ダクタク句集2021年(令和3年)6月 [ダクタク2021年6月]
6/30wed
モロヘイヤの おひたし待てり 虎が雨
(もろへいやの おひたしまてり とらがあめ)
※心待ちにしていた、ささやかな一品。昨年ま
ではよその畑からいただいていたが、今年は
自家産。
6/28mon
雨音で 雌花を想う 明易し
(あまおとで めばなをおもう あけやすし)
日光は 俄か雨なり キスゲ咲く
(にっこうは にわかあめなり きすげさく)
※朝から雨。受粉はムリ。雌花のことが気にな
るが、ゆっくり寝れる。集中豪雨さえなけれ
ば梅雨の季節もいいものだ。
6/27sun
近ければ 皆川渡る 梅雨のころ
(ちかければ みなかわわたる つゆのころ)
※近い人の訃報が重なった。やや沈鬱。
6/26sat
診察待ち 尻もじもじと 夏至の午後
(しんさつまち しりもじもじと げしのごご)
※事前の検査結果を受けての診察なのだが、さ
すがに長い待ち時間。OKと言われれば1,2
分で終わるのに。
6/25fri
軍人の 最期の言葉 沖縄忌
(ぐんじんの さいごのことば おきなわき)
※旧海軍沖縄根拠地隊司令官 大田實の海軍次
官宛電文1945.6.6
「・・・・沖縄県民斯ク戦ヘリ。県民ニ
対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」
6/24thu
亡父描きし 蟹の動きて 明易し
(ちちかきし かにのうごきて あけやすし)
※ライトを点けずに床にいるのは毎朝のこと。
親父の色紙がある。そうだ、蟹だっけ。見え
ないが少し覚醒。目を瞑る。・・・目を開け
る。少し見える。少し動いた。ボケの実況。
6/23wed
手始めに 爪切りをせん 梅雨籠り
(てはじめに つめきりをせん つゆごもり)
メディア流転 骸るいるい 梅雨ごもり
(めでぃあるてん むくろるいるい つゆごもり)
※レコードに始まって、カセット、CD、VTR、
BRDと音楽を貯めこんだメディアが死屍累々
だ。整理しよう、捨てようと思うが、今すぐ
にでも聴けると思うと未練が残る。
とはいえ、指一本で好きな曲を聴けるインタ
ーネットの日々からは多少音質が悪かろうが、
離れられない。一方で音楽を楽しむ質は明ら
かに低下しているのに・・・楽に走っている
だけだ。悪貨は良貨を駆逐している。
6/21mon
夏至の日や 紗翁新訳 読了す
(げしのひや さおうしんやく どくりょうす)
※松岡和子訳のシリーズ最後の本がこれ。きち
んと読み進めなかった過去の訳に較べると、
最後のチャンスと言い聞かせ粘り強く読むこ
とが出来た。しかしゆっくり味わうところま
ではいっていないなァ・・・。
6/20sun
ヤマボウシ 小学生の群れ ざわめかず
(やまぼうし しょうがくせいのむれ ざわめかず)
※集団下校のマスクの群れは整然としている。
大人のワクチン接種が十分済んだら、マスク
を外せるからね。
梅雨寒や所望のあんかけ豆腐かな
(つゆざむや しょもうのあんかけどうふかな)
6/19sat
桜桃忌 床屋に行くを 延ばしたり
(おうとうき とこやにいくを のばしたり)
※当地は蔓延防止対策の地域に新たに指定された。
今になって過去最悪の感染状況に陥っている。
連絡を取り合う人ごとに大変なことになったね、
と田舎暮らしの気軽さを戒めている。
床屋も控えて? 親父の顔も見たいが・・・。
6/18thu
心太 地元の投手は 七勝目
(ところてん じもとのとうしゅは ななしょうめ)
※地元高校の甲子園出場時のエース早川が、早大
主将となって六大学優勝に導き、昨年のドラフ
ト1位で楽天に入団した。新人で早くも7勝を
あげた。先発投手が潤沢な楽天では舞台が少な
すぎると隠れファンは文句を言っている。
6/16wed
佳き人の逝きて琉球月見草
(よきひとのいきて りゅうきゅうつきみそう)
初夏の日に泣け泣け良くぞ戦えり
(しょかのひになけなけ よくぞたたかえり)
※友人の奥さんが亡くなった。佇まいはいつも
静かでありながら筋は常にまっすぐな人だっ
た。夫妻ともども中学の同級生。看護に介護
に手を尽くしていたから残念の思いはよくわ
かる。
6/15tue
入梅や 嘆息多き 日とならん
(にゅうばいや たんそくおおき ひとならん)
人流や 待つところあり 梅雨の入り
(じんりゅうや まつところあり つゆのいり)
※やっと関東地方が梅雨入りした。緊急事態の
解除と五輪開催の布石をめぐって暫くは騒が
しい議論が続く。都心の人流は増加基調変わ
らず。梅雨入りで少しは低下するか?
