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ダクタク2018年10月 ブログトップ

ダクタク句集2018年(平成30年)10月 [ダクタク2018年10月]

10/31wed
熊さんも 八っつぁんも名残の 虫を聴く
     (くまさんも はっつぁんもなごりの むしをきく)
        ※江戸時代には虫の音を聴く集まりがあったそう
         な。ナガ友の酒を呑む口実か? 旦那衆の風情
         好みか? 涼しい日が続き、日増しに少なくなっ
         てきた。

10/30tue
床の絵も 少し曲がって 秋深し
     (とこのえも すこしまがって あきふかし)
        ※現役の宮仕え時代は仕事に明け暮れ?、家庭
         のことに十分な気遣いが出来なかった。60歳代
         で家庭でのことが大事に感じてきて、家の中に
         ついて喧しくなった。やれゴミがたまっている、
         やれ玄関が、浴室が汚れている・・・昔いた口う
         るさいご隠居のよう。時には潔癖なまでになる。
         しかし自覚はあるのだ。これがさらに高じるとさ
         ぞ家人や周囲は大変なことになるだろうと思っ
         たものだ。70歳代になって近頃は、音もなくお
         となしくなった。気づいても言わない。気にしな
         い。我慢するのでもない。ボケの始まり?とい
         う声が自分の中にある。

10/29mon
干し柿を 煮てジャムにする 夜寒かな
     (ほしがきを にてじゃむにする よさむかな)
        ※10月中旬に干し柿に吊るした柿が時期が早す
         ぎたせいか? うまく乾燥しない。柿から発する
         甘いニオイが継続し、発酵を示すエタノール系
         のにおいに変化してきた。当然コバエがたかっ
         てきた。品種は干し柿のブランド市田柿なのだ
         が、暖かい房総育ちだからかな?とも思う。
         干し柿を諦め、レシピに従いジャムにしたが、こ
         れも成功とは言えぬ。折角だから食べてはいる
         が・・・。毒はないみたい。

10/28sun
温暖化 されど十月の 行火かな
     (おんだんか されどじゅうがつの あんかかな)
        ※水彩画の教室が地元の文化祭で作品を展示した。
         これに興奮したわけでもないが、昨夜はよく眠れな
         かった。足腰が少し冷えたので、急遽夜中に小さな
         電気アンカを引っ張り出した。
         もうちょっとマシな絵を描ければこういうこともなかっ
         たか・・・。

10/27sat
秋冷や 数年ぶんの 月を見し
     (しゅうれいや すうねんぶんの つきをみし)
        ※一昨日の満月、何年かぶりのワクワク、シミジ
         ミ。他に感想なし。

10/25thu
霜降や 裸足歩きを やめにけり
     (そうこうや はだしあるきを やめにけり)
        ※外反母趾のため革靴や運動靴は苦手で、朝夕
         の散歩はいつも樹脂製のバンド付きサンダルを
         愛用している。真冬も裸足でサンダルを履き、
         「足の皮膚も丈夫になる」とか言って痩せ我慢を
         続けていた。
         ところが一昨年の冬に「シモヤケ」になった。もう
         死語だと思っていたのに。自分が? 完治するの
         に半年近くかかった。

10/24wed
木守りを 残しシニアの 柿始末
     (きまもりを のこしシニアの かきしまつ)
        ※多くの家の柿の木は熟れた実をたわわにつけ
         ているが、ひとつも収穫しない家が多い。
         我が家では落葉病に見舞われたが、幸い50個
         ほどは熟れて残った。きちんと全部収穫するの
         が当家のやり方。そして木守りとして数個を残し、
         来年のまたの実りを祈る。この祈りは小鳥が仲
         介してくれる。

10/23tue
大粒の ブドウ熟さずを 食うている
     (おおつぶの ぶどうじゅくさずを くうている)
        ※最近実をつけたことのない古いブドウの木が、
         今年は見事な大ぶりの緑の房をつけた。
         巨峰だから緑が濃紺に変わり、熟さねばならな
         い。・・・粒々が半分ほど色づいたところで成熟
         は止まった。秋も深まり、あとは小さくなるだけ。
         「力尽きたか」と言いつつ、毎日数粒ずつ食べ
         ている。半分ほど甘い。

10/22mon
秋桑を ここで摘みしと 太い指
     (あきくわを ここでつみしと ふといゆび)
        ※この付近でかつて桑が作られ蚕を飼っていたこ
         とを知った。50年以上も前の話とか。指さす先は
         高速道下の広い雑草地、少し色づいている。

