ダクタク句集 2016年(平成28年)9月 [ダクタク2016年9月]
「早大ラグビー部御意見番」という新しいページを加えました。
9/30fri
便利とは 不便のことなり スマホ秋
(べんりとは ふべんのことなり すまほあき)
※電話やメールが時を問わずにくるし、便利さにかま
けて費やす時間は知らぬ間になにかを奪っている。
こんなもの、もう飽きたと言いたいのだが・・・
空を見上げれば秋の雲の見事さ
9/29thu
豊洲闇 被疑者の長が 検事兼ね
(とよすやみ ひぎしゃのちょうが けんじかね)
※小池新知事の追求は概ね好感を持って見られている。
でも経緯と責任が明らかになり、新しい措置が決定
した暁には、新知事が全てについて都民に詫びなく
てはならない
9/28wed
金木犀 配達人が 褒める朝
(きんもくせい はいたつにんが ほめるあさ)
※この界隈では当家の金木犀が一番早い。涼しい朝に
は少なめのいい香りがする。それが暑い午後になっ
たり、そこかしこで香りが蔓延すると、少し食傷気味に
なることも・・・
安倍節に スタンディングオベイションの 摩訶不思議
(あべぶしに すたんでぃんぐおべいしょんの まかふしぎ)
※演説に感銘しての総員拍手だったらわかるが、中途
のちょっとした呼び掛けにたいして自民総立ち、異様
だよ。古い形容だが翼賛会的な、一強教祖様に縋る
ような・・・あやしい、あぶない雰囲気も
9/27tue
メガバンク 声を抑えた 大合唱
(めがばんく こえをおさえた だいがっしょう)
※マイナス金利の継続、深掘りに金融界は大反対。し
かし脱デフレ対策に腐心する政府・日銀に直接異は
唱えられない。その分経済団体や政策委員の口から
副作用を懸念する声が湧き上がる。これ皆銀行の声
政策委 なにをやるかで 意見割れ
(せいさくい なにをやるかで いけんわれ)
※米国では金利上げのタイミングが大問題。こちらは
政策メニュー選びで四分五烈・・・、本当に有効な
メニューがあれば良いのだが
9/26mon
萩の家 まわり道行く 犬の恋
(はぎのいえ まわりみちいく いぬのこい)
※9月に入って極端に日照時間が少なかったが、この
一両日少しだけ太陽が顔を覗かせた。朝の散歩も楽
だ。犬に引かれて、彼氏の家を経由する
9/25sun
カストロで チェの顔浮かぶ 彼岸明け
(かすとろで ちぇのかおうかぶ ひがんあけ)
※フィデル・カストロとチェ・ゲバラ、稀代の英雄
夏ヤセは 無縁の言葉 腹囲増え
(なつやせは むえんのことば ふくいふえ)
※検診結果を聞きに市の福祉事務所に出かけた。概ね
良好だが、腹囲が底を打って?から2年連続増加。
さて、シメテイクゾー・・・
9/24sat
レシピ付け 瓢箪カボチャを 人にやる
(れしぴつけ ひょうたんかぼちゃを ひとにやる)
※カボチャの中でも瓢箪かぼちゃは我が物顔に畑に
蔓延る(?)が、大きな実をいくつもつける。種類が
あるらしいが、総じて味は淡白、煮物には向かない。
家畜の餌に、とかいう悪口は言わずに考えよう。
・・・焼いて醤油をたらして食べてみる。結構いけ
る。食感がモチに似てるとも。自己主張が少ない
食材だから、調理法はまだまだ他にもあるはず
9/23fri
青学は 箱根に続き ラグビーも
(あおがくは はこねにつずき らぐびーも)
※青学、青短はかつてアカ抜けした女の子の代名詞
(褒めすぎ?)だったが、「早大御意見番の仙人」
の話によればラグビー部強化が目覚しいとか。少子
化で各大学はあの手この手の学生確保策を打ち出し
ているが、男臭い種目への進出が有効と見たかな
9/22thu
菊坂の 路地裏恋し 萩咲けり
(きくざかの ろじうらこいし はぎさけり)
※マンション化の波が谷合いの路地近くまで押し寄せ
てきているが、明治大正の家並が生きているここ。
住民がいてこその雰囲気がいい。あの地形と不便さ
が近代化を拒絶する。
でも大丈夫かな・・・今も変わらないかな。萩が生垣
