ダクタク句集2022年(令和4年)5月 [ダクタク2022年5月]
5/31tue
南瓜咲く 雄しべ貰いて 婿となす
(かぼちゃさく おしべもらいて むことなす)
※初夏の間は虫たちに任せておけない。しかし
雌しべと雄しべがタイミング良く揃わないこ
とがある。そこで隣近所の畑に声をかける。
5/30mon
祭り化粧 見知らぬ顔と なりて笑む
(まつりげしょう みしらぬかおと なりてえむ)
5/28sat
御用聞き バイクが登る 五月晴
(ごようきき ばいくがのぼる さつきばれ)
※原付バイクと今も言うのか?軽いエンジン音
でゆっくり急坂を登っていく。新緑の坂道。
御用聞きに違いないと思った。御用聞き?今
どき? あの音、ポンポン蒸気を思い出した。
古いなァ。
5/27fri
風薫る さすが汀子の 遺文かな
(かぜかおる さすがていこの いぶんかな)
※虚子の孫稲畑汀子がこの2月に亡くなった。
父の後を継いでホトトギスの大所帯を切盛り
した。最晩年の素直な句境は得難い。
5/26thu
空想は 卯の花髪に 飾る人
(くうそうは うのはなかみに かざるひと)
※NHKの古典講読、王朝日記の世界はいよいよ
「紫式部日記」に入った。散歩しながらYou
Tubeで聞き流しするのだから、もとよりいい
加減なものなのだが、何回か同じところを繰
り返し聞くものだから何%かは頭に残る。原
文に親しむには程遠いが・・・。
既に終わった「更級日記」「和泉式部日記」
「蜻蛉日記」に較べると、理解度がいいのは
何故だろう。ホッとしている。
5/25wed
バイカウツギ バッハの森の ふところに
(ばいかうつぎ ばっはのもりの ふところに)
※バッハのピアノ曲はもっぱらグールドで聴く
ようになった。バッハとて最近はやや凝った、
変形気味の演奏が目立つ中で、正統派の演奏
を聴く思いがする。あのグールドがである。
5/24tue
蘇る バラはアーチを またぎ咲く
(よみがえる ばらはあーちを またぎさく)
グールドの 親ほどになり 五月雨
(ぐーるどの おやほどになり さつきあめ)
※一回り年長のグールドをその活躍の時代から
愛聴している。50歳で急逝した彼は、今や自
分の子供の年齢だ。高価なレコードはお宝も
のだが、YouTubeで毎日のように違った彼を
聴けるのも今日なればこそ。演奏しながらの
ハミングというかうなりというべきか、これ
もちゃんと残っている。(1932-1982)
5/23mon
泰山木 見上げるほどに 蕾増え
(たいさんぼく みあげるほどに つぼみふえ)
※その蕾の小さいうちは葉裏の色と混じり合い
わからない。5月20日を過ぎる辺りでと次
々と大きくなり、真っ白な見事な蕾に、そし
てやがて花開く。この季節に亡くなった母の
記念樹と一人で決めている。
5/22sat
柿若葉 セピアな祖母の 顔ほどに
(かきわかば せぴあなそぼの かおほどに)
※昔は写真はなんであれ貴重だった。黒いシー
トの厚いアルバムに貼られた写真は枚数が限
られたが故に、その時々を思い返す手段だっ
た。それが今は・・・省略。
5/20fri
普段着を 詫びて淑女の バラの香を
(ふだんぎを わびてしゅくじょの ばらのかを)
※バラ園は谷津遊園の跡地。遊園はライダーや
プールなど先端の施設を誇ったが、昭和57年
に閉園した。40年も前のことだ。
行かばやと思いし園は白黒の
写真となりてバラ園飾る
5/19thu
バラに寄す 皺ものびてる 至福かな
(ばらによす しわものびてる しふくかな)
※開花の盛りを越えたというので急遽谷津バラ
園に出掛けた。駐車場を心配したが、ウィー
クデイの午後でなんなくセーフ。幸せそうな
顔、顔がいっぱい。時間ゆっくり。
5/17tue
神田祭 女坂急を ものとせず
(かんださい おんなざかきゅうを ものとせず)
※神田祭は今年2022年偶数年とかで陰祭。ハイ
ライトのひとつ神輿宮入とかは行われなかっ
た。境内からお囃子が聞こえてくると、明神
下から女坂の石段を駆け上がる。比較的近く
に住んでいた頃の、昔々のお話。
5/16mon
カレンダーに桃の摘果と書き込みぬ
(かれんだーにもものてきかとかきこみぬ)
※晴れたら・・・、草むしり、カイガラムシ退治、
ぶどう誘引、桃摘果と労働項目が増えていく。
雨模様のままでもいいっていう気になってきた。