10/21sun
貝割菜 嵐の去るを 待ちかねて
     (かいわれな あらしのさるを まちかねて)
        ※菜は風にも雨にも強いのだが、天気が好転しな
         いことには畑には行けない。今朝は空気が澄ん
         でいて、当地からは富士山と丹沢山系が今シー
         ズン一の見栄え。今日アクアラインマラソン。

10/20sat
コスモスや 妻看る人の 笑みをみる
     (こすもすや つまみるひとの えみをみる)
        ※久しぶりの高田馬場は雨模様。先輩二人に再会。
         話はやはり健康のこと、家族のこと、今気に入っ
         ていること等々。しみじみと良い時間があった。
         現在の環境や暮らしの条件にはそれぞれ差があ
         っても、長年培ってきた自分のやり方で暮らしを
         織り込んでいくしかない。そのことの重要性を話
         の中から痛感した。

10/18thu
落花生 採りごろ来たと 先達は
     (らっかせい とりごろきたと せんだつは)
        ※千葉県の大粒落花生の品種「おおまさり」を栽
         培して2年目の今年、種豆を世話してくれた人
         からサインが出て、収穫を無事終了した。今年
         は狭い畑ながら殻込みで12kgくらい、大喜び
         である。昨年は少し待ちすぎた上にハクビシン
         かアライグマに襲われて、散々な結果だった。
         この品種は茹でて食べるのに適していて、早速
         食べてみた。甘さ控えめだが香ばしい・・・素人
         栽培者は褒めちぎっています。

10/17wed
バリウムが 在庫を一掃 秋の朝
     (ばりうむが ざいこをいっそう あきのあさ)
        ※先日胃がん検診でバリウムを飲んだ。いつもは
         体外排泄に2日は苦しむのに、今回は至極スム
         ーズ。ビロウな話で恐縮だが、おまけに宿便とや
         らも結構押し出されてとみえて、いつになく腸内
         がすっきりした。良いことづくめだと・・・検査結果
         はどうなることやら。

10/16tue
無人駅 灯りが見せる 蕎麦畑
     (むじんえき あかりがみせる そばばたけ)

無人駅 平成を生き 秋時雨
     (むじんえき へいせいをいき あきしぐれ)
        ※最寄りの駅はJR久留里線の無人駅。廃線を免
         れて平成を生き延びた。それを支えた利用客は
         朝夕の高校生と通勤客。近くの小湊鉄道のよう
         に観光スポットとはなっていないが、地味なが
         らも根強いファンがおり堅調である。それに高
         校生が町内を歩く様はなんとも心強い。

10/14sun
柿くれし 老婆のシワよ 岸の家
     (かきくれし ろうばのしわよ きしのいえ)
        ※「持っていきなよ」、朝時々顔を合わせる土手横
         の畑の老婆が大きな甘柿をいくつもくれた。この
         人はどうやら私を団地の住人と思って、畑のこと
         果実のことをいつも教えてくれる。
         どっこい、こちらは今や第一次産業?の人だ。結
         構な広さの畑を借り、家には狭い土地に果樹が
         5種類7本もあるし、それなりの収穫もある。言い
         出せないまま、ありがたく柿を貰う。

10/13sat
筒先の 残りを出さむ 今朝の秋
     (つつさきの のこりをださむ けさのあき)
        ※年をとると、そうそう爽快な目覚めはない。よう
         やく涼しくなって、第一の仕事はオシッコ。
         大半は出たにしても、肝心なのは出し尽くすこと。
         ブルブルッ、ゆっくり急がず。秋冷を味わう。

10/12fri
秋明菊 亡母の遺せし 色二つ
     (しゅうめいぎく ははののこせし いろふたつ)
        ※しのぎやすい気温、朝夕は少し肌寒いほど。静
         かな一日。昨日今日と米国発の世界同時株安が
         カマビスしいが、NHKで放映した小津安二郎作
         品のうち、まだ見ていなかった映画をゆっくりと
         味わう。

10/11thu
母の顔 施設に入れる日 坂の秋
     (ははのかお しせつにいれるひ さかのあき)
        ※友人が高齢の母親を施設に入れた。そのお母
         さんも暮らしぶりも以前から知っているので、友
         人の心境に思いを馳せた。

10/10wed
新月や 藪の小径の カラスウリ
     (しんげつや やぶのこみちの からすうり)
        ※夜遅くの散歩でもいつものコースを行く。ライ
         トで照らした草陰にカラスウリが浮かびでた。
         まだ十分色づいていない。熟れた色だったら、
         ちょっとびっくりするかも。

