ダクタク句集2017年(平成29年)8月 [ダクタク2017年8月]
8/31thu
病院の 裏手のヤギの 眼が強し
(びょういんの うらてのやぎの めがつよし)
※草を食むヤギに我が家の犬が尻尾を振って近づく。
痩せてはいても大柄のヤギが悠然と振り向く。犬は
この一瞬でたじろぐ。おとなしい、やさしい・・・という
ヤギだが、目と目線は意外と厳しい。
夫婦して テキサスで知る 天地かな
(ふうふして てきさすでしる てんちかな)
※世の中には取引のように相対して始末できないこ
とがいっぱいある。正義を唱えても、口を極めても、
多数を募っても、恫喝しても、なんにもならないこと
が。地球温暖化、異常気象だってそうだ。
8/30wed
甲斐下部 湯に入り絵を描く 友があり
(かいしもべ ゆにいりえをかく ともがあり)
※同じ教室の友人から長逗留で時々絵を描いていま
すというメールが届く。何とも優雅で羨ましい。下界
は今日も暑い。タオルで頭部をおおい、てっぺんを
水で濡らす。額の部分を折り返して、そこに氷を2
個入れる。酷暑の部屋の中はいるだけで頭がボー
ッとなってしまうが、これでスッキリする。門外不出
の消夏法である。エアコンも不要で、寝転がって読
書をする・・・。私の夏の風物詩。
温泉もいいが、まんざら負け惜しみでもない。ただ
見た目は良くない。優雅とは言えない。
8/29tue
夜店たつ カーバイトの匂い 浴衣かな
(よみせたつ かーばいとのにおい ゆかたかな)
※煌々と明るい夜店が当世流だが、その昔にはカ
ーバイトの燃える薄明かりが縁日の照明だった。
その頃か、もっと昔の縁日には夜店に並んで、傷
痍軍人がアコーディオンを奏でる姿があった。手
足を失った人が通りを行く人々にお金を入れてく
れと白い箱を差し出す姿が・・・。ミサイルが北海
道の上空を飛来し、危機が一段と増したという朝
の、8月の回想。
8/27sun
秋来ぬと 沙矢香の弦の 響きかな
(あききぬと さやかのげんの ひびきかな)
※庄司紗矢香の比較的新しいYouTube。ヴィバ
ルディ「四季」のアレンジ版というのも、室内楽
団を彼女がリードしての演奏というのも面白い。
YouTube Sayaka Shoji & Polish Chamber Orchestra
これをアップロードした人のサイト
「紗矢香」の洪水!! 演奏とインタービュー
8/26sat
簪に 見入る鏡や 夏の午後
(かんざしに みいるかがみや なつのごご)
※このところクレオメの花に見入っている。8/14の
句は名前を花魁草(おいらんそう)と誤解したま
まの句で、
「盆の入り 夕に紅さす 花魁草」
(ぼんのいり ゆうにべにさす おいらんそう)
とした。そのせいで、あの花と「きれいどころ」の
繋がりから離れられない。お座敷を控えた午後、
恋しい人に見せる赤い簪をじっと見つめる・・・。
クレオメの 化粧ゆかしや 夏の宵
(くれおめの けしょうゆかしや なつのよい)
※クレオメ(別名)風蝶草の写真
午前9時 午後5時
お座敷へ 路地にさやかな 風蝶草
(おざしきへ ろじにさやかな ふうちょうそう)
8/25fri
もうちょいで 全国スターの 仲間入り
(もうちょいで ぜんこくすたーの なかまいり)
※昨日の当地は35.5度の猛暑日。午前中には全
国版のニュースで報道された。しかし一日最高気
温では選外。館林(群馬)、熊谷(埼玉)、甲府(山
梨)、多治見(岐阜)、名古屋(愛知)などの全国ス
ターには遠く及ばなかった。千葉県内でも茂原、牛
久など上には上がいる。
