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ダクタク2018年4月 ブログトップ

ダクタク句集2018年(平成30年)4月 [ダクタク2018年4月]

4/30mon
土筆ニョキ アニメのごとく 地べた割る
     (つくしにょき  あにめのごとく じべたわる)
        ※気がつくと、ここにもあそこにも。そして2、3日
         後には立派な土筆になる。

高温の 春や果木の 実の多き
     (こうおんのはるや かぼくのみのおおき)
        ※この3、4月の気温は異常な程高かった。桜前
         線北上の早さだけでなく、庭の様々なところで、
         例年と違うことが。欲張りなだけに果物の木が
         旺盛に実をつけるのは歓迎なのだが・・・。

4/28mon
ぶどう棚 小さき実そっと 誘引す
     (ぶどうだな  ちいさきみそっと ゆういんす)

衰えし 大工の技や 春の夜
     (おとろえし だいくのわざや はるのよる)
        ※宿題だったぶどう棚がようやく完成。買い求め
         た鉄管の切断治具がうまく行かなかったり、苦
         戦はしたが・・・。この気候で、作っている間にも
         ブドウの枝葉が実がみるみる大きくなるものだ
         から、早く、早くと無言の圧迫を受けた。

4/26thu
おらもまだ この春なまり とめどなぐ
     (おらもまだ このはるなまり とめどなぐ)
        ※芥川賞の若竹千佐子著「おら おらで ひとりい
         ぐも」を読んだ。この著者は岩手県出身で木更
         津市在住とか。オラが出身地のなまりとはちょ
         っと違うが、よーくわかる。

4/25wed
春届く ヤナギ行李の においかな
     (はるとどく やなぎごおりの においかな)
        ※その昔故郷から届いた行李荷物を思い出した。
         母の手になる紐掛けはヘタで簡単に解けるのだ
         が、あわててやるから失敗する。柳行李はなつ
         かしい。においはしない。「カラで送り返せ」とメ
         モがある。

4/24tue
臈長けし 八重のサクラを 惜しむかな
     (ろうたけし やえのさくらを おしむかな)
        ※3、4月の高い気温で桜前線はすでに遥か北方
         にある。それでも遅い品種の八重が残っていた。
         今年は殊にきれいで、名残りを感じるのは年齢
         のせいもある。

故郷で 見る障子戸の 春灯り
     (ふるさとで みるしょうじどの はるあかり)

4/23mon
銭湯や 腹囲をきそう 春の宵
     (せんとうや ふくいをきそう はるのよい)
        ※近くのお風呂屋に行った。久しぶりでゆっくり
         手足を伸ばした。夕方8時ころ、男湯の客は大
         抵見事な腹をしていた。若手の客もそうだ。汗
         を出して、思いっきりビールを呑む客が多いも
         のか? 比較してやや気後れがするほど・・・。
         何年か前にかなりのダイエットに成功したこと
         が悔やまれそうな雰囲気。 

湯上りに 牛乳春の いのちかな
     (ゆあがりに ぎゅうにゅうはるの いのちかな)

4/22sun
新ビルは 諦め春の フェスタかな
     (しんびるは あきらめはるの ふぇすたかな)
        ※日比谷~東京駅
         戸嶋靖昌記念館(麹町)は午後臨時休館とかで
         諦める。日比谷ミッドタウンも省略。日比谷公園
         の地方物品フェスタをのぞき、日が傾いて来た
         日比谷通りを東京駅に向かう。

帝劇の 地下かつて我 春がすみ
     (ていげきの ちかかつてわれ はるがすみ)
        ※その昔東京駅京葉線から徒歩で帝劇地下まで歩
         き、三田線で西台まで通勤していた。毎日4時間
         余りの通勤時間をよくも通ったものだ。

日くれたり 行幸通りに 春灯り
     (ひくれたり ぎょうこうどおりに はるあかり)
        ※東京駅から馬場先門まで、途中日比谷通りをま
         たぐ形で、広い「行幸通り」が整備された。首都の
         玄関口にふさわしい、シンプルで堂々とした通り
         になった。東に東京駅、西には二重橋が見渡せ
         る。折しも点灯された通りは薄い夕焼け空を背
         景になかなかきれいだ。

春宵や スマホを教え 教えられ
     (しゅんしょうや すまほをおしえ おしえられ)
        ※打ち上げは八重洲側にわたって、とある居酒
         屋で。孫に持たされたスマホに必死で適応中。

4/21sat
銀座霞む 新しきビルと 店ありて
     (ぎんざかすむ あたらしきびると みせありて)
        ※after

春うらら 銀座は恋の ものがたり
     (はるうらら ぎんざはこいの ものがたり)
        ※before

西銀座 ヤナギは残り 芽吹きたり
     (にしぎんざ やなぎはのこり めぶきたり)
        ※築地~銀座~日比谷
         銀座は最近変貌を遂げた、刺激のある街に変わ
         ったと言われる。世界のブランド店の集積度アッ
         プ、Gsixなど大型店、ユニクロなど旗艦店と呼ぶ
         出店等々だ。見た目には変わった? 一方で確
         実に失ったものもあるではないか。
         若者特に女子に焦点を当てた街づくりはなんと
         なくセコイ。ジョウチョに欠ける。紛れもない、そう
         した事実は多くが感じるところだろうが、「人寄せ
         の波」に抗することはできないようだ。

