ダクタク句集2020年(令和2年)11月 [ダクタク2020年11月]
11/29sun
温暖化柿干し寒くなるを待つ
(おんだんか かきぼしさむくなるをまつ)
熱湯に 湯がき恐ろし 柿を干す
(ねっとうに ゆがきおそろし かきをほす)
※豊作だった柿が家にたくさんあるのに、家人
は干し柿用を一箱仕入れてきた。干し柿が欲
しいというより、昨年のリベンジを果たした
いというのが本音なのではと思っている。
昨年は10月に干し始めて、散々な結果で途
中撤収した。
11/28sat
一割の 保険証来たる 冬の朝
(いちわりの ほけんしょうきたる ふゆのあさ)
※国の保険財政問題は承知しているものの、こ
うして窓口10%支払いの保険証が届くと正
直嬉しい。どっさり薬を貰う身には、今まで
の支払金額が半分になるのだから。まあセー
ブされる金額は大したものではないけれど。
団塊の世代の対象拡大を前に法改正は必至。
今回は滑り込みセーフ。
11/27fri
酉年の子は父を追い三の酉
(とりどしのこはちちをおい さんのとり)
※人出の中で父母の背を追っていた日はいつの
ことだったか? コロナ第三波のさなかで酉
の市は開催日さえ調整したとか。
11/26thu
芭蕉忌や 京都ネットの 紅葉狩り
(ばしょうきや きょうとねっとの もみじがり)
※先月購入した中国製65インチテレビはその
後も支障なく至極満足している。録画のソフ
トも気が利いている。一番視聴しているのは
高画質ユーチューブだ。熾烈な視聴数競争を
勝ち抜いている優秀サイトが無限にある。選
ぶのはコッチ。
11/25wed
三島忌も 娑婆は遠くに なりにけり
(みしまきも しゃばはとおくに なりにけり)
※没後50年。本来ならこの日で著作権は切れ
るはずだった。娑婆にもどってくるはずだっ
た。青空文庫などはその準備をしていた。
それがTPPで一気に没後70年になってし
まった。暗転。これはだめだ。待てない。図
書館に通うか買うか?
冬ざれや 三島由紀夫に 娑婆遠し
(ふゆざれや みしまゆきおに しゃばとおし)
見下ろせば娑婆 冬の自刃に悔みなし
(みおろせばしゃば ふゆのじじんにくやみなし)
※さて三島自身は遠くなった娑婆をどう思って
いるか? 娑婆の今のあり様では犬死だった
と思うか?
11/24tue
日を違え 得した気分 帰り花
(ひをちがえ とくしたきぶん かえりばな)
※3連休も普段と変わりがない。月曜日に幼稚
園勤務の方に「今日は休み?」と尋ねた。勤
労感謝の日も知らないの?という顔つきだ。
つい休み明けを間違えた。ボケが始まった?
11/23mon
予鈴まで ブランコ二人 今朝の冬
(よれいまで ぶらんこふたり けさのふゆ)
※始業の予鈴がなって二人はブランコから立ち
上がる。男二人ここで待ち合わせ、話し込ん
でいた。問題は始業の時間まで5分なのに急
ぎ足ではないことだ。学校から離れた公園は
たっぷり徒歩で10分はかかる。真面目そう
なのだが。これがほぼ毎日。
11/22sun
芭蕉忌の 日を確かめんと 暦帳
(ばしょうきの ひをたしかめんと こよみちょう)
※高島易断になる昔ながらの暦帳、新聞屋がく
れた。物事の吉兆を占う機会もないし、日々
の運勢にも興味はないから滅多に開かない。
芭蕉の没日旧暦10月12日は今年新暦11
月26日だった。間に合った。
11/21sat
さわしたる 柿箱今日の 開け日かな
(さわしたる かきばこきょうの あけびかな)
※焼酎で渋を抜く故郷の身しらず柿。帰省した
友人が送ってくれた。箱には開け日が書いて
ある。一番うまそうな色のものを賞味した。
なつかしさが染みてくる味、この香り。
11/20fri
色重ね 絵は飽かずして 冬日射し
(いろかさね えはあかずして ふゆひざし)
※実は結構飽きもくるし、この程度の絵のどこ
が面白いか?と自問もする。しかし空白の時
間がたつと誰に見せるわけでもないのに描き
たくなる。
11/17tue
鵙日和 霊園を見て 決めかねて
(もずびより れいえんをみて きめかねて)
※重い足を運んできたのだが、なかなか踏み切
れない。要求が高いのでもなく、決める気が
ないのが原因かも。
11/16mon
短日や 定刻のバス 影かすか
(たんじつや ていこくのばす かげかすか)
※夕方姉の家に出かける家内がバスを待つ。体
