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ダクタク2018年6月 ブログトップ

ダクタク句集2018年(平成30年)6月 [ダクタク2018年6月]

6/30sat
梅雨過ぎて 夏越の富士の 影青し
     (つゆすぎて なごしのふじの かげあおし)
        ※関東甲信の梅雨が明けた。当地も真夏日の上に
         熱帯夜が加わり、ガゼン住みづらくなった。梅雨
         明けがこのまま確定すると、1950年代に記録を
         とり始めて以来、初の6月中の梅雨明けになるん
         だとか。
         東京湾越しに見える富士の青い姿、こっちも梅
         雨明けのタマモノかな?

6/29fri
夏帽子 垣根の上で ツツと舞い
     (なつぼうし かきねのうえで つつとまい)
        ※女子中学生の帰校時、お揃いの白い帽子の一
         団がはしゃぎながら帰っていく。帽子はめずらし
         い。制服の一部かな? それとも、この暑さに母
         親が示し合わせて買い与えたのか?

6/28thu
紫陽花の 色に迷いて 午後は過ぎ
     (あじさいの いろにまよいて ごごはすぎ)
        ※今日の画題はガクアジサイ。青のガクが濃い青
         に変わり、一部は赤みを帯びている。この見事な
         色の変化と組み合わせは、紙の上に再現しよう
         とした途端に、憎らしいほど微妙なものになる。

6/27wed
色付きし ジューンドロップの 実を干しぬ
     (いろづきし じゅーんどろっぷの みをほしぬ)
        ※果樹は確実な子孫確保のために、多すぎる果
         実を6月頃に落とすという。栽培者からすれば、
         「最低限の自動摘果」。しかし欲の深い栽培者
         はそれらを拾い、「食べられるかも・・・」と日向
         に干してみる。7センチほどの桃の実がほんの
         りピンクがかる。

6/26tue
ひっそりと 西瓜の花に 通う朝
     (ひっそりと すいかのはなに かようあさ)
        ※早朝にスイカを植えた畑にクルマで駆けつける。
         貴重な梅雨の晴れ間、人工授粉の好機だ。去年
         成功の小玉ではなく大玉スイカだからハードルが
         高い。とはいえ、たった2苗。雌花が咲いている
         かな? ガソリンをかけて通う。

6/24sun
梅雨の風 荷風翁ふと 空見上げ
     (つゆのかぜ かふうおうふと そらみあげ)
        ※年齢のせいか、永井荷風の作品にしきりにふれ
         たくなる。散歩を好んだ彼の身なりはいつもきち
         んとしていた。背広にネクタイ、手にはいつもの
         カバンと傘が。

6/23sat
梅雨の朝 人待ち顔の 床屋かな
     (つゆのあさ ひとまちがおの とこやかな)
        ※今年の梅雨は梅雨らしい日が続く。知り合いの
         床屋の親父さんが空を眺めて店先にたたずんで
         いた。畑が気になるが商売優先、月曜日までお
         預け・・・。

6/22fri
国会の ニュースこまごま 青田風
     (こっかいの にゅーすこまごま あおたかぜ)
        ※梅雨の晴れ間に爽やかな風が吹き渡る。コマゴ
         マとした議論と空虚さは果てしないように見える。
         丁寧という名の沈滞。

6/21thu
おのずから 廻廊なるや 立ち葵
     (おのずから かいろうなるや たちあおい)
        ※以前に農業と造園業勤務をしていたらしい人が
         作っている畑。野菜に混じって花々がたくさん
         ある、広いゆとりの畑だ。土地が肥えているの
         か、タチアオイの成長がハンパない。それが畑
         への道を飾っている。タチアオイ、ムクゲ、そし
         て畑のオクラの花も・・・大好きな日本の花。

6/20wed
ホトトギス レジ待つ人と 聞きにけり
     (ほととぎす れじまつひとと ききにけり)
        ※小雨模様の午後、鳴き声が聞こえた。山とは距
         離があるのに、かすかにしかししっかりと。梅雨
         の合間の清涼剤。いい土地だなァと目で会話す
         る。

6/19tue
泰山木 白き香りが 届けられ
     (たいさんぼく しろきかおりが とどけられ)
        ※泰山木は切花にはならないが、家内の同級生
         のご主人が枝を切って届けてくれる。「泰山木が
         好き」と言ってから毎年のことだ。真っ白な、
         大きな花は柑橘系のような、控えめな香り。朝
         晩顔を寄せる。切花ならではの贅沢なクンクン
         ・・・。ありがたい。

十薬や クスリはびこり 毟るのみ
     (じゅうやくや くすりはびこり むしるのみ)
        ※十薬とはドクダミのこと。土壌にもよるのだろ
         うが、我が家は一面根深く茂っている。漂うニ
         オイは悪くないが、消去を命じられる。利用を
         考えつつも、ただ毟る。

6/18mon
梅雨寒や 病む姉に妻 メール打ち
     (つゆざむや やむあねにつま めーるうち)
        ※ゆっくりと指を動かしメールを読む、時に何度
         も・・・。これ、病人の希望。気がついたときに
         時間をかけて返信を打つ。メールは人にやさ
         しい通信手段。

