ余裕 夏のピークに 胸をはる
     (まだよゆう なつのぴーくに むねをはる)
        ※この夏は比較的体調が安定。運動もまあまあ、台風
         一過の空に深呼吸して胸を張る。或る日の突風でバ
         ターンということもあるが、まずは祝着・・・ということ
         にしよう

8/18thu 2016
ひょいと来て 稲倒し去る 夏台風
     (ひょいときて いねたおしさる なつたいふう)
        ※先日の台風7号、さほどの被害は報じられていない
         が、当地の稲作農家には一部風による被害が出た。
         8月中下旬に稲刈りを予定しているだけに、稲穂が
         重く垂れ下がって風被害が出やすい。水没はないよ
         うだ

8/16tue 2016
夏のデイ 迎えのバスの 人の笑み
     (なつのでい むかえのばすの ひとのえみ)

8/16tue 2016
デイに送り あとはしばしの 盆休み
     (でいにおくり あとはしばしの ぼんやすみ)
        ※家族の介護に盆も正月もない。大切なのは極力周囲
         の協力や専門施設の利用を取り付けることとか。朝、
         デイのお迎え、女性スタッフの明るい声が週のリズム
         を作ってくれるよう・・・。さあ、今日は少しだけ寝転んで、
         盆休みの気分を味わおうかな

8/15mon 2016
空っぽの 通り我がものに 盆の朝
     (からっぽの とおりわがものに ぼんのあさ)

8/15mon 2016
盆休み 釣り三昧の 人ふたり
     (ぼんやすみ つりざんまいの ひとふたり)
        ※盆の朝の気配は格別。2,3日前から大型車が姿を
         消し、皆家でゆっくりしてるなァとわかる。ドライブの
         クルマもやや少ないようだ。世のオヤジはテレビに
         かじりつきたい? 暑いし・・・

8/13sat 2016
さあ帰ろ 迎え火小さき 角の家
     (さあかえろ むかえびちさき かどのいえ)
        ※締まり屋の嫁だから迎え火が小さい。でも、ちゃん
         と迎えてくれている。思えば、世話になったなァ

8/11thu 2016
朝夕に 山見る暮らしの なつかしき
     (あさゆうに やまみるくらしの なつかしき)
        ※山の記念日
         啄木の歌に、「ほたる狩り 川に行かむという我を
         山路にさそう君にてありき」というのがあった。岩手
         渋民村は男の岩手山、女の姫神山を望む。同じ山
         の回想にしても、こういう甘い味をまぶしてみたい
         ものだ・・・。 
         夏の風物詩「ペルセウス座流星群」、明日8/12 21
         時が極大時刻らしい。これも山の方がいいとか・・

8/3wed 2016
泣きながら ボードで行く子 百日紅
     (なきながら ぼーどでいくこ さるすべり)
        ※近くの坂道沿いが百日紅だけで百花?繚乱。ここの
         並木道の、今が一番の旬。赤、ピンク、紫、白に微妙
         な濃淡が加わる。朝にいい色、灼熱の光に生える色、
         夕方に浮かび上がる色・・・。
         泣くのもいい、夏休みの思い出

8/1mon 2016
犬もまた ミルクの前に 水飲まず
     (いぬもまた みるくのまえに みずのまず)
        ※当家の雑種犬、散歩から戻ると毎朝ミルクをやる。
         こんな夏の朝、どれだけ喉が乾いているだろうかと
         思うのだが、家について冷たい水をやっても一顧だ
         にしない。名犬・・・

8/1mon 2016
耄碌や ビールの前に 水を飲む
     (もうろくや びーるのまえに みずをのむ)
        ※かたや飼い主、夕方の散歩を終えて、シャワーを
         浴びて今日は即ビールと決めていたのだが・・・。
         犬に食事をやったところで、ぐいぐいと水を飲んで
         しまう。後の祭り・・・、耄碌寸前・・・

7/29fri 2016
梅雨明けや 日陰のルートを 犬選び
     (つゆあけや ひかげのるーとを いぬえらび)
        ※我が家の犬は5歳半ほど。シニアではない。なのに、
         この始末。犬は寒さより暑さに弱いようだ。関東地方
         は昨日梅雨明け

7/24sun 2016
ひぐらしや 存分に聞く この涼気
     (ひぐらしや ぞんぶんにきく このりょうき)
        ※昨日はまるで高原にいるような、涼しく爽やかな一
        日だった。いつも18時過ぎに店仕舞いするひぐらし
        が19時近くまで澄んだ鳴き声を聞かせてくれた

7/22fri 2016
居酒屋で 15000歩を 確認し
     (いざかやで いちまんごせんぽを かくにんし)
        ※門前仲町は深川不動尊にお参りし、大通りから一つ
         奥まった通りの居酒屋にイン。今日の全工程を終え
         る。5時半を回った頃、店は既に大賑わい。コースの
         一部を割愛したが、歩数は予定以上。快い疲労感

都立庭園 清澄訪ね 過半とす
     (とりつていえん きよすみたずね かはんとす)
        ※清澄庭園は都立9庭園のうち5ツ目。外側の道は何
         度か通っているが、入園は初めて。この地は江戸期
         に材木の集散地として発展し、紀伊国屋文左衛門の
         屋敷から始まったとされる。大名屋敷を経て、明治に
         入って岩崎家の所有となり、庭園として整備されたと
         か。典型的な明治期の回遊式林泉庭園という

雨上がり 万年橋きわの 芭蕉庵
     (あめあがり まんねんばしきわの ばしょうあん)
        ※7/15 本所・深川から門前仲町まで③
         小名木川が隅田川に合流する辺りにあったという庵。
         芭蕉が36歳の時、日本橋から移り住んだという。
         もうすでに門人に囲まれた宗匠であったとか。小名
         木川の隅田川寄りの最後の橋の名が「万年橋」と知
         った。木更津で毎朝通る小櫃川にかかる万年橋と同
         名

画然と 江戸新開地の 道と堀
     (かくぜんと えどしんかいちの みちとほり)
         この本所、深川地区は17世紀中頃に、当時の湿地、
         干潟や浅瀬を埋め立てた干拓地。碁盤の目のように
         通りは作られている

7/9sat 2016
カンナ咲く 国鉄官舎の 記憶ふと
     (かんなさく こくてつかんしゃの きおくふと)
        ※昭和30年代までの旧国鉄時代の地方駅の近くには、
         官舎(今で言えば社宅)、当時の従業員住居があっ
         た。2軒長屋式で木造駅舎と同じ色をしていた。なぜ
         かカンナの花を見ると、その光景を思い出す。駅構
         内にも赤いカンナが植栽されていた。故郷のなつか
         しい思い出の一つ。夕方近くを通ると、夕餉のにおい
         がしたっけ。昨日はカレー、今日は大根の千切りに
         油揚げの味噌汁のかおりが・・・

7/4mon 2016
みな薄毛 眉間のシワも とうに消え
     (みなうすげ みけんのしわも とうにきえ)
        ※会社同期会の続き
         一騎当千の強者もいた。ゆとりの優しいヤツもいた。
         押し出しの強いヤツも地味なやつも。共通していた
         のは日本経済活況期の最中に勤務に真剣に勤しん
         だということ。しかし、時は流れ、経済と社会は大き
         く変貌しつつある。意見はあるにしても・・・皆の顔は
         穏やかになった

6/30thu 2016
世界中で お祓い受けよか 夏越しの日
     (せかいじゅうで おはらいうけよか なごしのひ)
        ※「夏越の祓え(なごしのはらえ)」半年のケガレ、アカ
         を落とし、収穫を含む後半年の無事を祈る行事。宮
         中では古来大晦日と同じく年二度の大祓えを行う。こ
         れが民間に広がり、関西を中心に出雲系の神社で夏
         越の祓えを行うようになったとか。
         その昔、上野観音堂に復活した広重ゆかりの「月の
         松」を、夏越し祓え用の茅の輪かと勘違いしてちょ
         っぴり恥をかいたことを思い出した

いそいそと スイカの受粉 寝坊せず
     (いそいそと すいかのじゅふん ねぼうせず)
        ※スイカは雌花が比較的小さく、人手による受粉はや
         や難しいとか。虫に頼むのが一番なのだろうけれど、
         虫自体が少ない場所もある。開花後2、3時間のう
         ちに、離れた畑まで出かける

6/19sun 2016
この国は アオイ科様さま 夏の花
     (このくには あおいかさまさま なつのはな)
        ※我が家の庭も、近所のお宅も、アオイ科のムクゲ、
         アオイ、フヨウの花々を見ない日はない。筆者にと
         ってはこれぞ断然日本の花という感がある。ついで
         に言えば畑のオクラの花も見るからに仲間で、これ
         皆「アオイ科」、アオイ科様さま。
         全て一日花で、楚々とした名花である。ムクゲなど
         は夏中盛んに花をつけ続ける。ケナゲです

6/18sat 2016
真夏日に うちのお嬢は 悲鳴あげ
     (まなつびに うちのおじょうは ひめいあげ)
        ※梅雨の合間に真夏日襲来。メス5歳の雑種犬は、散
         歩先では日陰に急に横たわってストライキ、夜には
         寝床が熱いとヘルプミーの悲鳴を・・・

6/13mon2016
武満と 俊太郎の詩が 共鳴し
     (たけみつと しゅんたろうのしが きょうめいし)
        ※昨夜放送の4月N響定期「系図(Family Tree)~
         若い人たちのための音楽詩」、良かった。ググッと
         刺さり込む武満の魅力とは違って、朗読と曲が溶け
         合い、素直な充足感を残してくれた。
         これは詩の朗読を独奏者にしたコンチェルト・・・

6/11sat 2016
親を看る 勲一等の 妻の顔
     (おやをみる くんいっとうの つまのかお)
        ※友人は父親の認知症が進み、自宅介護を諦め、この
         度施設に預けた。友人の奥さんはそれを苦にしてい
         るという。5年以上の奥さんの献身的な介護を知っ
         ているだけに、心からご苦労様と言いたい。良い施
         設に恵まれれば、患者にとっても最良となることも
         ・・・少し身体を休めて欲しい。これからも大変だから

