SSブログ
ダクタク2019年12月 ブログトップ

ダクタク句集2019年(令和1年)12月 [ダクタク2019年12月]

12/31tue
年越しや 首の後ろの かゆみかな
     (としこしや くびのうしろの かゆみかな)
        ※このところ首の後ろに痒みがある。前にもあ
         った。ジンマシンに似て汗とかウィルスとか
         食い物とか、果てはストレスが原因だとか。
         まあ年寄りの場合一番は単純な加齢のせいだ
         という。面白くない。
         年末だし、いろいろ原因があるらしい方が賑
         やかでいい。
         おやッ、このボツっとあるのは?
         アシカケ2年のカユミかな?

12/30mon
田はまだら 二代目今日も 暮れの酒
     (たはまだら にだいめきょうも くれのさけ)
        ※稲刈りの後をそのまま放置しないで、年内に
         軽く耕しておくのが先代のやり方だった。跡
         取りもやってはいるのだが、やりかけが見え
         見え・・・。
         「春の田起こしは真面目にやるさ」と言った
         かどうか。

数え日や かくも少なき ジョウビタキ
     (かぞえびや かくもすくなき じょうびたき)

12/29sun
妻粋な 姐さん被りよ 年の暮れ
     (つまいきな あねさんかぶりよ としのくれ)

皺の手も ケーキ焼く日に 若返り
     (しわのても けーきやくひに わかがえり)

黒豆と ケーキに望みの カレーかな
     (くろまめと けーきにのぞみの かれーかな)

床磨き 齢な忘れそ 冬薔薇
     (ゆかみがき としなわすれそ ふゆそうび)
        ※前日私の誕生日における家内の風景画です。

12/28sat
エスエヌ比 耳よしばしは 高くあれ
     (えすえぬひ みみよしばしは たかくあれ)
        ※誕生日を迎えた。七十半ばの年齢で格別の抱
         負やら感慨やらはないが、SN比(sound-noise
         ratio)、若いころ一時オーディオに凝ってい
         た時、様々なコンポーネントを選ぶ際にこだ
         わったデータである。音源の音とその他拾っ
         た雑音などとの比率で高い方が性能が良い。
         この年齢でのSN比は、聞きたくない音を捨て
         去って、いかにきれいで好きな音だけを耳に
         入れるかだ。地獄耳と言われたい。

12/27fri
佃より 師走の道を 銀座まで
     (つくだより しわすのみちを ぎんざまで)
        ※都心散歩続き
         越中島を出発してから小一時間たったが、月
         島に適当な飲み屋が見当たらない。賑やかな
         通りは徹底して「もんじゃ焼き屋」の洪水、
         アーケードの両側ともそうだ。しかし夕方5
         時前だが、客の姿は全くない。インバウンド
         は日中らしい。
         諦めて勝鬨橋、築地方面に向かう。この季節、
         にぎやかな街のそぞろ歩きも悪くない。
         ついでに銀座四丁目を通り、有楽町駅までた
         どり着いた。勝手知ったる辺り。今日は三人
         の脚の調子が良い。1万5千歩くらいかな?

健脚は スマホに冬の 記録あり
     (けんきゃくは すまほにふゆの きろくあり)

三人で 分けなとミャンマーの 女の紅
     (さんにんで わけなとみゃんまーの ひとのべに)
        ※とある飲み屋で打ち上げ。ここの女性が注文
         の料理を減らすようにいう。さすがガード下
         近くの店だ。

壮士いま 討ち入りの日に 喜寿となる
     (そうしいま うちいりのひに きじゅとなる)
        ※メンバーの一人が誕生日に孫子を集め、十数
         人の祝いの会を催すという。孫自慢、病気自
         慢で令和元年の会も暮れた。

12/26thu
水門に さすが佃よ 子らの声
     (すいもんに さすがつくだよ こらのこえ)

