ダクタク句集2023年(令和5年)7月 [ダクタク2023年7月]
7/31mon
胃を切りし人声高く油照り
(いをきりしひとこえたかくあぶらでり)
※友人知人の中に胃ガンで手術をした人が数
人いる。進行度にもよるのだろうが、最近
の何人かの方が予後が元気だ。表向きだが、
こちらが面食らうほどの声で充実の暮らし
ぶりを伝えてくれる人も。
7/29sat
苗売りのリヤカーが行く夢一夜
(なえうりのりやかーがいくゆめいちや)
※こう寝苦しい夜が続くと寝なくてはという
強迫観念は薄くなる。どうにでもなれと。
家々を廻る物売りのリヤカーなど、おぼろ
になって数十年もスキップすれば・・・。
7/28fri
子を褒める気持ちや桃の実がとれて
(こをほめるきもちやもものみがとれて)
※今季は枝の剪定と実欠きを今まで以上にや
ったことが功を奏し、見事な形の桃が数多
く採れた。お礼肥えをしっかりとやる。
7/27thu
悔やむことルーチンとなり夜光虫
(くやむことるーちんとなりやこうちゅう)
※今更悔やんでも何にもならない、もうとっ
くにわかっていることだけれど。
ははん・・・またやっている。制御不能。
7/26wed
皇后のアガパンサスよ巨き愛
(こうごうのあがぱんさすよおおきあい)
※7/24の誕生花はアガパンサスだった。花言
葉は純粋な愛。当家のアガパンサスもすぐ
隣家のそれも、背が高い。他所で見るより
背が高い。何故か雅子皇后を思った。
最近の笑顔は良い。花言葉もぴったり。
7/25tue
AIに画像使えと大暑かな
(えーあいにがぞうつかえとたいしょかな)
※生成AIの開発をめぐっての議論が世界的規
模でまっことかまびすしい。大きな懸念、
論点の一つが著作権侵害にかかわる問題だ。
LLCがどこからどの範囲でどう形をのこして
情報を得るか? フフッ、高みの見物。
7/24mon
風鈴やつたなき句を短冊に
(ふうりんやつたなきくをたんざくに)
オハグロの雨なき庭にとどまりて
(おはぐろのあめなきにわにとどまりて)
7/23sun
文庫本持つ手細りて梅雨末期
(ぶんこぼんもつてほそりてつゆまっき)
※朝晩はやや凌ぎやすい。特に朝早くは長袖
の寝巻に替えてゆっくり読書が出来る。そ
ういえば定期の検診でかかりつけ医から筋
肉維持の大切さを説かれ、太腿の中頃を自
分の両手で測ってみるように言われた。
体重の減少は良くても、それが筋肉の減少
によるものだったら問題ということらしい。
7/22sat
巴里祭終電車なる映画見し
(ぱりーさいしゅうでんしゃなるえいがみし)
※フランス映画はいいなあ。監督フランソワ
・トリュフォーの描くカトリーヌ・ドヌー
ブの円熟味だ。食傷気味のハリウッド映画
の陰で・・・。
梅雨寒や明日は切らむ足の爪
(つゆざむやあしたはきらんあしのつめ)
7/21fri
久闊や今日の炎暑を見舞い合う
(きゅうかつやきょうのえんしょをみまいあう)
古い顔梅雨の晴れ間のともしらが
(ふるいかおつゆのしらがのともしらが)
※「古い顔」という歌を、宴の最後に肩を組
み輪になって歌う。前回から4年近く経っ
ているから一同の老けはすごい。
78~81歳だし当然のことだ。ホッとし
ている。
7/20thu
夏帽子代々木駅から道険し
(なつぼうしよよぎえきからみちけわし)
日盛りやゆるり集まる同期会
(ひざかりやゆるりあつまるどうきかい)
※先日の東京猛暑日の昼日中、以前の勤務先
の同期会に出席した。年齢を考慮しての正
午開催なのだが、この日は裏目に。
7/19wed
門仲の居酒屋前に夏帽子
(もんなかのいざかやまえになつぼうし)
※あの、有名な居酒屋は健在だろうか?午後
5時少し前に店を開くのだが、その1時間
前から行列が出来る。幸いアーケードの屋
根で西日が当たることはない。しかし苦労
して入店しても、カウンターの上に片方の
肩を入れて立って飲むのだ。
バカ安、バカ旨。
7/18tue
早起きの姐やにやさし白粉花
(はやおきのねえやにやさしおしろいばな)
茄子の花日照りの下で父描けり
(なすのはなひでりのしたでちちかけり)
7/16sun
噴火忌や観光バスの馬力増え
(ふんかきやかんこうばすのばりきふえ)
※故郷の歳時記で磐梯山噴火忌を季語にした
句を読んだ。明治21年7月15日、午前8時少
し前とある。記憶にある最初の裏磐梯は急
坂で息せき切ったバスに乗って到着した。
毘沙門沼のエメラルド、他の五色沼の神秘、
桧原湖の光り、5歳の子供にはこの世のも
のとは思えなかった。噴火のお蔭とは!
