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ダクタク句集2020年(令和2年)最終 [自選集2020]

2020自選 20句 (応募用)
                         ***は伊藤園に応募済 2021.2.26

コロナ禍に 楽聖の日の ありて冬 ***
     (ころなかに がくせいのひの ありてふゆ)

大豆ぬく 婆に笑みあり 頬被り
     (だいずぬく ばばにえみあり ほおかぶり)

鵙日和 霊園を見て 決めかねて
     (もずびより れいえんをみて きめかねて)

色褪せる ドロップ缶や 秋の道
     (いろあせる どろっぷかんや あきのみち)

金木犀 宅配人の お世辞かな
     (きんもくせい たくはいにんの おせじかな)

秋めくや 釜のなおりて 昼の風呂
     (あきめくや かまのなおりて ひるのふろ)

としふれば アイスひとつに さじふたつ ***
     (としふれば あいすひとつに さじふたつ)

撃沈の時語る人にもマスクあり
     (げきちんのとき かたるひとにもますくあり)

月の夜 ウェットスーツの 影二つ
     (つきのよる うぇっとすーつの かげふたつ)

うたた寝や 海辺の駅の 月見草 ***
     (うたたねや うみべのえきの つきみそう)

半夏雨 亡父の句集に 栞して
     (はんげあめ ちちのくしゅうに しおりして)

石首魚の 骨で更けたり 夏至の夜
     (いしもちの ほねでふけたり げしのよる)

鯖と煮る 蕗のうまさよ 卯月かな
     (さばとにる ふきのうまさよ うづきかな)

草餅や 香り強くと 企みぬ ***
     (くさもちや かおりつよくと たくらみぬ)

春風や つましきも快 然りかな
     (しゅんぷうや つましきもかい しかりかな)

山笑う 晩学という 言葉知る
     (やまわらう ばんがくという ことばしる)

終活の メモ先送りす 春霞
     (しゅうかつの めもさきおくりす はるがすみ)

光あり 厚着を悔いて 西行忌
     (ひかりあり あつぎをくいて さいぎょうき)

七十五歳 AIとしゃべる 春の朝 ***
     (ななじゅうご えいあいとしゃべる はるのあさ)

冬おじや コゲせがむ子の 微熱かな ***
     (ふゆおじや こげせがむこの びねつかな)

寒の日や 正月ごとの 辞世の句
     (かんのひや しょうがつごとの じせいのく)

シクラメン 一人住まいが タオル干し
     (しくらめん ひとりずまいが たおるほし)



2020自選 40句

薔薇切りて 師走ひと月を 咲き尽くす
     (ばらきりて しわすひとつきを さきつくす)

コロナ禍に 楽聖の日の ありて冬
     (ころなかに がくせいのひの ありてふゆ)

大豆ぬく 婆に笑みあり 頬被り
     (だいずぬく ばばにえみあり ほおかぶり)

鵙日和 霊園を見て 決めかねて
     (もずびより れいえんをみて きめかねて)

色褪せる ドロップ缶や 秋の道
     (いろあせる どろっぷかんや あきのみち)

海を見る 食堂の人 吾亦紅
     (うみをみる しょくどうのひと われもこう)

金木犀 宅配人の お世辞かな
     (きんもくせい たくはいにんの おせじかな)

秋めくや 釜のなおりて 昼の風呂
     (あきめくや かまのなおりて ひるのふろ)

糸瓜忌や 布団重ねて 二度寝かな
     (へちまきや ふとんかさねて にどねかな)

風の盆 男踊りを 夢に見し
     (かぜのぼん おとこおどりを ゆめにみし)

稲妻や 雲の襖を 透かせたり
     (いなづまや くものふすまを すかせたり)

草の丈 独居老人の 家ありき
     (くさのたけ どっきょろうじんの いえありき)

秋来る エドワード・ホッパーの 影が好き
   (あききたる えどわーど・ほっぱーの かげがすき)

としふれば アイスひとつに さじふたつ
     (としふれば あいすひとつに さじふたつ)

撃沈の時 語る人もマスクあり
     (げきちんのとき かたるひともますくあり)

夏暁や 古き書に蚊の ミイラあり
     (なつあけや ふるきしょにかの みいらあり)

月の夜 ウェットスーツの 影二つ
     (つきのよる うぇっとすーつの かげふたつ)

サルスベリ 木陰スマホで 泣く娘あり
     (さるすべり こかげすまほで なくこあり)

うたた寝や 海辺の駅の 月見草
     (うたたねや うみべのえきの つきみそう)

半夏雨 亡父の句集に 栞して
     (はんげあめ ちちのくしゅうに しおりして)

石首魚の 骨で更けたり 夏至の夜
     (いしもちの ほねでふけたり げしのよる)

鯖と煮る 蕗のうまさよ 卯月かな
     (さばとにる ふきのうまさよ うづきかな)

薫風や 車椅子押す 人に吹く
     (くんぷうや くるまいすおす ひとにふく)

草餅や 香り強くと 企みぬ
     (くさもちや かおりつよくと たくらみぬ)

