ダクタク句集2021年(令和3年)7月 [ダクタク2021年7月]
7/31sat
地元紙にくるまれ母の夏野菜
(じもとしに くるまれははの なつやさい)
※下宿先で空に浮かんだ五輪マークを見た。
57年前の10月。東京生活1年目のあの頃、
こういうものが届いた。
7/30fri
激増も マスクと夏の 暮らしかな
(げきぞうも マスクとなつのくらしかな)
勤めあり 熱帯夜あり 五輪あり
(つとめあり ねったいやあり ごりんあり)
※どんなに感染が拡大しても工場勤務は続く。
都心から放射される拡大の波はこれ以上協力
しても限界。抵抗できない・・・と。体力を
誇る知人の息子のコロナ禍2題。
7/29thu
炎天や 白髪だけの 溝掃除
(えんてんや はくはつだけの みぞそうじ)
風鈴の 短冊に願い かけ直し
(ふうりんの たんざくにねがい かけなおし)
※一都三県の感染者数はなにやらキナ臭い匂い
までしそうだ。ピークアウトするのか、更に
暴騰となるのか。
7/28wed
この夏は 遅めの出会い 川とんぼ
(このなつは おそめのであい かわとんぼ)
※興味に任せてテレビ観戦を続けていると、エ
アコンはつけているのに頭がおかしくなりそ
う・・・。自重と口だけでは駄目。年齢相応
の自制を、と再度の自戒。
7/27tue
朝市の 婆こっくりと 紅蜀葵
(あさいちの ばばこっくりと こうしょっき)
※漁港近くの朝市はコロナ禍とオリンピックが
かさなり、地元客だけがパラパラと散歩がて
らの買い物。何十年か前にもどったようだと。
7/26mon
夏の日や 力出し切る 妙ありて
(なつのひや ちからだしきる みょうありて)
百日紅 五輪の色に 咲き初める
(さるすべり ごりんのいろに さきそめる)
※五輪のテレビ観戦を少し控えなくては・・・
と自戒。日本選手の活躍を追おうとは思って
いないのだが、昨日などは自然にそうなって
しまった。今日も自重、自重と念じつつ観戦
三昧。
7/24sat
雷が清め開会式の夜
(かみなりがきよめ かいかいしきのよる)
※紆余曲折を非難されつつも、昨夜の開会式。
控えめとの感想がありつつ、自己主張や国威
発揚の要素は少なく、自国の伝統や文化に過
度に固執することもなく、大人の開会式運営
だった、と思う。
7/23fri
打ち水や リサイクル屋の 浴衣見る
(うちみずや りさいくるやの ゆかたみる)
※衣料や小物を中心としたリサイクル屋がある。
女主人が浴衣姿でホースで水撒きしていた。
7/22thu
白玉や 墓の話を 少しして
(しろたまや はかのはなしを すこしして)
※後期高齢者の仲間入りをして、お墓はその使
用時期が近づいている。しかし夫婦で考え方
が違う。それで「ま、いいか、そのうちに・
・・」とほっといてある。
7/21wed
夏の庭 たしかに降った はずなのに
(なつのにわ たしかにふった はずなのに)
※夜中にかすかな雨音を聞いた。そういえば少
し涼しくなった。これはいい・・・。朝、雨
の痕跡は皆無。気象の記録も降雨は0。なん
だったんだ、あれは?
