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ダクタク句集2023年(令和5年)1月 [ダクタク2023年1月]

1/31tue
養蜂をやってみたいと春隣り
  (ようほうをやってみたいとはるどなり)
   ※65歳を前にした人がいる。第2の人生の新入
    生間近。彼は希望に燃えている。ああした頃
    が俺にもあったのだ。

スカーフに冬薔薇置いて画材とす
  (すかーふにふゆばらおいてがざいとす)

1/30mon
昼下がり湯たんぽ抱いて名画かな
  (ひるさがりゆたんぽだいてめいがかな)
   ※テレビで一生懸命映画を見ている。殆どが自
    宅で録画しておいたものだ。エアコンをとめ
    て湯たんぽを抱きかかえる、眠たくならない。

1/29sun
大寒やなんのなんのと言いにけり
  (だいかんやなんのなんのといいにけり)

ケッフェルの番号が出ず冬木立
  (けっふぇるのばんごうがでずふゆこだち)
   ※1/25はモーツァルトの誕生日のようである。
    ゆうに600以上ある作品を網羅して正確に番
    号をつけるのは至難の業といわれるが、なか
    でも一番信頼されるのはケッフェルのつけた
    作品番号だ。YoutubeなどではKの次に番号を
    つけて検索しただけで、世界中でアップされ
    た演奏が並ぶ。
    そんな超便利な番号が今次々と記憶から抜け
    落ちているようだ。がっくりする。少しずつ
    か?わからない。今朝も試しにk516で検索
    する。馴染みの演奏が並ぶ。胸を撫で下ろす。

1/27fri
蕪三つ葉っぱも自慢熨斗はなし
  (かぶみっつはっぱもじまんのしはなし)

金ないか着物はないか冬の声
  (きんないかきものはないかふゆのこえ)

1/26thu
大寒波北国生まれの身なれば
  (だいかんぱきたぐにうまれのみなれば)

冬鷗群れてぞ川を遡る
  (ふゆかもめむれてぞかわをさかのぼる)
   ※当地はマイナス5度まで気温が下がった。と
    は言え、特に変わったことはなにもなかった。
    外で飼っている犬の水が氷ってしまったこと
    ぐらい。頬がピリピリを越えて、ビリビリと
    痛痒いような感覚には遠かった。
    犬はもちろん、周囲も穏やかなようだ。

1/25wed
初天神いかず子供らうるさふて
  (はつてんじんいかずこどもらうるそうて)
   ※子供の騒音「あれ買ってくれこれ買ってくれ」
 
小三治の曾孫が騒ぐ初天神
  (こさんじのひまごがさわぐはつてんじん)
   ※初天神で露店が並ぶ通りに人があふれている。
    こんな光景は暫く落語の中だけだろう。故小
    三治の「初天神」は絶品だった。

滑舌の稽古は落語初天神
  (かつぜつのけいこはらくごはつてんじん)

1/24tue
大寒や譲る畑の草むしる
  (だいかんやゆずるはたけのくさむしる)
   ※家庭菜園を引退するシニアが寒中に草むしり
    をしている。じゃがいもの植え付けに始まる
    春野菜の作業開始に次の人が間に合うように
    との心配りだ。さすがと思う。

しぐるるや明日明後日は寒気来る
  (しぐるるやあすあさってはかんきくる)

1/21sat
電気代一段と大寒しばし
  (でんきだいいちだんとだいかんしばし)

寒釣りや台半畳の座禅かな
  (かんずりやだいはんじょうのざぜんかな)
   ※電気代が高騰した。次の3割近くの値上げ申
    請は円滑に行っても実施は夏前後だろうから、
    今のうちに音を上げていてはどうしようもな
    いのだが・・・。
    寒中に釣りに興ずる人々の境地にはいつまで
    たっても近づけない。

1/20fri
四十雀庭に長く居蕪村の忌
  (しじゅうからにわにながくいぶそんのき)
   ※冬型の気圧配置で関東地方は晴れ上がる。雨
    模様のすぐ後だけに、庭や畑に出ていざ労働
    というわけにはいかない。どこかに正月暮ら
    しの残滓が残っているようだ。

枯れ菊の山となりて焼く人なし
  (かれぎくのやまとなりてやくひとなし)

1/19thu
坐して描く水墨の線寒の雨
  (ざしてかくすいぼくのせんかんのあめ)

1/18wed
マスク越し目が笑いおり初稽古
  (ますくごしめがわらいおりはつげいこ)
   ※水彩画の絵画教室、初会合。恒例でバラを描
    いた。

1/16mon
雨音に冬枯れ思い眠りけり
  (あまおとにふゆがれおもいねむりけり)
   ※睡眠にかけての不器用さでは人後に落ちない。
    いったん思い詰めて固まると、ちょっとのこ
    とではほぐれない。眠れなくとも何の痛痒も
    ない身の上だが、・・・犬がいた。朝少しで
    も遅くなると叱られる。

