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ダクタク句集2023年(令和5年)8月 [ダクタク2023年8月]

8/31thu
緑陰の影濃しすでに客があり
  (りょくいんのかげこしすでにきゃくがあり)

八月尽危険な暑さをかみしめる
  (はちがつじんきけんなあつさをかみしめる)
   ※これだけの暑さは異常という、歴史的とも
    いう、これからは何度も、とも。かみしめ
    ておくにしくはない。

8/29tue
旱天や実のなる木だけ水をやる
  (かんてんやみのなるきだけみずをやる)
   ※庭の果樹に関する限り、この暑い夏、日照
    りに恨みはない。もも、プラム、ぶどうと
    この間に収穫した果樹は皆例年よりかなり
    成績が良い。
    残るは柿と温州みかん、大切なこの時期実
    のつきは悪くない。素人の遊びの域を出な
    いが、悪くない気分。

8/28tue
次々とポッケから栗あげるとぞ
  (つぎつぎとぽっけからくりあげるとぞ)

栗飯のすでに香りが電話口
  (くりめしのすでにかおりがでんわぐち)

8/27sun
上弦の月に邯鄲酔いしれて
  (じょうげんのつきにかんたんよいしれて)
   ※月末から来月にかけての気温の予報も平年
    より高いとある。意外と朝晩のしのぎやす
    さがやってきて、裏をかいてくるかも。

8/26sat
絵を見せてやがて名を訊く酷暑なり
  (えをみせてやがてなをきくこくしょなり)
   ※75歳を超えると3年に一回認知症機能検査
    を受けさせられる。今日は何曜日?とかの
    試験と16枚の絵の名前を憶えているかどう
    か? 必要性は理解できるが、その代わり
    何千円でいいから金を払え! この無礼者!
    (逆に8000円ほど払わせられる)

8/25fri
一文字も書かず読まずに青芭蕉
  (ひともじもかかずよまずにあおばしょう)
   ※暑さの余り、3ヵ月前に訪れた漱石記念館
    を思い出した。こんな日も意外と風が通る
    涼しい家だったのかも知れない。とはいえ
    酷暑の日だったら、なんにもしないで終日
    ベランダから青芭蕉を眺めていたかも。

8/24thu
免許再た手続きしたる晩夏かな
  (めんきょまたてつづきしたるばんかかな)
   ※免許の更新は認知症試験を伴う。試験の内
    容、合否のラインには全く問題ないが、愉
    快なことではない。
    それに季節、晩夏であって欲しい。

8/23wed
洗い鯉好みし亡父の歳越えて
  (あらいごいこのみしちちのとしこえて)
   ※鯉の洗いは今の身の回りでは殆ど目にしな
    い。暑い中では、酢味噌でいただく懐かし
    い味だ。調べたら千葉県内でいくつか食す
    る場所があった。印旛沼周辺、養老渓谷と
    か。少し北の山間の味ではないみたい。

8/21mon
SLの汽笛サービス蝉時雨
  (えすえるのきてきさーびすせみしぐれ)
   ※甲子園の準決2試合を見る。
    ついでにYouTubeで磐越西線を走る観光列
    車の「雄姿」を久しぶりに見た。未だに元
    気だ。(当たり前、アップされたのは10
    年ほど前だ)

8/20sun
盆明けて深夜に重きカバン押す
  (ぼんあけてしんやにおもきかばんおす)
   ※海外からの帰国者がピークと聞いたが、リ
    ムジンバスの通りでもあるまいし、まして
    深夜だ。すごい音だ。
    ハハーン、旅行をしたカップルが喧嘩をし
    て家近くの道路で放り投げられた、ナ?
    きっとそうに違いない。

8/19sat
夏の果て雲の形を調べ居ぬ
  (なつのはてくものかたちをしらべいぬ)
   ※ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ秋の雲
    らしいのが現れた。が、秋の雲ではない。
    似て非なるものだ。関東南部の当地では空
    に雲が広がると、それで多少涼しく感じる。
    秋を感じる。これは末期的感覚!

8/18fri
朝涼し小鳥に吾にパンの耳
  (あさすずしことりにわれにぱんのみみ)

盆明けの会議紛糾夕まぐれ
  (ぼんあけのかいぎふんきゅうゆうまぐれ)
   ※会議の構成は半数以上がシニアなのに、意見
    が二つに割れて、それを訳ありと勘繰った一
    部が同意見の者を糾合して変に硬化してしま
    った。結果的な分断の状態ではある。
    まあ今日は甲子園が休みだからいいようなも
    のの・・・。

8/16wed
温湯なり夏のしまい湯動かざる
  (ぬるゆなりなつのしまいゆうごかざる)
   ※台風7号は報道のわりにすんなり近畿を通過
    してしまうのかと思いきや、方々に深刻な爪
    痕を残しつつある。殊に鳥取の各河川はひど
    い状況らしい、湯につかりながらラジオを聴
    いている。