からこぼれていた狭い路地・・・
9/21wed
ぼけません 時を違えぬ 曼珠沙華
(ぼけません ときをたがえぬ まんじゅしゃげ)
※お墓参り、時には忘れてしまったり、忙しさに紛れ
てついついスキップしたり・・・。そんな我々に代わ
って、時季の行いを果たしていてくれるよう。何故
か、ローカル線の線路沿いによく見かける。今年
もそうです
8/20tue
犬と俺 雑種同士の 気兼ねなさ
(いぬとおれ ざっしゅどうしの きがねなさ)
誰とより 阿吽の呼吸 犬と僕
(だれとより あうんのこきゅう いぬとぼく)
※10年後80歳に、我が家の犬は15歳になる。ど
うだろうか? 老齢度は似通っていると思う。そこ
まで元気に到達できればの話だが。こう考えると
運命共同体という言葉が浮かんでくる。雑種なれ
ばこその、しなやかさとこだわりのなさを身につけ
たいもの
9/19mon
禁忌かな 台風迫る 非日常
(たぶーかな たいふうせまる ひにちじょう)
※台風の接近を知らせるニュース、風雨の音、市の
スピーカーの注意報・・・少しだけワクワクする部分
がある。いい歳をして、顰蹙もの
9/18sun
祝長寿 お菓子いただく えっ誰に
(しゅくちょうじゅ おかしいただく えっだれに)
※町内会から「ご長寿おめでとうございます」のカー
ドが入ったお菓子が届いた。満七十歳の年齢はも
ちろん意識しているが、「長寿おめでとう」と言われ
ると新鮮な驚き! みんな、こうして驚いて、歳を
重ねたんだ・・・
9/17sat
ひさびさの 仰げば尊し 耳に澄み
(ひさびさの あおげばとうとし みみにすみ)
※ドラマは見ないようにしているが、TBSの「仰げば
尊し」は良かった。寺尾聡と村上虹郎が教師役と問
題生徒役で好演、ブラスバンドで目標に邁進する、
涙と紆余曲折の物語。それにしても寺尾聡の横顔
はますますオヤジに似てきたなァ・・・
9/16fri
文句言わぬ 自分を描くのが 一里塚
(もんくいわぬ じぶんをかくのが いちりづか)
※今は基礎として、風景画・静物画を描いている。し
かしムクムクと欲があるのは人物画。「まだ待て」
と自制している。過去に何度描いて散々な結果とな
り、撤退したことか・・・
結局は 残暑遠のいたまま 彼岸まで
(けっきょくは ざんしょとおのいたまま ひがんまで)
9/15thu
70歳の 手習い多作を 励みとし
(ななじゅうの てならいたさくを はげみとし)
※作句と同様に、絵の勉強もまずは多作、枚数至上と
信じている。化けはなし、じわりじわりと楽しみながら
「なにかを絞り出せれば・・・」と
9/14wed
キワぼかし 水彩の妙に 感心し
(きわぼかし すいさいのみょうに かんしんし)
※テクニックに走ったらいけないが、水彩ならではの
水と絵の具の混じり具合、一種その時の偶然の結
果に任せるようなところがある。
「へえー、こんな味が・・・」
画家は言う 日曜ばかりじゃ ありません
(がかはいう にちようばかりじゃ ありません)
※「サンデー毎日画家」は品がないし、「シニアペイ
ンター」もちょっとねェ。なんかないかなァ・・・。
列島に、カメラを構える、スケッチを楽しむシニアが
なんと多いことか。間違いなく史上最高。文化の花
香る高齢化社会。負の側面だけを言い過ぎる
9/13tue
気に入った ネットの手本 模写をする
(きにいった ねっとのてほん もしゃをする)
※ネットには先達の多くの日曜画家がホームページに
力作をアップしている。自分の憧れのスケッチ、近
づけそうな水彩画を気軽に模写できる。いい時代、
情報化時代である。
モニターに向かって、シコシコと絵を描くというのは、
青空の下でさらっとスケッチしたいという願いに反し
ているようで初めは気が進まなかったが、思い返せ
ば「模写」は画家修行の王道の一つではないか。
それで気が楽になり、お気に入りの作家さんの絵
を繰り返し模写している。構図、デッサンの緻密さと
