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ダクタク2019年5月 ブログトップ

ダクタク句集2019年(令和1年)5月 [ダクタク2019年5月]

5/31fri
雨上がる 夏服の子らの 声高く
     (あめあがる なつふくのこらの こえたかく)
        ※登校する中学生が夏服になった。見た目も涼し
         そうだし、当人たちの元気も良い。

五月雨や 濡れて乾いて また濡れぬ
     (さみだれや ぬれてかわいて またぬれぬ)
        ※雨雲は去ったはずなのに、こぬか雨のような雨
         が音もなく降ってきた。この程度の雨なら着衣
         が乾くスピードの方が勝っている。

5/30thu
ごみゼロの 朝やシニアの 輝けり
     (ごみぜろの あさやしにあの かがやけり)
        ※5/30は町内会の清掃大会。シニアは側溝の底ま
         で浚い、雑巾をかけたように磨き込む。・・・
         同じシニアでもそれほどしない人も多いが。

落花生 苗は暑さに へこたれず
     (らっかせい なえはあつさに へこたれず)
        ※去年成功した落花生を地植えした。丁寧に黒マ
         ルチを使い、防虫ネットで覆った。敵はアライ
         グマ、キョンなど大物。毅然として接近を予防
         し、侵入したら撃退する覚悟だ。(去年夏アラ
         イグマが2頭捕獲された)

5/28tue
真夏日に ひいきの鳥屋は ヒマならず
     (まなつびに ひいきのとりやは ひまならず)
        ※5月としては異常な真夏日の連続。近所の焼き
         鳥屋は冬場はもちろん、この天候にあっても夕
         方の列は変わらない。冷たいビールと・・・。

5/27mon
一人夜や 紫煙ひとすじ 五月闇
     (ひとりよや しえんひとすじ さつきやみ)
        ※少々暑すぎるけれども、ゆっくり夜を過ごす。
         これも至福の時間。

5/26sun
夏の夜 書かれしものを 探し食う
     (なつのよる かかれしものを さがしくう)
        ※今日は所用で夕方に帰宅。家人は外泊である。
         今晩のメニューと食材の在り処を見て、面倒く
         さいがのろのろと準備する。とはいってもカレ
         ーなのだが。

5/25sat
国賓を 待つ真夏日や 若き顔
     (こくひんを まつまなつびや わかきかお)
        ※令和最初の国賓トランプ米国大統領。最大級の
         警戒体制。当然だろう、日々世界の耳目を驚か
         す人物だ。若い警察官の顔に汗が流れるが、拭
         おうともせず毅然として立っている。

5/24fri
真夏日に 胃を切りし人の タバコ吸う
     (まなつびに いをきりしひとの たばこすう)
        ※意気軒昂なのは良いのだが、無茶はいけないと
         言うも、馬の耳に念仏。病気自体が大事なサイ
         ンだったのだから、これを機に「なにかを我慢
         する」度量もまた人生の味わいでは?

5/22wed 
通学路 白のシランは 絶えにけり
     (つうがくろ しろのしらんは たえにけり)
        ※今中学校の通学路沿いに100メートルほどシ
         ランが見事に咲いている。ところが咲いている
         のは赤紫の花だけだ。数年前白の株を15本ほ
         ど家からここに移植したのだが。増えてくれれ
         ば、の期待も空しく、年々減って今年はついぞ
         見かけない。

5/21tue
青嵐 ホタルブクロを 助けんと
     (あおあらし ほたるぶくろを たすけんと)
        ※朝から強い風雨が続いている。昨日施したノッ
         ポ花の添え木が傾いてしまって、かえって花を
         痛めている。ひどい風雨の最中、わが家人は敢
         然と救出に向かう。

5/20mon
花樗 木陰に傘を たたむ人
     (はなおうち こかげにかさを たたむひと)
        ※教えてもらった木は駅の近くの民家の前。セン
         ダンの木(おうち樗、楝は古名とか)だ。駅ま
         で急いできた人がここで時計を見て、ほっと休
         憩する。駅までは15秒。改札口とか階段はない。
         音を聞いてからでも間に合う。

5/19sun
ぶどう棚 雄々しき蔓を 懐柔し
     (ぶどうだな おおしきつるを かいじゅうし)
        ※ぶどう棚を拡張した。鉄パイプ、ジョイント類
         など材料費が結構かかる。家人は「これでブド
         ウを買った方が確実に満足できるのに」などと
         憎まれ口をたたく。
         奔放に伸びたツルを見極め、棚に導く。誘引と
         いう作業。ブドウのツル、元気はあるが実は折
         れやすい。なだめすかしながら、慎重に行う。

5/17fri
草むしり 耳に晩生の チューリップ
     (くさむしり みみにおくての ちゅーりっぷ)
        ※朝9時過ぎまでと決めて草むしりをしている。
         それ以上はやらないが、雑草の伸びと蔓延りの
         スピードに負けない程度だ。しゃがんだ姿勢で
         庭を見るのは新鮮な驚き。様々な色のバラとラ
         ベンダー、芍薬などがいつもと違った顔を見せ
         る。

