ダクタク句集2018年(平成30年)5月 [ダクタク2018年5月]
5/31thu
蚕豆や 変わらぬ仲の 夫婦かな
(そらまめや かわらぬなかの ふうふかな)
※5/25北九州、長年お世話になっている元上司の
お宅を訪問した。今年米寿のお祝いと聞いて、お
元気さにびっくり。好奇心と筋にこだわる志の強
さも相変わらず。奥様との仲も。
5/30wed
パーク潰え 緑のみ伸びて 夏の空
(ぱーくついえ みどりのみのびて なつのそら)
※5/25北九州、午後空路羽田へ
宿泊はホテルの12階。眼前にスペースワールド
の絶叫ライドが聳え立つ。閉鎖、廃業して、今は
更地化工事が進んでいる。話は聞いて知ってい
たが、こうして目の当たりにすると、言い知れぬ
辛い感慨がこみ上げる。様々な人がいた。必死
に取り組んだ人も。
5/29tue
岡山の マスカット畑や 白き屋根
(おかやまの ますかっとばたけや しろきやね)
※5/24一転朝から快晴、宍道湖の水面がキラキラ
輝いている。朝からシジミ漁の小舟がたくさん。
昼近く岡山に出る。伯備線は久しぶりだ。なつか
しい備中高梁を通る。岡山で新幹線で乗り換え、
北九州に向かう。
片蔭や 帆柱山に 向かう道
(かたかげや ほばしらやまに むかうみち)
※今日は入社同期の50周年パーティの日。一応
今回が最後となる。なつかしい通り、なつかしい山。
夏の夜 七十名の 古い顔
(なつのよる ななじゅうめいの ふるいかお)
※いつも締めは肩を組んでの「古い顔」の合唱。
よかった。記憶に残る会、八幡の夜。
5/28mon
五月雨や 湖面の色の 減りて佳し
(さみだれや こめんのいろの へりてよし)
※5/23松江は生憎の雨降り。宍道湖は煙っている。
こんな日もお城見物には最適かも。城内はしっと
り落ち着いている。二の丸から眺める、急峻な石
垣の上にそびえる天守は最高。
アカシアや 城の裏なる 濠深く
(あかしあや しろのうらなる ほりふかく)
濠を行く 船頭の歌や 瓜の花
(ほりをいく せんどうのうたや うりのはな)
※お城をぐるっと廻る観光船は取りやめたが、船
頭の渋い歌声が聞こえた時は少し後悔した。
ヘルン家の 小さき池や かきつばた
(へるんけの ちいさきいけや かきつばた)
※小泉八雲旧居跡を訪問。当時武家屋敷を借り
たものだという。武家屋敷の簡素さとヘルン氏の
日本趣味が見事に融合していると感じた。
5/27sun
松江いま 夏の初めの 水の街
(まつえいま なつのはじめの みずのまち)
※5/22松江市内は実に50年ぶり。夕暮れの町並
みはこの街の売りの一つ。城下町の区割りを色
濃く残している。いい街だなァ・・・。
新緑に 浮かびて城は 寝もやらず
(しんりょくにう かびてしろは ねもやらず)
※ライトアップされた国宝松江城。
5/26sat
ネギ坊主 大山めざして 傾きぬ
(ねぎぼうず だいせんめざして かたむきぬ)
※5/22~25は松江に旅行をした。米子空港に降り
立つと秀峰大山と広がる畑が迎えてくれる。
安来市は 石州瓦の 照り返し
(やすぎしは せきしゅうがわらの てりかえし)
借景の 新緑揺れて 驚きぬ
(しゃっけいの しんりょくゆれて おどろきぬ)
※念願の足立美術館を訪問。おなじみの日本画、
庭園を目の当たりにする。ガラス越しの庭園は
「なじみ過ぎ」と感じたが、遠くの山肌の緑が
そよぐのを見て、本物を実感する。
5/21mon
アオイ咲く 賢治の父の 帰る朝
(あおいさく けんじのちちの かえるあさ)
※図書館の本はパソコンで延長が出来る。とこ
ろが或る本を延長しようとしたら出来なかった。
延長可能マークがついていない。「え? 読み
始めたばかりなのに・・・」と戸惑ったが、実は
2週間前に一度延長したから、というのが理
由だった。
10冊も借りてくると、どれがどうだったか分か
らなくなってしまうことが原因。プラス、ボケ?
