ダクタク句集2020年(令和2年)12月 [ダクタク2020年12月]
12/31tu
年用意メモに救急車の響き
(としようい めもにきゅうきゅうしゃのひびき)
冬の日や 時計の進まぬ 至福かな
(ふゆのひや とけいのすすまぬ しふくかな)
※本を読んでは思わずまどろんだり、これの繰
り返し。これぞ至福の時間なのだが、時計を
見るとまだ時間がたっぷりある、外の日も高
いままだ。こういうのが「もっと至福」だ。
逆は多い、一日も一年も・・・。
12/30wed
煤払い 今年も腕は 伸びており
(すすはらい ことしもうでは のびており)
冬晴れや 予報に仕事の 繰り上がり
(ふゆばれや よほうにしごとの くりあがり)
※年末年始は寒気がやってくるだけでなく、荒
れ模様で雨や降雪の心配があるとか。もう静
かに家籠りだなと思っていたら、大晦日の仕
事が残っているとのご託宣。やれやれ。
南房総市に雨が来れば渇水騒ぎに一息つける
かも。
12/28mon
冬の鵜は 横一列に 澪作り
(ふゆのうは よこいちれつに みおつくり)
橋の上 冬の磐梯 角度良し
(はしのうえ ふゆのばんだい かくどよし)
※会津盆地の北西部、阿賀川にかかる橋の上か
ら磐梯山を遠望する。絶品の光景。もちろん
今流行のテレ帰郷で、インターネットでのサ
イトヴィユである。小生75回目の誕生日。
12/27sun
薔薇切りて 師走ひと月を 咲き尽くす
(ばらきりて しわすひとつきを さきつくす)
※冬のバラは数は少なくとも見事に咲いて長持
ちすることがある。先月月末に切ったものが
部屋の中でいまだに健在だ。
雨が降らない。秋の雨をアテにして、水がめ
のダムを改修した南房総市では今断水の危機
にある。
12/26sat
灯油屋の 全部やりますと ふれ行きて
(とうゆやの ぜんぶやりますと ふれゆきて)
※買い物がままならない人々に都会で移動スー
パーが喜ばれているとか。コロナ禍で買い物
難民は増えている。当地でも灯油販売の軽ト
ラが練り歩くが、昨年までとアナウンスが違
う。「戸口までタンクを取りに行きます」と。
12/25fri
再検査 この年内は 生き延びて
(さいけんさ このねんないは いきのびて)
凍らんとすれば オリオン光り立つ
(こおらんとすれば おりおんひかりたつ)
※期待に反して検診の結果は精密検査要という
のが家族に三つあった。早速大病院で検査と
診察を受けたが、年内にはっきりした結論は
出なかった。
「薄皮一枚つながった」と喜ぶべきか「こん
な不安な年末年始」と忌むべきか?
12/24thu
新ごよみ メモ書き入れる 聖夜かな
(しんごよみ めもかきいれる せいやかな)
冴ゆる夜は さまざまな顔と 声までも
(さゆるよは さまざまなかおと こえまでも)
※静かな年末年始をと呼びかける声が満ちてき
た。今夜はその最初の峠、渋谷も静穏であれ
ばいい。
12/23wed
渋谷には 着ぶくれせぬ人 うごめいて
(しぶやには きぶくれせぬひと うごめいて)
※渋谷に住んでいた頃、新宿に較べて大いに田
舎だった。代々木、原宿とも容易につながら
なかった。その頃飲み屋の横丁はオシッコ臭
かったし、地元のおじさんが綿入れを着て道
玄坂を散歩していた。それが良かった。
12/22tue
たまわりし 柚子ふんだんに 冬至の湯
(たまわりし ゆずふんだんに とうじのゆ)
冬至来て 首の後ろの かゆみかな
(とうじきて くびのうしろの かゆみかな)
冬至かぼちゃ 餡の少なきを 亡父好み
(とうじかぼちゃ あんのすくなきを ちちこのみ)
※首の後ろの痒みは気にするほどではないが、
老人性というから日常の付き合いになって
いる。そんなに好きでなかった風呂がちょ
っぴり待ち遠しくなったのは、これも老人
性嗜好なのかな。
今日は家中の網戸を水洗いした。窓も磨い
てスッキリ。
12/20sun
軒並べ もんじゃの師走 人気なし
(のきならべ もんじゃのしわす ひとけなし)
※なつかしい月島の家並み、もんじゃのアーケ
ード街をテレビで見た。頼みの綱は観光客だ
から打撃は大きい。
12/19sat
氷点下 会う顔同じ 目で少し
(ひょうてんか あうかおおなじ めですこし)
※コロナ禍で氷点下の朝では歩く人も少ない。
それでも「雨が降っても槍が降っても」とい
う歩きの半病人はいる。おなじみの顔だ。
12/18fri
短日や 検査結果を 咀嚼する