オダマキや 一日揺れて なお勁き
     (おだまきや いちにちゆれて なおつよき)

花おぼろ 十三参りの 虚空蔵
     (はなおぼろ じゅうさんまいりの こくうぞう)

春風や つましきも快 然りかな
     (しゅんぷうや つましきもかい しかりかな)

半呆けが いいという人 さくら餅
     (はんぼけが いいというひと さくらもち)

山笑う 晩学という 言葉知る
     (やまわらう ばんがくという ことばしる)

磯笛の 幻追いて 安房の海
     (いそぶえの まぼろしおいて あわのうみ)

終活の メモ先送りす 春霞
     (しゅうかつの めもさきおくりす はるがすみ)

光あり 厚着を悔いて 西行忌
     (ひかりあり あつぎをくいて さいぎょうき)

七十五歳 AIとしゃべる 春の朝
     (ななじゅうご えいあいとしゃべる はるのあさ)

師はこぼす 身内哀しや 冬薔薇
     (しはこぼす みうちかなしや ふゆそうび)

冬おじや コゲせがむ子の 微熱かな
     (ふゆおじや こげせがむこの びねつかな)

寒の日や 正月ごとの 辞世の句
     (かんのひや しょうがつごとの じせいのく)

新年会 口真似上手な 亡母がいて
     (しんねんかい くちまねじょうずな ははがいて)

シクラメン 一人住まいが タオル干し
     (しくらめん ひとりずまいが たおるほし)


2020自選 120句

薔薇切りて 師走ひと月を 咲き尽くす
     (ばらきりて しわすひとつきを さきつくす)

渋谷には 着ぶくれせぬ人 うごめいて
     (しぶやには きぶくれせぬひと うごめいて)

冬至来て 首の後ろの かゆみかな
     (とうじきて くびのうしろの かゆみかな)

コロナ禍に 楽聖の記念日 ありて冬
     (ころなかに がくせいのきねんび ありてふゆ)

教え子も 師もシニアなり 賀状書く
     (おしえごも しもしにあなり がじょうかく)

豆をぬく 婆に笑みあり 頬被り
     (まめをぬく ばばにえみあり ほおかぶり)

芭蕉忌の 日を確かめんと 暦帳
     (ばしょうきの ひをたしかめんと こよみちょう)

鵙日和 霊園を見て 決めかねて
     (もずびより れいえんをみて きめかねて)

色褪せる ドロップ缶や 秋の道
     (いろあせる どろっぷかんや あきのみち)

干す烏賊を 哀れと読みし 人のあり
     (ほすいかを あわれとよみし ひとのあり)

見つけたり 小さな秋と ちさき老い
     (みつけたり ちいさなあきと ちさきおい)

海を見る 食堂の人 吾亦紅
     (うみをみる しょくどうのひと われもこう)

嵐去り 一人整然 貝割れ菜
     (あらしさり ひとりせいぜん かいわれな)

塀越しの シュウメイギクの 視線かな
     (へいごしの しゅうめいぎくの しせんかな)

金木犀 宅配人の お世辞かな
     (きんもくせい たくはいにんの おせじかな)

秋めくや 釜のなおりて 昼の風呂
     (あきめくや かまのなおりて ひるのふろ)

秋薊 男手のひらの なめらかに
     (あきあざみ おとこてのひらの なめらかに)

風立ちて 愁思小さきに 気づきおり
     (かぜたちて しゅうしちさきに きづきおり)

運動会 みな金網に 指かけて
     (うんどうかい みなかなあみに ゆびかけて)

糸瓜忌や 布団重ねて 二度寝かな
     (へちまきや ふとんかさねて にどねかな)

風の盆 男踊りを 夢に見し
     (かぜのぼん おとこおどりを ゆめにみし)

稲妻や 雲の襖を 透かせたり
     (いなづまや くものふすまを すかせたり)

入院の人に 最後のぶどう摘む
     (にゅういんのひとに さいごのぶどうつむ)

草の丈 独居老人の 家ありき
     (くさのたけ どっきょろうじんの いえありき)

秋来る エドワード・ホッパーの 影が好き
   (あききたる えどわーど・ほっぱーの かげがすき)

富士黒く 芙蓉の里は 涼しかり
     (ふじくろく ふようのさとは すずしかり)

朝顔や ふの妙語る 亭主あり
     (あさがおや ふのみょうかたる ていしゅあり)

としふれば アイスひとつに さじふたつ
     (としふれば あいすひとつに さじふたつ)

撃沈の時 語る人もマスクあり
     (げきちんのとき かたるひともますくあり)

駅頭に 弟の顔や 夏帰郷
     (えきとうに おとうとのかおや なつききょう)

夏暁や 古き書に蚊の ミイラあり
     (なつあけや ふるきしょにかの みいらあり)

月の夜 ウェットスーツの 影二つ
     (つきのよる うぇっとすーつの かげふたつ)

サルスベリ 木陰スマホで 泣く娘あり
     (さるすべり こかげすまほで なくこあり)

河童忌に 祝日の名を 問われけり
     (かっぱきに しゅくじつのなを とわれけり)

