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ダクタク2020年3月 ブログトップ

ダクタク句集2020年(令和2年)3月 [ダクタク2020年3月]

3/31tue
いにしえの 砦を埋める 黄花かな
     (いにしえの とりでをうめる きばなかな)
        ※公民館の催しで、木更津郊外の埋もれた史跡
         を訪ね歩く講座があった。城砦や寺社の跡地、
         戦場や古道跡など。これを主催し、案内した
         のは中年の女性3人で同好会のリーダー達。
         山を越え、田んぼを跨ぎ、野山を渉猟する気
         分を満喫した。説明もわかりやすく、誠に頼
         もしい。

3/29sun
ゴイサギの サクラ見おろし ひんがしへ
     (ごいさぎの さくらみおろし ひんがしへ)

春の雨 サクラ下向きの 風情かな
     (はるのあめ さくらしたむきの ふぜいかな)

今日は雪 このまま堪えよ サクラ道
     (あすはゆき このままたえよ さくらみち)
        ※外出自粛と強い雨が重なって、満開間近なの
         に見る人はいない。犬のためとあって渋々の
         散歩ながら、花は独り占め、得した気分。

3/27fri
ユキヤナギ 赤き小さき 靴ならぶ
     (ゆきやなぎ あかきちいさき くつならぶ)
        ※女の子の入園式はもうすぐ。今も休園中だか
         ら、どうなるかは見通せない。

3/26thu
鉢馬酔木 花ほころべば 父来たり
     (はちあしび はなほころべば ちちきたり)
        ※東京にいた頃3月後半ともなると、社宅のド
         アをたたく父の姿があった。その後に都合を
         尋ねるハガキが届いた。週末に富士山の山小
         屋行きが所望なのだ。ゴルフの約束を急遽キ
         ャンセルなどして、その頃所有していた富士
         裾野の別荘に一緒に行ったものだ。いい迷惑
         だったのだが、なにせ別荘の生活を自然をこ
         よなく愛してくれた。父も別荘も今はない。
         振り返ると、実に贅沢な迷惑だった。

3/25wed
揚げ雲雀 耕しつつの 眠気かな
     (あげひばり たがやしつつの ねむけかな)
        ※素晴らしい晴れ間に、当地では田植え前の田
         起こし作業がそこかしこで始まった。なんと
         も眠りを誘うような、ゆったりした光景。機
         械作業だから運転する人もさぞや眠かろうと
         思う。

3/24tue
師が描ける 埴輪の背には 黄花咲き
     (しがかける はにわのせには きばなさき)
        ※小学校の恩師は画家となり、埴輪をテーマに
         今も現役で活躍している。いただいた絵は春
         になると夢心地の世界を醸す。限りないやさ
         しさ。

3/23mon
花冷えや レジ打つ女の 赤い爪
     (はなびえや れじうつひとの あかいつめ)
        ※お化粧をする人、身なりを忘れない人は(時
         に少し過剰であっても)好きだ。お化粧が映
         える季節。今日は少し肌寒いけれども。

3/22sun
カーネーション 花多き墓の 墓誌を見る
     (かーねーしょん はなおおきはかの ぼしをみる)
        ※関東地方は風が強くなったが、晴れが続く。
         これで朝晩のコロナ禍のニュースがなければ、
         うららかな春本番なのだが。

3/21sat
蕪村が句 諳んじいたり 春の海
     (ぶそんがく そらんじいたり はるのうみ)

相浜の 海鮮丼や 春来たり
     (あいはまの かいせんどんや はるきたり)
        ※相浜は館山市の南。すぐ近くの布良海岸はか
         の青木繁が盟友坂本繁二郎らと滞在し、代表
         作「海の幸」を描いたところ。

磯笛の 幻追いて 安房の海
     (いそぶえの まぼろしおいて あわのうみ)

3/20fri
春彼岸 妻畑から 墓参り
     (はるひがん つまはたけから はかまいり)
        ※昨日の陽気が続いて、今朝は朝から汗ばむほ
         どに暖かい。当地堤道のサクラが開花した。
         たまらずに。都心の開花日が異常値で他はゆ
         っくりと思っていたのに・・・。

3/18wed
前日の 新聞くまなく 春の朝
     (ぜんじつの しんぶんくまなく はるのあさ)

書きとめて また目を閉じる 春の朝
     (かきとめて まためをとじる はるのあさ)
        ※コロナ禍のことが心配でというわけではない
         が、朝未明からパッチリという日が少なくな
         い。百の経済対策よりウィルスのワクチンを
         作ること、そして早く患者発生のピークアウ
         トにこぎつけることだ。癪に障るところもあ
         るが、発生源の中国がそれに達し、次に日本
         がピークアウトすれば、各国のウィルス対策
         も軌道に乗るのでは・・・。

3/17tue
もの言わぬ 春暖の祖父と 同い年
     (ものいわぬ しゅんだんのそふと おないどし)
        ※70年近く前、母の実家に行った私は黙った
         ままの祖父の顔を不思議そうに見つめていた。
         計算するとその頃の祖父は75歳くらい。今
         ようやく追いついた。

3/16mon
花ニラや 楚々として庭を 席巻す
     (はなにらや そそとしてにわを せっけんす)
        ※コロナ騒ぎで耳目をふさがれている一方で、
         着々と春は進んでいる。

