ダクタク句集2023年(令和5年)5月 [ダクタク2023年5月]
5/31wed
友堂々50号の絵梅雨に入る
(ともどうどうごじゅうごうのえつゆにいる)
※友人からの案内で地域絵画グループの美術展
を見に行った。なかなかどうして手管の面々、
圧倒された。うなだれて雨模様の中を帰って
きた。
5/30tue
片陰もなき牛込の柳町
(かたかげもなきうしごめのやなぎちょう))
※先日の東京行続き。
あの日は背中がじりじりと季節外れの真夏日。
好きで歩いているとはいえ、一時間休みなし
というのはやや危険。わかってはいるけど・
・・ほう、ここは東京女子医大のすぐ近くだ。
安心。
白靴で夏目通りよ坂の街
(しろぐつでなつめどおりよさかのまち)
5/29mon
手拭いを職人風に豆の飯
(てぬぐいをしょくにんふうにまめのめし)
薬の日どくだみ抜く手てぬるかり
(くすりのひどくだみぬくててぬるかり)
5/28sun
ランドセル開いたままの子走り梅雨
(らんどせるあいたままのこはしりづゆ)
西瓜苗植うるに場所の狭まりて
(すいかなえううるにばしょのせばまりて)
※家庭菜園でも連作障害を避けるために知恵
を絞る。スイカはウリ科、好みの野菜がワ
ンサとある。4,5年間を空けよとなると
相当に大変。
5/26fri
走り梅雨ブラ翁が間奏曲よ
(はしりづゆぶらおうがかんそうきょくよ)
※日ごとの天気の変化、寒暖の差が激しい。
梅雨も近い。ブラームス親方をブラ翁と称
し、型にはめようとする無理。句を作る者
が味わう快感。
5/25thu
緑陰に人や自在に神楽坂
(りょくいんにひとやじざいにかぐらざか)
※先日の東京行続き。
年に一度のフィエスタが近いとあって、坂
のそこかしこで関係の人がたむろしている。
久しぶりの都会の街と人。
日盛りやただ黙々と坂の道
(ひざかりやただもくもくとさかのみち)
※暑いというのに遠回りして坂の途中から大
久保通りに左折。牛込を経由し市谷を掠めて
北上、目標の一つ、夏目坂に向かう。
ただ歩く、これがいい。東京の普通の道を。
5/24wed
毘沙門天賽銭の音友の息
(びしゃもんてんさいせんのおととものいき)
※先日の東京行続き。
神楽坂を上ると中ほど左手に善国寺がある。
地域では「毘沙門さま」と呼ばれていると
か、山の手七福神の一つ。日傘が集ってい
る。神楽坂は日影が多く、酷暑?の中、こ
こまでは出足快調だ。
5/23tue
電車今夏の帽子を膝に置く
(でんしゃいまなつのぼうしをひざにおく)
※先日の東京行。電車に乗るのさえ多少興奮し
ている? それほど久しぶりの出来事。
駅頭は久闊よりも暑さかな
(えきとうはきゅうかつよりもあつさかな)
5/22mon
麦秋はこの地ここだけ夫婦いる
(ばくしゅうはこのちここだけふうふいる)
莢豌豆手疲るほどの地の恵み
(さやえんどうてつかるほどのちのめぐみ)
※都会をゆっくり味わい、疲れるほどに歩いた
が、住まいへの帰巣本能が以前より強い。
歳のせいもあり、またコロナ禍で寸断された
都会への思いのせいもあろう。
5/21sun
AIの変革にいるか夏木立
(え-あいのへんかくにいるかなつこだち)
※ほんのしばらくの間で世界中の話題になって
いる生成AI。良いにつけ悪いにつけ影響を
まともに被る世代ではない。したがって急速
な大変革とはいえ、その動きを劇場で味わっ
ている気分だ。今や出し物としては戦争を凌
ぐかも。
5/19fri
Тシャツの長き横文字夏来たる
(てーしゃつのながきよこもじなつきたる)
雨上がる緑の重さ薄暑かな
(あめあがるみどりのおもさはくしょかな)
5/17wed
薫風や三年見ぬ間の濠の駅
(くんぷうやみとせみぬまのほりのえき)
※気の合った仲間との、三年ぶりの歩き会は真
夏日の昼下がりの神楽坂に集合した。暑い。
想定外の「決死行」となった。
5/16tue
風薫る休場明け後の二連勝
(かぜかおるやすみあけごのにれんしょう)
※横綱の両膝のサポーター、単なるテーピング
ではなくてなにやら角ばったガード材がそこ
を覆っている。きょうも明日も横綱を応援し
ている。結果勝ちであればいい。
5/15mon
夏来たる無愛想なる街もよし
(なつきたるぶあいそうなるまちもよし)
※テレビも他のメディアも、また街に出れば商
店も通りも、東京も地方も「ターゲットは若
者」とりわけ「Z世代」とか。
これイコール落ち着かない世の中だ。
こびちゃいけない。
5/14sun
青嵐打ち捨てられし苗の青
(あおあらしうちすてられしなえのあお)
※当地の田植えは大半が四月中に終わっている
が、何の品種かもち米か?半月も遅れて田植
えをした。使いようがない、残った苗の山。
5/13sat
山法師の白は濁手爺の家
(やまぼうしのしろはにごしでじじのいえ)
※ヤマボウシの花が咲き始めている。いつも通
る家のそれはもう半ばを越えている。しかも
その白色は実に深い色をしている。家ごとに
木ごとに白が違う気がする。
5/12fri
聖五月戴冠式に仔細あり
(せいごがつたいかんしきにしさいあり)
サツマイモ植えず三日の雨続き
(さつまいもうえずみっかのあめつづき)
5/11thu
芍薬は画材見事な見得を切り
(しゃくやくはがざいみごとなみえをきり)
※今朝4時過ぎ当地を震度5強の強い揺れが襲
った。人生で初めての5強を体験、その最中
これが更に強くなったら・・・首都直下地震
ではないか?の強い恐怖に捕らわれた。
見舞いのメールなどを受信し、一息ついたの
は約一時間後。
5/9tue
細き棒ギブスの中を夏に入る
(ほそきぼうぎぶすのなかをなつにいる)
※知人が自分の庭で転倒し踝を骨折した。齢を
重ねての骨折は時に大変なのだが、時間はか
かるが完治できる見通しだ。ギブスに合った
木の棒をプレゼントした。大いに感謝された。
5/8mon
春惜しみ上野の山をただ抜ける
(はるおしみうえののやまをただぬける)
角曲がる都電見下ろし暮れかぬる
(かどまがるとでんみおろしくれかぬる)
※晩春という言葉にある郷愁を感じるのだが、
自分の体験と小津安二郎の映画の記憶とが混
然となって境目が妖しくなってことにも原因
がある。不甲斐ない自分の記憶力にがっかり
はするものの、悪い気分ではない。
春をじっくり惜しむほど情緒のある人間では
ない。なぜか浮かんでくるのは、言問通りか
らがら芸大の裏手に上がって、ただ御徒町方
面に上野の山を突っ切ってくる。もう一つは
王子駅付近で都電が直角に曲がるあたり、近
くには飛鳥山がありこの辺もサクラがあった。
広い道路をまたぐ横断歩道の上から飽かずに
眺めている。どちらも夕暮れ近く。
草の山と鎌を眺めつ春惜しむ
(くさのやまとかまをながめつはるおしむ)
5/6sat
芋植うる今日は二畝ばかりなり
(いもううるきょうはふたうねばかりなり)
磯茶屋の大椀どっと浅蜊汁
(いそじゃやのおおわんどっとあさりじる)
5/5fri
チェーホフは春の日そして春の夕
(ちぇーほふははるのひそしてはるのゆう)
※午前中はゆっくり読書と新聞、午後は晴れの
強風の中畑に駆り出される。行く春を惜しむ、
どころか黄砂混じりの風の中、サツマイモを
植える準備をする。今年はちゃんと黒マルチ
を張って50本植える予定。ちゃんとやるに
はやはり私の出番。
5/4thu
住職を庭師とまがふ日永かな
(じゅうしょくをにわしとまがうひながかな)
団地の子女子が率いて日永かな
(だんちのこじょしがひきいてひながかな)
5/3wed
峠越え八十八夜の歯科通い
(とうげこえはちじゅうはちやのしかがよい)
※家内が歯茎の治療に難渋し、腕の良い口腔
歯科を求めて隣市の医院を紹介してもらっ
た。国道沿いで行くと遠くなり、山越えの
ショートカットを選んで連れて行く。
それにしても遠い。午後の予約で行くと午
後一杯取られてしまう。
5/2tue
忌野忌木の間隠れの清志郎
(いまわのきこのまがくれのきよしろう)
※快晴。木漏れ日を浴びながら草むしり。新たに
入手したイヤホーンで清志郎を聴く。
フーン・・・いいなあ。いいのは清志郎であっ
て、値段の割にイヤホーンはだめ。それとも、
スマホ越しの音ってこんなものか?