5/15sun
ジャガイモの 花は色あり 長雨よ
(じゃがいもの はなはいろあり ながあめよ)
夕闇に カラー一列 浮かびおり
(ゆうやみに からーいちれつ うかびおり)
※今年4月後半以降関東地方の南部は不純な天候
が続く。ここ房総半島は長雨の後も曇りが続き、
今日も雨模様。
5/14sat
梅雨前の なお梅雨らしき 雨雨が
(つゆまえの なおつゆらしき あめあめが)
薔薇見行 晴れの予想に 恵まれず
(ばらみこう はれのよそうに めぐまれず)
苗見やる 暇なき雨 線状の
(なえみやる いとまなきあめ せんじょうの)
5/13fri
新緑や 名前をずっと 思い出しつつ
(しんりょくやなまえをずっとおもいだしつつ)
※新緑は今が最高。家を出るときから或る人の名
前が思い出せないままだ。目は新緑を愛でてい
る。・・・夏めく、認知症めく。後期高齢者の
暗記試験は満点だったのに・・・。
5/12thu
薔薇の花 吉事を待たず 咲き揃う
(ばらのはな きちじをまたず さきそろう)
雨雲に追われ 野ばらの家の前
(あまぐもにおわれ のばらのいえのまえ)
5/11wed
夏めいて 頭の吹き出 消えにけり
(なつめいて あたまのふきで きえにけり)
※晴れた一日、この時節は寒くも暑くもなく、湿
度も低いし、空気が澄んで正に薫風の光景。一
番贅沢な一日。
5/9mon
青堀の 駅の前なる 古墳初夏
(あおほりの えきのまえなる こふんしょか)
※千葉県は古墳の数では近畿諸府県に比しても遅
れをとらぬ多さであるという。案内板、説明板
の充実、メディアでのアピールなどPRに努めて
いる。
5/8sun
年一度 筍掘りて 友となり
(ねんいちど たけのこほりて ともとなり)
筍を 分けて竹婆の 友となり
(たけのこを わけてちくばの ともとなり)
筍で 通じ壮なり 三品食い
(たけのこで つうじそうなり みしなくい)
※当地の孟宗竹掘りはもう終盤。タケノコ三句。
殆ど川柳だが、家内とその友に感謝。小生はお
相伴に与っている。
5/6fri
立夏の日 カイガラムシの 蔓延れる
(りっかのひ かいがらむしの はびこれる)
今ほどに 端午の写真 あらばこそ
(いまほどに たんごのしゃしん あらばこそ)
※端午の節句に立派な武者人形の前で微笑む男の
子の映像を見た。晴れの舞台にいい写真もムー
ビーすら手軽に残せる時代だなと思ったが、今
日どれだけの家庭でこうした節目節目のお祝い
や、季節の催しをしているだろうか? ネック
はお金ではない。
5/5thu
半袖や オランダ帰りの 鯉のぼり
(はんそでや おらんだがえりの こいのぼり)
大凧や 駐車場行く 連法被
(おおだこや ちゅうしゃじょういく れんはっぴ)
浜松や 大人の揚げる 凧の音
(はままつや おとなのあげる たこのおと)
※5月連休後半に浜松の大凧上げが開催される。
「浜松まつり」という。久しぶりのほぼフルバ
ージョンとか。風がなければ凧が上がらず、
あればあったで凧が乱舞して合戦ともなれば恐
ろしいまでの音が響く。
5/4wed
蝶々が 世をば明るく してもなお
(ちょうちょうが よおばあかるく してもなお)
店先の 春のブラウス 少し褪せ
(みせさきの はるのぶらうす すこしあせ)
5/3tue
春愁を払いのけよと一日吹く
(しゅんしゅうをはらいのけよとひとひふく)
春の雨 人犬濡れて 意気いまだ
(はるのあめ ひといぬぬれて いきいまだ)
※今日は打って変わってきれいな晴れ日。気温も
ぐんぐん上がる。当地観光地とされる所の一部
をを巡回? どこも連休の人出という感じが戻
っている。テークアウトの弁当をクルマの中で
食べると、こちらも外出・外食をした気分にな
った。
5/2mon
八十八夜 欠けたる急須 捨てられず
(はちじゅうはちや かけたるきゅうす すてられず)
春昼や 鮮魚卸しは 店洗う
(しゅんちゅうや せんぎょおろしは みせあらう)
5/1sun
バス停の あるコンビニに 春幟
(ばすていの あるこんびにに はるのぼり)
春の風 今年一枚 耕さず
(はるのかぜ ことしいちまい たがやさず)
※新たに休耕田かと思ったが、品種別の需給の関
係だとか。一時は稲作担い手の減少・高齢化で
休耕田が増え、やがて担い手の統合と耕作大規
模化とで今はほぼ安定していると聞いていたが、