6/14tue
みちのくの 師に不義理あり 夏椿
(みちのくの しにふぎりあり なつつばき)
十薬の花よ 絆は地下にあり
(どくだみのはなよ きずなはちかにあり)
※久しぶりのオシメリだ。予報ほどの雨量では
ない。庭を覆いつくすドクダミは雨後を狙っ
て一網打尽にしてやる。しかしどっこい彼ら
の生命力はすごい。
6/13mon
早起きは得意スイカの受粉しに
(はやおきはとくい すいかのじゅふんしに)
※晴れ間が続くだけに水さえやれば野菜の成長
は例年以上。他の人が敬遠するような種類も、
相性の問題か?上手にできることもある。当
家のスイカがそれ。
6/12sat
水芭蕉 池塘の光 遥かなり
(みずばしょう ちとうのひかり はるかなり)
花リレー 始まりぬとぞ 尾瀬便り
(はなりれー はじまりぬとぞ おぜだより)
※水芭蕉の盛りが過ぎて、ワタスゲ、ニッコウ
キスゲ、キンコウカ、エゾリンゾウとバトン
がリレーされる。やっぱり「遥かな」尾瀬だ
なァ。
6/11fri
摘果せず 袋がけする 頬に風
(てきかせず ふくろがけする ほほにかぜ)
新玉の 保存を尋ね 長電話
(しんたまの ほぞんをたずね ながでんわ)
※背中の日差しが屋外作業にはややつらい。梅
雨はまだかと思う。庭のモモの木は今年も生
命力旺盛で摘果後で数百の実をつけている。
まだまだ摘果をしなくては・・・。
6/10thu
麦秋や ワクチンのこと 小声にて
(ばくしゅうや わくちんのこと こごえにて)
※数少ない麦畑ではすっかり刈入れが済んだよ
うだ。ワクチン一回目を接種完了。予約もそう
であったが「かかりつけ医」で、極くあっさり
と。急ぐ人々の不満がひと時ニュースとなった
が、急速にしぼんでいる。
6/9wed
アジサイや 持ち寄る画材 重なりて
(あじさいや もちよるがざい かさなりて)
※絵画教室は公民館の部屋が2時間と制限があ
り、細々と続いている。しかし今週はアジサ
イが多方から集まり、豪華な画室になった。
ただ透明感をもって描くのは相変わらず難し
い。
6/6sun
傘上げて 遠目で叙すや 久闊を
(かさあげて とおめでじょすや きゅうかつを)
※友人と久しぶりに東京であった。双方ともワ
クチン接種はまだだが致し方ない。交差点で
道路を挟んで信号待ち、互いに認めて傘で合
図を送る。一年半ぶりだ。本当、涙の面会。
6/4fri
梅雨近し モネの日傘の 色褪せて
(つゆちかし もねのひがさの いろあせて)
※モネの展覧会で特別に作られた「日傘をさす
女」のポスターを執拗に頼み込んで入手した。
同名の絵が多数がある中でWashington DCの
National Gallery of Artが所蔵している有名
なバージョン。印刷だが、実物大以上の代物。
わくわくして帰宅し、すぐさまパネルに張っ
た。リビングに飾って20年。販売していない
ポスターを、どうしても欲しいと今なら頼み
込むかな? 色褪せたが、当時の熱意?を残
す記念品だ。
6/3thu
塩鮭の 皮ごと食いて 夏の朝
(しおじゃけの かわごとくいて なつのあさ)
※入梅となりそうで、どっこい今朝も良く晴れ
ている。旅館風朝飯もたまにはいい。しかし
納豆に海苔、なかったが生卵など、どれも白
いご飯があっという間になくなってしまう。
やっぱり朝から山盛りご飯を食べていたころ
の組み合わせだなァ、とも。
6/2wed
青田風 尻尾も揺れて 慶事あり
(あおたかぜ しっぽもゆれて けいじあり)
※電話で知人の快癒を知った。庭に突然蛇が現
れるという変事の直後だった。やっぱり蛇は
慶事の前触れだったのかも。飼い主の巣箱に
早く帰れ、と願うのは無理かな?
