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ダクタク2022年8月 ブログトップ

ダクタク句集2022年(令和4年)8月 [ダクタク2022年8月]

8/30tue
秋の風来て花痩せしサルスベリ
  (あきのかぜきてはなやせしさるすべり)

露草や 初お目見えの 庭の朝
  (つゆくさや はつおめみえの にわのあさ)
   ※曇り日が続いたのち昨日今日は一段と涼しい
    日。夜の気温が20度を切ると涼しいから一
    気に寒いへ悲鳴に変わる。庭の草の中に露草
    発見! 25年来、我が庭で初めて。

8/28sun
秋と聞き 山門今日は 中に入る
  (あきときき さんもんきょうは なかにいる)

眼鏡かえ スマホで秋の 季語一つ
  (めがねかえ すまほであきの きごひとつ)

8/27sat
夏豪雨 気圧配置の 骨身まで
  (なつごうう きあつはいちの ほねみまで)
   ※秋田、山形、新潟を中心に、この夏豪雨の被
    害が広がった。気圧配置の固定化と前線の居
    座り、線状降水帯の連続発生等によるものだ
    った。一週間ほど前からの事前の予報の通り
    であったが、それでも被害は甚大なものに。

8/25thu
眠らねば 班増えるとて 晩夏かな
  (ねむらねば はんふえるとて ばんかかな)

譲られし 苗のトマトの 味野生
  (ゆずられし なえのとまとの あじやせい)

8/24wed
少年の目に父祖の地よ盆地秋
  (しょうねんのめにふそのちよぼんちあき)
   ※8/23は白虎隊の日、自刃した日。その場所飯
    盛山からは砲煙にかすむ城下だけでなく会津
    盆地の初秋の景色が広く見えただろう。命全
    うすればもっともっと馴染んだはずの故郷の
    景色が。

8/22mon
朗読の声朝に聞く邦子の忌
  (ろうどくのこえあさにきくくにこのき)
   ※8/22は向田邦子忌日。YouTubeの朗読物は特に
    この1,2年で優良コンテンツが激増してい
    る。中でも人気を博しているのは、明治以降
    の大作家連の短編と向田邦子のドラマものだ。
    わかるような気がする。

8/21sun
三代の 球児いよよの ガッツあり
  (さんだいの きゅうじいよよの がっつあり)
   ※夏の甲子園も決勝を残すのみ。東北勢同士の
    決勝を夢見たが、まあ仙台育英の優勝が実現
    すれば大殊勲だ。

8/19fri
つかまらせ 花緒をすげる 秋めく日
  (つかまらせ はなおをすげる あきめくひ)
   ※当地はからっとした天気。こんな日はあらぬ
    ことを幻のように想像してみたい。下駄ばき
    で鼻緒が切れて困っていた少女がいた・・・。

8/18thu
対策の 水を飲みつつ 白槿
  (たいさくの みずをのみつつ しろむくげ)

溶接工 腕さえわたる 盆の明け
  (ようせつこう うでさえわたる ぼんのあけ)
   ※60歳を超えて所属した会社で一緒だった人
    と偶然会った。何年ぶりか? 溶接工のキャ
    ップを務めていた名人、その腕の変わらぬ自
    信はほんの2,3言でわかる。

8/17wed
葡萄一房光を貯めて下がりおり
  (ぶどうひとふさひかりをためてさがりおり)
   ※不順な気候の中で、我が家の名もないぶどう
    は大奮闘。例年より遅れ気味だがより多くの
    房をつけている。緑色の固い粒々が次第に飴
    色に、光を通すようになってきた。早いヤツ
    をつまみ食い出来るのがこの時期の無上の喜
    び。

8/16tue
学徒兵命全うすれば夏
  (がくとへいいのちまっとうすればなつ)
   ※学徒の繰上げ卒業にまつわる事実が新たにわ
    かったことを伝える特別番組を見た。決然と
    出陣式で雨中行進をした人たちの中で、なお
    多くの若人が戦地に行かなくても済んだこと
    を知る。

8/15mon
逢ひとふて 驟雨疾走 孫産まる
  (あいとうて しゅううしっそう まごうまる)
   ※姪夫婦に待望の初孫ができた。日頃冷静な二
    人だが、狂喜して病院に向かう。

8/14sun
嵐去る 盆の街角 見渡しぬ
  (あらしさる ぼんのまちかど みわたしぬ)

久闊の 言葉探して 盂蘭盆会
  (きゅうかつの ことばさがして うらぼんえ)

年寄りて 盆にことなし 風の音
  (としよりて ぼんにことなし かぜのおと)

8/13sat
盂蘭盆会 レーダーで追う 故郷の雲
  (うらぼんえ れーだーでおう くにのくも)
   ※スマホでPCで現在地以外の地域の天気、雨
    雲レーダー、災害可能性や警報・注意報のチ
    ェックが容易にかつ即座に出来る。
    必要があればそのまま即電話でコンタクトを
    とる、地域のメディアにアクセスをすること
    も可能だ。通信とデータ送受の革新は急速。
    しかし自然の猛威を前にして、出来ることは
    限られる。これは変わらない。

8/12fri
調律の 待たれる頭 炎天下
  (ちょうりつの またれるあたま えんてんか)

起動時の 膝の重さよ 秋立ちぬ
  (きどうじのひざのおもさよあきたちぬ)
   ※朝起きがけの膝の重さは老化速報。一年後の
    歩行能力を知ることが出来る。そう思う。ほ
    んの5~10歩で重さは消え、快調になるの
    だが。PCのように再起動で問題解決、とは
    いかない。立秋、しばらくは残暑、その後は
    確実に秋、着実に老化。