様々な事情があるようだ。
南瓜咲く 雄しべ貰いて 婿となす
(かぼちゃさく おしべもらいて むことなす)
※初夏の間は虫たちに任せておけない。しかし
雌しべと雄しべがタイミング良く揃わないこ
とがある。そこで隣近所の畑に声をかける。
5/30mon
祭り化粧 見知らぬ顔と なりて笑む
(まつりげしょう みしらぬかおと なりてえむ)
5/28sat
御用聞き バイクが登る 五月晴
(ごようきき ばいくがのぼる さつきばれ)
※原付バイクと今も言うのか?軽いエンジン音
でゆっくり急坂を登っていく。新緑の坂道。
御用聞きに違いないと思った。御用聞き?今
どき? あの音、ポンポン蒸気を思い出した。
古いなァ。
5/27fri
風薫る さすが汀子の 遺文かな
(かぜかおる さすがていこの いぶんかな)
※虚子の孫稲畑汀子がこの2月に亡くなった。
父の後を継いでホトトギスの大所帯を切盛り
した。最晩年の素直な句境は得難い。
5/26thu
空想は 卯の花髪に 飾る人
(くうそうは うのはなかみに かざるひと)
※NHKの古典講読、王朝日記の世界はいよいよ
「紫式部日記」に入った。散歩しながらYou
Tubeで聞き流しするのだから、もとよりいい
加減なものなのだが、何回か同じところを繰
り返し聞くものだから何%かは頭に残る。原
文に親しむには程遠いが・・・。
既に終わった「更級日記」「和泉式部日記」
「蜻蛉日記」に較べると、理解度がいいのは
何故だろう。ホッとしている。
5/25wed
バイカウツギ バッハの森の ふところに
(ばいかうつぎ ばっはのもりの ふところに)
※バッハのピアノ曲はもっぱらグールドで聴く
ようになった。バッハとて最近はやや凝った、
変形気味の演奏が目立つ中で、正統派の演奏
を聴く思いがする。あのグールドがである。
5/24tue
蘇る バラはアーチを またぎ咲く
(よみがえる ばらはあーちを またぎさく)
グールドの 親ほどになり 五月雨
(ぐーるどの おやほどになり さつきあめ)
※一回り年長のグールドをその活躍の時代から
愛聴している。50歳で急逝した彼は、今や自
分の子供の年齢だ。高価なレコードはお宝も
のだが、YouTubeで毎日のように違った彼を
聴けるのも今日なればこそ。演奏しながらの
ハミングというかうなりというべきか、これ
もちゃんと残っている。(1932-1982)
5/23mon
泰山木 見上げるほどに 蕾増え
(たいさんぼく みあげるほどに つぼみふえ)
※その蕾の小さいうちは葉裏の色と混じり合い
わからない。5月20日を過ぎる辺りでと次
々と大きくなり、真っ白な見事な蕾に、そし
てやがて花開く。この季節に亡くなった母の
記念樹と一人で決めている。
5/22sat
柿若葉 セピアな祖母の 顔ほどに
(かきわかば せぴあなそぼの かおほどに)
※昔は写真はなんであれ貴重だった。黒いシー
トの厚いアルバムに貼られた写真は枚数が限
られたが故に、その時々を思い返す手段だっ
た。それが今は・・・省略。
5/20fri
普段着を 詫びて淑女の バラの香を
(ふだんぎを わびてしゅくじょの ばらのかを)
※バラ園は谷津遊園の跡地。遊園はライダーや
プールなど先端の施設を誇ったが、昭和57年
に閉園した。40年も前のことだ。
行かばやと思いし園は白黒の
写真となりてバラ園飾る
5/19thu
バラに寄す 皺ものびてる 至福かな
(ばらによす しわものびてる しふくかな)
※開花の盛りを越えたというので急遽谷津バラ
園に出掛けた。駐車場を心配したが、ウィー
クデイの午後でなんなくセーフ。幸せそうな
顔、顔がいっぱい。時間ゆっくり。
5/17tue
神田祭 女坂急を ものとせず
(かんださい おんなざかきゅうを ものとせず)
※神田祭は今年2022年偶数年とかで陰祭。ハイ
ライトのひとつ神輿宮入とかは行われなかっ
た。境内からお囃子が聞こえてくると、明神
下から女坂の石段を駆け上がる。比較的近く
に住んでいた頃の、昔々のお話。
5/16mon
カレンダーに桃の摘果と書き込みぬ
(かれんだーにもものてきかとかきこみぬ)
※晴れたら・・・、草むしり、カイガラムシ退治、
ぶどう誘引、桃摘果と労働項目が増えていく。
雨模様のままでもいいっていう気になってきた。
5/15sun