4/19thu
なにしおう 浜の御殿や 花嵐
     (なにしおう はまのごてんや はなあらし)
        ※浜離宮②
         海側から眺めると、ビル群の壮大な壁を背景に、
         地べたに庭園が這っている印象が強烈だ。潮の
         干満が庭に変化を持たせているとは言うものの、
         現在の景観を誰が想像しただろう。

花筏 潮入る池を めぐりたり
     (はないかだ しおいるいけを めぐりたり)
        ※「お伝い橋」が潮入の池にかかっている。今は
         サクラの花びらが浮かんでいた。

里桜 オオデマリのごとき 花ありて
     (さとざくら おおでまりのごとき はなありて)

4/18wed
北京から PMとやらの 春の風
     (ぺきんから ぴーえむとやらの はるのかぜ)
        ※市場の西端から浜離宮までは徒歩15分ほど。
         ガン研中央病院の前を通る。それにしても今日
         は風が強い。

季節なき ビルの谷間に 庭ぞ春
     (きせつなき びるのたにまに にわぞはる)
        ※浜離宮①
         東京都立浜離宮恩賜庭園というのが正式名称。
         汐留操車場跡再開発の高層ビル群が林立する、
         すぐ側にある。江戸時代6代将軍家宣の別邸
         「浜御殿」として整備されたらしい。江戸城の出
         城としての役目から海に面し、潮水を取り入れ
         た泉水庭が広大な敷地に残る。かつては多くの
         建物、樹木があったけれども戦災等で消失し、
         一部が復元されている。茶屋は復元中だ。

4/17tue
春のお堂 低きつぶやきと 抹香と
     (はるのおどう ひくきつぶやきと まっこうと)
        ※先日4月上旬に仲間と都内を歩く会があった。
         今回は築地市場と浜離宮、そこから歩いて銀座
         ~日比谷~東京駅に至るコースだ。集合場所は
         築地本願寺。

葉桜や インバウンド蠢く 市場かな
     (はざくらや いんばうんどうごめく いちばかな)
        ※移転を前にした市場の雰囲気を、などと考える
         方が間違い。場外店地区はウィークデーでも観
         光客で溢れている。多くは外人観光客。彼らは
         来日前に詳細なポイント情報を得てくるから、
         店の選別ははっきりしている。 「素通り」と「行
         列」が見事に明瞭。

波除社 市場の心 ここに在り
     (なみよけしゃ いちばのこころ ここにあり)
        ※東側に波除稲荷神社がある。ここは比較的静か。
         漁業の安全と市場の繁栄を祈願した寄進がそこ
         かしこにある。

4/16mon
隅田川 ふくらむ水や 遅日かな
     (すみだがわ ふくらむみずや ちじつかな)
        ※過日夕方、相生橋のたもとの越中島公園から永
         代橋方面を眺めていた。圧倒的な水量が日が傾
         くにつれ牙を剥くように思われた。
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筍の 茹で上がるころや 朝の鳥
     (たけのこの ゆであがるころや あさのとり)
        ※今朝、今採れたばかりという筍が届いた。時を
         移さず茹で上げる。

4/15sun
門仲の 暗き店から 春を見る
     (もんなかの くらきみせから はるをみる)
        ※葉桜の門前仲町で待ち合わせ。昼下がりの眩し
         い通りから、とある居酒屋に。薄暗い店内が妙に
         落ち着く。通りの喧騒がBGMのよう・・・。

4/14sat
田植え機に 油さし見る 水鏡
     (たうえきに あぶらさしみる みずかがみ)
        ※田植え前の一面の水田。空を写し、雲を写し、
         さながら水鏡。以前知っていた農家は後継者が
         今日から田植えを始めるらしい。

ぶどう棚 未だ未完の 四月かな
     (ぶどうだな いまだみかんの しがつかな)
        ※去年から頼まれていたぶどう棚の製作、2月、
         3月と延期してきた。まだ芽も葉も出ていない
         からとタカをくくっていたら、アッという間に葉が
         出て、もう繁りそうな雰囲気だ。これはマズイ
         と思っている。

4/12thu
さわさわと 水田に白い 雲のかげ
     (さわさわと みずたにしろい くものかげ)
        ※当地早いところは田植えが始まった。これから
         のところも満々と水を湛えている。

菜の花や 駆け込む人の 無人駅
     (なのはなや かけこむひとの むじんえき)
        ※JR久留里線は殆どが無人駅。だから駆けて来
         る人は「待ってえー」とは叫ばない。

