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ダクタク2019年3月 ブログトップ

ダクタク句集2019年(平成31年)3月 [ダクタク2019年3月]

3/31sun
春ひばり 姪の息子に 嫁が来る
     (はるひばり めいのむすこに よめがくる)

ムスカリや この粒ほどに 幸多く
     (むすかりや このつぶほどに さちおおく)
        ※夜来の雨があがり、腕白息子最良の日が来た。

3/30sat
金柑を 貰いそこねて 土手の春
     (きんかんを もらいそこねて どてのはる)
        ※朝の散歩で顔見知りのお年寄りとこの冬は会わ
         なかった。この人の畑のそばにキンカンの木が
         何本もある。彼女に断って、そのたわわになっ
         たキンカンを貰おうと思っていた。残念。もう
         遅い。

3/29fri
春の日や 子規に勝れる おらが城
     (はるのひや しきにまされる おらがしろ) 
        ※先日民放TVで「お城総選挙」という番組を
         見た。郷里の会津若松城(鶴ヶ城)が16位で松
         山城よりも上位にきた。大概のランキングとは
         違う結果だ。しかし敬愛する子規に一泡吹かせ
         たようで快哉を叫んだものだ。
         ・・・松山城は三度訪れたが、まっこと良い城、
         一桁も上位に来るのが順当だと思う。
         松山城を本格的に築城したのは賤ヶ岳七本槍の
         一人加藤嘉明。家光の時代に嘉明は加増されて
         会津藩主となった。

3/28thu
花ニラは 清楚の極み 小さきも
     (はなにらは せいそのきわみ ちいさきも)
        ※東京の桜は昨日満開とか。当地は0~3分咲き。
         こんなに差があるのも珍しいのではと思う。家
         の桃の花は満開。散歩ルートでは桜並木の足元
         にひっそり咲く花ニラが主役。

3/27wed
酔いつぶれ 春の飲み屋の ざわめきを
     (よいつぶれ はるののみやの ざわめきを)
        ※都内散歩の会、最後は錦糸町駅前での打ち上げ。
         このところ酔うと気分が悪くなることがある。
         この日もあえなくダウン。居酒屋のざわめきが
         友人の声がとぎれとぎれに・・・。

3/25mon
春宵や 川のきわなる 鍋屋かな
     (しゅんしょうや かわのきわなる なべやかな)
        ※本所と深川の境目に堅川が流れている。その二
         の橋のたもとに軍鶏を食わせる鍋屋「五鉄」が
         あった。平蔵のなじみの店。池波正太郎「鬼平
         犯科帳」での話。今回も本所から錦糸町へ行く
         途中で、すぐ近くを通った。もちろん店はない。

編笠の 平蔵と会う 鍋屋かな
     (あみがさの へいぞうとあう なべやかな)

3/24sun
海舟翁 川の向こうを かけし春
     (かいしゅうおう かわのむこうを かけしはる)
        ※前回赤坂の路地をめぐって勝海舟の屋敷跡を探
         した。当地本所でも海舟ゆかりの地が複数ある。
         まず訪れたのは、吉良邸跡に近い両国公園の中
         の「生誕の地」。立派な記念碑と説明板があっ
         た。次は少し離れて錦糸町駅近くの「揺籃の地」
         と「幼少年時居住の地」だ。NHKのドラマ
         「小吉の女房」で住まいは本所割下水とあった。
         割下水とは雨水などを流す掘割のこと。明暦の
         大火後に整備されたとか。

3/23sat
シニア行く 春の本所は 松坂町
     (しにあいく はるのほんじょは まつざかちょう)
        ※芥川の碑を見て、吉良邸跡に。シニアの足の向
         く先はお決まりのコース。上野介の首を洗った
         という「首洗い井戸」なるものがあった。出来
         過ぎの配置。

洗うべき 春のほこりも なかりけり
     (あらうべき はるのほこりも なかりけり)

3/22fri
春まだき 粋人ありて 腹を切る
     (はるまだき すいじんありて はらをきる)
        ※両国橋を渡ったところに赤穂浪士大高源五の句
         碑がある。「日の恩や 忽ちくだく 厚氷」とあ
         る。立派な句碑だ。雅号は子葉。一流の風流人
         と交流し、吉良邸内偵の役目を担っていたとか。
         句碑の背後には大山巌の巨大な「表忠碑」が立
         っている。赤穂浪士の義挙を称えたのかな? 
         それにしても巨大すぎる。実は日露戦争の戦死
         者を悼んだものであるとか。

回向院 大火と力士 犬と猫
     (えこういん たいかとりきし いぬとねこ)
        ※明暦の大火の死者を供養するために幕府が建立
         したとか。駆け足の印象ではあるが、境内のあ
         ちこちにこの寺の特徴があふれている。力士、
         海難事故の犠牲者、犬猫の供養等々だ。立派な
         本堂は阿弥陀仏と千体地蔵が安置され、お堂の
         左右には犬猫の数知れない卒塔婆が壁にはめ込
         まれ並べてある。ちょっと異様な感じも。
         現代を生きる都会のお寺だなァと感心。

3/21thu
屋形船 女将せわしき 春の夕
     (やかたぶね おかみせわしき はるのゆう)
        ※浅草橋から柳橋にかけての左岸には屋形船や釣
         り船が係留されている。屋形船の料金コースが
         料理の写真と共に貼ってある。2時間30分の
         周遊で料理込み1万円から3万円というところ。