うたた寝や 海辺の駅の 月見草
     (うたたねや うみべのえきの つきみそう)

半夏雨 抜歯は疼く 傘の下
     (はんげあめ ばっしはうずく かさのした)

ペンキ屋は 見上げるばかり 梅雨の空
     (ぺんきやは みあげるばかり つゆのそら)

夏燕 いる軒下に 雨宿り
    (なつつばめいる のきしたにあまやどり)

皺が割く 房州うちわの 女竹かな
     (しわがさく ぼうしゅううちわの めだけかな)

半夏生 夕日に釣り師の 影崩れ
     (はんげしょう ゆうひにつりしの かげくずれ)

半夏雨 亡父の句集に 栞して
     (はんげあめ ちちのくしゅうに しおりして)

蚊遣焚く 床屋の助手の 話好き
     (かやりたく とこやのじょしゅの はなしずき)

梅雨寒や 老斑無断で 二つ三つ
     (つゆざむや ろうはんむだんで ふたつみつ)

石首魚の 骨で更けたり 夏至の夜
     (いしもちの ほねでふけたり げしのよる)

ダ・ヴィンチは 何度もぬりしと 梅雨の夜
    (ダ・ヴィンチは なんどもぬりしと つゆのよる)

伯母いつも 薄塩水で サクランボ
     (おばいつも うすしおみずで さくらんぼ)

シロップに もぎたての梅を 選りにけり
     (しろっぷに もぎたてのうめを よりにけり)

鯖と煮る 蕗のうまさよ 卯月かな
     (さばとにる ふきのうまさよ うづきかな)

ピレネーを 五月に越える 銀の道
     (ぴれねーを ごがつにこえる ぎんのみち)

五月雨や 大樹の下で 名乗り合う
     (さみだれや たいじゅのしたで なのりあう)

鉢馬酔木 父祖伝来の 枝伸ばし
     (はちあしび ふそでんらいの えだのばし)

薫風や 車椅子押す 人に吹く
     (くんぷうや くるまいすおす ひとにふく)

矢車草 透明な青を 今朝見たり
     (やぐるまそう とうめいなあおを けさみたり)

草餅や 香り強くと 企みぬ
     (くさもちや かおりつよくと たくらみぬ)

藤の花 蜂入りしまま 迷路かな
     (ふじのはな はちいりしまま めいろかな)

おさえめに 八十八夜の くしゃみかな
     (おさえめに はちじゅうはちやの くしゃみかな)

手に下げた 早生の新玉 家路かな
     (てにさげた わせのしんたま いえじかな)

苗を積む 妻のやる気は ほとばしり
     (なえをつむ つまのやるきは ほとばしり)

夕まぐれ クレマチス白き 雨後の舞い
     (ゆうまぐれ くれまちすしろき うごのまい)

オダマキや 一日揺れて なお勁き
     (おだまきや いちにちゆれて なおつよき)

花おぼろ 十三参りの 虚空蔵
     (はなおぼろ じゅうさんまいりの こくうぞう)

春風や つましきも快 然りかな
     (しゅんぷうや つましきもかい しかりかな)
半呆けが いいという人 さくら餅
     (はんぼけが いいというひと さくらもち)

山笑う 晩学という 言葉知る
     (やまわらう ばんがくという ことばしる)

いにしえの 砦を埋める 黄花かな
     (いにしえの とりでをうめる きばなかな)

鉢馬酔木 花ほころべば 父来たり
     (はちあしび はなほころべば ちちきたり)

師が描ける 埴輪の背には 黄花咲き
     (しがかける はにわのせには きばなさき)

磯笛の 幻追いて 安房の海
     (いそぶえの まぼろしおいて あわのうみ)

春彼岸 妻畑から 墓参り
     (はるひがん つまはたけから はかまいり)

花ニラや 楚々として庭を 席巻す
     (はなにらや そそとしてにわを せっけんす)

終活の メモ先送りす 春霞
     (しゅうかつの めもさきおくりす はるがすみ)

第六感 老女は春に 冴え返り
     (だいろくかん ろうじょははるに さえかえり)

春めくや 耳に残れる かんこかな
     (はるめくや みみにのこれる かんこかな)

三角の 一角昏し 冬の星
     (さんかくの いっかくくらし ふゆのほし)

かげろひや 申告すべき なにもなし
     (かげろいや しんこくすべき なにもなし)

年一度 脳見る検査 余寒かな
     (ねんいちど のうみるけんさ よざむかな)

光あり 厚着を悔いて 西行忌
     (ひかりあり あつぎをくいて さいぎょうき)

七十五歳 AIとしゃべる 春の朝
     (ななじゅうご えいあいとしゃべる はるのあさ)

一の午 祖母の手をとり 雪の上
     (いちのうま そぼのてをとり ゆきのうえ)

夫婦して 門口に立つ 赤マフラー
     (ふうふして かどぐちにたつ あかまふらー)

師はこぼす 身内の哀しさ 冬薔薇
     (しはこぼす みうちのかなしさ ふゆそうび)

冬おじや コゲせがむ子の 微熱かな
     (ふゆおじや こげせがむこの びねつかな)

