ダクタク句集2018年(平成30年)7月 [ダクタク2018年7月]
7/31tue
サルスベリ 災い多き 月の行く
(さるすべり わざわいおおき つきのいく)
※猛暑と災害。気象のもたらす災禍はいくら繰り
返されても避け得ないものなのか。
7/30mon
グラナダに 眼光ありて 夏の闇
(ぐらなだに がんこうありて なつのやみ)
生き尽くす アルバイシンの 驟雨かな
(いきつくす あるばいしんの しゅううかな)
※7/27「戸嶋靖昌記念館」訪問
戸嶋靖昌1934-2006
後半生をスペイングラナダに過ごし、魂を
燃焼させた孤高の画家
7/29sun
透明な 台風一過の 夏の声
(とうめいな たいふういっかの なつのこえ)
※猛暑の原因は2重高気圧による「かさね布団」
効果だとか、また列島を西進する台風は上空の
「寒冷渦」のせいだと・・・このところ新しい事象、
言葉を繰り出しての気象の説明が続く。世も末
か?と思わないでもない。
関東では台風一過、朝から鳥たちの澄んだ声が
した。セミの声も・・・こちらは2日聞かぬ間にセミ
の種類が少し変わったようだ。
7/28sat
涼しという 友の顔見る 麹町
(すずしという とものかおみる こうじまち)
※あの驚異的な一昨日までの猛暑がおさまった。
シニアが都心で待ち合わせ、自由に歩くにはこ
うでなくては。暑い日にも「やせがまん」をしがち
な顔ぶれだからこその今日の僥倖。
相照らす 二人ありての 濠の夏
(あいてらす ふたりありての ほりのなつ)
※画家戸嶋靖昌と執行草舟氏の邂逅がこの記念
館の契機となった。作品を見て画家の思いを聞
き、魂を揺さぶられるほどの感動を受けたとある。
半蔵門近くの執行草舟コレクション「戸嶋靖昌記
念館」。サイトあり。
7/26thu
旧友と 雑魚寝願望の ありて夏
(きゅうゆうと ざこねがんぼうの ありてなつ)
※猛暑、酷暑ということで様々なことを思い出す。
標高のある山荘で仲間数人と避暑とシャレ込ん
だら、とんでもない暑さ。あの雑魚寝の日々が
なつかしい。それにしても、なんだアレは?
すさまじい夏だった。
7/25wed
傘マーク 見えて酷暑を 堪え忍ぶ
(かさまーく みえてこくしょを たえしのぶ)
※この高い気温とそれの連続。一滴の雨も降らな
い。週末の傘マークこそ唯一の恩寵。
7/24tue
健康に 良いこと聞く日 ヤブ蚊かな
(けんこうに よいこときくひ やぶかかな)
※町内会主催の健康教室とかに駆り出された家
内が帰って来るなり、「良かった。ためになった」
といくつかの秘伝の技を繰り出す。
「ふーん」と聞く耳のそばで「プーーン」と派手な
蚊が・・・。
7/23mon
無花果の 向こうに白き ヘルメット
(いちじくの むこうにしろき へるめっと)
※現場建築の仕事は急遽7時30分からにしたら
しい。それでも相当暑いが、無花果の実の色が
日一日と濃くなり、真っ白なヘルメットが忙しく立
ち回る。
スケッチを 済ませて朝餉 河童の忌
(すけっちを すませてあさげ かっぱのき)
※芥川が死んだ年の7月も相当暑く、それを無性
に気にしていたとする説があるらしい。気に入っ
た景色をササッとスケッチブックに書き留め、で
きれば日陰で色をつける。水彩画は上手にとは
望むべくもないから、このスピードと手軽さが目
標だ。しかもこの夏は正念場。ササッとできなけ
れば死んでしまうかも?
7/22sun
筏漕ぐ 赤き胴衣や 空知川
(いかだこぐ あかきどういや そらちがわ)
※空知のイカダ下りと聞いて、水の冷たさを思い浮
かべたが今年は無用だった。今年は北海道も暑
いと聞いた。北海道で海水浴のチャンスといえば、
週末でせいぜい1,2回しかなかった。それを逃し
て、8月に入って「暑い」と言っているうちに、ある
日からパタリと涼しくなり、暑さは二度と戻ってこ
ない。「暑い」は朝夕涼しいを飛び越えて、一気に
「寒い・・・」となる。温暖化で変わったかな?