まあ明日があるさ・・・。
8/24thu
行く夏や 疲れしムクゲの 花尽きて
(ゆくなつや つかれしむくげの はなつきて)
※7月から2ヶ月近く毎日多くの花をつけてくれた。
いつも8月終わりで一旦花を休み、9月に再び暫
くの間開花する。昨日は処暑、とんでもない暑さ
になった。自然界のこうした植物は変幻きわまり
ない気候の影響を受けるのだろうが、いつもマイ
ルドで安心のサイクルを我々に与えてくれる。
8/23wed
ヘルメット 健気に生きる 薄毛かな
(へるめっと けなげにいきる うすげかな)
※近くでNTTの工事をしている。今日は真夏日必至
の暑さである。若いけれども、髪の毛は当方並み
の人が高所作業中だ。
8/22tue
夏惑い 待たず窓辺の 白むのを
(なつまどい またずまどべの しらむのを)
※朝方、真っ暗なうちに目が覚めると、パタッと目
が冴えてしまって眠れないことが多い。あせる必
要もない・・・深夜の惑いを楽しもう。朝が来るま
で。空が白むまでには時間がたっぷりある。
これもまあ 昼夜逆転 親に似て
(これもまあ ちゅうやぎゃくてん おやににて)
※生前の父親は睡眠薬の常用が高じて、70歳代
の一時期睡眠が全くおかしくなった。昼夜逆転は
結局一日中の体調不良となった。親に似てとも思
うが、幸い息子の方は一過性でかつ軽度だ。
なにせ・・・犬が待ってる。犬を飼うということは若
い頃なら別だが、今は様々な意味で大きな物理
的な制約を受ける。
8/20sun
夏の朝 犬吠えるまで なにもせず
(なつのあさ いぬほえるまで なにもせず)
※昨夜の関東地方の雷と豪雨、当地も激しかった。
すっかり止むまで夕方の散歩を順延していたら、
夜の9時過ぎになった。
不安定な天気は今日も続くらしいが、今朝はたっ
ぷり朝寝と洒落込む。犬とのルーティンから解放
される、滅多にない幸せ・・・。今朝も涼しい。
8/19sat
首の裏 理由もなく痒い 夏の夜
(くびのうら わけもなくかゆい なつのよる)
※初めは虫刺されを疑った。まさかダニ? 二三日
たっても続く。猛烈に痒くなることも。しかし場所が
首の後ろだけなのが不思議。そしてボツボツが出
来、大きくなる。一週間たってとうとう皮膚科に行
った。
虫なんかではなく、髪の毛や襟の擦れ、汗かきな
どが直接の原因だという。普段は大丈夫でも寝不
足や体力減退が抗体不足につながり発症する、と
も。副腎皮質ホルモンのステロイド系塗り薬で様子
を見ることになった。
あの原因不明の頑固な痒みが・・・なんのことはな
い、薬1日で90%の症状が消えた。3日で完治。
8/18fri
月見草 冷夏の末に 日差しあり
(つきみそう れいかのすえに ひざしあり)
鶏頭や 塀を越えるは 九月より
(けいとうや へいをこえるは くがつより)
※当地は今日十何日かぶりに太陽がまともな顔を
見せた。頭が多少ボーッとしようが、やっぱり夏は
この方が良い。
8/17thu
稲刈りや 盆明けの目は 引き締まり
(いねかりや ぼんあけのめは ひきしまり)
※当地のコシヒカリの刈り入れは例年盆明けすぐ。
しかし今年は8月に入って日照が著しく不足して、
例年の半分以下とか。肝心の品質に影響する。
稲の生育状況と今後の天気予報の両にらみで、
緊張が続く。
8/16wed
夏暑く 国一色の 時ありて
(なつあつく くにいっしょくの ときありて)
※国民が一つの方向に染まる。異論を排除し、一糸
乱れぬ熱さに浮かれる。一党独裁、監視社会、我
慢強制、精神主義、大政翼賛・・・そうした国の末
路は?
