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ダクタク2017年10月 ブログトップ

ダクタク句集2017年(平成29年)10月 [ダクタク2017年10月]

10/30mon
蜻蛉や 高くのみいて 雲薄し
     (かげろうや たかくのみいて くもうすし)

細筆で すじ雲薄く 秋の暮
     (ほそふでで すじぐもうすく あきのくれ)
        ※台風22号は関東、東北地方の太平洋沖合を猛烈
         な速度で北上したが、幸い風雨とも予想より弱く、
         接近前の長雨から心配された被害は比較的軽微の
         模様。台風一過の今朝は爽やかに晴れ渡り、北風
         のせいでピリッとしている。

10/29sun
もうとろう 妻まだまだと 柿笑う
     (もうとろう つままだまだと かきわらう)
        ※台風22号が今夜にも接近しそう。強風の前に柿
         をとろうとするが反対される。このあたりではたわ
         わに実った柿を収穫しようとしない家々が多い中
         で、我が家はなんとも・・・。

10/28sat
文化祭 シニアが飾る 自信作
     (ぶんかさい しにあがかざる じしんさく)
     
スターいる 文武両道 マドンナも
     (すたーいる ぶんぶりょうどう まどんなも)
        ※地区毎の公民館が開く文化祭。主役はなんといっ
         てもシニア。シニアマフィア(と呼ぶのは私だけだ
         が)だ。中には計画から最後の反省会までを取り
         仕切る熱心な人々がいる。所属する絵画教室は
         例年ひと部屋を借りて作品を展示するのだ。悪し
         き習慣とはいえ、70歳越えでも一番の新人だか
         ら否やは言えない。最悪だ。今更ペンネームとい
         うわけにもいかず、近くの人にバレバレ。まあ、出
         し惜しみするほどの品物ではないのですが・・・。

シニア会 入る壁越せば マヒします
     (しにあかい はいるかべこせば まひします)
        ※シニアの、こうした公民館マフィアに仲間入りは
         していない。「まだまだ」「シニア会のお世話には
         なりません」と固く思っている。しかし同じ思いの
         同志がいつのまにかグランドゴルフのチームに
         勧誘されて、遂に沈没。「ニューフェースはさす
         が逞しい」とかおだてられている。ここが踏ん張
         りどころ。

10/27fri
棄てられし 野菜崩れる 野分かな
     (すてられし やさいくずれる のわきかな)
        ※日照時間が少なかった夏は野菜の価格が急騰し
         たが、旬の野菜は9月後半に入って落ち着いた。
         しかしこうなると一部は価格が急落して、運賃す
         ら出ないとかで出荷されず、畑の傍らに捨てられ
         てしまう。そうした野菜の山が台風21号の風で
         散々に吹き飛ばされている。

野分後 木に残る葉も 老いを増し
     (のわきあと きにのこるはも おいをまし)
        ※いつも通る小櫃川の堤道の桜の木は台風のた
         めに大部分が葉を落とした。残っている葉も僅か。
         フレディ、頑張れ・・・。

10/26thu
ヤギ二頭 草食む上に 柿千個
     (やぎにとう くさはむうえに かきせんこ)
        ※今日は「柿の日」とか。いわれは知らない。いつも
         散歩で見かけるヤギは薄暮の光でやっと確認できた。
         ヤギがいるのは柿の木10本ほどの畑、どの木も葉
         が落ちて赤い実がたわわになっている。
         古式ゆかしい日本の景色? いや、新型のイルミネ
         ーションのデザインかとも思う。その下は明るくは
         ないが・・・。

10/25wed
死ぬ日まで 筆とり上手く なりたいと
     (しぬひまで ふでとりうまく なりたいと)
        ※この9月、10月はNHKで北斎を集中的に取り
         上げた。改めて北斎の稀な才能と影響力を思い
         知った次第。なにより老境にさしかかってからの
         作品が充実し、本人もますます腕を磨いて、これ
         からがもっと良くなると言っていたことだ。変わら
         ぬ執念と集中力がすごい。

10/24tue
鉄骨の ボルトが軋む 軽き家
     (てっこつの ぼるとがきしむ かるきいえ)
        ※超大型台風21号は関東地方を直撃した。深夜か
         ら翌朝にかけ各地を震撼させた。プレハブ系の住
         宅は軽量鉄骨を使っているが、真夜中にキイキイ
         聞きなれない音がする。あれはー?ボルトが外れ
         て一気に崩れてしまうのでは・・・。かつてない猛
         烈な風の音で余計な妄想に囚われてしまう。

野分の夜 巣で震える ヒナのごと
     (のわきのよ すでふるえる ひなのごと)