7/21sat
夏冨士や 通い詰めたる 麓まで
(なつふじや かよいつめたる ふもとまで)
※うっすらと富士山が見えた。表富士裾野市の標
高900m付近にその昔小屋を建てて、週末ごと
に東京から通いつめた。仕事もキツかった頃の
十年余り、山での暮らしがあって辛うじて息をし
ていた。
7/20sat
消防に ナスの味噌汁 暮らしあり
(しょうぼうに なすのみそしる くらしあり)
※消防隊員の普段の一日は訓練(学習)と待機、
そして暮らしである。
7/19thu
月の白 白サルスベリに 白灯り
(つきのしろ しろさるすべりに しろあかり)
※通りの両側にサルスベリの並木がある。最初に
満開になるのは決まって白。今、毎晩見事な光
景を見せて、しばし酷暑を忘れさせる。白い上弦
の月とLEDの白い街灯が演出者。
ついで花を多くつけているのは真っ赤。しばらく
してピンクとバイオレット系がわあーっと咲きそ
ろう。
7/18wed
夏に知る 最悪の気候に 今生きる
(なつにしる さいあくのきこうに いまいきる)
※関西の被災地にとっては最悪の猛暑続き。月末
まで続くという予報以外、収まるという目途がな
い。 身を小さくして庭木に水をやるのも、さらに
控えなくては・・・。
灯り消し 闇にうなって 熱帯夜
(あかりけし やみにうなって ねったいや)
※「うなっても熱帯夜」。放哉のパクリ。
尾崎放哉「咳をしても一人」。これは冬。ちょっと
小高いところにあるお堂の庵主(小屋守り)が
最後の暮らしだったが、夏は風がよく通って涼
しかったこと、参詣の客があり賽銭収入があっ
たこと、村人から瓜の差し入れがこよなくありが
たかったこと等が記されている。
7/16mon
瓜番を したころの瓜の うまさあり
(うりばんを したころのうりの うまさあり)
※夏の瓜類(スイカ、マクアウリ)が貴重だった頃の
話。この季節、このうまさがあれば、貧しかった不
便な暮らしを理由に現代の生活が羨ましく思われ
ることはあるまい。
7/15sun
丁寧な 敬老言葉よ 猛暑日に
(ていねいな けいろうことばよ もうしょびに)
※市の検診を受けに行った。係員の説明の懇切
丁寧なこと!「ここはこうです。わかりますよね?
次はちょっと複雑な設問で申し訳ないのですが
・・・すみません、わかりまちゅ?」 丁寧を通り
越して、子供扱いだ。外見ではボケているかど
うかはわからないから、仕方がないか。それに
しても午前中から暑い日だ。
7/14sat
石垣や 百五十年の 苔青し
(いしがきや ひゃくごじゅうねんの こけあおし)
※明治維新150年。歴史点検の動きあり。懐疑派
はこの2,3年論調を高めるようにしてきたから、
むしろ新鮮味は少ないかも。迎え撃つ正統派、主
流派の方にこそ異論や差別化の主張があり、耳
目を集めている(ようだ)。
夏の朝 小暗き出丸に 集まれり
(なつのあさ おぐらきでまるに あつまれり)
※小学校高学年、朝5時前に各自自転車で城に集
まり、目的もなく高い石垣を次から次にぶらつい
ていた。天守閣なしの城址公園は草深かった。
あの頃は「オレ達のお城」だった。今は観光客、イ
ンバウンドのお城、ヒマなガキはいるだろうか?