渋々返しに行った、その本が小説「銀河鉄道の
父」(門井慶喜著)。
5/20sun
キョンという 鹿駆け去りて 麦の秋
(きょんという しかかけさりて むぎのあき)
※昼下がりに借りている畑にいたら、すぐ近くを
鹿らしい動物が駆けて行くのを目撃した。あわ
てているらしく大股?でJRの線路沿いに去って
いった。こちらも我が目を疑った。近くには国
道が通りクルマも多いし、人通りもあるのに、
なんだアレは!!
千葉県では外来種のキョンが猛繁殖していると
いう。被害も急増しているらしい。
5/19sat
衣替え なしくずし故 記録せず
(ころもがえ なしくずしゆえ きろくせず)
※サクラが咲く前の3月中旬から、6、7月並み
の気温の日があった。今は7月下旬並みとか。
合間に涼しい日もあるから、行事としての衣替
え(更衣)は中高生の制服のチェンジくらい?
5/18fri
春暑き 兄の帽子が 草のかげ
(はるあつき あにのぼうしが くさのかげ)
※故郷の東北は今が春真っ盛り。急に伸びた雑草
を始末していると電話があった。
5/17thu
五月雨や 水飴つくる 小鍋かな
(さみだれや みずあめつくる こなべかな)
※桃の摘果でたまった若桃からジャムを作ること
は取りやめて、余った材料を使って水飴を作る
ことに。リスクなし。
5/16wed
風薫る 妻は麻雀の サークルに
(かぜかおる つまはまーじゃんの さーくるに)
※今が一番いい季節と感じる。昨日まで草むしり
も果樹の摘果と消毒もやらされて一段落だ。お
まけに家内は今日公民館へ。マージャンで認知
症発症の懸念が多少でも減ってくれたら、言う
ことない。こんなにいい日はない。
5/15tue
桃摘む 形良き実に 躊躇して
(ももつまむ かたちよきみに ちゅうちょして)
※今年の桃の出来はすごく良いようだ。気候のせ
いか? 摘果も一仕事。
ジャムにせし 桃の若実よ 梅にしかず
(じゃむにせし もものわかみよ うめにしかず)
※摘果した若桃はジャムにしてみたのだが、家内
は「こりゃだめだ。香りも風味もない。固いし・・」
と一蹴。若桃と名前はいいが、この段階では梅
の実に遠く及ばないようだ。
5/14mon
五月雨や モデルは美形に あらねども
(さみだれや もでるはびけいに あらねども)
※仲間内で順番にモデルとなって描こうと相談し
た。大部分の人は反対気味であったが、初回は
自分がつとめますと言ったら、渋々?納得。
あるシワ、見えないシワ、心のシワ・・・皆描いて
と開き直って。
5/12sat
荷風忌や 翁の年齢と なりにけり
(かふうきや おきなのとしと なりにけり)
※永井荷風の「濹東綺譚」「つゆのあとさき」を久
しぶりに読み直した。荷風全集(筑摩)の装丁
?に憧れて何冊かを求めた昔がよみがえる。
今中古の全巻がたった4,000円とか?