7/20tue
まっすぐに来てさっとよけ夏の蜂
(まっすぐにきてさっとよけ なつのはち)
※長雨と土砂災害、相変わらずのコロナ渦に猛
暑が加わった。右往左往しているうちにオリ
ンピックが直近に迫っていた。
7/19mon
浮草の稼業や三十年人恋し
(うきぐさのかぎょうやみそとせひとこいし)
※小津安二郎監督の映画「浮草」、ひと夏の小
さな漁師町での人の触れ合いと夏の風物を謳
っている。珠玉。
7/18sun
はつどれの 西瓜抱えて たたきおり
(はつどれの すいかかかえて たたきおり)
※ラグビーボール型の小玉西瓜。
「この音どう?」と聞かれても一個だけでは
とんとわからない。テレビで習った高い畝を
作って苗を植え、稲わらを敷き詰めるまでの
仕事は私、受粉のために何度も通ったのは家
内。意気揚々としている。
7/16fri
近道の 線路を跨ぐ 日傘かな
(ちかみちの せんろをまたぐ ひがさかな)
※朝一番の散歩で雲の形を見て「今日梅雨明け」
を確信した。案の定・・・。まだ堂々とはし
ていないけれども、ミニ積乱雲がニョキニョ
キ無数に立っていた。
7/15thu
雨降りの パリ祭とかに 手術決め
(あめふりの ぱりさいとかに しゅじゅつきめ)
※去年の今頃は、まだコロナ禍の何たるかにつ
いて殆ど知っていなかった。アソコの病院は
感染者が担ぎ込まれた、他の手術はキャンセ
ルされる、外来も控えた方がいいとか・・・。
肝心の克服はまだだけれども大分敵の正体は
わかってきた。必要な手術は受けよう。
7/14wed
麻のれん 都会の路地の あの日かな
(あさのれん とかいのろじの あのひかな)
※足が遠のいてどのくらいかなァ? 長雨と暑
さと、気候の変動に翻弄される日々・・・、
暮らしを作る力にふと弱さを感じる。
7/12mon
青梅雨や 落ちたる桃に 色微か
(あおづゆや おちたるももに いろかすか)
捩じり花 二回目無事と 返信し
(ねじりばな にかいめぶじと へんしんし)
※豪雨の後は晴れ間を待ち望んだが、梅雨明け
間近と言われると恐怖の真夏の日々を思い出
す。オリンピックがあるし、只ならぬ胸騒ぎ
も少し。無事を祈りたい。
7/11sun
祖父来る 麦わら帽子の 痕しかと
(そふきたる むぎわらぼうしの あとしかと)
※祖父は夏の外出にはどこに行くにしても昔風
の麦わら帽子をかぶって出かけたらしい。
70年以上過ぎて、私の日常も変わらず愛用
している。祖父が我が家を訪ねて、というこ
とはあり得ないが。
7/9fri
扇風機 車内で首ふる ヤツ恋し
(せんぷうき しゃないでくびふる やつこいし)
※東京での通勤時代の前半は電車にエアコンは
なかった。今日みたいな蒸し暑い日でなくと
も夏の車内は毎日が地獄だった。
7/8thu
御田植祭 乙女の白い 角かくし
(おたうえさい おとめのしろい つのかくし)
※未婚のきれいな女性が花嫁姿で30数名も。
文金高島田に角隠しの行列。旧会津田島町の
伝統の御田植祭り(祇園祭)は6月の遅い田
植えを無事終えて、7月に行われる。
(ただし今年の花嫁行列は中止)
7/7wed
梅雨明けず 瓜盗人という 季語のあり
(つゆあけず うりぬすっとという きごのあり)
卒寿翁 聞こえずはただ 聴かぬなり
(そゆじゅおう きこえずはただ きかぬなり)
※矍鑠としている先輩は目と耳の衰えを訴える。
外界の動きには旺盛な好奇心があるから、存
外耳の方はインプット次第ということかも。
7/6tue
梅雨晴れや 園児の声と 松籟と
(つゆばれや えんじのこえと しょうらいと)
梅雨晴れや デイの窓みな 開けられて
(つゆばれや でいのまどみな あけられて)
※三日三晩の雨が上がった。まだ怪しい空模様
である。長続きはすまい。ここは大きく深呼
吸というところか。
7/4sun
葛餅や 黒文字楊枝 舐めて終え
(くずもちや くろもじようじ なめておえ)
※遠くの大先輩の声が聞けた。卒寿。変わらぬ