調が少し良くないと聞き足繁く通っている。
11/15sun
晩生なる たまねぎ植える 小春かな
(おくてなる たまねぎうえる こはるかな)
※家内は玉ねぎの大増産を夢見てる。畑作のや
る気は年齢を克服している。悪いことではな
い。しかし穴の開いたマルチを平らに張り、
端を固定する。見事な畝作りは遠く吾輩に及
ばない。
11/14sat
先の季が すぐ頃合いに 秋の暮れ
(さきのきが すぐころあいに あきのくれ)
※年齢にコロナ禍、季節は秋と重なると、日に
ちのたつのが実に早い。秋の想いは句を量産
させるものだが、季節はとうに立冬を越えて
いる。
11/13fri
荻の風 小水の音の なつかしき
(おぎのかぜ しょうすいのおとの なつかしき)
冬近し なにもなき日の 薄着かな
(ふゆちかし なにもなきひの うすぎかな)
※晴れの日が続くと、冬の関東の晴れ続きを思
い、もう冬だなと感じてしまう。
11/12thu
色褪せる ドロップ缶や 秋の道
(いろあせる どろっぷかんや あきのみち)
※赤や黄色がすっかり色褪せた缶が道端にあっ
た。缶を振って残りを確認し、一個を取り出
し口に入れていたっけ。女の子が好んで大事
にしていた。今もあるのかも知れないが、遠
い昔の光景だ。
11/11wed
初冬や 芋を低温で 十五分
(はつふゆや いもをていおんで じゅうごふん)
※チンでふかすにも低温で時間をかけよとネッ
トで教わった。自家製のサツマイモはまあま
あの味。ところで俳句の世界で芋と言えば秋
の里芋に決めてあるというのだ。だから掲句
は作り手の意味が通じない、季重なりという
ことになる。
こうした約束事には反発しないで受け入れる
ことにしているが、時々はこうして・・・。
11/10tue
マスクして 絵を描く午後の シニアかな
(ますくして えをかくごごの しにあかな)
※再開2度目の絵画教室。長い休みで腕を上げ
た者もなく、認知症発症もなし。和気あいあ
い。お茶の時間はなしで2時間だけだが、サ
ボらずに精進するには教室の例会が貴重だ。
11/9mon
冬立つ日 味噌樽小屋の 遠さかな
(ふゆたつひ みそだるごやの とおさかな)
※昔便所は外にあった。家ごとに作った味噌を
樽に詰めた小屋も外に。真冬にはそこに行く
のが辛いことも。日々肌寒くなると、その辛
さが思いやられるようになる。
11/8sun
柿もぎて 食って冬立つ 日となれり
(かきもぎて くってふゆたつ ひとなれり)
※バイデン勝利が確実となる。柿の種を吐き出
しつつ長い選挙戦を思った。トランプの法廷
戦術も急速に萎えてしまうのではないかな。
11/7sat
干す烏賊を 哀れと読みし 人のあり
(ほすいかを あわれとよみし ひとのあり)
※人さまざまだが、徒党を組んだり、煽り合い
を経ての集団戦は最早人さまざまとは言えな
い。「哀れ」と思う人から「おいしそう」と
思う人まで・・・自然な多様性とは?
11/6fri
延々と 苗植えきたり 秋の声
(えんえんと なえうえきたり あきのこえ)
※玉ねぎの植え時を迎えている。苗の数は減ら
すどころか年々増え、命じられるままに黒マ
ルチを張り、穴々に苗を植え続ける。隣りの
田んぼには雉がやってきて、盛んに鳴く。
11/5thu
やや寒し 故郷からの 友の声
(ややさむし ふるさとからの とものこえ)
新蕎麦と 書きたる下で 蕎麦を打つ
(しんそばと かきたるしたで そばをうつ)
※旅先からの電話、ゆったりしている。
どこかの大統領選挙を見ている者なんかより、
ずうっと賢い。
11/4wed
秋深し 薄きベーコンと 卵焼き
(あきふかし うすきべーこんと たまごやき)
※今日は米国大統領選挙の開票日。固唾を飲ま
ずに・・・、見守りたい。どうなることやら。
11/2mon
見つけたり 小さな秋と ちさき老い
(みつけたり ちいさなあきと ちさきおい)
※先輩とのメールの交換でお元気なことを知り、
かつ「75歳は元気な年寄りの曲がり角」と
以前に言われたことを思い出した。元気だと
思っても日々の運動などは慎重に、とのご託
宣である。小さな老いが忍び寄って集まり、
一気に老化するのでは大変。
11/1sun
菊供養 給いし菊の 重かりし
(きくくよう たまいしきくの おもかりし)
※人出が少ないせいか、お寺が用意した菊が余
りそう。お蔭でたくさんいただいた。実は霊
