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ダクタク2021年4月 ブログトップ

ダクタク句集2021年(令和3年)4月 [ダクタク2021年4月]

4/30fri
荷風の忌 傘はなけれど ただ歩く
     (かふうのき かさはなけれど ただあるく)
        ※永井荷風の写真に三つ揃いの背広を着込み、
         中折れ帽子をかぶり、愛用の革手提げと雨傘
         を携えているのがある。街を散策するのもこ
         れで、お決まりのいでたちであったらしい。
         雑司が谷の墓を訪ねたのも昔のことになった。

4/29thu
鳥帰る 病院通いの フェリーから
   (とりかえる びょういんかよいの ふぇりーから)
        ※気功の治療が良かったといって、対岸の横須
         賀市から月1,2度海を渡ってやって来る御
         仁がいる。気功の原理と効果はイマイチ理解
         できないけれどね。まあしかし、本人の効果
         の実感が第一だ。

4/28wed
永吉の 古いアルバム 春惜しむ
     (えいきちの ふるいあるばむ はるおしむ)
        ※FMで80年代リリースのアルバムを聴いた。無
         性に懐かしい。感度が高くなってきた。

丹精を 孫に継がせて 藤の花
     (たんせいを まごにつがせて ふじのはな)

4/27tue
初燕 二番ピッチャーの すこやかさ
    (はつつばめ にばんぴっちゃーんの すこやかさ)
        ※到着したばかりだろうか? 飛び回る燕の姿
         は雄姿だなァ・・・カッコいい。今日の大谷
         にも雄姿期待。

4/26mon
百均へ 吝嗇ゆえに 春の道
     (ひゃっきんへ りんしょくゆえの はるのみち)
        ※百均は比較的賑わっている。なぜかこのとこ
         ろ買い物を頼んだり、自ら出向いたりが多い。
         吝嗇ゆえでなくとも、百均ならではの長所も
         ある。最近では、腰にぶら下げるスマホ入れ
         は立派な革製よりも余計なところを削ぎ落し
         た布製の100円が良かった。家内は畑用の
         野菜の種子に、分量が丁度良いと言う。

4/25sun
閉店も 品いくばくか 鳥曇り
     (へいてんも しないくばくか とりぐもり)
        ※近くの小間物屋兼雑貨屋の店先に4月末で閉
         店するとの張り紙があった。コロナ禍の影響
         か? まだ商品は変わらずあるのに・・・。
         個人商店がまた減る。音もなしに。

4/24sat
むらさきの 隆ッとオダマキ 道の端
     (むらさきの りゅうとおだまき みちのはた)
        ※今シーズンのオダマキで一番の見栄えは、残
         念ながら我が家の庭ではなく門前の道端に咲
         いたこれ。ほんの狭い土から育った、よく言
         われる「ド根性オダマキ」だ。
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4/23fri
春の川 おにぎり女子の ひとり坐し
     (はるのかわ おにぎりじょしの ひとりざし)

黒光り 春の日返し 鵜は憩う
     (くろびかり はるのひかえし うはいこう)

対岸は 緊急事態 春の海
     (たいがんは きんきゅうじたい はるのうみ)

4/22thu
鉢馬酔木 亡父の作りし 旅の歌
     (はちあしび ちちのつくりし たびのうた)
        ※コロナ禍は風雲急を告げているが、窓外の景
         色はなんともうららかだ。雪国の春は旅を想
         う季節である。・・・最近は旅行のことなど、
         てんで夢のまた夢。

4/21wed
陽炎や 聖職に見えず 子は教師
     (かげろうや せいしょくにみえず こはきょうし)
        ※教師は聖職という言葉自体死語に近いが、教
         育の現場で熱情を持って仕事にあたっている
         教師は数限りなくいる。環境に縛られ、自由
         度を失っていることが残念だ。

担任の 教師は走る 竹の秋
     (たんにんの きょうしははしる たけのあき)

