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ダクタク2018年8月 ブログトップ

ダクタク句集2018年(平成30年)8月 [ダクタク2018年8月]

8/31fri
炎天や 岸辺の闇に サギは待つ
        ※簡単に戻ってきた猛暑。シラサギは岸辺の丈の
         長い草が茂った根元から離れない。じっと小魚
         を待っている。暗闇でも真っ白だから丸見えだ
         と思ったが、餌よりも熱中症対策優先か。

8/30thu
ぶどう棚 竿撓るほどに 房満ちて  
     (ぶどうだな さおしなるほどに ふさみちて)
        ※我が家のぶどうは新しい棚に旺盛に絡み、すで
         に食べ頃の実をつけている。6月からの暑さ続
         きで例年より早い感じ。棚の部材である竿が重
         さのため中央で少しだけ撓っている。豊作のシ
         ルシ。品種は名前も覚えていない、地味な薄緑
         色のもの。ほんのり甘いのが「いとおしい」。

8/29wed
残暑やむ 蝉は暑さと 同士討ち
     (ざんしょやむ せみはあつさと どうしうち)
        ※ようやく一息つける気温になった。あれほどの
         鳴き声を続けたセミが今朝はパタリと静まって
         いる。そんなにも明快に?という気分。
         異常な暑さの振幅の中でも、確実な秋の気配。

8/28tue
胡弓なく 街いまだ見ず 風の盆
     (こきゅうなく まちいまだみず かぜのぼん)
        ※9/1-9/3は富山県八尾の風の盆。この季節でなく
         とも訪れたことはない。古い町並みを薄暗いまま
         にして踊りは進み、哀しげな越中おわら節にのせ
         て、菅笠で顔を隠した女性連が優雅に手と指に
         神経を払う。しゃしゃり出ることの多い今日の盆
         の踊りの中で・・・いいなァ。

8/27mon
炎熱や 虚しく気温の データ見る
     (えんねつや  むなしくきおんの でーたみる)
        ※気象庁の膨大なデータをネットで見ることが出
         来る。指定した土地の気温、湿度、降雨量の日
         々の実績、時間毎の推移、平年値との比較、全
         国ランキング等々。見たって、少しも涼しくはな
         らないが、突出して暑い時は全国のランキング
         入りしたのでは?・・・ムナしい思いを馳せる。

8/26sun
秋の蝉 姉妹の通勤 土手の道
     (あきのせみ しまいのつうきん どてのみち)
        ※今朝も雲ひとつない日照り。未舗装の土手道を
         姿の似た二人が自転車で行く。雨の日も風の日
         も近くのバス停まで縦になって進む。話しながら
         ということはない。これは姉妹だな?と思ってい
         る。

8/25sat
居酒屋に インゲンありて 酒すこし
     (いざかやに いんげんありて さけすこし)
        ※ごくごく普通のおひたし。今時インゲンとかオ
         クラとか採れたてのおひたしは家庭ではありふ
         れているのに、飲み屋のメニューにのるとあり
         がたがる。

8/24fri
二人して うめても熱き 夏出湯
     (ふたりして うめてもあつき なついでゆ)
        ※福島県磐梯山近くの沼尻高原、亡くなった登山
         家田部井淳子さんがオーナーだったロッジが閉
         館したらしい。以前になるが弟といっしょに訪れ、
         ゆっくり午後を過ごした。かなり強度の酸性湯で
         熱く、殆どが源泉ということだった。
六十歳の 兄弟裸で 夏惜しむ
     (ろくじゅうの きょうだいはだかで なつおしむ)
        ※カッコーがしきりに鳴いていた。弟の裸を見た
         最後の日。

8/23thu
鎌倉の かき氷屋よ その昔
     (かまくらの かきごおりやよ そのむかし)
        ※炎天下の鎌倉に寺めぐりに行ったことがある。
         予定のコースをこなそうと死にそうだった。スポ
         ーツドリンクなんかはない頃、熱中症とかの言
         葉も身近にはなかったかも。飛び込んだかき
         氷屋で生き返るつもりだった。鎌倉らしく古風な
         名前のかき氷、ところがやってきたのは名前と
         は裏腹に色とりどりの随分凝った「新作」だった。
         うまかった、忘れない・・・。あの頃から鎌倉は
         観光にやられていたんだ。