園を見に出かけてきて、思わぬ法会にめぐり
合った。
温暖化柿干し寒くなるを待つ
(おんだんか かきぼしさむくなるをまつ)
熱湯に 湯がき恐ろし 柿を干す
(ねっとうに ゆがきおそろし かきをほす)
※豊作だった柿が家にたくさんあるのに、家人
は干し柿用を一箱仕入れてきた。干し柿が欲
しいというより、昨年のリベンジを果たした
いというのが本音なのではと思っている。
昨年は10月に干し始めて、散々な結果で途
中撤収した。
11/28sat
一割の 保険証来たる 冬の朝
(いちわりの ほけんしょうきたる ふゆのあさ)
※国の保険財政問題は承知しているものの、こ
うして窓口10%支払いの保険証が届くと正
直嬉しい。どっさり薬を貰う身には、今まで
の支払金額が半分になるのだから。まあセー
ブされる金額は大したものではないけれど。
団塊の世代の対象拡大を前に法改正は必至。
今回は滑り込みセーフ。
11/27fri
酉年の子は父を追い三の酉
(とりどしのこはちちをおい さんのとり)
※人出の中で父母の背を追っていた日はいつの
ことだったか? コロナ第三波のさなかで酉
の市は開催日さえ調整したとか。
11/26thu
芭蕉忌や 京都ネットの 紅葉狩り
(ばしょうきや きょうとねっとの もみじがり)
※先月購入した中国製65インチテレビはその
後も支障なく至極満足している。録画のソフ
トも気が利いている。一番視聴しているのは
高画質ユーチューブだ。熾烈な視聴数競争を
勝ち抜いている優秀サイトが無限にある。選
ぶのはコッチ。
11/25wed
三島忌も 娑婆は遠くに なりにけり
(みしまきも しゃばはとおくに なりにけり)
※没後50年。本来ならこの日で著作権は切れ
るはずだった。娑婆にもどってくるはずだっ
た。青空文庫などはその準備をしていた。
それがTPPで一気に没後70年になってし
まった。暗転。これはだめだ。待てない。図
書館に通うか買うか?
冬ざれや 三島由紀夫に 娑婆遠し
(ふゆざれや みしまゆきおに しゃばとおし)
見下ろせば娑婆 冬の自刃に悔みなし
(みおろせばしゃば ふゆのじじんにくやみなし)
※さて三島自身は遠くなった娑婆をどう思って
いるか? 娑婆の今のあり様では犬死だった
と思うか?
11/24tue
日を違え 得した気分 帰り花
(ひをちがえ とくしたきぶん かえりばな)
※3連休も普段と変わりがない。月曜日に幼稚
園勤務の方に「今日は休み?」と尋ねた。勤
労感謝の日も知らないの?という顔つきだ。
つい休み明けを間違えた。ボケが始まった?
11/23mon
予鈴まで ブランコ二人 今朝の冬
(よれいまで ぶらんこふたり けさのふゆ)
※始業の予鈴がなって二人はブランコから立ち
上がる。男二人ここで待ち合わせ、話し込ん
でいた。問題は始業の時間まで5分なのに急
ぎ足ではないことだ。学校から離れた公園は
たっぷり徒歩で10分はかかる。真面目そう
なのだが。これがほぼ毎日。
11/22sun
芭蕉忌の 日を確かめんと 暦帳
(ばしょうきの ひをたしかめんと こよみちょう)
※高島易断になる昔ながらの暦帳、新聞屋がく
れた。物事の吉兆を占う機会もないし、日々
の運勢にも興味はないから滅多に開かない。
芭蕉の没日旧暦10月12日は今年新暦11
月26日だった。間に合った。
11/21sat
さわしたる 柿箱今日の 開け日かな
(さわしたる かきばこきょうの あけびかな)
※焼酎で渋を抜く故郷の身しらず柿。帰省した
友人が送ってくれた。箱には開け日が書いて
ある。一番うまそうな色のものを賞味した。
なつかしさが染みてくる味、この香り。
11/20fri
色重ね 絵は飽かずして 冬日射し
(いろかさね えはあかずして ふゆひざし)
※実は結構飽きもくるし、この程度の絵のどこ
が面白いか?と自問もする。しかし空白の時
間がたつと誰に見せるわけでもないのに描き
たくなる。
11/17tue
鵙日和 霊園を見て 決めかねて
(もずびより れいえんをみて きめかねて)
※重い足を運んできたのだが、なかなか踏み切
れない。要求が高いのでもなく、決める気が
ないのが原因かも。
11/16mon
短日や 定刻のバス 影かすか
(たんじつや ていこくのばす かげかすか)
※夕方姉の家に出かける家内がバスを待つ。体
調が少し良くないと聞き足繁く通っている。
11/15sun
