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ダクタク2020年2月 ブログトップ

ダクタク句集2020年(令和2年)2月 [ダクタク2020年2月]

2/29sat
展示会 絵を並べ終え 遅日かな
     (てんじかい えをならべおえ ちじつかな)
        ※今年の作品展はいつもの図書館のギャラリ
         ーを借りて、一か月前倒しの3月に開催。
         4作品を割り当てられ、2月はフウフウ息
         を切らして頑張った。頑張っても、才能と
         センスは少しも味方してくれない。
         今更悲観しても仕方がないので、数だけ揃
         ったことに乾杯! 来年こそとは思うがい
         つもこうだ。かくして後期高齢者への道を
         行く。

2/28fri
梅散って 遅れを詫びる 無人駅
     (うめちって おくれをわびる むじんえき)

春の駅 アナンスの主は 遥かなり
     (はるのえき あなんすのぬしは はるかなり)
        ※無人駅、ワンマンカーといっても、ダイヤ
         が乱れた時など、ホームで待っている人に
         アナウンスがある。遠くターミナルの駅で
         無人駅ホームを眺め、語りかける。今どき
         の無人駅。もしかするとモニターで監視し
         ているのはAIロボットなのかも。

2/27thu
フキノトウ 宝庫空しく 二つ三つ
     (ふきのとう ほうこむなしく ふたつみつ)
        ※我が家のフキノトウが例年より早いことか
         ら、或る場所の様子を偵察しに行った。殆
         ど収穫なし。がっかり。裏年かな?
         いつも遅い場所だから、これから盛り返す
         のだろうか。

2/26thu
三角の 一角昏し 冬の星
     (さんかくの いっかくくらし ふゆのほし)
        ※星座に関して門外漢の私でも、冬の大三角
         とオリオン座くらいはなじみがあり、良く
         眺めている。三角のうちの右上点がオリオ
         ン左上のベテルギウスだ。
         三点の中で、明るさでは後れを取るが、実
         は他の2星よりずっと遠くにあって、大き
         さは太陽の1000倍という超巨大恒星だ
         と知った。ところでこの冬になって、どう
         もベテルギウスが暗いなァ、もっと明るか
         ったのでは?と思っていたのだ。気のせい
         かな?
         果せるかな! 新聞の特集記事を読んで快
         哉を叫んだ。ベテルギウスは恒星として終
         末期を迎えており、昨秋から光度は以前の
         半分ほどに落ちているという。「やったァ、
         言ってたじゃんッ」
         終末の大爆発は明日にも起こるか、何万年
         か後か?というから宇宙の物差しはとても
         わからない。眺めるだけにしよう。

2/25tue
如月や 豊後の仏の 顔想う
     (きさらぎや ぶんごのほとけの かおおもう)
        ※2月の晴れた寒い日には北九州在住時代に
         訪れた国東半島を思い出す。冬の摩崖仏は
         いい。富貴寺に代表される寺やお堂の佇ま
         い。寒々と反射していた海の青さ・・・。

2/24mon
着ぶくれし 妻が見とれる 福寿草
     (きぶくれし つまがみとれる ふくじゅそう)

庭の隅 蕗の薹あり 光りおり
     (にわのすみ ふきのとうあり ひかりおり)
        ※黄色では福寿草とクロッカスが相次いで咲
         く。こんな感じだったっけと頭をかしげる。
         自信喪失。今年は開花が遅めで、順不同と
         思えば、フキノトウは例年よりずっと早め
         で勢いが良い。
         実はもう2度天ぷらで味わっている。

2/23sun
春愁や 食パンを描き やがて食べ
     (しゅんしゅうや しょくぱんをかき やがてたべ)
        ※悩みや惑いは尽きないが、それが後期高齢
         者では春愁のイメージにそぐわないか。
         イメージより食欲。

