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ダクタク2019年2月 ブログトップ

ダクタク句集2019年(平成31年)2月 [ダクタク2019年2月]

2/28thu
クロッカス 数えている間の 黄八丈
     (くろっかす かぞえているまの きはちじょう)
        ※八丈は長さとしては超おおげさ。1丈=10尺
         で3メートル強。我が家のクロッカスの花壇は
         真っ黄色だけれど、広さは1m×2mほどで長
         辺でも1丈未満。

2/26tue
えんぶりや 七色の烏帽子 雪に舞う
     (えんぶりや なないろのえぼし ゆきにまう)
        ※東北を代表する冬の祭りで2月中旬に開催され
         る。国の重要無形民俗文化財。凶作や飢饉に何
         度も見舞われた、厳しい気候のこの地で、こん
         なにもカラフルで美しい装束、勇壮な舞いが伝
         承されていることにただ驚嘆。

2/25mon
雪解けや 相生町の 兄の家
     (ゆきどけや あいおいちょうの あにのいえ)
        ※会津若松の兄は現役引退後ガーデニングに凝り
         始めた。前庭を道行く人に開放している。しか
         し今は一面真っ白。道路の雪は大半なくなった
         というが。ところでこの句、大したものではな
         いけれども、中7と下5が共にアで始まるため
         に音の調子が良くなる。声に出すと一層それが
         わかる。俳人の手口をちょっとだけ理解した。

2/24sun
蝶のさま PC動画で 追うてみる
     (ちょうのさま ぴーしーどうがで おうてみる)
        ※ストックを露地栽培風に描いている。ちょっと
         だけ季節を先取りしてモンシロチョウをと思い、
         ネットで検索した。動画も画像も、イラストま
         で・・・溢れている。シーズンフリー。

2/23sat
うらやまし いまだ真冬の 常念を
     (うらやまし いまだまふゆの じょうねんを)
        ※松本市に住む友人のメールに冬の常念岳を讃え
         る文があった。朝の張り詰めた空気の向こうに
         真っ白な常念岳が・・・。

2/22fri
春一番 昔はもっと 待たれしを
     (はるいちばん むかしはもっと またれしを)
        ※花粉症の先達である家人は、この季節私が鼻を
         むずむずさせたりすると、「あ、それ花粉症の
         始まり」と言ってきて20年にもなる。しかし
         いまだにその恐れはない。春一番を待っている。

春未暁 風の戸音が 和らげり
     (はるみぎょう かぜのとおとが やわらげり)

2/21thu
ジョービタキ 寒空ここに いましたか
     (じょーびたき かんくうここに いましたか)
        ※ある雑誌の巻頭カラーページでジョービタキが
         紹介されていた。晩秋に北方から飛来する好き
         な野鳥。紋付鳥とも。「餌が少ないため殆ど単
         独で行動し」、「ピーーヨ」と啼くと。この簡
         単な記述が今までは得られなかった。
         この近所では特に早朝宅地内で、電線の上でよ
         く見かける。いつも一羽。
         「ピーーヨ」・・7~8秒・・「ピーーヨ」。

2/20wed
金文字の 残るガラス戸に 吹雪くかな
     (きんもじの のこるがらすどに ふぶくかな)
        ※小学生の時の通学路に商人宿があった。通りに
         面した入口のガラス戸に、金文字で宿の名が書
         いてあった。その後の長い間、前を取った記憶
         がない。日本海側が分厚い雪雲におおわれる荒
         天の予報を見る時など、時折金文字がどうなっ
         たか、かすれてしまったかと思いやられる。

2/18mon
年月は 盗人なれども 春めぐむ
     (としつきは ぬすっとなれども はるめぐむ)
        ※古今の明哲は言う。「年月は人にとって命にと
         って一番大事な時間を奪っていく」、「流れる
         年月はわれわれの幸福を一つ一つ盗んでいく」
         ・・・。今朝は暖かい、また春めぐるの気配だ。
         これも流れる年月のおかげか。

2/17sun
風邪癒えて 冬の務めを 果たしけり
     (かぜいえて ふゆのつとめを はたしけり)
        ※風邪本復。散々だったが、リバウンド気味だっ
         た体重が目標の50kg台にワンタッチした。世
         間の人の多くがインフルエンザに罹っている。
         仲間入りしたかな? 小さな達成感が残った。
         「風邪癒えて」3題。

風邪癒えて 菜花水仙を 凌駕せり
     (かぜいえて なばなすいせんを りょうがせり)
        ※早朝の犬の散歩は短々バージョンでお茶を濁し
         ていた。犬の体重は増加。久しぶりのフルバー
         ジョンで小櫃川の堤に出かけたら、全然なかっ
         た菜の花が咲き始めていた。

風邪癒えて 春シューさんの 即興曲
     (かぜいえて はるしゅーさんの そっきょうきょく)
        ※好きなシューベルトの即興曲を聴く。この曲を
         初めて耳にした時、4曲とも「水の流れ」のイ
         メージを持った。このことは一人合点かな?と
         思っていたら、広くそのイメージが定着してい
         ることも知った。風邪から回復したら、やっぱ
         りこれだ。アップロードは数知れない。
         その中で。 

2/16sat
蒲公英や 幽かに霰を 撥ね返し
     (たんぽぽや かすかにあられを はねかえし)

玉ねぎに 年の初めの 馳走する
     (たまねぎに としのはじめの ちそうする)
       ※2月に入っての雪、霰は珍しくない。そんな荒れ
        気味の2月も下旬に入ると、着実に日々の気温を
        高めていくようだ。晩秋に苗を植えてから、なん
        にも世話しないできた玉ねぎの冬越しも終わりだ。
        「2月下旬に初めての追肥をせよ」とある。

