ダクタク句集2019年(令和1年)9月 [ダクタク2019年9月]
9/30mon
愛しきや 柿は五つと なりにけり
(いとしきや かきはいつつと なりにけり)
長き月 多く描きたり 九月尽
(ながきつき おおくかきたり くがつじん)
※9月9日の台風から20日が過ぎ、明日からも
う10月。自分の被害とかよりも、あれだけ地
域の人々が長期間苦しめられたことが重しとな
った。この間意外と何枚かの絵を描いた。少し
真面目に取り組んだ。
9/29sun
大金星 そばに関電 大黒星
(だいきんぼし そばにかんでん だいくろぼし)
※ラグビーの快挙の影に隠れない、信じられない
大失態。ガバナンスが言われて久しい現在、ま
さに奇跡的な汚れぶりだ。業界2位に甘んじ長
らく惰眠を貪ってきたせいだと、すぐ思った。
9/28sat
遅れしを 詫びつつ白き 曼珠沙華
(おくれしを わびつつしろき まんじゅしゃげ)
※きちんと季節を守る彼岸花が例年より10日ほ
ど遅く盛りになった。台風がショックになった
のかな?
9/27fri
秋寒や 虫もむくげも ふるえおり
(あきざむや むしもむくげも ふるえおり)
※今朝は肌寒いを少し通り越した寒さ。今朝6時
の気温は17度、窓を開けた際の一句。季語は
これ三つかな? 素直だけの句。
昨日からぺしゃんこになったブドウ棚の復旧に
着手。再びコンクリートで柱の基礎を打つ。
9/26thu
女郎花 似ても似つかぬ 顔思う
(おみなえし にてもにつかぬ かおおもう)
※先日会社で後輩の、関西に住むK氏から見舞い
の電話を貰った。久しぶりで嬉しかった。電話
口では元気だったものの、氏はガンをやり、人
工透析患者になったという。びっくりした。
病いを寄せ付けない、下駄のような強面の持ち
主なのだが・・・。絵手紙で礼状を書いた。
絵手紙を 投函すれば 秋の声
(えてがみを とうかんすれば あきのこえ)
9/25wed
倒木を 伐るに汗なし 昼の虫
(とうぼくを きるにあせなし ひるのむし)
※堤の倒れたサクラ2本は根っこのすぐ上で切ら
れてしまった。少なくとも1本は重機で持ち上
げて養生すれば十分蘇生したのに・・・と、お
役所仕事の杜撰さに腹が立った。現場で仕事を
した人にとってはチェーンソー一発、涼しい午
後にアッという間のお手軽さだった。後には刻
まれた枝や幹が土手に打ち捨てられている。
9/24tue
嵐来る 朝一番の 船便で
(あらしくる あさいちばんの ふなびんで)
※昨日の日中の強風も結構なものだった。房総人
はすっかりトラウマになっている? 横須賀に
行っていた家内は早起きして、風が強くなる前
の便で急ぎ帰ってきた。同じ考えの人で満員だ
ったとか。
9/22sun
久留里線 カーブにそいて 曼珠沙華
(くるりせん かーぶにそいて まんじゅしゃげ)
※久留里線の木更津-久留里間は一昨日夕方から運
行を始めた。線路の両脇の彼岸花はこの季節の
風物詩。
高バシゴ 鋏の音や 秋彼岸
(たかばしご はさみのおとや あきひがん)
※義兄が亡くなって秋の彼岸は初めて。頭の上から
元気な声が聞こえてきそう・・・。
9/21sat
秋茄子や 世話せぬ主に 良く尽くし
(あきなすや せわせぬぬしに よくつくし)
※家が一段落した畑仲間が三々五々畑に来ている
らしい。防虫ネットが滅茶苦茶に倒れ、白菜の
苗が飛ばされたり、オクラが地面に倒れたりと、
みんな一様に嘆息をついているとか。
8月に秋茄子仕立てを怠っていたのに、無残な
中に茄子は恵みをくれているらしい。
9/20fri
十日過ぎて 列車走らず 捨案山子
(とおかすぎて れっしゃはしらず すてかかし)
※JR久留里線は全線が不通のままである。出退勤
時、高校生の登下校時には結構な利用者がある。
その時間帯は3輌編成だ。今朝路線沿いを走る
代行バスに出会った。
9/19thu