8/11thu
高山病 肩の小屋にて 米を炊く
  (こうざんびょう かたのこやにて こめをたく)
   ※若い頃4月に連休を待ちきれず、登山に出か
    けた。槍沢小屋を朝に出て槍ヶ岳を目指すシ
    ンプルな計画。ただ積雪は多く、ジグザグの
    登りが最後まで直登となる。登りの残り1/4
    くらいのところでガタンと体力が落ちた。
    先に着いて小屋で寛ぐ人の姿がはっきり見え
    るところだった。そこからなんと2時間強か
    かったのだ。1時間半はその場所でストップ。
    動けない。好天で良かった。50年前のこと。
    今では最高の思い出。今日は「山の日」とか。  

8/10tue
眼前は 水被る稲 晩夏光
  (がんぜんは みずかぶるいね ばんかこう)
   ※東北北部に豪雨被害が続いている。当地は暑
    さ続きで、盆明けの稲の刈入れを前にしてい
    る。とんでもない違い。

8/8mon
小型船 夏のくらしの 音がもれ
  (こがたせん なつのくらしの おとがもれ)
   ※くらしの音と問われたら、NHKラジオの正午
    過ぎ「昼のいこい」のテーマと答えるかもし
    れない。木更津港に係留している小型鋼船の
    一つからこれが聞こえた時、ジーーンときま
    したね。

8/7sun
白球の清涼と女子のブラスよ
  (はっきゅうのせいりょうとじょしのぶらすよ)
   ※夏の甲子園開幕。観客、応援団を入れての試
    合は一層熱が入る。それにしても応援席は女
    性上位だ。チェアガールにブラスバンド、女
    子は皆余裕たっぷり、笑顔がこぼれている。
    お付き合い参加ではない。

がしんたれ強豪以外よ暴れたれ
  (がしんたれきょうごういがいよあばれたれ)
   ※大阪桐蔭、何馬身か空いて智弁和歌山等々下
    馬評はどれも関西勢優位のよう。

8/6sat
原爆忌 乞ひ願ふこと 今多く
  (げんばくき こいねがうこと いまおおく)
 
母削る 鉛筆が誇り 原爆忌
  (ははけずる えんぴつがほこり げんばくき)
  ※今でも当時母が毎晩削ってくれた鉛筆のカッコ
   良さは周囲を寄せ付けなかったと思っている。
   ちなみに、幼少時代の私は暴れたら手が付けら
   れないと匙を投げられた挙句、家の中で「原爆」
   と呼ばれていた。
   
8/5fri
ホーン越し やや声低く 大暑かな
  (ほーんごし ややこえひくく たいしょかな)

上向いて ヴィーナス夏の かんばせを
  (うえむいて びーなすなつの かんばせを)

揺らぐごと 雲海に浮く 肩の小屋
  (ゆらぐごと うんかいにうく かたのこや)

8/4thu
外人の 教師が走る 夏の朝
  (がいじんの きょうしがはしる なつのあさ)
   ※オーストラリア出身の幼稚園の外人先生が走
    る。いつも遅れてくるようだ。おはようござ
    いますと挨拶する表情はいつも照れている。
    大きい幼稚園は差別化の目玉として英語教育
    を掲げる。ネーティヴの先生がいますよとい
    うわけだ。しかしそれ以外の仕事もなんでも
    やらされるみたい。園児を乗せたバスが着く
    と、にこやかにお迎えする。到着園児の顔、
    人数、バスの座席点検・・・朝から大変だ。

8/3wed
潮干狩り 一坪ほどが わが漁場
  (しおひがり ひとつぼほどが わがりょうば)
   ※海上は風通し万全だけれど、アサリを求めて
    さまようと予期せぬ密にもなりかねない。そ
    れで「動き回らないで」とスピーカーが。マ
    スク着用の注意はないが、しっかり着けてい
    る人が多い。もう今年は終わり、死なないで。
8/2tue
ほろ酔いの 教師は黒く 大夕焼
  (ほろよいの きょうしはくろく おおゆやけ)
   ※部活の指導を終えた教師は自転車でいち早く
    ご帰還。近くの一杯飲み屋に駆け込む。真っ
    赤な顔で家に向かう頃、生徒たちに会う。そ
    して「おう、気をつけて帰れよ」と。自転車
    はすでにふらふら・・・。世の中がすべて今
    より寛容な時代。

8/1mon
雨音は 夢か幻聴 蝉しぐれ
  (あまおとは ゆめかげんちょう せみしぐれ)
   ※深夜確かに雨音を聴いた。朝になってあれは
    雨でなかったとがっかりすることのないよう
    に、寝床でしっかり耳をそばだてた。しかし
    朝がっかりした。余計落胆した。降雨のシル
    シは露ほどもない。
    今朝はほんのちょっとだけど涼しいが、これ
    ぞ降雨のシルシでは? 家人はすげなく否定。
    降雨なしが決定。
    これからは寝床から起きて立って外を眺めて
    確認しようということになった。もっとも小
    生は少年時代に寝ぼけ癖の輝かしい戦歴があ
    るから、起き上がっての確認もそこまで含め
    て睡眠中の出来事となるかも。
    認知症の忍び寄っているせいなのか、熱中症
    近辺の暑さのせいなのか?



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