ボケはじめ ふとしのびよる 秋の風
     (ぼけはじめ ふとしのびよる あきのかぜ)
        ※昨日ある会合に行ったところ、現地に着いて
         から一週間違っていたことに気づいた。「カレ
         ンダーにつけておかないから」と家内は言う。
         実はちゃんと書き込んであったのだ。ただそ
         のメモ自体が間違っていた。
         ボケ来たかな? ・・・この手のことは既に何
         十年も前からあった。ノープロブレム。

10/8mon
展示作 急かずに如かじ 柿の音
    (てんじさく せかずにしかじ かきのおと)
        ※文化祭に展示する水彩画を描いている。一気呵
         成に仕上げるか?慎重に行くか? 出来上がり
         の絵の調子にも影響する。ヘタはヘタなりに悩
         むもの・・・ボサッ、アッ柿が落ちる音。
         我が家の柿の音は鐘の音などではない。

10/7sun
秋の月 犬曳く道を 悔やむのみ
     (あきのつき いぬひくみちを くやむのみ)
        ※今月初めの夜、犬の散歩で怪我をした。飼い主
         の方である。真っ暗なところで道を渡る際に、
         自らが走って縁石に躓いてしまった。軽傷だっ
         たが、膝と両手で支える形で倒れたため両手と
         腕に10箇所以上の擦過傷を負った。勝手知っ
         たる散歩道で「やってはいけないこと」をして
         しまった。傷の経過は至極順調だが、今もって
         腰と膝が痛い。

怪我をして たまりし秋の 仕事かな
     (けがをして たまりしあきの しごとかな)
        ※垣根の刈り込み、干し柿吊るし、落花生の収穫
         など、知的な作業はない。

10/5fri
柿の木は 落葉病なり 空青し
     (かきのきは らくようびょうなり そらあおし)
        ※柿の葉が黄色になり斑点ができ、面白いなと思
         っていたら、実が成長できないまま赤くなり落ち
         た。病原菌の仕業とか。人間が食べても害はな
         いらしい。でも甘くない。残念。
         落葉病と台風による強風で、葉はスカスカにな
         った。知ったのは、青い空と思った以上の柿の
         実の多さだ。
         全滅にはならないだろう。ここに至ってもまだ期
         待している。甘くて大きい富有柿。

10/4thu
草虱 荷風浅草へ 靴の音
     (くさじらみ かふうあさくさへ くつのおと)
        ※荷風は戦後暫くして市川に住んだ。文筆活動は
         一部の小品以外鳴りを潜め、交友もなく、専ら
         浅草に通う。秋になると、背広にコートを着て、
         カバンに傘を持った彼の姿が思い浮かぶ。革靴
         の音。高価なものではなかったとか。

うろこ雲 戸締りしたる 荷風かな
     (うろこぐも とじまりしたる かふうかな)
        ※日常のことにいそいそとする荷風が好きだ。浅
         草で決まった店で昼食をとり、馴染みの劇場に
         立ち寄る。

10/3wed
選挙終え 基地をぼかした 悔いあらん
     (せんきょおえ きちをぼかした くいあらん)
        ※本土からの押し付けを嫌い、旗幟鮮明を好む県
         民性が今回の結果か? 果てしない押し問答が
         なおも続くことに・・・。

父知りて 賢治の秋も 深く知り
     (ちちしりて けんじのあきも ふかくしり)
        ※図書館からのメールで門井慶喜の「銀河鉄道の
         父」の順番が来たことを知る。予約をしたことすら
         忘れた頃に・・・予約システムの醍醐味だ。
         ご存知直木賞受賞の本。賢治の行動や文学のこ
         とで新たなことは殆どないが、父政二郎の細やか
         な心情を通して、人間賢治を味わうことが出来た。
         こんな父親の方が、天才賢治より希少価値があ
         るようにも思われた。すいすい読書。

10/2tue
日常が 台風一過 舞いもどる
     (にちじょうが たいふういっか まいもどる)
        ※例年以上に怯えを覚える今年の台風。備えをし
         て、接近の情報に神経をとがらせ、夜中の強風、
         大雨の音に寝もやらず朝を迎える。被害がなけ
         れば幸い、・・・朝の光がまぶしい。

10/1mon
台風や 堰守る人の 叫びおり
     (たいふうの せきまもるひとの さけびおり)
        ※取水堰を監視、操作する建家の窓が開き、人が
         堰近くにいる作業員に大声で指示をしている。
         最近の各地の災害には、思わぬ出水、氾濫が数
         多く含まれているから、真剣そのもの。西から強
         い台風24号が接近している。
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