玉ノ井も 寺島町も なくて春
(たまのいも てらじまちょうも なくてはる)
※旧遊郭の跡は痕跡もない。地名も駅名もすべ
て別名に置き換えられた。潔癖なまでに・・・。
初夏の風 ネットで読みいる 荷風かな
(しょかのかぜ ねっとでよみいる かふうかな)
※さわやかな風には合わない本かもしれないが、
青空文庫で読んだ。リーダーアプリによっては、
難解な字句や地名などをなぞると、即座にグー
グル検索で結果が得られる。これは便利だ。痒
いところに手が届く。
5/11fri
団子坂 四月五人の クラス会
(だんござか しがつごにんの くらすかい)
若葉風 英世指さす 梢かな
(わかばかぜ ひでよゆびさす こずえかな)
※先日中学校の同級会の帰り、谷中に出て上野を
経由して帰宅した。上野では出席の友といっしょ
に、国立科学博物館前の野口英世像を久しぶり
に見た。おや、ここにも同郷人がいたっけ。
5/10thu
工場閉ず 栄枯の機械を 撫でて春
(こうばとず えいこのきかいを なでてはる)
春逝きて 油と人の においあり
(はるゆきて あぶらとひとの においあり)
※九州の知人から工場を閉じたと知らせがあった。
父親の跡を継いで長かったのと機械加工の仕事
そのものが好きだったから、予定の閉鎖とはいえ
彼の嘆息が聞こえてきそうだ。中小企業では、こ
うした後継者不足、人手不足理由の廃業が増え
ているとか。問題は裾野を形成する、こうした中
小製造企業に、新規参入も含めて相当の利益
機会があるかどうかだと思う。
5/8tue
春の雨 好みに近い 字となれり
(はるのあめ このみにちかい じとなれり)
※昨日に続いて字を書く話。最近になって少しず
つ改善がある。力を込めない字で、ゆっくりと書
けるようになった。ほんの少しの前進。「好みに
近い」はオーバーで、本当のところは、
筆はなお 稽古を要す 春が往く
(ふではなお けいこをようす はるがゆく)
親の字と 並べて似るを 知る若葉
(おやのじと ならべてにるを しるわかば)
※好みは親父の字。じっと見つめて少しでも似て
いると思えればそれで喜んでいる。
5/7mon
筆握る 力みが哀し 冬のバラ
(ふでにぎる りきみがかなし ふゆのばら)
※70歳近くなって、字を書くときに力が入って
しまい、ちゃんとした字が書けないばかりか、
時々鉛筆やペンが大きく飛んでしまうようにな
った。その都度握り直して「そっと力を抜いて」
とリセットするのだが、思わず知らずガチガチ
になってしまう。老化と字を書かない日常習慣、
それに神経性のなにかのせいだろうか?
朝ぼらけ 春の句を書く 寝床かな
(あさぼらけ はるのくをかく ねどこかな)
※一年ほど前から対策に乗り出した。ただ字を
書く、力まずに軽く書くことを毎日やることにし
た。雑記帳に、なんでもいい、下手でもいい・
・・ただ力まずに。横になったままやるのも良
い習慣になった。どうせ書くならと、図書館の
本から季節の名句を写した。一石二鳥。
・・・少しずつ力みが減った。
5/6sun
訪ねしも 主は留守か 白つつじ
(たずねしも あるじはるすか しろつつじ)
※4月から四国のお遍路に出かけていた知人の
家に寄ってみたが留守だった。帰ったという話は
聞いていた。なるほど一人住まいの庭はきれい
に手入れがなされている。土産話は次の機会に。
5/5sat
うちそとに 薔薇のあふれて 鼻澄める
(うちそとに ばらのあふれて はなすめる)