一国がことあるごとに二つに分断されるのも困る。
こちらは末路に到達しない危険性があるから。
8/15tue
墓地を掃く 少女なりけり 盆の朝
(ぼちをはく しょうじょなりけり ぼんのあさ)
※早朝墓参の人はまだ殆どいない。静寂。墓地の
通路を掃除していたのは、いつも見かける寺の人
ではなく、作業の服装を整えた若い女性だった。
8/14mon
盆の入り 夕に紅さす 花魁草
(ぼんのいり ゆうにべにさす おいらんそう)
※ピンクの可憐な花々にかんざしのような細いツル
を伸ばした花魁草は、夕方になると蕾が真っ赤に
見えて、色合いが増す。
故人をしのぶ迎え日の気持ちは、恋しい人を待っ
て紅をさす花魁の切ない思いに通じるものがある
・・・。
(実は実は花魁草というのは別の花で、長い間勘
違いしていた。今日句にした花は「クレオメ」が
本名らしい。別名「風蝶草」、「酔蝶花」とか)
8/13sun
迎え火は 焚かないけれど 門で待つ
(むかえびは たかないけれど もんでまつ)
※昨日受け取った電報に返電した。
今日13日は月遅れのお盆の盆入り(迎え日)。
チッキ便 手ぶら嬉しや 盆帰郷
(ちっきびん てぶらうれしや ぼんききょう)
※かなり前、在来線で帰郷していた頃の回想。
国鉄で切符を見せると小荷物を低料金で預けるこ
とが出来た。家までの託送にするか、到着駅の窓
口で受け取る。今なら宅急便。
故郷にはあらねど 関を越えてより
(こきょうにはあらねど せきをこえてより)
※上野~会津若松間は当時の準急とかで5時間ほ
どかかった。那須連山を左手に見て県境を越えて
白河に到着すると、もう故郷に帰ってきたという感
じがしたものだった。
8/12sat
新盆で 上に居残るは 嫌と言う
(にいぼんで うえにいのこるは いやという)
※この春に死んだ弟は家庭を持たなかった。お盆で
どこに帰ったらいいのか? 問い合わせの電報が
来た。
8/11fri
制覇の夢 魔の九回に 潰え去り
(せいはのゆめ まのきゅうかいに ついえさり)
※団地の一角にある木更津総合高が昨年に続き、
甲子園に出場。昨年以上の快進撃を期待した。大
量リードの余裕の顔が次第に引きつってきた。 そ
れから・・・。
8/10thu
誉めそやせ 説教と小言は 今や死語
(ほめそやせ せっきょうとこごとは いまやしご)
※大卒就職市場は堅調が続く。一方で大卒就職者の
うち、一年以内の退職組は30%近くを占めるとか。
自分の道に向かって目先の修正も臆せずに、という
のか? それとも社会人なりたて期のインパクトにさ
え耐え切れないのか? いずれにしても想像力の欠
如・・・。
8/9wed
長崎の空 絶対悪という響き
(ながさきのそら ぜったいあくというひびき)
※今日9日は長崎原爆の日。
8/8tue
夏野菜 この新鮮さを 描き切る
(なつやさい このしんせんさを えがききる)
※水彩画の会の例会があり、担当であったので、我
が家の夏野菜を画材に選び持参した。野菜は自慢
できるが、描くほうは・・・? でも頑張る。
夏野菜 食べるほどには 味わえず
(なつやさい たべるほどには あじわえず)
※意気込みほどには・・・。
新聞で くるむ野菜の 昭和かな
(しんぶんで くるむやさいの しょうわかな)
※今季の畑で自慢の作は「小玉スイカ」。これを新
聞紙でくるむ。設定も新聞紙の上にズッキーニ、
トウモロコシ、ゴーヤ、ナス、トマトを配し、傍らに
麦わら帽子を添えた。
野趣あふれる昭和の畑のイメージ。
8/7mon
房総で 半世紀続く 炭坑節
(ぼうそうで はんせいきつづく たんこうぶし)
※昭和40年代に製鉄会社が君津市に進出、操業開
始。当時、北九州市等から多くの社員、家族、関連
会社関係者が大挙して移住してきた。それからザッ
と50年近く、木更津市や君津市の各町内の盆踊り
大会では今でも「炭坑節」が主役の一つである。景
気の良い、この歌と踊りが移住者の望郷の思いを
慰めてくれた。
盆踊り 帰りはスイカの 賞品と
(ぼんおどり かえりはすいかの しょうひんと)
