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ダクタク2017年8月 ブログトップ

ダクタク句集2017年(平成29年)8月 [ダクタク2017年8月]

8/31thu
病院の 裏手のヤギの 眼が強し
     (びょういんの うらてのやぎの めがつよし)
        ※草を食むヤギに我が家の犬が尻尾を振って近づく。
         痩せてはいても大柄のヤギが悠然と振り向く。犬は
         この一瞬でたじろぐ。おとなしい、やさしい・・・という
         ヤギだが、目と目線は意外と厳しい。

夫婦して テキサスで知る 天地かな
     (ふうふして てきさすでしる てんちかな)
        ※世の中には取引のように相対して始末できないこ
         とがいっぱいある。正義を唱えても、口を極めても、
         多数を募っても、恫喝しても、なんにもならないこと
         が。地球温暖化、異常気象だってそうだ。

8/30wed
甲斐下部 湯に入り絵を描く 友があり    
     (かいしもべ ゆにいりえをかく ともがあり)
        ※同じ教室の友人から長逗留で時々絵を描いていま
         すというメールが届く。何とも優雅で羨ましい。下界
         は今日も暑い。タオルで頭部をおおい、てっぺんを
         水で濡らす。額の部分を折り返して、そこに氷を2
         個入れる。酷暑の部屋の中はいるだけで頭がボー
         ッとなってしまうが、これでスッキリする。門外不出
         の消夏法である。エアコンも不要で、寝転がって読
         書をする・・・。私の夏の風物詩。
         温泉もいいが、まんざら負け惜しみでもない。ただ
         見た目は良くない。優雅とは言えない。

8/29tue
夜店たつ カーバイトの匂い 浴衣かな
     (よみせたつ かーばいとのにおい ゆかたかな)
        ※煌々と明るい夜店が当世流だが、その昔にはカ
         ーバイトの燃える薄明かりが縁日の照明だった。
         その頃か、もっと昔の縁日には夜店に並んで、傷
         痍軍人がアコーディオンを奏でる姿があった。手
         足を失った人が通りを行く人々にお金を入れてく
         れと白い箱を差し出す姿が・・・。ミサイルが北海
         道の上空を飛来し、危機が一段と増したという朝
         の、8月の回想。

8/27sun
秋来ぬと 沙矢香の弦の 響きかな
     (あききぬと さやかのげんの ひびきかな)
        ※庄司紗矢香の比較的新しいYouTube。ヴィバ
         ルディ「四季」のアレンジ版というのも、室内楽
         団を彼女がリードしての演奏というのも面白い。

         YouTube Sayaka Shoji & Polish Chamber Orchestra

         これをアップロードした人のサイト
            「紗矢香」の洪水!! 演奏とインタービュー

8/26sat
簪に 見入る鏡や 夏の午後
     (かんざしに みいるかがみや なつのごご)
        ※このところクレオメの花に見入っている。8/14の
         句は名前を花魁草(おいらんそう)と誤解したま
         まの句で、
         「盆の入り 夕に紅さす 花魁草」
           (ぼんのいり ゆうにべにさす おいらんそう)          
         とした。そのせいで、あの花と「きれいどころ」の
         繋がりから離れられない。お座敷を控えた午後、
         恋しい人に見せる赤い簪をじっと見つめる・・・。

クレオメの 化粧ゆかしや 夏の宵
     (くれおめの けしょうゆかしや なつのよい)
        ※クレオメ(別名)風蝶草の写真
           午前9時                    午後5時
白360-5.jpegクレオメ9時.jpgクレオメ17時.JPG

お座敷へ 路地にさやかな 風蝶草
     (おざしきへ ろじにさやかな ふうちょうそう)

8/25fri
もうちょいで 全国スターの 仲間入り
     (もうちょいで ぜんこくすたーの なかまいり)
        ※昨日の当地は35.5度の猛暑日。午前中には全
         国版のニュースで報道された。しかし一日最高気
         温では選外。館林(群馬)、熊谷(埼玉)、甲府(山
         梨)、多治見(岐阜)、名古屋(愛知)などの全国ス
         ターには遠く及ばなかった。千葉県内でも茂原、牛
         久など上には上がいる。
         まあ明日があるさ・・・。