飼い犬に こまめに水やる 男あり
     (かいいぬに こまめにみずやる おとこあり)
        ※この夏は「熱中症対策」を一日に何度耳にする
         ことか。犬用のドリンクもある。男はその都度
         ついでに自分も水を口に含む。

8/21tue
秋風や 白河の関に 出迎えん
     (あきかぜや しらかわのせきに でむかえん)
        ※準優勝の金足農高には緒戦から、その全員野球
         とエース吉田の颯爽とした投球ぶりに注目した。
         あれよあれよという間の決勝進出。勝てば東北勢
         初の優勝だったのだが、残念。しかしおかげでTV
         観戦を堪能した。

8/20mon
ケイタイに 残りし露や 秋あざみ
     (けいたいに のこりしつゆや あきあざみ)
        ※今朝も涼しさが続く。朝の小雨でアザミの花が
         みずみずしく、いい色になる。

8/19sun
朝涼し 足引く人の 微笑かな
     (あさすずし あしひくひとの びしょうかな)
        ※朝ウォーキングの人の中に、足を引きずるよう
         にしてリハビリを兼ねた人達が意外と多い。脳
         内出血等の後遺症と戦っている、多くはシニア
         またはシニア近くの男性だ。昨日今日は本当に
         涼しい。顔つきが全然違っている。

8/18sat
半袖の 腕をさすりつ 猛暑ロス
     (はんそでの うでをさすりつ もうしょろす)
        ※一日の最低気温が16度台に。二日で10度以
         上の低下だ。ここまで急降下すると、「アノ暑さ
         が恋しくもなる」。これ猛暑ロス。
         これって・・・本心ではない。暑さはすぐにブリ
         返し、いやでも続きそうだから。

8/17fri
暑いねと それだけ言って 盆は明け
     (あついねと それだけいって ぼんはあけ)
        ※この夏は並みの時候の挨拶は不要だ。ただ「暑
         い」と言えばいい。
         ・・・そうしたら今日は一転関東地方も涼しい、さ
         わやかな天気に。びっくりするほどの心地よさ。
         北海道大雪山系の黒岳から観測史上最速の初
         雪の知らせが届いた。どうなっているんだか?

8/16thu
盆明けて 稲穂は重く そそのかし
     (ぼんあけて いなほはおもく そそのかし)
        ※暑い南風、頭を垂れた稲穂はますます頭を振り、
         「今のうちだ。早く刈るべし」と煽っているようだ。
         当地木更津周辺は関東一の早場米の産地。品
         種は「ふさおとめ」、「ふさこがね」などで盆明け
         に本格的な収穫が始まる。

8/15wed
姉が住む 博士の生家 油蝉
     (あねがすむ はかせのせいか あぶらぜみ)
        ※小学生高学年の時、野口英世記念館をクラスで
         訪ねた。現在のような観光施設ではなく、わら葺
         きの生家はトタン屋根で覆われ、実姉のイヌさん
         が暮らしておられた。別棟で記念館があった。
         昭和30年頃の話。一列になって帽子をとり、お
         姉さんに挨拶をした。「よく来なさったなァ。ゆっく
         りしていきなさい」と言われた。とっても緊張して
         いた。

8/14tue
盆の入り ゴミ集め人の 玉の汗
     (ぼんのいり ごみあつめびとの たまのあせ)

盂蘭盆会 釣りの哲人 岸になし
     (うらぼんえ つりのてつじん きしになし)
        ※8/13~8/15お盆。さすがにクルマは少なく、勤
         め人の休暇が多い。日中のお墓参りには酷な天
         候だ。

8/13mon
さざえ堂 初めての日遠し 夏盆地
     (さざえどう はじめてのひとおし なつぼんち)
        ※会津若松市飯盛山のさざえ堂。中に入ると、登
         りと降りが一つの建物の中で交差ぜずに出口に
         至る。仏堂。現在は国の重要文化財に指定され
         ているとか。あの当時は観光客もまばらだった。

8/12sun
シャバはもう 盆かナースの 冷たい手
     (しゃばはもう ぼんかなーすの つめたいて)
        ※明け方の雷雨ですっかり涼しくなった。近くの
         病院の入院患者が通りに面したところで談笑し
         ている。顔ぶれは変わっても朝ここに来る人々
         は誰も犬にやさしい。