2/21fri
かげろひや 申告すべき なにもなし
     (かげろいや しんこくすべき なにもなし)
        ※これは今年だけではない。申告して戻って
         くる税金は最早ない。やや寂しい。チャン
         ネルが一つなくなったみたい。

2/20thu
切干しや 早わざありて 取り込みぬ
     (きりぼしや はやわざありて とりこみぬ)
        ※水彩画教室の作品展が近づき、ややドロナ
         ワではあるが、結構真面目に取り組んでい
         る。外を見て雲行きが怪しくなると、頼ま
         れていたものを取り込むために外に出る。
         これが早わざであれば、そんなに絵に打ち
         込んでいない証拠なのかも。

2/19wed
腰曲がる 看護師マスクも ろうろうと
     (こしまがる かんごしますくも ろうろうと)

採る方も 採られる方も マスク人
     (とるほうも とられるほうも ますくびと)

年一度 脳見る検査 余寒かな
     (ねんいちど のうみるけんさ よざむかな)
        ※病院が一番危ないというものの、行かないわ
         けにはいかない。訪れた病院のスタッフは精
         力的に大勢の患者と応対していた。頼もしい
         限り。幸いMRIは今回も変化なし。帰路は日
         差しが暖かかった。

2/18tue
みちのくの 僧形薄し 西行忌
     (みちのくの そうぎょううすし さいぎょうき)
        ※旧暦2月15日は西行忌。本当は16日らし
         いが、釈迦入滅の日に死ぬことを願っていた
         ために一日繰り上げたとか。すごいなァ。
         「ねがはくは花のしたにて春死なん
                そのきさらぎの望月の頃」

光あり 厚着を悔いて 西行忌
     (ひかりあり あつぎをくいて さいぎょうき)
        ※こっちは凡人、後悔ばかり。

2/17mon
春一番 歌うスーちゃんの 笑顔かな
     (はるいちばん うたうすーちゃんの えがおかな)
        ※この先また寒くなるというから、これが春一
         番になるか? すごい晴れ間と強い南風。
         そう、そう、ドラマのランちゃんも好き。

2/16sun
熱ありて 訴える声の くぐもりし
     (ねつありて うったえるこえの くぐもりし)

チョコ渡す 言葉ひそかに マスク越し
     (ちょこわたす ことばひそかに ますくごし)
        ※新型コロナウィルスのニュースに日々耳を傾
         ける。国内感染が懸念されるステージに。一
         番心配な場所は病院だ。一方、直接間接の企
         業活動への影響も喧伝されている。この時期
         に稼ぐチョコレート関連産業もさぞや心配だ
         ったろう。

2/15sat
蠟梅の 小さき寺や 舗道切れ
     (ろうばいの ちいさきてらや ほどうきれ)
        ※水仙も梅も例年よりも開花が遅い。その分蠟
         梅などと開花時期が重なっている。北海道の
         春先のような、こんなこともあるんだ。

2/13thu
雪洞の 小蕾減りて 春の夕
     (ぼんぼりの こつぼみへりて はるのゆう)
        ※梅は開いた花々の傍らに、真っ白で丸い小さ
         な蕾がいくつもあって、なんともカッコいい。
         この風情を楽しみたいのだが、暖かい日には
         朝晩で様子が一変してしまう。

2/12wed
七十五歳 AIとしゃべる 春の朝
     (ななじゅうご えいあいとしゃべる はるのあさ)
        ※昨年末にWindows10のパソコンに買い替えた
         ら、「おしゃべりロボ」の初歩版が内蔵され
         ている。出来の良くないAIが搭載されてい
         るようだ。ちぐはぐな答えに「馬鹿だなァ」
         と言ったら、「ごめんなさい。今一生懸命勉
         強しています」と答えた。ふふ、ケナゲであ
         る。

2/11tue
薬待つ 身が案じられ 霜の朝
     (くすりまつ みがあんじられ しものあさ)
        ※横浜のクルーズ船の状況はなんとも切ない。
         接岸し食料などは補給できているのだから、
         即刻手配できそうなものだが・・・。