5/1mon
句日記や苦あり楽あり柿若葉
(くにっきやくありらくありかきわかば)
※誰にも見てもらっていないという前提なれど
も、出来ればコンスタントに自分が満足する
句を作りたいと思う。
そのための強制力の一つがこのブログだ。始
めた以上自分で恥ずかしい句は見せられぬ、
決めて開店休業とはいかぬ、と。
友堂々50号の絵梅雨に入る
(ともどうどうごじゅうごうのえつゆにいる)
※友人からの案内で地域絵画グループの美術展
を見に行った。なかなかどうして手管の面々、
圧倒された。うなだれて雨模様の中を帰って
きた。
5/30tue
片陰もなき牛込の柳町
(かたかげもなきうしごめのやなぎちょう))
※先日の東京行続き。
あの日は背中がじりじりと季節外れの真夏日。
好きで歩いているとはいえ、一時間休みなし
というのはやや危険。わかってはいるけど・
・・ほう、ここは東京女子医大のすぐ近くだ。
安心。
白靴で夏目通りよ坂の街
(しろぐつでなつめどおりよさかのまち)
5/29mon
手拭いを職人風に豆の飯
(てぬぐいをしょくにんふうにまめのめし)
薬の日どくだみ抜く手てぬるかり
(くすりのひどくだみぬくててぬるかり)
5/28sun
ランドセル開いたままの子走り梅雨
(らんどせるあいたままのこはしりづゆ)
西瓜苗植うるに場所の狭まりて
(すいかなえううるにばしょのせばまりて)
※家庭菜園でも連作障害を避けるために知恵
を絞る。スイカはウリ科、好みの野菜がワ
ンサとある。4,5年間を空けよとなると
相当に大変。
5/26fri
走り梅雨ブラ翁が間奏曲よ
(はしりづゆぶらおうがかんそうきょくよ)
※日ごとの天気の変化、寒暖の差が激しい。
梅雨も近い。ブラームス親方をブラ翁と称
し、型にはめようとする無理。句を作る者
が味わう快感。
5/25thu
緑陰に人や自在に神楽坂
(りょくいんにひとやじざいにかぐらざか)
※先日の東京行続き。
年に一度のフィエスタが近いとあって、坂
のそこかしこで関係の人がたむろしている。
久しぶりの都会の街と人。
日盛りやただ黙々と坂の道
(ひざかりやただもくもくとさかのみち)
※暑いというのに遠回りして坂の途中から大
久保通りに左折。牛込を経由し市谷を掠めて
北上、目標の一つ、夏目坂に向かう。
ただ歩く、これがいい。東京の普通の道を。
5/24wed
毘沙門天賽銭の音友の息
(びしゃもんてんさいせんのおととものいき)
※先日の東京行続き。
神楽坂を上ると中ほど左手に善国寺がある。
地域では「毘沙門さま」と呼ばれていると
か、山の手七福神の一つ。日傘が集ってい
る。神楽坂は日影が多く、酷暑?の中、こ
こまでは出足快調だ。
5/23tue
電車今夏の帽子を膝に置く
(でんしゃいまなつのぼうしをひざにおく)
※先日の東京行。電車に乗るのさえ多少興奮し
ている? それほど久しぶりの出来事。
駅頭は久闊よりも暑さかな
(えきとうはきゅうかつよりもあつさかな)
5/22mon
麦秋はこの地ここだけ夫婦いる
(ばくしゅうはこのちここだけふうふいる)
莢豌豆手疲るほどの地の恵み
(さやえんどうてつかるほどのちのめぐみ)
※都会をゆっくり味わい、疲れるほどに歩いた
が、住まいへの帰巣本能が以前より強い。
歳のせいもあり、またコロナ禍で寸断された
都会への思いのせいもあろう。
5/21sun
AIの変革にいるか夏木立
(え-あいのへんかくにいるかなつこだち)
※ほんのしばらくの間で世界中の話題になって
いる生成AI。良いにつけ悪いにつけ影響を
まともに被る世代ではない。したがって急速
な大変革とはいえ、その動きを劇場で味わっ
ている気分だ。今や出し物としては戦争を凌
ぐかも。
5/19fri
Тシャツの長き横文字夏来たる
(てーしゃつのながきよこもじなつきたる)
雨上がる緑の重さ薄暑かな
(あめあがるみどりのおもさはくしょかな)
5/17wed
薫風や三年見ぬ間の濠の駅
(くんぷうやみとせみぬまのほりのえき)
※気の合った仲間との、三年ぶりの歩き会は真
夏日の昼下がりの神楽坂に集合した。暑い。
想定外の「決死行」となった。
5/16tue
風薫る休場明け後の二連勝
(かぜかおるやすみあけごのにれんしょう)
※横綱の両膝のサポーター、単なるテーピング
ではなくてなにやら角ばったガード材がそこ
を覆っている。きょうも明日も横綱を応援し
ている。結果勝ちであればいい。
5/15mon
夏来たる無愛想なる街もよし
(なつきたるぶあいそうなるまちもよし)
※テレビも他のメディアも、また街に出れば商
店も通りも、東京も地方も「ターゲットは若
者」とりわけ「Z世代」とか。
これイコール落ち着かない世の中だ。
こびちゃいけない。
5/14sun
青嵐打ち捨てられし苗の青
(あおあらしうちすてられしなえのあお)
※当地の田植えは大半が四月中に終わっている
が、何の品種かもち米か?半月も遅れて田植
えをした。使いようがない、残った苗の山。
5/13sat
山法師の白は濁手爺の家
(やまぼうしのしろはにごしでじじのいえ)
※ヤマボウシの花が咲き始めている。いつも通
る家のそれはもう半ばを越えている。しかも
その白色は実に深い色をしている。家ごとに
木ごとに白が違う気がする。
5/12fri
聖五月戴冠式に仔細あり
(せいごがつたいかんしきにしさいあり)
サツマイモ植えず三日の雨続き
(さつまいもうえずみっかのあめつづき)
5/11thu
芍薬は画材見事な見得を切り
(しゃくやくはがざいみごとなみえをきり)
※今朝4時過ぎ当地を震度5強の強い揺れが襲
った。人生で初めての5強を体験、その最中
これが更に強くなったら・・・首都直下地震
ではないか?の強い恐怖に捕らわれた。
見舞いのメールなどを受信し、一息ついたの
は約一時間後。
5/9tue
細き棒ギブスの中を夏に入る
(ほそきぼうぎぶすのなかをなつにいる)
※知人が自分の庭で転倒し踝を骨折した。齢を
重ねての骨折は時に大変なのだが、時間はか
かるが完治できる見通しだ。ギブスに合った
木の棒をプレゼントした。大いに感謝された。
5/8mon
春惜しみ上野の山をただ抜ける
(はるおしみうえののやまをただぬける)
角曲がる都電見下ろし暮れかぬる
(かどまがるとでんみおろしくれかぬる)
※晩春という言葉にある郷愁を感じるのだが、
自分の体験と小津安二郎の映画の記憶とが混
然となって境目が妖しくなってことにも原因
がある。不甲斐ない自分の記憶力にがっかり
はするものの、悪い気分ではない。
春をじっくり惜しむほど情緒のある人間では
ない。なぜか浮かんでくるのは、言問通りか
らがら芸大の裏手に上がって、ただ御徒町方
面に上野の山を突っ切ってくる。もう一つは
王子駅付近で都電が直角に曲がるあたり、近
くには飛鳥山がありこの辺もサクラがあった。
広い道路をまたぐ横断歩道の上から飽かずに
眺めている。どちらも夕暮れ近く。
草の山と鎌を眺めつ春惜しむ
(くさのやまとかまをながめつはるおしむ)
5/6sat
芋植うる今日は二畝ばかりなり
(いもううるきょうはふたうねばかりなり)
磯茶屋の大椀どっと浅蜊汁
(いそじゃやのおおわんどっとあさりじる)
5/5fri
チェーホフは春の日そして春の夕
(ちぇーほふははるのひそしてはるのゆう)
※午前中はゆっくり読書と新聞、午後は晴れの
強風の中畑に駆り出される。行く春を惜しむ、
どころか黄砂混じりの風の中、サツマイモを
植える準備をする。今年はちゃんと黒マルチ
を張って50本植える予定。ちゃんとやるに
はやはり私の出番。
5/4thu
住職を庭師とまがふ日永かな
(じゅうしょくをにわしとまがうひながかな)
団地の子女子が率いて日永かな
(だんちのこじょしがひきいてひながかな)
5/3wed
峠越え八十八夜の歯科通い
(とうげこえはちじゅうはちやのしかがよい)
※家内が歯茎の治療に難渋し、腕の良い口腔
歯科を求めて隣市の医院を紹介してもらっ
た。国道沿いで行くと遠くなり、山越えの
ショートカットを選んで連れて行く。
それにしても遠い。午後の予約で行くと午
後一杯取られてしまう。
5/2tue
忌野忌木の間隠れの清志郎
(いまわのきこのまがくれのきよしろう)
※快晴。木漏れ日を浴びながら草むしり。新たに
入手したイヤホーンで清志郎を聴く。
フーン・・・いいなあ。いいのは清志郎であっ
て、値段の割にイヤホーンはだめ。それとも、
スマホ越しの音ってこんなものか?
