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ダクタク2019年10月 ブログトップ

ダクタク句集2019年(令和1年)10月 [ダクタク2019年10月]

10/31thu
幼子を 繰り返し描く 秋深し
     (おさなごを くりかえしかく あきふかし)
        ※このところ顔のデッサンを真面目にやっている。
         多くはテレビやネットで出会ったお気に入りの
         顔、表情だ。
         じっくり時間をかけようとか、15分でしあげ
         ようとか、様々できて楽しい。やっぱり日本人
         の顔がいい。ホリは浅くとも奥は深い。

10/30wed
菊花展 花遅れての 空手形
     (きっかてん はなおくれての からてがた)
        ※知人丹精の菊が先日の15号で皆横倒しとなり、
         花の開きが著しく不調になったという。必死の
         介抱?を続けるが、目指した時期での花のピー
         ク作りは断念したという。しょぼくれている。

10/29tue
掘りしまま 落花生売る 雨上がり
     (ほりしまま らっかせいうる あめあがり)
        ※房総半島に再び豪雨の被害。15号の被害以来、
         ブルーシートをかけただけの住民はいかばかり
         だったか?
         「暑くもなし寒くもない、災害も少ない。だか
         ら人は易々と暮らし、人材は育たない」と揶揄
         付きで語られてきた房総の土地柄なのだが。

絵はどれも 晴天なのに 房総雨
     (えはどれも せいてんなのに ぼうそうう)
        ※強雨の中集まり、週末の文化祭の会場設営をし
         た。出品の絵を架け終わり、帰る頃には房総雨
         転じて暴走雨となった。

10/28mon
黒き影 地に累々と 浜の秋
     (くろきかげ ちにるいるいと はまのあき)
        ※ラグビー決勝はイングランド対南アフリカの対
         戦が決まった。オールブラックスはイングラン
         ドの前にその圧力を封じられ、戦略戦術両面で
         圧倒され敗退した。準々決勝までの比類なき?
         進軍からはちょっと信じられない結果となった。

10/26sat
警報の 解除の知らせ 虫なき夜
     (けいほうの かいじょのしらせ むしなきよ)
        ※千葉県が昨日一日豪雨に襲われた。小櫃川上流
         の亀山ダムが緊急放水する見込みと知り、一気
         に殺気立つ。この事態が自分の近くに? 近く
         の地区に避難勧告が出た。
         幸い放水は取りやめとなり、事なきを得た。

10/24thu
サツマイモ ついでの蔓に 舌鼓
     (さつまいも ついでのつるに したつづみ)
        ※貴重な晴れ間に収穫をした。狭い畑の3列の畝
         に、紅あずま、紅はるか、シルク・スイートの
         3品種。命じられるままに掘り進める。味わい
         はこれからだが、ツルの賞味はすぐ出来る。甘
         めの醤油で煮て、キンピラのようにピリ辛味に
         する。かなりのご馳走。江戸の昔から食されて
         きたと知る。
         イモもツルもと文句ないのだが、大量に出るツ
         ルと葉が曲者。二三ヶ月乾燥しても容易に燃え
         ない。半年近くたって、やっと処分できる。小
         さく切ってゴミ袋に入れて出す人も。

10/22tue
面ざしは 故郷の人に 秋の道
     (おもざしは こきょうのひとに あきのみち)
        ※即位礼当日で祝日。ゴミは集めに来ないし、昨
         夜とれた歯の詰め物を直して貰おうと歯医者に
         電話したらスゲナク休診ですと言われた。
         さりながら今日はおめでたい日、おだやかにつ
         つがなくを祈ること切なり。

10/21mon
美し夢 高みに去りて 鰯雲
     (うましゆめ たかみにさりて いわしぐも)
        ※ラグビー準決勝対南ア戦。格の違いを知らされ
         る圧力だった。ラインアウト、ターンオーバー
         等随所で差が見えた。後半敵にハンドリングミ
         スがなければ、もっと大差になっていたかも。
         夢から覚めて、ため息とこんな句が列島中に満
         ちている。

秋の蚊が ターンオーバー される瞬間
     (あきのかが たーんおーばー されるとき)

10/20sun
同志なる 母娘離り得ず 今朝の秋
     (どうしなる ははこさかりえず けさのあき)
        ※友人の100歳になるお母上が亡くなられた。
         お会いしたことはないが、温かい人柄に加え、
         一本筋の通った方だと以前から推察していた。
         会津盆地と松本盆地とを合わせ、母娘いっしょ
         の暮らしは半世紀近いだろう。合掌。

10/19sat
秋愁い バリウムバスに 並びおり
     (あきうれい ばりうむばすに ならびおり)
        ※度重なる風雨の被害あり、友人の病気あり、友
         人の近親者に不幸が相次いだりと、改めてこの
         秋はろくなことがない。
         ブルブルッ、吹く風は涼しさを通り越した。い
         やなバリウムが待っている。

10/18fri
新米を くれたる人の 黒い指
     (しんまいを くれたるひとの くろいゆび)

常よりも 盛りて新米 供えけり
     (つねよりも もりてしんまい そなえけり)
        ※家内が当地木更津の生まれ育ちなので、小中学
         校の同級生あたりから新米をいただいたりする。
         ブレンドをしていない純粋の地元米。おいしい。
         そうした縁で畑も借りている。稲わらや籾殻な
         ども。小生はありがたく寄生している。

10/16wed
瓦屋の手元に釣瓶落としの日
     (かわらやのてもとに つるべおとしのひ)
        ※台風15号から一ヶ月ちょっと、屋根のスレー
         ト補修と窓ガラスの復旧が終わった。とは言っ
         ても工事は半日だけ、多くは順番待ち。