※今日5日は立夏でもある。伝統的な作句方法と
したら、今日から夏。大切な季語の変わり目だ。
しかしながら暑さが目立つ今年でも、今日から
夏というのは早過ぎる。ほぼ一ヶ月ずらして、
6~8月を夏としたら? 俳句の世界で新感覚
派といわれる人々の主張らしい。いやいや、主
張する問題とも思えないですね。
俳句に季語の有無も含めて、作者と鑑賞者の
自由に任せる、という「無派閥」の人々が多い
のでは・・・と思います。
「鼻澄める」はいいにおい・・ということだが、
花スメルsmellとも。お粗末でした。
5/4fri
霧を掻き 掻き払えども 春の夢
(きりをかき かきはらえども はるのゆめ)
※シニアライフ2題。まずは疲れる夢。
備忘メモ さらに目立てと 春の宵
(びぼうめも さらにめざてと はるのよい)
※メモをしても、メモしたこと自体を忘れる。だん
だん大きく、目立つ書体で色をつけて、ドアや
トイレなどに貼っておく。・・・というほどではな
いのですが。
5/3thu
自分より 若き俳人の 春の歌
(じぶんより わかきはいじんの はるのうた)
※片山由美子、千葉県出身。季節をさりげなく詠
う句がなんとも好ましい。自分の感慨、家族や知
人を交えたミニ歴史を光景の中に溶け込ませてい
る。いいなア・・・。
流されて花びらほどの浮き氷
ここまでは来ぬはずの波さくら貝
逃げ水にいつしか追はれゐるここち
5/2wed
春惜しむ 異なる鳥の 声ふたつ
(はるおしむ ことなるはるの こえふたつ)
春の川 気鬱なること 投げきれず
(はるのかわ きうつなること なげきれず)
※7月並みの気温から今日午後には久しぶりの雨
模様となるかも。
5/1tue
今日からは 白きシランも 通学路
(きょうからは しろきしらんも つうがくろ)
※ぶどう棚の脚は土を掘り、セメントで固めて基
礎を作った。その過程でたくさんの植栽を掘り
出したので、近くの中学校の通学路に植えて来
た。ピンクのシランがたくさんあるところに白い
シランを植えた。他にはたくさんの水仙。
オダマキは 匍匐すれども 春嵐
(おだまきは ほふくすれども はるあらし)
※いつも感心するのはオダマキの強さ、勁さ。
三日経て 勤める人は 田植え終え
(みっかへて つとめるひとは たうえおえ)
蚕豆や 変わらぬ仲の 夫婦かな
(そらまめや かわらぬなかの ふうふかな)
※5/25北九州、長年お世話になっている元上司の
お宅を訪問した。今年米寿のお祝いと聞いて、お
元気さにびっくり。好奇心と筋にこだわる志の強
さも相変わらず。奥様との仲も。
5/30wed
パーク潰え 緑のみ伸びて 夏の空
(ぱーくついえ みどりのみのびて なつのそら)
※5/25北九州、午後空路羽田へ
宿泊はホテルの12階。眼前にスペースワールド
の絶叫ライドが聳え立つ。閉鎖、廃業して、今は
更地化工事が進んでいる。話は聞いて知ってい
たが、こうして目の当たりにすると、言い知れぬ
辛い感慨がこみ上げる。様々な人がいた。必死
に取り組んだ人も。
5/29tue
岡山の マスカット畑や 白き屋根
(おかやまの ますかっとばたけや しろきやね)
※5/24一転朝から快晴、宍道湖の水面がキラキラ
輝いている。朝からシジミ漁の小舟がたくさん。
昼近く岡山に出る。伯備線は久しぶりだ。なつか
しい備中高梁を通る。岡山で新幹線で乗り換え、
北九州に向かう。
片蔭や 帆柱山に 向かう道
(かたかげや ほばしらやまに むかうみち)
※今日は入社同期の50周年パーティの日。一応
