ダクタク句集2017年(平成29年)6月 [ダクタク2017年6月]
6/30fri
夏帽子 友の版画に 見入る午後
(なつぼうし とものはんがに みいるごご)
※先週末上野に板院展を見に行った。代表的な版画
の展覧会。知人は同人で出品は常連。今回の作品
も作業する人をモチーフにした作品。
空師いる 森の静けさ 梅雨最中
(そらしいる もりのしずけさ つゆさなか)
※空師は簡単な道具ひとつで、木をするすると登り、
余分な枝を落として矯正し、下枝を刈ったりする林
業の専門職。チェーンソーのエンジン音やバサッ
バサッと鉈で枝が払われる音がする。
それらの音が止まるとシーンとした静寂。・・・
音が再び始まっても、かえって森の静けさが感じ
られるようだ。
6/29thu
低く飛ぶ 巣立ちのツバメは 逞しく
(ひくくとぶ すだちのつばめは たくましく)
※蒸し暑い日が続く。雲が垂れこめてくると、子供の
ツバメのトレーニングらしいのが見られる。もう一人
前の大きさだが、動きはもう一つ。こんな日の夕方
はコウモリが抜群の飛翔能力を見せつける。
6/28wed
梅雨の間に 本当の空あり 紺がかり
(つゆのまに ほんとうのそらあり こんがかり)
※半年ほど前弟を見舞いに行ったとき、病院の背後
の安達太良山の上空がきれいだった。青空なんだ
けれどちょっと紺色に近いような。なるほど紺碧の
空というし、宇宙船から眺める地球の外周は青と
いうより紺色だ。これが本当の空かと納得した。
ここ房総の地でも、昨日の夕方きれいな空を見る
ことが出来た。
6/27tue
梅雨の朝 ハンガリア舞曲 第1番
(つゆのあさ はんがりあぶきょく だいいちばん)
※ブラームスのおなじみの曲。これが意外と・・・
梅雨の朝に合う。やや鬱陶しい雨の朝にも。
(と思います)
6/26mon
古稀越えて 脚なくしても 野球見る
(こきこえて あしなくしても やきゅうみる)
※義兄が糖尿病の合併症の悪化で、右足を膝下10
センチのところで切断した。急な展開での処置とな
り、本人も周囲も驚いてオロオロしたが、切断後2ヶ
月余り、落ち着いて今はリハビリ専門の病院に移っ
た。来月からは義足を着けての訓練も。現実を平
常心で見つめての暮らしが始まっている。
白ムクゲ 残れる脚の いよ細く
(しろむくげ のこれるあしの いよほそく)
※横浜市立の病院は真っ白なムクゲが咲いていた。
6/25sun
潮干狩 油断のやけど 傷深く
(しおひがり ゆだんのやけど きずふかく)
※予想外に強い日差しになって、警戒をして海に入
ったのだが、首のタオルの隙間とズボンをまくった
両膝が真っ赤に腫れ上がってしまった。これはもう、
日焼けどころの話ではない。
若い人や家族連れは程々に貝を採って、喜んで引
き上げるが、小さい頃に飢えを知った世代はやみく
もに砂を掘る。潮の加減が終る時刻間際まで・・・。
これがいけない、いい歳をして・・・。
列島の 心配パンダの 小さすぎ
(れっとうの しんぱいぱんだの ちいさすぎ)
※久しぶりの赤ちゃん誕生。テレビで報道される姿
は本当に小さい。「小さく産んで、大きく育てる」
が極意というけれど、心許ないまでに小さい。注
意深い母親でいてくれることを願うばかり。
6/23fri
短夜や ミュシャの眼に 静まりぬ
(みじかよや みゅしゃのまなこに しずまりぬ)
※ミュシャの展覧会が終わったようだ。スラブ叙事詩
に描かれた母国の歴史とその変遷そして民衆の悲
劇、慟哭は凄まじい迫力で迫ってくる。
一枚に描かれた男の眼は、場面を想像することさえ
拒否するような深刻さだ。思い出すと・・・静まりはす
るのだけれど、決して鎮まりはしない。
6/22thu
一日の 雨を過ごして 夏至を知る
(いちにちの あめをすごして げしをしる)
※昨日は早朝から一日雨が降り続いた。初めての梅
雨らしい雨。やっと夕方にやんで、急に明るくなった。
夜になって夏至を知った。ちょっと迂闊。
6/21wed
梅雨寒や 老班ついに 手の甲に
(つゆざむや ろうはんついに てのこうに)
※昨日は蒸し暑い中、上野の美術館に知人が出品し
た板院展を見に行った。今日は打って変わって朝か
ら雨。老班というもの、付き合いが始まってもう十年
近いので、取り立てての感興はない。「手の甲はよ
せ」って言ったのに・・・。
6/19mon
商店の 引越し荷物 鉢あじさい
(しょうてんの ひっこしにもつ はちあじさい)
※地方の暮らしが便利になるのはいいに違いないが、
どこも「金太郎飴」のようで街に特色がなくなる。個
人商店が今も減り続けているのが一因だ。半年ほど
前に小間物店を閉めた家が、離れた住宅地に越し
ていくという。丹精を込めた花々がいつも店先を飾
っていた・・・。
「今日の便利より、明日のおもてなし」だが。
6/18sun
ユリは今年 女っぷりの いや増して
(ゆりはことし おんなっぷりの いやまして)
※我が家の庭のユリはどの種類も咲きっぷりが非常
に良い。花の色、形、姿、数などは例年と変わりな
いが、なぜか咲きっぷりがいい。見る人に向かって、
実に良い塩梅に開花しているのだ。数、バランス、
角度とかとか。見る方の気持ちの問題?錯覚かな?