ラフな部分のバランス、着色の順序とグラデーション
の技・・・等々、参考になること夥しい
9/12mon
浮かぬ日は バッハのアダージョで 腰を上げ
(うかぬひは ばっはのあだーじょで こしをあげ)
※犬の散歩は年中無休。悪天はまだしも、体調や気
分が最悪な日も。そんな日は急がず、これを聴く・・
・・・。霊験あらたか? →YouTubeはここです
雨雲の 隙間を調べ 裏切られ
(あまぐもの すきまをしらべ うらぎられ)
※天気があやしい時は、散歩の前にタブレットで局地
の雨雲レーダーを見る。大概はいいのだが、時には
・・・。一番薄い色の雨雲は降って濡れても傘は要ら
ない。もちろん犬にカッパは着せない。
ところが出発直後に激しい雨足になったり・・・
9/11sun
「弘法も筆を選ぶのよ」と 言われ買い
(「こうぼうもふでをえらぶのよ」と いわれかい)
※絵画教室のS先生が手にした私の筆は、なんと中学
校時代のもの。物持ちが良いほうではないが、何故
かこれだけは。60年近く昔のもの。
半信半疑のまま、筆を買った。なるほど・・・これはい
い、良い絵が描けそう。疑っていたわりには、納得が
ややイージーかな
雨降りの 画材屋でそっと 筆を買う
(あめふりの がざいやでそっと ふでをかう)
※教室に入って、イーゼルを買うのも、新しい筆を買
うのもなんとなく気恥ずかしさがある。「わたしゃ、
そんなレベルの者じゃございません」と言いたいの
だ。雨の日を狙って行ったわけではないが、お客は
他にいなかった。・・・はりまや橋のそばで恋する坊
さんがカンザシを買った気分?違うなァ・・・
9/10sat
パン生地を 機械に代わり こねて汗
(ぱんきじを きかいにかわり こねてあせ)
※深夜にベーカリーを使い、朝起きたら焼き上がり、
といういつものパターンが突如破綻。機械がウンと
もスンとも言わない。イースト菌を入れてしまった材
料を救済するために人力でこね上げる。手でこねる、
これが本来なのだが、久しぶりで疲れるし眠気は吹
っ飛ぶ。汗で塩気が多くなるかな?
・・・冷蔵庫に入れて、発酵をしばし抑え、明朝にオ
ーブンで焼くことにした。これでなんとか
9/9fri
カボチャども 今年は家計の 助っ人に
(かぼちゃども ことしはかけいの すけっとに)
※畑中を蹂躙したカボチャが、このところの野菜高で
存在感を増している。煮物、スープ、コロッケにサ
ラダ・・・大事に長く食べよう
犬吠えて 新米の香り 届く朝
(いぬほえて しんまいのかおり とどくあさ)
※妹が仲間とコメを作っている。今朝旦那が届けてく
れた。9月上旬の特急便だ。ありがたい。お返しに
瓢箪カボチャのデカ玉を上げれば良かったなァ・・・
9/8thu
花オクラ 喉元を過ぎる 夏の味
(はなおくら のどもとすぎる なつのあじ)
※花びらをさっとゆがいて、酢じょうゆで。ニュル
ニュルが通り過ぎる時、あのオクラの味が。近所の
畑自慢の方からのいただきもの
コンコーン 狐の嫁入り 今朝の秋
(こんこーん きつねのよめいり けさのあき)
※台風13号の影響か、朝方晴れていたかと思うと、
明るい空のまま雨が降る。天気雨。それの繰り返し。
何度か虹が見えた
9/7wed
漱石も 窓からポイッと 空弁当
(そうせきも 窓からぽいっと からべんとう)
※漱石の複数の作品に主人公がポイする場面がある。
昭和40年代の前半まで、列車のトイレには「停車中
は利用しないで下さい」と書いた札があった。大も小
も全部沿線にたれ流しだった。それよりもずっと前の
子供時代、蒸気機関車を見に線路沿いにいた時、
通り過ぎる車両からなにやら水っぽいものが顔にか
かったものだ。当時は喜んでいたが、今から思えば
洗面所の方だったことを祈るのみ・・・
味気なし 弁当買えぬ 窓開かず
(あじけなし べんとうかえぬ まどあかず)
※列車は速くなり、きれいになり、トンネルばかりにな