7/13fri
桃の実を 香りを熨斗に 無沙汰わび
(もものみを かおりをのしに ぶさたわび)
※例年より早く、数も多くかつ大きな桃が収穫で
きた。我が家の庭にある、一本の桃の木である。
とはいえ素人の哀しさ、大きさはマチマチで袋
はかけたものの虫にやられたものも多い。A級、
B級品は近くの世話になった人におすそわけ。
「いつもより早いね。おいしい」と言ってくれる。
自慢できるのはおいしさ、家では半ばを占める
「C級品」と級外品?を食べる。けれど、おいし
さは変わらず。
7/11wed
フェリー乗る 日焼けした顔が 土産持ち
(ふぇりーのる ひやけしたかおが みやげもち)
※横須賀から帰る家人を東京湾フェリー金谷港ま
で迎えに行った。平日の夕暮れ近く、ゴルフ帰
りのシニア族が溢れている。笑顔の白い歯が目
立つ。これって、保険の効かないデイサービス
かな。
泡盛を 出す房総の 海の家
(あわもりを だすぼうそうの うみのいえ)
※予想以上の猛暑の到来で、海の家の拵えも急
ピッチ。泡盛のメニューがある。心地よい風が吹
いてきた。泡盛1杯で夕暮れの海を眺めるのも
いいなァ。
7/10tue
欠と出す 夏の盆地の クラス会
(けつとだす なつのぼんちの くらすかい)
※今回もちょっと無理。「欠」と書いた途端に或る
顔が浮かぶ。先日高校卒業以来久しぶりに声
を聞いた友人だ。故郷の夏の光景、煙ったよう
な青い盆地・・・。
7/9mon
今日の雲 昨日の雲も 夏の雲
(きょうのくも きのうのくもも なつのくも)
※今朝もモコモコと白い入道雲が湧き上がってい
る。真っ青な空に真っ白な・・・日本人大好きな
光景。今季はまだ飽きるほどではないが、本番
の暑さと雷と天気の不安定は覚悟しなくてはな
らない。
7/8sun
ヤコブ呼ぶ まだ見ぬ道や 夏帽子
(やこぶよぶ まだみぬみちや なつぼうし)
※久しぶりに友人I に会った。最近スペインの巡
礼の道とサンティアゴ・デ・コンポスティラを旅し
たという。興奮していた。羨ましい限り。
7/6fri
喜雨となる 音を聞いてぞ 寝入る闇
(きうとなる おとをきいてぞ ねいるやみ)
※強雨でお困りの方々には申し訳ないが、関東地
方特に南岸沿いで今日の雨は待ち望んだものだ。
木々は息を吹き返し、一変涼しくなる。午後ビー
ルを飲む会に出かけるのだが、東京往復がこれ
でぐっと楽になる。
7/4wed
虞美人草 旅先からの メールかな
(ぐびじんそう たびさきからの めーるかな)
※旅先からのメールなのに、内容はワールドカッ
プの試合のことばかり。シニア一人旅の印象は
吹っ飛んでしまったか?
7/3tue
惜敗の 朝夏つばきの さやかなり
(せきはいの あさなつつばきの さやかなり)
※朝5時前の劇的な幕切れ。格上のベルギー相
手に良く戦った。門外漢だが、攻撃力を言われ
て久しい日本チームが、どのチームと試合をし
ても果敢に攻めている。最後のシュートにまで
結びつける執念と度胸がある。敗れても新しい
時代を画した。
顔しかめ 猛暑の午後に すれちがう
(かおしかめ もうしょのごごに すれちがう)
※この暑さと太陽の光線。おだやかに見えなくて
もいい。
7/2mon
来し方を ねほりはほりと 半夏生
(こしかたを ねほりはほりと はんげしょう)
※夏至から数えて11日目、これからの5日間を
半夏生というらしい。夏も半ばを越えて「半夏
生」の花の咲く頃、といえばなにやら奥ゆかし
いが、現実のこの世は猛烈に暑く、シニアの悔
恨癖すら長続きしない。
7/1sun
七月は 蒸し蒸し夏日で 始まりぬ
(しちがつは むしむしなつびで はじまりぬ)
※記録的に早い梅雨明けは、記録的に暑い7月を
呼び寄せるかも。今日は最高33度予想で、しか
も朝から相当な蒸し暑さだ。豪雨の西日本各地、
地震後の大阪ほどではないにしても、この夏は
