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ダクタク2018年5月 ブログトップ

ダクタク句集2018年(平成30年)5月 [ダクタク2018年5月]

5/31thu
蚕豆や 変わらぬ仲の 夫婦かな
     (そらまめや かわらぬなかの ふうふかな)
        ※5/25北九州、長年お世話になっている元上司の
         お宅を訪問した。今年米寿のお祝いと聞いて、お
         元気さにびっくり。好奇心と筋にこだわる志の強
         さも相変わらず。奥様との仲も。

5/30wed
パーク潰え 緑のみ伸びて 夏の空
     (ぱーくついえ みどりのみのびて なつのそら)
        ※5/25北九州、午後空路羽田へ
         宿泊はホテルの12階。眼前にスペースワールド
         の絶叫ライドが聳え立つ。閉鎖、廃業して、今は
         更地化工事が進んでいる。話は聞いて知ってい
         たが、こうして目の当たりにすると、言い知れぬ
         辛い感慨がこみ上げる。様々な人がいた。必死
         に取り組んだ人も。
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5/29tue
岡山の マスカット畑や 白き屋根
     (おかやまの ますかっとばたけや しろきやね)
        ※5/24一転朝から快晴、宍道湖の水面がキラキラ
         輝いている。朝からシジミ漁の小舟がたくさん。
         昼近く岡山に出る。伯備線は久しぶりだ。なつか
         しい備中高梁を通る。岡山で新幹線で乗り換え、
         北九州に向かう。

片蔭や 帆柱山に 向かう道
     (かたかげや ほばしらやまに むかうみち)
        ※今日は入社同期の50周年パーティの日。一応
         今回が最後となる。なつかしい通り、なつかしい山。

夏の夜 七十名の 古い顔
     (なつのよる ななじゅうめいの ふるいかお)
        ※いつも締めは肩を組んでの「古い顔」の合唱。
         よかった。記憶に残る会、八幡の夜。

5/28mon
五月雨や 湖面の色の 減りて佳し
     (さみだれや こめんのいろの へりてよし)
        ※5/23松江は生憎の雨降り。宍道湖は煙っている。
         こんな日もお城見物には最適かも。城内はしっと
         り落ち着いている。二の丸から眺める、急峻な石
         垣の上にそびえる天守は最高。

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アカシアや 城の裏なる 濠深く
     (あかしあや しろのうらなる ほりふかく)

濠を行く 船頭の歌や 瓜の花
     (ほりをいく せんどうのうたや うりのはな)
        ※お城をぐるっと廻る観光船は取りやめたが、船
         頭の渋い歌声が聞こえた時は少し後悔した。

ヘルン家の 小さき池や かきつばた
     (へるんけの ちいさきいけや かきつばた)
        ※小泉八雲旧居跡を訪問。当時武家屋敷を借り
         たものだという。武家屋敷の簡素さとヘルン氏の
         日本趣味が見事に融合していると感じた。

5/27sun
松江いま 夏の初めの 水の街
     (まつえいま なつのはじめの みずのまち)
        ※5/22松江市内は実に50年ぶり。夕暮れの町並
         みはこの街の売りの一つ。城下町の区割りを色
         濃く残している。いい街だなァ・・・。

新緑に 浮かびて城は 寝もやらず
     (しんりょくにう かびてしろは ねもやらず)
        ※ライトアップされた国宝松江城。

5/26sat
ネギ坊主 大山めざして 傾きぬ
     (ねぎぼうず だいせんめざして かたむきぬ)
        ※5/22~25は松江に旅行をした。米子空港に降り
         立つと秀峰大山と広がる畑が迎えてくれる。

安来市は 石州瓦の 照り返し
     (やすぎしは せきしゅうがわらの てりかえし)

借景の 新緑揺れて 驚きぬ
     (しゃっけいの しんりょくゆれて おどろきぬ)
        ※念願の足立美術館を訪問。おなじみの日本画、
         庭園を目の当たりにする。ガラス越しの庭園は
         「なじみ過ぎ」と感じたが、遠くの山肌の緑が
         そよぐのを見て、本物を実感する。

5/21mon
アオイ咲く 賢治の父の 帰る朝
     (あおいさく けんじのちちの かえるあさ)
        ※図書館の本はパソコンで延長が出来る。とこ
         ろが或る本を延長しようとしたら出来なかった。
         延長可能マークがついていない。「え? 読み
         始めたばかりなのに・・・」と戸惑ったが、実は
         2週間前に一度延長したから、というのが理
         由だった。
         10冊も借りてくると、どれがどうだったか分か
         らなくなってしまうことが原因。プラス、ボケ?
         渋々返しに行った、その本が小説「銀河鉄道の
         父」(門井慶喜著)。