5/1mon
句日記や苦あり楽あり柿若葉
(くにっきやくありらくありかきわかば)
※誰にも見てもらっていないという前提なれど
も、出来ればコンスタントに自分が満足する
句を作りたいと思う。
そのための強制力の一つがこのブログだ。始
めた以上自分で恥ずかしい句は見せられぬ、
決めて開店休業とはいかぬ、と。
ダクタク句集2023年(令和5年)下期 自選集 [自選集2023]
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2023年9月分コピー済 未選定
9/28thu
待宵や縦が良く合うお城かな
(まつよいやたてがよくあうおしろかな)
※涼しくなったのも束の間、じりっじりっと
気温が上がり今日はそのピーク。実は東京
での会合を直前で延期した。賢かった。
9/24sun
喜捨の鐘二度目が寺の秋にしむ
(きしゃのかねにどめがてらのあきにしむ)
僧招く胎蔵界に寺の秋
(そうまねくたいぞうかいにてらのあき)
※こうも変わるものか? 昨日今日の最高気
温は少し前までの最低気温にも及ばない。
9/22fri
風水のおとなしき地に秋めぐり
(ふうすいのおとなしきちにあきめぐり)
曼殊沙華時期を違えず異夏消ゆ
(まんじゅしゃげじきをたがえずいなつきゆ)
※どうやら異常な夏の終わりが近づいている。
この地も暑さはひどく、色んな影響を被っ
たが、風水害の被害は今のところ皆無に近
い。28年になるこの地、有難いと思う。
9/18mon
モーツァルト秋はロンドか今日涼し
(もーつぁるとあきはろんどかきょうすずし)
※各地の最高気温は相変わらず夕方のニュー
ス種になっている。しかし今夕の涼しさは
どうだ。湿度が低かったのだろうけれど、
格段に秋を感じる気配だ。ただありがたや
という気分。今日敬老の日。
9/17sun
本を繰る腕の涼しさ秋の朝
(ほんをくるうでのすずしさあきのあさ)
※異常な高温の継続に、朝寝床での読書が快
適になることを願っていた。一日やや涼し
い日があり、しかしすぐ戻る。
9/15fri
石段に水つつしみて風の盆
(いしだんにみずつつしみてかぜのぼん)
風の盆地方の声の手練れかな
(かぜのぼんじかたのこえのてだれかな)
風の盆今年地方に聞きほれて
(かぜのぼんことしじかたにききほれて)
※風の盆の季節、今年もテレビで見物した。
4Kの充実した番組を満喫できた。とはいえ、
どこの会場だったか? 上の街と下の街を
繋ぐ長い石段があって、そこが格好の見物
場所となり、下の広場がおわらの会場にな
っていた。羨ましいと思った。
男踊り、女踊り、いつも結構。比較的新し
いという男女混合の振りも良かった。あそ
こで見たいものだと思った。トイレが難し
いかな、とも思った。
9/11mon
盆地秋記録的なる雨吸いて
(ぼんちあききろくてきなるあめすいて)
※会津若松もかなりの雨にたたられた。この
夏で言えば高温の記録も。新潟県の各地と
同様、全国版のニュースにも現れた。
9/10sun
参道に婆の店あり風の秋
(さんどうにばばのみせありかぜのあき)
※外房鴨川市の海岸国道から少し山に入った
ところに清澄寺がある。日蓮が修行した古
刹で、古くからの道場寺だった。日蓮が大
成した後は聖地扱いの古寺となった。
何十年も前独身時代、ドライブで近くまで
行くと必ずここに寄った。参道にあったお
ばさんの土産物店で世間話をするためだ。
今もあるかな?と錯覚した。
9/8fri
北向きの銀行そそと颱風過
(きたむきのぎんこうそそとたいふうか)
※市内に或る銀行の古手の支店がある。小さ
な構えだが壁柱の石造りは古風で立派なも
のだ。軽さと歯抜けが目立つ通りでは静か
に評判を呼んできたが、もう取り壊される
かも?
9/7thu
草刈りて刈りて終わりし良夜かな
(くさかりてかりておわりしりょうやかな)
この涼をひたすら待てり良夜かな
(このりょうをひたすらまてりりょうやかな)
9/6wed
すんなりと起き上がってぞ今朝の秋
(すんなりとおきあがってぞけさのあき)
※今朝早くから小雨が降って気温が下がった。
起床時の「起動」も実に滑らかにいった。
横になっていて、起き上がりざまの足腰の
動きが多少重くなって久しい。最近はゆっ
くり丁寧にやるようにしている。
9/5tue
集会所秋のバリウム列をなし
(しゅうかいじょあきのばりうむれつをなし)
※胃ガンの検査、今年は市の中心近くの施設
に赴いてではなく、各地区を廻る検診バス
の世話になった。近いのはいいが、小さな
列には見知った顔も。いいような悪いよう
な・・・。素朴に健康。
9/4mon
ロレンスの沙漠の疾駆秋の色
(ろれんすのさばくのしっくあきのいろ)
※何回目か、この映画をまた見た。今回は家
のテレビで。今回が一番いい心持と素直に
見ようという意思を持って。
だから今回が一番いい感想だ。いや、やっ
ぱり初めての時かな? いい勝負。感想の
中身がちょっと違うかな。
9/2sat
子のマスク陽性となる夏の暮れ
(このますくようせいとなるなつのくれ)
※コロナ感染者が相当増えているという。周辺
でも陽性者が出て母親がびっくり、というの
があった。これはきっと良いことなのだろう
が、病院も患者側もさばさばとしていたと聞
いた。
9/1fri
震災忌この地の震度六を知る
(しんさいきこのちのしんどろくをしる)
※さしもの猛暑も地軸の傾きには抗しきれない。
気温は下がらないが、朝夕の日影の広がりが
日一日と変化している。
首都直下大震災、対岸の火事にはならない。
房総半島の共振範囲は微妙だが、この地の被
災は免れないようだ。
************************************************
8/31thu
緑陰の影濃しすでに客があり
(りょくいんのかげこしすでにきゃくがあり)
八月尽危険な暑さをかみしめる
(はちがつじんきけんなあつさをかみしめる)
※これだけの暑さは異常という、歴史的とも
いう、これからは何度も、とも。かみしめ
ておくにしくはない。
8/29tue
旱天や実のなる木だけ水をやる
(かんてんやみのなるきだけみずをやる)
※庭の果樹に関する限り、この暑い夏、日照
りに恨みはない。もも、プラム、ぶどうと
この間に収穫した果樹は皆例年よりかなり
成績が良い。
残るは柿と温州みかん、大切なこの時期実
のつきは悪くない。素人の遊びの域を出な
いが、悪くない気分。
8/28tue
次々とポッケから栗あげるとぞ
(つぎつぎとぽっけからくりあげるとぞ)
栗飯のすでに香りが電話口
(くりめしのすでにかおりがでんわぐち)
8/27sun
上弦の月に邯鄲酔いしれて
(じょうげんのつきにかんたんよいしれて)
※月末から来月にかけての気温の予報も平年
より高いとある。意外と朝晩のしのぎやす
さがやってきて、裏をかいてくるかも。
8/26sat
絵を見せてやがて名を訊く酷暑なり
(えをみせてやがてなをきくこくしょなり)
※75歳を超えると3年に一回認知症機能検査
を受けさせられる。今日は何曜日?とかの
試験と16枚の絵の名前を憶えているかどう
か? 必要性は理解できるが、その代わり
何千円でいいから金を払え! この無礼者!