サンダルに 石の入る日 獺祭忌
(さんだるに いしのはいるひ だっさいき)
※9/19は正岡子規の命日。糸爪忌が有名。獺祭と
正岡子規で検索すると「獺祭の正規販売店」と
いうのが現れた。獺祭は有名な日本酒の名前、
もちろん本来は「かわうそ」のこと。
子規は根岸の住居から言問通りを上って、上野
の山の野球場に通ったにちがいない。手ぬぐい
をさげ、下駄履きで。石も入ったかなァ・・・。
蝉鳴きて はてホトトギスと 思い聴く
(せみなきて はてほととぎすと おもいきく)
※九月下旬に蝉来る。さてはホトトギスかと。
9/18wed
水澄むや 微笑みの仏を 描きおり
(みずすむや えみのほとけを えがきおり)
※台風通過から一週間、昨日になってやっと屋根
の被害確認ができた。ずれた箇所が一箇所あっ
ただけで他は異常なしという。胸をなでおろし
たが、窓のガラスを破って飛び込んできたスレ
ートはどこからのものだったのだろう? 我が
家の周辺に同種の破片が飛び散っている。
まあ怪我はなかったし、物損も少しだけ。良し
としなければならない。すこし落ち着いてきた。
9/17tue
新涼や ブルーシートの 家が増え
(しんりょうや ぶるーしーとの いえがふえ)
※ブルーシートの家は周囲に散見される程度だっ
たが、台風通過から一週間だというのに、昨日
の雨の前後で一段と増えてびっくりした。かけ
たくとも業者の手が間に合わなかったのだろう。
9/16mon
傘折れて 犬と濡れ帰る 敬老日
(かさおれて いぬとぬれかえる けいろうび)
※被災の応急措置も終わり、落ち着いたなと思っ
た矢先に、傘が大破した。珍しい折れ方、修復
もままならない。災難は続いていたかと思い直
し、帰宅した。
嵐寛も 千恵蔵もいる 敬老日
(あらかんも ちえぞうもいる けいろうび)
※「テレビで時代劇でもどうぞ」と言われている
人がいるかも知れない。なつかしい東映の古い
映画「十三人の刺客」を見た。
9/15sun
陋屋に 見舞う言葉の 満ちて秋
(ろうおくに みまうことばの みちてあき)
※たくさんの友人知人から電話、メールをいただ
いている。修復の順番はまだか? 明日にかけ
て雨と風がくるらしい。ガラスが破損した窓は
テープで覆っただけの応急措置が甚だ心もとな
く隙間が見えている。
9/14sat
春に描く 木々や秋には 道の上
(はるにかく きぎやあきには みちのうえ)
※随分涼しくなった。いつも通る小櫃川の土手道、
並木の中でも大きめの桜が2本根こそぎ倒れて
いる。クルマは通れない。片付けの重機はいま
だにこない。ちゃんとケアすれば十分生き返る
のだが・・・。
9/13fri
ゴルフバックの人 瓦集める 人のそば
(ごるふばっくのひと かわらあつめる ひとのそば)
※被災5日目。次第に落ち着きつつある。風雨の
直接の被害より、インフラ寸断の被害が何倍に
もなっている。今日辺りで殆どが回復するらし
いが。
多少の被害を被ったとはいえ、僻み目になって
はいけない。少しそれがにおう句です。
9/12thu
泰山木 秋の野末に 斃れあり
(たいさんぼく あきののずえに たおれあり)
作物は 田園に死す 秋の風
(さくもつは でんえんにしす あきのかぜ)
※ホンのちょっとの差で災害の大きさ、有無が大
きく分かれることがある。全く無傷、無被害の
隣では瓦屋根が飛ばされ、どこから飛来したの
か建材やらゴミが庭に溢れている。
いつもその季節には見ているナジミの泰山木が
根こそぎ倒れ、遥か公園の片隅に片付けられた。
9/11wed
日傘して 水貰う人の 列につく
(ひがさして みずもらうひとの れつにつく)
※電気と水の停止状態がかなりの地域で続いてい
る。三日目に入って、生活の不便だけではなく
身体の辛さと危険につながる。
9/10tue
なにごとも なかった顔で 秋木槿
(なにごとも なかったかおで あきむくげ)