10/23mon
風に乗る 先は暗闇 野分かな
     (かぜにのる さきはくらやみ のわきかな)
        ※衆議院選結果は大方の予想通り。順風のつもり
         がパタリと逆になったり、いつまでも吹いている風
         はこの世にない。見えざる暗闇を見える化すべき
         だった。

妻や子が 継ぐほどステキ 金バッチ
     (つまやこが つぐほどすてき きんばっち)

妻や子が 禁断の実食べ 街頭に
     (つまやこが きんだんのみたべ がいとうに)
        ※今回も2世候補が各地で戦った。北海道でも女性
         候補同士の選挙区があったよ。後継者自身は禁
         断の実を食べようとしなくとも、周囲にいる応援団、
         支持者というのは先代、先々代からの熱狂ぶり否
         偏狭ぶり。まして支持者の解散ということはあり得
         ない。より良い候補者を求めて動くことはなく て、
         自分たちで担ぐことが再優先。リンゴを食べるかど
         うかは大した問題ではない。

10/22sun
秋さわぎ ロボコン部室の 灯が揺れる
     (あきさわぎ ろぼこんぶしつの ひがゆれる)
        ※台風が接近し、既に強風が吹き荒れている。木更
         津高専チームは過去に大会で活躍した強豪。人気
         があるのか、部室は結構な数の男女で賑わってい
         る。悪天候の週末も遅くまで。

最近の 神風だれの 味方やら
     (さいきんの かみかぜだれの みかたやら)
        ※衆議院選投票日の今日、天気は最悪。低投票率
         でどの党が得するか? 以前は相場が決まってい
         た。組織票の割合が高い公明、共産、自民の順か?
         最近は天気などで左右される浮動票は若手を中心
         に自民に向かっているとか。今日一日、選挙アナリ
         ストがテレビで活躍する。

予報士の 声を聞き蜜柑の 枝を見る
     (よほうしの こえをききみかんの えだをみる)

10/21sat
野球部の 子ら声変わり オフの秋
     (やきゅうぶの こらこえがわり おふのあき)
        ※近くの中学校の野球部、夏に2年生以下の新チ
         ームになり、秋の新人戦も終えた。朝のランニン
         グの掛け声がぐっと低くなったような気がする。み
         んな声変わりの時期だ。

ランニング 朝寒なれば 速度増し
     (らんにんぐ あさざむなれば そくどまし)
        ※週末学校休みの部活はいつもより長いランニン
         グで始まる。このところの寒さで震え上がってい
         るのでは・・・。

女の子 声を上げつつ イガを割る
     (おんなのこ こえをあげつつ いがをわる)
        ※同じ中学校の帰宅部女子は帰校路のクリを狙っ
         ていた。今日は木を揺らし、落ちたイガをキャア
         キャア言いながら靴で踏みつけ、実を出そうとし
         ている。ワイルドだね、帰宅部も。ちょっと早いと
         思うのだけれど。

10/20fri
朝寒や えりまき笑う 女子の声
     (あさざむや えりまきわらう じょしのこえ)
        ※このところの冷え込みは異常なほど。それにして
         も中学生は元気。「えッ、もうえりまき?」という高
         い声がした。応えた声は聞こえなかったから、ひ
         やかされたのは男子だったのかも・・・。

雪の山 スマホアプリが 人救う
     (ゆきのやま すまほあぷりが ひとすくう)
        ※北海道旭岳で遭難事故あり。大勢の捜索隊が山
         に入ったが、スマホを使えば遭難場所の緯度経度
         を通話先に伝えることが出来るとか。今回は通話
         をした双方とも、このことを知らなかったという。
         また一つ、スマホが蔓延る理由が・・・。

望まぬに いとどスマホの 機能増し
     (のぞまぬに いとどすまほの きのうまし)
        ※世の親たちの半分以上が子供にケイタイ、スマホ
         を持たせるべきでないという意見だったが、今や子
         供の安全確保、緊急連絡のために持たせたいとす
         る親が大半だとか。

10/19thu
冷やかに バッハのアダージョ のみを聴く
     (ひややかに ばっはのあだーじょ のみをきく)
        ※大学時代の友人が会社経営を託した子息に先立た
         れたという。言葉がなかった。

残照や 刈田に案山子の 影うすく
     (ざんしょうや かりたにかかしの かげうすく)
        ※とっくに役目は終わっているのに・・・。

10/18wed
鉄の街 黒煙もくもくと 秋侵す
     (てつのまち こくえんもくもくと あきおかす)
        ※つかのまの晴れ間、今朝は快晴。しかし遠く製鉄
         所の方角に真っ黒な煙がモクモクと猛烈な勢いで
         青空高くまで立ち上がった。事故だろうか? 
         しばらくして白煙に変わった。消火活動が行われて
         いるのだろうか? 久しぶりの気持ちのいい朝なの
         に残念。

