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ダクタク2021年9月 ブログトップ

ダクタク句集2021年(令和3年)9月 [ダクタク2021年9月]

9/30thu
残り出でし 隠元を食う 余生かな
     (のこりいでし いんげんをくう よせいかな)

秋が来て 半藤が昭和を 思いけり
     (あきがきて はんどうがしょうわを おもいけり)
        ※半藤一利の著作をまとめて読んだ。おまけに
         今回は細君の末利子のエッセイも。昭和と較
         べると、今日は甚だグローバルだけれど変動
         要因、不安定要素が何倍にも増えた。
         好みで二択ならまだいいのだが・・・。

9/29wed
身構える 台風のコース じわりまた
     (みがまえる たいふうのこーす じわりまた)
        ※一昨年の房総半島台風を思わせる台風16号
         の不気味な動き。あの時の暴風のすさまじさ
         はそれまでの経験の最高値を遥かに超えてい
         た。以来トラウマとなって残っている。

9/28tue
総裁選 まともはおらず 票もなし
     (そうさいせん まともはおらず ひょうもなし)

画材にと 桜紅葉の シミが好き
     (がざいにと さくらもみじの しみがすき)
        ※候補者はかなりの一長一短、つまり一人トッ
         プの器ではないということ。一方朝の散歩道
         で拾ったサクラの落ち葉は「お、これがいい、
         やや、これも捨てがたい・・・」。

9/27mon
手の震え 医師はムリだった 泡立ち草
     (てのふるえ いしはむりだった あわだちそう)
        ※70歳台でバリバリ現役の医師はごまんとい
         る。手術も在宅医療の担い手も・・・少しは
         社会に役立ちたいと思うが。

9/26sun
検診の 人まばらにて 秋の鬱
     (けんしんの ひとまばらにて あきのうつ)
        ※コロナ禍の影響でガン検診の受診者が少ない
         とか。昨日行ったところが、例年の半分以下
         でスイスイだった。ガンの早期発見がそれだ
         け困難になり、国民の健康も損なわれ、医療
         費負担も嵩むか。必死に呼びかけてはいるが。

9/24fri
吾亦紅 年齢のみ母に 近づいて
     (われもこう としのみははに ちかづいて)
        ※お彼岸のお中日に犬(外飼い)のシャンプー
         をした。最近やけにかゆがるので、いい方の
         シャンプーで丹念に。薬効はどうか? 少し
         はいいみたい。感謝されている。

9/23thu
天高し 分厚き本の 進まざる
     (てんたかし ぶあつきほんの すすまざる)
        ※図書館からのメールで本屋大賞受賞作の順番
         が来たことを知る。予約してから半年近くだ。
         難渋している読書中の本の次はこれにしよう。

9/22wed
早きこと 今年いずこも 曼殊沙華
     (はやきこと ことしいずこも まんじゅしゃげ)
        ※庭の白い曼殊沙華も久留里線沿いの真っ赤な
         曼殊沙華も見事に咲き揃っている。例年はお
         彼岸中日にもやや遅れ気味だったのに。

9/21tue
月明かり 術後の姉の いびきかな
     (つきあかり じゅつごのあねの いびきかな)
        ※コロナ禍下での入院と手術、経過は順調だ。
         手術直後に限って5分ほどの対面は許された
         が、その後の面会はダメ。届け物もナースセ
         ンター経由。患者のわがままも抑止される。
         ただし、明月は欲しいまま。

名月や 禁煙の唾 飲みこめり
     (めいげつや きんえんのつば のみこめり)

9/20mon
電話口 朝飯中だと 敬老日
     (でんわぐち あさめしちゅうだと けいろうび)

咽喉が良し 高音も出る 敬老日
     (のどがよし こうおんもでる けいろうび)
        ※実は9月12日を期して禁煙をしている。過
         去のようではなく、本当の禁煙だ。完璧な一
         週間が経過した。爽快、ではある。

9/19sun
糸瓜忌や くせ爪すこし 治りけり
     (へちまきや くせづめすこし なおりけり)

野球忌や 大谷遥かな 峰に立つ
     (やきゅうきや おおたにはるかな みねにたつ)
        ※9月19日は子規忌。おや、子規忌かい、相
         変わらず一年は早いなあ、と思う日。子規に
         入れ込んでいた頃は少し前から騒いでいた。

9/17fri
秋の猫 リボンなどして 無視しおり
     (あきのねこ りぼんなどして むししおり)
        ※岩合某氏の猫番組。猫の住む歴史、環境など
         によって猫の扱い、扱われ方、そして猫の行
         動に様々な違いが生じるものだとわかる。
         知らない人には愛想のカケラも見せない猫は?