声が懐かしい。雨も一休み。
7/3sat
長雨や 桃の実落ちる 音二つ
(ながあめや もものみおちる おとふたつ)
※下屋に落ちた実は雨音にも負けない音がする。
その度に私と家内は嘆息をもらす。
7/2fri
梅雨寒や スマホの容量 持て余し
(つゆざむや すまほのようりょう もてあまし)
※今回の雨はすごい。殆ど間断なく三日目。明
日いっぱいは降り続く模様。出かけてもラジ
オを聴くか、カメラを使うのが主体のスマホ
は1ギガ月千円で十分、なんとガラケー時代
よりも安価で済んでいる。家ではWi-Fi。
7/1thu
枇杷熟るる 二回目無事と 返信し
(びわうるる にかいめぶじと へんしんし)
ワクチンや オクラの花の頃に受く
(わくちんや おくらのはなのころにうく)
※ワクチン2回目の接種を終えた。2回目後の
方が副反応が出やすいと言われる。家内も数
日前、接種部位の腫れと痛みが続き、それが
原因と見られる熱が出た。静かにしている。
地元紙にくるまれ母の夏野菜
(じもとしに くるまれははの なつやさい)
※下宿先で空に浮かんだ五輪マークを見た。
57年前の10月。東京生活1年目のあの頃、
こういうものが届いた。
7/30fri
激増も マスクと夏の 暮らしかな
(げきぞうも マスクとなつのくらしかな)
勤めあり 熱帯夜あり 五輪あり
(つとめあり ねったいやあり ごりんあり)
※どんなに感染が拡大しても工場勤務は続く。
都心から放射される拡大の波はこれ以上協力
しても限界。抵抗できない・・・と。体力を
誇る知人の息子のコロナ禍2題。
7/29thu
炎天や 白髪だけの 溝掃除
(えんてんや はくはつだけの みぞそうじ)
風鈴の 短冊に願い かけ直し
(ふうりんの たんざくにねがい かけなおし)
※一都三県の感染者数はなにやらキナ臭い匂い
までしそうだ。ピークアウトするのか、更に
暴騰となるのか。
7/28wed
この夏は 遅めの出会い 川とんぼ
(このなつは おそめのであい かわとんぼ)
※興味に任せてテレビ観戦を続けていると、エ
アコンはつけているのに頭がおかしくなりそ
う・・・。自重と口だけでは駄目。年齢相応
の自制を、と再度の自戒。
7/27tue
朝市の 婆こっくりと 紅蜀葵
(あさいちの ばばこっくりと こうしょっき)
※漁港近くの朝市はコロナ禍とオリンピックが
かさなり、地元客だけがパラパラと散歩がて
らの買い物。何十年か前にもどったようだと。
7/26mon
夏の日や 力出し切る 妙ありて
(なつのひや ちからだしきる みょうありて)
百日紅 五輪の色に 咲き初める
(さるすべり ごりんのいろに さきそめる)
※五輪のテレビ観戦を少し控えなくては・・・
と自戒。日本選手の活躍を追おうとは思って
いないのだが、昨日などは自然にそうなって
しまった。今日も自重、自重と念じつつ観戦
三昧。
7/24sat
雷が清め開会式の夜
(かみなりがきよめ かいかいしきのよる)
※紆余曲折を非難されつつも、昨夜の開会式。
控えめとの感想がありつつ、自己主張や国威
発揚の要素は少なく、自国の伝統や文化に過
度に固執することもなく、大人の開会式運営
だった、と思う。
7/23fri
打ち水や リサイクル屋の 浴衣見る
(うちみずや りさいくるやの ゆかたみる)
※衣料や小物を中心としたリサイクル屋がある。
女主人が浴衣姿でホースで水撒きしていた。
7/22thu
白玉や 墓の話を 少しして
(しろたまや はかのはなしを すこしして)
※後期高齢者の仲間入りをして、お墓はその使
用時期が近づいている。しかし夫婦で考え方
が違う。それで「ま、いいか、そのうちに・
・・」とほっといてある。
7/21wed
夏の庭 たしかに降った はずなのに
(なつのにわ たしかにふった はずなのに)
※夜中にかすかな雨音を聞いた。そういえば少
し涼しくなった。これはいい・・・。朝、雨
の痕跡は皆無。気象の記録も降雨は0。なん
だったんだ、あれは?