4/20tue
便箋を 用意してさて 日永かな
     (びんせんを よういしてさて ひながかな)
        ※手間がかかることではあるが、それが自然で
         普通だった頃にもどろう・・・という提案が
         あるようだ。人とのコンタクトもそうだ。そ
         うなのだが・・・、なかなか出来ない。

4/18sun
オダマキや 犬の注射の 頃にあり
     (おだまきや いぬのちゅうしゃの ころにあり)

春深し インゲン豆の 棚立てん
     (はるふかし いんげんまめの たなたてん)
        ※今朝は快晴、風は強い。田植え作業はこの地
         区で真っ盛り。畑に出かけ、強風の被害なし
         を確認する。

4/17sat
細道を くねりて急ぐ 義士祭
     (ほそみちを くねりていそぐ ぎしまつり)
        ※春の義士祭に泉岳寺で待ち合わせをした。
         ところが用事があって高輪回りで行ったとこ
         ろ、近道をしようとして道に迷い往生した。
         この近辺は赤穂浪士にまつわる史跡が多いの
         だが、戦災を受けていない路地が迷路のよう
         だ。何度も歩いていたのだが。ようやく高輪
         高校を見つけ胸を撫でおろした。
         今ならスマホですいすいというところ。

4/16fri
今どきの 見合いやいかに 木の芽雨
     (いまどきの みあいやいかに このめあめ)
        ※孫が見合いをすると知人が明かした。珍しい
         話だから大いに勧めたのだとも。確かに今日
         は余り聞かないなあと思ったけれども、さて
         本当にそうか? 婚活、集団見合いとかは?
         流行の先端だとも思える。

4/15thu
春日ありて眠り少しの充実
     (はるひありて ねむりすこしのじゅうじつ)

軒下の 紫煙ゆっくりと 花の冷え
     (のきしたの しえんゆっくりと はなのひえ)
        ※季節外れの「蛍族」ご同輩が方々にいる。

4/14wed
春闘や ОBという 欄はなし
     (しゅんとうや おーびーという らんはなし)
        ※コロナ禍あり、国際関係の激動ありの変化の
         中で、企業の栄枯には何とも感慨深いものが
         ある。しっかりしたアンテナと想像力、イノ
         ベーションとか言われるが・・・。究極は経
         営者の洞察力か?

4/13tue
啄木忌 大根の花と 始業ベル
     (たくぼくき だいこんのはなと しぎょうべる)

夕霞み おかねが泣いてる 景色かな
     (ゆうがすみ おかねがないてる けしきかな)
        ※啄木の歌、「宗次郎におかねが泣きて口説き
         おり 大根の花白き夕暮れ」。『ちゃんと働
         いておくれよ~』の涙声が聞こえる。

4/12mon
清明や 我が意半ばの 水の色
     (せいめいや わがいなかばの みずのいろ)
        ※水彩画教室は先月下旬からから再開、時間を
         短縮し換気に注意して集まっている。家籠り
         でさぞかし腕も上がったのではと、先生が冗
         談を言う。しかし現実は遥かにそれに遠い。

4/11sun
妻の手と 機械がありて 早植えし
     (つまのてと きかいがありて はやうえし)
        ※川向こうの一軒の農家が田植えを開始した。
         今の言葉でいうと「はやッ」。4月15日前
         の田植えを目撃したのは初めて。

4/10sat
鰊曇り室蘭勤務の頃の空
     (にしんぐもり むろらんきんむのころのそら)

雨音の やさしくなりて 山笑う
     (あまおとの やさしくなりて やまわらう)
        ※蔓延防止対策の対象地域が東京都をはじめと
         して接近してきた。季節の歩みはいつもと変
         わりないが・・・。

4/9fri
田を広げ 畔塗り急かる 三代目
     (たをひろげ あぜぬりせかる さんだいめ)
        ※知り合いの農家で昨秋から田の統合、拡大工
         事をしている。一枚の田んぼが広いほど、機
         械を駆使する現在の農法では断然効率的だか
         ら。しかしこれが生半可なことではない。同
         じ水準の2枚の田だったらまだ優しいが、水
         準の違う田を統合するとなると、大変な土木
         工事になる。土壌を入れ替えすることも伴う。
         遅れ気味らしく田植え前の仕事に勤しんでい
         る。早速田植えから効率が上がる。

