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ダクタク2017年3月 ブログトップ

ダクタク句集2017年(平成29年)3月 [ダクタク2017年3月]

3/31fri
去年今年 さらに薄きは 年度末
     (こぞことし さらにうすきは ねんどまつ)
        ※新年を迎える感懐も薄くなったと感じて早三ヶ月
         が経過。もっと意識が薄いのは年度末だな・・・。
         まわりを見渡してみよう。

開花未満 ほんの数輪 年度末
     (かいかみまん ほんのすうりん ねんどまつ)
        ※今朝はちょっと冷え込んでいるが、しばらくの間
         の暖かさでサクラの蕾はグッと大きくなった。数
         百万個かそれ以上ある桜並木の蕾の中で、咲い
         たのはホンのいくつか・・・。これはこれで貴重だ
         なァ、と思った。

3/29wed
鳥帰る 油をつけて 紅ひいて
     (とりかえる あぶらをつけて べにひいて)
        ※毎朝出かける堰き止め湖に、先日明らかに渡り中
         の鳥の一団が旅の途中で休憩していた。丹念にま
         たの旅立ちに備えている。いつもの留鳥たちは遠
         目から見守っていた。

3/28tue
作品展 馬子にも衣裳 額に入れ
     (さくひんてん まごにもいしょう がくにいれ)
        ※晴れて今日から開催。額に入ればなかなかのもの。
         誰が描いたのかな?

両側を見て 泣きべその我が絵かな
     (りょうがわをみて なきべそのわがえかな)
        ※ところが絵自身は正直で、周りの絵を見ておろお
         ろしている・・・。

3/27mon
作品展 うれし恥ずかし 春幻
     (さくひんてん うれしはずかし はるまぼろし)
        ※隣市の図書館で絵画教室の作品展を行う。今日
         はそのために作品を持ち寄る日(搬入日というら
         しい)。立派な図書館で、広いフリースペースが企
         画もので常に活用されているところ。そんなところ
         で一ヶ月も・・・? でも戦線離脱は無理なよう。で
         も、少し嬉しくもある。
 
絵を選ぶ 帯にもタスキにも かすらない
     (えをえらぶ おびにもたすきにも かすらない)
        ※一人3点~4点と言われたが、初心者は描き溜
         めた在庫など殆どない。ほとほと苦心した。先生
         に直して貰い、なんとか・・・。

3/26sun
春の歌 いいのばかりねと ハモリ行く
     (はるのうた いいのばかりねと はもりゆく)
        ※春休みの中学生は最高にリラックスしている。歌
         も彼女らも春の風物詩。

森山の さくらを歌う 通学路
     (もりやまの さくらをうたう つうがくろ)
        ※いい歌だねェ・・・。高い声がいいよ。

3/24fri
老班の手が 班なきを撫で別れ
     (ろうはんのてが はんなきをなでわかれ)
        ※昨日告別式。弟との別れ。

残雪の 光れる街に ぬし住めり
     (ざんせつの ひかれるまちに ぬしすめり)
        ※安達太良山の残雪が街のそこかしこから眺めら
         れた。最後の20年近くをここで暮らした。「ぬし」
         は時代劇のお主(ぬし)。故郷では同輩、目下の
         者を指して使う。ただし、発音は「ぬし」の他に、な
         まって「ぬしゃ」、「にしゃ」と様々。
         今でもこのようだろうか?

3/21tue
回転寿司 死ぬまで食えと 夢の中
     (かいてんずし しぬまでくえと ゆめのなか)
        ※弟は食べることが好きだった。大食漢だった。最
         後は鼻からの流動食。「もっと食べたい」と訴えた
         こともあった。食い過ぎで死んだ方が幸せだった
         かな・・・。とにかく、こう言ってみたかった。

もっと食え 親は手ぐすね 歓迎会
     (もっとくえ おやはてぐすね かんげいかい)
        ※一番心配だった末子が天国に来てくれた。一番
         食べさせたかったのも両親。今ごろは・・・。

女親 得意のおはぎか いなり寿司
     (おんなおや とくいのおはぎか いなりずし)
        ※季節柄おはぎかな? それとも? 出しものの想
         像はつく。それにしても「食わせ癖」がある母親だ
         ったから、久しぶりで弟の身体のことが心配?
         (故郷では春でもボタモチとは言わない)

3/20mon
桃は咲きてあり 弟は逝きてあり
     (ももはさきてあり おとうとはゆきてあり)
        ※昨夜入院先で弟が死んだ。今朝桃が数輪開花した。

3/19sun
思いがけず はや公民館の 常連に
     (おもいがけず こうみんかんの じょうれんに)
        ※5,6年前は「ハハハ、公民館?行かないよ。
         (若いんだから)お世話にならない」と言っていた。
         ところが家内が野菜栽培サークルに参加したの
         をきっかけに、大量の公民館情報が入ってくる
         ようになり、いつしか「常連」の末席に・・・。
         バスで行くフィールドワークは気に入っているし、
         演奏会や歌の会にも出ている。
         あれは一体なんだったの?・・・「強がり」だった
         んだね。人はこうして、公民館を敬遠し、そして
         常連になる。ありふれたパターンでした。