7/20tue
まっすぐに来てさっとよけ夏の蜂
(まっすぐにきてさっとよけ なつのはち)
※長雨と土砂災害、相変わらずのコロナ渦に猛
暑が加わった。右往左往しているうちにオリ
ンピックが直近に迫っていた。
7/19mon
浮草の稼業や三十年人恋し
(うきぐさのかぎょうやみそとせひとこいし)
※小津安二郎監督の映画「浮草」、ひと夏の小
さな漁師町での人の触れ合いと夏の風物を謳
っている。珠玉。
7/18sun
はつどれの 西瓜抱えて たたきおり
(はつどれの すいかかかえて たたきおり)
※ラグビーボール型の小玉西瓜。
「この音どう?」と聞かれても一個だけでは
とんとわからない。テレビで習った高い畝を
作って苗を植え、稲わらを敷き詰めるまでの
仕事は私、受粉のために何度も通ったのは家
内。意気揚々としている。
7/16fri
近道の 線路を跨ぐ 日傘かな
(ちかみちの せんろをまたぐ ひがさかな)
※朝一番の散歩で雲の形を見て「今日梅雨明け」
を確信した。案の定・・・。まだ堂々とはし
ていないけれども、ミニ積乱雲がニョキニョ
キ無数に立っていた。
7/15thu
雨降りの パリ祭とかに 手術決め
(あめふりの ぱりさいとかに しゅじゅつきめ)
※去年の今頃は、まだコロナ禍の何たるかにつ
いて殆ど知っていなかった。アソコの病院は
感染者が担ぎ込まれた、他の手術はキャンセ
ルされる、外来も控えた方がいいとか・・・。
肝心の克服はまだだけれども大分敵の正体は
わかってきた。必要な手術は受けよう。
7/14wed
麻のれん 都会の路地の あの日かな
(あさのれん とかいのろじの あのひかな)
※足が遠のいてどのくらいかなァ? 長雨と暑
さと、気候の変動に翻弄される日々・・・、
暮らしを作る力にふと弱さを感じる。
7/12mon
青梅雨や 落ちたる桃に 色微か
(あおづゆや おちたるももに いろかすか)
捩じり花 二回目無事と 返信し
(ねじりばな にかいめぶじと へんしんし)
※豪雨の後は晴れ間を待ち望んだが、梅雨明け
間近と言われると恐怖の真夏の日々を思い出
す。オリンピックがあるし、只ならぬ胸騒ぎ
も少し。無事を祈りたい。
7/11sun
祖父来る 麦わら帽子の 痕しかと
(そふきたる むぎわらぼうしの あとしかと)
※祖父は夏の外出にはどこに行くにしても昔風
の麦わら帽子をかぶって出かけたらしい。
70年以上過ぎて、私の日常も変わらず愛用
している。祖父が我が家を訪ねて、というこ
とはあり得ないが。
7/9fri
扇風機 車内で首ふる ヤツ恋し
(せんぷうき しゃないでくびふる やつこいし)
※東京での通勤時代の前半は電車にエアコンは
なかった。今日みたいな蒸し暑い日でなくと
も夏の車内は毎日が地獄だった。
7/8thu
御田植祭 乙女の白い 角かくし
(おたうえさい おとめのしろい つのかくし)
※未婚のきれいな女性が花嫁姿で30数名も。
文金高島田に角隠しの行列。旧会津田島町の
伝統の御田植祭り(祇園祭)は6月の遅い田
植えを無事終えて、7月に行われる。
(ただし今年の花嫁行列は中止)
7/7wed
梅雨明けず 瓜盗人という 季語のあり
(つゆあけず うりぬすっとという きごのあり)
卒寿翁 聞こえずはただ 聴かぬなり
(そゆじゅおう きこえずはただ きかぬなり)
※矍鑠としている先輩は目と耳の衰えを訴える。
外界の動きには旺盛な好奇心があるから、存
外耳の方はインプット次第ということかも。
7/6tue
梅雨晴れや 園児の声と 松籟と
(つゆばれや えんじのこえと しょうらいと)
梅雨晴れや デイの窓みな 開けられて
(つゆばれや でいのまどみな あけられて)
※三日三晩の雨が上がった。まだ怪しい空模様
である。長続きはすまい。ここは大きく深呼
吸というところか。
7/4sun
葛餅や 黒文字楊枝 舐めて終え
(くずもちや くろもじようじ なめておえ)
※遠くの大先輩の声が聞けた。卒寿。変わらぬ
声が懐かしい。雨も一休み。
7/3sat
長雨や 桃の実落ちる 音二つ
(ながあめや もものみおちる おとふたつ)
※下屋に落ちた実は雨音にも負けない音がする。
その度に私と家内は嘆息をもらす。
7/2fri
梅雨寒や スマホの容量 持て余し
(つゆざむや すまほのようりょう もてあまし)
※今回の雨はすごい。殆ど間断なく三日目。明
日いっぱいは降り続く模様。出かけてもラジ
オを聴くか、カメラを使うのが主体のスマホ
は1ギガ月千円で十分、なんとガラケー時代
よりも安価で済んでいる。家ではWi-Fi。
7/1thu
枇杷熟るる 二回目無事と 返信し
(びわうるる にかいめぶじと へんしんし)
ワクチンや オクラの花の頃に受く
(わくちんや おくらのはなのころにうく)
※ワクチン2回目の接種を終えた。2回目後の
方が副反応が出やすいと言われる。家内も数
日前、接種部位の腫れと痛みが続き、それが
原因と見られる熱が出た。静かにしている。