感謝する クセつけねばと 古稀の坂
     (かんしゃする くせつけねばと こきのさか)
        ※感謝するは心から。されど感謝するは能力、一方で
         感謝するは習慣。
         「感謝するより、されることの方が多い」とうそぶく人
         は多分感謝する能力に欠ける人、感謝する場面に
         鈍感な人。感謝は相手にわかるようにという意味で
         は習慣が大事。相手に伝えるクセを・・・

日本も 水田のまわり 蚊はいない
     (にっぽんも すいでんのまわり かはいない)
        ※借りている畑では一年中ほぼ蚊はいない。南仏や
         イタリアを気取って、ここで食事も出来るなァと家内
         に言ったら、「ここいらは周囲の田んぼでしこたま
         農薬を使っているからよ」と。納得。
         虫も、蚊もいない、蛇もいなくなり・・・これって喜べ
         ない

6/8wed 2016
老班は 父親譲り 梅雨の夜
     (ろうはんは ちちおやゆずり つゆのよる)
        ※父親と同じ場所、同じ文様?の老斑が・・・。これ
         ばかりは似なくともと思っていたが、残念だがしっ
         かり親子。嬉しいような、やっぱりそうじゃないよ
         うな。ブルッ、一枚では肌寒くなってきたぞ・・・

6/6mon 2016
潮干狩り ぴったり2キロの 持ち帰り
     (しおひがり ぴったりにきろの もちかえり)
        ※今シーズン、初めての潮干狩り。曇天で微風、絶好
         の天候。海上ではちょっとの太陽でも、照り返しと潮
         風のために日に焼ける。
         今年新たに潮干狩りを始めた、この海岸は収穫は
         イマイチ、それでも検量所ではリミットいっぱい。
         越えると1キログラム800円で買い求めとなる

6/5sun 2016
家ごもり 文句言われぬ 梅雨が好き
     (いえごもり もんくいわれぬ つゆがすき)
        ※好天でも埃っぽい日は苦手。終日家にいて、なにす
         るわけでもなく、時を過ごすのは最高。生産的なこと
         は殆ど含まないが、やることは実はいっぱいある。
         梅雨待望・・・今日明日にも?

雨降って 地固まらぬ シニア道
     (あめふって じかたまらぬ しにあみち)
        ※家族とか経済状況とか交友とか・・暮らしの基本と
         なるフレームはそんなに変わりようがないものだが、
         モノの考え方、なにに価値を置くか、十分に潔いか
         などなど・・・過去の悔いをくよくよすることから脱け
         だせない故に、またこんな現世故に、小さな胸は揺
         れ動き、惑うことが少なくない。・・・雨の日がいい。
         なにせ初体験のシニア道・・・

6/3fri 2016
さくらんぼ 10個頬ばり 富士嗤う
     (さくらんぼ じゅっこほおばり ふじわらう)
        ※山梨勝沼で初のさくらんぼ狩り。家内の野菜栽培サ
         ークルのバスハイクに便乗した。夢中で頬ばったの
         は、たわわに赤く実った紅秀峰という品種。甘いッ
         ・・甘すぎる・・・。年甲斐もなく、もいで食べる、また
         食べる・・山梨側からの富士は久しぶり。
         1個が大きいし、実際は口の中に10個はムリ。せ
         いぜい5~6個だった。種を機関銃のように?出す。
         よくやるねェ、70歳の人のやることか・・・

6/1wed 2016
デカ尻を 押し上げ桃の 袋かけ
     (でかしりを おしあげももの ふくろかけ)
        ※たった一本の桃の木。摘果を2度やり、今日は袋か
         け。去年は味はまずまず、しかしいかにも実が小さ
         かった。捕らぬ狸の皮算用、立派な桃を夢見ながら、
         脚立に上った家内を下から支える・・・

5/31tue 2016
野外にて 半世紀ぶりの お絵かきを
     (やがいにて はんせいきぶりの おえかきを)
        ※絵画教室、今日は青田と新緑を求めて屋外特別編。
         心地よい微風と日光は最高で、気持ちはワクワクし
         たのだが・・・。これがなんとも様にならず、次第に焦
         りが募ってきた

5/29sun 2016
野山歩き 健脚向けで 参加減り
     (のやまあるき けんきゃくむけで さんかへり)
        ※南房総の伊予ヶ岳と富山(とみさん)を縦走するコ
         ース。一旦平地まで下りて登り返すのが大変なのと
         伊予ヶ岳の頂上付近は大きな岩が重なっていてロー
         プや鎖の伝い歩きを要求される。事前の案内に「健
         脚向け」の一言が・・・。いつもは定員がアッという間
         に埋まるのが、今回は25人ほど。平均年齢は55歳
         前後とか。幸いきれいに晴れ上がり、快適だった

5/27fri 2016
薫風や 被爆者の胸に 灯がともり
     (くんぷうや ひばくしゃのむねに ひがともり)
        ※米大統領の広島訪問、なにはともあれ大きな前進。
         言及しないまでも、彼の胸に去来しているものは?

麦こがし 名前で口鼻 くすぐられ
     (むぎこがし なまえでくちはな くすぐられ)
        ※早朝散歩道の和菓子屋に「麦こがし」の文字が。
         もうこれだけで五感は過剰反応、昔の味が・・・

5/20fri 2016
移動学習 土産選びが 最優先
     (いどうがくしゅう みやげえらびが さいゆうせん)
        ※地元の「歴史を学ぶ会」に参加。今回は横須賀、横
         浜方面にバスハイクを兼ねた移動学習会。とはいえ、
         参加者のお目当てはなんと買い物。横須賀港の記念
         艦「三笠」を見学し、レクチャーを受けた後は昼食と
         ショッピングモールでの土産あさり

三笠にて 戦後の教育を 嘆く人
     (みかさにて せんごのきょういくを なげくひと)
        ※日露戦争の日本海海戦で圧倒的な勝利で日本に勝
         利をもたらした東郷平八郎元帥と旗艦三笠。横須賀
         港に記念艦として展示されている。
         元海上自衛隊の方から講話があった。わかりやすい
         説明で良かったが、現在の自衛隊と国防に関する一
         般人の認識の低さを嘆くことしきり

三溪園 道楽の規模に 度肝抜き
     (さんけいえん どうらくのきぼに どぎもぬき)
        ※3度目の訪問だが間が開いた。しかもボランティア
         の方が懇切に説明してくれたので、庭園のすごさ、
         今日的価値を再認識した。天気も最高・・・午後の
         やわらかい光とそよ風

5/18wed 2016
YouTube 紗矢香は娘 いや孫か
     (ユーチューブ さやかはむすめ いやまごか)
        ※庄司紗矢香を小さい頃から見てる。天才ヴァイオリ
         ニスト。CDも持っているが、今はYouTubeで以前
         の演奏から最近のものまで、なんと嬉しいことよ。
         彼女が演奏の合間にそっと微笑む。それを見て、こ
         のシニアも微笑む。オッ、俺の笑顔も捨てたもんで
         もない、という気に・・・。
         もう結婚してもいいよ

おなじみの 力士の名前で 年齢が知れ
     (おなじみの りきしのなまえで としがしれ)
        ※テレビ放送開始の頃、相撲は野球、プロレスと並ん
         で庶民が歓喜した番組。街頭の受像機に、病院の待
         ち合わせ室に、町内の電器店に、金持ちの家に押し
         かけた。「高嶺の花」のテレビはいずれも高い位置に
         セットされていたっけ。 東富士、千代の山、鏡里、
         吉葉山、朝潮などがその頃の横綱。これらを知る世
         代は70~75歳か

5/16mon 2016
白鵬や 枯淡の域には ちょと遠く
     (はくほうや こたんのいきには ちょととおく)
        ※なにせ強い横綱で、記録を悉く塗り替えている。一
         人横綱時代の功績も大きい。がしかし、風格、挙措
         となると今イチの感がある。日本人は欲得を越えた
         強さ、野武士の風格を好むから・・・、いつまでも
         「つっぱり気」が抜けないところが気になる

苗植えて 夢はスイカを 撫でており
     (なえうえて ゆめはすいかを なでており)
       ※捕らぬ狸の皮算用。買ってきた苗はしっかり接木をし
        た、確率の良いもの。高価・・・

5/14sat 2016
野を歩き 鎌足ざくらを 語る人
     (のをあるき かまたりざくらを かたるひと)
        ※4月下旬に「鎌足さくらを見る野山歩き」の会に参
         加した。リーダーは守る会の女性。50歳代とおぼ
         しき女性3人で20年以上会を続けてきたという。
         注目は、鎌足公ゆかりのサクラ鑑賞にとどまらず、
         地域の自然、歴史、暮らし全般に精通していること。
         野を横切ってお堂と小さな仏像を見、山を登っては
         砦跡を眺め、下って開墾地の跡を解説、5時間に及
         ぶ歩き会は充実そのもの。こんな取り組み、地味だ
         けど他にないよー。表彰もの・・・

5/11wed 2016
絵画教室 七十歳の 新入生
     (かいがきょうしつ ななじゅうさいの しんにゅうせい)
        ※好きなのですが、「下手・細かい・遅い」と三拍子
         そろっています。よろしくお願いします、と挨拶。
         重圧もあるが、この年齢で人から物を習うというの
         は胸躍るものがある

5/10tue 2016
ツバメ入れ 戸を締め夜の ご飯かな
     (つばめいれ とをしめよるの ごはんかな)
        ※朝夕にツバメのための開け閉めをしてやる家。店屋
         さんの家とか入口に土間がある家とか、少なくなっ
         ている。家族の一員のような感覚も・・・

三角の 角巻という 母の味
     (さんかくの つのまきという ははのあじ)
        ※知る人は多くないと思っていたが、テレビで何度も
         登場してびっくり。モチゴメを三角の笹の中に入れ
         て蓋をし、藺草でしばり、セイロで蒸す。保存がき
         く。・・・さめたモチゴメの食感を思い出す。
         さました砂糖湯につけ、きな粉をまぶして食べる。
         大好きだが、この20年ほど機会に恵まれない

藤村の 通いし食堂 川べりに
     (とうそんの かよいししょくどう かわべりに)
        ※藤村の小諸での教師生活時代、千曲川の川べりにあ
         る食堂兼飲み屋を愛好していた。その頃を描く自伝
         的小説に登場する。入口から真ん中に通路があり、
         両側は畳が敷いてあり衝立で仕切られていて上がっ
         て食事をする。向かって左側は千曲川が見下ろされ、
         絶好の眺め。休みには仲間の教師と連れ立って、時
         に昼間から酒を飲む・・・。見てきたような嘘? 
         
