ダクタク句集2021年(令和3年)2月 [ダクタク2021年2月]
2/28sun
鵜はもぐる 二月みそかの 朝まだき
(うはもぐる にがつみそかの あさまだき)
うたたねや 二月みそかの ひなたかな
(うたたねや にがつみそかの ひなたかな)
猫二匹 二月みそかの 夕まぐれ
(ねこにひき にがつみそかの ゆうまぐれ)
※二月みそかの三句。朝は冷え込んだが、日中
の日差しは値千金。コロナ禍さえなければ、
穏やかな天気に脳はとろとろ。
2/27sat
春うらら 断捨離とかを 考える
(はるうらら だんしゃりとかを かんがえる)
※いつも春になり新年度を前に、本やレコード
など大事にしてきたものをそろそろ処分しよ
うと真剣に思う。
しかし春の計画を実行した試しがない。今回
も? しかし後期高齢者だからなァ・・・。
2/26fri
春耕の 鍬のガタとり なお深く
(しゅんこうの くわのがたとり なおふかく)
野仏は 深く耕せと 言い給う
(のぼとけは ふかくたがやせと いいたもう)
※捻挫も大方直ったので、久しぶりの畑仕事。
寒起こしのつもりで深く土壌を掘り返すが、
季節はもう春、春耕はやり方が違うのではな
いかな? 歩行欠場の間は犬の散歩を代わっ
てもらったので、我が家の野仏に従うことに
する。日差しが暖かい。
2/24wed
畔塗りも 機械がすれば 泥厚く
(あぜぬりも きかいがすれば どろあつく)
※三寒四温の季節だが、当地では早くも畔作り
が始まっている。歩くのもゆっくりというシ
ニア農夫の、機械を使っての仕事はなんと力
強いことか。分厚い畔が見る見るのうちに。
2/23tue
ウグイスパン 味半世紀を ひとっ飛び
(うぐいすぱん あじはんせいきを ひとっとび)
※菓子パンのジャムパンやクリームパンは忘れ
た頃になつかしく食べたものだが、ウグイス
パンとなると高校生のころ以来か?
ぞろぞろと記憶が舌からよみがえる。
2/22mon
特売の 肉の情報 春電話
(とくばいの にくのじょほう はるでんわ)
言い出せば 限りなく恋し 目刺しかな
(いいだせば かぎりなくこいし めざしかな)
※それは豚肉の特売どうする?とかの電話に始
まった。肉より久しぶりに目刺しが食いたい
と私が差し出口。
途端に焼いた目刺しの香りが・・・。
2/21sun
春陰や 股肱の足を 痛めけり
(しゅんいんや ここうのあしを いためけり)
※75年間も足は良く尽くしてくれている。そ
れなのに・・・と捻挫を悔やんでいる。家に
動かずにいると他に考えることもなく、我が
身体の各部品の忠誠と健闘を思ってグランプ
リを贈呈したくなる。とりわけ優秀な部品と
はいえないが、地味に頑張って今日に至る。
2/20sat
水温む 川まで行かん 紐固く
(みずぬるむ かわまでいかん ひもかたく)
いつもの春 なれど捻挫の足で行く
(いつものはる なれどねんざの あしでいく)
※捻挫で代わってもらっていた犬の散歩も再開。
この間慎重に静かにしていたので概ね快調。
真っ青な晴れ間と風が早春を飾っている。
2/19fri
初ワクチン 注射ぎらいの 白衣あり
(はつわくちん ちゅうしゃぎらいの はくいあり)
※ワクチン投与始まる。スムーズな計画消化を
祈る。
2/18thu
句を詠むは 女性が多し 春の風
(くをよむは じょせいがおおし はるのかぜ)
※女性登用の遅れでは先進国中最後発であると
か。もっともであるが、この分野では! こ
んな例は世界にあるまい。
2/17wed
ガンガンと 春の嵐よ MR
(がんがんと はるのあらしよ えむあーる)
※人が少なめの病院で定期の検査。命大事の通
院控えと命確認の受検と、どっちが大事か?
気軽に行ったのは能天気なのかも?