5/16thu
時雨るや 京マチ子逝き ドリスデイも
     (しぐるるや きょうまちこゆき どりすでいも)
        ※どちらも90歳を超える高齢で天寿を全うした。
         昭和30年過ぎの中学生時代か、印象はとても
         鮮明だ。京マチ子は普通の女優として憧れるに
         は格が上の存在、勝手に別格だと思っていた。
         後年になっていたく感心した小津安二郎「浮草」
         で、一気に距離が縮まった。
         ドリスデイは、やっぱり同じ頃好きだった江利
         チエミが日本のドリスデイと呼ばれていたこと。
         そして何度か聴いたドリスデイの歌声には抜群
         のリズム感と声の彩りに思わず「すげえ」と洩
         らしたこと、昔々の話である。

5/15wed
五月雨 待ちいし緑の 呼吸の音
     (さつきあめ まちいしみどりの いきのおと)
        ※昨日今日の雨は久しぶり。庭の緑も畑の作物も
         一気に息を吹き返す。花木についたアブラムシ
         は消毒しても退治は難しいが、降雨に叩かれて
         大半が地面に落ちるとも。果実を期待する家人
         は一番雨を待っていた。

5/14tue
山吹や 盛りも子規の 好みかな
     (やまぶきや さかりもしきの このみかな)
        ※山際の家でヤマブキの花を見かけた。野生の花
         の印象が住む人をしのばせる。思い出せなかっ
         た子規の句を帰宅してから調べたら、ヤマブキ
         の散り際、花びらを詠んだものが多かった。

           山吹や 小鮒入れたる 桶に散る
           山吹や 花散りつくす 水の上
           山吹の 流れ去りけり 一しきり

5/13mon
子猫なく うつぎ花咲く 病院に
     (こねこなく うつぎはなさく びょういんに)
        ※近所に開業した犬猫病院が次第に流行ってきた。
         朝から患者?が待っている。当家の犬は幸いに
         して快食快便快眠の3拍子が揃い至って健康、
         今のところ医者要らず。
         先代の犬の後期に始めた、毎日牛乳とキャベツ
         のジクを摂らせること。これが秘訣だと信じて
         いる。それと美食回避、運動励行。
         アレッ、これって自分の日課と同じだ。

5/12sun
時雨るや 謡稽古の 渋く渋く
     (しぐるるや うたいげいこの しぶくしぶく)
        ※デイサービスを兼ねた施設から謡の練習らしい
         声が聞こえる。小雨模様の朝、しっとりとした、
         なにか良い感じ。

5/11sat
夕方は 嫌だといかつい 顔ながら
     (ゆうがたは いやだといかつい かおながら)
        ※一人住まいの同年代の知人がいる。若い頃から
         偉丈夫でならした人で、今もまだ体も挙措も堂
         々としている。一人住まいもなんのその、とは
         いうものの、「日暮れ時はさびしい」と。

5/10fri
ローズマリー 夏日予報の 日の朝
     (ろーずまりー なつびよほうの ひのあした)
        ※草むしりは朝のうちに済ませておこう、などと
         言う季節になった。当地はまだ25度を越える
         最高気温はなかった。ちょうど良い気候には長
         居をして欲しいものだが・・・。

5/8wed
覆うもの 隠すものなく 五月晴れ
     (おおうもの かくすものなく さつきばれ)
        ※快晴。雲ひとつなく、青さが際立っている。全
         てがさらされてしまいそうで、眩しいを通り越
         して何故か後ろめたい感じに近い心象だ。

5/7tue
ノド痛の 友にメールを 葱坊主
     (のどいたの ともにめーるを ねぎぼうず)
        ※10日間の連休が終わった。殆ど関係がないの
         にやれやれ感があるのはどうしてだろう。長年
         の勤め人暮らしの惰性かな?
         長い休みほど、アレもコレもと楽しみに計画し、
         結果はその何分の一も実現せず、休み最終日に
         は深刻な挫折感に苛まれたものだ。オマエ、な
         んのために生きているのか?・・・と。

5/5sun
憧れの エゾエンゴサクに あいまみえ
     (あこがれの えぞえんごさくに あいまみえ)
        ※北海道と東北の一部に自生する、ドラマでおな
         じみの花。群落とはいかないが、こちらで育て
         た人がいた。ははん、これか・・・。初夏の風
         を感じた。

5/4sat
ジョウビタキ 八十八夜に なお呼べり
     (じょうびたき はちじゅうはちやに なおよべり)
        ※渡り鳥とされるジョウビタキが5月に入っても、
         「ピーーィッ」と毎朝呼びかける。名前も知ら
         なかった、野鳥門外漢であるが、今年はこの鳥
         が「留鳥」であることを確認したい。

5/3fri
メールでも 訛りはありて 春の声
     (めーるでも なまりはありて はるのこえ)
        ※胃ガンで手術した古い友人とメールをやり取り
         した。元気な様子で安心した。幼稚園、小学校
         からの仲、大学時代は山岳部の猛者で海外にも
         何度か遠征した。バイカル湖の岸辺で拾ってき
         た石を土産に持ち帰ってくれたっけ。

5/2thu
芍薬の 色が描けぬ 今年また
     (しゃくやくの いろがえがけぬ ことしまた)
        ※絵画教室では「花はキライ」とか言っていられ
         ない。例会の半分ほどが季節の花のスケッチだ。
        「この見事な色が、自分で描けたらこんなところ
         にはいない」、声に出さない愚痴である。

5/1wed
新しき 御代や靴ひも 締めなおし
     (あたらしき みよやくつひも しめなおし)
        ※令和元年の初日。ボン・ボヤージ




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