7/13thu
年代の入りしウチワ古団扇
(ねんだいのはいりしうちわふるうちわ)
※団扇を配ることがなくなってきているから
古い団扇を大切にしている。比較的新しい
もので年代が特定できるものがあり、昭和
と分かってびっくり。35年以上も前。
7/12wed
家にいて四万六千日の夢
(いえにいてしまんろくせんにちのゆめ)
※観音様の結縁日に参詣すると四万六千日分
の功徳があるというコスパ抜群のお話。こ
のことは知っていたのだが、これが鬼灯市
の日取りと同じとは気づかなかった。田舎
者だねえ。
7/10mon
息ひそめ西瓜の受粉日の始め
(いきひそめすいかのじゅふんひのはじめ)
※不順な気候に人間世界はやり込められ続き
だが、当地の作物は結構順調だという話を
聞く。当家の畑作物、果樹もしかり、今の
ところうまくいっている。
7/8sat
朝曇り入院せりと仔細なく
(あさぐもりにゅういんせりとしさいなく)
※近くに住む親族が転倒して骨折3ヵ所。最
悪上手く回復しなければ車椅子ということ
も。しばらくは落ち着かない日々となりそ
う。
7/6thu
夏帽子やっと小さくなりし顔
(なつぼうしやっとちいさくなりしかお)
※雷雨と俄雨が続いたが、蒸し暑い晴れ間に
戻った。頃は7月、梅雨明けは待たずに夏
の道具を少しだけ。一番大きな麦わら帽子
で、帽子の似合わぬ、でかい顔が・・・。
7/5wed
七月や九州の雨上がらざる
(しちがつやきゅうしゅうのあめあがらざる)
上海の夏エアコンの止まらずと
(しゃんはいのなつえあこんのとまらずと)
ウクライナ西日戦慄じりじりと
(うくらいなにしびせんりつじりじりと)
7/4tue
真夜中の雷怖さ伝え得ず
(まよなかのかみなりこわさつたええず)
※関東の急な強雨と雷の発生はずうっと北関
東から埼玉付近までに限られていた。しか
し遂に今朝ニ時までの一時間に最大級の雷
に襲われた。雷鳴その音と数、激しさ、落
雷点の近さと数、継続時間・・・そのどれ
をとっても「怖さ」では史上No1だ。
さすが雷銀座生まれの雷、半端でない。
雷鳴や有り金参ると息殺し
(らいめいやありがねまいるといきころし)
暗闇に白爪草の稲光
(くらやみにしろつめぐさのいなびかり)
7/3mon
七月の句帳綴りて青インク
(しちがつのくちょうつづりてあおいんく)
バスで行くお田植祭や弾んだ日
(ばすでいくおたうえさいやはずんだひ)
※稲作の一毛作化に遠因があるらしいが、他
に農業機械化、苗栽培の分業化、農薬によ
る栽培短縮、早期刈入れでの台風時期の回
避、ざっとこんな理由で田植えはぐうーん
と早くなった。故郷でのお田植祭はすべて
7月に入ってからだ。
7/2sun
球拾ふ弟の蹴り半夏生
(たまひろうおとうとのけりはんげしょう)
腕を噛み上目遣いの犬の梅雨
(うでをかみうわめづかいのいぬのつゆ)
7/1sat
暑しとて人犬床に熱帯夜
(あつしとてひといぬゆかにねったいや)
短夜や薬効うすき犬の咳
(みじかよややっこううすきいぬのせき)
※とはいえ、一応医師の所見と処方は貰ってい
るがあてにはならないので、様々な咳止め対
策を試している。ハチミツを舐めさせ、蓮根
汁が効くといって濾して飲ませたり、最近は
もっと安直に大根の汁がいいとか・・・。
結構効いている、かと思うと思い切り咳き込
んで、短夜はたちまち過ぎていく。
胃を切りし人声高く油照り
(いをきりしひとこえたかくあぶらでり)
※友人知人の中に胃ガンで手術をした人が数
人いる。進行度にもよるのだろうが、最近
の何人かの方が予後が元気だ。表向きだが、
こちらが面食らうほどの声で充実の暮らし
ぶりを伝えてくれる人も。
7/29sat
苗売りのリヤカーが行く夢一夜
(なえうりのりやかーがいくゆめいちや)
※こう寝苦しい夜が続くと寝なくてはという
強迫観念は薄くなる。どうにでもなれと。
家々を廻る物売りのリヤカーなど、おぼろ