晩生なる たまねぎ植える 小春かな
(おくてなる たまねぎうえる こはるかな)
※家内は玉ねぎの大増産を夢見てる。畑作のや
る気は年齢を克服している。悪いことではな
い。しかし穴の開いたマルチを平らに張り、
端を固定する。見事な畝作りは遠く吾輩に及
ばない。
11/14sat
先の季が すぐ頃合いに 秋の暮れ
(さきのきが すぐころあいに あきのくれ)
※年齢にコロナ禍、季節は秋と重なると、日に
ちのたつのが実に早い。秋の想いは句を量産
させるものだが、季節はとうに立冬を越えて
いる。
11/13fri
荻の風 小水の音の なつかしき
(おぎのかぜ しょうすいのおとの なつかしき)
冬近し なにもなき日の 薄着かな
(ふゆちかし なにもなきひの うすぎかな)
※晴れの日が続くと、冬の関東の晴れ続きを思
い、もう冬だなと感じてしまう。
11/12thu
色褪せる ドロップ缶や 秋の道
(いろあせる どろっぷかんや あきのみち)
※赤や黄色がすっかり色褪せた缶が道端にあっ
た。缶を振って残りを確認し、一個を取り出
し口に入れていたっけ。女の子が好んで大事
にしていた。今もあるのかも知れないが、遠
い昔の光景だ。
11/11wed
初冬や 芋を低温で 十五分
(はつふゆや いもをていおんで じゅうごふん)
※チンでふかすにも低温で時間をかけよとネッ
トで教わった。自家製のサツマイモはまあま
あの味。ところで俳句の世界で芋と言えば秋
の里芋に決めてあるというのだ。だから掲句
は作り手の意味が通じない、季重なりという
ことになる。
こうした約束事には反発しないで受け入れる
ことにしているが、時々はこうして・・・。
11/10tue
マスクして 絵を描く午後の シニアかな
(ますくして えをかくごごの しにあかな)
※再開2度目の絵画教室。長い休みで腕を上げ
た者もなく、認知症発症もなし。和気あいあ
い。お茶の時間はなしで2時間だけだが、サ
ボらずに精進するには教室の例会が貴重だ。
11/9mon
冬立つ日 味噌樽小屋の 遠さかな
(ふゆたつひ みそだるごやの とおさかな)
※昔便所は外にあった。家ごとに作った味噌を
樽に詰めた小屋も外に。真冬にはそこに行く
のが辛いことも。日々肌寒くなると、その辛
さが思いやられるようになる。
11/8sun
柿もぎて 食って冬立つ 日となれり
(かきもぎて くってふゆたつ ひとなれり)
※バイデン勝利が確実となる。柿の種を吐き出
しつつ長い選挙戦を思った。トランプの法廷
戦術も急速に萎えてしまうのではないかな。
11/7sat
干す烏賊を 哀れと読みし 人のあり
(ほすいかを あわれとよみし ひとのあり)
※人さまざまだが、徒党を組んだり、煽り合い
を経ての集団戦は最早人さまざまとは言えな
い。「哀れ」と思う人から「おいしそう」と
思う人まで・・・自然な多様性とは?
11/6fri
延々と 苗植えきたり 秋の声
(えんえんと なえうえきたり あきのこえ)
※玉ねぎの植え時を迎えている。苗の数は減ら
すどころか年々増え、命じられるままに黒マ
ルチを張り、穴々に苗を植え続ける。隣りの
田んぼには雉がやってきて、盛んに鳴く。
11/5thu
やや寒し 故郷からの 友の声
(ややさむし ふるさとからの とものこえ)
新蕎麦と 書きたる下で 蕎麦を打つ
(しんそばと かきたるしたで そばをうつ)
※旅先からの電話、ゆったりしている。
どこかの大統領選挙を見ている者なんかより、
ずうっと賢い。
11/4wed
秋深し 薄きベーコンと 卵焼き
(あきふかし うすきべーこんと たまごやき)
※今日は米国大統領選挙の開票日。固唾を飲ま
ずに・・・、見守りたい。どうなることやら。
11/2mon
見つけたり 小さな秋と ちさき老い
(みつけたり ちいさなあきと ちさきおい)
※先輩とのメールの交換でお元気なことを知り、
かつ「75歳は元気な年寄りの曲がり角」と
以前に言われたことを思い出した。元気だと
思っても日々の運動などは慎重に、とのご託
宣である。小さな老いが忍び寄って集まり、
一気に老化するのでは大変。
11/1sun
菊供養 給いし菊の 重かりし
(きくくよう たまいしきくの おもかりし)
※人出が少ないせいか、お寺が用意した菊が余
りそう。お蔭でたくさんいただいた。実は霊
園を見に出かけてきて、思わぬ法会にめぐり
合った。