今回が最後となる。なつかしい通り、なつかしい山。
夏の夜 七十名の 古い顔
(なつのよる ななじゅうめいの ふるいかお)
※いつも締めは肩を組んでの「古い顔」の合唱。
よかった。記憶に残る会、八幡の夜。
5/28mon
五月雨や 湖面の色の 減りて佳し
(さみだれや こめんのいろの へりてよし)
※5/23松江は生憎の雨降り。宍道湖は煙っている。
こんな日もお城見物には最適かも。城内はしっと
り落ち着いている。二の丸から眺める、急峻な石
垣の上にそびえる天守は最高。
アカシアや 城の裏なる 濠深く
(あかしあや しろのうらなる ほりふかく)
濠を行く 船頭の歌や 瓜の花
(ほりをいく せんどうのうたや うりのはな)
※お城をぐるっと廻る観光船は取りやめたが、船
頭の渋い歌声が聞こえた時は少し後悔した。
ヘルン家の 小さき池や かきつばた
(へるんけの ちいさきいけや かきつばた)
※小泉八雲旧居跡を訪問。当時武家屋敷を借り
たものだという。武家屋敷の簡素さとヘルン氏の
日本趣味が見事に融合していると感じた。
5/27sun
松江いま 夏の初めの 水の街
(まつえいま なつのはじめの みずのまち)
※5/22松江市内は実に50年ぶり。夕暮れの町並
みはこの街の売りの一つ。城下町の区割りを色
濃く残している。いい街だなァ・・・。
新緑に 浮かびて城は 寝もやらず
(しんりょくにう かびてしろは ねもやらず)
※ライトアップされた国宝松江城。
5/26sat
ネギ坊主 大山めざして 傾きぬ
(ねぎぼうず だいせんめざして かたむきぬ)
※5/22~25は松江に旅行をした。米子空港に降り
立つと秀峰大山と広がる畑が迎えてくれる。
安来市は 石州瓦の 照り返し
(やすぎしは せきしゅうがわらの てりかえし)
借景の 新緑揺れて 驚きぬ
(しゃっけいの しんりょくゆれて おどろきぬ)
※念願の足立美術館を訪問。おなじみの日本画、
庭園を目の当たりにする。ガラス越しの庭園は
「なじみ過ぎ」と感じたが、遠くの山肌の緑が
そよぐのを見て、本物を実感する。
5/21mon
アオイ咲く 賢治の父の 帰る朝
(あおいさく けんじのちちの かえるあさ)
※図書館の本はパソコンで延長が出来る。とこ
ろが或る本を延長しようとしたら出来なかった。
延長可能マークがついていない。「え? 読み
始めたばかりなのに・・・」と戸惑ったが、実は
2週間前に一度延長したから、というのが理
由だった。
10冊も借りてくると、どれがどうだったか分か
らなくなってしまうことが原因。プラス、ボケ?
渋々返しに行った、その本が小説「銀河鉄道の
父」(門井慶喜著)。
5/20sun
キョンという 鹿駆け去りて 麦の秋
(きょんという しかかけさりて むぎのあき)
※昼下がりに借りている畑にいたら、すぐ近くを
鹿らしい動物が駆けて行くのを目撃した。あわ
てているらしく大股?でJRの線路沿いに去って
いった。こちらも我が目を疑った。近くには国
道が通りクルマも多いし、人通りもあるのに、
なんだアレは!!
千葉県では外来種のキョンが猛繁殖していると
いう。被害も急増しているらしい。
5/19sat
衣替え なしくずし故 記録せず
(ころもがえ なしくずしゆえ きろくせず)
※サクラが咲く前の3月中旬から、6、7月並み
の気温の日があった。今は7月下旬並みとか。
合間に涼しい日もあるから、行事としての衣替
え(更衣)は中高生の制服のチェンジくらい?