※先日の台風15号、当地では記録的な強風が吹
き荒れ、一部に被害をもたらした。当家は屋根
材(コロニアル)が剥がれ落ち、さらに風にあ
おられ窓のガラスを直撃、ガラスは寝室中に飛
び散った。未明の3時過ぎ、恐怖の出来事。
小人はボヤク、「よりによって我が家の屋根が
なんで壊れるの・・・?」と。とても木槿のよ
うにはいかない。
9/8sun
シナトラの 九月の歌ハハハ やはり合う
(しなとらの くがつのうたははは やはりあう)
※ご存知 September Song。結構古いCDだ。
南から台風15号がやって来る。関東直撃と
なるかも。ハハハとか言っていられない。
9/7sat
富士見える 雲の特異日 秋は良し
(ふじみえる くものとくいび あきはよし)
※「雲の日」があってもいいかなと思った。今日
9月7日を雲の日にすると、この日は面白い、
立派な雲が現れる特異日になったりして・・・。
9/5thu
風の盆 涼風ここに 届きたり
(かぜのぼん りょうふうここに とどきたり)
※八尾町にはJR高山本線で降り立ったことがある
が、この時期ではない。確か越中八尾駅という
駅名だった。風の盆の空気を知らないからこそ、
今でも憧れと恋しさが募る。
涼風や セールスの人の 声軽く
(りょうふうや せーるすのひとの こえかるく)
9/4wed
愉しみは マスカットの味 筆洗う
(たのしみは ますかっとのあじ ふであらう)
※画題は季節の果物で、当番に当たっていた。買
い物したり準備する時から、描く楽しさより食
べる楽しさが待ち遠しかった。絵の上達はなか
なかに難しい。と思う。
9/3tue
おさまらぬ 揉め事火を吹く 残暑かな
(おさまらぬ もめごとひをふく ざんしょかな)
※世界の紛争が日々詳細に生々しく報道される日
常をかつて想像しただろか? 進歩の故だとも
言えるが、これを毎日視聴する我々にとって、
幸福とはとても呼べない。いい加減にしてくれ
と言うのはなにも残暑だけではない。
9/2mon
コガネムシ お前の後の ブドウ食う
(こがねむし おまえのあとの ぶどうくう)
※実は我が家のブドウが今採り頃。緑の粒々が日
を受けて、黄色に飴がかった色に成熟している。
他の果樹をよそに今年も好調だ。「粒は中ほど、
甘さ控えめ」・・・褒め言葉は自在に。
家内の姪の娘を来賓に迎えて、ブドウ刈りフェ
スタの開会式をやろうかと今朝考えた。
9/1sun
夏空に 白煙もうもうと 鉄の街
(なつぞらに はくえんもうもうと てつのまち)
※当地から木更津の市街越しに君津製鉄所の煙突
や煙が遠望できる。北九州市八幡の、遥か昔の
光景を思い浮かべた。
九州の天空に雨の道哀し
(きゅうしゅうのてんくうにあめのみちかなし)
※台風銀座とかいう言葉は死語のようだが、今年
も北部九州は豪雨被害が相次いでいる。台風関
連ではなく、前線が居座るケースが多い。なん
とかならないものか・・・。
愛しきや 柿は五つと なりにけり
(いとしきや かきはいつつと なりにけり)
長き月 多く描きたり 九月尽
(ながきつき おおくかきたり くがつじん)
※9月9日の台風から20日が過ぎ、明日からも
う10月。自分の被害とかよりも、あれだけ地
域の人々が長期間苦しめられたことが重しとな
った。この間意外と何枚かの絵を描いた。少し
真面目に取り組んだ。
9/29sun
大金星 そばに関電 大黒星
(だいきんぼし そばにかんでん だいくろぼし)
※ラグビーの快挙の影に隠れない、信じられない
大失態。ガバナンスが言われて久しい現在、ま
さに奇跡的な汚れぶりだ。業界2位に甘んじ長
らく惰眠を貪ってきたせいだと、すぐ思った。
9/28sat
遅れしを 詫びつつ白き 曼珠沙華
(おくれしを わびつつしろき まんじゅしゃげ)
※きちんと季節を守る彼岸花が例年より10日ほ
ど遅く盛りになった。台風がショックになった
のかな?