※優秀な踊り手に与えられる賞品? いや、そうで
はない。盆踊り大会の今時の売りは「抽選会」で
ある。これがあるから、年寄りも若者も集まる。
長らくクジ運に恵まれなかったが、今年は二等賞
のスイカが当たった。
8/6sun
原爆忌 朝一番の 草むしり
(げんばくき あさいちばんの けさむしり)
※暑さがもどってきて、今日の広島原爆記念日。朝の
うち日陰で庭仕事をする。家の中から記念式典を伝
えるラジオの音が・・・。
8/5sat
犬の尾が 近道選び 日陰行く
(いぬのおが ちかみちえらび ひかげいく)
※関東地方南部は雨の降らぬ梅雨が明けて、今度は
連日涼しい日の連続。しかし今日あたりから真夏の
日差しが戻ってくる。高原の涼しさに馴れた身には、
少しの暑さがこたえる。
8/4fri
小気味よく 聖子はやはり カンナ花
(こきみよく せいこはやはり かんなばな)
※安倍首相が人心一新での再スタートを図った改造
内閣。深く頭を垂れ謝罪した心を国民はどう感じた
か? 野田聖子は赤いカンナの花、かなり昔から
買っている。
太郎行く 発信期待で しゃべり過ぎ
(たろういく はっしんきたいで しゃべりすぎ)
※まだタロウクンという感じ。大向うを意識せず、もの
を考える政治家になれれば・・・。
大臣に はずれ天下の 秋を知る
(だいじんに はずれてんかの あきをしる)
※入閣待望組は多かったが、経験者優先の安定志
向組閣となったから、はずれ組は肩を落としている。
もともと順番で登用されるはずもない現代である。
もうすぐ立秋。
8/2wed
イタリアの 食卓つねに 白き布
(いたりあの しょくたくつねに しろきぬの)
※母親を大切にする。一家揃っての食事を大切にす
る。食卓の白いテーブルカバーを毎回セットする。
面倒くさがって、つい疎かにしがちな我々日本人。
その疎かが習慣になってしまっている。
「イタリア小さな村の物語」(BS日テレ・東芝提供)
を見てて、そう思う。イタリア、もっと好きになる。
いい番組だねェ。東芝意外と大丈夫かも。
8/1tue
起きがけの 景色ふらつく 夏の窓
(おきがけの けしきふらつく なつのまど)
※おかげさまで健康な日々を過ごしているが、体調
が良くないこともある。今朝のめまいは滅多にない
ことなのでびっくりした。「あれー?・・・なんだろう、
これ」と思った。すぐに止んだが、少し心配になる。
体力? 毎朝+2時間のサマータイムを始めてから
半月。その分は主に睡眠時間を削っているから、
「やや不調」の自覚があった・・・。
病院の 裏手のヤギの 眼が強し
(びょういんの うらてのやぎの めがつよし)
※草を食むヤギに我が家の犬が尻尾を振って近づく。
痩せてはいても大柄のヤギが悠然と振り向く。犬は
この一瞬でたじろぐ。おとなしい、やさしい・・・という
ヤギだが、目と目線は意外と厳しい。
夫婦して テキサスで知る 天地かな
(ふうふして てきさすでしる てんちかな)
※世の中には取引のように相対して始末できないこ
とがいっぱいある。正義を唱えても、口を極めても、
多数を募っても、恫喝しても、なんにもならないこと
が。地球温暖化、異常気象だってそうだ。
8/30wed
甲斐下部 湯に入り絵を描く 友があり
(かいしもべ ゆにいりえをかく ともがあり)
※同じ教室の友人から長逗留で時々絵を描いていま
すというメールが届く。何とも優雅で羨ましい。下界
は今日も暑い。タオルで頭部をおおい、てっぺんを
水で濡らす。額の部分を折り返して、そこに氷を2
個入れる。酷暑の部屋の中はいるだけで頭がボー
ッとなってしまうが、これでスッキリする。門外不出
の消夏法である。エアコンも不要で、寝転がって読
書をする・・・。私の夏の風物詩。
温泉もいいが、まんざら負け惜しみでもない。ただ
見た目は良くない。優雅とは言えない。
8/29tue
夜店たつ カーバイトの匂い 浴衣かな
(よみせたつ かーばいとのにおい ゆかたかな)
※煌々と明るい夜店が当世流だが、その昔にはカ
ーバイトの燃える薄明かりが縁日の照明だった。