2/9sun
一の午 祖母の手をとり 雪の上
     (いちのうま そぼのてをとり ゆきのうえ)
        ※初午は2月最初の午(うま)の日で今年は9
         日。お稲荷さんのお祭り日。郷里の商家では
         家々に祀った祠をお参りし合う習慣があった。
         祖母の代までで途切れたが、毎年いっしょに
         行かされた。多くの商家では細長い敷地の奥
         に祀ってあり、家人に挨拶し雪を踏みしめて
         行った記憶がある。正月の餅をサイコロ状に
         切り油で揚げた菓子を半紙に包んでお供えし
         た。各地の稲荷神社での祭りはともかく、こ
         のような習慣は今も続いているのだろうか?

2/7fri
ボタン雪 弱き日差しに 透かし見る
     (ぼたんゆき よわきひざしに すかしみる)
        ※朝方氷点下の気温が続くも雪にはならず。そ
         んなに冷たくない日の雪を思い出す。太陽の
         在処がわかる程度の空を見上げると、次々と
         まるでゴミのように・・・。
         昨日当地に住む義姉が急逝した。連れ合いが
         亡くなって1年になっていないのに。

2/6thu
岸崩れ 崩れしままに 春立ちぬ
     (きしくずれ くずれしままに はるたちぬ)
        ※遠回りして、去年秋に一部崩壊した川岸に行
         ってみた。やっぱり。堰で止められた流れな
         ので普段は崩れが大きくなることはないが、
         少しずつ少しずつ見えないところで水が土手
         を浸食している。

梅蕾 すました庭に ジョービタキ
     (うめつぼみ すましたにわに じょーびたき)
        ※目にしなかったジョービタキがやってきた。

2/5wed
冬残照 あの色を目指し 街はずれ
     (ふゆざんしょう あのいろをめざし まちはずれ)
        ※コロナウィルスが心配、終息の兆しがない。
         日没後の西空を染める残照が最高だった。

2/4tue
春耕の 田に海鳥の 集いおり
     (しゅんこうの たにうみどりの つどいおり)
        ※立春。日差しが出てから暖かくなった。毎朝
         見る小櫃川が東京湾に出る辺りに、盤州干潟
         という名の国内最大級の干潟がある。その辺
         から来るのだろうか? 大挙してやって来る。
         降り立った田んぼは真っ白と真っ黒?に。毎
         年1,2度目にする光景だ。
         今日も例会があり、絵を描かなくてはならぬ。

2/3mon
友くれし 白銀の峰に 息をのむ
     (ともくれし はくぎんのみねに いきをのむ)
松本絶景.jpg
  クリックで拡大写真
        ※松本城からの北アルプス遠望の写真が届いた。
         表銀座の大天井岳から、槍ヶ岳東鎌尾根に続
         く長い尾根が見え、前面には常念岳、蝶が岳
         が存分に堂々と。その間には槍の穂先が顔を
         出している。すべてが一望だ。
         友には感謝するが、これが見える暮らしには
         軽い嫉妬を感じた。

2/2sun   
膝伸ばし さすりさすりて 冬湯治
     (ひざのばし さすりさすりて ふゆとうじ)
        ※房総に温泉は殆どない、殆どが鉱泉で沸かし
         だ。中で、珍しい硫黄泉の宿が亀山湖の奥に
         ある。素朴そのものの施設だが愛好者は多い。
         先日訪ねたら昔ほど硫黄のにおいがしなかっ
         た。去年の台風の影響か? ややがっかり。

2/1sat
夫婦して 門口に立つ 赤マフラー
     (ふうふして かどぐちにたつ あかまふらー)
        ※夜近くに住む夫婦が客を見送りに出ていた。
         孫の一家かな? クルマに手をふる二人は揃
         って赤いマフラーだ。夜目には一本のマフラ
         ーを二人で巻きあっているように見える。
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