5/18fri
春暑き 兄の帽子が 草のかげ
(はるあつき あにのぼうしが くさのかげ)
※故郷の東北は今が春真っ盛り。急に伸びた雑草
を始末していると電話があった。
5/17thu
五月雨や 水飴つくる 小鍋かな
(さみだれや みずあめつくる こなべかな)
※桃の摘果でたまった若桃からジャムを作ること
は取りやめて、余った材料を使って水飴を作る
ことに。リスクなし。
5/16wed
風薫る 妻は麻雀の サークルに
(かぜかおる つまはまーじゃんの さーくるに)
※今が一番いい季節と感じる。昨日まで草むしり
も果樹の摘果と消毒もやらされて一段落だ。お
まけに家内は今日公民館へ。マージャンで認知
症発症の懸念が多少でも減ってくれたら、言う
ことない。こんなにいい日はない。
5/15tue
桃摘む 形良き実に 躊躇して
(ももつまむ かたちよきみに ちゅうちょして)
※今年の桃の出来はすごく良いようだ。気候のせ
いか? 摘果も一仕事。
ジャムにせし 桃の若実よ 梅にしかず
(じゃむにせし もものわかみよ うめにしかず)
※摘果した若桃はジャムにしてみたのだが、家内
は「こりゃだめだ。香りも風味もない。固いし・・」
と一蹴。若桃と名前はいいが、この段階では梅
の実に遠く及ばないようだ。
5/14mon
五月雨や モデルは美形に あらねども
(さみだれや もでるはびけいに あらねども)
※仲間内で順番にモデルとなって描こうと相談し
た。大部分の人は反対気味であったが、初回は
自分がつとめますと言ったら、渋々?納得。
あるシワ、見えないシワ、心のシワ・・・皆描いて
と開き直って。
5/12sat
荷風忌や 翁の年齢と なりにけり
(かふうきや おきなのとしと なりにけり)
※永井荷風の「濹東綺譚」「つゆのあとさき」を久
しぶりに読み直した。荷風全集(筑摩)の装丁
?に憧れて何冊かを求めた昔がよみがえる。
今中古の全巻がたった4,000円とか?
玉ノ井も 寺島町も なくて春
(たまのいも てらじまちょうも なくてはる)
※旧遊郭の跡は痕跡もない。地名も駅名もすべ
て別名に置き換えられた。潔癖なまでに・・・。
初夏の風 ネットで読みいる 荷風かな
(しょかのかぜ ねっとでよみいる かふうかな)
※さわやかな風には合わない本かもしれないが、
青空文庫で読んだ。リーダーアプリによっては、
難解な字句や地名などをなぞると、即座にグー
グル検索で結果が得られる。これは便利だ。痒
いところに手が届く。
5/11fri
団子坂 四月五人の クラス会
(だんござか しがつごにんの くらすかい)
若葉風 英世指さす 梢かな
(わかばかぜ ひでよゆびさす こずえかな)
※先日中学校の同級会の帰り、谷中に出て上野を
経由して帰宅した。上野では出席の友といっしょ
に、国立科学博物館前の野口英世像を久しぶり
に見た。おや、ここにも同郷人がいたっけ。
5/10thu
工場閉ず 栄枯の機械を 撫でて春
(こうばとず えいこのきかいを なでてはる)
春逝きて 油と人の においあり
(はるゆきて あぶらとひとの においあり)
※九州の知人から工場を閉じたと知らせがあった。
父親の跡を継いで長かったのと機械加工の仕事
そのものが好きだったから、予定の閉鎖とはいえ
彼の嘆息が聞こえてきそうだ。中小企業では、こ
うした後継者不足、人手不足理由の廃業が増え
ているとか。問題は裾野を形成する、こうした中
小製造企業に、新規参入も含めて相当の利益
機会があるかどうかだと思う。
5/8tue
春の雨 好みに近い 字となれり
(はるのあめ このみにちかい じとなれり)
※昨日に続いて字を書く話。最近になって少しず
つ改善がある。力を込めない字で、ゆっくりと書
けるようになった。ほんの少しの前進。「好みに
近い」はオーバーで、本当のところは、
筆はなお 稽古を要す 春が往く
(ふではなお けいこをようす はるがゆく)
親の字と 並べて似るを 知る若葉
(おやのじと ならべてにるを しるわかば)
※好みは親父の字。じっと見つめて少しでも似て
いると思えればそれで喜んでいる。
5/7mon
筆握る 力みが哀し 冬のバラ
(ふでにぎる りきみがかなし ふゆのばら)
※70歳近くなって、字を書くときに力が入って
しまい、ちゃんとした字が書けないばかりか、
時々鉛筆やペンが大きく飛んでしまうようにな
った。その都度握り直して「そっと力を抜いて」
とリセットするのだが、思わず知らずガチガチ
になってしまう。老化と字を書かない日常習慣、
それに神経性のなにかのせいだろうか?