蔦の家 露地は曲がりて 行き止まり
     (つたのいえ ろじはまがりて ゆきどまり)
        ※ツタが少しだけ色づき始めている。斜面にある住
         宅街は古いもので、路地が不規則な形にあり、家
         並みとのコラボは特に秋になると散歩客を集めて
         いる。

10/17tue
地震予知 やめてつかえが とれて秋
     (じしんよち やめてつかえが とれてあき)
        ※東海地震対策は地震予知を前提にして、最高レベ
         ルでは新幹線まで停めて、人々は避難して備える
         という警報を出すことになっていた。
         が、しかし、このレベルの予知は不可能だとして、
         対策のあり方を根本的に改めることに。要するに
         ギブアップなのだが、今まで予知判定の要職にあ
         った人々はどんなにか胸を撫でおろしただろう。

10/16mon
大学は 50年目が 切れ目かな
     (だいがくは ごじゅうねんめが きれめかな)
        ※多くの大学が10月にホームカミングデーという
         のをやる。卒業生を10年毎にキャンパスに招待
         し、「大学の今」を知ってもらい、出店での物販、
         コンサート等様々に歓迎する。今回参加した50
         回目が最後らしい。例えはよくないが、故人を偲
         ぶ回忌法要も50回忌を最後にしているところが
         多い。大学では金持ちも成功者も、そうではない
         卒業生も50年で「合葬」されるのかも・・・。

秋時雨 早稲田に行く日 井伏読む
     (あきしぐれ わせだにゆくひ いぶせよむ)

10/14sat
会いたきは トランプよりも キム・ジョンウン
     (あいたきは とらんぷよりも きむ・じょんうん)
        ※親はみんな高齢である。時間がない。本心はキム
         ・ジョンウンに会って、思いの丈をぶつけたい。
         それで進展がなければ、この口で罵って刺し違え
         てもいい、殺されてもいいと思っている。せめて親
         の働きをしたいと願っている。

10/13fri
枝揺れて 木槿最後の 花と見る
     (えだゆれて むくげさいごの はなとみる)
        ※窓近く庭に咲いた花二題
         木槿は大昔から大好きな花。7月から咲き始めた
         花が昨日の花で今年は終わった。少したったらお
         礼肥えをしなくては。

クレオメは 暑い日々から 三月咲き 
     (くれおめは あついひびから みつきさき)
        ※クレオメ(風蝶草)は妻がもらってきて植えたも
         のだ。大好きな花の一番のニューフェース。5本
         ほどが次々と花をつけ、3ヶ月以上になる。
         「花魁草」と間違えた記事を書いたのが8/14。そ
         れからもずうっと。現在は最後の一本だから、月
         末まで持つかな? 一日花で咲き終わると節を
         作るようにして上に伸びて咲くから、咲いた日数、
         回数が節の数でわかる。

10/12thu
秋の寺 ただ鉛筆の 音ありて
     (あきのてら ただえんぴつの おとありて)
        ※スケッチ行続編
         久しぶりの静寂。シニアとて、長いこと忘れてい
         た感覚。仁王像のスケッチはまるでデッサンの練
         習のようで手ごわい。ついつい力が入る。また静
         寂を意識して深呼吸。

ウンという 仁王すじ雲の 空に立つ
     (うんという におうすじぐもの そらにたつ)
        ※「阿吽」の両像のうち描くの吽像。秋のすじ雲を
         背景にスクッと立つ仁王像は生半可な写生を跳
         ね返す。

10/11wed
門前の 日陰に画架を 秋の朝
     (もんぜんの ひかげにがかを あきのあさ)
        ※昨日の仲間とのスケッチ行。初めから日陰狙いの
         場所取り。郊外の小さな寺は静かそのもの。

仁王像 描かせ給える 秋日和
     (におうぞう かかせたまえる あきびより)

赤とんぼ 仁王の猛き 指先に
     (あかとんぼ におうのたけき ゆびさきに)

描き切れず 地蔵の慈顔 無慈悲かな
     (かききれず じぞうのじがん むじひかな)
        ※自分の実力不足を棚に上げて、こういうことを言
         うとバチがあたる。

10/10tue
秋日和 師の絵横目で 描けども
     (あきびより しのえよこめで えがけども)
        ※今日の絵画教室は郊外に出かけてのスケッチ。
         天気が良すぎて、10月で熱中症要注意の夏日と
         なった。どこを描くかより、いい日陰があるかどう
         かを優先。先生のすぐ隣で、真似をする良い機
         会だと意気込んだのだが、結果はまだまだ。