8/24thu
行く夏や 疲れしムクゲの 花尽きて
     (ゆくなつや つかれしむくげの はなつきて)
        ※7月から2ヶ月近く毎日多くの花をつけてくれた。
         いつも8月終わりで一旦花を休み、9月に再び暫
         くの間開花する。昨日は処暑、とんでもない暑さ
         になった。自然界のこうした植物は変幻きわまり
         ない気候の影響を受けるのだろうが、いつもマイ
         ルドで安心のサイクルを我々に与えてくれる。

8/23wed
ヘルメット 健気に生きる 薄毛かな
     (へるめっと けなげにいきる うすげかな)
        ※近くでNTTの工事をしている。今日は真夏日必至
         の暑さである。若いけれども、髪の毛は当方並み
         の人が高所作業中だ。

8/22tue
夏惑い 待たず窓辺の 白むのを
     (なつまどい またずまどべの しらむのを)
        ※朝方、真っ暗なうちに目が覚めると、パタッと目
         が冴えてしまって眠れないことが多い。あせる必
         要もない・・・深夜の惑いを楽しもう。朝が来るま
         で。空が白むまでには時間がたっぷりある。

これもまあ 昼夜逆転 親に似て
     (これもまあ ちゅうやぎゃくてん おやににて)
        ※生前の父親は睡眠薬の常用が高じて、70歳代
         の一時期睡眠が全くおかしくなった。昼夜逆転は
         結局一日中の体調不良となった。親に似てとも思
         うが、幸い息子の方は一過性でかつ軽度だ。
         なにせ・・・犬が待ってる。犬を飼うということは若
         い頃なら別だが、今は様々な意味で大きな物理
         的な制約を受ける。

8/20sun
夏の朝 犬吠えるまで なにもせず
     (なつのあさ いぬほえるまで なにもせず)
        ※昨夜の関東地方の雷と豪雨、当地も激しかった。
         すっかり止むまで夕方の散歩を順延していたら、
         夜の9時過ぎになった。
         不安定な天気は今日も続くらしいが、今朝はたっ
         ぷり朝寝と洒落込む。犬とのルーティンから解放
         される、滅多にない幸せ・・・。今朝も涼しい。

8/19sat
首の裏 理由もなく痒い 夏の夜
     (くびのうら わけもなくかゆい なつのよる)
        ※初めは虫刺されを疑った。まさかダニ? 二三日
         たっても続く。猛烈に痒くなることも。しかし場所が
         首の後ろだけなのが不思議。そしてボツボツが出
         来、大きくなる。一週間たってとうとう皮膚科に行
         った。
         虫なんかではなく、髪の毛や襟の擦れ、汗かきな
         どが直接の原因だという。普段は大丈夫でも寝不
         足や体力減退が抗体不足につながり発症する、と
         も。副腎皮質ホルモンのステロイド系塗り薬で様子
         を見ることになった。
         あの原因不明の頑固な痒みが・・・なんのことはな
         い、薬1日で90%の症状が消えた。3日で完治。

8/18fri
月見草 冷夏の末に 日差しあり
     (つきみそう れいかのすえに ひざしあり)

鶏頭や 塀を越えるは 九月より 
     (けいとうや へいをこえるは くがつより)
        ※当地は今日十何日かぶりに太陽がまともな顔を
         見せた。頭が多少ボーッとしようが、やっぱり夏は
         この方が良い。

8/17thu
稲刈りや 盆明けの目は 引き締まり
     (いねかりや ぼんあけのめは ひきしまり)
        ※当地のコシヒカリの刈り入れは例年盆明けすぐ。
         しかし今年は8月に入って日照が著しく不足して、
         例年の半分以下とか。肝心の品質に影響する。
         稲の生育状況と今後の天気予報の両にらみで、
         緊張が続く。