手作りの 木椅子冷たき 寒の朝
     (てづくりの きいすつめたき かんのあさ)

寒の日や 正月ごとの 辞世の句
     (かんのひや しょうがつごとの じせいのく)

角々に デイのお迎え 初時雨
     (かどかどに でいのおむかえ はつしぐれ)

新年会 口真似上手な 母がいて
     (しんねんかい くちまねじょうずな ははがいて)

シクラメン 一人住まいが タオル干し
     (しくらめん ひとりずまいが たおるほし)





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ダクタク句集2020年(令和2年)下期 自選集 [自選集2020]

12/31tu
年用意メモに救急車の響き
     (としようい めもにきゅうきゅうしゃのひびき)

12/27sun
薔薇切りて 師走ひと月を 咲き尽くす
     (ばらきりて しわすひとつきを さきつくす)

12/23wed        
渋谷には 着ぶくれせぬ人 うごめいて
     (しぶやには きぶくれせぬひと うごめいて)
12/22tue
冬至来て 首の後ろの かゆみかな
     (とうじきて くびのうしろの かゆみかな)

12/19sat
氷点下 会う顔同じ 目で少し
     (ひょうてんか あうかおおなじ めですこし)

12/18fri
短日や 検査結果を 咀嚼する
     (たんじつや けんさけっかを そしゃくする)

12/16wed
コロナ禍に 楽聖の記念日 ありて冬
     (ころなかに がくせいのきねんび ありてふゆ)

12/14mon
教え子も 師もシニアなり 賀状書く
     (おしえごも しもしにあなり がじょうかく)

12/5sat
豆をぬく 婆に笑みあり 頬被り
     (まめをぬく ばばにえみあり ほおかぶり)

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11/29sun
熱湯に 湯がき恐ろし 柿を干す
     (ねっとうに ゆがきおそろし かきをほす)

11/25wed
冬ざれや 三島由紀夫に 娑婆遠し
     (ふゆざれや みしまゆきおに しゃばとおし)

見下ろせば娑婆 冬の自刃に悔みなし
     (みおろせばしゃば ふゆのじじんにくやみなし)

11/22sun
芭蕉忌の 日を確かめんと 暦帳
     (ばしょうきの ひをたしかめんと こよみちょう)

11/21sat
さわしたる 柿箱今日の 開け日かな
     (さわしたる かきばこきょうの あけびかな)

11/17tue
鵙日和 霊園を見て 決めかねて
     (もずびより れいえんをみて きめかねて)
11/15sun
晩生なる たまねぎ植える 小春かな
     (おくてなる たまねぎうえる こはるかな)

11/13fri
冬近し なにもなき日の 薄着かな
     (ふゆちかし なにもなきひの うすぎかな)

11/12thu
色褪せる ドロップ缶や 秋の道
     (いろあせる どろっぷかんや あきのみち)

11/7sat
干す烏賊を 哀れと読みし 人のあり
     (ほすいかを あわれとよみし ひとのあり)

11/5thu
やや寒し 故郷からの 友の声
     (ややさむし ふるさとからの とものこえ)

11/4wed
秋深し 薄きベーコンと 卵焼き
     (あきふかし うすきべーこんと たまごやき)

11/2mon
見つけたり 小さな秋と ちさき老い
     (みつけたり ちいさなあきと ちさきおい)

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10/31sat
海を見る 食堂の人 吾亦紅
     (うみをみる しょくどうのひと われもこう)

10/25sun
秋の蚊や パソコンに問う 言葉あり
     (あきのかや ぱそこんにとう ことばあり)

10/22thu
嵐去り 一人整然 貝割れ菜
     (あらしさり ひとりせいぜん かいわれな)


10/18sun
駅前の 後ろ姿や 秋の宵
     (えきまえの うしろすがたや あきのよい)

10/15thu
高みから 柿が揶揄する わが暮らし
     (たかみから かきがやゆする わがくらし)

むしゃむしゃと 食わざるべからず 次郎柿
    (むしゃむしゃと くわざるべからず じろうがき)

10/11sun
塀越しの シュウメイギクの 視線かな
     (へいごしの しゅうめいぎくの しせんかな)

お土産は 零余子ご飯の レシピ付き
     (おみやげは むかごごはんの れしぴつき)

10/9fri
後頭部 知らぬが仏 秋海棠
     (こうとうぶ しらぬがほとけ しゅうかいどう)

10/8thu
稲妻や ガンを越えにし 床屋いて
     (いなづまや がんをこえにし とこやいて)

10/7wed
腕まくら 鼓動の高き 杜鵑草
     (うでまくら こどうのたかき ほととぎす)

10/6tue
金木犀 宅配人の お世辞かな
     (きんもくせい たくはいにんの おせじかな)

10/3sat
腰痛や 立ち止まり聞く 秋の声
     (ようつうや たちどまりきく あきのこえ)

明月や姪は関節手術とか
     (めいげつや めいはかんせつしゅじゅつとか)

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9/30wed
秋めくや 釜のなおりて 昼の風呂
     (あきめくや かまのなおりて ひるのふろ)