った。便利と快適さの代わりに失ったものは・・
9/6tue
朝練の 子が駆けていく 残暑かな
(あされんの こがかけていく ざんしょかな)
※2学期が始まり、近所の中学生が朝練の時刻に遅れ
るのか、全速で学校に走っていく。長い夏休みで朝
寝坊のクセが抜けない? 彼は野球部、走ることが
鍛錬になる
汗を拭き テレビドラマに 貰い泣き
(あせをふき てれびどらまに もらいなき)
※台風の大雨の被害が気がかりだが、暑さが戻って
きた。この夏も「不要不急の外出はしません」とばか
りに、公認の家ごもり。つい家でやや自堕落にテレ
ビを見る。猛暑、残暑の風物誌・・・夏の名残に
9/5mon
虎の子の ブドウの袋 外しかね
(とらのこの ぶどうのふくろ はずしかね)
※2本あるぶどうの木のうち新しい方が今年は実をた
くさんつけている。味見の結果も良好だが、粒立ち
は小さい。所有者の家内は更なる完熟を期待して、
袋を外さない。こちらは、熟れ過ぎで茶色に変色し
たらと心配。「大丈夫、袋の小さなアナから見てる
から」と自信ありそう。いずれにしてもささいな問題
9/4sun
地層ショー 万年単位の お話です
(ちそうしょー まんねんたんいの おはなしです)
※午後はバスに乗ってフィールドワーク。近くの山肌
や谷川の壁に、観察地層を訪ねる。遠く飛騨山地か
ら運ばれ堆積した、白い火山灰の層が見える。40
万年前とか。こうした露頭(崖となって地層を観察
できるところ)が実は故郷のここかしこにある
故郷の 地層モデルが 国連に
(ふるさとの ちそうもでるが こくれんに)
※今日のフィールドワークのキワメツケはここ。地磁気
の方向が77万年前に逆転したことを示す地層を市原
市田渕の養老川上流の露頭に訪ねた。この地層が
「国際模式地」として国連の機関に認められるかも、
近々わかる。地質年代に「チバニアン」の名前が・・・
9/3sat
先生は 地層を語る 子守唄
(せんせいは ちそうをかたる こもりうた)
※公民館主催の講演会は「ふるさとと地球の歴史」。
講師は県博物館の上席研究員K氏で地層と化石の
スペシャリスト。やさしく熱心に説いてくれるから、
数十万年昔にスリップする。ロマンを感じて・・・つい
スリープする人も
山に貝 菅生遺跡の ずっと前
(やまにかい すごういせきの ずっとまえ)
※当地には菅生遺跡がある。以前は貴重な集落遺跡
として、登呂遺跡とならんで教科書にも載っていた。
今はどうかな? その時期は弥生後期から古墳、奈
良時代とか。2000年から1300年前である。
今日の話はこの辺が海に沈んでいた頃を含め、数十
万年前~80万年前。貝が化石で地層に現れる。
これを大昔と表現するなら、菅生遺跡は昨日ほど・・
20万年前 ナウマン象は 門口に
(20まんねんまえ なうまんぞうは かどぐちに)
※氷河期を挟んだ暖期に、ナウマン象はこの辺にもい
た。講演では象の前足膝の臼部化石も展示された
9/2fri
病院の サマーコンサート 風涼し
(びょういんの さまーこんさーと かぜすずし)
※盛夏を避けて8月下旬の開催。療養病床の患者さん
が前列に並ぶ。「まだ、いい?大丈夫?帰る?」介護
の女性の声。「ううーん」と首を振る
お決まりの フォークソングに フラダンス
※院長の奥さん(副院長)が、地域の女性の活動に熱
心に参加しているとかで、出演グループは盛りだくさ
ん。心地よい出し物が続く
9/1thu
災害は 忘れる前に やって来る
(さいがいは わすれるまえに やってくる)
※210日。最近の災害の頻発ぶりは・・・
ひまわりは ローレンの域には まだ如かず
(ひまわりは ろーれんのいきには まだしかず)
※件の農家が休耕地に植えたひまわり。50cmほどの
高さで花をつけ始めた。まだまだこれから。ソフィア・
ローレン、名匠ヴィットリオ・デ・シーカの伊映画「ひま
わり」、あの感動的なひまわり畑。あれが目標。まさ
か・・・
9/30fri