5/20sun
キョンという 鹿駆け去りて 麦の秋
     (きょんという しかかけさりて むぎのあき)
        ※昼下がりに借りている畑にいたら、すぐ近くを
         鹿らしい動物が駆けて行くのを目撃した。あわ
         てているらしく大股?でJRの線路沿いに去って
         いった。こちらも我が目を疑った。近くには国
         道が通りクルマも多いし、人通りもあるのに、
         なんだアレは!! 
         千葉県では外来種のキョンが猛繁殖していると
         いう。被害も急増しているらしい。

5/19sat
衣替え なしくずし故 記録せず
     (ころもがえ なしくずしゆえ きろくせず)
        ※サクラが咲く前の3月中旬から、6、7月並み
         の気温の日があった。今は7月下旬並みとか。
         合間に涼しい日もあるから、行事としての衣替
         え(更衣)は中高生の制服のチェンジくらい?

5/18fri
春暑き 兄の帽子が 草のかげ
     (はるあつき あにのぼうしが くさのかげ)
        ※故郷の東北は今が春真っ盛り。急に伸びた雑草
         を始末していると電話があった。

5/17thu     
五月雨や 水飴つくる 小鍋かな
     (さみだれや みずあめつくる こなべかな)
        ※桃の摘果でたまった若桃からジャムを作ること
         は取りやめて、余った材料を使って水飴を作る
         ことに。リスクなし。

5/16wed
風薫る 妻は麻雀の サークルに
     (かぜかおる つまはまーじゃんの さーくるに)
        ※今が一番いい季節と感じる。昨日まで草むしり
         も果樹の摘果と消毒もやらされて一段落だ。お
         まけに家内は今日公民館へ。マージャンで認知
         症発症の懸念が多少でも減ってくれたら、言う
         ことない。こんなにいい日はない。

5/15tue
桃摘む 形良き実に 躊躇して
     (ももつまむ かたちよきみに ちゅうちょして)
        ※今年の桃の出来はすごく良いようだ。気候のせ
         いか? 摘果も一仕事。 

ジャムにせし 桃の若実よ 梅にしかず
     (じゃむにせし もものわかみよ うめにしかず)
        ※摘果した若桃はジャムにしてみたのだが、家内
         は「こりゃだめだ。香りも風味もない。固いし・・」
         と一蹴。若桃と名前はいいが、この段階では梅
         の実に遠く及ばないようだ。

5/14mon
五月雨や モデルは美形に あらねども
     (さみだれや もでるはびけいに あらねども)
        ※仲間内で順番にモデルとなって描こうと相談し
         た。大部分の人は反対気味であったが、初回は
         自分がつとめますと言ったら、渋々?納得。
         あるシワ、見えないシワ、心のシワ・・・皆描いて
         と開き直って。

5/12sat
荷風忌や 翁の年齢と なりにけり
     (かふうきや おきなのとしと なりにけり)
        ※永井荷風の「濹東綺譚」「つゆのあとさき」を久
         しぶりに読み直した。荷風全集(筑摩)の装丁
         ?に憧れて何冊かを求めた昔がよみがえる。
         今中古の全巻がたった4,000円とか?

玉ノ井も 寺島町も なくて春
     (たまのいも てらじまちょうも なくてはる)
        ※旧遊郭の跡は痕跡もない。地名も駅名もすべ
         て別名に置き換えられた。潔癖なまでに・・・。

初夏の風 ネットで読みいる 荷風かな
     (しょかのかぜ ねっとでよみいる かふうかな)
        ※さわやかな風には合わない本かもしれないが、
         青空文庫で読んだ。リーダーアプリによっては、
         難解な字句や地名などをなぞると、即座にグー
         グル検索で結果が得られる。これは便利だ。痒
         いところに手が届く。

5/11fri
団子坂 四月五人の クラス会
     (だんござか しがつごにんの くらすかい)

若葉風 英世指さす 梢かな
     (わかばかぜ ひでよゆびさす こずえかな)
        ※先日中学校の同級会の帰り、谷中に出て上野を
         経由して帰宅した。上野では出席の友といっしょ
         に、国立科学博物館前の野口英世像を久しぶり
         に見た。おや、ここにも同郷人がいたっけ。

5/10thu
工場閉ず 栄枯の機械を 撫でて春
     (こうばとず えいこのきかいを なでてはる)

春逝きて 油と人の においあり
     (はるゆきて あぶらとひとの においあり)
        ※九州の知人から工場を閉じたと知らせがあった。
         父親の跡を継いで長かったのと機械加工の仕事
         そのものが好きだったから、予定の閉鎖とはいえ
         彼の嘆息が聞こえてきそうだ。中小企業では、こ
         うした後継者不足、人手不足理由の廃業が増え
         ているとか。問題は裾野を形成する、こうした中
         小製造企業に、新規参入も含めて相当の利益
         機会があるかどうかだと思う。

