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ダクタク2020年9月 ブログトップ

ダクタク句集2020年(令和2年)9月 [ダクタク2020年9月]

9/30wed
秋めくや 釜のなおりて 昼の風呂
     (あきめくや かまのなおりて ひるのふろ)
        ※いつもと同じ風呂場なのに日差しが明るく、
         どこか別世界?のよう。超気持ちいい。
         もう9月も終わりだ。コロナ禍収束に向けた
         新たな動き、10月にはあるかなァ・・・。

9/29tue
秋澄みて 認知症みる 試験の日
     (あきすみて にんちしょうみる しけんのひ)
        ※免許証の更新に認知症試験が課される。大き
         なお世話だと思うが、法に則ってということ
         では致し方ない。無事好成績?で通過した。
         車検制度といい、この免許更新のチェックと
         いい、万事前広な規制を設けることの是非が
         ある。個人主義、自己責任の観点からは及び
         もつかないルールに見える。一方社会全体で
         のリスクミニマムの観点からは・・・。

9/27sun
秋分や おろす合羽の 袖長し
     (しゅうぶんや おろす合羽の そでながし)

秋薊 男手のひらの なめらかに
     (あきあざみ おとこてのひらの なめらかに)
        ※70歳台の男の手とは普通どんなものか? 
         その昔父の手をさすった経験からすると、皮
         膚は薄く白く、すべすべだった。それと較べ
         ると、まだごついし、男の手だなァと思って
         いたのだが。待てよ、随分すべすべしている。

9/25fri
年寄りの日や目は丈夫かと聞かれ
     (としよりのひや めはじょうぶかときかれ)

昼うとり 夜ごそごその 秋の虫
     (ひるうとり よるごそごその あきのむし)
        ※老い2題。強がりかもしれないが、或る一程
         度以下の老いの症状なら受け入れるというか、
         楽しむことが出来る。
         亡父に似て、夜と昼の逆転現象に陥ることが
         ある。深刻に言えば不眠であり休養がままな
         らない症状だ。時間があるにもかかわらず。
         楽に考えれば、時間はある、どうでもいいん
         じゃないか、ということになる。しかし、分
         かったって楽にはならないことも。これも老
         いか。

9/24thu
揺れており狐の剃刀とぞ答ふ
     (ゆれており きつねのかみそりとぞことふ)

プールにて 河原撫子 微笑めり
     (ぷーるにて かわらなでしこ ほほえめり)
        ※こちらの花は池江璃花子その人(のつもり)。
         別名はナデシコ、ヤマトナデシコ。

9/23wed
蚯蚓鳴く 遅き散歩の 闇の底
     (みみずなく おそきさんぽの やみのそこ)

風立ちて 愁思小さきに 気づきおり
     (かぜたちて しゅうしちさきに きづきおり)
        ※台風10号は予想より早めに東に進み、直接
         の影響は少ない見込みとか。昨日今日の涼し
         さは台風のおかげかも。家内は近所に住む二
         人が同時に入院したために大忙し。張り切っ
         てもいる。

9/22tue
運動会 みな金網に 指かけて
     (うんどうかい みなかなあみに ゆびかけて)
        ※コロナ禍下での運動会。家族応援団はグラウ
         ンドに入れない。もちろんお弁当を囲んでの
         昼休みも禁止。それでも家族はグラウンドに
         集まり、遠目で応援している。

9/21mon
お中日 曼殊沙華は 遅参せず
     (おちゅうにち まんじゅしゃげは ちさんせず)
        ※今日は一段と涼しい朝だ。ジョウビタキの姿
         を見かけた。が自信はない。早くないか?

小鳥来る 薄暗き雲の 低き日に
     (ことりくる うすぐらきくもの ひくきひに)

9/20sun
縁に出て 俳句談義や 獺祭忌
     (えんにでて はいくだんぎや だっさいき)

潔き 子規のうめきや 坂の秋
     (いさぎよき しきのうめきや さかのあき)
        ※子規庵を初めて訪れた時、聞いてはいたが周
         囲の環境の悪さにびっくりした。ラブホテル
         が隣接している。それでも視界を狭め、子規
         の当時の暮らしを思い描いたものだ。昨日今
         日はファンで賑やかかもしれない。
         改めて、子規の暮らしを思っての2句。

9/19sat
糸瓜忌や 布団重ねて 二度寝かな
     (へちまきや ふとんかさねて にどねかな)

子規の忌や 朝に帽子の 衣替え
     (しきのきや あさにぼうしの ころもがえ)
        ※9月19日は正岡子規の命日。ところで有名
         な句とよく似た句は類句などといって作者に
         意図があろうとなかろうと嫌われるが、この
         句はそれにはあたらないけれども、その調子
         やリズムが良すぎて、ちょっと自責の念に駆
         られる。
         自分で一番に思いつくのは芭蕉の奥の細道の
         有名な一句。
            象潟や雨に西施がねぶの花

9/18fri
白粉花の 夕に匂うと 知りたるも
     (おしろいの ゆうににおうと しりたるも)
        ※朝夕は大分しのぎやすくなってきた。オシロ
         イバナの匂いを求めて、夕方ナビするスマホ
         を手にさまよう・・・。こういうスマホがあ
         るなら、いますぐガラケーから乗り換えるの
         だが。

白粉花の 匂いナビする スマホかな
     (おしろいの においなびする すまほかな)

9/17thu
風の盆 男踊りを 夢に見し
     (かぜのぼん おとこおどりを ゆめにみし)

おわら節 唸るシニアの 顔涼し
     (おわらぶし うなるしにあの かおすずし

風の盆 か細き指に 惚れなおし
     (かぜのぼん かぼそきゆびに ほれなおし)
        ※男踊りの強さ、しなやかさは夢に見るほど。
         踊り手にはもちろんだが、歌い手の渋さには
         羨望を禁じ得ない。