月島は 外人頼みの 街と化し
     (つきしまは がいじんだのみの まちとかし)

路地裏に 鉢のみ多し 師走かな
     (ろじうらに はちのみおおし しわすかな)
        ※都心散歩続き
         佃は関西から来た漁師が開いた街。古い街並
         みと人情がウリだったのだが、ご多分にもれ
         ず交通の利便性に乗っかってビジネスとマン
         ションとインバウンドが一緒に押し寄せた。
         これは月島も同じ。

12/25wed
気圧されて 橋の名は出ず 冬の呆け
     (けおされて はしのなはでず ふゆのぼけ)
        ※都心散歩続き
         相生橋は、隅田川の永代橋のすぐ下流から分
         かれる晴海運河に架かる。橋のたもとから石
         川島公園を歩く。まわりは水また水の迫力だ。
         造船所跡には遊歩道があり、明治からのウォ
         ーターフロントに今や高層マンションが林立
         する。

短日や 川端を行く 乳母車
     (たんじつや かわばたをいく うばぐるま)
        ※傾いた西日が水面に映える。風が冷たくなっ
         てきた。

12/24tue
パソコンは 言うこと聞かず 上皇の日
     (ぱそこんは いうこときかず じょうこうのひ)

氷雨降る 動かぬマウスの 二三匹
     (ひさめふる うごかぬまうすの にさんびき)

ユーチューブ 30インチとなる 聖夜かな
     (ゆーちゅーぶ 30いんちとなる せいやかな)
        ※今度のパソコンは中古の元高性能機。ウィン
         ドウズ10とディスクSSDは最新版、モニタ
         ーは31.5インチの超大型。合計で6万円弱。
         バラバラ買いだったので散々調整に手間取っ
         たが、どうにか立ち上がった。きれいな大型
         画面でYouTubeを楽しんでいる。

12/23mon
鉄船と リベット撫でし 案内人
     (てつぶねと りべっとなでし あないにん)
        ※鋼船ではなくて鉄船です、懇切な案内人は商
         船大航海科昭和30年台卒業のOBで、建造
         当時は世界でも最新鋭でしたよと胸を張る。
         船内をくまなく案内してくれる。

銀杏見ゆ 訓練受けし 縄バシゴ
     (いちょうみゆ くれんうけし なわばしご)
        ※当時はこの船で学生が訓練を受けたらしい。
         縄バシゴ(シュラウド?)も結構古びていて
         手は縦索を掴めと言われていたと話す。

12/22sun
冬の日に 若い息吹の 明治丸
     (ふゆのひに わかいいぶきの めいじまる)
        ※先日いつもの仲間と都心散歩に出かけた。前
         日までの不順な天気が去って、暖かな晴れ日
         となった。午後の青空を背景にイチョウの葉
         がパラパラと落ちてくる。
         ここは東京海洋大学越中島キャンパス(旧東
         京商船大学)、京葉線で東京から二駅目、越
         中島駅で降りてすぐだ。

マスト見る 猛き眼よ 太刀を佩き
     (ますとみる たけきまなこよ たちをはき)
        ※ここで保存されている明治丸は明治7年英国
         グラスゴーで建造された、我が国初の灯台巡
         視船である。しかし何といっても帆付き鉄製
         のこの船を有名にしたのは、明治9年明治天
         皇の東北北海道巡幸の際にお召し艦となった
         ことである。当時明治天皇は24歳。

明治丸全景.jpg

12/21sat
木枯らしや 裂帛の気合いに たじろげり
     (こがらしや れっぱくのきあいに たじろげり)
        ※オリンピック出場をかけた空手の選手権。型
         の試合とか、採点とか知識がなかった上にや
         や懐疑的であったのだが、テレビでとはいえ
         目にしてして驚いた。その気合いの強さと鋭
         さ、何度繰り返しても寸分ぶれない正確さ。
         なおかつ長年洗練された型の美しさは息を飲
         むばかり。