(逆に8000円ほど払わせられる)
8/25fri
一文字も書かず読まずに青芭蕉
(ひともじもかかずよまずにあおばしょう)
※暑さの余り、3ヵ月前に訪れた漱石記念館
を思い出した。こんな日も意外と風が通る
涼しい家だったのかも知れない。とはいえ
酷暑の日だったら、なんにもしないで終日
ベランダから青芭蕉を眺めていたかも。
8/24thu
免許再た手続きしたる晩夏かな
(めんきょまたてつづきしたるばんかかな)
※免許の更新は認知症試験を伴う。試験の内
容、合否のラインには全く問題ないが、愉
快なことではない。
それに季節、晩夏であって欲しい。
8/23wed
洗い鯉好みし亡父の歳越えて
(あらいごいこのみしちちのとしこえて)
※鯉の洗いは今の身の回りでは殆ど目にしな
い。暑い中では、酢味噌でいただく懐かし
い味だ。調べたら千葉県内でいくつか食す
る場所があった。印旛沼周辺、養老渓谷と
か。少し北の山間の味ではないみたい。
8/21mon
SLの汽笛サービス蝉時雨
(えすえるのきてきさーびすせみしぐれ)
※甲子園の準決2試合を見る。
ついでにYouTubeで磐越西線を走る観光列
車の「雄姿」を久しぶりに見た。未だに元
気だ。(当たり前、アップされたのは10
年ほど前だ)
8/20sun
盆明けて深夜に重きカバン押す
(ぼんあけてしんやにおもきかばんおす)
※海外からの帰国者がピークと聞いたが、リ
ムジンバスの通りでもあるまいし、まして
深夜だ。すごい音だ。
ハハーン、旅行をしたカップルが喧嘩をし
て家近くの道路で放り投げられた、ナ?
きっとそうに違いない。
8/19sat
夏の果て雲の形を調べ居ぬ
(なつのはてくものかたちをしらべいぬ)
※ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ秋の雲
らしいのが現れた。が、秋の雲ではない。
似て非なるものだ。関東南部の当地では空
に雲が広がると、それで多少涼しく感じる。
秋を感じる。これは末期的感覚!
8/18fri
朝涼し小鳥に吾にパンの耳
(あさすずしことりにわれにぱんのみみ)
盆明けの会議紛糾夕まぐれ
(ぼんあけのかいぎふんきゅうゆうまぐれ)
※会議の構成は半数以上がシニアなのに、意見
が二つに割れて、それを訳ありと勘繰った一
部が同意見の者を糾合して変に硬化してしま
った。結果的な分断の状態ではある。
まあ今日は甲子園が休みだからいいようなも
のの・・・。
8/16wed
温湯なり夏のしまい湯動かざる
(ぬるゆなりなつのしまいゆうごかざる)
※台風7号は報道のわりにすんなり近畿を通過
してしまうのかと思いきや、方々に深刻な爪
痕を残しつつある。殊に鳥取の各河川はひど
い状況らしい、湯につかりながらラジオを聴
いている。
8/15tue
主人なす大提灯の盆支度
(あるじなすおおちょうちんのぼんじたく)
※故郷の盆の風物詩は商家の店先や元武家の
民家の門口に吊るした家紋を入れた大提灯
だ。全国共通の迎え火の光景は殆ど目にし
なかった。京都と西日本の城下町の中に同
じ盆の風習があるといわれる。
8/14mon
明けやすし咳き込む犬の名を呼べり
(あけやすしせきこむいぬのなをよべり)
水羊羹伯母のいつもの持たせかな
(みずようかんおばのいつものもたせかな)
8/13sun
糖尿値ラジオ体操だけでなく
(とうにょうちらじおたいそうだけでなく)
※定期の診察でかかりつけ医から長らく観察
を続けているHgA1cがやや危険側に向かい
つつあるとの託宣を受けた。これは衝撃だ
が想定の範囲内でもある。
さて朝起床時からおこなっている体操、運
動組み合わせの各種「割引」をやめようと
思う。
8/11fri
夏の朝おしゃべり止めよとはいえず
(なつのあさおしゃべりやめよはいえず)
気まぐれの昭和のタイマー風くれぬ
(きまぐれのしょうわのたいまーかぜくれぬ)
8/10thu
蝉しぐれ友のポリープ皆消えて
(せみしぐれとものぽりーぷみなきえて)
張りあふてあげてはもらい日々西瓜
(はりおうてあげてはもらいひびすいか)
※ガソリン代のかかった西瓜、ドヤ顔で届け
たら、帰りに西瓜を貰ってきた。これが甘
い。すごい。
8/9wed
白服を着て半日は汗かかず
(しろふくをきてはんにちはあせかかず)
※立派な服ではない、真白なTシャツに白い
散歩用ズボンだ。今日長崎原爆忌、台風の
影響が心配。
8/8tue
真空のパック新茶の香り立つ
(しんくうのぱっくしんちゃのかおりたつ)
※新茶は初夏の季語。真空パックは四季の季
語。有名な虚子の句
「方丈に今とどきたる新茶かな」
8/7mon
心太もひとつ所望して盛夏
(ところてんもひとつしょもうしてせいか)
※グテーレスが「地球は『沸騰期』に入った」
と。
窓放ち毎夜の仕度熱帯夜
(まどはなちまいよのしたくねったいや)
8/6sun
原爆忌同じ齢とつぶやけり
(げんばくきおなじよわいとつぶやけり)
イヤホンで広島の鐘を聴きいたり
(いやほんでひろしまのかねをききいたり)
広島のしじまを知りて原爆忌
(ひろしまのしじまをしりてげんばくき)
静寂とは蝉の声なり原爆忌
(しじまとはせみのこえなりげんばくき)
8/5sat
よれよれのTシャツ着たき大暑かな
(よれよれのてぃしゃつきたきたいしょかな)
盛夏かな残せし長き映画見し
(せいかかなのこせしながきえいがみし)
※酷暑と言われる夏も悪いことばかりではな
い。見たい映画の在庫が大いに捌けた。し
かも大して罪悪感なしに。
8/4fri
夏だ夏朝昨日よりもっと夏
(なつだなつあさきのうよりもっとなつ)
※嫌われ者の猛暑だが、朝の澄んだギラギラ
は夏のエネルギーそのもの。日々の散歩コ
ースだが、今日も記憶に残る光景だ。
炎昼や妻マージャンにデイのごと
(えんちゅうやつままーじゃんにでいのごと)
向日葵は見下ろしており件の絵
(ひまわりはみおろしておりくだんのえ)
8/3thu
初ぶどう飴色となりぶら下がり
(はつぶどうあめいろとなりぶらさがり)
戦やまず今年のトマト外れなし
(いくさやまずことしのとまとはずれなし)
向日葵や沖縄は風六十五
(ひまわりやおきなわはかぜろくじゅうご)
8/2wed
雷の来て一日の涼くれり
(かみなりのきていちにちのりょうくれり)
プラム落ちて無事に道路を横切りぬ
(ぷらむおちてぶじにどうろをよこぎりぬ)
※プラムの出来も今年は今までで最良。ぎり
ぎり完熟まで待ってお裾分け。
8/1tue
過去になき気温上総の日照りかな
(かこになききおんかずさのひでりかな)
喜雨はまずにおいとけむり畑道
(きうはまずにおいとけむりはたけみち)
※8月に入ってやっと雨が降った。量は今の
ところ僅か、大気の不安定さからくる雷雨
だけだ。長い日照りの後の降り始めの独特
の気配。
************************************************
7/31mon
胃を切りし人声高く油照り
(いをきりしひとこえたかくあぶらでり)
※友人知人の中に胃ガンで手術をした人が数
人いる。進行度にもよるのだろうが、最近
の何人かの方が予後が元気だ。表向きだが、