ジャガイモの 花は色あり 長雨よ
(じゃがいもの はなはいろあり ながあめよ)
夕闇に カラー一列 浮かびおり
(ゆうやみに からーいちれつ うかびおり)
※今年4月後半以降関東地方の南部は不純な天候
が続く。ここ房総半島は長雨の後も曇りが続き、
今日も雨模様。
5/14sat
梅雨前の なお梅雨らしき 雨雨が
(つゆまえの なおつゆらしき あめあめが)
薔薇見行 晴れの予想に 恵まれず
(ばらみこう はれのよそうに めぐまれず)
苗見やる 暇なき雨 線状の
(なえみやる いとまなきあめ せんじょうの)
5/13fri
新緑や 名前をずっと 思い出しつつ
(しんりょくやなまえをずっとおもいだしつつ)
※新緑は今が最高。家を出るときから或る人の名
前が思い出せないままだ。目は新緑を愛でてい
る。・・・夏めく、認知症めく。後期高齢者の
暗記試験は満点だったのに・・・。
5/12thu
薔薇の花 吉事を待たず 咲き揃う
(ばらのはな きちじをまたず さきそろう)
雨雲に追われ 野ばらの家の前
(あまぐもにおわれ のばらのいえのまえ)
5/11wed
夏めいて 頭の吹き出 消えにけり
(なつめいて あたまのふきで きえにけり)
※晴れた一日、この時節は寒くも暑くもなく、湿
度も低いし、空気が澄んで正に薫風の光景。一
番贅沢な一日。
5/9mon
青堀の 駅の前なる 古墳初夏
(あおほりの えきのまえなる こふんしょか)
※千葉県は古墳の数では近畿諸府県に比しても遅
れをとらぬ多さであるという。案内板、説明板
の充実、メディアでのアピールなどPRに努めて
いる。
5/8sun
年一度 筍掘りて 友となり
(ねんいちど たけのこほりて ともとなり)
筍を 分けて竹婆の 友となり
(たけのこを わけてちくばの ともとなり)
筍で 通じ壮なり 三品食い
(たけのこで つうじそうなり みしなくい)
※当地の孟宗竹掘りはもう終盤。タケノコ三句。
殆ど川柳だが、家内とその友に感謝。小生はお
相伴に与っている。
5/6fri
立夏の日 カイガラムシの 蔓延れる
(りっかのひ かいがらむしの はびこれる)
今ほどに 端午の写真 あらばこそ
(いまほどに たんごのしゃしん あらばこそ)
※端午の節句に立派な武者人形の前で微笑む男の
子の映像を見た。晴れの舞台にいい写真もムー
ビーすら手軽に残せる時代だなと思ったが、今
日どれだけの家庭でこうした節目節目のお祝い
や、季節の催しをしているだろうか? ネック
はお金ではない。
5/5thu
半袖や オランダ帰りの 鯉のぼり
(はんそでや おらんだがえりの こいのぼり)
大凧や 駐車場行く 連法被
(おおだこや ちゅうしゃじょういく れんはっぴ)
浜松や 大人の揚げる 凧の音
(はままつや おとなのあげる たこのおと)
※5月連休後半に浜松の大凧上げが開催される。
「浜松まつり」という。久しぶりのほぼフルバ
ージョンとか。風がなければ凧が上がらず、
あればあったで凧が乱舞して合戦ともなれば恐
ろしいまでの音が響く。
5/4wed
蝶々が 世をば明るく してもなお
(ちょうちょうが よおばあかるく してもなお)
店先の 春のブラウス 少し褪せ
(みせさきの はるのぶらうす すこしあせ)
5/3tue
春愁を払いのけよと一日吹く
(しゅんしゅうをはらいのけよとひとひふく)
春の雨 人犬濡れて 意気いまだ
(はるのあめ ひといぬぬれて いきいまだ)
※今日は打って変わってきれいな晴れ日。気温も
ぐんぐん上がる。当地観光地とされる所の一部
をを巡回? どこも連休の人出という感じが戻
っている。テークアウトの弁当をクルマの中で
食べると、こちらも外出・外食をした気分にな
った。
5/2mon
八十八夜 欠けたる急須 捨てられず
(はちじゅうはちや かけたるきゅうす すてられず)
春昼や 鮮魚卸しは 店洗う
(しゅんちゅうや せんぎょおろしは みせあらう)
5/1sun
バス停の あるコンビニに 春幟
(ばすていの あるこんびにに はるのぼり)
春の風 今年一枚 耕さず
(はるのかぜ ことしいちまい たがやさず)
※新たに休耕田かと思ったが、品種別の需給の関
係だとか。一時は稲作担い手の減少・高齢化で
休耕田が増え、やがて担い手の統合と耕作大規
模化とで今はほぼ安定していると聞いていたが、
様々な事情があるようだ。