4/11wed
常ならず サクラ描きたき 心あり
     (つねならず さくらかきたき こころあり)
        ※下手な描き手にサクラは高嶺の花だ。いつも敬
         遠していたのに、毎朝の或るポイントからの眺め
         に魅せられ俄然描く気になった。堤の満開のサ
         クラ並木に沿って菜の花の満開があり、すこし
         離れて田舎道が平行している、というもの。
         何故かキュンときた。こんなものかな? 画材と
         の幸せな出会いとは。勝手に上機嫌。

4/9mon
スオウ咲く 隣近所の オスソワケ
        ※蘇芳と書くらしい。隣近所でどこが先でオスソワ
         ケをくれたのか不明。生命力があるみたい。少し
         黒味を帯びた赤色は独特で蘇芳色と呼ばれる。

4/8sun
菜の花や 親子の指が バスを待つ
     (なのはなや おやこのゆびが ばすをまつ)
        ※毎朝支援学校のバスを待つ親子に会う。決まっ
         て母親の指は我が子の指をじっと握っている。
         濃密な愛情。今日は暖かい日。

4/7sat
ミズキ咲く そばに赤きは なけれども
     (みずきさく そばにあかきは ねけれども)
        ※俳句は散文詩や短歌とは違い、内容や解釈を読
         者に委ねるのだと言われる。単純な詩形だから、
         そうならざるを得ないし、作者もそれを認識する。
         先人の秀句に対しても実に多くの解釈や想像が溢
         れている。
         この句は、何年か前に強風のために根が切れてし
         まい、一気に枯れてしまった赤の花ミズキを惜しん
         でいるのだが、しかし一方では「伴侶に先立たれた
         作者が白いミズキを見て寂しさをこらえている」とか
         の想像がされるのかも。(読者がいて、この駄句を
         見て下さっての話ですが・・・)
         私の妻はかたわらで寝息を立て昼寝をしています。

4/6fri
手ぶくろを つけて葉桜の 中に入る
     (てぶくろを つけてはざくらの なかにいる)
        ※一転して寒い朝になった。小雨も。真冬の散歩グ
         ッズはこのところご無沙汰だったが、新品間もな
         い手袋をつける。

こぬか雨 花見の宴の 跡ありて
     (こぬかあめ はなみのえんの あとありて)
        ※満開の日以降初めてのおしめり。少しヒヤッと
         するくらいが趣味。しっとりした空気のなんと
         気持ち良いことか!

シャクナゲに シラーにフリージャ そろい咲き
     (しゃくなげに しらーにふりーじゃ そろいさき)
        ※昨日は24節気の清明。気温のせいばかりでは
         なく、そういう季節なのだ。     

4/5thu
選抜の 終わりて患者の 無聊かな
     (せんばつの おわりてかんじゃの ぶりょうかな)
        ※病院一階ホールの大きなテレビの前には入院患
         者や会計待ちの人達がいっぱい見ていた。「高校
         野球、やっぱり人気だね」と思った。

4/4wed
戸隠の 編み師がしごく 竹や春
     (とがくしの あみしがしごく たけやはる)
        ※細々とつないできた信州伝統の竹細工。ザル類
         や農作業用の背負かご、買い物カゴなど多くは
         地味なものだが、ネットや観光ブームのおかげ
         で信じられない注文が舞い込んでいるとか。後
         継者になるかも知れない若い弟子も・・・。浮か
         れることもなく高齢の職人は竹を小割にしてしご
         き、目の前で練習用の編み方を見せてやってい
         る。若者が思い描く、新たなデザインや用途に
         目を細めることもある。

4/3tue
鍬をもて 田に水引くや 花曇り
     (くわをもて たにみずひくや はなぐもり)
        ※当地の田植えは早く、4月中下旬には始まる。
         田起こしと施肥はとっくに終え、先日は畦の仕
         上げを行い周囲の雑草も刈った。今日は今シ
         ーズン初の水入れ。

4/2mon
春のバラ 主は遍路 空の果て
     (はるのばら あるじはへんろ そらのはて)

春の宵 髪を乾かす 音のあり
     (はるのよい かみをかわかす おとのあり)

春の夜 作品展の 額に入れ
     (はるのよる さくひんてんの がくにいれ)
        ※4月の絵画教室作品展に出す絵を丁寧に額に入
         れる。「馬子にも衣装」とはこのことか? 他人様
         より前に本人が出来栄えに惚れ込む・・・。これだ
         からちっとも進歩しない。

4/1sun
シャクナゲ180402cb.jpg

新年度 朔日シャクナゲ ほころびぬ
     (しんねんど ついたちしゃくなげ ほころびぬ)
        ※このところの暖かさでスタンバッていたシャクナ
         ゲが平成30年度早々に開花した。シャクナゲは
         初夏の季語。

おやおやー 患者呼ぶ声 ニューフェース
     (おやおやー かんじゃよぶこえ にゅーふぇーす)
        ※近くのかかりつけの医院、さわやかな声。皆黙
         ってはいるが、新人看護師に目をみはる。

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