こちらが面食らうほどの声で充実の暮らし
ぶりを伝えてくれる人も。
7/29sat
苗売りのリヤカーが行く夢一夜
(なえうりのりやかーがいくゆめいちや)
※こう寝苦しい夜が続くと寝なくてはという
強迫観念は薄くなる。どうにでもなれと。
家々を廻る物売りのリヤカーなど、おぼろ
になって数十年もスキップすれば・・・。
7/28fri
子を褒める気持ちや桃の実がとれて
(こをほめるきもちやもものみがとれて)
※今季は枝の剪定と実欠きを今まで以上にや
ったことが功を奏し、見事な形の桃が数多
く採れた。お礼肥えをしっかりとやる。
7/27thu
悔やむことルーチンとなり夜光虫
(くやむことるーちんとなりやこうちゅう)
※今更悔やんでも何にもならない、もうとっ
くにわかっていることだけれど。
ははん・・・またやっている。制御不能。
7/26wed
皇后のアガパンサスよ巨き愛
(こうごうのあがぱんさすよおおきあい)
※7/24の誕生花はアガパンサスだった。花言
葉は純粋な愛。当家のアガパンサスもすぐ
隣家のそれも、背が高い。他所で見るより
背が高い。何故か雅子皇后を思った。
最近の笑顔は良い。花言葉もぴったり。
7/25tue
AIに画像使えと大暑かな
(えーあいにがぞうつかえとたいしょかな)
※生成AIの開発をめぐっての議論が世界的規
模でまっことかまびすしい。大きな懸念、
論点の一つが著作権侵害にかかわる問題だ。
LLCがどこからどの範囲でどう形をのこして
情報を得るか? フフッ、高みの見物。
7/24mon
風鈴やつたなき句を短冊に
(ふうりんやつたなきくをたんざくに)
オハグロの雨なき庭にとどまりて
(おはぐろのあめなきにわにとどまりて)
7/23sun
文庫本持つ手細りて梅雨末期
(ぶんこぼんもつてほそりてつゆまっき)
※朝晩はやや凌ぎやすい。特に朝早くは長袖
の寝巻に替えてゆっくり読書が出来る。そ
ういえば定期の検診でかかりつけ医から筋
肉維持の大切さを説かれ、太腿の中頃を自
分の両手で測ってみるように言われた。
体重の減少は良くても、それが筋肉の減少
によるものだったら問題ということらしい。
7/22sat
巴里祭終電車なる映画見し
(ぱりーさいしゅうでんしゃなるえいがみし)
※フランス映画はいいなあ。監督フランソワ
・トリュフォーの描くカトリーヌ・ドヌー
ブの円熟味だ。食傷気味のハリウッド映画
の陰で・・・。
梅雨寒や明日は切らむ足の爪
(つゆざむやあしたはきらんあしのつめ)
7/21fri
久闊や今日の炎暑を見舞い合う
(きゅうかつやきょうのえんしょをみまいあう)
古い顔梅雨の晴れ間のともしらが
(ふるいかおつゆのしらがのともしらが)
※「古い顔」という歌を、宴の最後に肩を組
み輪になって歌う。前回から4年近く経っ
ているから一同の老けはすごい。
78~81歳だし当然のことだ。ホッとし
ている。
7/20thu
夏帽子代々木駅から道険し
(なつぼうしよよぎえきからみちけわし)
日盛りやゆるり集まる同期会
(ひざかりやゆるりあつまるどうきかい)
※先日の東京猛暑日の昼日中、以前の勤務先
の同期会に出席した。年齢を考慮しての正
午開催なのだが、この日は裏目に。
7/19wed
門仲の居酒屋前に夏帽子
(もんなかのいざかやまえになつぼうし)
※あの、有名な居酒屋は健在だろうか?午後
5時少し前に店を開くのだが、その1時間
前から行列が出来る。幸いアーケードの屋
根で西日が当たることはない。しかし苦労
して入店しても、カウンターの上に片方の
肩を入れて立って飲むのだ。
バカ安、バカ旨。
7/18tue
早起きの姐やにやさし白粉花
(はやおきのねえやにやさしおしろいばな)
茄子の花日照りの下で父描けり
(なすのはなひでりのしたでちちかけり)
7/16sun
噴火忌や観光バスの馬力増え
(ふんかきやかんこうばすのばりきふえ)
※故郷の歳時記で磐梯山噴火忌を季語にした
句を読んだ。明治21年7月15日、午前8時少
し前とある。記憶にある最初の裏磐梯は急
坂で息せき切ったバスに乗って到着した。
毘沙門沼のエメラルド、他の五色沼の神秘、
桧原湖の光り、5歳の子供にはこの世のも
のとは思えなかった。噴火のお蔭とは!
7/13thu
年代の入りしウチワ古団扇
(ねんだいのはいりしうちわふるうちわ)
※団扇を配ることがなくなってきているから
古い団扇を大切にしている。比較的新しい
もので年代が特定できるものがあり、昭和
と分かってびっくり。35年以上も前。
7/12wed
家にいて四万六千日の夢
(いえにいてしまんろくせんにちのゆめ)
※観音様の結縁日に参詣すると四万六千日分
の功徳があるというコスパ抜群のお話。こ
のことは知っていたのだが、これが鬼灯市
の日取りと同じとは気づかなかった。田舎
者だねえ。
7/10mon
息ひそめ西瓜の受粉日の始め
(いきひそめすいかのじゅふんひのはじめ)
※不順な気候に人間世界はやり込められ続き
だが、当地の作物は結構順調だという話を
聞く。当家の畑作物、果樹もしかり、今の
ところうまくいっている。
7/8sat
朝曇り入院せりと仔細なく
(あさぐもりにゅういんせりとしさいなく)
※近くに住む親族が転倒して骨折3ヵ所。最
悪上手く回復しなければ車椅子ということ
も。しばらくは落ち着かない日々となりそ
う。
7/6thu
夏帽子やっと小さくなりし顔
(なつぼうしやっとちいさくなりしかお)
※雷雨と俄雨が続いたが、蒸し暑い晴れ間に
戻った。頃は7月、梅雨明けは待たずに夏
の道具を少しだけ。一番大きな麦わら帽子
で、帽子の似合わぬ、でかい顔が・・・。
7/5wed
七月や九州の雨上がらざる
(しちがつやきゅうしゅうのあめあがらざる)
上海の夏エアコンの止まらずと
(しゃんはいのなつえあこんのとまらずと)
ウクライナ西日戦慄じりじりと
(うくらいなにしびせんりつじりじりと)
7/4tue
真夜中の雷怖さ伝え得ず
(まよなかのかみなりこわさつたええず)
※関東の急な強雨と雷の発生はずうっと北関
東から埼玉付近までに限られていた。しか
し遂に今朝ニ時までの一時間に最大級の雷
に襲われた。雷鳴その音と数、激しさ、落
雷点の近さと数、継続時間・・・そのどれ
をとっても「怖さ」では史上No1だ。
さすが雷銀座生まれの雷、半端でない。
雷鳴や有り金参ると息殺し
(らいめいやありがねまいるといきころし)
暗闇に白爪草の稲光
(くらやみにしろつめぐさのいなびかり)
7/3mon
七月の句帳綴りて青インク
(しちがつのくちょうつづりてあおいんく)
バスで行くお田植祭や弾んだ日
(ばすでいくおたうえさいやはずんだひ)
※稲作の一毛作化に遠因があるらしいが、他
に農業機械化、苗栽培の分業化、農薬によ
る栽培短縮、早期刈入れでの台風時期の回
避、ざっとこんな理由で田植えはぐうーん
と早くなった。故郷でのお田植祭はすべて
7月に入ってからだ。
7/2sun
球拾ふ弟の蹴り半夏生
(たまひろうおとうとのけりはんげしょう)
腕を噛み上目遣いの犬の梅雨
(うでをかみうわめづかいのいぬのつゆ)
7/1sat
暑しとて人犬床に熱帯夜
(あつしとてひといぬゆかにねったいや)
短夜や薬効うすき犬の咳