         当地にある川べりの食堂は本当に同じイメージ。長
         年そう思って来た。もっともこちらは先年店を閉じ
         たが

5/6fri 2016
新樹風 痩身の父に 強すぎて
     (しんじゅかぜ そうしんのちちに つよすぎて)
        ※病後の父を家に預かった頃の回想。すっかり痩せて
         しまった父は、相変わらず外を散歩したがる。ちょうど
         今頃の季節だった

植物系 鯉食う暮らし 遠くなり
     (しょくぶつけい こいくうくらし とおくなり)
        ※その孫も長じて「植物系男子」などと言われて、お
         となしくしているようでは・・・。そもそも鯉のぼりは
         「男らしくあれ」の象徴です

植物系 戦争はムリ この国は
     (しょくぶつけい せんそうはむり このくには)
        ※植物系とは関係ないが、若い人の集団意識、帰属意
         識は良くも悪くも総じて薄い。悪口で言えば、日々
         の目先の安寧をなにより優先し、それが危うくなる
         と頑なに反発する。戦争法案、徴兵制に道とか言わ
         れるともう先が見えない。
         そうでない人も大勢いるのだが・・・。

5/4wed 2016
地下鉄が やたら多くて ついタクシー
     (ちかてつが やたらおおくて ついたくしー)
        ※新しい地下鉄、もう何年もたっているが、自分が住
         んでいた頃になかった路線は縁遠い。便利なことは
         わかっているが、つい地上へ・・・

花求め 津軽海峡を 戻り旅
     (はなもとめ つがるかいきょうを もどりたび)
        ※その時本州からの旅人がいて、予定を早めて本州に
         帰り弘前のサクラを見に行くと言っていたっけ。
         最近は地球温暖化のせいか、連休中に松前も函館も
         毎年コンスタントに咲くらしい。
         あの頃の北海道の連休中はまだ寒く、「連休明けに
         は、色んな花が一斉に咲くから、それは見事だよ」
         と慰められた

5/2mon 2016
犬癒えて 八十八夜の 月に吠え
     (いぬいえて はちじゅうはちやの つきにほえ)
        ※飼い犬の病気がやっと治まった。今日は八十八夜。
         今年は萩原朔太郎の生誕130年と言っていた。
         代表詩集「月に吠える」

鯉のぼり 見上げる孫の 脚長く
     (こいのぼり みあげるまごの あしながく)
        ※今ここにジジ、息子、孫と三代の男が揃っている。
         孫の脚が飛び抜けて長い、いいプロポーション

メイデイに 投資を促す プラカード
     (めいでいに とうしをうながす ぷらかーど)
        ※最近経営陣のミス、弱気による企業の停滞が目立つ。
         内需の頭打ち、少子化を理由にしているが、経営者
         総弱気化に陥っているのでは? 慎重すぎる経営は
         組合にも歓迎されない。
         メイデイに曰く、「もっとリスクをとろうよ」


2016.4
ribbon1-20.jpg老舗にて インバウンドは 蕎麦を食う
     (しにせにて いんばうんどは そばをくう)
        ※江戸蕎麦を食わせる老舗あり。列を作って順番を待
         つ客の中に外人観光客多数。口コミか情報誌か、好
         奇心は高い

ribbon1-20.jpg荷風忌に 朗読を聞く すみだ川
     (かふうきに ろうどくをきく すみだがわ)
         ※この年齢(シニア)になっても荷風を味わい尽く
          すことには困難が。最近は困難にいらいらせずに、
          少しずつ様々に噛み締めようという気に。リズム
          がきいた文体は音読、朗読がいい・・・

ribbon1-20.jpg散り際も 毎年のことならば 俺だって
     (ちりぎわも まいねんのことならば おれだって)
        ※散り際、引き際はサクラの潔さに学べ、と言われる。
         でも桜は来年また花を咲かすじゃないの・・・凡人
         のクレームである。こちとら一回散ったら「一巻の
         終わり」なのだから、まだ未練も煩悩もあるさ

ribbon1-20.jpg立つ人の 荷物を膝に 春の風
     (たつひとの にもつをひざに はるのかぜ)
        ※こういう風は美風。上京し、電車の中の光景に感心
         したのは40~50年ほど前。席を譲る親切もさる
         ことながら、さりげない気遣いがあった。
         今では皆無に近い。言い出そうものなら、「け、結
         構ですッ」と警戒される

ribbon1-20.jpg顔を向け 大口開けて 電話する
     (かおをむけ おおぐちあけて でんわする)
        ※文化は変わるもの。振り返れば、アッという間に変
         わってしまっている。その昔私的な電話は背を向け
         て、小さな声で話したものだ。ケイタイが世に出て、
         誇らしげに使った人種から一変した

ribbon1-20.jpg田の畦に 腰直角の 老父あり
     (たのあぜに こしちょっかくの ろうふあり)
        ※田植え前の仕事が続く。作業する息子は若く見える
         がシニア直前のはず。畦に立つ彼の父親はなんと
         90歳超。毎日欠かさず畦から見守る。寒いなどとは
         間違っても言わない


ribbon1-20.jpg壇蜜の NHK続々 僕は好き
     (だんみつの えぬえちけいぞくぞく ぼくはすき)
        ※壇蜜がNHKのドラマに、ドキュメントに、海外特
         番に、果ては語学番組にも。まあ結構絵になるし、
         出しゃばらないのがいい。好みの問題でしょ

ribbon2-20.jpg部活やれ 父は息子に 見直され
     (ぶかつやれ ちちはむすこに みなおされ)
        ※めったにアドバアイスらしきことを言わなかった中
         学生になる息子に、一言「運動の部活をやれ」と言
         った。身長がないからと迷っていたバスケを息子は
         選ぶ。父親は絶好のタイミングで背中を押した・・
         ・。家内は「父親から言われたのが嬉しかったみた
         い」と。久々のクリーンヒット
2016.3
ribbon1-20.jpg待ち合わせ いつも西美の モネの部屋
     (まちあわせ いつもせいびの もねのへや)
        ※シニア男同士の待ち合わせの場所はちょっとゆかし
         い。上野西洋美術館のモネの部屋だ。常設展順路で
         は一番最後部分になるので、順路をお尻から入る。
         ・・・この付近、常設展の極め付きの場所。万が一
         待ち合わせの相棒がここに来る途中で倒れたにして
         も、何時間でも待っていられる。ちなみに、ここ、
         常設展だけならシニアは入場無料

ribbon1-20.jpg無人駅 列車はワンマン 客二人
     (むじんえき れっしゃはわんまん きゃくふたり)
        ※JR久留里線は無人駅が多い。日中客が減る時間帯は
         運行は一輛でワンマンだ。この路線もトコトコ列車
         と沿線の自然を求めて、観光客が増えている。乗客
         が二人ということはない。念のため

ribbon1-20.jpgワンマンを 弾丸と聞いて 花曇り
     (わんまんを だんがんときいて はなぐもり)
        ※戦前に東京-下関-(関釜連絡船→将来は海底トンネ
         ル)-朝鮮半島-旧満州新京-中国北京を高速鉄道で
         つなぐ計画があった。「弾丸列車」と呼ばれていた。

         畑にいる時、近くの無人駅のアナウンスが「木更津
         行き弾丸列車」という。「おお~?」と驚く。見た
         こともない旧満州の地平線が目に浮かんだ。
         ・・・「木更津行きワンマンレッシャ」と言ってい
         るのだが、その後もダンガンレッシャに聞こえる。
         ものみな霞む春の幻聴か・・・

ribbon1-20.jpg図書館の ネット予約が ムチとなり
     (としょかんの ねっとよやくが むちとなり)
        ※今殆どの公共図書館ではホームページを持ち、イン
         ターネットを用いた予約サービスをしている。人気
         のある本は数ヶ月の待ちがざら。予約順が来ると、
         電話かメールで知らせてくれる。別の人が次に待っ
         ているから、どんなに長編の本でも2週間を越えて
         の延長は出来ない。時々2、3冊いっしょに、順番が
         不意にやって来る。さあ、大変。今読んでいる本を
         後回しにして予約した本を優先するしかない。
         読むぞォ・・・

ribbon1-20.jpgもこもこと 啓蟄なれば 旅ごころ
     (もこもこと けいちつなれば たびごころ)
        ※今年は3月5日が24節季の一つ、啓蟄。もこもこ
         しだすのは虫たちばかりではない。
          「鉢馬酔木 咲けばそろそろ 旅ごころ」
         という句を覚えている(作者失念)

ribbon1-20.jpgほれッそこだ 床屋のおやじの 手が震え
     (ほれそこだ とこやのおやじの てがふるえ)
        ※おやじはシニア、無類の高校野球好き。試合時間に
         合わせて頭を刈に行く。時々テレビを見ながらだ・・
         ・・もっと真面目にやれッ

ribbon1-20.jpg習い事 お師匠さんは YouTube
     (ならいごと おししょうさんは ゆーちゅーぶ)
        ※YouTubeが一気に加速度的に充実している。小遣い
         を稼ぐ目的、商売目的ばかりではなく、内容の充実
         と読者の増加そのものを目標にした良心的なアップ
         ロードがいかに多いか! 絵画や楽器の演奏、語学、
         そろばんなどなど・・・十分成果を望めると思う。
         こんな時代が到来しようとは・・・

ネットでは 月謝いらずが 身につかず
     (ねっとでは げっしゃいらずが みにつかず)
        ※ところが人間は環境だけでは、真面目に学習しない。
         月謝不要、叱られもしないというとサボり出す。
         「双方向じゃないと・・」とかクレームを言う。
         いやはや、なんともったいないことか