9/16thu
高安の まちまちな房 ぶどう描く
     (たかやすの まちまちなふさ ぶどうかく)
        ※教室終了後の画材分捕りは熾烈を極める。
         シャインマスカットの数粒が、昔ながらの小
         粒な甲州ブドウ一房より人気を集める。人気
         の甲斐路のピンチヒッターだったとはいえ、
         ひどい仕打ちだ。甘いのに・・・・。

9/15wed
露草や 嚥下体操の 音きこゆ
     (つゆくさや えんげたいそうの おときこゆ)
        ※開け放ったデイの窓から、大きな声が聞こえ
         る。繰り返しの発声のトレーニングが咽喉元
         の働きを強くするとか。

9/13mon
床屋言う かつて健脚 キノコ狩り
     (とこやいう かつてけんきゃく きのこがり)

肺ガンの シロ点々と 秋澄めり
     (はいがんの しろてんてんと あきすめり)
        ※行きつけの床屋の主人が三度目の癌の攻めに
         直面している。手術が可能かどうか?最適の
         抗がん剤は?次の外来で決めることになると
         いう。

9/12sun
街道に 医家の門柱 帰燕かな
     (かいどうに いかのもんちゅう きえんかな)
        ※季節は確実に過ぎていく。コロナ休みで休講
         だった水彩画も来週には再開、画材は季節の
         果物だとか。サボり過ぎ、どうしよう。

9/11sat
刈り残す 品種を尋ね うろこ雲
     (かりのこす ひんしゅをたずね うろこぐも)
        ※当地の稲刈りは一部を残し殆どが終了。2年
         前の房総半島直撃の台風襲来日も無事に過ぎ
         た。まずは目出度い。あの時の強風と被害、
         トラウマが完全には癒えていない。

9/10fri
遠きから 思い思いて 風の盆
     (とおきから おもいおもいて かぜのぼん)
        ※いまだに実現していない富山市八尾のおわら
         風の盆見物。九月上旬。かすかな憧れだけが
         もう何十年も続いている。
         若いころは、風の盆という名前に惚れてみた
         り女踊りの清楚さが頭に焼き付いていた。中
         年の頃は男踊りの渋さ、凛々しさこそ最高だ
         と。そして今・・・。
         あ、あそこで車椅子に座って飽かず眺めてい
         る、あれが私だ。

9/9thu
草のびて 上下交換の 駅のあり
     (くさのびて じょうげこうかんの えきのあり)
        ※晴れ間が見えても遠出はしない。今日は犬の
         餌買いにちょっとだけ。単線久留里線の横田
         駅は沿線中ほどの駅で、上り下り各一時間1
         本の列車が交差する駅。昼下がり、静寂。

9/8wed
騒がしくなれど九月の歌多し
     (さわがしくなれど くがつのうたおおし)
        ※首相最悪のやめ方。にわかに生臭い話が蔓延
         しつつある。一方でNHKラジオでこの何日か
         で September Song を3,4回聴いた。しか
         も歌い手を変えて。耳に断然懐かしいのはや
         はりシナトラ。

9/7tue
法師蝉の 影を奪いて 秋の冷え
     (ほうしぜみの かげをうばいて あきのひえ)

長雨の 上がらんとして 虫なけど
     (ながあめの あがらんとして むしなけど)
        ※10月下旬並みの気温。風流の人は惜春のよ
         うな言葉はなくとも、行く夏を惜しみ次第に
         秋めく今頃をしみじみ味わうというのだが・
         ・・。

9/6mon
刈入れは 爺がビールつぎ 始まれり
     (かりいれは じじがびーるつぎ はじまれり)
        ※刈入れ作業は勤め人の孫の出番。腰を曲げて
         眺めていた爺は初日を終えた孫にビールをつ
         いでいる。と思う。去年までの主役息子は姿
         が見えない。

9/5sun
秋天や 見上げつ半日 畑におり
     (しゅうてんや みあげつはんにち はたにおり)

隠元棚 慈しみつつ 撤収す
     (いんげんだな いつくしみつつ てっしゅうす)
        ※秋は畑作業が最高、とか言われ繰り出す。雨
         の間の貴重な晴れ間。大当たりだったインゲ
         ン豆。

9/3fri
花桔梗 息子寝んとて 帰り来る
     (はなききょう むすこねんとて かえりくる)
        ※アフガニスタン米軍撤退とその後の混沌。

9/2thu
御仏を うたう父の句 二百十日
     (みほとけを うたうちちのく にひゃくとうか)
        ※一気に十月上旬並みの気温に。豪雨被害はあ
         ったが、台風の襲来はいまのところ少な目だ。

9/1wed
待ち兼ねて 雨音ソフト 八月尽
     (まちかねて あまおとそふと はちがつじん)

秋雨や 雨城楊枝の 代替わり
     (あきさめや うじょうようじの だいがわり)
        ※やっと一雨。雨城は久留里城の別名。長く城
         下で作り伝えられた黒もじ楊枝がある。

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