になって数十年もスキップすれば・・・。
7/28fri
子を褒める気持ちや桃の実がとれて
(こをほめるきもちやもものみがとれて)
※今季は枝の剪定と実欠きを今まで以上にや
ったことが功を奏し、見事な形の桃が数多
く採れた。お礼肥えをしっかりとやる。
7/27thu
悔やむことルーチンとなり夜光虫
(くやむことるーちんとなりやこうちゅう)
※今更悔やんでも何にもならない、もうとっ
くにわかっていることだけれど。
ははん・・・またやっている。制御不能。
7/26wed
皇后のアガパンサスよ巨き愛
(こうごうのあがぱんさすよおおきあい)
※7/24の誕生花はアガパンサスだった。花言
葉は純粋な愛。当家のアガパンサスもすぐ
隣家のそれも、背が高い。他所で見るより
背が高い。何故か雅子皇后を思った。
最近の笑顔は良い。花言葉もぴったり。
7/25tue
AIに画像使えと大暑かな
(えーあいにがぞうつかえとたいしょかな)
※生成AIの開発をめぐっての議論が世界的規
模でまっことかまびすしい。大きな懸念、
論点の一つが著作権侵害にかかわる問題だ。
LLCがどこからどの範囲でどう形をのこして
情報を得るか? フフッ、高みの見物。
7/24mon
風鈴やつたなき句を短冊に
(ふうりんやつたなきくをたんざくに)
オハグロの雨なき庭にとどまりて
(おはぐろのあめなきにわにとどまりて)
7/23sun
文庫本持つ手細りて梅雨末期
(ぶんこぼんもつてほそりてつゆまっき)
※朝晩はやや凌ぎやすい。特に朝早くは長袖
の寝巻に替えてゆっくり読書が出来る。そ
ういえば定期の検診でかかりつけ医から筋
肉維持の大切さを説かれ、太腿の中頃を自
分の両手で測ってみるように言われた。
体重の減少は良くても、それが筋肉の減少
によるものだったら問題ということらしい。
7/22sat
巴里祭終電車なる映画見し
(ぱりーさいしゅうでんしゃなるえいがみし)
※フランス映画はいいなあ。監督フランソワ
・トリュフォーの描くカトリーヌ・ドヌー
ブの円熟味だ。食傷気味のハリウッド映画
の陰で・・・。
梅雨寒や明日は切らむ足の爪
(つゆざむやあしたはきらんあしのつめ)
7/21fri
久闊や今日の炎暑を見舞い合う
(きゅうかつやきょうのえんしょをみまいあう)
古い顔梅雨の晴れ間のともしらが
(ふるいかおつゆのしらがのともしらが)
※「古い顔」という歌を、宴の最後に肩を組
み輪になって歌う。前回から4年近く経っ
ているから一同の老けはすごい。
78~81歳だし当然のことだ。ホッとし
ている。
7/20thu
夏帽子代々木駅から道険し
(なつぼうしよよぎえきからみちけわし)
日盛りやゆるり集まる同期会
(ひざかりやゆるりあつまるどうきかい)
※先日の東京猛暑日の昼日中、以前の勤務先
の同期会に出席した。年齢を考慮しての正
午開催なのだが、この日は裏目に。
7/19wed
門仲の居酒屋前に夏帽子
(もんなかのいざかやまえになつぼうし)
※あの、有名な居酒屋は健在だろうか?午後
5時少し前に店を開くのだが、その1時間
前から行列が出来る。幸いアーケードの屋
根で西日が当たることはない。しかし苦労
して入店しても、カウンターの上に片方の
肩を入れて立って飲むのだ。
バカ安、バカ旨。
7/18tue
早起きの姐やにやさし白粉花
(はやおきのねえやにやさしおしろいばな)
茄子の花日照りの下で父描けり
(なすのはなひでりのしたでちちかけり)
7/16sun
噴火忌や観光バスの馬力増え
(ふんかきやかんこうばすのばりきふえ)
※故郷の歳時記で磐梯山噴火忌を季語にした
句を読んだ。明治21年7月15日、午前8時少
し前とある。記憶にある最初の裏磐梯は急
坂で息せき切ったバスに乗って到着した。
毘沙門沼のエメラルド、他の五色沼の神秘、
桧原湖の光り、5歳の子供にはこの世のも
のとは思えなかった。噴火のお蔭とは!