2/16tue
墓地を売る 旗たはめきて 春の山
(ぼちをうる はたはためきて はるのやま)
※山笑うというには季節はまだ早いが、コロナ
禍の田舎でも静かな商戦はある。日本海側は
今日も激しい雪と風が続いているが、関東地
方は風は強いが晴れ渡る。
2/15mon
捻挫して攻守ところを変えて春
(ねんざして こうしゅところをかえて はる)
※先日正座から立ち上がりざまに右足の指先を
ひねって倒れ、軽い捻挫をしてしまった。捻
挫は軽かったが、倒れた所に消した灯油スト
ーブがあり、寸でのところで大火傷をすると
ころだった。
今歩行は出来るが、まだ凸凹含みの道はこわ
い。家内に肝心の犬の散歩を代わってもらっ
ている。今朝で三日目。今までも攻められど
うしだったが、尚更頭が上がらなくなったと
いう一幕。
2/14sun
蕗味噌や 伯父の手になる 味遥か
(ふきみそや おじのてになる あじはるか)
※昨夜11時過ぎにかなりの地震。震源地に近
い故郷の家を思った。幸い被害等はなかった
が、大震災10年目を前に痛手は小さくない
だろう。あの家に住んだ伯父の手料理を思い
出した。
2/13sat
春服や 病室の壁に 飾りおり
(はるふくや びょうしつのかべに かざりおり)
※入院している姪から家内にメールと写真が届
いた。見舞いもままならないから、長期の入
院を心配していた家内は胸を撫で下ろした。
イエローの服が退院間近と言っている。
2/12fri
やわらかき陽に文字うすれ春障子
(やわらかきひにもじうすれ はるしょうじ)
※日差しがあると日中の室内は春真っ盛りの頃
のよう。目は重くなり、うとうと・・・。
2/11thu
春の道 白線を引く チームあり
(はるのみち はくせんをひく ちーむあり)
喜寿の歳 確かめつつの 春の朝
(きじゅのとし たしかめつつの はるのあさ)
※夜明け前後から長い時間を床で過ごすのが半
ば習慣のようになっている。年齢のお祝いは
数え年で勘定するのだと、前夜のテレビのド
ラマで知った。
本当? 本当なら今年の正月で数えで77歳
ではないか! ま、お祝いでもないが・・・。
2/9tue
三角の 星座見易し 二月かな
(さんかくの せいざみやすし にがつかな)
※夕方の散歩で見上げる東空の「冬の大三角」、
定時18時前後では位置が低く、視認できな
いことが多かった。暦で春となった、この頃
三角の一角であるオリオンが舞い立ち、すぐ
にわかるようになった。星座ではないね。
2/8mon
春近し テレ読書会の 案内来る
(はるちかし てれどくしょかいの あないくる)
※禁足の世に流布しているテレワーク、テレビ
会議、ネット飲み会等々。ついにわが身にも
お誘いが来た。おなじみの興行主からである。
東京が遠いから、というのが断りの理由にな
らないから困った。
2/7sun
ぼろ市で 買いし錦の 笛鳴らず
(ぼろいちで かいしにしきの ふえならず)
※有名な世田谷ぼろ市で錦の袋に入った横笛を
買ってきた。ちょっと汚いヤツ。きれいに掃
除して磨きこんだが、どうにもこうにも鳴ら
なかった。観賞用かな?とも思っているうち
にどこかにまぎれた。実は名品かも。鑑定団。
2/6sat
余病消え 寒明けの街 明るかり
(よびょうきえ かんあけのまち あかるかり)
※家内の思いもよらぬ余病懸念が立ち消えた。
一か月余り様々な検査を経た後の診断だから、
時期も時期だけに本当に安心した。医師のお
疲れ様との言葉に家内の顔は和らいだ。
2/5fri
子は巣立つ 膝掛かけて ギア入れて
(こはすだつ ひざかけかけて ぎあいれて)
※近くに住む親戚の娘が転職で東京に発った。
部屋を借り荷物は別便だが、いつもの出勤と
同じように家を出たとか。医療関係の資格と
実務経験をさらに活かしたいとのことだが、
コロナ蔓延る今だけに、親は心配している。
こちらも同じ。
2/4thu
着ぶくれて つい空耳の 音を聞き
(きぶくれて ついそらみみの おとをきき)
セーターを着込み 厚毛の犬を曳く
(せーたーをきこみ あつげのいぬをひく)
※極寒の装いでゆっくり歩いていると、本当に
年寄りの気分になる。あの音は上りの列車か
な? 待てェ、今の時刻で上りのはずはない。
どうでもいいことの不確かさが気になったり。
本物の後期高齢者なのだから、年齢相応とい
うことか。
2/3wed