8/16wed
夏暑く 国一色の 時ありて
     (なつあつく くにいっしょくの ときありて)
        ※国民が一つの方向に染まる。異論を排除し、一糸
         乱れぬ熱さに浮かれる。一党独裁、監視社会、我
         慢強制、精神主義、大政翼賛・・・そうした国の末
         路は? 
         一国がことあるごとに二つに分断されるのも困る。
         こちらは末路に到達しない危険性があるから。

8/15tue
墓地を掃く 少女なりけり 盆の朝
     (ぼちをはく しょうじょなりけり ぼんのあさ)
        ※早朝墓参の人はまだ殆どいない。静寂。墓地の
         通路を掃除していたのは、いつも見かける寺の人
         ではなく、作業の服装を整えた若い女性だった。

8/14mon
盆の入り 夕に紅さす 花魁草
     (ぼんのいり ゆうにべにさす おいらんそう)
        ※ピンクの可憐な花々にかんざしのような細いツル
         を伸ばした花魁草は、夕方になると蕾が真っ赤に
         見えて、色合いが増す。
         故人をしのぶ迎え日の気持ちは、恋しい人を待っ
         て紅をさす花魁の切ない思いに通じるものがある
         ・・・。
         (実は実は花魁草というのは別の花で、長い間勘
          違いしていた。今日句にした花は「クレオメ」が
          本名らしい。別名「風蝶草」、「酔蝶花」とか)

8/13sun
迎え火は 焚かないけれど 門で待つ
     (むかえびは たかないけれど もんでまつ)
        ※昨日受け取った電報に返電した。
         今日13日は月遅れのお盆の盆入り(迎え日)。

チッキ便 手ぶら嬉しや 盆帰郷
     (ちっきびん てぶらうれしや ぼんききょう)
        ※かなり前、在来線で帰郷していた頃の回想。
         国鉄で切符を見せると小荷物を低料金で預けるこ
         とが出来た。家までの託送にするか、到着駅の窓
         口で受け取る。今なら宅急便。

故郷にはあらねど 関を越えてより
     (こきょうにはあらねど せきをこえてより)
        ※上野~会津若松間は当時の準急とかで5時間ほ
         どかかった。那須連山を左手に見て県境を越えて
         白河に到着すると、もう故郷に帰ってきたという感
         じがしたものだった。

8/12sat
新盆で 上に居残るは 嫌と言う
     (にいぼんで うえにいのこるは いやという) 
        ※この春に死んだ弟は家庭を持たなかった。お盆で
         どこに帰ったらいいのか? 問い合わせの電報が
         来た。

8/11fri
制覇の夢 魔の九回に 潰え去り
     (せいはのゆめ まのきゅうかいに ついえさり)
        ※団地の一角にある木更津総合高が昨年に続き、
         甲子園に出場。昨年以上の快進撃を期待した。大
         量リードの余裕の顔が次第に引きつってきた。 そ
         れから・・・。

8/10thu
誉めそやせ 説教と小言は 今や死語
     (ほめそやせ せっきょうとこごとは いまやしご)
        ※大卒就職市場は堅調が続く。一方で大卒就職者の
         うち、一年以内の退職組は30%近くを占めるとか。
         自分の道に向かって目先の修正も臆せずに、という
         のか? それとも社会人なりたて期のインパクトにさ
         え耐え切れないのか? いずれにしても想像力の欠
         如・・・。

8/9wed
長崎の空 絶対悪という響き
      (ながさきのそら ぜったいあくというひびき)
        ※今日9日は長崎原爆の日。

8/8tue
夏野菜 この新鮮さを 描き切る
     (なつやさい このしんせんさを えがききる)
        ※水彩画の会の例会があり、担当であったので、我
         が家の夏野菜を画材に選び持参した。野菜は自慢
         できるが、描くほうは・・・? でも頑張る。