12/20fri
部品換え もう二十年と 蜜柑むく
     (ぶひんかえ もうにじゅうねんと みかんむく)
        ※トイレの修理、20数年たって新品購入を進
         められると思ったら、タンクの中の主要部品
         を取り換えることで、修理マン曰く「これで
         新品同様ですよ」と。しかも格安。
         いい人に出会った。人間もかくありたいと切
         に思ったが、金属製の心臓が樹脂製の心臓に
         ・・・。格安では無理みたい。

12/19thu
長考や 加湿器の音 聞こえたり
     (ちょうこうや かしつきのおと きこえたり)
        ※将棋の対戦の終盤、息を飲む局面。張り詰め
         た静寂が支配する。

銀杏は 社に山と ありし頃
     (ぎんなんは やしろにやまと ありしころ)
        ※今年はギンナン拾いの時期を逸した。こうい
         う時のために或る神社がとってある。社務所
         の人なのか? 近くに住まう人が毎朝参道沿
         いに落ちたギンナンを、落ち葉と一緒に掃き
         寄せてくれているのだ。結構いい実が遅くま
         であったなあ。あそこなら安心、と出かけて
         みたら今年は実は殆どなかった。10年ぶり
         だからなァと納得しながら帰ってきた。

12/17tue
待ちかねし トイレ直す人 年の暮
     (まちかねし といれなおすひと としのくれ)

大掃除 テープの山の うず高く
     (おおそうじ てーぷのやまの うずたかく)
        ※そろそろ大掃除の時期だが、パソコン変更に
         忙殺されて殆ど何もしていない。家人には甚
         だ評判が悪い。
         長年捨てようか迷っていた録画済みビデオテ
         ープ、今年は思い切って全部捨てることにし
         た。思い入れのあるものが多いが、余りにも
         画質が違いすぎるのと、プレイヤーがもう限
         界を迎えたためだ。この3年間一度も見てい
         なかった。

12/16mon
病める友の パソコンを問う 冬支度
     (やめるともの ぱそこんをとう ふゆじたく)
        ※昨日から新しいパソコンの立ち上げとデータ
         移動に取り組んでいる。PCに関する自分の実
         力を過信して、中古の本体とモニターを別々
         に求めたものだから、かなり苦戦している。
         でも大型のモニターは快適そのもの。
         昨夜友人にその後どうしたか電話した。答え
         は「今回は中古はやめて、ノートを新品で注
         文した」とのこと。それが一番。

12/15sun
アンテナの 傾斜すれども 暮れの空
     (あんてなの けいしゃすれども くれのそら)

飛行機の 音遠くなり 鰯雲
     (ひこうきの おととおくなり いわしぐも)
        ※木更津上空から羽田空港に進入する飛行機、
         特に夕方はひっきりなしだ。晴れた日の、空
         が高い日の爆音は低い。雲が低く垂れ込んで
         いる日のそれはびっくりするほどうるさく聞
         こえる。

12/14sat
曲屋の 土間のにおいや 冬うらら
     (まがりやの どまのにおいや ふゆうらら)

曲屋に 光多き日 鴨来る
     (まがりやに ひかりおおきひ かもきたる)
        ※近郊の元豪農の家を見学した。形はいわゆる
         曲屋作りなのだけれども、格段に立派な構え
         だ。大きな三和土の上には明り取りが作られ
         ていて、大正後期の「便利さとおしゃれ」の
         取り込みを感じさせた。

12/13fri
パソコンを 買い替えかねて 炬燵かな
     (ぱそこんを かいかえかねて こたつかな)
        ※明年1月中旬、Win7のサポートが終了する。
         現在使用中のパソコンにはなんの不満もなく、
         順調に使えているから、もう一つ積極的にな
         れない。シブシブである

12/11wed
師走来て 材料来ても 庭師来ず
     (しわすきて ざいりょうきても にわしこず)