3/18sat
チャイム鳴って コンビニ人間 やって来た
     (ちゃいむなって こんびににんげん やってきた)
        ※図書館の予約が最も多かった一冊がこれらしい。
         それにのって予約を入れておくと、忘れた頃に順
         番が来る。貸出延長がきかないから、優先して読
         む。これが読書の強制力になる。
         「コンビニ人間」は村田沙耶香の芥川賞受賞作。

3/17fri
ハーモニカ 二丁で昭和の 歌めぐり
     (はーもにか にちょうでしょうわの うためぐり) 
        ※今月の初め日本ハーモニカ芸術協会の理事長先
         生 田邊峯光さんが東京から見えてくれて公民館で
         演奏会を行った。前回のギター演奏会に続き、今
         回の縁も館長が知り合いだからとか。聴衆も変わら
         ず、ジジ・ババが中心50名ほど。
         考えれば、ゼイタクな催しである。良い館長に恵ま
         れている。
         複音ハーモニカの普及と技術の向上を目的とする
         協会だそうで、演奏はメロディラインと伴奏を一人
         が演奏する。信じられないテクニック、見事なもの
         だ。「日本的奏法」と呼ばれるらしい。

メロディと 同時に伴奏 トレモロで
     (めろでぃと どうじにばんそう とれもろで)
        ※中でも感心したのは「荒城の月」で、メロディを3
         連音のトレモロ伴奏が支えるという離れ技だ。す、
         すごいねェ・・・。

3/16thu
横綱は やっぱり違うと 川向こう
     (よこづなは やっぱりちがうと かわむこう)
        ※稀勢の里快調に4連勝。利根川の向こうの人々の
         ドヤ顔が見えそう。それにしても落ち着いた表情で
         土俵をこなしている。個人的には不満があった、立
         合いの姿勢、間合いも良くなっている。これ、本当
         に強くなるのでは? まだまだ早いけれどね。

3/15wed
句をひねり 回想と悔いは 一休み
     (くをひねり かいそうとくいは ひとやすみ)
        ※シニアは思い出の海の中に生きている、と言われ
         ることがある。「そんなことがあるかな?」と懐疑的
         だった自分もやっぱり例外ではなかった。良い思
         い出に浸る人も多いが、無意識に繰り出される思
         い出は「しょっぱい」か「にがい」塩水のことが多い。
         中には痛烈な後悔を伴うものばかりが連続してし
         まうことも・・・。
         そんな回想に翻弄されそうな時は、これだ。下手
         な川柳、俳句でも句作りでしばし夢中になることが
         出来る。句の良し悪しは別として、良い時間が持
         てる。

3/14tue
大いなる 介護施設の 駐車場
     (おおいなる かいごしせつの ちゅうしゃじょう)
        ※近くに老人保健施設、介護施設を併設する病院が
         ある。病院だけの時代に比べれば高度成長そのも
         の。広々とした駐車場は勤務する医師、職員スタッ
         フの利用でいっぱい。エネルギーを感じる。高齢化
         という時代がもたらしたもの・・・。

デイに送る 何度も何度も 頭下げ
     (でいにおくる なんどもなんども あたまさげ)
       ※通所のデイサービスは在宅で介護をしている家族に
        とっては貴重なもの。週に何回と決めておいて、その
        日の朝はバスとスタッフが迎えに来る。もう何年も利
        用している家族もあれば、介護で緊張と疲労の極に
        あった家族がデイ利用を始めて自分のリズムを回復
        することも。

3/12sun
大震災 バッハのバイオリンパルティータ
     (だいしんさい ばっはのばいおりんぱるてぃーた)
        ※東日本大震災の番組がテレビで続く。風化を防ぐ
         という。そうかも知れないが、あれだけの惨害に、
         なにも出来ないで今に至っている自分のことを忘
         れる人はあるまい。

シニア力 相撲見る目は 確かなり
     (しにありょく すもうみるめは たしかなり)
        ※なにも相撲に限ったことではないが、暇に任せて
         じっくりテレビ観戦していると、様々なことが 「身
         に付く」ように感じる。相撲の面白さ、伝統、個々
         の力士のことや取り組みの記憶などなど。
         「俺もデーモン閣下くらいにはなったぞ。もっと早
         くに興味を持てば良かった」と。ハハハ・・。

3/11sat
申告に つまづきシステムの せいにする
     (しんこくにつまづき しすてむのせいにする)
        ※国税庁の申告用サイトは年々充実しているようだ。
         しかし残念ながら、確定申告するメリットの方は、
         我が身の場合年々細ってしまっている。悲しいか
         な・・・。それでやる気がないから、昔からの記憶で
         どんどん進めてしまうと変更された箇所でハタと止
         まってしまう。なんだァ、面倒だなァ・・・。