食材ロス 爛れた文化の バロメーター
     (しょくざいろす ただれたぶんかの ばろめーたー)
        ※「紙は文化のバロメーター」と言われてきた。今と
         なってはこれも怪しいが、食品ロスや食材ロスに関
         する日本の現況は目を覆うばかりだ。
         この状況は食の習慣と商習慣とが互いに絡み合って
         の症状だけにやっかいだ。
         「爛れた文化」は言い過ぎかな・・・

朝一番 一日分しか 祈りません
     (あさいちばん いちにちぶんしか いのりません)
        ※朝日に軽く手を合わせる。今日一日の平安を

春景色 申告メリット 霞みほど
     (はるげしき しんこくめりっと かすみほど)
        ※春景色をうたった歌に「霞か雲か・・・」という歌
         詞があったが、こちらは「霞か塵か」。・・・納め
         た税金以上に返ってくるはずないじゃん

2016.2
ribbon1-20.jpgねぼけても ペリリューの茜に 導かれ
     (ねぼけても ペリリューのあかねに みちびかれ)
        ※故水木しげるのお別れ会
          ゲゲゲの漫画と「ねぼけ人生」など

ribbon1-20.jpgうすめても クルマは走る 桃源郷
     (うすめても くるまははしる とうげんきょう)
        ※軽油を水で2倍、3倍にうすめても、燃料としてパ
         ワーも燃費も落ちない、という中小企業の実証試験
         結果がニュースで流れた。
         エェッ、本当? エマルジョン軽油という。次いで、
         灯油やガソリンも試験するとか。なぜかニュースの
         扱いが地味だ。もっと騒いでよ~。ガセネタ?

ribbon1-20.jpg朝まだき 通奏低音に 耳すます
     (あさまだき つうそうていおんに みみすます)
        ※暗い寝床の中で音を探す。配達や通勤の音はまだ
         なんにも聞こえない。さらに耳をすますと・・・、ジーッ
         と低くかすかな音が聞こえて来る。
         なんだろう? 小雨かな? 違う。
         もしかして自分の血流の音? まさか?・・・でも
         確かに聞こえる、自分だけの音。
         それとも、単なる耳の病い? いや・・・

ribbon1-20.jpg春宵や もれいる女の 長語り
     (しゅんしょうや もれいるおんなの ながかたり)
        ※気分の良い春の宵。女同士の話し声がずうっと聞こ
         える。今の気分に合っているのか、いい気分が削が
         れるのか? わからないけど話が続く。啄木の歌に
         こういうのがあった。
           宗次郎に おかねが泣きて くどきおり
                    だいこんの花 白き夕暮れ

ribbon1-20.jpg梅散りて 老老介護の 当て木する
     (うめちりて ろうろうかいごの あてぎする)
        ※庭の老木、今年はいつになく見事に咲いて目を楽し
         ませてくれた。そのお礼に、剪定し、支柱を立て当
         木する。相身互い(あいみたがい)の老老介護

ribbon1-20.jpg初体験 老いはワクワクと めそめそと
     (しょたいけん おいはわくわくと めそめそと)
        ※「老いは全員が初体験」
         様々に想像していたものの、それ以上に感じること
         の多い老いの日々。喜びも深く、悩みも深刻。ブレ
         も大きい・・・。皆、この道を通ってきたんだァ

ribbon1-20.jpg茂吉忌の 今日の初雪 なごり雪
     (もきちきの きょうのはつゆき なごりゆき)
        ※2月25日は斎藤茂吉の命日。屋根に薄く積もった
         雪は当地の初雪だが、同時に今季最後の雪?

ribbon2-20.jpg届くのは 検診結果の 通知のみ
     (とどくのは けんしんけっかの つうちのみ)
        ※虚子の句に、「方丈に 今届きたる 新茶かな」と
         いうのがある。こういう香しいものが届かないかな
         ァ・・・。せめて「異常なし」を良しとするか

ribbon2-20.jpg闊歩する 女のすなる ピアスして
     (かっぽする おんなのすなる ぴあすして)
        ※新聞川柳のテーマが「ピアス」とある。練習に作っ
         てみる。次から次へ駄作を、数だけ・・・。羞恥心
         を抑えて羅列する

ribbon2-20.jpgチョコレート? 認知症の ふりをされ
     (ちょこれーと にんちしょうの ふりをされ)
        ※認知症、アルツハイマーも冗談のタネにされ、日常
         の話題になることは良いことだと思う。患者は今後
         ますますめずらしくなくなり、暮らしに入り込む

ribbon2-20.jpg義理チョコや 霧の向こうの 白い指
     (ぎりちょこや きりのむこうの しろいゆび)
        ※職場で憧れの彼女から・・。義理チョコとは思わな
         かった、あの日。遠い日の思い出

 





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2次選後(150) ~20180131 [自選集 通 期]

1/31wed 2018
春めくや 子だくさんの 岸の家
     (はるめくや こだくさんの きしのいえ)

1/30tue 2018
鮒を嗅ぐ 寺の前行く 釣り師かな
     (ふなをかぐ てらのまえいく つりしかな)
       
1/17wed
蝋梅や 思い出もまた かすかなり
     (ろうばいや おもいでもまた かすかなり)
        
1/3wed 2018
すり鉢や 三日とろろの 朝仕事
     (すりばちや みっかとろろの あさしごと)
        
1/1mon 2018
青ペンで 去年の賀状を 恩師褒め
     (あおぺんで こぞのがじょうを おんしほめ)
       
1/1mon 2018
戸のすきに 電車の音と 初明かり
    (とのすきに でんしゃのおとと はつあかり)
        
12/31sun 2017
ほうきやの 嬶が店出す 大晦日
     (ほうきやの かかあがみせだす おおみそか)

12/30sat 2017
拍子木の 遠く近くで 動きおり
     (ひょうしぎの とおくちかくで うごきおり)
       
12/29fri 2017
おしつまる 障子は小さき 紙を貼り
     (おしつまる しょうじはちいさき かみをはり)
        
12/24sun 2017
入院の 寝着でやつれ 聖夜かな
     (にゅういんの ねまきでやつれ せいやかな)
       
12/23sat 2017
犬が寝て 手が動きおり 冬至の夜
     (いぬがねて てがうごきおり とうじのよ)
       
12/18mon 2017
門前に 居酒屋開くを 待つ初冬
     (もんぜんに いざかやあくを まつしょとう)

12/17sun 2017
男とて 暮らしのことなど 渓紅葉
     (おとことて くらしのことなど たにもみじ)  
        
12/11sat 2017
亡父の名を ちゃんづけで呼ぶ 露時雨
     (ちちのなを ちゃんづけでよぶ つゆしぐれ)

12/7thu 2017
本線は 50万ボルトと 冬に咆え
     (ほんせんは ごじゅうまんぼるとと ふゆにほえ)

12/6wed 2017
室蘭に 母恋という街 寒夜かな
     (むろらんに ぼこいというまち かんやかな)

12/5tue 2017
秋深し 挑みし本を 置く今宵
     (あきふかし いどみしほんを おくこよい)

12/3sun 2017
さおだけぇ テープなれども 師走かな
     (さおだけぇ てーぷなれども しわすかな)

12/1fri
酉の市 住んだ街まで 廻り道
     (とりのいち すんだまちまで まわりみち)

11/30thu 2017
鹿野山 古寺は甍も 黄ばみおり
     (かのうざん こじはいらかも きばみおり)

11/26sun 2017
蓮根掘り もはや体験 すべからず
     (はすねほり もはやたいけん すべからず)

豊作や 僧が風切る スクーター
     (ほうさくや そうがかぜきる すくーたー)

11/21tue 2017
秋の句を 諳んじ若き 僧が行く
     (あきのくを そらんじわかき そうがいく)

11/16thu 2017
松茸や 薄いが施設の 土瓶蒸し
     (まつたけや うすいがしせつの どびんむし)

11/14tue 2017
故郷の 紅葉ひときわ チバニアン
     (ふるさとの もみじひときわ ちばにあん)

11/12sun 2017
人知れず コンビニ裏の アケビかな
     (ひとしれず こんびにうらの あけびかな)
       
11/6mon 2017
ふかしたる 大芋の湯気 子の目線
     (ふかしたる おおいものゆげ このめせん)

11/5sun 2017
秋の灯や 父の草書に 歯が立たず
     (あきのひや ちちのそうしょに はがたたず)

10/29sun 2017
もうとろう 妻まだまだと 柿笑う
     (もうとろう つままだまだと かきわらう)
 
10/27fri 2017
棄てられし 野菜崩れる 野分かな
     (すてられし やさいくずれる のわきかな)
        
10/26thu 2017
ヤギ二頭 草食む上に 柿千個
     (やぎにとう くさはむうえに かきせんこ)
       
10/22sun 2017
秋さわぎ ロボコン部室の 灯が揺れる
     (あきさわぎ ろぼこんぶしつの ひがゆれる)

10/21sat 207
野球部の 子ら声変わり オフの秋
     (やきゅうぶの こらこえがわり おふのあき)
        
10/13fri 2017
クレオメは 暑い日々から 三月咲き 
     (くれおめは あついひびから みつきさき)
        
10/12thu 2017
ウンという 仁王すじ雲の 空に立つ
     (うんという におうすじぐもの そらにたつ)
       
10/10tue 2017
秋日和 師の絵横目で 描けども
     (あきびより しのえよこめで えがけども)
        
10/8sun 2017
赤き紅 真っ赤なバイクの シニア行く
     (あかきべに まっかなばいくの しにあいく)
 
9/29fri 2017
秋彼岸 菓子量り売る ジジの店
     (あきひがん かしはかりうる じじのみせ)

9/28thu 2017
句碑ありて 根岸の里の 路地の秋
     (くひありて ねぎしのさとの ろじのあき)
       
9/20wed 2017
メール来る 友の秀句や 秋日和
     (めーるくる とものしゅうくや あきびより)
        
9/9sat 2017
遅き実を 黙って待ちし 糸瓜かな
     (おそきみを だまってまちし へちまかな)
       
9/1fri 2017
防災の 話あるとて 萩の家
     (ぼうさいの はなしあるとて はぎのいえ)
        