(たんじつや けんさけっかを そしゃくする)
※胸部レントゲン検査で精密検査の要ありとの
通知が届いた。早速大病院でCT等の検査を
受け、無罪放免とまではいかなかったが、要
観察・日常注意の説明を受けた。軽度の気管
支拡張症とかで難しい説明文をもらった。
12/16wed
コロナ禍に 楽聖の記念日 ありて冬
(ころなかに がくせいのきねんび ありてふゆ)
※今年はベートーベンの生誕250年、しかも
12月16日はその誕生日。50年に一度の
記念日。
12/14mon
教え子も 師もシニアなり 賀状書く
(おしえごも しもしにあなり がじょうかく)
※絵を描き、少しゴム版彫りも加えて、賀状の
形にまとめた。優等生タイプだった、つまん
ない生徒がシニアとなってなお、師の誉め言
葉を欲しがる。
12/13sun
おののきつ 三年ぶりに 賀状書く
(おののきつ さんねんぶりに がじょうかく)
※親族の不幸が続いたせいで久しぶりの年賀状。
この間に親しい友人が何人もいなくなった。
他にも動静が途絶えて思わぬことが起こって
いないか気懸かりだ。
12/12sat
圧空の音歳末の家作る
(あっくうのおと さいまつのいえつくる)
※基礎が出来ると或る日工場加工済みの部材が
わんさと運び込まれ、あっという間に組み上
げられる。最近の新築現場の風景。
屋根材、壁材、床材の多くは圧縮空気を使う
「釘打ち機」で次々と打ち付けられる。その
昔大工さんが釘を口に含んで金槌で打ってい
た名人芸は見られない。聞こえる音も違うし
速さは桁違いだ。
最新のくぎ打ち機は動力が圧空から電動とな
り、しかもコードレスときた。
12/11fri
葉書二通 異常はなしと 石蕗の花
(はがきにつう いじょうはなしと つわのはな)
※秋口に受けたガン検診などの結果が郵送され
てくる。今年も全部異常なしで過ごせるか?
12/10thu
大根焚き 匂いもなしに 氷雨かな
(だいこだき においもなしに ひさめかな)
※先週京都の千本釈迦堂などで恒例の「大根焚
き」が軒並み中止になり、法要のみ行われた。
手ぬぐい頭巾と割烹着姿のおばさん達から大
きなお椀に分厚い大根と揚げをもらい、ふう
ふういってむしゃぶりつく・・・。「見果て
ぬ夢」は今年コロナ禍のせいとなった。
12/9wed
白菜は ハチマキすれど 世にあふれ
(はくさいは はちまきすれど よにあふれ)
※今年も畑に庭に恵みを授かった。自分の世話
があっての作物だから思いもひとしおである。
しかしアマの哀しさ、高価な野菜から家計を
助ける、そういう時期での収穫というのは難
しい。ハチマキは長持ちのためにもなる。意
地でも正月支度になるまで頑張ってもらおう。
12/6sun
木守りを残し 柿とる高鋏み
(きまもりをのこし かきとるたかばさみ)
※3mちょっとの柿の木が今年は多くの実をつ
けた。粒は小さ目が多いが、甘さは十分。実
をつけ始めて以来の豊作だ。来年も頑張れよ、
頼むよ。
12/5sat
豆をぬく 婆に笑みあり 頬被り
(まめをぬく ばばにえみあり ほおかぶり)
※人並みに年内にすべきことがあり、日頃がの
ほほんとしているからなんとなく気ぜわしく
感じられる。大豆の枯れ具合を見て、知り合
いの婆さんが収穫のため引っこ抜いている。
12/4fri
越し来たる ブーツの少女も 会釈する
(こしきたる ぶーつのしょうじょも えしゃくする)
※向かいの空き家を改装して新家族が越して来
た。年内に引っ越しが出来て一安心しました
とご主人が挨拶。こちらも安心。少女の真新
しいブーツ、どこかの社宅住まいからの移転
らしい。
12/2wed
朝時雨 ミルクたっぷりの コーヒーを
(あさしぐれ みるくたっぷりの こーひーを)
※このところパソコンの調子が悪い。方々の解
決法を参照し実行するが、再現性がなく直っ
たり再びダウンの繰り返し。思い余ってOS
の再インストールをしたら、余計な手間を強
いられたり・・・。この文も顔色をうかがっ
て機嫌のよい時にアップロードした。
12/1tue
麻雀は 冬に再開 低くナク
(まーじゃんは ふゆにさいかい ひくくなく)
※公民館の麻雀サークルが再開するらしい。三
密の典型のようなサークルだから、マスクを
し換気をしながら小声でというのが条件だ。
「ポン」「チー」とかも囁くように? ソー
シャルディスタンスはどうするのだろうか?