でも単に美人は世にあまたいるけれど、女っぷりの
いい女はレアです。錯覚ではない。
6/17sat
タチアオイ 小路にラジオの 音漏れて
(たちあおい こうじにらじおの おともれて)
※もうすぐ夏至、日が長い。塀も倒れて朽ちてしま
った庭に見事なタチアオイが咲いている。3色も
4色も・・・午後7時を回ったのに夕日にほんのり
輝いている。ラジオのニュースがこぼれてくる。
6/16fri
予約本 重なり来たる 梅雨の入り
(よやくぼん かさなりきたる つゆのいり)
※当市の図書館は財政上の理由から購入する本の
数が少ない。人気があって予約が殺到する本も購
入は大概一冊だ。直木賞と本屋大賞のダブル受賞
とか聞くと、まず予約するのが私のルーティン。予
約の消化はゆっくりで、半年余りかかってやっと順
番がやって来た。 「えっ、なんだっけ? この本」
貸出の延長はきかないから、第一優先で読まねば
ならない。
6/15thu
梅雨の日や てんとう虫の 遅く来て
(つゆのひや てんとうむしの おそくきて)
※梅雨入りして、てんとう虫が急に多く見られる。
これがひと月も早く来てくれていたら? てんと
う虫はアブラムシの天敵。旺盛な食欲を満たし
てくれていたら?
6/14wed
ズッキーニ 受粉通いの 初成果
(ずっきーに じゅふんがよいの はつせいか)
※サラダになって食卓に上った。シーズン初の収
穫だから何とも味わい深い。よく味わうとガソリ
ンのにおいが・・・。原料は愛情とガソリン。
6/13tue
桃の実の ジューンドロップは 音もなく
(もものみの じゅーんどろっぷは おともなく)
※強風や病害などによるものではなく、果樹が自ら
生育不良の実や過多な実を落とす。子孫(種子)
の確実な繁栄を期しての現象とか。
ジューンブライドの花嫁が結婚に幻滅して、同月
内に身を隠す・・・のではないらしい。
6/12mon
日立でも さすがの防御と ならず梅雨
(ひたちでも さすがのぼうぎょと ならずつゆ)
※先日の全世界を襲ったサイバー攻撃。データを暗
号化して動作不能とし、復旧のための料金を請求
する内容だった。比較的日本は被害が少なかった
らしいが、あの日立が結構ひどくやられたとか。
IT専門企業ではないにしても、IOTを手がける大
手が先頭を切って「手もなくひねられる」というの
は・・・。いただけない。
6/11sun
崩落や 工事中断で また梅雨に
(ほうらくや こうじちゅうだんで またつゆに)
※さて梅雨。昨年市道が大きく崩落。復旧工事が長
い間始まらず、始まったと思ったら、中断とかで一
向に進まない。結局水入りならぬ梅雨入りに。
無残な崩落面はブルーシートで隠れたまま。通行
止で静かになったが、一年近くも不便を余儀なくさ
れている人々も。
道崩れ 雨中にヘルメット 群がりて
(みちくずれ うちゅうにへるめっと むらがりて)
※崩落事故が起こった時は、団地の中だけに大事
件となり、早速多くの関係者が現場に駆けつけた
のだが・・・。
6/9fri
スイカなり 雌花に翻弄されて梅雨
(すいかなり めばなにほんろうされてつゆ)
※素人のスイカ挑戦はなにかと騒がしい。このとこ
ろ雌花がようやくしっかりしてきたと思ったら、梅