6/1tue
茅揺れ 木造校舎 かすみおり
(ちがやゆれ もくぞうこうしゃ かすみおり)
※梅雨前線が南下し、梅雨入りは6月に平年並
みか。このところ晴れ日でも雲が活躍する空
模様である。スマホで撮る画像も気に入って
いる。
あじさいや 画題にいまだ 色淡し
(あじさいや がだいにいまだ いろあわし)
モロヘイヤの おひたし待てり 虎が雨
(もろへいやの おひたしまてり とらがあめ)
※心待ちにしていた、ささやかな一品。昨年ま
ではよその畑からいただいていたが、今年は
自家産。
6/28mon
雨音で 雌花を想う 明易し
(あまおとで めばなをおもう あけやすし)
日光は 俄か雨なり キスゲ咲く
(にっこうは にわかあめなり きすげさく)
※朝から雨。受粉はムリ。雌花のことが気にな
るが、ゆっくり寝れる。集中豪雨さえなけれ
ば梅雨の季節もいいものだ。
6/27sun
近ければ 皆川渡る 梅雨のころ
(ちかければ みなかわわたる つゆのころ)
※近い人の訃報が重なった。やや沈鬱。
6/26sat
診察待ち 尻もじもじと 夏至の午後
(しんさつまち しりもじもじと げしのごご)
※事前の検査結果を受けての診察なのだが、さ
すがに長い待ち時間。OKと言われれば1,2
分で終わるのに。
6/25fri
軍人の 最期の言葉 沖縄忌
(ぐんじんの さいごのことば おきなわき)
※旧海軍沖縄根拠地隊司令官 大田實の海軍次
官宛電文1945.6.6
「・・・・沖縄県民斯ク戦ヘリ。県民ニ
対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」
6/24thu
亡父描きし 蟹の動きて 明易し
(ちちかきし かにのうごきて あけやすし)
※ライトを点けずに床にいるのは毎朝のこと。
親父の色紙がある。そうだ、蟹だっけ。見え
ないが少し覚醒。目を瞑る。・・・目を開け
る。少し見える。少し動いた。ボケの実況。
6/23wed
手始めに 爪切りをせん 梅雨籠り
(てはじめに つめきりをせん つゆごもり)
メディア流転 骸るいるい 梅雨ごもり
(めでぃあるてん むくろるいるい つゆごもり)
※レコードに始まって、カセット、CD、VTR、
BRDと音楽を貯めこんだメディアが死屍累々
だ。整理しよう、捨てようと思うが、今すぐ
にでも聴けると思うと未練が残る。
とはいえ、指一本で好きな曲を聴けるインタ
ーネットの日々からは多少音質が悪かろうが、
離れられない。一方で音楽を楽しむ質は明ら
かに低下しているのに・・・楽に走っている
だけだ。悪貨は良貨を駆逐している。
6/21mon
夏至の日や 紗翁新訳 読了す
(げしのひや さおうしんやく どくりょうす)
※松岡和子訳のシリーズ最後の本がこれ。きち
んと読み進めなかった過去の訳に較べると、
最後のチャンスと言い聞かせ粘り強く読むこ
とが出来た。しかしゆっくり味わうところま
ではいっていないなァ・・・。
6/20sun
ヤマボウシ 小学生の群れ ざわめかず
(やまぼうし しょうがくせいのむれ ざわめかず)
※集団下校のマスクの群れは整然としている。
大人のワクチン接種が十分済んだら、マスク
を外せるからね。
梅雨寒や所望のあんかけ豆腐かな
(つゆざむや しょもうのあんかけどうふかな)
6/19sat
桜桃忌 床屋に行くを 延ばしたり
(おうとうき とこやにいくを のばしたり)
※当地は蔓延防止対策の地域に新たに指定された。
今になって過去最悪の感染状況に陥っている。
連絡を取り合う人ごとに大変なことになったね、
と田舎暮らしの気軽さを戒めている。
床屋も控えて? 親父の顔も見たいが・・・。
6/18thu
心太 地元の投手は 七勝目
(ところてん じもとのとうしゅは ななしょうめ)
※地元高校の甲子園出場時のエース早川が、早大
主将となって六大学優勝に導き、昨年のドラフ
ト1位で楽天に入団した。新人で早くも7勝を
あげた。先発投手が潤沢な楽天では舞台が少な
すぎると隠れファンは文句を言っている。
6/16wed
佳き人の逝きて琉球月見草
(よきひとのいきて りゅうきゅうつきみそう)
初夏の日に泣け泣け良くぞ戦えり
(しょかのひになけなけ よくぞたたかえり)
※友人の奥さんが亡くなった。佇まいはいつも
静かでありながら筋は常にまっすぐな人だっ
た。夫妻ともども中学の同級生。看護に介護
に手を尽くしていたから残念の思いはよくわ
かる。
6/15tue
入梅や 嘆息多き 日とならん
(にゅうばいや たんそくおおき ひとならん)
人流や 待つところあり 梅雨の入り
(じんりゅうや まつところあり つゆのいり)
※やっと関東地方が梅雨入りした。緊急事態の
解除と五輪開催の布石をめぐって暫くは騒が
しい議論が続く。都心の人流は増加基調変わ
らず。梅雨入りで少しは低下するか?