9/27fri
秋寒や 虫もむくげも ふるえおり
(あきざむや むしもむくげも ふるえおり)
※今朝は肌寒いを少し通り越した寒さ。今朝6時
の気温は17度、窓を開けた際の一句。季語は
これ三つかな? 素直だけの句。
昨日からぺしゃんこになったブドウ棚の復旧に
着手。再びコンクリートで柱の基礎を打つ。
9/26thu
女郎花 似ても似つかぬ 顔思う
(おみなえし にてもにつかぬ かおおもう)
※先日会社で後輩の、関西に住むK氏から見舞い
の電話を貰った。久しぶりで嬉しかった。電話
口では元気だったものの、氏はガンをやり、人
工透析患者になったという。びっくりした。
病いを寄せ付けない、下駄のような強面の持ち
主なのだが・・・。絵手紙で礼状を書いた。
絵手紙を 投函すれば 秋の声
(えてがみを とうかんすれば あきのこえ)
9/25wed
倒木を 伐るに汗なし 昼の虫
(とうぼくを きるにあせなし ひるのむし)
※堤の倒れたサクラ2本は根っこのすぐ上で切ら
れてしまった。少なくとも1本は重機で持ち上
げて養生すれば十分蘇生したのに・・・と、お
役所仕事の杜撰さに腹が立った。現場で仕事を
した人にとってはチェーンソー一発、涼しい午
後にアッという間のお手軽さだった。後には刻
まれた枝や幹が土手に打ち捨てられている。
9/24tue
嵐来る 朝一番の 船便で
(あらしくる あさいちばんの ふなびんで)
※昨日の日中の強風も結構なものだった。房総人
はすっかりトラウマになっている? 横須賀に
行っていた家内は早起きして、風が強くなる前
の便で急ぎ帰ってきた。同じ考えの人で満員だ
ったとか。
9/22sun
久留里線 カーブにそいて 曼珠沙華
(くるりせん かーぶにそいて まんじゅしゃげ)
※久留里線の木更津-久留里間は一昨日夕方から運
行を始めた。線路の両脇の彼岸花はこの季節の
風物詩。
高バシゴ 鋏の音や 秋彼岸
(たかばしご はさみのおとや あきひがん)
※義兄が亡くなって秋の彼岸は初めて。頭の上から
元気な声が聞こえてきそう・・・。
9/21sat
秋茄子や 世話せぬ主に 良く尽くし
(あきなすや せわせぬぬしに よくつくし)
※家が一段落した畑仲間が三々五々畑に来ている
らしい。防虫ネットが滅茶苦茶に倒れ、白菜の
苗が飛ばされたり、オクラが地面に倒れたりと、
みんな一様に嘆息をついているとか。
8月に秋茄子仕立てを怠っていたのに、無残な
中に茄子は恵みをくれているらしい。
9/20fri
十日過ぎて 列車走らず 捨案山子
(とおかすぎて れっしゃはしらず すてかかし)
※JR久留里線は全線が不通のままである。出退勤
時、高校生の登下校時には結構な利用者がある。
その時間帯は3輌編成だ。今朝路線沿いを走る
代行バスに出会った。
9/19thu
サンダルに 石の入る日 獺祭忌
(さんだるに いしのはいるひ だっさいき)
※9/19は正岡子規の命日。糸爪忌が有名。獺祭と
正岡子規で検索すると「獺祭の正規販売店」と
いうのが現れた。獺祭は有名な日本酒の名前、
もちろん本来は「かわうそ」のこと。
子規は根岸の住居から言問通りを上って、上野
の山の野球場に通ったにちがいない。手ぬぐい