雨だァ・・・。強い雨に濡れると受粉の確率が落ち
るとか。ここは、やっぱり虫頼み。
6/8thu
ケータイで 焚き火の許可とる 梅雨の朝
(けーたいで たきびのきょかとる つゆのあさ)
梅雨近く 刈草煙りて 土手に這う
(つゆちかく かりくさけむりて どてにはう)
※毎朝のウォーキングコースの土手道が地元の皆
さんの手できれいになった。今日は刈った草を燃
やしている。飼い犬は煙の中を喜ぶかと思ったが、
盛んにクシャミをして、そのうち苦しそうにゲーゲ
ーし始めた。人間よりも対煙耐性はない・・・。
梅雨を知り 今日で終えたき 袋かけ
(つゆをしり きょうでおえたき ふくろかけ)
※家でも梅雨前に片付けたい仕事が待っていた。
やりかけの袋かけ作業。桃にぶどう・・・袋かけを
するときはまだ夢が膨らみます。
6/7wed
美女柳 二日見ぬ間の 黄の乱舞
(びじょやなぎ ふつかみぬまの きのらんぶ)
※留守にしていた2日の間に一気に「満開」。ちょ
っともったいない。明日辺りから曇りがちとなり、
梅雨入りとなるかも。
早寝して かわず鳴く音の 一二分
(はやねして かわずなくねの いちにふん)
※疲労対策で早寝した。遠くでカエルの声が・・・。
田舎暮らしの特権、寝入り薬。
6/6tue
梅雨近し 女のすなる 絵手紙を
(つゆちかし おんなのすなる えてがみを)
※旅行先からお土産を送ってくれた友人にお礼の絵
手紙を描いた。さらさらと描いている人を何度も見
てきたが、初体験でやってみるとなかなか上手くい
かない。後刻の辛辣な感想は覚悟して、投函する。
6/5mon
タチアオイ 郵便局の 門構え
(たちあおい ゆうびんきょくの もんがまえ)
※郵政民営化で名称はなくなったものの、今も続く
特定郵便局。弊害は指摘されるが、土地も建物も
局長の所有物だから局ごとに違う装いと習慣が出
来る。良く言えばお役所仕事とは違う独特のアイ
デンティティがあったものだ。この立葵もその名残
りのひとつ。
6/4sun
背を合わせ キャストする二人 水の上
(せをあわせ きゃすとするふたり みずのうえ)
※ここ2、3日は暑さ一服。今朝の微風は目をつぶれ
れ高原の涼風だ。近くの小櫃川取水堰ダム湖に釣
り客多数。小さな釣り用のボートにルアーを操る2
人。バッテリーで動く小さなモーターがついているか
ら、水面を音も立てずにゆっくりゆっくり移動する。
最近のウィークエンド光景。
6/3sat
新しき 畑に馬鈴薯の 花二列
(あたらしき はたにばれいしょの はなにれつ)
※スギナ満載?だった畑に立派な畝がいくつか、汗
の結晶である。
スイカ、馬鈴薯、サツマイモなど酸性土壌に比較的
強い苗を植えた。今しも遅めの馬鈴薯が花をつけ
ている。これからはオクラを植える。
6/2fri
トランプはアホか 引き返す勇気なし
(とらんぷはあほか ひきかえすゆうきなし)
※本格的な終わりの始まりか。言葉なし。
足らぬ分 時価ン百円の 切手貼り
(たらぬぶん じかんひゃくえんの きってはり)
※昨日からハガキも値上げ。足りぬ10円の切手を
探して、10円でハガキや封書が送れた時代の記
念切手を張り足した。ええ、その切手を使う?