1/15sun
初風呂や西日の残るうちに入る
  (はつぶろやにしびののこるうちにいる)
   ※新年早々浴室が薄暗い。外の明かりが残るう
    ちに入れば、これはなんと風雅なことか。
    いまだに電球を取り換えていない。

1/14sat
初茜山の端木々のこまごまと
  (はつあかねやまのはきぎのこまごまと)

侘びの戸に年賀の客の爪の色
  (わびのとにねんがのきゃくのつめのいろ)

笑い初め光と電波越しなれど
  (わらいぞめひかりとでんぱごしなれど)
   ※新年も二週間、早いものだ。今日は個人的な
    お祝い事があったが、生憎の雨模様。夫婦し
    てトンカツを食べてきた。ついでに正月絡み
    の句の整理をした。ほどほどのものは今日一
    斉に掲句して決まりをつけよう。

1/13fri
母親の角巻借りてポストまで
  (ははおやのかくまきかりてぽすとまで)
   ※北海道や雪国の部屋の中、ことにリビングな
    どは温かい。それでちょっとの外出の時など、
    簡単な防寒着に、角巻にくるまって出かける。
    しかしとうに廃れたことだろう。

1/11wed
若のつく郷土力士や寒の入り
  (わかのつくきょうどりきしやかんのいり)
   ※この一年着実に実力をつけている若元春、若
    隆景の兄弟力士は福島県出身。先行している
    のは弟若隆景で関脇で大関を狙っている。兄
    若元春もこの初場所で初の三役入り。ともに、
    地力としぶとさが信条の玄人好みの力士だ。

1/10tue
狐火は都会の闇にこそという
  (きつねびはとかいのやみにこそという)
   ※静謐というのか薄気味悪いと表現すればいい
    のか。コロナ禍のもたらした一種人工的な静
    けさは都会において夥しいという。
    そうかも知れない。人工的な喧騒のすぐ隣に
    現れたのだから。

1/9mon
襟巻し杖つき手にはお裾分け
  (えりまきしつえつきてにはおすそわけ)
   ※日中は温かい一日。団地の普段の夕景が戻っ
    てきたと言いたいところだが、通行のクルマ
    も人も少なくナリを潜めているようだ。これ
    がコロナ以降の普段。まるで正月のようと言
    った方が近いかな?

1/8sun
新年に独り住まいの愁い聞く
  (しんねんにひとりずまいのうれいきく)
   ※健康であれば独居の寂しさも気楽さに紛れる
    のでは? と思うのは外野の勝手な観測らし
    い。あれやこれや想定外の問題、煩わしさが
    襲って来るという。

淡雪や停戦告げりうすき唇
  (あわゆきやていせんつげりうすきくち)

1/6fri
弾初めはYouTubeなり弦低く
  (ひきぞめはゆーちゅーぶなりげんひくく)
   ※せめて正月にはちゃんとレコードをと思って
    いたのだが、この気楽さ、即聴性『どんな曲
    でも各種取り揃えて即座に聴ける』には抗し
    がたい。今年もせいぜいお世話になることだ
    ろう。

1/5thu
世を占う知の巨人とな初テレビ
  (よをうらなうちのきょじんとなはつてれび)

三が日休んで鵙の来て黙す
  (さんがにちやすんでもずのきてもくす)

1/4wed
去年の絵の感想ありて師の賀状
  (こぞのえのかんそうありてしのがじょう)

正月の軸は竹林いつぞやの
  (しょうがつのじくはちくりんいつぞやの)

初夢は何本かごちゃごちゃと無理
  (はつゆめはなんぼんかごちゃごちゃとむり)

1/3tue
正月や奥に鎮座の茶碗出し 
  (しょうがつやおくにちんざのちゃわんだし)

耳ふさぎこの世この日は寝正月 
  (みみふさぎこのよこのひはねしょうがつ)

句を書きて手を懐に寝正月 
  (くをかきててをふところにねしょうがつ)
   ※寝正月とかふてくされようと現実にはちょっ
    といいことに満ちている。正月の空と散歩、
    清新の気分は横溢しているし、ラグビーは早
    大が決勝進出、箱根も多くの人の想定より上
    位でゴールした。

1/2mon
初詣善男善女になりたふて 
  (はつもうでぜんなんぜんにょになりとうて)

線香を膝に賜ひて初観音
  (せんこうをひざにたまいてはつかんのん)

喜寿とても年玉賜ふ気のありて 
  (きじゅとてもとしだまたまうきのありて)

1/1sun
新年の祝詞おぐらき犬友と 
  (しんねんのしゅうしおぐらきいぬともと)

初日の出賀状仕舞いを悔やみおり
  (はつひのでがじょうじまいをくやみおり)
   ※日本海沿いを除いて広く晴れ上がったようだ。
    当地も快晴、朝早く犬の散歩を済ませ、お屠
    蘇の前に近くの観音様に出かけ年始のお参り
    をした。おみくじは大吉、甘酒もいただいた。
    交通安全のお札もゲット。こんなにスムーズ
    な出発は珍しい。

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