3/15sun
桃の花 程よくあれと 皮算用
     (もものはな ほどよくあれと かわざんよう)
        ※桃の花が満開直前。一番見頃だ。東京のサク
         ラ開花に背中を押されているかな? 昨年は
         裏作の年だったから、今年こそ切に「壮途?」
         を祈っている。きれいに咲きすぎて毎日やっ
         てくるヒヨドリ一家に荒らされないように。

3/14sat
フキノトウ 遅きを悔いつつ 味噌とする
     (ふきのとう おそきをくいて みそとする)
        ※伝家?の場所にフキノトウはあった。しかも
         溢れるほどに。殆どは花が開いている。つい
         10日ほど前の偵察では遠目だが影も形もなか
         ったのだけれど。あの台風のせいかと諦めて
         いたのが・・・。
         悔やみきれずに少し採ってきた。20%くらい
         は天ぷらに、残りはフキ味噌に。

3/13fri
永き日や 部活の声の 皆消えて
     (ながきひや ぶかつのこえの みなきえて)
        ※住んでいる付近に中学校、ちょっと離れて高
         校がある。休校措置で生徒の姿や声がなくな
         ると、日頃こうした環境に助けられていたこ
         とがわかる。

3/11wed
春空に 飛んでいきそな うすき髪よ
     (はるぞらに とんでいきそな うすきけよ)

クロッカス 明るき想い 日々増やし
     (くろっかす あかるきおもい ひびふやし)
        ※休校や公共施設の休館、外出自粛などコロナ
         対策が日増しに身近になっている。図書館の
         貸し出しが20冊3週間になり、延長すれば
         最大6週間に。家で静かに本でも読んだら、
         ということだ。年寄りらしく暖かな春日を浴
         びて静かに過ごすか! 

3/10tue
終活の メモ先送りす 春霞
     (しゅうかつの めもさきおくりす はるがすみ)
        ※終活の意味する内容に文句はない。必要性も
         認めるのだが、なんとなく好きではない。
         言葉が安く流行しているから? 整理したり、
         遺したりする対象が余りに少ないから? ず
         っと長生きしようと思っているから? みん
         な正解。とにかく、この春も見送る。

3/9mon
第六感 老女は春に 冴え返り
     (だいろくかん ろうじょははるに さえかえり)
        ※冷たい雨が降り続いた昨日は家内の兄姉の法
         事があった。遺された妹たちは神妙ではあっ
         たが終われば意気軒高、相変わらず勘も鋭い。
         この分では心配ないのはいいのだが、油断も
         出来ない。

3/7sat
ミモザ咲く 鉄道好きの 人の家
     (みもざさく てつどうずきの ひとのいえ)
        ※その人の家の壁は深い緑色一色で金色の細い
         横線が入っている。さても珍しい色よと首を
         かしげていた。
         「ヨーロッパで乗った豪華列車の客車の色だ
         と。あの緑色を決めるのに、何度サンプルを
         作らされたことか」・・・知り合いのペンキ
         屋がこっそり教えてくれた。深い緑色にミモ
         ザは良く似合う。

3/6fri
春めくや 耳に残れる かんこかな
     (はるめくや みみにのこれる かんこかな)

春の朝 静寂のはずが 耳の音
     (はるのあさ しじまのはずが みみのおと)
        ※コロナ云々で耳も攪乱しているか? うらら
         かな春の朝、小さい女の子の赤い下駄が歩く
         と乾いた音が・・・。
         それが途切れて静かになると、次第に始まる
         シー・・・というノイズ。毎朝「雨かな?」
         と思わせる張本人。ま、今のところは全く問
         題はないが。

3/5thu
休校の 校舎でウグイス 学びおり
     (きゅうこうの こうしゃでうぐいす まなびおり)
        ※静まり返った校舎の隅からウグイスの鳴き声
         が聞こえる。訓練中である。新型コロナウィ
         ルス禍に今のところ止まる様子はない。その
         ことが嘘のような光景と音の世界。

3/4wed
雛ありて スーパーチューズデーの 朝かな
   (ひなありて スーパーチューズデーの あしたかな)

雨雲を 見つつ早足 沈丁花
     (あまぐもを みつつはやあし ちんちょうげ)
        ※小雨の中を急いで帰宅して、深夜の国際ニュ
         ースをビデオで見た。スーパーチューズデー
         の状況を知るためたが、一番早い州で開票が
         始まったぐらいだから、とてもとても。大勢
         は今日の午後遅くにになりそう。

3/3tue
墨をする 筆とる暮らし 遅日かな
     (すみをする ふでとるくらし ちじつかな)
        ※書道を楽しむ人達がうらやましい。墨痕鮮や
         かにとはいかなくとも、墨のにおいだけでも、
         と思う。毎日硯で墨だけすればと言われそう
         だが・・・。

3/2mon
木の芽風 追加給付が あるという
     (このめかぜ ついかきゅうふが あるという)
        ※お役所のデータ採取ミスで雇用保険の給付額
        が少なく計算され、10年近くも遡って清算さ
        れるらしい。難しい手続きの封書が送られてき
        た。何十万人もの対象者、一人当たり数百円~
        千円とも言われる。みんなが権利を放棄して、
        関連の膨大な行政費をセーブした方が良いに決
        まっているのだが。

3/1sun
カワセミや 見し三月は 幸運が
     (かわせみや みしさんがつは こううんが)
        ※実にひさしぶりに河原で翡翠を見た。新型コ
         ロナウィルス禍対策が正念場を迎える3月も
         きっと良い結果をもたらす。

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