9/27sun
秋薊 男手のひらの なめらかに
     (あきあざみ おとこてのひらの なめらかに)

プールにて 河原撫子 微笑めり
     (ぷーるにて かわらなでしこ ほほえめり)

風立ちて 愁思小さきに 気づきおり
     (かぜたちて しゅうしちさきに きづきおり)

9/22tue
運動会 みな金網に 指かけて
     (うんどうかい みなかなあみに ゆびかけて)

9/21mon
お中日 曼殊沙華は 遅参せず
     (おちゅうにち まんじゅしゃげは ちさんせず)

9/20sun
縁に出て 俳句談義や 獺祭忌
     (えんにでて はいくだんぎや だっさいき)

9/19sat
糸瓜忌や 布団重ねて 二度寝かな
     (へちまきや ふとんかさねて にどねかな)

子規の忌や 朝に帽子の 衣替え
     (しきのきや あさにぼうしの ころもがえ)

9/17thu
風の盆 男踊りを 夢に見し
     (かぜのぼん おとこおどりを ゆめにみし)

おわら節 唸るシニアの 顔涼し
     (おわらぶし うなるしにあの かおすずし

稲妻や 雲の襖を 透かせたり
     (いなづまや くものふすまを すかせたり)

9/13sun
待ちかねし 宅配来る日 白槿
     (まちかねし たくはいくるひ しろむくげ)

入院の人に 最後のぶどう摘む
     (にゅういんのひとに さいごのぶどうつむ)

9/11fri
草の丈 独居老人の 家ありき
     (くさのたけ どっきょろうじんの いえありき)

9/6sun  
秋来る エドワード・ホッパーの 影が好き
   (あききたる えどわーど・ほっぱーの かげがすき)

音は秋 炎暑揺るがずと 見えながら
     (おとはあき えんしょゆるがずと みえながら)


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8/31mon
富士黒く 芙蓉の里は 涼しかり
     (ふじくろく ふようのさとは すずしかり)

8/29sat
朝顔や ふの妙語る 亭主あり
     (あさがおや ふのみょうかたる ていしゅあり)

8/27thu
弱蝉のやみて 紫煙をふうーとはく
     (よわせみのやみて しえんをふうーとはく)

8/25tue
としふれば アイスひとつに さじふたつ
     (としふれば あいすひとつに さじふたつ)

8/19wed
撃沈の時 語る人もマスクあり
     (げきちんのとき かたるひともますくあり)

8/18tue
師は今日も 健啖なりき 秋立つ日
     (しはきょうも けんたんなりき あきたつひ)

8/16sun
駅頭に 弟の顔や 夏帰郷
     (えきとうに おとうとのかおや なつききょう)

山を見る 弟がいて 夏涼し
     (やまをみる おとうとがいて なつずずし)

8/15sat
夏暁や 古き書に蚊の ミイラあり
     (なつあけや ふるきしょにかの みいらあり)

8/14fri
新盆や 黒縮緬の 女の指
     (にいぼんや くろちりめんの ひとのゆび)

8/13thu
盆の朝 長く影ひく 白き道
     (ぼんのあさ ながくかげひく しろきみち)

8/12wed
安曇野の秋 モーツァルトのロンドかな
     (あずみののあき もーつぁるとのろんどかな)

8/10mon
月の夜 ウェットスーツの 影二つ
     (つきのよる うぇっとすーつの かげふたつ)

8/6thu
朝に採る 胡瓜の勁さ 原爆忌
     (あさにとる きゅうりのつよさ げんばくき)

8/5wed
不意に見え 人に告げたる 夏の富士
     (ふいにみえ ひとにつげたる なつのふじ)

8/4tue
サルスベリ 木陰スマホで 泣く娘あり
     (さるすべり こかげすまほで なくこあり)

8/1sat
梅雨明けや 筋力不足の 素振りかな
     (つゆあけや きんりょくぶそくの すぶりかな)

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7/31fri
梅雨明けず 城下の角の 鍵造り
     (つゆあけず じょうかのかどの かぎづくり)

7/28tue
ガンに勝ち 帰還した顔 タチアオイ
     (がんにかち きかんしたかお たちあおい)

7/24fri
河童忌に 祝日の名を 問われけり
     (かっぱきに しゅくじつのなを とわれけり)

7/23thu
待ちかねて 形見の花茣蓙 干しにけり
     (まちかねて かたみのはなござ ほしにけり)

7/21tue
うたた寝や 海辺の駅の 月見草
     (うたたねや うみべのえきの つきみそう)

7/20mon
自家製と 桃の甘さを お福分け
     (じかせいと もものあまさを おふくわけ)

7/19sun
空を見る 法被しとどに 虎が雨
     (そらをみる はっぴしとどに とらがあめ)

時雨るるや シニア声出す 孫の山車
     (しぐるるや しにあこえだす まごのだし)

7/15wed
半夏雨 抜歯は疼く 傘の下
     (はんげあめ ばっしはうずく かさのした)

7/14tue
突然の 涼気シニアは 背伸びする
     (とつぜんの りょうきしにあは せのびする)