3/10fri
また髪が 薄くなったねと 初雲雀
     (またかみが うすくなったねと はつひばり)
        ※大きなお世話。

3/9thu
合格を スマホで知るや 春の朝
     (ごうかくを すまほでしるや はるのあさ)
        ※親戚の娘はめでたく合格となった。祝着。いつも
         のスマホがその朝は重かったという・・・。今やス
         マホがすっかり通信の主役だ。IOTの時代だから
         通信を手段に無限の機能に結びつく。
         いやはや・・・、というのが昨今の実感だ。「新
         たな手段、新たな便利は、私は不要です。辞退し
         ます」と言っても、新しいものへ世の中が移って
         しまうと、従来のサービスはなくなるか、変形して
         しまう。わかりやすい例がケイタイだろう。
         「不要です」と言った人が外出時にいざ電話をと
         なると苦労する。赤電話、公衆電話はかなり姿を
         消している。頑固者には次第に窮屈になるのか
         も知れない。いつの世も同じかな。

3/7tue
春雷や 不義理をわびる 電話口
     (しゅんらいや ふぎりをわびる でんわぐち)
        ※週末は急遽遠出したので、予定していた会合を
         電話でドタキャンした。もどってから、幹事役の友
         人からキツーイ詰問の電話が・・・。少しわけを話
         してやっと了解してくれた。

3/6mon
安達太良の 麓でかすかな 息をする
     (あだたらの ふもとでかすかな いきをする)
        ※週末に入院中の弟を郡山市に見舞う。

寝たきりの 視線すがしや 春の山
     (ねたきりの しせんすがしや はるのやま)
        ※重篤と聞いてかけつけたが、幸い持ち直している。
         視線は以前より落ち着いているように見受けられ
         た。静かに窓外を見る眼は穏やかだが動かない。

出迎えは この顔なりき 夏の駅
     (でむかえは このかおなりき なつのえき)
        ※夏休みなどに帰省した時、駅で待っていてくれた
         のは、いつもこの顔。いつも笑顔だった。

3/5sun
ジャガイモは 利回りファースト 20倍
     (じゃがいもは りまわりふぁーすと にじゅうばい)
        ※じゃがいもを植えた。正確に言えば購入した種芋
         を40個ほど。90日ほどで収穫となる。難しい管理
         や手間もいらない人気の作物である。種芋はわず
         かな期間で20倍(重量比)のじゃがいもに化ける。
         利回りは年1900%、しかもたった90日間でだ。

3/4sat
ふきのとう 田舎暮らしの 得ひとつ
     (ふきのとう いなかぐらしの とくひとつ)
        ※いくつかの内緒の場所がある。今年も順調に収穫。
         天ぷらにフキ味噌だな・・・。

3/3fri
待ちわびて 綱はついに 川を越え
     (まちわびて つなはついに かわをこえ)
        ※稀勢の里の横綱昇進で、茨城県特に出身地牛久
         市が沸き立っている。長期間待たされ、じらされた
         挙句に、綱は利根川を越えた。

綱とりて 晩成してこそ 目になみだ
     (つなとりて ばんせいしてこそ めになみだ)
        ※一ほど前から本人の顔つきが大きく変わった。緊
         張時の目パチパチが消え、控え時の表情は柔和
         とも言えるほどに。気がついた人も多いが、本人は
         様々なメンタル上の克服策を試みていたのだろう。
         大きく羽ばたいて貰いたい。

3/2thu
ひさびさの 濡れ羽の髪や 春弥生
     (ひさびさの ぬればのかみや はるやよい)
        ※「神田川」の歌詞にある、銭湯帰りの洗い髪が芯
         まで冷えて・・・。そういうシーンが日常では全くな
         くなった。殆どが自宅の風呂を利用するし、洗い
         髪のまま外を歩くこと自体が生活感丸出しとして
         敬遠されて久しい。ところが昨夕、そんな女性に
         出会った。びっくりした。若いきれいな人。
         「濡れ羽を演出するトリートメント」ではない。

3/1wed
春眠や 天井は中也の 朱きいろ
     (しゅんみんや てんじょうはちゅうやの あかきいろ)
        ※中原中也の処女詩集「山羊の歌」の代表的な詩の
         一つに「朝の歌」がある。
        『天井に朱きいろいで 戸の隙にもれ入る光・・・』

春眠や 父の遺した 軸の前
     (しゅんみんや ちちののこした じくのまえ)
        ※世界情勢が落ち着かない?とか言っても、たっぷ
         り春眠を貪る日もある。雪解けで疎らに見え始め
         た地面をジョウビタキが餌を探して歩いている図、
         故郷の今ごろのイメージだ。気に入っている。
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