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ダクタク2017年9月 ブログトップ

ダクタク句集2017年(平成29年)9月 [ダクタク2017年9月]

9/30sat
【根岸散歩3】
打ち上げは あんかけ豆腐の 湯気はさみ
     (うちあげは あんかけどうふの ゆげはさみ)
        ※鶯谷名物?の豆腐料理で締めくくる。雨中行進で
         やや冷えた身体に暖かい料理と冷えたビール。

三人して 言問通りの そこかしこ
     (みたりして ことといどおりの そこかしこ)
        ※いつもは晴れる仲間との歩き会も20回近く続い
         ている。都心の精選散歩コースと称しているが、
         「歴史」「お墓」「明治~昭和レトロ」が多い。
         谷中、上野、本郷、浅草・向島、深川、根岸・・
         ・等、コース中で言問通りに出会うことが期せず
         して多い。

もののけの 集いとなりて 街の風
     (もののけの つどいとなりて まちのかぜ)
        ※これは現在のことではない。

9/29fri
【根岸散歩2】
秋の雨 傘に根岸の 柳かな
     (あきのかぜ かさにねぎしの やなぎかな)
        ※柳が並木になっている通りがある。最近は珍しい。

秋彼岸 菓子量り売る ジジの店
     (あきひがん かしはかりうる じじのみせ)
        ※孫らしき子供が祖父母と遊ぶ店があった。なつか
         しいお菓子、煎餅や飴玉などがガラスの容器に入
         っていて見た目が本当にきれい。全てバラ売りか
         量り売りとか。

9/28thu
【根岸散歩1】
句碑ありて 根岸の里の 路地の秋
     (くひありて ねぎしのさとの ろじのあき)
        ※根岸の里という響きがいい。江戸時代から明治大
         正期までの通り呼び名か、今は台東区根岸。隣接
         するのは下谷、更に南は入谷、その東側は浅草。
         江戸の繁華街の郊外になる。現代の根岸のウリ
         は子規庵と路地の散策。

お行の松 江戸の人おらず 時雨かな
     (おぎょうのまつ えどのひとおらず しぐれかな)
        ※雨の中を江戸名所図会にも描かれたお行の松ま
         で歩く。今もある不動堂にかつては高さ10数メー
         トルの松があったという。今の松は三代目。

9/27wed
【子規庵訪問4】
糸瓜あり 畳に臥せて 息を吐く
     (へちまあり たたみにふせて いきをはく)
        ※持病の苦しみとは別に、机に向かったまま行き詰
         まることも何度もあったろう。伸ばせない左膝のた
         めに特注で加工した机の刻みから脚を抜いて、家
         人に頼んで横になる・・・。

句はとだえ 血を吐く想い ほととぎす
     (くはとだえ ちをはくおもい ほととぎす)
        ※句作は仕事というより趣味に近い面も子規にはあ
         ったのではないか。それは日々の暮らしで息をする
         ようなもの。ただ、吟味と表現方法では時にとんで
         もない精力を注ぐのが彼だった。ここのほととぎす
         は鳥ではなく、秋に咲くほととぎす。子規を見守る。

9/26tue
【子規庵訪問3】    
野球しに 手ぬぐい下げて 萩の道
     (やきゅうしに てぬぐいさげて はぎのみち)
        ※上野の東京文化会館の横に子規記念球場という
         のがある。子規は23歳の時にここで野球をしたと
         書いている。野球しに出かける子規を想像するの
         は楽しい。 ただし、根岸に住むことになったのは
         25歳前後だから、野球を続けていたかどうか?

羽二重餅 食べて帰りは 下り道
     (はぶたえもち たべてかえりは くだりみち)
        ※子規がよく食べたという名物羽二重餅の老舗は
         子規庵から歩いて5分ほど。

9/25mon
【子規庵訪問2】
鶏頭は 大業見てし ガラス越し
     (けいとうは たいぎょうみてし がらすごし)
        ※子規庵は庭を見てから出口に向かう。今風の植え
         込まれたガーデンではなく、季節季節に花や野菜
         を植えていたようだ。例年決まってあるのはヘチマ
         と鶏頭、そして萩など。鶏頭は頭を伸ばし、秋の夜
         な夜な子規が呻吟するのを見ていたかも・・・。

雨の日も 冬も支えし 律女史よ
     (あめのひも ふゆもささえし りつじょしよ)
        ※子規は日頃の妹のことをそう良くは言っていない。
         「性格が悪い」「気が強い」「理屈っぽい」だの。
         しかし出かけた律を母と一緒に待っている句があ
         る。あの句一つで律への愛情と信頼がわかる。
         司馬遼太郎は律のことを、幼い頃から子規の守護
         神のように書いていた。

子規の家 馴れぬ句帳を ひもといて
     (しきのいえ なれぬくちょうを ひもといて)
        ※雨天で平日だったが、子規庵を訪れる人は多い。
         特別展のためかも。子規の家で彼と同じ?空気を
         吸っていると句が湧いてきそうだ。いい錯覚。