夏野菜 食べるほどには 味わえず
     (なつやさい たべるほどには あじわえず)
        ※意気込みほどには・・・。

新聞で くるむ野菜の 昭和かな
     (しんぶんで くるむやさいの しょうわかな)
        ※今季の畑で自慢の作は「小玉スイカ」。これを新
         聞紙でくるむ。設定も新聞紙の上にズッキーニ、
         トウモロコシ、ゴーヤ、ナス、トマトを配し、傍らに
         麦わら帽子を添えた。
         野趣あふれる昭和の畑のイメージ。

8/7mon
房総で 半世紀続く 炭坑節
     (ぼうそうで はんせいきつづく たんこうぶし)
        ※昭和40年代に製鉄会社が君津市に進出、操業開
         始。当時、北九州市等から多くの社員、家族、関連
         会社関係者が大挙して移住してきた。それからザッ
         と50年近く、木更津市や君津市の各町内の盆踊り
         大会では今でも「炭坑節」が主役の一つである。景
         気の良い、この歌と踊りが移住者の望郷の思いを
         慰めてくれた。

盆踊り 帰りはスイカの 賞品と
     (ぼんおどり かえりはすいかの しょうひんと)
        ※優秀な踊り手に与えられる賞品? いや、そうで
         はない。盆踊り大会の今時の売りは「抽選会」で
         ある。これがあるから、年寄りも若者も集まる。
         長らくクジ運に恵まれなかったが、今年は二等賞
         のスイカが当たった。

8/6sun
原爆忌 朝一番の 草むしり
     (げんばくき あさいちばんの けさむしり)
        ※暑さがもどってきて、今日の広島原爆記念日。朝の
         うち日陰で庭仕事をする。家の中から記念式典を伝
         えるラジオの音が・・・。

8/5sat
犬の尾が 近道選び 日陰行く
     (いぬのおが ちかみちえらび ひかげいく)
        ※関東地方南部は雨の降らぬ梅雨が明けて、今度は
         連日涼しい日の連続。しかし今日あたりから真夏の
         日差しが戻ってくる。高原の涼しさに馴れた身には、
         少しの暑さがこたえる。

8/4fri
小気味よく 聖子はやはり カンナ花
     (こきみよく せいこはやはり かんなばな)
        ※安倍首相が人心一新での再スタートを図った改造
         内閣。深く頭を垂れ謝罪した心を国民はどう感じた
         か? 野田聖子は赤いカンナの花、かなり昔から
         買っている。

太郎行く 発信期待で しゃべり過ぎ
     (たろういく はっしんきたいで しゃべりすぎ)
        ※まだタロウクンという感じ。大向うを意識せず、もの
         を考える政治家になれれば・・・。

大臣に はずれ天下の 秋を知る
     (だいじんに はずれてんかの あきをしる)
        ※入閣待望組は多かったが、経験者優先の安定志
         向組閣となったから、はずれ組は肩を落としている。
         もともと順番で登用されるはずもない現代である。
         もうすぐ立秋。

8/2wed
イタリアの 食卓つねに 白き布
     (いたりあの しょくたくつねに しろきぬの)
        ※母親を大切にする。一家揃っての食事を大切にす
         る。食卓の白いテーブルカバーを毎回セットする。
         面倒くさがって、つい疎かにしがちな我々日本人。
         その疎かが習慣になってしまっている。
         「イタリア小さな村の物語」(BS日テレ・東芝提供)
         を見てて、そう思う。イタリア、もっと好きになる。
         いい番組だねェ。東芝意外と大丈夫かも。

8/1tue
起きがけの 景色ふらつく 夏の窓
     (おきがけの けしきふらつく なつのまど)
        ※おかげさまで健康な日々を過ごしているが、体調
         が良くないこともある。今朝のめまいは滅多にない
         ことなのでびっくりした。「あれー?・・・なんだろう、
         これ」と思った。すぐに止んだが、少し心配になる。
         体力? 毎朝+2時間のサマータイムを始めてから
         半月。その分は主に睡眠時間を削っているから、
         「やや不調」の自覚があった・・・。

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