その頃か、もっと昔の縁日には夜店に並んで、傷
痍軍人がアコーディオンを奏でる姿があった。手
足を失った人が通りを行く人々にお金を入れてく
れと白い箱を差し出す姿が・・・。ミサイルが北海
道の上空を飛来し、危機が一段と増したという朝
の、8月の回想。
8/27sun
秋来ぬと 沙矢香の弦の 響きかな
(あききぬと さやかのげんの ひびきかな)
※庄司紗矢香の比較的新しいYouTube。ヴィバ
ルディ「四季」のアレンジ版というのも、室内楽
団を彼女がリードしての演奏というのも面白い。
YouTube Sayaka Shoji & Polish Chamber Orchestra
これをアップロードした人のサイト
「紗矢香」の洪水!! 演奏とインタービュー
8/26sat
簪に 見入る鏡や 夏の午後
(かんざしに みいるかがみや なつのごご)
※このところクレオメの花に見入っている。8/14の
句は名前を花魁草(おいらんそう)と誤解したま
まの句で、
「盆の入り 夕に紅さす 花魁草」
(ぼんのいり ゆうにべにさす おいらんそう)
とした。そのせいで、あの花と「きれいどころ」の
繋がりから離れられない。お座敷を控えた午後、
恋しい人に見せる赤い簪をじっと見つめる・・・。
クレオメの 化粧ゆかしや 夏の宵
(くれおめの けしょうゆかしや なつのよい)
※クレオメ(別名)風蝶草の写真
午前9時 午後5時
お座敷へ 路地にさやかな 風蝶草
(おざしきへ ろじにさやかな ふうちょうそう)
8/25fri
もうちょいで 全国スターの 仲間入り
(もうちょいで ぜんこくすたーの なかまいり)
※昨日の当地は35.5度の猛暑日。午前中には全
国版のニュースで報道された。しかし一日最高気
温では選外。館林(群馬)、熊谷(埼玉)、甲府(山
梨)、多治見(岐阜)、名古屋(愛知)などの全国ス
ターには遠く及ばなかった。千葉県内でも茂原、牛
久など上には上がいる。
まあ明日があるさ・・・。
8/24thu
行く夏や 疲れしムクゲの 花尽きて
(ゆくなつや つかれしむくげの はなつきて)
※7月から2ヶ月近く毎日多くの花をつけてくれた。
いつも8月終わりで一旦花を休み、9月に再び暫
くの間開花する。昨日は処暑、とんでもない暑さ
になった。自然界のこうした植物は変幻きわまり
ない気候の影響を受けるのだろうが、いつもマイ
ルドで安心のサイクルを我々に与えてくれる。
8/23wed
ヘルメット 健気に生きる 薄毛かな
(へるめっと けなげにいきる うすげかな)
※近くでNTTの工事をしている。今日は真夏日必至
の暑さである。若いけれども、髪の毛は当方並み
の人が高所作業中だ。
8/22tue
夏惑い 待たず窓辺の 白むのを
(なつまどい またずまどべの しらむのを)
※朝方、真っ暗なうちに目が覚めると、パタッと目
が冴えてしまって眠れないことが多い。あせる必
要もない・・・深夜の惑いを楽しもう。朝が来るま
で。空が白むまでには時間がたっぷりある。
これもまあ 昼夜逆転 親に似て
(これもまあ ちゅうやぎゃくてん おやににて)
※生前の父親は睡眠薬の常用が高じて、70歳代
の一時期睡眠が全くおかしくなった。昼夜逆転は
結局一日中の体調不良となった。親に似てとも思
うが、幸い息子の方は一過性でかつ軽度だ。
なにせ・・・犬が待ってる。犬を飼うということは若
い頃なら別だが、今は様々な意味で大きな物理
的な制約を受ける。
8/20sun
夏の朝 犬吠えるまで なにもせず
(なつのあさ いぬほえるまで なにもせず)
※昨夜の関東地方の雷と豪雨、当地も激しかった。
すっかり止むまで夕方の散歩を順延していたら、
夜の9時過ぎになった。
不安定な天気は今日も続くらしいが、今朝はたっ
ぷり朝寝と洒落込む。犬とのルーティンから解放
される、滅多にない幸せ・・・。今朝も涼しい。
8/19sat
首の裏 理由もなく痒い 夏の夜
(くびのうら わけもなくかゆい なつのよる)
※初めは虫刺されを疑った。まさかダニ? 二三日