をさげ、下駄履きで。石も入ったかなァ・・・。
蝉鳴きて はてホトトギスと 思い聴く
(せみなきて はてほととぎすと おもいきく)
※九月下旬に蝉来る。さてはホトトギスかと。
9/18wed
水澄むや 微笑みの仏を 描きおり
(みずすむや えみのほとけを えがきおり)
※台風通過から一週間、昨日になってやっと屋根
の被害確認ができた。ずれた箇所が一箇所あっ
ただけで他は異常なしという。胸をなでおろし
たが、窓のガラスを破って飛び込んできたスレ
ートはどこからのものだったのだろう? 我が
家の周辺に同種の破片が飛び散っている。
まあ怪我はなかったし、物損も少しだけ。良し
としなければならない。すこし落ち着いてきた。
9/17tue
新涼や ブルーシートの 家が増え
(しんりょうや ぶるーしーとの いえがふえ)
※ブルーシートの家は周囲に散見される程度だっ
たが、台風通過から一週間だというのに、昨日
の雨の前後で一段と増えてびっくりした。かけ
たくとも業者の手が間に合わなかったのだろう。
9/16mon
傘折れて 犬と濡れ帰る 敬老日
(かさおれて いぬとぬれかえる けいろうび)
※被災の応急措置も終わり、落ち着いたなと思っ
た矢先に、傘が大破した。珍しい折れ方、修復
もままならない。災難は続いていたかと思い直
し、帰宅した。
嵐寛も 千恵蔵もいる 敬老日
(あらかんも ちえぞうもいる けいろうび)
※「テレビで時代劇でもどうぞ」と言われている
人がいるかも知れない。なつかしい東映の古い
映画「十三人の刺客」を見た。
9/15sun
陋屋に 見舞う言葉の 満ちて秋
(ろうおくに みまうことばの みちてあき)
※たくさんの友人知人から電話、メールをいただ
いている。修復の順番はまだか? 明日にかけ
て雨と風がくるらしい。ガラスが破損した窓は
テープで覆っただけの応急措置が甚だ心もとな
く隙間が見えている。
9/14sat
春に描く 木々や秋には 道の上
(はるにかく きぎやあきには みちのうえ)
※随分涼しくなった。いつも通る小櫃川の土手道、
並木の中でも大きめの桜が2本根こそぎ倒れて
いる。クルマは通れない。片付けの重機はいま
だにこない。ちゃんとケアすれば十分生き返る
のだが・・・。
9/13fri
ゴルフバックの人 瓦集める 人のそば
(ごるふばっくのひと かわらあつめる ひとのそば)
※被災5日目。次第に落ち着きつつある。風雨の
直接の被害より、インフラ寸断の被害が何倍に
もなっている。今日辺りで殆どが回復するらし
いが。
多少の被害を被ったとはいえ、僻み目になって
はいけない。少しそれがにおう句です。
9/12thu
泰山木 秋の野末に 斃れあり
(たいさんぼく あきののずえに たおれあり)
作物は 田園に死す 秋の風
(さくもつは でんえんにしす あきのかぜ)
※ホンのちょっとの差で災害の大きさ、有無が大
きく分かれることがある。全く無傷、無被害の
隣では瓦屋根が飛ばされ、どこから飛来したの
か建材やらゴミが庭に溢れている。
いつもその季節には見ているナジミの泰山木が
根こそぎ倒れ、遥か公園の片隅に片付けられた。
9/11wed
日傘して 水貰う人の 列につく