(みじかよややっこううすきいぬのせき)
※とはいえ、一応医師の所見と処方は貰ってい
るがあてにはならないので、様々な咳止め対
策を試している。ハチミツを舐めさせ、蓮根
汁が効くといって濾して飲ませたり、最近は
もっと安直に大根の汁がいいとか・・・。
結構効いている、かと思うと思い切り咳き込
んで、短夜はたちまち過ぎていく。
************************************************
2023年9月分コピー済 未選定
9/28thu
待宵や縦が良く合うお城かな
(まつよいやたてがよくあうおしろかな)
※涼しくなったのも束の間、じりっじりっと
気温が上がり今日はそのピーク。実は東京
での会合を直前で延期した。賢かった。
9/24sun
喜捨の鐘二度目が寺の秋にしむ
(きしゃのかねにどめがてらのあきにしむ)
僧招く胎蔵界に寺の秋
(そうまねくたいぞうかいにてらのあき)
※こうも変わるものか? 昨日今日の最高気
温は少し前までの最低気温にも及ばない。
9/22fri
風水のおとなしき地に秋めぐり
(ふうすいのおとなしきちにあきめぐり)
曼殊沙華時期を違えず異夏消ゆ
(まんじゅしゃげじきをたがえずいなつきゆ)
※どうやら異常な夏の終わりが近づいている。
この地も暑さはひどく、色んな影響を被っ
たが、風水害の被害は今のところ皆無に近
い。28年になるこの地、有難いと思う。
9/18mon
モーツァルト秋はロンドか今日涼し
(もーつぁるとあきはろんどかきょうすずし)
※各地の最高気温は相変わらず夕方のニュー
ス種になっている。しかし今夕の涼しさは
どうだ。湿度が低かったのだろうけれど、
格段に秋を感じる気配だ。ただありがたや
という気分。今日敬老の日。
9/17sun
本を繰る腕の涼しさ秋の朝
(ほんをくるうでのすずしさあきのあさ)
※異常な高温の継続に、朝寝床での読書が快
適になることを願っていた。一日やや涼し
い日があり、しかしすぐ戻る。
9/15fri
石段に水つつしみて風の盆
(いしだんにみずつつしみてかぜのぼん)
風の盆地方の声の手練れかな
(かぜのぼんじかたのこえのてだれかな)
風の盆今年地方に聞きほれて
(かぜのぼんことしじかたにききほれて)
※風の盆の季節、今年もテレビで見物した。
4Kの充実した番組を満喫できた。とはいえ、
どこの会場だったか? 上の街と下の街を
繋ぐ長い石段があって、そこが格好の見物
場所となり、下の広場がおわらの会場にな
っていた。羨ましいと思った。
男踊り、女踊り、いつも結構。比較的新し
いという男女混合の振りも良かった。あそ
こで見たいものだと思った。トイレが難し
いかな、とも思った。
9/11mon
盆地秋記録的なる雨吸いて
(ぼんちあききろくてきなるあめすいて)
※会津若松もかなりの雨にたたられた。この
夏で言えば高温の記録も。新潟県の各地と
同様、全国版のニュースにも現れた。
9/10sun
参道に婆の店あり風の秋
(さんどうにばばのみせありかぜのあき)
※外房鴨川市の海岸国道から少し山に入った
ところに清澄寺がある。日蓮が修行した古
刹で、古くからの道場寺だった。日蓮が大
成した後は聖地扱いの古寺となった。
何十年も前独身時代、ドライブで近くまで
行くと必ずここに寄った。参道にあったお
ばさんの土産物店で世間話をするためだ。
今もあるかな?と錯覚した。
9/8fri
北向きの銀行そそと颱風過
(きたむきのぎんこうそそとたいふうか)
※市内に或る銀行の古手の支店がある。小さ
な構えだが壁柱の石造りは古風で立派なも
のだ。軽さと歯抜けが目立つ通りでは静か
に評判を呼んできたが、もう取り壊される
かも?
9/7thu
草刈りて刈りて終わりし良夜かな
(くさかりてかりておわりしりょうやかな)
この涼をひたすら待てり良夜かな
(このりょうをひたすらまてりりょうやかな)
9/6wed
すんなりと起き上がってぞ今朝の秋
(すんなりとおきあがってぞけさのあき)
※今朝早くから小雨が降って気温が下がった。
起床時の「起動」も実に滑らかにいった。
横になっていて、起き上がりざまの足腰の
動きが多少重くなって久しい。最近はゆっ
くり丁寧にやるようにしている。
9/5tue
集会所秋のバリウム列をなし
(しゅうかいじょあきのばりうむれつをなし)
※胃ガンの検査、今年は市の中心近くの施設
に赴いてではなく、各地区を廻る検診バス
の世話になった。近いのはいいが、小さな
列には見知った顔も。いいような悪いよう
な・・・。素朴に健康。
9/4mon
ロレンスの沙漠の疾駆秋の色
(ろれんすのさばくのしっくあきのいろ)
※何回目か、この映画をまた見た。今回は家
のテレビで。今回が一番いい心持と素直に
見ようという意思を持って。
だから今回が一番いい感想だ。いや、やっ
ぱり初めての時かな? いい勝負。感想の
中身がちょっと違うかな。
9/2sat
子のマスク陽性となる夏の暮れ
(このますくようせいとなるなつのくれ)
※コロナ感染者が相当増えているという。周辺
でも陽性者が出て母親がびっくり、というの
があった。これはきっと良いことなのだろう
が、病院も患者側もさばさばとしていたと聞
いた。
9/1fri
震災忌この地の震度六を知る
(しんさいきこのちのしんどろくをしる)
※さしもの猛暑も地軸の傾きには抗しきれない。
気温は下がらないが、朝夕の日影の広がりが
日一日と変化している。
首都直下大震災、対岸の火事にはならない。
房総半島の共振範囲は微妙だが、この地の被
災は免れないようだ。
************************************************
8/31thu
緑陰の影濃しすでに客があり
(りょくいんのかげこしすでにきゃくがあり)
八月尽危険な暑さをかみしめる
(はちがつじんきけんなあつさをかみしめる)
※これだけの暑さは異常という、歴史的とも
いう、これからは何度も、とも。かみしめ
ておくにしくはない。
8/29tue
旱天や実のなる木だけ水をやる
(かんてんやみのなるきだけみずをやる)
※庭の果樹に関する限り、この暑い夏、日照
りに恨みはない。もも、プラム、ぶどうと
この間に収穫した果樹は皆例年よりかなり
成績が良い。
残るは柿と温州みかん、大切なこの時期実
のつきは悪くない。素人の遊びの域を出な
いが、悪くない気分。
8/28tue
次々とポッケから栗あげるとぞ
(つぎつぎとぽっけからくりあげるとぞ)
栗飯のすでに香りが電話口
(くりめしのすでにかおりがでんわぐち)
8/27sun
上弦の月に邯鄲酔いしれて
(じょうげんのつきにかんたんよいしれて)
※月末から来月にかけての気温の予報も平年
より高いとある。意外と朝晩のしのぎやす
さがやってきて、裏をかいてくるかも。
8/26sat
絵を見せてやがて名を訊く酷暑なり
(えをみせてやがてなをきくこくしょなり)
※75歳を超えると3年に一回認知症機能検査
を受けさせられる。今日は何曜日?とかの
試験と16枚の絵の名前を憶えているかどう
か? 必要性は理解できるが、その代わり
何千円でいいから金を払え! この無礼者!