8/15tue 2017
墓地を掃く 少女なりけり 盆の朝
     (ぼちをはく しょうじょなりけり ぼんのあさ)
        
8/14mon 2017
盆の入り 夕に紅さす 花魁草
     (ぼんのいり ゆうにべにさす おいらんそう)
        
8/9wed 2017
長崎の空 絶対悪という響き
      (ながさきのそら ぜったいあくというひびき)
        
8/7mon 2017
盆踊り 帰りはスイカの 賞品と
     (ぼんおどり かえりはすいかの しょうひんと)
        
8/6sun 2017
原爆忌 朝一番の 草むしり
     (げんばくき あさいちばんの けさむしり)
       
7/23sun 2017
夾竹桃 愛煙患者の 吹き溜まり
     (きょうちくとう あいえんかんじゃの ふきだまり)
       
7/20thu 2017
姉に送る 我が家の桃の 宅急便
     (あねにおくる わがやのももの たっきゅうびん)
        
7/14fri 2017
熱帯夜 芳紀18歳が 枕辺に
     (ねったいや ほうきじゅうはっさいが まくらべに)
         
7/12wed 2017
香港の 一国二制度 明けぬ梅雨
     (ほんこんの いっこくにせいど あけぬつゆ)
        
7/8sat 2017
再会は 炎熱の日の ビル影で
     (さいかいは えんねつのひの びるかげで)
        
6/24sat 2017
空師いる 森の静けさ 梅雨最中
     (そらしいる もりのしずけさ つゆさなか)
        
6/23fri 2017
短夜や ミュシャの眼に 静まりぬ
     (みじかよや みゅしゃのまなこに しずまりぬ)
        
6/21wed 2017
梅雨寒や 老班ついに 手の甲に
     (つゆざむや ろうはんついに てのこうに)
        
6/19mon 2017
商店の 引越し荷物 鉢あじさい
     (しょうてんの ひっこしにもつ はちあじさい)
        
6/17sat 2017
タチアオイ 小路にラジオの 音漏れて
     (たちあおい こうじにらじおの おともれて)
        
6/13tue 2017
桃の実の ジューンドロップは 音もなく
     (もものみの じゅーんどろっぷは おともなく)
        
6/8thu 2017
ケータイで 焚き火の許可とる 梅雨の朝
     (けーたいで たきびのきょかとる つゆのあさ)

6/7wed 2017
美女柳 二日見ぬ間の 黄の乱舞
     (びじょやなぎ ふつかみぬまの きのらんぶ)
       
6/7wed 2017
早寝して かわず鳴く音の 一二分
     (はやねして かわずなくねの いちにふん)
        
6/4sun 2017
背を合わせ キャストする二人 水の上
     (せをあわせ きゃすとするふたり みずのうえ)
        
6/1thu 2017
茅萱の穂 道路に沿いて 飛びつくす
     (ちがやのほ どうろにそいて とびつくす)
       
5/31wed 2017
泰山木 母の金歯の 恋しかり
     (たいさんぼく ははのきんばの こいしかり)
        
5/30tue 2017
二株の スイカの開花に 通いづめ
     (ふたかぶの すいかのかいかに かよいづめ)
       
5/27sat 2017
泰山木 根元に続く 靴の跡
     (たいさんぼく ねもとにつずく くつのあと)
        
5/18thu 2017
焼き鳥を買って帰る 真っ赤な夕焼け
     (やきとりをかってかえる まっかなゆうやけ)
        
5/17wed 2017
タラの芽は 得られず戻る 山の駅
     (たらのめは えられずもどる やまのえき)
        
5/17wed 2017
五月雨や 県境の村の 道くねり
     (さみだれや けんざかいのむらの みちくねり)
        
5/17wed 2017
花ミズキ 赤のみ多き 村のあり
     (はなみずき あかのみおおき むらのあり)
        
5/15mon 2017
故郷の町並みは 歯の抜けるごと
     (ふるさとのまちなみは はのぬけるごと)
        
5/15mon 2017
友は孫に 店を譲りて ヤマボウシ
     (ともはまごに みせをゆずりて やまぼうし)
        
5/14sun 2017
桐の花 昔家業の 栄えた日
     (きりのはな むかしかぎょうの さかえたひ)
        
5/5fri 2017
ナツユキソウ 北海道からの 同居人
     (なつゆきそう ほっかいどうからの どうきょにん)
 
5/2tue 2017
春陰や 森繁が誦む 千曲川
     (しゅんいんや もりしげがよむ ちくまがわ)
       
4/29sat 2017
断崖の椿は 叫びつつ落ちて
     (だんがいのつばきは さけびつつおちて)
        
4/25tue 2017
オダマキは 虫ふところに あやしおり
     (おだまきは むしふところに あやしおり)
        
4/24mon 2017
東北の 茎わかめ届く 友の味
     (とうほくの くきわかめとどく とものあじ)
        
4/13thu 2017
桜舞う 息子今流 ハグ2回
     (さくらまう むすこいまりゅう はぐにかい)
        
4/6thu 2017
花愛でる 言葉を学ぶ 橋の上
     (はなめでる ことばをまなぶ はしのうえ)
        
4/3mon 2017
悪妻と 良妻はいつも 紙一重
     (あくさいと りょうさいはいつも かみひとえ)
        
4/2sun 2017
虫たちに 任せておけぬと 桃受粉
     (むしたちに まかせておけぬと ももじゅふん)
        
3/27mon 2017
作品展 うれし恥ずかし 春幻
     (さくひんてん うれしはずかし はるまぼろし)
         
3/24fri 2017
老班の手が 班なきを撫で別れ
     (ろうはんのてが はんなきをなでわかれ)
      
span style="font-size:x-small;">3/20mon 2017
桃は咲きてあり 弟は逝きてあり
     (ももはさきてあり おとうとはゆきてあり)
      
3/10fri 2017
また髪が 薄くなったねと 初雲雀
     (またかみが うすくなったねと はつひばり)

3/6mon 2017
安達太良の 麓でかすかな 息をする
     (あだたらの ふもとでかすかな いきをする)
       
3/6mon 2017
寝たきりの 視線すがしや 春の山
     (ねたきりの しせんすがしや はるのやま)
        
3/6mon 2017
出迎えは この顔なりき 夏の駅
     (でむかえは このかおなりき なつのえき)
       
3/1wed 2017
春眠や 父の遺した 軸の前
     (しゅんみんや ちちののこした じくのまえ)
       
2/22wed 2014
春燈や 万太郎の句を 口ごもる
     (しゅんとうや まんたろうのくを くちごもる)
        
2/15wed 2017
あげるけど 場所は秘密と ふきのとう
     (あげるけど ばしょはひみつと ふきのとう)
        
2/13mon 2017
ふきのとう 大雪報道の 日に届く
     (ふきのとう おおゆきほうどうの ひにとどく)
        
2/11sat 2017
初午や 祖母にひかれて 祠参り
     (はつうまや そぼにひかれて ほこらまいり)
        
1/26thu 2017
大寒や クリームすりこむ 白き爪
     (だいかんや くりーむすりこむ しろきつめ)
       
1/24tue 2017
寒風や 場末の店の 煮込みかな
     (かんぷうや ばすえのみせの にこみかな)
        
1/17tue 2017
統計は 最後ではないと 年男
     (とうけいは さいごではないと としおとこ)
       
1/15sun 2017
ブログ書く 今の農家の 冬仕事
     (ぶろぐかく いまののうかの ふゆしごと)
        
1/13fri 2017
寒坊主と 呼びし昔は 雪の中
     (かんぼうずと よびしむかしは ゆきのなか)
        
1/12thu 2017
朝練の 子が切なげに 咳をする
     (あされんの こがせつなげに せきをする)
       
1/11wed 2017
二年越し 鳥の名調べ 初ひかり
     (にねんごし とりのなしらべ はつひかり)
        
1/7sat 2017
寒の入り スーラの光 欲しいまま
     (かんのいり すーらのひかり ほしいまま)
        
1/6fri 2017
タオルまき 隣町まで 初湯かな
     (たおるまき となりまちまで はつゆかな)
        
1/3tue 2017
名を知らぬ 読者に一礼 ブログ初め
     (なをしらぬ どくしゃにいちれい ぶろぐぞめ)
        
1/2mon 2017
初詣 樹木葬とやらを 見て廻り
     (はつもうで じゅもくそうとやらを みてまわり)
        
12/31sat 2016
年の暮れ 青空文庫で 荷風読む
     (としのくれ あおぞらぶんこで かふうよむ)
        
12/25sun 2016
初氷 咳払いして ひとまたぎ
     (はつごおり せきばらいして ひとまたぎ)

12/20tue 2016
菊坂に 住まう人あり 鉢八手
     (きくざかに すまうひとあり はちやつで)
        
12/15thu 2016
脚線美 施設に入る 霜の朝
     (きゃくせんび しせつにはいる しものあさ)
        
11/23wed 2016
柿の葉を 描き短き 午後を終え
     (かきのはを えがきみじかき ごごをおえ)
        
11/7mon 2016
重吉と 加藤がつぶやく 秋の夜
     (じゅうきちと かとうがつぶやく あきのよる)
        
10/30sun 2016
絵を見せて 羞恥心なし 鰯雲
     (えをみせて しゅうちしんなし いわしぐも)
       
10/23sun 2016
磐梯の 赤き衣を 夢に見し
     (ばんだいの あかきころもを ゆめにみし)

9/26mon 2016
萩の家 まわり道行く 犬の恋
     (はぎのいえ まわりみちいく いぬのこい)
       
9/25sun 2016
カストロで チェの顔浮かぶ 彼岸明け
     (かすとろで ちぇのかおうかぶ ひがんあけ)
        ※フィデル・カストロとチェ・ゲバラ、稀代の英雄

9/24sat 2016
レシピ付け 瓢箪カボチャを 人にやる
     (れしぴつけ ひょうたんかぼちゃを ひとにやる)
        
9/6tue 2016
朝練の 子が駆けていく 残暑かな
     (あされんの こがかけていく ざんしょかな)
        
8/28sun 2016
風の盆 まだ見ぬ土地の いい女
     (かぜのぼん まだみぬとちの いいおんな)
        