9/24sun
【子規庵訪問1】
糸瓜忌や 居士の倍なる 年齢数え
     (へちまきや こじのばいなる としかぞえ)
        ※9月22日鶯谷駅近く根岸に子規庵を訪ねた。糸
         瓜忌にちなんで友人と行ったのだが、生憎雨降り。
         その分しっとりと庵を楽しむことが出来た。加えて
         現在「生誕150年記念特別展示」中である。
         友人ともども子規没年年齢の倍以上・・・。今更に
         子規の偉業を感じた。 
       
子規庵に 友と後進を これほどに
     (しきあんに ともとこうしんを これほどに)
        ※子規を囲んだ句会の記録と絵が展示されている。
         当時子規庵を訪れる人の多さとその人々の師を思
         う熱情にびっくりする。これほどの人数を考えれば
         庵は狭いが、通常の3人住まいなら4DK? 普通
         以上の広さだと思う・・・。

歳旦帳 気ままな筆の 跡すがし
     (さいたんちょう きままなふでの あとすがし)
        ※今年発見された明治34年の歳旦帳が展示されて
         いた。未発表の5句や自画像スケッチも。客が途切
         れた時に描いたのかも? きままに書いたメモや客
         との話題などもある。描くこと、書くことがなにより好
         きだったことがわかる。

歳旦帳 客の合間に 餅をやき
     (さいたんちょう きゃくのあいまに もちをやき)
        ※没年1年前の新年だから病状や痛みは相当なも
         のだったと思うが、食欲は少しも衰えなかったとか。
         その健啖ぶりは様々に伝えられている。
         「律ゥ、火鉢にもちを」と家人にせがむ声が聞こえ
         るよう。

9/22fri
パンダの子 まだ目が見えぬ くりくり眼
     (ぱんだのこ まだめがみえぬ くりくりめ)
        ※パンダの赤ちゃんの成長ぶりが報道される。母親
         パンダの母性愛の細やかさ、専任飼育員との信頼
         ぶりが良くわかる。まだ見えぬ目で母親にまとわり、
         甘えている。目などずうっと見えずに、母親の懐で
         暮らしていくのが一番幸せかも・・・。

9/21thu
彼岸まで もう一磨き 稲刈り機
     (ひがんまで もうひとみがき いねかりき)
        ※快晴の日、丹念に機械を磨いている。今年は会心
         の作柄ではなかったものの、そんなことは別にして
         一心に・・・。農家の仕事は明日も続く。来年も、そ
         のまた来年も。

9/20wed
メール来る 友の秀句や 秋日和
     (めーるくる とものしゅうくや あきびより)
        ※台風一過で秋日和。友人とは月に一二度メールの
         やり取りをしている。お互いに3句ほど直近の句を
         交換する。なかなか良い頻度で気に入っている。
         強風が吹き荒れた後のほっとした気持ちが感じ取
         れた。

9/18mon       
説教の ありがたみ知る 白髪かな
     (せっきょうの ありがたみしる しらがかな)
        ※今日敬老の日。年齢を重ねるほどに、
           「先生、先輩と呼べる人がいること」
           「教えを乞えること」
           「説教を貰えること」
         が何にも増して貴重でありがたく感じる。もそっと
         若い頃にそんな素直さがあったらなァ・・・とも思う。

9/17sun
平成の 空襲警報 夢砕く
     (へいせいの くうしゅうけいほう ゆめくだく)
        ※対処の仕方がない警報がアラートと称し、国民
         を驚かす。馴れてはいけない、異常な事態。

解散や Jアラートより 驚かし
     (かいさんや じぇいあらーとより おどろかし)
        ※ええッ、本当? 政略の匂い芬芬。

9/16sat
彼岸待つ 三色旗織る 曼珠沙華
     (ひがんまつ さんしょくきおる まんじゅしゃげ)
        ※今年の秋の彼岸入りは9月20日(水曜日)。
         九州上陸をうかがう台風18号が不気味ですが、
         どんな気候の年にも秋の彼岸に合わせて曼珠沙
         華が咲き揃いつつあります。彼岸花の別名通り、
         なんとも健気な感じ。最近白い花を見かけること
         が増え、黄色の花も・・・。赤、白、黄の三色旗。

9/15fri
行く夏や Tシャツ通す やせ我慢
     (ゆくなつや てぃしゃつとおす やせがまん)
        ※9月の残暑は例年より暑い、というのが予想だっ
         たが、台風も接近し、このまま秋に直行という気
         配だ。今朝は湿気も少なく、朝の散歩の時間は
         肌寒いほど。けれど・・・。

9/14thu
シニア増え 敬老祝いが 後ずさり
     (しにあふえ けいろういわいが あとずさり)
        ※団塊の世代のピーク、昭和22年生まれが今年
         70歳になる。当町内では敬老祝い(お菓子など)
         を従来の70歳からを77歳からに改めた。もう既
         に2度もらっているのに、次もらうにはこの先5年
         後となる。多分どこでもそうだろうなァ・・・としぶし
         ぶ?納得する。

健脚や コスモス街道 シニア行く
     (けんきゃくや こすもすかいどう しにあいく)
        ※「程好く鍛えられ、習慣化されていれば」シニア
         といえど、その辺の若間を軽く凌駕する。咲き初
         めのコスモスの横を、シニア軍団が行く。