(逆に8000円ほど払わせられる)
8/25fri
一文字も書かず読まずに青芭蕉
(ひともじもかかずよまずにあおばしょう)
※暑さの余り、3ヵ月前に訪れた漱石記念館
を思い出した。こんな日も意外と風が通る
涼しい家だったのかも知れない。とはいえ
酷暑の日だったら、なんにもしないで終日
ベランダから青芭蕉を眺めていたかも。
8/24thu
免許再た手続きしたる晩夏かな
(めんきょまたてつづきしたるばんかかな)
※免許の更新は認知症試験を伴う。試験の内
容、合否のラインには全く問題ないが、愉
快なことではない。
それに季節、晩夏であって欲しい。
8/23wed
洗い鯉好みし亡父の歳越えて
(あらいごいこのみしちちのとしこえて)
※鯉の洗いは今の身の回りでは殆ど目にしな
い。暑い中では、酢味噌でいただく懐かし
い味だ。調べたら千葉県内でいくつか食す
る場所があった。印旛沼周辺、養老渓谷と
か。少し北の山間の味ではないみたい。
8/21mon
SLの汽笛サービス蝉時雨
(えすえるのきてきさーびすせみしぐれ)
※甲子園の準決2試合を見る。
ついでにYouTubeで磐越西線を走る観光列
車の「雄姿」を久しぶりに見た。未だに元
気だ。(当たり前、アップされたのは10
年ほど前だ)
8/20sun
盆明けて深夜に重きカバン押す
(ぼんあけてしんやにおもきかばんおす)
※海外からの帰国者がピークと聞いたが、リ
ムジンバスの通りでもあるまいし、まして
深夜だ。すごい音だ。
ハハーン、旅行をしたカップルが喧嘩をし
て家近くの道路で放り投げられた、ナ?
きっとそうに違いない。
8/19sat
夏の果て雲の形を調べ居ぬ
(なつのはてくものかたちをしらべいぬ)
※ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ秋の雲
らしいのが現れた。が、秋の雲ではない。
似て非なるものだ。関東南部の当地では空
に雲が広がると、それで多少涼しく感じる。
秋を感じる。これは末期的感覚!
8/18fri
朝涼し小鳥に吾にパンの耳
(あさすずしことりにわれにぱんのみみ)
盆明けの会議紛糾夕まぐれ
(ぼんあけのかいぎふんきゅうゆうまぐれ)
※会議の構成は半数以上がシニアなのに、意見
が二つに割れて、それを訳ありと勘繰った一
部が同意見の者を糾合して変に硬化してしま
った。結果的な分断の状態ではある。
まあ今日は甲子園が休みだからいいようなも
のの・・・。
8/16wed
温湯なり夏のしまい湯動かざる
(ぬるゆなりなつのしまいゆうごかざる)
※台風7号は報道のわりにすんなり近畿を通過
してしまうのかと思いきや、方々に深刻な爪
痕を残しつつある。殊に鳥取の各河川はひど
い状況らしい、湯につかりながらラジオを聴
いている。
8/15tue
主人なす大提灯の盆支度
(あるじなすおおちょうちんのぼんじたく)
※故郷の盆の風物詩は商家の店先や元武家の
民家の門口に吊るした家紋を入れた大提灯
だ。全国共通の迎え火の光景は殆ど目にし
なかった。京都と西日本の城下町の中に同
じ盆の風習があるといわれる。
8/14mon
明けやすし咳き込む犬の名を呼べり
(あけやすしせきこむいぬのなをよべり)
水羊羹伯母のいつもの持たせかな
(みずようかんおばのいつものもたせかな)
8/13sun
糖尿値ラジオ体操だけでなく
(とうにょうちらじおたいそうだけでなく)
※定期の診察でかかりつけ医から長らく観察
を続けているHgA1cがやや危険側に向かい
つつあるとの託宣を受けた。これは衝撃だ
が想定の範囲内でもある。
さて朝起床時からおこなっている体操、運
動組み合わせの各種「割引」をやめようと
思う。
8/11fri
夏の朝おしゃべり止めよとはいえず
(なつのあさおしゃべりやめよはいえず)
気まぐれの昭和のタイマー風くれぬ
(きまぐれのしょうわのたいまーかぜくれぬ)
8/10thu
蝉しぐれ友のポリープ皆消えて
(せみしぐれとものぽりーぷみなきえて)
張りあふてあげてはもらい日々西瓜
(はりおうてあげてはもらいひびすいか)
※ガソリン代のかかった西瓜、ドヤ顔で届け
たら、帰りに西瓜を貰ってきた。これが甘
い。すごい。
8/9wed
白服を着て半日は汗かかず
(しろふくをきてはんにちはあせかかず)
※立派な服ではない、真白なTシャツに白い
散歩用ズボンだ。今日長崎原爆忌、台風の
影響が心配。
8/8tue
真空のパック新茶の香り立つ
(しんくうのぱっくしんちゃのかおりたつ)
※新茶は初夏の季語。真空パックは四季の季
語。有名な虚子の句
「方丈に今とどきたる新茶かな」
8/7mon
心太もひとつ所望して盛夏
(ところてんもひとつしょもうしてせいか)
※グテーレスが「地球は『沸騰期』に入った」
と。
窓放ち毎夜の仕度熱帯夜
(まどはなちまいよのしたくねったいや)
8/6sun
原爆忌同じ齢とつぶやけり
(げんばくきおなじよわいとつぶやけり)
イヤホンで広島の鐘を聴きいたり
(いやほんでひろしまのかねをききいたり)
広島のしじまを知りて原爆忌
(ひろしまのしじまをしりてげんばくき)
静寂とは蝉の声なり原爆忌
(しじまとはせみのこえなりげんばくき)
8/5sat
よれよれのTシャツ着たき大暑かな
(よれよれのてぃしゃつきたきたいしょかな)
盛夏かな残せし長き映画見し
(せいかかなのこせしながきえいがみし)
※酷暑と言われる夏も悪いことばかりではな
い。見たい映画の在庫が大いに捌けた。し
かも大して罪悪感なしに。
8/4fri
夏だ夏朝昨日よりもっと夏
(なつだなつあさきのうよりもっとなつ)
※嫌われ者の猛暑だが、朝の澄んだギラギラ
は夏のエネルギーそのもの。日々の散歩コ
ースだが、今日も記憶に残る光景だ。
炎昼や妻マージャンにデイのごと
(えんちゅうやつままーじゃんにでいのごと)
向日葵は見下ろしており件の絵
(ひまわりはみおろしておりくだんのえ)
8/3thu
初ぶどう飴色となりぶら下がり
(はつぶどうあめいろとなりぶらさがり)
戦やまず今年のトマト外れなし
(いくさやまずことしのとまとはずれなし)
向日葵や沖縄は風六十五
(ひまわりやおきなわはかぜろくじゅうご)
8/2wed
雷の来て一日の涼くれり
(かみなりのきていちにちのりょうくれり)
プラム落ちて無事に道路を横切りぬ
(ぷらむおちてぶじにどうろをよこぎりぬ)
※プラムの出来も今年は今までで最良。ぎり
ぎり完熟まで待ってお裾分け。
8/1tue
過去になき気温上総の日照りかな
(かこになききおんかずさのひでりかな)
喜雨はまずにおいとけむり畑道
(きうはまずにおいとけむりはたけみち)
※8月に入ってやっと雨が降った。量は今の
ところ僅か、大気の不安定さからくる雷雨
だけだ。長い日照りの後の降り始めの独特
の気配。
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7/31mon
胃を切りし人声高く油照り
(いをきりしひとこえたかくあぶらでり)
※友人知人の中に胃ガンで手術をした人が数
人いる。進行度にもよるのだろうが、最近
の何人かの方が予後が元気だ。表向きだが、
こちらが面食らうほどの声で充実の暮らし
ぶりを伝えてくれる人も。
7/29sat
苗売りのリヤカーが行く夢一夜
(なえうりのりやかーがいくゆめいちや)
※こう寝苦しい夜が続くと寝なくてはという