8/26fri 2016
夏富士の 高く見ゆる日 友の逝く
     (なつふじの たかくみゆるひ とものいく)
        
8/20sat 2016
夏の闇 不沈戦艦の 慟哭や
     (なつのやみ ふちんせんかんの どうこくや)
        
8/16tue 2016
夏のデイ 迎えのバスの 人の笑み
     (なつのでい むかえのばすの ひとのえみ)

8/16tue 2016
デイに送り あとはしばしの 盆休み
     (でいにおくり あとはしばしの ぼんやすみ)
        
8/15mon 2016
空っぽの 通り我がものに 盆の朝
     (からっぽの とおりわがものに ぼんのあさ)

8/15mon 2016
盆休み 釣り三昧の 人ふたり
     (ぼんやすみ つりざんまいの ひとふたり)
        
8/13sat 2016
さあ帰ろ 迎え火小さき 角の家
     (さあかえろ むかえびちさき かどのいえ)
        
8/11thu 2016
朝夕に 山見る暮らしの なつかしき
     (あさゆうに やまみるくらしの なつかしき)
        
8/3wed 2016
泣きながら ボードで行く子 百日紅
     (なきながら ぼーどでいくこ さるすべり)
        
7/9sat 2016
カンナ咲く 国鉄官舎の 記憶ふと
     (かんなさく こくてつかんしゃの きおくふと)
        
いそいそと スイカの受粉 寝坊せず
     (いそいそと すいかのじゅふん ねぼうせず)
        
6/19sun 2016
この国は アオイ科様さま 夏の花
     (このくには あおいかさまさま なつのはな)
        
6/11sat 2016
親を看る 勲一等の 妻の顔
     (おやをみる くんいっとうの つまのかお)
        
6/8wed 2016
老班は 父親譲り 梅雨の夜
     (ろうはんは ちちおやゆずり つゆのよる)
        
6/3fri 2016
さくらんぼ 10個頬ばり 富士嗤う
     (さくらんぼ じゅっこほおばり ふじわらう)
        
5/27fri 2016
薫風や 被爆者の胸に 灯がともり
     (くんぷうや ひばくしゃのむねに ひがともり)
        
5/14sat 2016
野を歩き 鎌足ざくらを 語る人
     (のをあるき かまたりざくらを かたるひと)
        
5/10tue 2016
ツバメ入れ 戸を締め夜の ご飯かな
     (つばめいれ とをしめよるの ごはんかな)
        
三角の 角巻という 母の味
     (さんかくの つのまきという ははのあじ)
        
5/6fri 2016
新樹風 痩身の父に 強すぎて
     (しんじゅかぜ そうしんのちちに つよすぎて)
        
5/2mon 2016
犬癒えて 八十八夜の 月に吠え
     (いぬいえて はちじゅうはちやの つきにほえ)
        
鯉のぼり 見上げる孫の 脚長く
     (こいのぼり みあげるまごの あしながく)
        ※今ここにジジ、息子、孫と三代の男が揃っている。
         孫の脚が飛び抜けて長い、いいプロポーション

2016.4

荷風忌に 朗読を聞く すみだ川
     (かふうきに ろうどくをきく すみだがわ)
         
立つ人の 荷物を膝に 春の風
     (たつひとの にもつをひざに はるのかぜ)
        
壇蜜の NHK続々 僕は好き
     (だんみつの えぬえちけいぞくぞく ぼくはすき)
        
2016.3

ワンマンを 弾丸と聞いて 花曇り
     (わんまんを だんがんときいて はなぐもり)
       
もこもこと 啓蟄なれば 旅ごころ
     (もこもこと けいちつなれば たびごころ)
        
春景色 申告メリット 霞みほど
     (はるげしき しんこくめりっと かすみほど)
        ※春景色をうたった歌に「霞か雲か・・・」という歌
         詞があったが、こちらは「霞か塵か」。・・・納め
         た税金以上に返ってくるはずないじゃん

2016.2

春宵や もれいる女の 長語り
     (しゅんしょうや もれいるおんなの ながかたり)
        
茂吉忌の 今日の初雪 なごり雪
     (もきちきの きょうのはつゆき なごりゆき)
        ※2月25日は斎藤茂吉の命日。屋根に薄く積もった
         雪は当地の初雪だが、同時に今季最後の雪?


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3次選後(95) ~20180131 [自選集 通 期]

1/31wed 2018
春めくや 子だくさんの 岸の家
     (はるめくや こだくさんの きしのいえ)

1/30tue 2018
鮒を嗅ぐ 寺の前行く 釣り師かな
     (ふなをかぐ てらのまえいく つりしかな)
       
1/17wed
蝋梅や 思い出もまた かすかなり
     (ろうばいや おもいでもまた かすかなり)
        
1/3wed 2018
すり鉢や 三日とろろの 朝仕事
     (すりばちや みっかとろろの あさしごと)
        
1/1mon 2018
青ペンで 去年の賀状を 恩師褒め
     (あおぺんで こぞのがじょうを おんしほめ)
       
12/30sat 2017
拍子木の 遠く近くで 動きおり
     (ひょうしぎの とおくちかくで うごきおり)
       
12/29fri 2017
おしつまる 障子は小さき 紙を貼り
     (おしつまる しょうじはちいさき かみをはり)
        
12/24sun 2017
入院の 寝着でやつれ 聖夜かな
     (にゅういんの ねまきでやつれ せいやかな)
       
12/23sat 2017
犬が寝て 手が動きおり 冬至の夜
     (いぬがねて てがうごきおり とうじのよ)

12/11sat 2017
亡父の名を ちゃんづけで呼ぶ 露時雨
     (ちちのなを ちゃんづけでよぶ つゆしぐれ)

12/7thu 2017
本線は 50万ボルトと 冬に咆え
     (ほんせんは ごじゅうまんぼるとと ふゆにほえ)

12/6wed 2017
室蘭に 母恋という街 寒夜かな
     (むろらんに ぼこいというまち かんやかな)

12/5tue 2017
秋深し 挑みし本を 置く今宵
     (あきふかし いどみしほんを おくこよい)

12/3sun 2017
さおだけぇ テープなれども 師走かな
     (さおだけぇ てーぷなれども しわすかな)

12/1fri
酉の市 住んだ街まで 廻り道
     (とりのいち すんだまちまで まわりみち)

豊作や 僧が風切る スクーター
     (ほうさくや そうがかぜきる すくーたー)

11/16thu 2017
松茸や 薄いが施設の 土瓶蒸し
     (まつたけや うすいがしせつの どびんむし)

11/14tue 2017
故郷の 紅葉ひときわ チバニアン
     (ふるさとの もみじひときわ ちばにあん)

11/5sun 2017
秋の灯や 父の草書に 歯が立たず
     (あきのひや ちちのそうしょに はがたたず)

10/29sun 2017
もうとろう 妻まだまだと 柿笑う
     (もうとろう つままだまだと かきわらう)
 
10/21sat 207
野球部の 子ら声変わり オフの秋
     (やきゅうぶの こらこえがわり おふのあき)
        
10/10tue 2017
秋日和 師の絵横目で 描けども
     (あきびより しのえよこめで えがけども)
        
9/29fri 2017
秋彼岸 菓子量り売る ジジの店
     (あきひがん かしはかりうる じじのみせ)

9/28thu 2017
句碑ありて 根岸の里の 路地の秋
     (くひありて ねぎしのさとの ろじのあき)
       
9/20wed 2017
メール来る 友の秀句や 秋日和
     (めーるくる とものしゅうくや あきびより)
        
9/9sat 2017
遅き実を 黙って待ちし 糸瓜かな
     (おそきみを だまってまちし へちまかな)
       
9/1fri 2017
防災の 話あるとて 萩の家
     (ぼうさいの はなしあるとて はぎのいえ)
        
8/15tue 2017
墓地を掃く 少女なりけり 盆の朝
     (ぼちをはく しょうじょなりけり ぼんのあさ)
        
8/9wed 2017
長崎の空 絶対悪という響き
      (ながさきのそら ぜったいあくというひびき)
        
8/7mon 2017
盆踊り 帰りはスイカの 賞品と
     (ぼんおどり かえりはすいかの しょうひんと)
        
8/6sun 2017
原爆忌 朝一番の 草むしり
     (げんばくき あさいちばんの けさむしり)
       
7/20thu 2017
姉に送る 我が家の桃の 宅急便
     (あねにおくる わがやのももの たっきゅうびん)
        
7/8sat 2017
再会は 炎熱の日の ビル影で
     (さいかいは えんねつのひの びるかげで)
        
6/24sat 2017
空師いる 森の静けさ 梅雨さなか
     (そらしいる もりのしずけさ つゆさなか)
        
6/23fri 2017
短夜や ミュシャの眼に 静まりぬ
     (みじかよや みゅしゃのまなこに しずまりぬ)
        
6/19mon 2017
商店の 引越し荷物 鉢あじさい
     (しょうてんの ひっこしにもつ はちあじさい)
        
6/17sat 2017
タチアオイ 小路にラジオの 音漏れて
     (たちあおい こうじにらじおの おともれて)
        
6/13tue 2017
桃の実の ジューンドロップは 音もなく
     (もものみの じゅーんどろっぷは おともなく)
        
6/7wed 2017
早寝して かわず鳴く音の 一二分
     (はやねして かわずなくねの いちにふん)
        
6/4sun 2017
背を合わせ キャストする二人 水の上
     (せをあわせ きゃすとするふたり みずのうえ)
        
6/1thu 2017
茅萱の穂 道路に沿いて 飛びつくす
     (ちがやのほ どうろにそいて とびつくす)
       
5/31wed 2017
泰山木 母の金歯の 恋しかり
     (たいさんぼく ははのきんばの こいしかり)
        
5/27sat 2017
泰山木 根元に続く 靴の跡
     (たいさんぼく ねもとにつずく くつのあと)
        
5/17wed 2017
タラの芽は 得られず戻る 山の駅
     (たらのめは えられずもどる やまのえき)
        
5/17wed 2017
花ミズキ 赤のみ多き 村のあり
     (はなみずき あかのみおおき むらのあり)
        