水道管 春の天まで 吊り上げぬ
(すいどうかん はるのてんまで つりあげぬ)
※春らしい日差しが暖かい。年末から続く団地
の水道管取り換え工事が今佳境。
2/2tue
下の子が 急に泣きやむ 鬼火なり
(したのこが きゅうになきやむ おにびなり)
※一度泣き始めたらテコでも泣き止まない。そ
れがふと窓外に目をやった途端、パタッと静
かになった。
下の子とは私。ざっと70年以上前のこと。
2/1mon
ダリの忌や 燗番の声 チンと鳴り
(だりのきや かんばんのこえ ちんとなり)
熱燗や 脚を失くして 逝きにけり
(あつかんや あしをなくして いきにけり)
※2月は酒好きだった亡き義兄を思い出して始
まった。
鵜はもぐる 二月みそかの 朝まだき
(うはもぐる にがつみそかの あさまだき)
うたたねや 二月みそかの ひなたかな
(うたたねや にがつみそかの ひなたかな)
猫二匹 二月みそかの 夕まぐれ
(ねこにひき にがつみそかの ゆうまぐれ)
※二月みそかの三句。朝は冷え込んだが、日中
の日差しは値千金。コロナ禍さえなければ、
穏やかな天気に脳はとろとろ。
2/27sat
春うらら 断捨離とかを 考える
(はるうらら だんしゃりとかを かんがえる)
※いつも春になり新年度を前に、本やレコード
など大事にしてきたものをそろそろ処分しよ
うと真剣に思う。
しかし春の計画を実行した試しがない。今回
も? しかし後期高齢者だからなァ・・・。
2/26fri
春耕の 鍬のガタとり なお深く
(しゅんこうの くわのがたとり なおふかく)
野仏は 深く耕せと 言い給う
(のぼとけは ふかくたがやせと いいたもう)
※捻挫も大方直ったので、久しぶりの畑仕事。
寒起こしのつもりで深く土壌を掘り返すが、
季節はもう春、春耕はやり方が違うのではな
いかな? 歩行欠場の間は犬の散歩を代わっ
てもらったので、我が家の野仏に従うことに
する。日差しが暖かい。
2/24wed
畔塗りも 機械がすれば 泥厚く
(あぜぬりも きかいがすれば どろあつく)
※三寒四温の季節だが、当地では早くも畔作り
が始まっている。歩くのもゆっくりというシ
ニア農夫の、機械を使っての仕事はなんと力
強いことか。分厚い畔が見る見るのうちに。
2/23tue
ウグイスパン 味半世紀を ひとっ飛び
(うぐいすぱん あじはんせいきを ひとっとび)
※菓子パンのジャムパンやクリームパンは忘れ
た頃になつかしく食べたものだが、ウグイス
パンとなると高校生のころ以来か?
ぞろぞろと記憶が舌からよみがえる。
2/22mon
特売の 肉の情報 春電話
(とくばいの にくのじょほう はるでんわ)
言い出せば 限りなく恋し 目刺しかな
(いいだせば かぎりなくこいし めざしかな)
※それは豚肉の特売どうする?とかの電話に始
まった。肉より久しぶりに目刺しが食いたい
と私が差し出口。
途端に焼いた目刺しの香りが・・・。
2/21sun
春陰や 股肱の足を 痛めけり
(しゅんいんや ここうのあしを いためけり)
※75年間も足は良く尽くしてくれている。そ
れなのに・・・と捻挫を悔やんでいる。家に
動かずにいると他に考えることもなく、我が
身体の各部品の忠誠と健闘を思ってグランプ
リを贈呈したくなる。とりわけ優秀な部品と
はいえないが、地味に頑張って今日に至る。
2/20sat
水温む 川まで行かん 紐固く
(みずぬるむ かわまでいかん ひもかたく)
いつもの春 なれど捻挫の足で行く
(いつものはる なれどねんざの あしでいく)
※捻挫で代わってもらっていた犬の散歩も再開。
この間慎重に静かにしていたので概ね快調。
真っ青な晴れ間と風が早春を飾っている。
2/19fri
初ワクチン 注射ぎらいの 白衣あり
(はつわくちん ちゅうしゃぎらいの はくいあり)
※ワクチン投与始まる。スムーズな計画消化を
祈る。
2/18thu
句を詠むは 女性が多し 春の風
(くをよむは じょせいがおおし はるのかぜ)
※女性登用の遅れでは先進国中最後発であると
か。もっともであるが、この分野では! こ
んな例は世界にあるまい。
2/17wed
ガンガンと 春の嵐よ MR
(がんがんと はるのあらしよ えむあーる)
※人が少なめの病院で定期の検査。命大事の通
院控えと命確認の受検と、どっちが大事か?
気軽に行ったのは能天気なのかも?