たっても続く。猛烈に痒くなることも。しかし場所が
首の後ろだけなのが不思議。そしてボツボツが出
来、大きくなる。一週間たってとうとう皮膚科に行
った。
虫なんかではなく、髪の毛や襟の擦れ、汗かきな
どが直接の原因だという。普段は大丈夫でも寝不
足や体力減退が抗体不足につながり発症する、と
も。副腎皮質ホルモンのステロイド系塗り薬で様子
を見ることになった。
あの原因不明の頑固な痒みが・・・なんのことはな
い、薬1日で90%の症状が消えた。3日で完治。
8/18fri
月見草 冷夏の末に 日差しあり
(つきみそう れいかのすえに ひざしあり)
鶏頭や 塀を越えるは 九月より
(けいとうや へいをこえるは くがつより)
※当地は今日十何日かぶりに太陽がまともな顔を
見せた。頭が多少ボーッとしようが、やっぱり夏は
この方が良い。
8/17thu
稲刈りや 盆明けの目は 引き締まり
(いねかりや ぼんあけのめは ひきしまり)
※当地のコシヒカリの刈り入れは例年盆明けすぐ。
しかし今年は8月に入って日照が著しく不足して、
例年の半分以下とか。肝心の品質に影響する。
稲の生育状況と今後の天気予報の両にらみで、
緊張が続く。
8/16wed
夏暑く 国一色の 時ありて
(なつあつく くにいっしょくの ときありて)
※国民が一つの方向に染まる。異論を排除し、一糸
乱れぬ熱さに浮かれる。一党独裁、監視社会、我
慢強制、精神主義、大政翼賛・・・そうした国の末
路は?
一国がことあるごとに二つに分断されるのも困る。
こちらは末路に到達しない危険性があるから。
8/15tue
墓地を掃く 少女なりけり 盆の朝
(ぼちをはく しょうじょなりけり ぼんのあさ)
※早朝墓参の人はまだ殆どいない。静寂。墓地の
通路を掃除していたのは、いつも見かける寺の人
ではなく、作業の服装を整えた若い女性だった。
8/14mon
盆の入り 夕に紅さす 花魁草
(ぼんのいり ゆうにべにさす おいらんそう)
※ピンクの可憐な花々にかんざしのような細いツル
を伸ばした花魁草は、夕方になると蕾が真っ赤に
見えて、色合いが増す。
故人をしのぶ迎え日の気持ちは、恋しい人を待っ
て紅をさす花魁の切ない思いに通じるものがある
・・・。
(実は実は花魁草というのは別の花で、長い間勘
違いしていた。今日句にした花は「クレオメ」が
本名らしい。別名「風蝶草」、「酔蝶花」とか)
8/13sun
迎え火は 焚かないけれど 門で待つ
(むかえびは たかないけれど もんでまつ)
※昨日受け取った電報に返電した。
今日13日は月遅れのお盆の盆入り(迎え日)。
チッキ便 手ぶら嬉しや 盆帰郷
(ちっきびん てぶらうれしや ぼんききょう)
※かなり前、在来線で帰郷していた頃の回想。
国鉄で切符を見せると小荷物を低料金で預けるこ
とが出来た。家までの託送にするか、到着駅の窓
口で受け取る。今なら宅急便。
故郷にはあらねど 関を越えてより
(こきょうにはあらねど せきをこえてより)
※上野~会津若松間は当時の準急とかで5時間ほ
どかかった。那須連山を左手に見て県境を越えて
白河に到着すると、もう故郷に帰ってきたという感
じがしたものだった。
8/12sat
新盆で 上に居残るは 嫌と言う
(にいぼんで うえにいのこるは いやという)
※この春に死んだ弟は家庭を持たなかった。お盆で
どこに帰ったらいいのか? 問い合わせの電報が
来た。
8/11fri
制覇の夢 魔の九回に 潰え去り
(せいはのゆめ まのきゅうかいに ついえさり)
※団地の一角にある木更津総合高が昨年に続き、
甲子園に出場。昨年以上の快進撃を期待した。大
量リードの余裕の顔が次第に引きつってきた。 そ
れから・・・。
8/10thu
誉めそやせ 説教と小言は 今や死語
(ほめそやせ せっきょうとこごとは いまやしご)
※大卒就職市場は堅調が続く。一方で大卒就職者の
うち、一年以内の退職組は30%近くを占めるとか。
自分の道に向かって目先の修正も臆せずに、という
のか? それとも社会人なりたて期のインパクトにさ