5/5fri 2017
ナツユキソウ 北海道からの 同居人
     (なつゆきそう ほっかいどうからの どうきょにん)
 
4/25tue 2017
オダマキは 虫ふところに あやしおり
     (おだまきは むしふところに あやしおり)
        
4/24mon 2017
東北の 茎わかめ届く 友の味
     (とうほくの くきわかめとどく とものあじ)
        
4/13thu 2017
桜舞う 息子今流 ハグ2回
     (さくらまう むすこいまりゅう はぐにかい)
        
3/20mon 2017
桃は咲きてあり 弟は逝きてあり
     (ももはさきてあり おとうとはゆきてあり)
      
3/10fri 2017
また髪が 薄くなったねと 初雲雀
     (またかみが うすくなったねと はつひばり)

3/6mon 2017
安達太良の 麓でかすかな 息をする
     (あだたらの ふもとでかすかな いきをする)
       
3/6mon 2017
寝たきりの 視線すがしや 春の山
     (ねたきりの しせんすがしや はるのやま)
        
3/6mon 2017
出迎えは この顔なりき 夏の駅
     (でむかえは このかおなりき なつのえき)
       
3/1wed 2017
春眠や 父の遺した 軸の前
     (しゅんみんや ちちののこした じくのまえ)
       
2/22wed 2014
春燈や 万太郎の句を 口ごもる
     (しゅんとうや まんたろうのくを くちごもる)
        
2/15wed 2017
あげるけど 場所は秘密と ふきのとう
     (あげるけど ばしょはひみつと ふきのとう)
        
2/13mon 2017
ふきのとう 大雪報道の 日に届く
     (ふきのとう おおゆきほうどうの ひにとどく)
        
2/11sat 2017
初午や 祖母にひかれて 祠参り
     (はつうまや そぼにひかれて ほこらまいり)
        
1/17tue 2017
統計は 最後ではないと 年男
     (とうけいは さいごではないと としおとこ)
       
1/15sun 2017
ブログ書く 今の農家の 冬仕事
     (ぶろぐかく いまののうかの ふゆしごと)
        
1/13fri 2017
寒坊主と 呼びし昔は 雪の中
     (かんぼうずと よびしむかしは ゆきのなか)
        
1/12thu 2017
朝練の 子が切なげに 咳をする
     (あされんの こがせつなげに せきをする)
       
1/11wed 2017
二年越し 鳥の名調べ 初ひかり
     (にねんごし とりのなしらべ はつひかり)
        
1/6fri 2017
タオルまき 隣町まで 初湯かな
     (たおるまき となりまちまで はつゆかな)
        
1/3tue 2017
名を知らぬ 読者に一礼 ブログ初め
     (なをしらぬ どくしゃにいちれい ぶろぐぞめ)
        
1/2mon 2017
初詣 樹木葬とやらを 見て廻り
     (はつもうで じゅもくそうとやらを みてまわり)
        
12/31sat 2016
年の暮れ 青空文庫で 荷風読む
     (としのくれ あおぞらぶんこで かふうよむ)
        
12/25sun 2016
初氷 咳払いして ひとまたぎ
     (はつごおり せきばらいして ひとまたぎ)

12/20tue 2016
菊坂に 住まう人あり 鉢八手
     (きくざかに すまうひとあり はちやつで)
        
12/15thu 2016
脚線美 施設に入る 霜の朝
     (きゃくせんび しせつにはいる しものあさ)
        
9/26mon 2016
萩の家 まわり道行く 犬の恋
     (はぎのいえ まわりみちいく いぬのこい)
       
9/25sun 2016
カストロで チェの顔浮かぶ 彼岸明け
     (かすとろで ちぇのかおうかぶ ひがんあけ)
        ※フィデル・カストロとチェ・ゲバラ、稀代の英雄

9/24sat 2016
レシピ付け 瓢箪カボチャを 人にやる
     (れしぴつけ ひょうたんかぼちゃを ひとにやる)
        
9/6tue 2016
朝練の 子が駆けていく 残暑かな
     (あされんの こがかけていく ざんしょかな)
        
8/28sun 2016
風の盆 まだ見ぬ土地の いい女
     (かぜのぼん まだみぬとちの いいおんな)
        
8/26fri 2016
夏富士の 高く見ゆる日 友の逝く
     (なつふじの たかくみゆるひ とものいく)
        
8/16tue 2016
デイに送り あとはしばしの 盆休み
     (でいにおくり あとはしばしの ぼんやすみ)
        
8/15mon 2016
盆休み 釣り三昧の 人ふたり
     (ぼんやすみ つりざんまいの ひとふたり)
        
8/13sat 2016
さあ帰ろ 迎え火小さき 角の家
     (さあかえろ むかえびちさき かどのいえ)
        
8/11thu 2016
朝夕に 山見る暮らしの なつかしき
     (あさゆうに やまみるくらしの なつかしき)
        
8/3wed 2016
泣きながら ボードで行く子 百日紅
     (なきながら ぼーどでいくこ さるすべり)
        
7/9sat 2016
カンナ咲く 国鉄官舎の 記憶ふと
     (かんなさく こくてつかんしゃの きおくふと)
        
いそいそと スイカの受粉 寝坊せず
     (いそいそと すいかのじゅふん ねぼうせず)
        
6/8wed 2016
老班は 父親譲り 梅雨の夜
     (ろうはんは ちちおやゆずり つゆのよる)
        
5/10tue 2016
ツバメ入れ 戸を締め夜の ご飯かな
     (つばめいれ とをしめよるの ごはんかな)
        
三角の 角巻という 母の味
     (さんかくの つのまきという ははのあじ)
        
5/6fri 2016
新樹風 痩身の父に 強すぎて
     (しんじゅかぜ そうしんのちちに つよすぎて)
        
5/2mon 2016
犬癒えて 八十八夜の 月に吠え
     (いぬいえて はちじゅうはちやの つきにほえ)
        
鯉のぼり 見上げる孫の 脚長く
     (こいのぼり みあげるまごの あしながく)
        ※今ここにジジ、息子、孫と三代の男が揃っている。
         孫の脚が飛び抜けて長い、いいプロポーション

2016.4

荷風忌に 朗読を聞く すみだ川
     (かふうきに ろうどくをきく すみだがわ)
         
立つ人の 荷物を膝に 春の風
     (たつひとの にもつをひざに はるのかぜ)
        
2016.3

もこもこと 啓蟄なれば 旅ごころ
     (もこもこと けいちつなれば たびごころ)
        
春景色 申告メリット 霞みほど
     (はるげしき しんこくめりっと かすみほど)

2016.2

春宵や もれいる女の 長語り
     (しゅんしょうや もれいるおんなの ながかたり)
        
茂吉忌の 今日の初雪 なごり雪
     (もきちきの きょうのはつゆき なごりゆき)
      
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3次選後(30) ~20180131 [自選集 通 期]

1/30tue 2018
鮒を嗅ぐ 寺の前行く 釣り師かな
     (ふなをかぐ てらのまえいく つりしかな)
       
3/10sat
春の日や 師の筆先の すこやかさ
     (はるのひや しのふでさきの すこやかさ)

    1/3wed 2018
すり鉢や 三日とろろの 朝仕事
     (すりばちや みっかとろろの あさしごと)
        
12/11sat 2017
 亡父の名を ちゃんづけで呼ぶ 露時雨
     (ちちのなを ちゃんづけでよぶ つゆしぐれ)

12/5tue 2017
秋深し 挑みし本を 置く今宵
     (あきふかし いどみしほんを おくこよい)

12/1fri
酉の市 住んだ街まで 廻り道
     (とりのいち すんだまちまで まわりみち)

豊作や 僧が風切る スクーター
     (ほうさくや そうがかぜきる すくーたー)

11/16thu 2017
(・∀・)松茸や 薄いが施設の 土瓶蒸し
     (まつたけや うすいがしせつの どびんむし)

11/5sun 2017
秋の灯や 父の草書に 歯が立たず
     (あきのひや ちちのそうしょに はがたたず)

9/29fri 2017
秋彼岸 菓子量り売る ジジの店
     (あきひがん かしはかりうる じじのみせ)

8/15tue 2017
墓地を掃く 少女なりけり 盆の朝
     (ぼちをはく しょうじょなりけり ぼんのあさ)
        
8/9wed 2017
長崎の空 絶対悪という響き
      (ながさきのそら ぜったいあくというひびき)

5/17wed 2017
 タラの芽は 得られず戻る 山の駅
     (たらのめは えられずもどる やまのえき)

6/7wed 2017
早寝して かわず鳴く音の 一二分
     (はやねして かわずなくねの いちにふん)
        
8/6sun 2017
 原爆忌 朝一番の 草むしり
     (げんばくき あさいちばんの けさむしり)
       
6/24sat 2017
空師いる 森の静けさ 梅雨さなか
     (そらしいる もりのしずけさ つゆさなか)
        
4/25tue 2017
オダマキは 虫ふところに あやしおり
     (おだまきは むしふところに あやしおり)
        
4/13thu 2017
旅立つや 息子今流 ハグ2回
     (たびだつや むすこいまりゅう はぐにかい)
        
3/10fri 2017
(・∀・)また髪が 薄くなったねと 初雲雀
     (またかみが うすくなったねと はつひばり)

2/15wed 2017
(・∀・)あげるけど 場所は秘密と ふきのとう
     (あげるけど ばしょはひみつと ふきのとう)
        
1/15sun 2017
ブログ書く 今の農家の 冬仕事
     (ぶろぐかく いまののうかの ふゆしごと)
        
1/6fri 2017
タオルまき 隣町まで 初湯かな
     (たおるまき となりまちまで はつゆかな)
        
1/2mon 2017
 初詣 樹木葬とやらを 見て廻り
     (はつもうで じゅもくそうとやらを みてまわり)
        
9/26mon 2016
(・∀・)萩の家 まわり道行く 犬の恋
     (はぎのいえ まわりみちいく いぬのこい)
       
8/3wed 2016
泣きながら ボードで行く子 百日紅
     (なきながら ぼーどでいくこ さるすべり)
        