8/15tue
主人なす大提灯の盆支度
  (あるじなすおおちょうちんのぼんじたく)
   ※故郷の盆の風物詩は商家の店先や元武家の
    民家の門口に吊るした家紋を入れた大提灯
    だ。全国共通の迎え火の光景は殆ど目にし
    なかった。京都と西日本の城下町の中に同
    じ盆の風習があるといわれる。

8/14mon
明けやすし咳き込む犬の名を呼べり
  (あけやすしせきこむいぬのなをよべり)

水羊羹伯母のいつもの持たせかな
  (みずようかんおばのいつものもたせかな)

8/13sun
糖尿値ラジオ体操だけでなく
  (とうにょうちらじおたいそうだけでなく)
   ※定期の診察でかかりつけ医から長らく観察
    を続けているHgA1cがやや危険側に向かい
    つつあるとの託宣を受けた。これは衝撃だ
    が想定の範囲内でもある。
    さて朝起床時からおこなっている体操、運
    動組み合わせの各種「割引」をやめようと
    思う。

8/11fri
夏の朝おしゃべり止めよとはいえず
  (なつのあさおしゃべりやめよはいえず)

気まぐれの昭和のタイマー風くれぬ
  (きまぐれのしょうわのたいまーかぜくれぬ)

8/10thu
蝉しぐれ友のポリープ皆消えて
  (せみしぐれとものぽりーぷみなきえて)

張りあふてあげてはもらい日々西瓜
  (はりおうてあげてはもらいひびすいか)
   ※ガソリン代のかかった西瓜、ドヤ顔で届け
    たら、帰りに西瓜を貰ってきた。これが甘
    い。すごい。

8/9wed
白服を着て半日は汗かかず
  (しろふくをきてはんにちはあせかかず)
   ※立派な服ではない、真白なTシャツに白い
    散歩用ズボンだ。今日長崎原爆忌、台風の
    影響が心配。

8/8tue
真空のパック新茶の香り立つ
  (しんくうのぱっくしんちゃのかおりたつ)
   ※新茶は初夏の季語。真空パックは四季の季
    語。有名な虚子の句
     「方丈に今とどきたる新茶かな」

8/7mon
心太もひとつ所望して盛夏
  (ところてんもひとつしょもうしてせいか)
   ※グテーレスが「地球は『沸騰期』に入った」
    と。

窓放ち毎夜の仕度熱帯夜
  (まどはなちまいよのしたくねったいや)

8/6sun
原爆忌同じ齢とつぶやけり
  (げんばくきおなじよわいとつぶやけり)

イヤホンで広島の鐘を聴きいたり
  (いやほんでひろしまのかねをききいたり)

広島のしじまを知りて原爆忌
  (ひろしまのしじまをしりてげんばくき)

静寂とは蝉の声なり原爆忌
  (しじまとはせみのこえなりげんばくき)

8/5sat
よれよれのTシャツ着たき大暑かな
  (よれよれのてぃしゃつきたきたいしょかな)

盛夏かな残せし長き映画見し
  (せいかかなのこせしながきえいがみし)
   ※酷暑と言われる夏も悪いことばかりではな
    い。見たい映画の在庫が大いに捌けた。し
    かも大して罪悪感なしに。

8/4fri
夏だ夏朝昨日よりもっと夏
  (なつだなつあさきのうよりもっとなつ)
   ※嫌われ者の猛暑だが、朝の澄んだギラギラ
    は夏のエネルギーそのもの。日々の散歩コ
    ースだが、今日も記憶に残る光景だ。

炎昼や妻マージャンにデイのごと
  (えんちゅうやつままーじゃんにでいのごと)

向日葵は見下ろしており件の絵
  (ひまわりはみおろしておりくだんのえ)

8/3thu
初ぶどう飴色となりぶら下がり
  (はつぶどうあめいろとなりぶらさがり)

戦やまず今年のトマト外れなし
  (いくさやまずことしのとまとはずれなし)

向日葵や沖縄は風六十五
  (ひまわりやおきなわはかぜろくじゅうご)

8/2wed
雷の来て一日の涼くれり
  (かみなりのきていちにちのりょうくれり)

プラム落ちて無事に道路を横切りぬ
  (ぷらむおちてぶじにどうろをよこぎりぬ)
   ※プラムの出来も今年は今までで最良。ぎり
    ぎり完熟まで待ってお裾分け。

8/1tue
過去になき気温上総の日照りかな
  (かこになききおんかずさのひでりかな)

喜雨はまずにおいとけむり畑道
  (きうはまずにおいとけむりはたけみち)
   ※8月に入ってやっと雨が降った。量は今の
    ところ僅か、大気の不安定さからくる雷雨
    だけだ。長い日照りの後の降り始めの独特
    の気配。

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