4/8thu
朝の音 綴りて長し 虚子忌かな
     (あさのおと つづりてながし きょしきかな)
        ※毎日ではないけれど未明から7時前後まで長 
         い「オトコ入り」が続く。
         朝の物音は激減していると落語家は言う。ま
         して地方都市の住宅団地とくれば皆無に近い。
         明るくなってJRの踏切音、出勤や配達のクル
         マの音がちらほら。清さん、いつまで観察を
         続ければいいの? 
         小鳥の囀りだけは豊富で種類も多い。

4/7wed
放哉忌 すきとおる声の 門に入る
     (ほうさいき すきとおるこえの もんにいる)
        ※今朝の晴れ間は久しぶりに黄砂の影響も少な
         く、空は透き通っている。今日は尾崎放哉の
         命日。小豆島での暮らしは貧しく想像すべく
         もないが、こんなこともあったろうと思う。

4/6tue
庭中が うすむらさきの 地の躑躅
     (にわじゅうが うすむらさきの じのつつじ)
        ※隣の君津市の花はミツバツツジ。房総半島に
         多いが、太平洋岸の野山に広く自生するとか。
         薄紫の花は咲き揃うと実に華やか。庭はにわ
         かに変貌する。見た家のバアさまのドヤ顔も
         理解できる。

4/5mon
椿餅 踏切そばに 老舗あり
     (つばきもち ふみきりそばに しにせあり)

草餅や 被りの婆が なしという
     (くさもちや かぶりのばばが なしという)
        ※今日は一転肌寒い、平年並みの気温だ。雨の
         日は外への誘惑もないし、使役に駆り出され
         ることもない。最近すっかりご無沙汰のスケ
         ッチのトレーニングをすることにする。

4/4sun
癌癒えて 目方戻りし 翁草
     (がんいえて めかたもどりし おきなぐさ)
        ※行きつけの床屋のおやじがさりげなく言う。
         ガンが肺に転移して先々週切ってきたと。内
         視鏡手術の生々しい傷跡を見せる。一年前の
         大手術で10キロも減った体重がやっと戻っ
         た矢先のことだ。
         病院を信頼してか、本人の胆力か、悲壮感は
         ない。もう畑をやっている。帰りにワケギを
         貰ってきた。

無骨なる手が春花を山と盛る
     (ぶこつなるてが はるばなをやまともる)

4/3sat
里の家 みな勤め人と なりて春
     (さとのいえ みなつとめにんと なりてはる)
        ※下の娘が就職し、クルマがまた一台増えた。
         家と周りの畑、持山などは専業農家の時のま
         まなのに。

4/2fri
ガラケーや 無傷十年 春の空
     (がらけーや むきずじゅうねん はるのそら)

新しき スマホの青や 春蚊出ず
     (あたらしき すまほのあおや はるかいず)

山笑う スマホ操作に 汗少し
     (やまわらう すまほそうさに あせすこし)
        ※10年以上続けてきた3Gガラケーがもう一年
         で使えなくなる。しぶしぶスマホに替えた。
         通話とカメラ、Cメールだけの世界から大き
         く可能性は広がるが、期待はカメラ機能の格
         段の充実だけ。画面の字も読めないし、外出
         もないから外でのネット活用もない。期待は
         していない。月千円以下というから・・・。

4/1thu
四月馬鹿 不意に筍ご飯かな
     (しがつばか ふいにたけのこごはんかな)

四月馬鹿 知らずに高い アプリかな
     (しがつばか しらずにたかい あぷりかな)
        ※エープリルフールとはいえ、思いつくウソ話
         はない。それにしても昨夕の筍ご飯は不意を
         突かれた。春一番の到来もの。

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