9/16wed
曼殊沙華 咲くとも見せず ニョキと立つ
     (まんじゅしゃげ さくともみせず にょきとたつ)

蕎麦の花 赤きバイクに 焼けし顔
     (そばのはな あかきばいくに やけしかお)
        ※赤に関する2句と思ったが、曼殊沙華はまだ
         その花を見せず。家内は友人から白とオレン
         ジの曼殊沙華を貰うのだと言っている。

9/15tue
秋雨や まだ秋霖とまで行かず
     (あきさめや まだしゅうりんとまでいかず)
        ※一雨ごとに秋の気配を感じる。しかし前線が
         停滞しての長雨はない。幸い昨年9月9日の
         房総半島台風のようなこともない。とはいえ、
         やれやれとはいかない。今の気圧配置に台風
         が発生し、列島に近づいたら、昨年と同様な
         コースとなる確率が高いということだから。
         心配している。これトラウマ状態。

稲妻や 雲の襖を 透かせたり
     (いなづまや くものふすまを すかせたり)

9/14mon
新涼や 二年チームは 声抑え
     (しんりょうや にねんちーむは こえおさえ)
        ※地元高校のソフトボール部は9月から新チー
         ムに衣替え。じっと練習時間も声も我慢して
         いる。かつてオリンピック代表を輩出した部
         だから、今の選手も高い目標を持っているに
         違いない。彼女らにとって今は我慢を強いら
         れるだけではない。進路のチャンス迄失いか
         ねない。

9/13sun
待ちかねし 宅配来る日 白槿
     (まちかねし たくはいくるひ しろむくげ)

新涼や 岩稜を行く 動画見し
     (しんりょうや がんりょうをいく どうがみし)
        ※13年間使ったテレビを買い替えた。画面に
         無数の縦じまが入り、どうにも更新せざるを
         得なかった。今度のテレビは最新4Kが見れ
         てインターネットでユーチューブが楽しめる。
         発注した後は無性に到着が待ち遠しくなった。

9/12sat
露浴びて ぶどうの房の 二つ三つ
     (つゆあびて ぶどうのふさの ふたつみつ)

入院の人に 最後のぶどう摘む
     (にゅういんのひとに さいごのぶどうつむ)
        ※庭の一本のぶどうの木は今年も大きな豊かさ
         をくれた。立派なそれには見かけにおいて及
         ばないが。

9/11fri
草の丈 独居老人の 家ありき
     (くさのたけ どっきょろうじんの いえありき)
       ※住んでいる団地は昭和40年台にスタートし、
        拡大した。その頃の30歳台は概ね80歳台、
        住まいの多くは建て替えられたり、そのまま古
        くなるか。子供が使わないケースでは空き家の
        まま長期間雨風にさらされることも。

9/10thu
ブドウ摘まむ 指細けれど 種出さず
     (ぶどうつまむ ゆびほそけれど たねださず)
        ※去年の9月9日、房総半島台風でブドウは棚
         ごと全壊した。冬の間に再建?したブドウ棚
         は今季スズナリである。
         年頃の親戚の娘がやってきてミニブドウ狩り、
         やっぱり絵になるなァ。

9/9wed
天高く 派閥離合の 露わなる
     (てんたかく はばつりごうの あらわなる)
        ※自民総裁選、これだけ露わに派閥の数効果だ
         けで決まりそうな状況に問題意識はないのだ
         ろうか? 実質参加した者は数えるほど。
         派閥の縛りをなくし、全員自由投票にする。
         結果を見て派閥のリセットをする。「乗り換
         え自由」、「乗り換え無料」としなくては。
         今のままでは米大統領選を笑えない。

9/8tue
諍いは 英知を越えて 秋の海
     (いさかいは えいちをこえて あきのうみ)
        ※台風10号は事前の警戒も功を奏して、甚大
         な被害とはならず、胸をなでおろした。しか
         し東シナ海、南シナ海の抗争は台風以上の執
         拗さで続き、温帯低気圧へという見通しもな
         い。人が作った災禍が一番ほどけない。

9/6sun  
秋来る エドワード・ホッパーの 影が好き
   (あききたる えどわーど・ほっぱーの かげがすき)
        ※夏の太平洋高気圧が変化し、朝夕は涼しくな
         った。その代わり台風の進路が心配だ。
         水彩画で優しい印象のホッパーが好きだ。な
         にげない題材を描き、心に染みる作品が多い。

9/5sat
一徹も 夜のエアコンに 救われて
     (いってつも よるのえあこんに すくわれて)

ひまわりや アンチエイジの 矜持脆く
     (ひまわりや あんちえいじの きょうじもろく)
        ※今まで暑くても就寝中はエアコンをかけるこ
         とがなかった。ところが今夏は様変わり。随
         分世話になった。頑固一徹の爺様ももろいも
         のだ。自分でもこの変化を不甲斐ないとは思
         うが、後期高齢者になることだし・・・。

9/3thu
暑さそれとも台風か 流れ星
     (あつさそれともたいふうか ながれぼし)
        ※西日本に超大型の台風10号が接近中とか。
         太平洋高気圧が弱まったり東進すると、暑さ
         は後退するものの秋の台風は列島を直撃する。

音は秋 炎暑揺るがずと 見えながら
     (おとはあき えんしょゆるがずと みえながら)

9/1tue
病得て 一強なる人 潰え秋
     (やまいえて いっきょうなるひと ついえあき)
        ※不透明な、やるせない時期に、大きな動きが
         加わる。次政権トップの見通しは概ねついた
         ようだが、どんな陣容でどんな船出になるの
         か? 今日の涼しさで夏は終わらない。

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