7/13mon
ペンキ屋は 見上げるばかり 梅雨の空
     (ぺんきやは みあげるばかり つゆのそら)


7/10fri
燕の子 地におりよろっと 飛び立ちぬ
    (つばめのこ ちにおりよろっと とびたちぬ)

夏燕 いる軒下に 雨宿り
    (なつつばめいる のきしたにあまやどり)

7/9thu
皺が割く 房州うちわの 女竹かな
     (しわがさく ぼうしゅううちわの めだけかな)

7/8wed
良書あり 豪雨の地あり 梅雨騒ぐ
     (りょうしょあり ごううのちあり つゆさわぐ)

7/7tue
地に斃る 隠元豆の 夕餉かな
     (ちにたおる いんげんまめの ゆうげかな)

7/4sat
半夏生 夕日に釣り師の 影崩れ
     (はんげしょう ゆうひにつりしの かげくずれ)

半夏雨 亡父の句集に 栞して
     (はんげあめ ちちのくしゅうに しおりして)

7/1wed
明月記 馴染みの抄あり 半夏生
   (めいげつき なじみのしょうあり はんげしょう)

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ダクタク句集2020年(令和2年)上期 自選集 [自選集2020]

6/29mon
ママチャリは クルマ引き連れ 梅雨夕焼
     (ままちゃりは くるまひきつれ つゆゆやけ)

6/26fri
蚊遣焚く 床屋の助手の 話好き
     (かやりたく とこやのじょしゅの はなしずき)

6/24wed
蝙蝠や ヒヤッ刈りたての 髪かすめ
     (こうもりや ひやっかりたての かみかすめ)

6/23tue
梅雨寒や 老斑無断で 二つ三つ
     (つゆざむや ろうはんむだんで ふたつみつ)

6/22mon
石首魚の 骨で更けたり 夏至の夜
     (いしもちの ほねでふけたり げしのよる)

時雨来る 南瓜の受粉に 急ぎ足
     (しぐれくる かぼちゃのじゅふんに いそぎあし)

6/20sat
朝練の 再開の声 沙羅の花
     (あされんの さいかいのこえ しゃらのはな)

6/19fri
梅雨晴れ間 女先生の 帽子行く
     (つゆはれま おんなせんせいの ぼうしゆく)

6/17wed
ダ・ヴィンチは 何度もぬりしと 梅雨の夜
    (ダ・ヴィンチは なんどもぬりしと つゆのよる)

6/16tue
空目指し 凌霄花の クライミング
     (そらめざし のうぜんかずらの くらいみんぐ)

6/15mon
伯母いつも 薄塩水で サクランボ
     (おばいつも うすしおみずで さくらんぼ)

6/12fri
髪伸びて 楽聖に似たり 走り梅雨
     (かみのびて がくせいににたり はしりづゆ)

明けやすき 闇をしとどに 走り梅雨
     (あけやすき やみをしとどに はしりづゆ)

6/11thu
梅雨近し 路地を曲がり来る 聖歌かな
     (つゆちかし ろじをまがりくる せいかかな)

6/9tue
顔向けて 雨をこがれる 南瓜かな
     (かおむけて あめをこがれる かぼちゃかな)

6/7sun
袋掛け 耳触れるまでの 葉擦れかな
     (ふくろかけ みみふれるまでの はずれかな)

6/5fri
ハバネラや カスタの響き 汗が飛ぶ
     (はばねらや かすたのひびき あせがとぶ)

6/4thu
蒸す夜に 焼き茄子の味を ともに言い
     (むすよるに やきなすのあじを ともにいい)

6/2tue
十薬や 敵なれども 花すがし
     (どくだみや かたきなれども はなすがし)

6/1mon
シロップに もぎたての梅を 選りにけり
     (しろっぷに もぎたてのうめを よりにけり)

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5/31sun
鯖と煮る 蕗のうまさよ 卯月かな
     (さばとにる ふきのうまさよ うづきかな)

5/30sat
タチアオイ 初入道に 見染められ
     (たちあおい はつにゅうどうに みそめられ)

5/29fri
炎天や 帆立の形 道に背に
     (えんてんや ほたてのかたち みちにせに)

柿若葉 アストゥリアスの 夏思ふ
     (かきわかば あすとぅりあすの なつおもう)

ピレネーを 五月に越える 銀の道
     (ぴれねーを ごがつにこえる ぎんのみち)

五月雨や 大樹の下で 名乗り合う
     (さみだれや たいじゅのしたで なのりあう)

あじさいの 揃いのマスク 登校日
     (あじさいの そろいのますく とうこうび)

5/25mon
蔦若葉 今年も描く 頃となり
     (つたわかば ことしもえがく ころとなり)

5/23sat
遥けきや 風涼しかり リラの街
     (はるけきや かぜすずしかり りらのまち)

5/21thu
鉢馬酔木 父祖伝来の 枝伸ばし
     (はちあしび ふそでんらいの えだのばし)

5/19tue
芍薬の 花の重さ知る 七十五
    (しゃくやくの はなのおもさしる ななじゅうご)