かなりの覚悟を強いられるようだ。
サルスベリ 災い多き 月の行く
(さるすべり わざわいおおき つきのいく)
※猛暑と災害。気象のもたらす災禍はいくら繰り
返されても避け得ないものなのか。
7/30mon
グラナダに 眼光ありて 夏の闇
(ぐらなだに がんこうありて なつのやみ)
生き尽くす アルバイシンの 驟雨かな
(いきつくす あるばいしんの しゅううかな)
※7/27「戸嶋靖昌記念館」訪問
戸嶋靖昌1934-2006
後半生をスペイングラナダに過ごし、魂を
燃焼させた孤高の画家
7/29sun
透明な 台風一過の 夏の声
(とうめいな たいふういっかの なつのこえ)
※猛暑の原因は2重高気圧による「かさね布団」
効果だとか、また列島を西進する台風は上空の
「寒冷渦」のせいだと・・・このところ新しい事象、
言葉を繰り出しての気象の説明が続く。世も末
か?と思わないでもない。
関東では台風一過、朝から鳥たちの澄んだ声が
した。セミの声も・・・こちらは2日聞かぬ間にセミ
の種類が少し変わったようだ。
7/28sat
涼しという 友の顔見る 麹町
(すずしという とものかおみる こうじまち)
※あの驚異的な一昨日までの猛暑がおさまった。
シニアが都心で待ち合わせ、自由に歩くにはこ
うでなくては。暑い日にも「やせがまん」をしがち
な顔ぶれだからこその今日の僥倖。
相照らす 二人ありての 濠の夏
(あいてらす ふたりありての ほりのなつ)
※画家戸嶋靖昌と執行草舟氏の邂逅がこの記念
館の契機となった。作品を見て画家の思いを聞
き、魂を揺さぶられるほどの感動を受けたとある。
半蔵門近くの執行草舟コレクション「戸嶋靖昌記
念館」。サイトあり。
7/26thu
旧友と 雑魚寝願望の ありて夏
(きゅうゆうと ざこねがんぼうの ありてなつ)
※猛暑、酷暑ということで様々なことを思い出す。
標高のある山荘で仲間数人と避暑とシャレ込ん
だら、とんでもない暑さ。あの雑魚寝の日々が
なつかしい。それにしても、なんだアレは?
すさまじい夏だった。
7/25wed
傘マーク 見えて酷暑を 堪え忍ぶ
(かさまーく みえてこくしょを たえしのぶ)
※この高い気温とそれの連続。一滴の雨も降らな
い。週末の傘マークこそ唯一の恩寵。
7/24tue
健康に 良いこと聞く日 ヤブ蚊かな
(けんこうに よいこときくひ やぶかかな)
※町内会主催の健康教室とかに駆り出された家
内が帰って来るなり、「良かった。ためになった」
といくつかの秘伝の技を繰り出す。
「ふーん」と聞く耳のそばで「プーーン」と派手な
蚊が・・・。
7/23mon
無花果の 向こうに白き ヘルメット
(いちじくの むこうにしろき へるめっと)
※現場建築の仕事は急遽7時30分からにしたら
しい。それでも相当暑いが、無花果の実の色が
日一日と濃くなり、真っ白なヘルメットが忙しく立
ち回る。
スケッチを 済ませて朝餉 河童の忌
(すけっちを すませてあさげ かっぱのき)
※芥川が死んだ年の7月も相当暑く、それを無性
に気にしていたとする説があるらしい。気に入っ
た景色をササッとスケッチブックに書き留め、で
きれば日陰で色をつける。水彩画は上手にとは
望むべくもないから、このスピードと手軽さが目
標だ。しかもこの夏は正念場。ササッとできなけ
れば死んでしまうかも?
7/22sun
筏漕ぐ 赤き胴衣や 空知川
(いかだこぐ あかきどういや そらちがわ)
※空知のイカダ下りと聞いて、水の冷たさを思い浮
かべたが今年は無用だった。今年は北海道も暑
いと聞いた。北海道で海水浴のチャンスといえば、
週末でせいぜい1,2回しかなかった。それを逃し
て、8月に入って「暑い」と言っているうちに、ある
日からパタリと涼しくなり、暑さは二度と戻ってこ
ない。「暑い」は朝夕涼しいを飛び越えて、一気に
「寒い・・・」となる。温暖化で変わったかな?