5/8tue
春の雨 好みに近い 字となれり
     (はるのあめ このみにちかい じとなれり)
        ※昨日に続いて字を書く話。最近になって少しず
         つ改善がある。力を込めない字で、ゆっくりと書
         けるようになった。ほんの少しの前進。「好みに
         近い」はオーバーで、本当のところは、

筆はなお 稽古を要す 春が往く
     (ふではなお けいこをようす はるがゆく)

親の字と 並べて似るを 知る若葉
     (おやのじと ならべてにるを しるわかば)
        ※好みは親父の字。じっと見つめて少しでも似て
         いると思えればそれで喜んでいる。

5/7mon
筆握る 力みが哀し 冬のバラ
     (ふでにぎる りきみがかなし ふゆのばら)
        ※70歳近くなって、字を書くときに力が入って
         しまい、ちゃんとした字が書けないばかりか、
         時々鉛筆やペンが大きく飛んでしまうようにな
         った。その都度握り直して「そっと力を抜いて」
         とリセットするのだが、思わず知らずガチガチ
         になってしまう。老化と字を書かない日常習慣、
         それに神経性のなにかのせいだろうか?

朝ぼらけ 春の句を書く 寝床かな 
     (あさぼらけ はるのくをかく ねどこかな)
        ※一年ほど前から対策に乗り出した。ただ字を
         書く、力まずに軽く書くことを毎日やることにし
         た。雑記帳に、なんでもいい、下手でもいい・
         ・・ただ力まずに。横になったままやるのも良
         い習慣になった。どうせ書くならと、図書館の
         本から季節の名句を写した。一石二鳥。
         ・・・少しずつ力みが減った。

5/6sun
訪ねしも 主は留守か 白つつじ
      (たずねしも あるじはるすか しろつつじ)
        ※4月から四国のお遍路に出かけていた知人の
         家に寄ってみたが留守だった。帰ったという話は
         聞いていた。なるほど一人住まいの庭はきれい
         に手入れがなされている。土産話は次の機会に。

5/5sat
うちそとに 薔薇のあふれて 鼻澄める
     (うちそとに ばらのあふれて はなすめる)
        ※今日5日は立夏でもある。伝統的な作句方法と
         したら、今日から夏。大切な季語の変わり目だ。
         しかしながら暑さが目立つ今年でも、今日から
         夏というのは早過ぎる。ほぼ一ヶ月ずらして、
         6~8月を夏としたら? 俳句の世界で新感覚
         派といわれる人々の主張らしい。いやいや、主
         張する問題とも思えないですね。
         俳句に季語の有無も含めて、作者と鑑賞者の
         自由に任せる、という「無派閥」の人々が多い
         のでは・・・と思います。

         「鼻澄める」はいいにおい・・ということだが、
         花スメルsmellとも。お粗末でした。

5/4fri
霧を掻き 掻き払えども 春の夢
     (きりをかき かきはらえども はるのゆめ)
        ※シニアライフ2題。まずは疲れる夢。

備忘メモ さらに目立てと 春の宵
     (びぼうめも さらにめざてと はるのよい)
        ※メモをしても、メモしたこと自体を忘れる。だん
         だん大きく、目立つ書体で色をつけて、ドアや
         トイレなどに貼っておく。・・・というほどではな
         いのですが。

5/3thu
自分より 若き俳人の 春の歌
     (じぶんより わかきはいじんの はるのうた)
        ※片山由美子、千葉県出身。季節をさりげなく詠
        う句がなんとも好ましい。自分の感慨、家族や知
        人を交えたミニ歴史を光景の中に溶け込ませてい
        る。いいなア・・・。
          流されて花びらほどの浮き氷
          ここまでは来ぬはずの波さくら貝
          逃げ水にいつしか追はれゐるここち

5/2wed
春惜しむ 異なる鳥の 声ふたつ
     (はるおしむ ことなるはるの こえふたつ)

春の川 気鬱なること 投げきれず
     (はるのかわ きうつなること なげきれず)
        ※7月並みの気温から今日午後には久しぶりの雨
         模様となるかも。

5/1tue
今日からは 白きシランも 通学路
     (きょうからは しろきしらんも つうがくろ)
        ※ぶどう棚の脚は土を掘り、セメントで固めて基
         礎を作った。その過程でたくさんの植栽を掘り
         出したので、近くの中学校の通学路に植えて来
         た。ピンクのシランがたくさんあるところに白い
         シランを植えた。他にはたくさんの水仙。

オダマキは 匍匐すれども 春嵐
     (おだまきは ほふくすれども はるあらし)
        ※いつも感心するのはオダマキの強さ、勁さ。

三日経て 勤める人は 田植え終え
     (みっかへて つとめるひとは たうえおえ)
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