便利とは 不便のことなり スマホ秋
(べんりとは ふべんのことなり すまほあき)
※電話やメールが時を問わずにくるし、便利さにかま
けて費やす時間は知らぬ間になにかを奪っている。
こんなもの、もう飽きたと言いたいのだが・・・
空を見上げれば秋の雲の見事さ
9/29thu
豊洲闇 被疑者の長が 検事兼ね
(とよすやみ ひぎしゃのちょうが けんじかね)
※小池新知事の追求は概ね好感を持って見られている。
でも経緯と責任が明らかになり、新しい措置が決定
した暁には、新知事が全てについて都民に詫びなく
てはならない
9/28wed
金木犀 配達人が 褒める朝
(きんもくせい はいたつにんが ほめるあさ)
※この界隈では当家の金木犀が一番早い。涼しい朝に
は少なめのいい香りがする。それが暑い午後になっ
たり、そこかしこで香りが蔓延すると、少し食傷気味に
なることも・・・
安倍節に スタンディングオベイションの 摩訶不思議
(あべぶしに すたんでぃんぐおべいしょんの まかふしぎ)
※演説に感銘しての総員拍手だったらわかるが、中途
のちょっとした呼び掛けにたいして自民総立ち、異様
だよ。古い形容だが翼賛会的な、一強教祖様に縋る
ような・・・あやしい、あぶない雰囲気も
9/27tue
メガバンク 声を抑えた 大合唱
(めがばんく こえをおさえた だいがっしょう)
※マイナス金利の継続、深掘りに金融界は大反対。し
かし脱デフレ対策に腐心する政府・日銀に直接異は
唱えられない。その分経済団体や政策委員の口から
副作用を懸念する声が湧き上がる。これ皆銀行の声
政策委 なにをやるかで 意見割れ
(せいさくい なにをやるかで いけんわれ)
※米国では金利上げのタイミングが大問題。こちらは
政策メニュー選びで四分五烈・・・、本当に有効な
メニューがあれば良いのだが
9/26mon
萩の家 まわり道行く 犬の恋
(はぎのいえ まわりみちいく いぬのこい)
※9月に入って極端に日照時間が少なかったが、この
一両日少しだけ太陽が顔を覗かせた。朝の散歩も楽
だ。犬に引かれて、彼氏の家を経由する
9/25sun
カストロで チェの顔浮かぶ 彼岸明け
(かすとろで ちぇのかおうかぶ ひがんあけ)
※フィデル・カストロとチェ・ゲバラ、稀代の英雄
夏ヤセは 無縁の言葉 腹囲増え
(なつやせは むえんのことば ふくいふえ)
※検診結果を聞きに市の福祉事務所に出かけた。概ね
良好だが、腹囲が底を打って?から2年連続増加。
さて、シメテイクゾー・・・
9/24sat
レシピ付け 瓢箪カボチャを 人にやる
(れしぴつけ ひょうたんかぼちゃを ひとにやる)
※カボチャの中でも瓢箪かぼちゃは我が物顔に畑に
蔓延る(?)が、大きな実をいくつもつける。種類が
あるらしいが、総じて味は淡白、煮物には向かない。
家畜の餌に、とかいう悪口は言わずに考えよう。
・・・焼いて醤油をたらして食べてみる。結構いけ
る。食感がモチに似てるとも。自己主張が少ない
食材だから、調理法はまだまだ他にもあるはず
9/23fri
青学は 箱根に続き ラグビーも
(あおがくは はこねにつずき らぐびーも)
※青学、青短はかつてアカ抜けした女の子の代名詞
(褒めすぎ?)だったが、「早大御意見番の仙人」
の話によればラグビー部強化が目覚しいとか。少子
化で各大学はあの手この手の学生確保策を打ち出し
ているが、男臭い種目への進出が有効と見たかな
9/22thu
菊坂の 路地裏恋し 萩咲けり
(きくざかの ろじうらこいし はぎさけり)
※マンション化の波が谷合いの路地近くまで押し寄せ
てきているが、明治大正の家並が生きているここ。
住民がいてこその雰囲気がいい。あの地形と不便さ
が近代化を拒絶する。
でも大丈夫かな・・・今も変わらないかな。萩が生垣
からこぼれていた狭い路地・・・
9/21wed
ぼけません 時を違えぬ 曼珠沙華
(ぼけません ときをたがえぬ まんじゅしゃげ)