強迫観念は薄くなる。どうにでもなれと。
家々を廻る物売りのリヤカーなど、おぼろ
になって数十年もスキップすれば・・・。
7/28fri
子を褒める気持ちや桃の実がとれて
(こをほめるきもちやもものみがとれて)
※今季は枝の剪定と実欠きを今まで以上にや
ったことが功を奏し、見事な形の桃が数多
く採れた。お礼肥えをしっかりとやる。
7/27thu
悔やむことルーチンとなり夜光虫
(くやむことるーちんとなりやこうちゅう)
※今更悔やんでも何にもならない、もうとっ
くにわかっていることだけれど。
ははん・・・またやっている。制御不能。
7/26wed
皇后のアガパンサスよ巨き愛
(こうごうのあがぱんさすよおおきあい)
※7/24の誕生花はアガパンサスだった。花言
葉は純粋な愛。当家のアガパンサスもすぐ
隣家のそれも、背が高い。他所で見るより
背が高い。何故か雅子皇后を思った。
最近の笑顔は良い。花言葉もぴったり。
7/25tue
AIに画像使えと大暑かな
(えーあいにがぞうつかえとたいしょかな)
※生成AIの開発をめぐっての議論が世界的規
模でまっことかまびすしい。大きな懸念、
論点の一つが著作権侵害にかかわる問題だ。
LLCがどこからどの範囲でどう形をのこして
情報を得るか? フフッ、高みの見物。
7/24mon
風鈴やつたなき句を短冊に
(ふうりんやつたなきくをたんざくに)
オハグロの雨なき庭にとどまりて
(おはぐろのあめなきにわにとどまりて)
7/23sun
文庫本持つ手細りて梅雨末期
(ぶんこぼんもつてほそりてつゆまっき)
※朝晩はやや凌ぎやすい。特に朝早くは長袖
の寝巻に替えてゆっくり読書が出来る。そ
ういえば定期の検診でかかりつけ医から筋
肉維持の大切さを説かれ、太腿の中頃を自
分の両手で測ってみるように言われた。
体重の減少は良くても、それが筋肉の減少
によるものだったら問題ということらしい。
7/22sat
巴里祭終電車なる映画見し
(ぱりーさいしゅうでんしゃなるえいがみし)
※フランス映画はいいなあ。監督フランソワ
・トリュフォーの描くカトリーヌ・ドヌー
ブの円熟味だ。食傷気味のハリウッド映画
の陰で・・・。
梅雨寒や明日は切らむ足の爪
(つゆざむやあしたはきらんあしのつめ)
7/21fri
久闊や今日の炎暑を見舞い合う
(きゅうかつやきょうのえんしょをみまいあう)
古い顔梅雨の晴れ間のともしらが
(ふるいかおつゆのしらがのともしらが)
※「古い顔」という歌を、宴の最後に肩を組
み輪になって歌う。前回から4年近く経っ
ているから一同の老けはすごい。
78~81歳だし当然のことだ。ホッとし
ている。
7/20thu
夏帽子代々木駅から道険し
(なつぼうしよよぎえきからみちけわし)
日盛りやゆるり集まる同期会
(ひざかりやゆるりあつまるどうきかい)
※先日の東京猛暑日の昼日中、以前の勤務先
の同期会に出席した。年齢を考慮しての正
午開催なのだが、この日は裏目に。
7/19wed
門仲の居酒屋前に夏帽子
(もんなかのいざかやまえになつぼうし)
※あの、有名な居酒屋は健在だろうか?午後
5時少し前に店を開くのだが、その1時間
前から行列が出来る。幸いアーケードの屋
根で西日が当たることはない。しかし苦労
して入店しても、カウンターの上に片方の
肩を入れて立って飲むのだ。
バカ安、バカ旨。
7/18tue
早起きの姐やにやさし白粉花
(はやおきのねえやにやさしおしろいばな)
茄子の花日照りの下で父描けり
(なすのはなひでりのしたでちちかけり)
7/16sun
噴火忌や観光バスの馬力増え
(ふんかきやかんこうばすのばりきふえ)
※故郷の歳時記で磐梯山噴火忌を季語にした
句を読んだ。明治21年7月15日、午前8時少
し前とある。記憶にある最初の裏磐梯は急
坂で息せき切ったバスに乗って到着した。
毘沙門沼のエメラルド、他の五色沼の神秘、
桧原湖の光り、5歳の子供にはこの世のも
のとは思えなかった。噴火のお蔭とは!
7/13thu
年代の入りしウチワ古団扇
(ねんだいのはいりしうちわふるうちわ)
※団扇を配ることがなくなってきているから
古い団扇を大切にしている。比較的新しい
もので年代が特定できるものがあり、昭和
と分かってびっくり。35年以上も前。
7/12wed
家にいて四万六千日の夢
(いえにいてしまんろくせんにちのゆめ)
※観音様の結縁日に参詣すると四万六千日分
の功徳があるというコスパ抜群のお話。こ
のことは知っていたのだが、これが鬼灯市
の日取りと同じとは気づかなかった。田舎
者だねえ。
7/10mon
息ひそめ西瓜の受粉日の始め
(いきひそめすいかのじゅふんひのはじめ)
※不順な気候に人間世界はやり込められ続き
だが、当地の作物は結構順調だという話を
聞く。当家の畑作物、果樹もしかり、今の
ところうまくいっている。
7/8sat
朝曇り入院せりと仔細なく
(あさぐもりにゅういんせりとしさいなく)
※近くに住む親族が転倒して骨折3ヵ所。最
悪上手く回復しなければ車椅子ということ
も。しばらくは落ち着かない日々となりそ
う。
7/6thu
夏帽子やっと小さくなりし顔
(なつぼうしやっとちいさくなりしかお)
※雷雨と俄雨が続いたが、蒸し暑い晴れ間に
戻った。頃は7月、梅雨明けは待たずに夏
の道具を少しだけ。一番大きな麦わら帽子
で、帽子の似合わぬ、でかい顔が・・・。
7/5wed
七月や九州の雨上がらざる
(しちがつやきゅうしゅうのあめあがらざる)
上海の夏エアコンの止まらずと
(しゃんはいのなつえあこんのとまらずと)
ウクライナ西日戦慄じりじりと
(うくらいなにしびせんりつじりじりと)
7/4tue
真夜中の雷怖さ伝え得ず
(まよなかのかみなりこわさつたええず)
※関東の急な強雨と雷の発生はずうっと北関
東から埼玉付近までに限られていた。しか
し遂に今朝ニ時までの一時間に最大級の雷
に襲われた。雷鳴その音と数、激しさ、落
雷点の近さと数、継続時間・・・そのどれ
をとっても「怖さ」では史上No1だ。
さすが雷銀座生まれの雷、半端でない。
雷鳴や有り金参ると息殺し
(らいめいやありがねまいるといきころし)
暗闇に白爪草の稲光
(くらやみにしろつめぐさのいなびかり)
7/3mon
七月の句帳綴りて青インク
(しちがつのくちょうつづりてあおいんく)
バスで行くお田植祭や弾んだ日
(ばすでいくおたうえさいやはずんだひ)
※稲作の一毛作化に遠因があるらしいが、他
に農業機械化、苗栽培の分業化、農薬によ
る栽培短縮、早期刈入れでの台風時期の回
避、ざっとこんな理由で田植えはぐうーん
と早くなった。故郷でのお田植祭はすべて
7月に入ってからだ。
7/2sun
球拾ふ弟の蹴り半夏生
(たまひろうおとうとのけりはんげしょう)
腕を噛み上目遣いの犬の梅雨
(うでをかみうわめづかいのいぬのつゆ)
7/1sat
暑しとて人犬床に熱帯夜
(あつしとてひといぬゆかにねったいや)
短夜や薬効うすき犬の咳
(みじかよややっこううすきいぬのせき)
※とはいえ、一応医師の所見と処方は貰ってい
るがあてにはならないので、様々な咳止め対
策を試している。ハチミツを舐めさせ、蓮根
汁が効くといって濾して飲ませたり、最近は
もっと安直に大根の汁がいいとか・・・。
結構効いている、かと思うと思い切り咳き込
んで、短夜はたちまち過ぎていく。