さざんかや 垣根を結ぶ 日にひとつ
     (さざんかや かきねをむすぶ ひにひとつ)
        ※9月の台風15号による被害以来、多くの職
         種の人手不足が今もって続いている。屋根工
         事、瓦葺職人はもちろん、大工、水道屋、ガ
         ラス屋、ペンキ屋、庭師、輸送(トラック)、
         電気工事など屋内外修理屋等々である。ちょ
         っと関連がないと思える職種でもどこかでつ
         ながっていて、「仕事は手一杯!!」と嬉し
         そうに言う。我が家でも庭師を待ちこがれて
         いるのだが。

12/9mon
被災せし 亀山湖にも 錦あり
     (ひさいせし かめやまこにも にしきあり)
        ※上総亀山に亀山ダムがある。先日の大雨で緊
         急放水寸前まで追い込まれたところ。11月
         下旬から12月上旬、関東では最も遅い紅葉
         見物の名所。耳にしていたが、今シーズンの
         紅葉はだめだ。多くが色褪せたままで終わっ
         ている。所々で見事な錦ぶりもあったが。
         多くの人間がトラウマの症状になっているの
         に植物が無縁でいられるはずがない。

12/8sun
大根のにおい 小便のにおい 冬の朝
   (だいこんのにおい しょうべんのにおい ふゆのあさ)
        ※大根のにおいがすると思ったら、自分の小水
         のにおいだった。子供の頃から大根を千切り
         にした味噌汁が好きだった。油揚げが刻んで
         入っていれば、それで大満足。ご馳走だ。登
         校前の時間がない時など、ご飯を味噌汁のお
         椀に全部入れてかき込んで叱られた。
         今は塩分摂取量を考え、味噌汁はたまに・・
         ・。貧しい食生活。

12/7sat
ヒヨドリの 順を作りて ミカン狩り
     (ひよどりの じゅんをつくりて みかんがり)

冬木立 白籏次郎を 語りけり
     (ふゆこだち しらはたしろうを かたりけり)
         ※山岳写真が好きな昔の同僚と、久しぶりに
          電話で話をした。白籏史朗氏の写真集の話。
          机を並べていた頃がなつかしい。
 
12/6fri
枇杷の花 生徒の薄着を 見ていたり
     (びわのはな せいとのうすぎを みていたり)
        ※この朝は一段と冷えたが、元気の良い朝練の
         中学生はなんとトレーニングウェアを脱いで
         抱え、半袖で学校に向かっていた。いっしょ
         の友達と我慢比べでもしていたか?
 
12/4wed
初雪や 散歩の靴の 重装備
     (はつゆきや さんぽのくつの じゅうそうび)
        ※初雪の知らせに電話したら、故郷の兄は散歩
         に出かけるところだった。買ったばかりの、
         滑り防止用の靴を履いているとか。寒気団が
         強いから融けない雪が降り続く。
 
12/3tue
シニア買う 中学前の たい焼き屋
     (しにあかう ちゅうがくまえの たいやきや)
        ※生徒の通る時間を避け、夕方に買いに行って
         いた亡き義兄。極端に食が細った後も少しで
         いいからとせがんでいた。
 
12/2mon
石蕗咲くも 堤の風に 凍えおり
     (つわさくも つつみのかぜに こごえおり)
        ※長年ブログに駄句を載せてきたが、ブログ運
         営会社のミスで、全部が消去されてしまった。
         当人にとっては大事件。復元を求めているが
         どうなることやら。朝の南の風が昼前に氷雨
         に変わり、気温は急落している。困った。
 
12/1sun
暮早し 越す人ありて 暇乞い
     (くれはやし こすひとありて いとまごい)
        ※同年輩で付き合っていた人が子供の住む地に
         引っ越していく。「これも終活です」と。ふ
         と我が身を考えた。狐火が見えそうな夜。


nice!(0)  コメント(0) 
ダクタク2019年12月 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。