6/1thu
新築の 家浮かびおり 茅萱の穂
(しんちくの いえうかびおり ちがやのほ)
※4月下旬~6月にかけて空き地や野原に繁茂する。
穂が出る前の実を口に入れ舐めると、かすかに甘
い味がすると言われる。家内は小学生の頃何度も
口にしたという。おやつもろくになかった時代。
穂が重なると白くて厚いジュウタンのよう。その向こ
うの家々が白い穂の上に浮かんで見える。
茅萱の穂 道路に沿いて 飛びつくす
(ちがやのほ どうろにそいて とびつくす)
※5月下旬あたりから穂は次第に細くなり、風に舞
い始める。
夏帽子 友の版画に 見入る午後
(なつぼうし とものはんがに みいるごご)
※先週末上野に板院展を見に行った。代表的な版画
の展覧会。知人は同人で出品は常連。今回の作品
も作業する人をモチーフにした作品。
空師いる 森の静けさ 梅雨最中
(そらしいる もりのしずけさ つゆさなか)
※空師は簡単な道具ひとつで、木をするすると登り、
余分な枝を落として矯正し、下枝を刈ったりする林
業の専門職。チェーンソーのエンジン音やバサッ
バサッと鉈で枝が払われる音がする。
それらの音が止まるとシーンとした静寂。・・・
音が再び始まっても、かえって森の静けさが感じ
られるようだ。
6/29thu
低く飛ぶ 巣立ちのツバメは 逞しく
(ひくくとぶ すだちのつばめは たくましく)
※蒸し暑い日が続く。雲が垂れこめてくると、子供の
ツバメのトレーニングらしいのが見られる。もう一人
前の大きさだが、動きはもう一つ。こんな日の夕方
はコウモリが抜群の飛翔能力を見せつける。
6/28wed
梅雨の間に 本当の空あり 紺がかり
(つゆのまに ほんとうのそらあり こんがかり)
※半年ほど前弟を見舞いに行ったとき、病院の背後
の安達太良山の上空がきれいだった。青空なんだ
けれどちょっと紺色に近いような。なるほど紺碧の
空というし、宇宙船から眺める地球の外周は青と
いうより紺色だ。これが本当の空かと納得した。
ここ房総の地でも、昨日の夕方きれいな空を見る
ことが出来た。
6/27tue
梅雨の朝 ハンガリア舞曲 第1番
(つゆのあさ はんがりあぶきょく だいいちばん)
※ブラームスのおなじみの曲。これが意外と・・・
梅雨の朝に合う。やや鬱陶しい雨の朝にも。
(と思います)
6/26mon
古稀越えて 脚なくしても 野球見る
(こきこえて あしなくしても やきゅうみる)
※義兄が糖尿病の合併症の悪化で、右足を膝下10
センチのところで切断した。急な展開での処置とな
り、本人も周囲も驚いてオロオロしたが、切断後2ヶ
月余り、落ち着いて今はリハビリ専門の病院に移っ
た。来月からは義足を着けての訓練も。現実を平
常心で見つめての暮らしが始まっている。
白ムクゲ 残れる脚の いよ細く
(しろむくげ のこれるあしの いよほそく)
※横浜市立の病院は真っ白なムクゲが咲いていた。
6/25sun
潮干狩 油断のやけど 傷深く
(しおひがり ゆだんのやけど きずふかく)
※予想外に強い日差しになって、警戒をして海に入
ったのだが、首のタオルの隙間とズボンをまくった
両膝が真っ赤に腫れ上がってしまった。これはもう、
日焼けどころの話ではない。
若い人や家族連れは程々に貝を採って、喜んで引
き上げるが、小さい頃に飢えを知った世代はやみく
もに砂を掘る。潮の加減が終る時刻間際まで・・・。
これがいけない、いい歳をして・・・。
列島の 心配パンダの 小さすぎ
(れっとうの しんぱいぱんだの ちいさすぎ)
※久しぶりの赤ちゃん誕生。テレビで報道される姿
は本当に小さい。「小さく産んで、大きく育てる」
が極意というけれど、心許ないまでに小さい。注
意深い母親でいてくれることを願うばかり。
6/23fri
短夜や ミュシャの眼に 静まりぬ
(みじかよや みゅしゃのまなこに しずまりぬ)
※ミュシャの展覧会が終わったようだ。スラブ叙事詩
に描かれた母国の歴史とその変遷そして民衆の悲
劇、慟哭は凄まじい迫力で迫ってくる。
一枚に描かれた男の眼は、場面を想像することさえ
拒否するような深刻さだ。思い出すと・・・静まりはす
るのだけれど、決して鎮まりはしない。
6/22thu
一日の 雨を過ごして 夏至を知る
(いちにちの あめをすごして げしをしる)
※昨日は早朝から一日雨が降り続いた。初めての梅
雨らしい雨。やっと夕方にやんで、急に明るくなった。
夜になって夏至を知った。ちょっと迂闊。
6/21wed
梅雨寒や 老班ついに 手の甲に
(つゆざむや ろうはんついに てのこうに)
※昨日は蒸し暑い中、上野の美術館に知人が出品し
た板院展を見に行った。今日は打って変わって朝か
ら雨。老班というもの、付き合いが始まってもう十年
近いので、取り立てての感興はない。「手の甲はよ
せ」って言ったのに・・・。
6/19mon
商店の 引越し荷物 鉢あじさい
(しょうてんの ひっこしにもつ はちあじさい)
※地方の暮らしが便利になるのはいいに違いないが、
どこも「金太郎飴」のようで街に特色がなくなる。個
人商店が今も減り続けているのが一因だ。半年ほど
前に小間物店を閉めた家が、離れた住宅地に越し
ていくという。丹精を込めた花々がいつも店先を飾
っていた・・・。
「今日の便利より、明日のおもてなし」だが。
6/18sun
ユリは今年 女っぷりの いや増して
(ゆりはことし おんなっぷりの いやまして)
※我が家の庭のユリはどの種類も咲きっぷりが非常
に良い。花の色、形、姿、数などは例年と変わりな
いが、なぜか咲きっぷりがいい。見る人に向かって、
実に良い塩梅に開花しているのだ。数、バランス、
角度とかとか。見る方の気持ちの問題?錯覚かな?