2/15fri
湯たんぽと 氷枕で 三日過ぎ
     (ゆたんぽと こおりまくらで みっかすぎ)
       ※風邪もう一週間近く、結果的にはダウンが続く。
        強がりを言っても、今季もやってしまった。喉と
        痰が中心なので、頭寒足熱を徹底するのが一番。
        灯油ストーブなどで頭が下手に暖房されると途端
        に痰が絡む。二度目の処方薬をもらった。

2/14thu
寒鰤や いまだ本復に 不足あり
     (かんぶりや いまだほんぷくに ふそくあり)
       ※風邪は幸い重くはならない。なんど治ったと思っ
        たことか? いまだにノド変調と微熱がある。治
        ったとは思わず、静かにしよう。

2/12tue
絵ろうそく 冬に仏の 華やげり
     (えろうそく ふゆにほとけの はなやげり)
        ※故郷では昔旧正月もつつましく祝った。寒さの
         底になることの多い、この季節、家の中の行事
         が嬉しかった。仏壇にはお供えも花も少しだけ、
         絵ろうそくが際立った。

2/11mon
春の雪 キャベツの列を まっさらに
     (はるのゆき きゃべつのれつを まっさらに) 
        ※今日も朝方は雪。畑に取り残されたキャベツは
         すっぽりと雪の綿帽子をかぶっている。長いこ
         とハチマキがしてあったから、もう枯れ葉色に
         なり、大きさも縮こまってきていた。

2/10sun
風強し 福寿草咲いて 喉癒えり
     (かぜつよし ふくじゅそうさいて のどいえり)
        ※強風が残っているなか、我が家の絶滅危惧種、
         福寿草が健気にも花開いた。もう一つの危惧種
         は「風邪も寄り付かない」と言っていたのに、
         微熱とのど痛の風邪の症状で三日ほど静かにし
         ていた。こちらも頑張る。

2/9sat
雪模様 独尊唱えし 人は今
     (ゆきもよう どくそんとなえし ひとはいま)
        ※確実と言われた降雪。窓からの光は全面白で華
         やかにさえ見える。何故か主張の強かった人の
         ことを思い出す。ああ、彼も20年近くの間に
         変わっただろうか?

2/8fri
申告の 縁切れ娑婆は 遠くなり
     (しんこくの えんきれしゃばは とおくなり)
        ※社会とのつながり、催しなどは一つ一つ減って
         いく。シニア世代の急増で、こうしたボヤキは
         世に溢れている。

2/7thu
飛び起きて 胸さすりおり 春の夢
     (とびおきて むねさすりおり はるのゆめ)
        ※2月の約束をうっかり失念した、夢を見た。め
         ずらしく飛び起きて、「やっぱり3月じゃん」
         で終わり。

泣く夢を 見しとまた泣く 春の朝
     (なくゆめを みしとまたなく はるのあさ)
        ※悩み多きシニアにはこういうこともある。画と
         して似合わないだろうけど。

2/6wed
虎落笛 故郷の山を なぞりけり
     (もがりぶえ こきょうのやまを なぞりけり)
        ※今日は雨。風もある。しかし虎落笛など、この
         地では期待できない。強風が家の周りの垣根や
         植え込み、防風林などを襲ってできる独特の風
         音を言うとか。故郷では荒天の日など、いくら
         でも聞けたのだろう。その頃は言葉そのものを
         知らなかった。

2/4mon
湯たんぽや 久方ぶりの 朝寝かな
     (ゆたんぽや ひさかたぶりの あさねかな)
        ※立春。朝7時、犬と散歩に行く時の気温は17
         度。昨日は3度。皮膚感覚も狂ってしまう。

冬苦行 プラトンよりも 沙翁かな
     (ふゆくぎょう ぷらとんよりも さおうかな)
        ※古典を読むことは誰しも隠居後の目標。しかし
         プラトンなどギリシャ、ローマの古典は読める
         はずもない。辛うじて今実行中なのはモンテー
         ニュ「随想録」とシェークスピアの併読。双方
         に関連はないのだが、少しは楽しみながら読み
         進むことが出来る。でも大部分は難行、続くこ
         とだけにこだわっている。

2/3sun
駄句三歳 梅の小さな つぼみかな
     (だくみとせ うめのちいさな つぼみかな)
        ※このブログを始めて満三年。俳句も内容も進歩
         はないが、ちょっとホッとしている。取り柄は
         自然体で衒いのない書き付けをしようと継続で
         きたこと。実生活に面白みや変化が乏しいから、
         ブログも充実というには遠い。まあ、これでい
         いかな、と思っている。

2/2sat
黒き指 逝き海苔農家の 三代目
     (くろきゆび ゆきのりのうかの さんだいめ)
        ※木更津周辺の海苔出荷は近年振るわない。有明
         海産と覇を競う時代は再来するのだろうか。逞
         しかった先代が少し前になくなり、半勤半漁の
         三代目は60歳少し前、前途はいかに。
         多くを期待していないのか、当人は意外やのほ
         ほんとしている。

2/1fri
曲がり来る 冬場のバスの 足遅し
     (まがりくる ふゆばのばすの あしおそし)
        ※昨夜の雨と強風は朝にはあがり、快晴の2月の
         空が広がる。なにもかもすっきりしている中で、
         バスだけが相変わらずのんびりと走ってくる。
         春近しを思わせる光景だ。
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