8/11sat
角曲がる 父のスクーター 油照り
     (かどまがる ちちのすくーたー あぶらでり)
        ※クルマの運転免許を持っていなかった父が短期
         間スクーターを乗っていたことを思い出した。 暑
         い夏の日のシーン。こちらが小学生の頃だ。
         今だったら「二輪車は危ないから絶対やめて」と
         言い張るのだが。すぐに乗るのをやめたから、意
         外と事故でやめたのかも・・・。

8/10fri    
その昔 借家に風鈴 麹町
     (そのむかし しゃくやにふうりん こうじまち)
        ※久しぶりに新宿通りを半蔵門から四谷方面に歩
         いた。ここも通りはビルだらけ、特にマンションビ
         ルが目立つ。明治中期以降ここは山の手の住宅
         地だったらしい。結構高級な。それでも数の上で
         は多くが戸建ての借家だったという。

白きビル 上智に夏の 威勢あり
     (しろきびる じょうちになつの いせいあり)
        ※「これがソフィアタワーかァ・・・」 初めて見る、
         地上17階の複合ビル。正しい名前は、上智大
         学四谷キャンパス6号館。上層階は三井不動
         産の賃貸オフィス。

8/9thu
南天や 永井博士の 歌聞こゆ
     (なんてんや ながいはかせの うたきこゆ)
        ※長崎 原爆忌
         「南天の花」 永井  隆 作詞
                  山田耕筰 作曲

8/8wed
居酒屋の 夏のざわめき 連れの声
     (いざかやの なつのざわめき つれのこえ)
        ※気のおけない仲間との飲み会、こんなに楽しい
         ものはないが、このところ殆ど毎回「酔い潰れて」
         いる。断って、その場に横になる程度なのだが、
         連れにも悪いし、いい年をしてとも思っている。
         20歳前後の飲み始めの頃は、本当に弱かった。
         あの頃にもどりつつあるのか・・・。

8/7tue
嵐来る ムクゲは休み 今朝の秋
     (あらしくる むくげはやすみ けさのあき)
        ※続いた熱帯夜が途切れた。一気に23度台に。
         さすがに立秋かと思ったが、どんなに頑強な暑
         さでも天の匙かげん一つで一夜にして変わる。

8/6mon
朝の道 急いで帰る 原爆忌
     (あさのみち いそいでかえる げんばくき)
        ※広島73回目の原爆忌

8/5sun
甲子園 百回大会の 足音よ
     (こうしえん ひゃっかいたいかいの あしおとよ)
        ※56校が出場する豪華記念大会。優勝候補の一
         角に地元木更津総合高が挙げられる。ピンッと
         張り詰めた開会式、さすが熱中症の発生はなか
         ったようだ。さてスタンドはどうか? まともに日
         が当たる観覧席は満員の盛況。

8/4sat
火星来る 猛暑の赤き 色をして
     (かせいきたる もうしょのあかき いろをして)

火星には ウィスキーかと 夏の闇
     (かせいには うぃすきーかと なつのやみ)
        ※どこどこ?というほど、知っているようで何も
         知らない。火星、南東のおおよそ仰角30度く
         らいにあった。後は色と明るさで忘れない。
         大接近故にことさら赤いようだ。この暑さはこ
         のせいだったか?  だったら鎮静を願って、
         ウィスキーで乾杯。

旱星 地上は怨嗟の 声で満つ
     (ひでりぼし ちじょうはえんさの こえでみつ)
        ※旱星という言葉を知った。ちゃんと夏の季語に
         なるらしい。炎天続きの夜にひでりを象徴する
         ような星。火星やアンタレス(知らない)などの
         赤い星をいうらしい。

8/2thu
土用凪 配達夫白き 歯を見せる
     (どようなぎ はいたつふしろき はをみせる)
        ※気圧配置が変わらない。朝からの猛暑が続く。
         バイクの郵便配達が一番つらそう。ハイテクだ、
         ITだとかいっても、ここには及ばない。汗を拭き
         つつ、苦笑を見せる。

8/1wed
遅刻する 子が会釈する 蝉しぐれ
     (ちこくする こがえしゃくする せみしぐれ)
        ※夏休み朝一番の部活。いつもの子がいつものよ
         うに駆けてくる。集合時刻遅刻の常習犯だとか言
         っていた。下半身が鍛えられるなァと思っていた
         らもう前方の角を曲がった。
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