5/16sat
夕焼けや 琉球月見草の ピンクかな
  (ゆうやけや りゅうきゅうつきみそうの ぴんくかな)

5/15fri
薫風や 車椅子押す 人に吹く
     (くんぷうや くるまいすおす ひとにふく)

母ついぞ 柏餅には 見向きせず
     (ははついぞ かしわもちには みむきせず)

5/13wed
矢車草 透明な青を 今朝見たり
     (やぐるまそう とうめいなあおを けさみたり)

5/9sat
草餅や 香り強くと 企みぬ
     (くさもちや かおりつよくと たくらみぬ)

5/8fri
五月晴れ 国が認めし 家籠り
     (さつきばれ くにがみとめし いえごもり)

5/7thu
見上げるは 冬に繕いし 藤の棚
     (みあげるは ふゆにつくろいし ふじのたな)

藤の花 蜂入りしまま 迷路かな
     (ふじのはな はちいりしまま めいろかな)

5/6wed
友ありて 独居老人と なりし春
     (ともありて どっきょろうじんと なりしはる)

5/5tue
春愁や 犬は十五で わしゃ八十
 (しゅんしゅうや いぬはじゅうごで わしゃはちじゅう)

5/3sun
おさえめに 八十八夜の くしゃみかな
     (おさえめに はちじゅうはちやの くしゃみかな)

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4/27mon
やめし田は 紋白蝶と 風の音
     (やめしたは もんしろちょうと かぜのおと)

4/26sun
手に下げた 早生の新玉 家路かな
     (てにさげた わせのしんたま いえじかな)

4/25sat
コロナ禍や 人離れ立ち 春送る
     (ころなかや ひとはなれたち はるおくる)

4/24fri
振り向けば 少女なりけり 鋤起こし
     (ふりむけば しょうじょなりけり くわおこし)

4/23thu
苗を積む 妻のやる気は ほとばしり
     (なえをつむ つまのやるきは ほとばしり)

4/22wed
目癒えて オダマキの露 小さかり
     (めいえて おだまきのつゆ ちいさかり)

4/21tue
健啖の ジージが立てたる 幟かな
     (けんたんの じーじがたてたる のぼりかな)

4/19sun
夕まぐれ クレマチス白き 雨後の舞い
     (ゆうまぐれ くれまちすしろき うごのまい)

オダマキや 一日揺れて なお勁き
     (おだまきや いちにちゆれて なおつよき)

4/14tue
花おぼろ 十三参りの 虚空蔵
     (はなおぼろ じゅうさんまいりの こくうぞう)

4/13mon
啄木忌 三年不作の 柿新葉
     (たくぼくき さんねんふさくの かきしんば)

4/12sun
斃れたる ぶどうの新葉 二つ三つ
     (たおれたる ぶどうのしんば ふたつみつ)

4/11sat
春風や つましきも快 然りかな
     (しゅんぷうや つましきもかい しかりかな)

テレワークという名で 永き日を送る
     (てれわーくというなで ながきひをおくる)

4/9thu
半呆けが いいという人 さくら餅
     (はんぼけが いいというひと さくらもち)

4/8wed
春宵や 謡の会なる 旦那衆

4/5sun
雨ならば あの道行かむ 花ズオウ
     (あめならば あのみちいかむ はなずおう)

4/1wed
山笑う 晩学という 言葉知る
     (やまわらう ばんがくという ことばしる)

           **********************

3/31tue
いにしえの 砦を埋める 黄花かな
     (いにしえの とりでをうめる きばなかな)

3/27fri
ユキヤナギ 赤き小さき 靴ならぶ
     (ゆきやなぎ あかきちいさき くつならぶ)

3/26thu
鉢馬酔木 花ほころべば 父来たり
     (はちあしび はなほころべば ちちきたり)

3/25wed
揚げ雲雀 耕しつつの 眠気かな
     (あげひばり たがやしつつの ねむけかな)

3/24tue
師が描ける 埴輪の背には 黄花咲き
     (しがかける はにわのせには きばなさき)

3/23mon
花冷えや レジ打つ女の 赤い爪
     (はなびえや れじうつひとの あかいつめ)

3/22sun
カーネーション 花多き墓の 墓誌を見る
     (かーねーしょん はなおおきはかの ぼしをみる)

3/21sat
蕪村が句 諳んじいたり 春の海
     (ぶそんがく そらんじいたり はるのうみ)

相浜の 海鮮丼や 春来たり
     (あいはまの かいせんどんや はるきたり)

磯笛の 幻追いて 安房の海
     (いそぶえの まぼろしおいて あわのうみ)

3/20fri
春彼岸 妻畑から 墓参り
     (はるひがん つまはたけから はかまいり)

3/18wed
前日の 新聞くまなく 春の朝
     (ぜんじつの しんぶんくまなく はるのあさ)

3/17tue
もの言わぬ 春暖の祖父と 同い年
     (ものいわぬ しゅんだんのそふと おないどし)

3/16mon
花ニラや 楚々として庭を 席巻す
     (はなにらや そそとしてにわを せっけんす)