(ひがさして みずもらうひとの れつにつく)
※電気と水の停止状態がかなりの地域で続いてい
る。三日目に入って、生活の不便だけではなく
身体の辛さと危険につながる。
9/10tue
なにごとも なかった顔で 秋木槿
(なにごとも なかったかおで あきむくげ)
※先日の台風15号、当地では記録的な強風が吹
き荒れ、一部に被害をもたらした。当家は屋根
材(コロニアル)が剥がれ落ち、さらに風にあ
おられ窓のガラスを直撃、ガラスは寝室中に飛
び散った。未明の3時過ぎ、恐怖の出来事。
小人はボヤク、「よりによって我が家の屋根が
なんで壊れるの・・・?」と。とても木槿のよ
うにはいかない。
9/8sun
シナトラの 九月の歌ハハハ やはり合う
(しなとらの くがつのうたははは やはりあう)
※ご存知 September Song。結構古いCDだ。
南から台風15号がやって来る。関東直撃と
なるかも。ハハハとか言っていられない。
9/7sat
富士見える 雲の特異日 秋は良し
(ふじみえる くものとくいび あきはよし)
※「雲の日」があってもいいかなと思った。今日
9月7日を雲の日にすると、この日は面白い、
立派な雲が現れる特異日になったりして・・・。
9/5thu
風の盆 涼風ここに 届きたり
(かぜのぼん りょうふうここに とどきたり)
※八尾町にはJR高山本線で降り立ったことがある
が、この時期ではない。確か越中八尾駅という
駅名だった。風の盆の空気を知らないからこそ、
今でも憧れと恋しさが募る。
涼風や セールスの人の 声軽く
(りょうふうや せーるすのひとの こえかるく)
9/4wed
愉しみは マスカットの味 筆洗う
(たのしみは ますかっとのあじ ふであらう)
※画題は季節の果物で、当番に当たっていた。買
い物したり準備する時から、描く楽しさより食
べる楽しさが待ち遠しかった。絵の上達はなか
なかに難しい。と思う。
9/3tue
おさまらぬ 揉め事火を吹く 残暑かな
(おさまらぬ もめごとひをふく ざんしょかな)
※世界の紛争が日々詳細に生々しく報道される日
常をかつて想像しただろか? 進歩の故だとも
言えるが、これを毎日視聴する我々にとって、
幸福とはとても呼べない。いい加減にしてくれ
と言うのはなにも残暑だけではない。
9/2mon
コガネムシ お前の後の ブドウ食う
(こがねむし おまえのあとの ぶどうくう)
※実は我が家のブドウが今採り頃。緑の粒々が日
を受けて、黄色に飴がかった色に成熟している。
他の果樹をよそに今年も好調だ。「粒は中ほど、
甘さ控えめ」・・・褒め言葉は自在に。
家内の姪の娘を来賓に迎えて、ブドウ刈りフェ
スタの開会式をやろうかと今朝考えた。
9/1sun
夏空に 白煙もうもうと 鉄の街
(なつぞらに はくえんもうもうと てつのまち)
※当地から木更津の市街越しに君津製鉄所の煙突
や煙が遠望できる。北九州市八幡の、遥か昔の
光景を思い浮かべた。
九州の天空に雨の道哀し
(きゅうしゅうのてんくうにあめのみちかなし)
※台風銀座とかいう言葉は死語のようだが、今年
も北部九州は豪雨被害が相次いでいる。台風関
連ではなく、前線が居座るケースが多い。なん
とかならないものか・・・。