10/15tue
笑みうかべ 水位を示す 秋の午後
     (えみうかべ すいいをしめす あきのごご)
        ※大河川の決壊による洪水被害が深刻だ。余りの
         様子に水が引いた後も自失状態の人々。呆れ気
         味の微笑みが痛々しい。

10/14mon
木犀の 鬱金遅参し 静かなり
     (もくせいの うこんちさんし しずかなり)
        ※彼岸花の開花遅れ、サクラの狂い咲き、そして
         金木犀の遅刻・・・全て台風襲来のパニックの
         せいだと信じている。

10/13sun
ススキの穂 嵐去る朝に 若々し
     (すすきのほ あらしさるあさに わかわかし)
        ※暴風雨の夜が明けて、被害の大きさが次第に明
         らかになる。各地で甚大な爪跡だ。ここ千葉県
         は心配したよりは比較的軽くて胸を撫でおろす。
         しかし台風15号の被害と合わせると状況は深
         刻だ。ブルーシートを吹き飛ばされた家が散見
         され、被災者の胸中がしのばれる

10/12sat
洋梨は 故郷の産よ 豊の秋
     (ようなしは こきょうのさんよ とよのあき)
        ※私の故郷会津を旅行中の先輩が旅先から「会津
         の果物」を送ってくれた。桃、梨と洋梨の詰め
         合わせ。洋梨の産地というのは初耳、おかげさ
         までおいしくいただいた。

10/11fri
破れたる 窓越し日々の 鱗雲
     (やぶれたる まどごしひびの うろこぐも)
        ※昨日までは台風の接近が嘘のように秋空が広が
         っていた。今日はさすがに雲が厚い。虎視眈々
         19号の露払いの雨雲が近づいている。

10/10thu
ふたまたの 大根十耕 したものの
     (ふたまたの だいこんじゅっこう したものの)
        ※大根十耕~大根は普通の何倍も耕し、土を深く
         柔らかくしてから植えよということらしい。
         「備えあれば・・・」というが、自然の驚異は
         時に一番弱いところをついてくる。備えはした
         ものの。

10/9wed
台風は みな来る気配 そぞろ寒
     (たいふうは みなくるけはい そぞろざむ)
        ※トラウマという症状が良く理解できるようにな
         ったのは台風15号の襲来以降のことだ。台風
         19号は海水温度の高い海域で急速に発達して
         最悪のコースをたどるかも。

10/7mon
爪使い イナゴの脚を もいでおり
     (つめつかい いなごのあしを もいでおり)
        ※東北地方では秋になるとイナゴの佃煮を食べる
         のが一般的だった。新鮮なやつを袋で買い、ま
         ず蒸し上げる。次に細かい異物は取り除き、イ
         ナゴの下肢の先っぽを摘み捨てる。ギザギザが
         ついているから。当時の貴重な蛋白源というよ
         り、甘露煮そのものがおいしく、おかずでもあ
         った。母親の味が一番。ザラメではなく白砂糖
         で薄味に上品に作られたものは苦手だった。

銀歯来る 秋の宝を 籠に詰め
     (ぎんばくる あきのたからを かごにつめ)
        ※小中学生の頃、季節の食材を届ける銀歯のオジ
         サンがいた。秋にはイナゴ、キノコ各種、春に
         は山菜なんでも、タケノコ、他にアユ、ウナギ、
         ドジョウ、川魚やシジミなど。要するに栽培で
         はなく、採集のお宝はなんでも持って来てくれ
         た。自分で採集するばかりでなく、多くの人か
         ら集めてくるネットを持っていた。
         「マムシはいるか?」「い、いらねえッ」

10/6sun
踏切に 若きススキの 少し揺れ
     (ふみきりに わかきすすきの すこしゆれ)

釣り師みな パーカー着込んで 初ふるえ
     (つりしみな ぱーかーきこんで はつふるえ)
        ※今朝は一段と涼しくなった。朝夕のTシャツ半
         袖はやせ我慢。倒壊した手製ブドウ棚のパイプ
         製枠組みが復旧、あとはゆっくり細かい棚をつ
         けていく。

10/5sat
イヌサフラン うすむらさきの 花来たり
     (いぬさふらん うすむらさきの はなきたり)
        ※コルチカムが正式名称で北アフリカ原産とあっ
         た。アヤメ科のサフランとは全くの別物。大き
         な球根で貰ってきたもの。
         季節違いのクロッカスとも似るが、こちらは花
         の時期に葉は全く見えない。

10/4fri
露けしや 線路をまたぐ 女の靴
     (つゆけしや せんろをまたぐ ひとのくつ)
        ※「危険ですので線路横断はしないで下さい」の
         看板は「ここなら安全です」のしるし。しかし
         線路の両側の道は雑草が生い茂り、窪地を跨ぐ
         小橋がかかっている。今の季節は朝露で靴はび
         しょ濡れになる。 

10/3thu
刈田雀 今日海鳥に 追われけり
     (かりたすずめ きょううみどりに おわれけり)
        ※被害を受けた堤道のサクラがどうしたわけかチ
         ラホラと花をつけている。結構な数。返り咲き
         というが、あれは小春日和の季節とかいうし・
         ・・、これは「狂い咲き」としか。
         ここから直線5キロほどの海岸には「盤洲干潟」
         という、動植物が豊かに生息するところがある
         が、海鳥が団体で内陸にやってくるのは冬以外
         には珍しい。

10/2wed
異邦人 昭和の歌もれ 良夜かな
     (いほうじん しょうわのうたもれ りょうやかな)
        ※西空に大きな三日月が見える。空気が澄んでい
         る。今日から10月。

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