2/16tue
墓地を売る 旗たはめきて 春の山
(ぼちをうる はたはためきて はるのやま)
※山笑うというには季節はまだ早いが、コロナ
禍の田舎でも静かな商戦はある。日本海側は
今日も激しい雪と風が続いているが、関東地
方は風は強いが晴れ渡る。
2/15mon
捻挫して攻守ところを変えて春
(ねんざして こうしゅところをかえて はる)
※先日正座から立ち上がりざまに右足の指先を
ひねって倒れ、軽い捻挫をしてしまった。捻
挫は軽かったが、倒れた所に消した灯油スト
ーブがあり、寸でのところで大火傷をすると
ころだった。
今歩行は出来るが、まだ凸凹含みの道はこわ
い。家内に肝心の犬の散歩を代わってもらっ
ている。今朝で三日目。今までも攻められど
うしだったが、尚更頭が上がらなくなったと
いう一幕。
2/14sun
蕗味噌や 伯父の手になる 味遥か
(ふきみそや おじのてになる あじはるか)
※昨夜11時過ぎにかなりの地震。震源地に近
い故郷の家を思った。幸い被害等はなかった
が、大震災10年目を前に痛手は小さくない
だろう。あの家に住んだ伯父の手料理を思い
出した。
2/13sat
春服や 病室の壁に 飾りおり
(はるふくや びょうしつのかべに かざりおり)
※入院している姪から家内にメールと写真が届
いた。見舞いもままならないから、長期の入
院を心配していた家内は胸を撫で下ろした。
イエローの服が退院間近と言っている。
2/12fri
やわらかき陽に文字うすれ春障子
(やわらかきひにもじうすれ はるしょうじ)
※日差しがあると日中の室内は春真っ盛りの頃
のよう。目は重くなり、うとうと・・・。
2/11thu
春の道 白線を引く チームあり
(はるのみち はくせんをひく ちーむあり)
喜寿の歳 確かめつつの 春の朝
(きじゅのとし たしかめつつの はるのあさ)
※夜明け前後から長い時間を床で過ごすのが半
ば習慣のようになっている。年齢のお祝いは
数え年で勘定するのだと、前夜のテレビのド
ラマで知った。
本当? 本当なら今年の正月で数えで77歳
ではないか! ま、お祝いでもないが・・・。
2/9tue
三角の 星座見易し 二月かな
(さんかくの せいざみやすし にがつかな)
※夕方の散歩で見上げる東空の「冬の大三角」、
定時18時前後では位置が低く、視認できな
いことが多かった。暦で春となった、この頃
三角の一角であるオリオンが舞い立ち、すぐ
にわかるようになった。星座ではないね。
2/8mon
春近し テレ読書会の 案内来る
(はるちかし てれどくしょかいの あないくる)
※禁足の世に流布しているテレワーク、テレビ
会議、ネット飲み会等々。ついにわが身にも
お誘いが来た。おなじみの興行主からである。
東京が遠いから、というのが断りの理由にな
らないから困った。
2/7sun
ぼろ市で 買いし錦の 笛鳴らず
(ぼろいちで かいしにしきの ふえならず)
※有名な世田谷ぼろ市で錦の袋に入った横笛を
買ってきた。ちょっと汚いヤツ。きれいに掃
除して磨きこんだが、どうにもこうにも鳴ら
なかった。観賞用かな?とも思っているうち
にどこかにまぎれた。実は名品かも。鑑定団。
2/6sat
余病消え 寒明けの街 明るかり
(よびょうきえ かんあけのまち あかるかり)
※家内の思いもよらぬ余病懸念が立ち消えた。
一か月余り様々な検査を経た後の診断だから、
時期も時期だけに本当に安心した。医師のお
疲れ様との言葉に家内の顔は和らいだ。
2/5fri
子は巣立つ 膝掛かけて ギア入れて
(こはすだつ ひざかけかけて ぎあいれて)
※近くに住む親戚の娘が転職で東京に発った。
部屋を借り荷物は別便だが、いつもの出勤と
同じように家を出たとか。医療関係の資格と
実務経験をさらに活かしたいとのことだが、
コロナ蔓延る今だけに、親は心配している。
こちらも同じ。
2/4thu
着ぶくれて つい空耳の 音を聞き
(きぶくれて ついそらみみの おとをきき)
セーターを着込み 厚毛の犬を曳く
(せーたーをきこみ あつげのいぬをひく)
※極寒の装いでゆっくり歩いていると、本当に
年寄りの気分になる。あの音は上りの列車か
な? 待てェ、今の時刻で上りのはずはない。
どうでもいいことの不確かさが気になったり。
本物の後期高齢者なのだから、年齢相応とい
うことか。
2/3wed
水道管 春の天まで 吊り上げぬ
(すいどうかん はるのてんまで つりあげぬ)
※春らしい日差しが暖かい。年末から続く団地
の水道管取り換え工事が今佳境。
2/2tue
下の子が 急に泣きやむ 鬼火なり
(したのこが きゅうになきやむ おにびなり)
※一度泣き始めたらテコでも泣き止まない。そ
れがふと窓外に目をやった途端、パタッと静
かになった。
下の子とは私。ざっと70年以上前のこと。
2/1mon
ダリの忌や 燗番の声 チンと鳴り
(だりのきや かんばんのこえ ちんとなり)
熱燗や 脚を失くして 逝きにけり
(あつかんや あしをなくして いきにけり)
※2月は酒好きだった亡き義兄を思い出して始
まった。