6/17sun
つゆの午後 オルガのバラード 指でぽんッ
     (つゆのごご おるがのばらーど ゆびでぽんっ)
        ※降り止まぬ雨を見ながら美人の一曲を聴く。
          オルガ・シェプス(piano)
          ヒラリー・ハーン(violin)
          アナ・ヴィドヴィチ(guitar)
         勝手に選んだ、同じ年代の若く美しい3人。庄
         司紗耶香は入らないけれど、彼女は別格本山。

6/16sat
小糠雨 上野の山の 昔かな
     (こぬかあめ うえののやまの むかしかな)
        ※シニア男の相合傘で公園を横切る。知人が出
         品している版画展を見に行く。動物園も静か。
         ホッとする静かさ。

6/14thu
サボテンや ノド病む犬の 紐ゆるめ
     (さぼてんや のどやむいぬの ひもゆるめ)
        ※臆病な当家の飼い犬(メス・7歳)は相性の悪
         そうな犬や人間には警戒し、飛びつく格好をし
         て吠えたてる。その度に首に紐が食い込む。そ
         れが祟って喉が腫れたのではないかな? 同
         じことをしたとき、ノドをゼイゼイやったり、咳き
         込んだりする。

6/13wed
新茶飲み ためらいつつも 「買う」を押す
     (しんちゃのみ ためらいつつも かうをおす)
        ※ネットで買い物をする。慣れたつもりでも一抹の
         不安が頭をよぎる。

6/12tue
梅雨の朝 五台のクルマ 皆発ちぬ
     (つゆのあさ ごだいのくるま みなたちぬ)
        ※近所の家は家族5人がそれぞれ朝クルマで出勤
         する。普通の戸建ての家だが、5台分の駐車スペ
         ースは壮大だ。家の周囲は狭く、コンクリートが打
         たれ雑草も生えない。最近の傾向ではある。

6/11mon
ジキタリス 台風の報に なお毅然
     (じきたりす たいふうのほうに なおきぜん)
        ※台風5号接近だが、雨風共さほどではないかも。
         一昨日の猛烈な蒸し暑さが嘘のよう。
         シンガポールでもしっとりと落ち着いた会談が
         行われればと切に願う。埃っぽい、雑なニュー
         スは願い下げだ。

6/10sun
梅の実や 米朝会談の 様々に
     (うめのみや べいちょうかいだんの さまざまに)

期待する 拉致の家族や 梅雨の夜
     (きたいする らちのかぞくや つゆのよる)

6/9sat
梅雨台風 週間予報で 身構えぬ
     (つゆたいふう しゅうかんよほうで みがまえぬ)
        ※最近の天気予報は精度が高い。週間予報もま
         るで物語つきで教えてくれる。うーーん、暮らし
         ぶりが決まってしまうみたいで、良いことばかり
         ではないが・・・。

6/8fri
双つ子を 前後に乗せて 梅雨の母
     (ふたつごを ぜんごにのせて つゆのはは)
        ※小雨なんか気にしない。鼻歌まじりの自転車の
         ママ。保育園に預けた後は勤めがあるのだろう。
         時々見かけると、こちらもパワーがもらえそう。

6/7thu
じゃがいもの まだ小さくて 走り梅雨
     (じゃがいもの まだちいさくて はしりづゆ)

鉢のユリ 皆咲きそろい 梅雨の入り
     (はちのゆり みなさきそろい つゆのいり)
        ※じゃがいもを収穫し、鉢のユリが全部咲いてか
         ら梅雨の入りかなと思っていたが、予定通りに
         はいかない。ジャガイモ「キタアカリ」は小さかっ
         たが、ホクホク、やや甘めで味は満足。

6/6wed
山路さす 二人を追いて 蛍がり
     (やまじさす ふたりをおいて ほたるがり)
        ※蛍を見たという人がいたのに、一番信頼する
         ウォッチャーからはなんの連絡もない。啄木の
         歌に、「ほたる狩り川に行かむという我を 山
         路にさそう君にてありき」というのがあった。
         その歌をパクって、ホタル待ちかねの句としま
         した。

6/5tue
真菰畑 少し減りしも 雉住めり
     (まこもばた すこしへりしも きじすめり)
        ※真菰畑では今ヨシキリが盛んに鳴いている。し
         かし真の主人はキジの一団。朝夕よく見かける
         のだが、ここに棲み着いているか? 何家族な
         のか?は実は不明。

6/4mon
雲映す 父の作りし シャボン玉
     (くもうつす ちちのつくりし しゃぼんだま)
        ※6月の声を聞くとなぜかシャボン玉を思い浮か
         べる。昔は普通の石鹸をとくばかり、ストローも
         工夫なしで、シャボン玉はただ大きさを競うだけ
         だった。いびつな大きな玉の表面は家を写し、
         空を写し、雲も・・・。その雲がゆらゆら揺れてい
         た。

6/2sat
旅終えて すぐの仕事や 袋かけ
     (たびおえて すぐのしごとや ふくろかけ)
        ※作物は待ってはくれない。モモの2度目の摘果
         を兼ねて袋かけをする。モモは果軸の部分が短
         いから袋かけがむずかしい。・・・思い切って摘果
         して実を減らしたが、それでも170枚ほど袋をか
         けた。これが一本の木なのだから、我が家の桃
         の木は立派なもの、と思う。
         ただ大きな実にはならない。味は良い。

6/1fri
くちなしや 庭で髪すく 女を見し
     (くちなしや にわでかみすく ひとをみし)
        ※今日から6月。今となってはやや古風な光景を
         目にした。女性がもう少し若ければ・・・。
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