でも単に美人は世にあまたいるけれど、女っぷりの
いい女はレアです。錯覚ではない。
6/17sat
タチアオイ 小路にラジオの 音漏れて
(たちあおい こうじにらじおの おともれて)
※もうすぐ夏至、日が長い。塀も倒れて朽ちてしま
った庭に見事なタチアオイが咲いている。3色も
4色も・・・午後7時を回ったのに夕日にほんのり
輝いている。ラジオのニュースがこぼれてくる。
6/16fri
予約本 重なり来たる 梅雨の入り
(よやくぼん かさなりきたる つゆのいり)
※当市の図書館は財政上の理由から購入する本の
数が少ない。人気があって予約が殺到する本も購
入は大概一冊だ。直木賞と本屋大賞のダブル受賞
とか聞くと、まず予約するのが私のルーティン。予
約の消化はゆっくりで、半年余りかかってやっと順
番がやって来た。 「えっ、なんだっけ? この本」
貸出の延長はきかないから、第一優先で読まねば
ならない。
6/15thu
梅雨の日や てんとう虫の 遅く来て
(つゆのひや てんとうむしの おそくきて)
※梅雨入りして、てんとう虫が急に多く見られる。
これがひと月も早く来てくれていたら? てんと
う虫はアブラムシの天敵。旺盛な食欲を満たし
てくれていたら?
6/14wed
ズッキーニ 受粉通いの 初成果
(ずっきーに じゅふんがよいの はつせいか)
※サラダになって食卓に上った。シーズン初の収
穫だから何とも味わい深い。よく味わうとガソリ
ンのにおいが・・・。原料は愛情とガソリン。
6/13tue
桃の実の ジューンドロップは 音もなく
(もものみの じゅーんどろっぷは おともなく)
※強風や病害などによるものではなく、果樹が自ら
生育不良の実や過多な実を落とす。子孫(種子)
の確実な繁栄を期しての現象とか。
ジューンブライドの花嫁が結婚に幻滅して、同月
内に身を隠す・・・のではないらしい。
6/12mon
日立でも さすがの防御と ならず梅雨
(ひたちでも さすがのぼうぎょと ならずつゆ)
※先日の全世界を襲ったサイバー攻撃。データを暗
号化して動作不能とし、復旧のための料金を請求
する内容だった。比較的日本は被害が少なかった
らしいが、あの日立が結構ひどくやられたとか。
IT専門企業ではないにしても、IOTを手がける大
手が先頭を切って「手もなくひねられる」というの
は・・・。いただけない。
6/11sun
崩落や 工事中断で また梅雨に
(ほうらくや こうじちゅうだんで またつゆに)
※さて梅雨。昨年市道が大きく崩落。復旧工事が長
い間始まらず、始まったと思ったら、中断とかで一
向に進まない。結局水入りならぬ梅雨入りに。
無残な崩落面はブルーシートで隠れたまま。通行
止で静かになったが、一年近くも不便を余儀なくさ
れている人々も。
道崩れ 雨中にヘルメット 群がりて
(みちくずれ うちゅうにへるめっと むらがりて)
※崩落事故が起こった時は、団地の中だけに大事
件となり、早速多くの関係者が現場に駆けつけた
のだが・・・。
6/9fri
スイカなり 雌花に翻弄されて梅雨
(すいかなり めばなにほんろうされてつゆ)
※素人のスイカ挑戦はなにかと騒がしい。このとこ
ろ雌花がようやくしっかりしてきたと思ったら、梅
雨だァ・・・。強い雨に濡れると受粉の確率が落ち
るとか。ここは、やっぱり虫頼み。
6/8thu
ケータイで 焚き火の許可とる 梅雨の朝
(けーたいで たきびのきょかとる つゆのあさ)
梅雨近く 刈草煙りて 土手に這う