10/9mon
部屋明かり イガにうつりて 虫の声
     (へやあかり いがにうつりて むしのこえ)
        ※窓近くのイガの薄緑がきれいだ。少し茶色を帯び
         てきたかな?よそ様の栗の木を毎晩心配している。
         イガは毬と書くらしい。

鱗雲 すき間に月の 光洩れ
     (うろこぐも すきまにつきの ひかりもれ)
        ※鱗雲らしき濃い雲が東の山の端にかかっている。
         十六夜の月がようやく顔を出しそうだ。

10/8sun
赤き紅 真っ赤なバイクの シニア行く
     (あかきべに まっかなばいくの しにあいく)
        ※爽やかな秋の朝にぴったり。

十月の アンカ人みな 笑えども
     (じゅうがつの あんかひとみな わらえども)
        ※前の句のご婦人に較べ、なんとも。二三日前の晩
         は殊のほか冷えた。わけあって、やや冷え性の私
         は少々躊躇った末に電気アンカを使った。まだ十
         月上旬だというが・・・。

10/7sat
誰望む 八十年前の 内戦を
     (だれのぞむ はちじゅうねんまえの ないせんを)
        ※カタルーニャ地方の独立問題の深刻化。中央との
         対立が住民投票の実施をめぐって先鋭化。スペイ
         ンオタクとしては心配。気持ちはわかるが・・・。
         スペインの中のカタルーニャであって欲しい。初め
         てスペインを意識した当時から、そうであったから
         という単純な理由だが。後戻りのできない対立は
         回避したい。

10/6fri
ロンドンの 賭けは地元の 作家見ず
     (ろんどんの かけはじもとの さっかみず)
        ※文学賞はカズオ・イシグロ(英)。賭けはイシグ
         ロを高く買っていなかったようだ。読んでいる作
         家であり、思い入れがあるので、びっくりしたが
         大歓迎。初期の作品が好きだったところに、「日
         の名残り The Remains of the Day 」が忘れら
         れない作品に。英国の最高の文学賞を受賞し
         たし、後に映画になった。あれも良かった。

秋の道 老執事行く 恋の旅
     (あきのみち ろうしつじゆく こいのたび)
        ※映画のすじなんかは割愛。最後半に主人公が
         信じる女性を訪ねて行くシーンが印象的だ。

ウェールズへ 老優の顔は 若く燃え
     (うぇーるずへ ろうゆうのかおは わかくもえ)
        ※アンソニー・ホプキンス演じる老執事の表情は
         若々しかった。それは自分流の勤務を終え、愛
         する人を知った歓び故だろう。

10/5thu
息を詰め ノーベル賞の ニュースかな
     (いきをつめ のーべるしょうの にゅーすかな)
        ※自然科学分野の受賞はなし。この分だと文学賞が
         いけるかな?と期待は続く。
  
金木犀 俄仕立ての 春樹党 
     (きんもくせい にわかじたての はるきとう)
        ※にわかには読破できぬほど、小説の多さと最近の
         一冊の長さではある。

10/4wed
イヤホーンし 小豆とる娘 祖母近く
     (いやほーんし あずきとるむすめ そぼちかく)
        ※そう多くはないが、水田の横の畑で小豆を作って
         いる農家がある。ちょうど今が収穫期。雨が予想
         されるせいか、家族総出の作業だ。

10/3tue
挿し木とて 貰いし萩の 枝飾る
     (さしきとて もらいしはぎの えだかざる)
        ※近くの知人から妻が萩の枝を貰い飾った。家で花
         瓶に挿して眺める花ではないという思いがあった
         が、これはこれでいいものだ。

新党の 劇場チャンネル 消しもせず
     (しんとうの げきじょうちゃんねる けしもせず)
        ※希望の党、枝野新党・・・。「常在戦場」を口にする
         割には、事実上選挙の第4コーナーを回っている
         のにこの有様。しかし「野党再編一日にしてならず」
         とかも言うが、内容希薄な今回のショックで否応な
         しに進んでしまうのかも。それだけが取り柄か? 
         そういうことで、食傷気味ではあるけれど劇場政
         治、劇場選挙の様子をニタニタ見続けています。

10/1sun
ゆったりと 妻はクラス会 秋の部屋
     (ゆったりと つまはくらすかい あきのへや)
        ※当地は快晴。富有柿と温州みかんの生育は順調だ。
         一本ずつだが窓から眺められるのがいい。加えて、
         今日午後は妻不在でなんとも幸せ。


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