7/9sat 2016
 カンナ咲く 国鉄官舎の 記憶ふと
     (かんなさく こくてつかんしゃの きおくふと)
        
もこもこと 啓蟄なれば 旅ごころ
     (もこもこと けいちつなれば たびごころ)
        

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2019年(令和1年)伊藤園用 3次(50) [自選集 通 期]

田はまだら 二代目今日も 暮れの酒
     (たはまだら にだいめきょうも くれのさけ)

妻粋な 姐さん被りよ 年の暮れ
     (つまいきな あねさんかぶりよ としのくれ)

木枯らしや 裂帛の気合いに たじろげり
     (こがらしや れっぱくのきあいに たじろげり)

病める友の パソコンを問う 冬支度
     (やめるともの ぱそこんをとう ふゆじたく)

曲屋に 光多き日 鴨来る
     (まがりやに ひかりおおきひ かもきたる)

火消し壷 どっこいしょと言い 仕事終え
     (ひけしつぼ どっこいしょといい しごとおえ)

オークション 沢庵噛みつ 競り合いぬ

時雨るや 欠礼状やや 常となり
     (しぐるるや けつれいじょうやや つねとなり)

酉の市 腰にまわした 革財布
     (とりのいち こしにまわした かわざいふ)

新蕎麦や 到来すれば 間を置かず
     (しんそばや とうらいすれば まをおかず)

秋長けて 玉ねぎ200の 畝作り
     (あきたけて たまねぎにひゃくの うねづくり)

新米を くれたる人の 黒い指
     (しんまいを くれたるひとの くろいゆび)

台風は みな来る気配 そぞろ寒
     (たいふうは みなくるけはい そぞろざむ)

刈田雀 今日海鳥に 追われけり
     (かりたすずめ きょううみどりに おわれけり)

異邦人 昭和の歌もれ 良夜かな
     (いほうじん しょうわのうたもれ りょうやかな)

愛しきや 柿は五つと なりにけり
     (いとしきや かきはいつつと なりにけり)

遅れしを 詫びつつ白き 曼珠沙華
     (おくれしを わびつつしろき まんじゅしゃげ)

絵手紙を 投函すれば 秋の声
     (えてがみを とうかんすれば あきのこえ)

高バシゴ 鋏の音や 秋彼岸
     (たかばしご  はさみのおとや あきひがん)

サンダルに 石の入る日 獺祭忌
     (さんだるに いしのはいるひ だっさいき)

水澄むや 微笑みの仏を 描きおり
     (みずすむや えみのほとけを えがきおり)

分断も 一色も嫌い 国の秋
     (ぶんだんも いっしょくもきらい くにのあき)

稲刈りや 詮議の末の まだら刈り
     (いねかりや せんぎのすえの まだらがり)

童顔の 白髪の釣り師 日の盛り
     (どうがんの しらがのつりし ひのさかり)

鳴き止みて 蝉のつくりし 静寂かな
     (なきやみて せみのつくりし しじまかな)

夕立の 一部始終見る 雨宿り
     (ゆうだちの いちぶしじゅうみる あまやどり)

遠き夏 土蔵の中の 眠りかな
     (とおきなつ どぞうのなかの ねむりかな)

盆踊り アイサツ終わるを 待つ子かな
     (ぼんおどり あいさつおわるを まつこかな)

新盆や 廿日待ちいし 湿りかな
     (にいぼんや はつかまちいし しめりかな)

インゲンの 微かなにおい 夏の夕
     (いんげんの かすかなにおい なつのゆう)

梅雨明けや 猛者が似合わぬ 犬を曳き
     (つゆあけや もさがにあわぬ いぬをひき)

釣りボート 船跡広がり 夏の色
     (つりぼーと ふなあとひろがり なつのいろ)

命日を 違える不孝 沙羅の花
     (めいにちを たがえるふこう しゃらのはな)

農薬を 撒き忘れた田や 青田風
     (のうやくを まきわすれたたや あおたかぜ)

脂なし 口は臭わず 老いの梅雨
     (あぶらなし くちはにおわず おいのつゆ)

梅雨の夕 オハグロ低く 家路かな
     (つゆのゆう おはぐろひくく いえじかな)

梅雨寒や 犬の病の 癒えざる日
     (つゆざむや いぬのやまいの いえざるひ)

なければと 免許の話 半夏生
     (なければと めんきょのはなし はんげしょう)

猫の碑や あじさいの陰に 佇めり
     (ねこのひや あじさいのかげに たたずめり)

南風や 聖橋への 下り道
     (なんぷうや ひじりばしへの くだりみち)

ニコライ堂 薫風受けて 僧二人
     (にこらいどう くんぷううけて そうふたり)

レーダーを 見て傘を持ち 梅雨の朝
     (れーだーを みてかさをもち つゆのあさ)

雨雲や 妻はスイカの 受粉しに
     (あまぐもや つまはすいかの じゅふんしに)

酢の物を 徐々に好みて 古希を越え
     (すのものを じょじょにこのみて こきをこえ)

紫陽花や 病の友に 歩を合わせ
     (あじさいや やまいのともに ほをあわせ)

ゴイサギの 身じろぎもせず 青田風
     (ごいさぎの みじろぎもせず あおたかぜ)

夕方は 嫌だといかつい 顔ながら
     (ゆうがたは いやだといかつい かおながら)

ノド痛の 友にメールを 葱坊主
     (のどいたの ともにめーるを ねぎぼうず)

野焼きする 煙が走り 鹿が飛ぶ
     (のやきする けむりがはしり しかがとぶ)

ぼそぼそと 術後の友に 春少し
     (ぼそぼそと じゅつごのともに はるすこし)

ランドセル パン屋の前で 深呼吸
     (らんどせる ぱんやのまえで しんこきゅう)

モネがいる チューリップ畑の 青い空
     (もねがいる ちゅーりっぷばたけの あおいそら)

木魚あり 春の法事の 夢うつつ
     (もくぎょあり はるのほうじの ゆめうつつ)

夜桜や 外反母趾の 痛さかな
     (よざくらや がいはんぼしの いたさかな)

春ひばり 姪の息子に 嫁が来る
     (はるひばり めいのむすこに よめがくる)

金柑を 貰いそこねて 土手の春
     (きんかんを もらいそこねて どてのはる)

花ニラは 清楚の極み 小さきも
     (はなにらは せいそのきわみ ちいさきも)

春まだき 粋人ありて 腹を切る
     (はるまだき すいじんありて はらをきる)

柳橋 古楼はビルに 春の風
     (やなぎばし ころうはびるに はるのかぜ)

神田川 北窓開く 岸の家
     (かんだがわ きたまどひらく きしのいえ)

左衛門橋 シニアは春の 帽子かな
     (さえもんばし しにあははるの ぼうしかな)
 
なつかしき 顔あり春の 通夜の客
     (なつかしき かおありはるの つやのきゃく)

金文字の 残るガラス戸に 吹雪くかな
     (きんもじの のこるがらすどに ふぶくかな)

年月は 盗人なれども 春めぐむ
     (としつきは ぬすっとなれども はるめぐむ)

絵ろうそく 冬に仏の 華やげり
     (えろうそく ふゆにほとけの はなやげり)

雪模様 独尊唱えし 人は今
     (ゆきもよう どくそんとなえし ひとはいま)

飛び起きて 胸さすりおり 春の夢
     (とびおきて むねさすりおり はるのゆめ)
虎落笛 故郷の山を なぞりけり
     (もがりぶえ こきょうのやまを なぞりけり)

冬麗ら 三ヶ月のたびに 転院す
     (ふゆうらら みつきのたびに てんいんす)

悴みて 野仏枯葉を 集めたり
     (かじかみて のぼとけかれはを あつめたり)

セピア色 大雪の日の 父と母
     (せぴあいろ おおゆきのひの ちちとはは)

振り向いて 教えられたり 冬の虹
     (ふりむいて おしえられたり ふゆのにじ)

着付け待つ 父はクルマで 寒の朝
     (きつけまつ ちちはくるまで かんのあさ)

寒暁や 釣り宿だけが こうこうと
     (かんぎょうや つりやどだけが こうこうと)

初夢や 微笑む古き 顔ありき
     (はつゆめや ほほえむふるき かおありき)

スリコギや 三日とろろの 朝仕事
     (すりこぎや みっかとろろの あさしごと)


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2019年(令和1年)伊藤園用 3次(20) [自選集 通 期]

ribbon1-20.jpg妻粋な 姐さん被りよ 年の暮れ
     (つまいきな あねさんかぶりよ としのくれ)

ribbon1-20.jpg病む友の パソコンを問う 冬支度
     (やむともの ぱそこんをとう ふゆじたく)

ribbon1-20.jpgオークション 沢庵噛みつ 競り合いぬ

新蕎麦や 到来すれば 間を置かず
     (しんそばや とうらいすれば まをおかず)

高バシゴ 鋏の音や 秋彼岸
     (たかばしご  はさみのおとや あきひがん)

ribbon1-20.jpgインゲンの 微かなにおい 夏の夕
     (いんげんの かすかなにおい なつのゆう)

梅雨明けや 猛者が似合わぬ 犬を曳き
     (つゆあけや もさがにあわぬ いぬをひき)

釣りボート 船跡広がり 夏の色
     (つりぼーと ふなあとひろがり なつのいろ)

ribbon1-20.jpgなければと 免許の話 半夏生
     (なければと めんきょのはなし はんげしょう)

雨雲や 妻はスイカの 受粉しに
     (あまぐもや つまはすいかの じゅふんしに)

ぼそぼそと 術後の友に 春少し
     (ぼそぼそと じゅつごのともに はるすこし)

木魚あり 春の法事の 夢うつつ
     (もくぎょあり はるのほうじの ゆめうつつ)

春ひばり 姪の息子に 嫁が来る
     (はるひばり めいのむすこに よめがくる)
 
年月は 盗人なれども 春めぐむ
     (としつきは ぬすっとなれども はるめぐむ)

ribbon1-20.jpg悴みて 野仏枯葉を 集めたり
     (かじかみて のぼとけかれはを あつめたり)

着付け待つ 父はクルマで 寒の朝
     (きつけまつ ちちはくるまで かんのあさ)

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