7/13thu
年代の入りしウチワ古団扇
(ねんだいのはいりしうちわふるうちわ)
※団扇を配ることがなくなってきているから
古い団扇を大切にしている。比較的新しい
もので年代が特定できるものがあり、昭和
と分かってびっくり。35年以上も前。
7/12wed
家にいて四万六千日の夢
(いえにいてしまんろくせんにちのゆめ)
※観音様の結縁日に参詣すると四万六千日分
の功徳があるというコスパ抜群のお話。こ
のことは知っていたのだが、これが鬼灯市
の日取りと同じとは気づかなかった。田舎
者だねえ。
7/10mon
息ひそめ西瓜の受粉日の始め
(いきひそめすいかのじゅふんひのはじめ)
※不順な気候に人間世界はやり込められ続き
だが、当地の作物は結構順調だという話を
聞く。当家の畑作物、果樹もしかり、今の
ところうまくいっている。
7/8sat
朝曇り入院せりと仔細なく
(あさぐもりにゅういんせりとしさいなく)
※近くに住む親族が転倒して骨折3ヵ所。最
悪上手く回復しなければ車椅子ということ
も。しばらくは落ち着かない日々となりそ
う。
7/6thu
夏帽子やっと小さくなりし顔
(なつぼうしやっとちいさくなりしかお)
※雷雨と俄雨が続いたが、蒸し暑い晴れ間に
戻った。頃は7月、梅雨明けは待たずに夏
の道具を少しだけ。一番大きな麦わら帽子
で、帽子の似合わぬ、でかい顔が・・・。
7/5wed
七月や九州の雨上がらざる
(しちがつやきゅうしゅうのあめあがらざる)
上海の夏エアコンの止まらずと
(しゃんはいのなつえあこんのとまらずと)
ウクライナ西日戦慄じりじりと
(うくらいなにしびせんりつじりじりと)
7/4tue
真夜中の雷怖さ伝え得ず
(まよなかのかみなりこわさつたええず)
※関東の急な強雨と雷の発生はずうっと北関
東から埼玉付近までに限られていた。しか
し遂に今朝ニ時までの一時間に最大級の雷
に襲われた。雷鳴その音と数、激しさ、落
雷点の近さと数、継続時間・・・そのどれ
をとっても「怖さ」では史上No1だ。
さすが雷銀座生まれの雷、半端でない。
雷鳴や有り金参ると息殺し
(らいめいやありがねまいるといきころし)
暗闇に白爪草の稲光
(くらやみにしろつめぐさのいなびかり)
7/3mon
七月の句帳綴りて青インク
(しちがつのくちょうつづりてあおいんく)
バスで行くお田植祭や弾んだ日
(ばすでいくおたうえさいやはずんだひ)
※稲作の一毛作化に遠因があるらしいが、他
に農業機械化、苗栽培の分業化、農薬によ
る栽培短縮、早期刈入れでの台風時期の回
避、ざっとこんな理由で田植えはぐうーん
と早くなった。故郷でのお田植祭はすべて
7月に入ってからだ。
7/2sun
球拾ふ弟の蹴り半夏生
(たまひろうおとうとのけりはんげしょう)
腕を噛み上目遣いの犬の梅雨
(うでをかみうわめづかいのいぬのつゆ)
7/1sat
暑しとて人犬床に熱帯夜
(あつしとてひといぬゆかにねったいや)
短夜や薬効うすき犬の咳
(みじかよややっこううすきいぬのせき)
※とはいえ、一応医師の所見と処方は貰ってい
るがあてにはならないので、様々な咳止め対
策を試している。ハチミツを舐めさせ、蓮根
汁が効くといって濾して飲ませたり、最近は
もっと安直に大根の汁がいいとか・・・。
結構効いている、かと思うと思い切り咳き込
んで、短夜はたちまち過ぎていく。