7/21sat
夏冨士や 通い詰めたる 麓まで
(なつふじや かよいつめたる ふもとまで)
※うっすらと富士山が見えた。表富士裾野市の標
高900m付近にその昔小屋を建てて、週末ごと
に東京から通いつめた。仕事もキツかった頃の
十年余り、山での暮らしがあって辛うじて息をし
ていた。
7/20sat
消防に ナスの味噌汁 暮らしあり
(しょうぼうに なすのみそしる くらしあり)
※消防隊員の普段の一日は訓練(学習)と待機、
そして暮らしである。
7/19thu
月の白 白サルスベリに 白灯り
(つきのしろ しろさるすべりに しろあかり)
※通りの両側にサルスベリの並木がある。最初に
満開になるのは決まって白。今、毎晩見事な光
景を見せて、しばし酷暑を忘れさせる。白い上弦
の月とLEDの白い街灯が演出者。
ついで花を多くつけているのは真っ赤。しばらく
してピンクとバイオレット系がわあーっと咲きそ
ろう。
7/18wed
夏に知る 最悪の気候に 今生きる
(なつにしる さいあくのきこうに いまいきる)
※関西の被災地にとっては最悪の猛暑続き。月末
まで続くという予報以外、収まるという目途がな
い。 身を小さくして庭木に水をやるのも、さらに
控えなくては・・・。
灯り消し 闇にうなって 熱帯夜
(あかりけし やみにうなって ねったいや)
※「うなっても熱帯夜」。放哉のパクリ。
尾崎放哉「咳をしても一人」。これは冬。ちょっと
小高いところにあるお堂の庵主(小屋守り)が
最後の暮らしだったが、夏は風がよく通って涼
しかったこと、参詣の客があり賽銭収入があっ
たこと、村人から瓜の差し入れがこよなくありが
たかったこと等が記されている。
7/16mon
瓜番を したころの瓜の うまさあり
(うりばんを したころのうりの うまさあり)
※夏の瓜類(スイカ、マクアウリ)が貴重だった頃の
話。この季節、このうまさがあれば、貧しかった不
便な暮らしを理由に現代の生活が羨ましく思われ
ることはあるまい。
7/15sun
丁寧な 敬老言葉よ 猛暑日に
(ていねいな けいろうことばよ もうしょびに)
※市の検診を受けに行った。係員の説明の懇切
丁寧なこと!「ここはこうです。わかりますよね?
次はちょっと複雑な設問で申し訳ないのですが
・・・すみません、わかりまちゅ?」 丁寧を通り
越して、子供扱いだ。外見ではボケているかど
うかはわからないから、仕方がないか。それに
しても午前中から暑い日だ。
7/14sat
石垣や 百五十年の 苔青し
(いしがきや ひゃくごじゅうねんの こけあおし)
※明治維新150年。歴史点検の動きあり。懐疑派
はこの2,3年論調を高めるようにしてきたから、
むしろ新鮮味は少ないかも。迎え撃つ正統派、主
流派の方にこそ異論や差別化の主張があり、耳
目を集めている(ようだ)。
夏の朝 小暗き出丸に 集まれり
(なつのあさ おぐらきでまるに あつまれり)
※小学校高学年、朝5時前に各自自転車で城に集
まり、目的もなく高い石垣を次から次にぶらつい
ていた。天守閣なしの城址公園は草深かった。
あの頃は「オレ達のお城」だった。今は観光客、イ
ンバウンドのお城、ヒマなガキはいるだろうか?