柳橋 古楼はビルに 春の風
     (やなぎばし ころうはびるに はるのかぜ)
        ※柳橋界隈は江戸時代から由緒正しき花街だった
         ところ。隅田川を眺め、柳橋芸者が酌をするお
         座敷遊び、どうにも遠くなってしまったらしい。
         老舗の「亀清楼」はビルとなって閉店中だし、
         柳橋から浅草に向けての通りも見通しがきかず、
         散歩客にはかつての空気を察するよすがもない。

     「お白粉の風薫るなり柳橋」 子規
     「贅沢な人の涼みや柳橋」  子規

水温む 青のかんざしで ぬしに会う
     (みずぬるむ あおのかんざしで ぬしにあう)
        ※柳橋は永代橋を模したデザインの鋼鉄製。昔の
         においはしないが、ガス灯型のライトが吊られ、
         欄干にはかんざしのモチーフが施されている。
         すぐ下流は隅田川。

3/20wed
神田川 北窓開く 岸の家
     (かんだがわ きたまどひらく きしのいえ)

左衛門橋 シニアは春の 帽子かな
     (さえもんばし しにあははるの ぼうしかな)
        ※この会は三人の会。数えること21回、7年目
         に及ぶ。多少の例外はあるが、どの季節も好天
         に恵まれている。今回も晴れて春うらら、下町
         の春は光に溢れている。

橋めぐり トイレを目指す 友の脚
     (はしめぐり といれをめざす とものあし)
        ※橋は河口に向かって、神田ふれあい橋、和泉橋、
         美倉橋、左衛門橋、浅草橋、柳橋と続く。友人
         の脚は前回不調気味に見えたが、今回は快調。
         橋のたもとのトイレにスイスイと向かう。

3/19tue
サクラ待つ おたぬきふれて 歩き初む
     (さくらまつ おたぬきふれて あるきそむ)
        ※先日恒例の都心散歩の会に出かけた。今回は秋
         葉原から神田川沿いに隅田川合流までの橋めぐ
         り。それから両国橋を渡って本所界隈を練り、
         東進して錦糸町まで歩こうというもの。
         秋葉原駅に近い神田川のたもとにある柳森神社
         がスタート地点。ここは「おたぬきさま」を祀
         っている。

3/18mon
兄として どれだけのことを 春疾風
     (あにとして どれだけのことを はるはやて)
        ※弟の命日が来る。満二年。決して順調な生涯で
         はなかっただけに今もじわーと考えている。
         このところ葬式、命日などの記事が多い感あり。
         抹香臭くていけない。もうやーめた。
         もうすぐサクラ開花。

3/16sat
春雨や 盆栽ひとり 傘もなく
     (はるさめや ぼんさいひとり かさもなく)
        ※亡き義兄がくれた松の盆栽が雨に濡れている。
         「春雨じゃ・・・」の風情ではなく、相当弱っ
         ている様子だ。「ダメにするからいらない」と
         言ったのだが。人にものを上げるのが好きな人
         だった。

3/14thu
ふきのとう やや少なきを 惜しみつつ
     (ふきのとう ややすくなきを おしみつつ)
        ※朝早くふきのとうの秘密の場所に出かけた。こ
         のところの暖かさで、殆どが大きくなり過ぎて
         いる。良さそうなのは数えるほど。今シーズン
         はこれが食い納めになりそう。まあ、いいか。
         発ガン物質が含まれるから多食は要注意と友人
         が言っていたっけ。

3/13wed
兄姉を 亡くしことさら 春めぐる
     (きょうだいを なくしことさら はるめぐる)
        ※この冬に兄と姉を亡くした家内はじっとしてい
         る。このところの暖かさで梅の蕾が一気に色づ
         いてきた。

3/12tue
春めくも 大三角の いまだなお
     (はるめくも だいさんかくの いまだなお)
        ※冬の大三角が南東の空に昨夜もバッチリ。冬の
         寒さゆえの見事な自然現象は数知れない。朝夕
         厚着しながら外を歩く楽しみはもう少し。

3/10sun
スマホ見つ 春の野を行く 男あり
     (すまほみつ はるののをいく おとこあり)
        ※昨日関東地方に春一番が吹いたとか。平年より
         かなり遅めらしい。今朝は朝から気温がぐんぐ
         ん上昇している。

3/9sat
技継ぎて 菅生の春に 鋏鳴り
     (わざつぎて すごうのはるに はさみなり)

春寒や 二日酔いして 脚絆卷く
     (はるさむや ふつかよいして きゃはんまく)
        ※他界した義兄は造園業の前社長。とはいえ根っ
         からの職人で、それを誇りにしていた。人が良
         くて優しく、家族をそして酒をこよなく愛した。

3/7thu
なつかしき 顔あり春の 通夜の客
     (なつかしき かおありはるの つやのきゃく)

酔い覚まし 椿のかげを 通夜帰り
     (よいざまし つばきのかげを つやがえり)

3/6wed
春めきて 隣家の音が 声になり
     (はるめきて りんかのおとが こえになり)

春の雨 隣りのむすめの 気合かな
     (はるのあめ となりのむすめの きあいかな)
        ※隣家の小学校高学年の娘は会えば会釈する程度
         だが、時々熱心になにかを稽古する声が聞こえ
         る。はて、なにかな? 兄が習っている合気道
         をいっしょにやっている? それとも回転レシ
         ーブの練習? ドタンバタンの音と彼女の気合
         は春の我が家の七不思議。

3/2sat
春の日に 千日ぶりの 我が家かな
     (はるのひに せんにちぶりの わがやかな)
        ※義兄が今朝息を引き取った。3年弱病院や施設
         に滞在し、あれほど念願した生家に無言でもど
         って来た。

3/1fri
春を待つ 昭和のこけしを 描きけり
     (はるをまつ しょうわのこけしを えがきけり)

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