家内は参加をためらっている。
年用意メモに救急車の響き
(としようい めもにきゅうきゅうしゃのひびき)
冬の日や 時計の進まぬ 至福かな
(ふゆのひや とけいのすすまぬ しふくかな)
※本を読んでは思わずまどろんだり、これの繰
り返し。これぞ至福の時間なのだが、時計を
見るとまだ時間がたっぷりある、外の日も高
いままだ。こういうのが「もっと至福」だ。
逆は多い、一日も一年も・・・。
12/30wed
煤払い 今年も腕は 伸びており
(すすはらい ことしもうでは のびており)
冬晴れや 予報に仕事の 繰り上がり
(ふゆばれや よほうにしごとの くりあがり)
※年末年始は寒気がやってくるだけでなく、荒
れ模様で雨や降雪の心配があるとか。もう静
かに家籠りだなと思っていたら、大晦日の仕
事が残っているとのご託宣。やれやれ。
南房総市に雨が来れば渇水騒ぎに一息つける
かも。
12/28mon
冬の鵜は 横一列に 澪作り
(ふゆのうは よこいちれつに みおつくり)
橋の上 冬の磐梯 角度良し
(はしのうえ ふゆのばんだい かくどよし)
※会津盆地の北西部、阿賀川にかかる橋の上か
ら磐梯山を遠望する。絶品の光景。もちろん
今流行のテレ帰郷で、インターネットでのサ
イトヴィユである。小生75回目の誕生日。
12/27sun
薔薇切りて 師走ひと月を 咲き尽くす
(ばらきりて しわすひとつきを さきつくす)
※冬のバラは数は少なくとも見事に咲いて長持
ちすることがある。先月月末に切ったものが
部屋の中でいまだに健在だ。
雨が降らない。秋の雨をアテにして、水がめ
のダムを改修した南房総市では今断水の危機
にある。
12/26sat
灯油屋の 全部やりますと ふれ行きて
(とうゆやの ぜんぶやりますと ふれゆきて)
※買い物がままならない人々に都会で移動スー
パーが喜ばれているとか。コロナ禍で買い物
難民は増えている。当地でも灯油販売の軽ト
ラが練り歩くが、昨年までとアナウンスが違
う。「戸口までタンクを取りに行きます」と。
12/25fri
再検査 この年内は 生き延びて
(さいけんさ このねんないは いきのびて)
凍らんとすれば オリオン光り立つ
(こおらんとすれば おりおんひかりたつ)
※期待に反して検診の結果は精密検査要という
のが家族に三つあった。早速大病院で検査と
診察を受けたが、年内にはっきりした結論は
出なかった。
「薄皮一枚つながった」と喜ぶべきか「こん
な不安な年末年始」と忌むべきか?
12/24thu
新ごよみ メモ書き入れる 聖夜かな
(しんごよみ めもかきいれる せいやかな)
冴ゆる夜は さまざまな顔と 声までも
(さゆるよは さまざまなかおと こえまでも)
※静かな年末年始をと呼びかける声が満ちてき
た。今夜はその最初の峠、渋谷も静穏であれ
ばいい。
12/23wed
渋谷には 着ぶくれせぬ人 うごめいて
(しぶやには きぶくれせぬひと うごめいて)
※渋谷に住んでいた頃、新宿に較べて大いに田
舎だった。代々木、原宿とも容易につながら
なかった。その頃飲み屋の横丁はオシッコ臭
かったし、地元のおじさんが綿入れを着て道
玄坂を散歩していた。それが良かった。
12/22tue
たまわりし 柚子ふんだんに 冬至の湯
(たまわりし ゆずふんだんに とうじのゆ)
冬至来て 首の後ろの かゆみかな
(とうじきて くびのうしろの かゆみかな)
冬至かぼちゃ 餡の少なきを 亡父好み
(とうじかぼちゃ あんのすくなきを ちちこのみ)
※首の後ろの痒みは気にするほどではないが、
老人性というから日常の付き合いになって
いる。そんなに好きでなかった風呂がちょ
っぴり待ち遠しくなったのは、これも老人
性嗜好なのかな。
今日は家中の網戸を水洗いした。窓も磨い
てスッキリ。
12/20sun
軒並べ もんじゃの師走 人気なし
(のきならべ もんじゃのしわす ひとけなし)
※なつかしい月島の家並み、もんじゃのアーケ
ード街をテレビで見た。頼みの綱は観光客だ
から打撃は大きい。
12/19sat
氷点下 会う顔同じ 目で少し
(ひょうてんか あうかおおなじ めですこし)
※コロナ禍で氷点下の朝では歩く人も少ない。
それでも「雨が降っても槍が降っても」とい
う歩きの半病人はいる。おなじみの顔だ。
12/18fri
短日や 検査結果を 咀嚼する
(たんじつや けんさけっかを そしゃくする)