3/14sat
フキノトウ 遅きを悔いつつ 味噌とする
     (ふきのとう おそきをくいつつ みそとする)

3/10tue
終活の メモ先送りす 春霞
     (しゅうかつの めもさきおくりす はるがすみ)

3/9mon
第六感 老女は春に 冴え返り
     (だいろくかん ろうじょははるに さえかえり)

3/7sat
ミモザ咲く 鉄道好きの 人の家
     (みもざさく てつどうずきの ひとのいえ)

3/6fri
春めくや 耳に残れる かんこかな
     (はるめくや みみにのこれる かんこかな)

3/5thu
休校の 校舎でウグイス 学びおり
     (きゅうこうの こうしゃでうぐいす まなびおり)

3/4wed
雨雲を 見つつ早足 沈丁花
     (あまぐもを みつつはやあし ちんちょうげ)

***********************************************************

2/28fri
春の駅 アナンスの主は 遥かなり
     (はるのえき あなんすのぬしは はるかなり)

2/27thu
フキノトウ 宝庫空しく 二つ三つ
     (ふきのとう ほうこむなしく ふたつみつ)

2/26thu
三角の 一角昏し 冬の星
     (さんかくの いっかくくらし ふゆのほし)

2/25tue
如月や 豊後の仏の 顔想う
     (きさらぎや ぶんごのほとけの かおおもう)

2/24mon
着ぶくれし 妻が見とれる 福寿草
     (きぶくれし つまがみとれる ふくじゅそう)

2/21fri
かげろひや 申告すべき なにもなし
     (かげろいや しんこくすべき なにもなし)

2/20thu
切干しや 早わざありて 取り込みぬ
     (きりぼしや はやわざありて とりこみぬ)

2/19wed
腰曲がる 看護師マスクも ろうろうと
     (こしまがる かんごしますくも ろうろうと)

年一度 脳見る検査 余寒かな
     (ねんいちど のうみるけんさ よざむかな)

2/18tue
みちのくの 僧形薄し 西行忌
     (みちのくの そうぎょううすし さいぎょうき)

光あり 厚着を悔いて 西行忌
     (ひかりあり あつぎをくいて さいぎょうき)
        ※こっちは凡人、後悔ばかり。

2/15sat
蠟梅の 小さき寺や 舗道切れ
     (ろうばいの ちいさきてらや ほどうきれ)

2/12wed
七十五歳 AIとしゃべる 春の朝
     (ななじゅうご えいあいとしゃべる はるのあさ)

2/9sun
一の午 祖母の手をとり 雪の上
     (いちのうま そぼのてをとり ゆきのうえ)

2/6thu
岸崩れ 崩れしままに 春立ちぬ
     (きしくずれ くずれしままに はるたちぬ)

梅蕾 すました庭に ジョービタキ
     (うめつぼみ すましたにわに じょーびたき)

2/5wed

2/4tue
春耕の 田に海鳥の 集いおり
     (しゅんこうの たにうみどりの つどいおり)

2/3mon
友くれし 白銀の峰に 息をのむ
     (ともくれし はくぎんのみねに いきをのむ)

2/2sun   
膝伸ばし さすりさすりて 冬湯治
     (ひざのばし さすりさすりて ふゆとうじ)

2/1sat
夫婦して 門口に立つ 赤マフラー
     (ふうふして かどぐちにたつ あかまふらー)

***********************************************************

1/31fri
師はこぼす 身内の哀しさ 冬薔薇
     (しはこぼす みうちのかなしさ ふゆそうび)

1/29wed
雪払い ザル屋の後家が 店仕舞う
     (ゆきはらい ざるやのごけが みせしまう)

1/26sun
冬おじや コゲせがむ子の 微熱かな
     (ふゆおじや こげせがむこの びねつかな)


1/22wed
内陣で 少女は受験 阿弥陀堂
     (ないじんで しょうじょはじゅけん あみだどう)

1/19sun
母送り 独り身の友の 凍え声
     (ははおくり ひとりみのともの こごえごえ)

1/18sat
手作りの 木椅子冷たき 寒の朝
     (てづくりの きいすつめたき かんのあさ)

1/14tue
姉がいる 手袋の下の 時計かな

1/13mon
晴れ着なくも 光見つめる 男あり
     (はれぎなくも ひかりみつめる おとこあり)

1/12sun
国立に 新たな冬日 ノーサイド
     (こくりつに あらたなふゆび のーさいど)

1/11sat
寒の日や 正月ごとの 辞世の句
     (かんのひや しょうがつごとの じせいのく)

正月に 越し来る人の 顔赤し
     (しょうがつに こしきたるひとの かおあかし)

1/9thu
角々に デイのお迎え 初時雨
     (かどかどに でいのおむかえ はつしぐれ)

1/7tue
新年会 口真似上手な 母がいて
     (しんねんかい くちまねじょうずな ははがいて)

地吹雪や ビール飲みたき 男あり
     (じふぶきや びーるのみたき おとこあり)

1/3fri
シクラメン 一人住まいが タオル干し
     (しくらめん ひとりずまいが たおるほし)

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