7/13fri
桃の実を 香りを熨斗に 無沙汰わび
(もものみを かおりをのしに ぶさたわび)
※例年より早く、数も多くかつ大きな桃が収穫で
きた。我が家の庭にある、一本の桃の木である。
とはいえ素人の哀しさ、大きさはマチマチで袋
はかけたものの虫にやられたものも多い。A級、
B級品は近くの世話になった人におすそわけ。
「いつもより早いね。おいしい」と言ってくれる。
自慢できるのはおいしさ、家では半ばを占める
「C級品」と級外品?を食べる。けれど、おいし
さは変わらず。
7/11wed
フェリー乗る 日焼けした顔が 土産持ち
(ふぇりーのる ひやけしたかおが みやげもち)
※横須賀から帰る家人を東京湾フェリー金谷港ま
で迎えに行った。平日の夕暮れ近く、ゴルフ帰
りのシニア族が溢れている。笑顔の白い歯が目
立つ。これって、保険の効かないデイサービス
かな。
泡盛を 出す房総の 海の家
(あわもりを だすぼうそうの うみのいえ)
※予想以上の猛暑の到来で、海の家の拵えも急
ピッチ。泡盛のメニューがある。心地よい風が吹
いてきた。泡盛1杯で夕暮れの海を眺めるのも
いいなァ。
7/10tue
欠と出す 夏の盆地の クラス会
(けつとだす なつのぼんちの くらすかい)
※今回もちょっと無理。「欠」と書いた途端に或る
顔が浮かぶ。先日高校卒業以来久しぶりに声
を聞いた友人だ。故郷の夏の光景、煙ったよう
な青い盆地・・・。
7/9mon
今日の雲 昨日の雲も 夏の雲
(きょうのくも きのうのくもも なつのくも)
※今朝もモコモコと白い入道雲が湧き上がってい
る。真っ青な空に真っ白な・・・日本人大好きな
光景。今季はまだ飽きるほどではないが、本番
の暑さと雷と天気の不安定は覚悟しなくてはな
らない。
7/8sun
ヤコブ呼ぶ まだ見ぬ道や 夏帽子
(やこぶよぶ まだみぬみちや なつぼうし)
※久しぶりに友人I に会った。最近スペインの巡
礼の道とサンティアゴ・デ・コンポスティラを旅し
たという。興奮していた。羨ましい限り。
7/6fri
喜雨となる 音を聞いてぞ 寝入る闇
(きうとなる おとをきいてぞ ねいるやみ)
※強雨でお困りの方々には申し訳ないが、関東地
方特に南岸沿いで今日の雨は待ち望んだものだ。
木々は息を吹き返し、一変涼しくなる。午後ビー
ルを飲む会に出かけるのだが、東京往復がこれ
でぐっと楽になる。
7/4wed
虞美人草 旅先からの メールかな
(ぐびじんそう たびさきからの めーるかな)
※旅先からのメールなのに、内容はワールドカッ
プの試合のことばかり。シニア一人旅の印象は
吹っ飛んでしまったか?
7/3tue
惜敗の 朝夏つばきの さやかなり
(せきはいの あさなつつばきの さやかなり)
※朝5時前の劇的な幕切れ。格上のベルギー相
手に良く戦った。門外漢だが、攻撃力を言われ
て久しい日本チームが、どのチームと試合をし
ても果敢に攻めている。最後のシュートにまで
結びつける執念と度胸がある。敗れても新しい
時代を画した。
顔しかめ 猛暑の午後に すれちがう
(かおしかめ もうしょのごごに すれちがう)
※この暑さと太陽の光線。おだやかに見えなくて
もいい。
7/2mon
来し方を ねほりはほりと 半夏生
(こしかたを ねほりはほりと はんげしょう)
※夏至から数えて11日目、これからの5日間を
半夏生というらしい。夏も半ばを越えて「半夏
生」の花の咲く頃、といえばなにやら奥ゆかし
いが、現実のこの世は猛烈に暑く、シニアの悔
恨癖すら長続きしない。
7/1sun
七月は 蒸し蒸し夏日で 始まりぬ
(しちがつは むしむしなつびで はじまりぬ)
※記録的に早い梅雨明けは、記録的に暑い7月を
呼び寄せるかも。今日は最高33度予想で、しか
も朝から相当な蒸し暑さだ。豪雨の西日本各地、
地震後の大阪ほどではないにしても、この夏は
かなりの覚悟を強いられるようだ。