※胸部レントゲン検査で精密検査の要ありとの
通知が届いた。早速大病院でCT等の検査を
受け、無罪放免とまではいかなかったが、要
観察・日常注意の説明を受けた。軽度の気管
支拡張症とかで難しい説明文をもらった。
12/16wed
コロナ禍に 楽聖の記念日 ありて冬
(ころなかに がくせいのきねんび ありてふゆ)
※今年はベートーベンの生誕250年、しかも
12月16日はその誕生日。50年に一度の
記念日。
12/14mon
教え子も 師もシニアなり 賀状書く
(おしえごも しもしにあなり がじょうかく)
※絵を描き、少しゴム版彫りも加えて、賀状の
形にまとめた。優等生タイプだった、つまん
ない生徒がシニアとなってなお、師の誉め言
葉を欲しがる。
12/13sun
おののきつ 三年ぶりに 賀状書く
(おののきつ さんねんぶりに がじょうかく)
※親族の不幸が続いたせいで久しぶりの年賀状。
この間に親しい友人が何人もいなくなった。
他にも動静が途絶えて思わぬことが起こって
いないか気懸かりだ。
12/12sat
圧空の音歳末の家作る
(あっくうのおと さいまつのいえつくる)
※基礎が出来ると或る日工場加工済みの部材が
わんさと運び込まれ、あっという間に組み上
げられる。最近の新築現場の風景。
屋根材、壁材、床材の多くは圧縮空気を使う
「釘打ち機」で次々と打ち付けられる。その
昔大工さんが釘を口に含んで金槌で打ってい
た名人芸は見られない。聞こえる音も違うし
速さは桁違いだ。
最新のくぎ打ち機は動力が圧空から電動とな
り、しかもコードレスときた。
12/11fri
葉書二通 異常はなしと 石蕗の花
(はがきにつう いじょうはなしと つわのはな)
※秋口に受けたガン検診などの結果が郵送され
てくる。今年も全部異常なしで過ごせるか?
12/10thu
大根焚き 匂いもなしに 氷雨かな
(だいこだき においもなしに ひさめかな)
※先週京都の千本釈迦堂などで恒例の「大根焚
き」が軒並み中止になり、法要のみ行われた。
手ぬぐい頭巾と割烹着姿のおばさん達から大
きなお椀に分厚い大根と揚げをもらい、ふう
ふういってむしゃぶりつく・・・。「見果て
ぬ夢」は今年コロナ禍のせいとなった。
12/9wed
白菜は ハチマキすれど 世にあふれ
(はくさいは はちまきすれど よにあふれ)
※今年も畑に庭に恵みを授かった。自分の世話
があっての作物だから思いもひとしおである。
しかしアマの哀しさ、高価な野菜から家計を
助ける、そういう時期での収穫というのは難
しい。ハチマキは長持ちのためにもなる。意
地でも正月支度になるまで頑張ってもらおう。
12/6sun
木守りを残し 柿とる高鋏み
(きまもりをのこし かきとるたかばさみ)
※3mちょっとの柿の木が今年は多くの実をつ
けた。粒は小さ目が多いが、甘さは十分。実
をつけ始めて以来の豊作だ。来年も頑張れよ、
頼むよ。
12/5sat
豆をぬく 婆に笑みあり 頬被り
(まめをぬく ばばにえみあり ほおかぶり)
※人並みに年内にすべきことがあり、日頃がの
ほほんとしているからなんとなく気ぜわしく
感じられる。大豆の枯れ具合を見て、知り合
いの婆さんが収穫のため引っこ抜いている。
12/4fri
越し来たる ブーツの少女も 会釈する
(こしきたる ぶーつのしょうじょも えしゃくする)
※向かいの空き家を改装して新家族が越して来
た。年内に引っ越しが出来て一安心しました
とご主人が挨拶。こちらも安心。少女の真新
しいブーツ、どこかの社宅住まいからの移転
らしい。
12/2wed
朝時雨 ミルクたっぷりの コーヒーを
(あさしぐれ みるくたっぷりの こーひーを)
※このところパソコンの調子が悪い。方々の解
決法を参照し実行するが、再現性がなく直っ
たり再びダウンの繰り返し。思い余ってOS
の再インストールをしたら、余計な手間を強
いられたり・・・。この文も顔色をうかがっ
て機嫌のよい時にアップロードした。
12/1tue
麻雀は 冬に再開 低くナク
(まーじゃんは ふゆにさいかい ひくくなく)
※公民館の麻雀サークルが再開するらしい。三
密の典型のようなサークルだから、マスクを
し換気をしながら小声でというのが条件だ。
「ポン」「チー」とかも囁くように? ソー
シャルディスタンスはどうするのだろうか?
家内は参加をためらっている。