6/14tue
みちのくの 師に不義理あり 夏椿
(みちのくの しにふぎりあり なつつばき)
十薬の花よ 絆は地下にあり
(どくだみのはなよ きずなはちかにあり)
※久しぶりのオシメリだ。予報ほどの雨量では
ない。庭を覆いつくすドクダミは雨後を狙っ
て一網打尽にしてやる。しかしどっこい彼ら
の生命力はすごい。
6/13mon
早起きは得意スイカの受粉しに
(はやおきはとくい すいかのじゅふんしに)
※晴れ間が続くだけに水さえやれば野菜の成長
は例年以上。他の人が敬遠するような種類も、
相性の問題か?上手にできることもある。当
家のスイカがそれ。
6/12sat
水芭蕉 池塘の光 遥かなり
(みずばしょう ちとうのひかり はるかなり)
花リレー 始まりぬとぞ 尾瀬便り
(はなりれー はじまりぬとぞ おぜだより)
※水芭蕉の盛りが過ぎて、ワタスゲ、ニッコウ
キスゲ、キンコウカ、エゾリンゾウとバトン
がリレーされる。やっぱり「遥かな」尾瀬だ
なァ。
6/11fri
摘果せず 袋がけする 頬に風
(てきかせず ふくろがけする ほほにかぜ)
新玉の 保存を尋ね 長電話
(しんたまの ほぞんをたずね ながでんわ)
※背中の日差しが屋外作業にはややつらい。梅
雨はまだかと思う。庭のモモの木は今年も生
命力旺盛で摘果後で数百の実をつけている。
まだまだ摘果をしなくては・・・。
6/10thu
麦秋や ワクチンのこと 小声にて
(ばくしゅうや わくちんのこと こごえにて)
※数少ない麦畑ではすっかり刈入れが済んだよ
うだ。ワクチン一回目を接種完了。予約もそう
であったが「かかりつけ医」で、極くあっさり
と。急ぐ人々の不満がひと時ニュースとなった
が、急速にしぼんでいる。
6/9wed
アジサイや 持ち寄る画材 重なりて
(あじさいや もちよるがざい かさなりて)
※絵画教室は公民館の部屋が2時間と制限があ
り、細々と続いている。しかし今週はアジサ
イが多方から集まり、豪華な画室になった。
ただ透明感をもって描くのは相変わらず難し
い。
6/6sun
傘上げて 遠目で叙すや 久闊を
(かさあげて とおめでじょすや きゅうかつを)
※友人と久しぶりに東京であった。双方ともワ
クチン接種はまだだが致し方ない。交差点で
道路を挟んで信号待ち、互いに認めて傘で合
図を送る。一年半ぶりだ。本当、涙の面会。
6/4fri
梅雨近し モネの日傘の 色褪せて
(つゆちかし もねのひがさの いろあせて)
※モネの展覧会で特別に作られた「日傘をさす
女」のポスターを執拗に頼み込んで入手した。
同名の絵が多数がある中でWashington DCの
National Gallery of Artが所蔵している有名
なバージョン。印刷だが、実物大以上の代物。
わくわくして帰宅し、すぐさまパネルに張っ
た。リビングに飾って20年。販売していない
ポスターを、どうしても欲しいと今なら頼み
込むかな? 色褪せたが、当時の熱意?を残
す記念品だ。
6/3thu
塩鮭の 皮ごと食いて 夏の朝
(しおじゃけの かわごとくいて なつのあさ)
※入梅となりそうで、どっこい今朝も良く晴れ
ている。旅館風朝飯もたまにはいい。しかし
納豆に海苔、なかったが生卵など、どれも白
いご飯があっという間になくなってしまう。
やっぱり朝から山盛りご飯を食べていたころ
の組み合わせだなァ、とも。
6/2wed
青田風 尻尾も揺れて 慶事あり
(あおたかぜ しっぽもゆれて けいじあり)
※電話で知人の快癒を知った。庭に突然蛇が現
れるという変事の直後だった。やっぱり蛇は
慶事の前触れだったのかも。飼い主の巣箱に
早く帰れ、と願うのは無理かな?
6/1tue
茅揺れ 木造校舎 かすみおり
(ちがやゆれ もくぞうこうしゃ かすみおり)
※梅雨前線が南下し、梅雨入りは6月に平年並
みか。このところ晴れ日でも雲が活躍する空
模様である。スマホで撮る画像も気に入って
いる。
あじさいや 画題にいまだ 色淡し
(あじさいや がだいにいまだ いろあわし)