え耐え切れないのか? いずれにしても想像力の欠
如・・・。
8/9wed
長崎の空 絶対悪という響き
(ながさきのそら ぜったいあくというひびき)
※今日9日は長崎原爆の日。
8/8tue
夏野菜 この新鮮さを 描き切る
(なつやさい このしんせんさを えがききる)
※水彩画の会の例会があり、担当であったので、我
が家の夏野菜を画材に選び持参した。野菜は自慢
できるが、描くほうは・・・? でも頑張る。
夏野菜 食べるほどには 味わえず
(なつやさい たべるほどには あじわえず)
※意気込みほどには・・・。
新聞で くるむ野菜の 昭和かな
(しんぶんで くるむやさいの しょうわかな)
※今季の畑で自慢の作は「小玉スイカ」。これを新
聞紙でくるむ。設定も新聞紙の上にズッキーニ、
トウモロコシ、ゴーヤ、ナス、トマトを配し、傍らに
麦わら帽子を添えた。
野趣あふれる昭和の畑のイメージ。
8/7mon
房総で 半世紀続く 炭坑節
(ぼうそうで はんせいきつづく たんこうぶし)
※昭和40年代に製鉄会社が君津市に進出、操業開
始。当時、北九州市等から多くの社員、家族、関連
会社関係者が大挙して移住してきた。それからザッ
と50年近く、木更津市や君津市の各町内の盆踊り
大会では今でも「炭坑節」が主役の一つである。景
気の良い、この歌と踊りが移住者の望郷の思いを
慰めてくれた。
盆踊り 帰りはスイカの 賞品と
(ぼんおどり かえりはすいかの しょうひんと)
※優秀な踊り手に与えられる賞品? いや、そうで
はない。盆踊り大会の今時の売りは「抽選会」で
ある。これがあるから、年寄りも若者も集まる。
長らくクジ運に恵まれなかったが、今年は二等賞
のスイカが当たった。
8/6sun
原爆忌 朝一番の 草むしり
(げんばくき あさいちばんの けさむしり)
※暑さがもどってきて、今日の広島原爆記念日。朝の
うち日陰で庭仕事をする。家の中から記念式典を伝
えるラジオの音が・・・。
8/5sat
犬の尾が 近道選び 日陰行く
(いぬのおが ちかみちえらび ひかげいく)
※関東地方南部は雨の降らぬ梅雨が明けて、今度は
連日涼しい日の連続。しかし今日あたりから真夏の
日差しが戻ってくる。高原の涼しさに馴れた身には、
少しの暑さがこたえる。
8/4fri
小気味よく 聖子はやはり カンナ花
(こきみよく せいこはやはり かんなばな)
※安倍首相が人心一新での再スタートを図った改造
内閣。深く頭を垂れ謝罪した心を国民はどう感じた
か? 野田聖子は赤いカンナの花、かなり昔から
買っている。
太郎行く 発信期待で しゃべり過ぎ
(たろういく はっしんきたいで しゃべりすぎ)
※まだタロウクンという感じ。大向うを意識せず、もの
を考える政治家になれれば・・・。
大臣に はずれ天下の 秋を知る
(だいじんに はずれてんかの あきをしる)
※入閣待望組は多かったが、経験者優先の安定志
向組閣となったから、はずれ組は肩を落としている。
もともと順番で登用されるはずもない現代である。
もうすぐ立秋。
8/2wed
イタリアの 食卓つねに 白き布
(いたりあの しょくたくつねに しろきぬの)
※母親を大切にする。一家揃っての食事を大切にす
る。食卓の白いテーブルカバーを毎回セットする。
面倒くさがって、つい疎かにしがちな我々日本人。
その疎かが習慣になってしまっている。
「イタリア小さな村の物語」(BS日テレ・東芝提供)
を見てて、そう思う。イタリア、もっと好きになる。
いい番組だねェ。東芝意外と大丈夫かも。
8/1tue
起きがけの 景色ふらつく 夏の窓
(おきがけの けしきふらつく なつのまど)
※おかげさまで健康な日々を過ごしているが、体調
が良くないこともある。今朝のめまいは滅多にない
ことなのでびっくりした。「あれー?・・・なんだろう、
これ」と思った。すぐに止んだが、少し心配になる。
体力? 毎朝+2時間のサマータイムを始めてから
半月。その分は主に睡眠時間を削っているから、
「やや不調」の自覚があった・・・。