朝ぼらけ 春の句を書く 寝床かな
(あさぼらけ はるのくをかく ねどこかな)
※一年ほど前から対策に乗り出した。ただ字を
書く、力まずに軽く書くことを毎日やることにし
た。雑記帳に、なんでもいい、下手でもいい・
・・ただ力まずに。横になったままやるのも良
い習慣になった。どうせ書くならと、図書館の
本から季節の名句を写した。一石二鳥。
・・・少しずつ力みが減った。
5/6sun
訪ねしも 主は留守か 白つつじ
(たずねしも あるじはるすか しろつつじ)
※4月から四国のお遍路に出かけていた知人の
家に寄ってみたが留守だった。帰ったという話は
聞いていた。なるほど一人住まいの庭はきれい
に手入れがなされている。土産話は次の機会に。
5/5sat
うちそとに 薔薇のあふれて 鼻澄める
(うちそとに ばらのあふれて はなすめる)
※今日5日は立夏でもある。伝統的な作句方法と
したら、今日から夏。大切な季語の変わり目だ。
しかしながら暑さが目立つ今年でも、今日から
夏というのは早過ぎる。ほぼ一ヶ月ずらして、
6~8月を夏としたら? 俳句の世界で新感覚
派といわれる人々の主張らしい。いやいや、主
張する問題とも思えないですね。
俳句に季語の有無も含めて、作者と鑑賞者の
自由に任せる、という「無派閥」の人々が多い
のでは・・・と思います。
「鼻澄める」はいいにおい・・ということだが、
花スメルsmellとも。お粗末でした。
5/4fri
霧を掻き 掻き払えども 春の夢
(きりをかき かきはらえども はるのゆめ)
※シニアライフ2題。まずは疲れる夢。
備忘メモ さらに目立てと 春の宵
(びぼうめも さらにめざてと はるのよい)
※メモをしても、メモしたこと自体を忘れる。だん
だん大きく、目立つ書体で色をつけて、ドアや
トイレなどに貼っておく。・・・というほどではな
いのですが。
5/3thu
自分より 若き俳人の 春の歌
(じぶんより わかきはいじんの はるのうた)
※片山由美子、千葉県出身。季節をさりげなく詠
う句がなんとも好ましい。自分の感慨、家族や知
人を交えたミニ歴史を光景の中に溶け込ませてい
る。いいなア・・・。
流されて花びらほどの浮き氷
ここまでは来ぬはずの波さくら貝
逃げ水にいつしか追はれゐるここち
5/2wed
春惜しむ 異なる鳥の 声ふたつ
(はるおしむ ことなるはるの こえふたつ)
春の川 気鬱なること 投げきれず
(はるのかわ きうつなること なげきれず)
※7月並みの気温から今日午後には久しぶりの雨
模様となるかも。
5/1tue
今日からは 白きシランも 通学路
(きょうからは しろきしらんも つうがくろ)
※ぶどう棚の脚は土を掘り、セメントで固めて基
礎を作った。その過程でたくさんの植栽を掘り
出したので、近くの中学校の通学路に植えて来
た。ピンクのシランがたくさんあるところに白い
シランを植えた。他にはたくさんの水仙。
オダマキは 匍匐すれども 春嵐
(おだまきは ほふくすれども はるあらし)
※いつも感心するのはオダマキの強さ、勁さ。
三日経て 勤める人は 田植え終え
(みっかへて つとめるひとは たうえおえ)