(つゆちかく かりくさけむりて どてにはう)
※毎朝のウォーキングコースの土手道が地元の皆
さんの手できれいになった。今日は刈った草を燃
やしている。飼い犬は煙の中を喜ぶかと思ったが、
盛んにクシャミをして、そのうち苦しそうにゲーゲ
ーし始めた。人間よりも対煙耐性はない・・・。
梅雨を知り 今日で終えたき 袋かけ
(つゆをしり きょうでおえたき ふくろかけ)
※家でも梅雨前に片付けたい仕事が待っていた。
やりかけの袋かけ作業。桃にぶどう・・・袋かけを
するときはまだ夢が膨らみます。
6/7wed
美女柳 二日見ぬ間の 黄の乱舞
(びじょやなぎ ふつかみぬまの きのらんぶ)
※留守にしていた2日の間に一気に「満開」。ちょ
っともったいない。明日辺りから曇りがちとなり、
梅雨入りとなるかも。
早寝して かわず鳴く音の 一二分
(はやねして かわずなくねの いちにふん)
※疲労対策で早寝した。遠くでカエルの声が・・・。
田舎暮らしの特権、寝入り薬。
6/6tue
梅雨近し 女のすなる 絵手紙を
(つゆちかし おんなのすなる えてがみを)
※旅行先からお土産を送ってくれた友人にお礼の絵
手紙を描いた。さらさらと描いている人を何度も見
てきたが、初体験でやってみるとなかなか上手くい
かない。後刻の辛辣な感想は覚悟して、投函する。
6/5mon
タチアオイ 郵便局の 門構え
(たちあおい ゆうびんきょくの もんがまえ)
※郵政民営化で名称はなくなったものの、今も続く
特定郵便局。弊害は指摘されるが、土地も建物も
局長の所有物だから局ごとに違う装いと習慣が出
来る。良く言えばお役所仕事とは違う独特のアイ
デンティティがあったものだ。この立葵もその名残
りのひとつ。
6/4sun
背を合わせ キャストする二人 水の上
(せをあわせ きゃすとするふたり みずのうえ)
※ここ2、3日は暑さ一服。今朝の微風は目をつぶれ
れ高原の涼風だ。近くの小櫃川取水堰ダム湖に釣
り客多数。小さな釣り用のボートにルアーを操る2
人。バッテリーで動く小さなモーターがついているか
ら、水面を音も立てずにゆっくりゆっくり移動する。
最近のウィークエンド光景。
6/3sat
新しき 畑に馬鈴薯の 花二列
(あたらしき はたにばれいしょの はなにれつ)
※スギナ満載?だった畑に立派な畝がいくつか、汗
の結晶である。
スイカ、馬鈴薯、サツマイモなど酸性土壌に比較的
強い苗を植えた。今しも遅めの馬鈴薯が花をつけ
ている。これからはオクラを植える。
6/2fri
トランプはアホか 引き返す勇気なし
(とらんぷはあほか ひきかえすゆうきなし)
※本格的な終わりの始まりか。言葉なし。
足らぬ分 時価ン百円の 切手貼り
(たらぬぶん じかんひゃくえんの きってはり)
※昨日からハガキも値上げ。足りぬ10円の切手を
探して、10円でハガキや封書が送れた時代の記
念切手を張り足した。ええ、その切手を使う?
6/1thu
新築の 家浮かびおり 茅萱の穂
(しんちくの いえうかびおり ちがやのほ)
※4月下旬~6月にかけて空き地や野原に繁茂する。
穂が出る前の実を口に入れ舐めると、かすかに甘
い味がすると言われる。家内は小学生の頃何度も
口にしたという。おやつもろくになかった時代。
穂が重なると白くて厚いジュウタンのよう。その向こ
うの家々が白い穂の上に浮かんで見える。
茅萱の穂 道路に沿いて 飛びつくす
(ちがやのほ どうろにそいて とびつくす)
※5月下旬あたりから穂は次第に細くなり、風に舞
い始める。