9/11mon
通夜に行く 東京湾の 秋の風
     (つやにいく とうきょうわんの あきのかぜ)
        ※日曜日の好天の午後であったからアクアラインは
         渋滞がひどかった。横浜に近づいたところでネク
         タイを結んだ。

みまかって 2ミリほどの 黒髪が
     (みまかって にみりほどの くろかみが)
        ※従兄は長い間ガンを患っていた。治療のせいで白
         髪まじりの頭部は殆ど髪がなくなっていたのだが、
         息をひきとってから黒い髪がわずかに出てきたと
         いう。やすらかな顔だった。

9/10sun
やや不作 名うての彼の 田んぼでも
     (ややふさく なうてのかれの たんぼでも)
        ※当地はコシヒカリが主流で、しかも収穫が早い。
         もう殆どの田んぼで稲刈りは終了している。今年
         は肝心の8月の日照が極端に少なく、出来はイマ
         イチとか。

9/9sat
遅き実を 黙って待ちし 糸瓜かな
     (おそきみを だまってまちし へちまかな)
        ※6月の畑に棚を作ったが、他のツル物が次々と実
         をつけ収穫を迎えたのに、糸瓜は葉っぱと多くの
         花をつけるが、実の成長は遅々としていた。
         子規が日夜眺めた庭に、夏はヘチマが実をつけた。
         彼は成長を喜び、ヘチマ水を飲んだとか。同じヘチ
         マでも万分の一の詩心さえないのが哀しい。

9/8fri
兄弟は 銀輪の轡 並べ行く
     (きょうだいは ぎんりんのくつわ ならべゆく)
        ※毎朝出勤時に最寄りの駅まで、自転車の兄弟が
         行く。堤の未舗装の道でよく出会う。話に夢中の
         時もある。一緒の職場なのかな? どうかな?

9/7thu
縁日の 太鼓くぐもる 霧の奥
     (えんにちの たいこくぐもる きりのおく)
        ※近くの地域の縁日、朝から濃霧だ。村の鎮守様と
         いう形容がぴったりの、神社がある山の方角から
         太鼓の音が聞こえる。出かけてみようか。

ハッピ着た 男が笑う 別な顔
     (はっぴきた おとこがわらう べつなかお)
        ※法被を着て、一杯入った赤い顔の男がこちらを見
         て会釈した。アレッ?と一瞬思ったが、時々朝に挨
         拶する人と思いついた。あの真面目そうな彼が・・・。

9/6wed
梅雨に晴れ 開けて晴れなし 今朝の秋
     (つゆにはれ  あけてはれなし けさのあき)
        ※今朝の秋2題
         中期長期の天気予報は本当に難しいことを、今年
         の夏の気候は教えてくれた。大災害が各地で頻発
         しているが、コメなど作物への影響は広く、じわー
         っと拡大しているみたい。
         9月の残暑は高めという予想だったが、今週の涼
         しさは記録的だ。もう寒い。

畑々に 若手はおらず 今朝の秋
     (はたばたに わかてはおらず けさのあき)
        ※農家の畑も趣味の畑にも若い人は本当にいない。

9/4mon
核の闇 迫る一日を 姫照らし
     (かくのやみ せまるひとひを ひめてらし)
        ※ミサイル馴れしていても大型規模の核実験となる
         と心新たな戦慄が・・・。眞子さま婚約記念会見は
         全国に微笑みを送った。

9/3sun
消防の 窓に男が シャツを干す
     (しょうぼうの まどにおとこが しゃつをほす)
        ※市消防署の出張所が近くにある。周囲は住宅団地
         と田んぼだが、新鋭のはしご車が常駐している。
         当直の若い消防士達が訓練と暮らしの中で、火災
         発生時に備え待機している。表の頼もしい表情と
         裏側南向きの暮らしの表情の対比がいい。

9/2sat
歳旦帳 三十路の翁の 句が五つ
     (さいたんちょう みそじのおきなの くがいつつ)
        ※子規の研究には有名無名実に多くの人が携わって
         いる。亡くなる前年の歳旦帳が発見されたとか。そこ
         には自画像や年賀の来訪者の氏名、話題、未発表
         の句などが自筆で書かれているらしい。
         5句のうちの一つ、
           暗きより 元朝を騒ぐ 子供哉
         今年の「糸瓜忌 9/19」は例年より賑やかになる。

9/1fri
防災の 話あるとて 萩の家
     (ぼうさいの はなしあるとて はぎのいえ)
        ※町内の各班ごとに集合して、防災の学習をすると
         か。教材はなにかと問えば、漬物やらお菓子の持
         ち寄りと言う。ははーん、食料の備蓄の訓練かな?

秋の風 蝉心配で 寝もやらず
     (あきのかぜ せみしんぱいで ねもやらず)

秋風に 商売たたむ 蚊もありて
     (あきかぜに しょうばいたたむ かもありて)
        ※一昨日からの気温の急低下は激しく、今日は10
         月中下旬の平均気温とか。
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