※お墓参り、時には忘れてしまったり、忙しさに紛れ
てついついスキップしたり・・・。そんな我々に代わ
って、時季の行いを果たしていてくれるよう。何故
か、ローカル線の線路沿いによく見かける。今年
もそうです
8/20tue
犬と俺 雑種同士の 気兼ねなさ
(いぬとおれ ざっしゅどうしの きがねなさ)
誰とより 阿吽の呼吸 犬と僕
(だれとより あうんのこきゅう いぬとぼく)
※10年後80歳に、我が家の犬は15歳になる。ど
うだろうか? 老齢度は似通っていると思う。そこ
まで元気に到達できればの話だが。こう考えると
運命共同体という言葉が浮かんでくる。雑種なれ
ばこその、しなやかさとこだわりのなさを身につけ
たいもの
9/19mon
禁忌かな 台風迫る 非日常
(たぶーかな たいふうせまる ひにちじょう)
※台風の接近を知らせるニュース、風雨の音、市の
スピーカーの注意報・・・少しだけワクワクする部分
がある。いい歳をして、顰蹙もの
9/18sun
祝長寿 お菓子いただく えっ誰に
(しゅくちょうじゅ おかしいただく えっだれに)
※町内会から「ご長寿おめでとうございます」のカー
ドが入ったお菓子が届いた。満七十歳の年齢はも
ちろん意識しているが、「長寿おめでとう」と言われ
ると新鮮な驚き! みんな、こうして驚いて、歳を
重ねたんだ・・・
9/17sat
ひさびさの 仰げば尊し 耳に澄み
(ひさびさの あおげばとうとし みみにすみ)
※ドラマは見ないようにしているが、TBSの「仰げば
尊し」は良かった。寺尾聡と村上虹郎が教師役と問
題生徒役で好演、ブラスバンドで目標に邁進する、
涙と紆余曲折の物語。それにしても寺尾聡の横顔
はますますオヤジに似てきたなァ・・・
9/16fri
文句言わぬ 自分を描くのが 一里塚
(もんくいわぬ じぶんをかくのが いちりづか)
※今は基礎として、風景画・静物画を描いている。し
かしムクムクと欲があるのは人物画。「まだ待て」
と自制している。過去に何度描いて散々な結果とな
り、撤退したことか・・・
結局は 残暑遠のいたまま 彼岸まで
(けっきょくは ざんしょとおのいたまま ひがんまで)
9/15thu
70歳の 手習い多作を 励みとし
(ななじゅうの てならいたさくを はげみとし)
※作句と同様に、絵の勉強もまずは多作、枚数至上と
信じている。化けはなし、じわりじわりと楽しみながら
「なにかを絞り出せれば・・・」と
9/14wed
キワぼかし 水彩の妙に 感心し
(きわぼかし すいさいのみょうに かんしんし)
※テクニックに走ったらいけないが、水彩ならではの
水と絵の具の混じり具合、一種その時の偶然の結
果に任せるようなところがある。
「へえー、こんな味が・・・」
画家は言う 日曜ばかりじゃ ありません
(がかはいう にちようばかりじゃ ありません)
※「サンデー毎日画家」は品がないし、「シニアペイ
ンター」もちょっとねェ。なんかないかなァ・・・。
列島に、カメラを構える、スケッチを楽しむシニアが
なんと多いことか。間違いなく史上最高。文化の花
香る高齢化社会。負の側面だけを言い過ぎる
9/13tue
気に入った ネットの手本 模写をする
(きにいった ねっとのてほん もしゃをする)
※ネットには先達の多くの日曜画家がホームページに
力作をアップしている。自分の憧れのスケッチ、近
づけそうな水彩画を気軽に模写できる。いい時代、
情報化時代である。
モニターに向かって、シコシコと絵を描くというのは、
青空の下でさらっとスケッチしたいという願いに反し
ているようで初めは気が進まなかったが、思い返せ
ば「模写」は画家修行の王道の一つではないか。
それで気が楽になり、お気に入りの作家さんの絵
を繰り返し模写している。構図、デッサンの緻密さと
ラフな部分のバランス、着色の順序とグラデーション
の技・・・等々、参考になること夥しい
9/12mon
浮かぬ日は バッハのアダージョで 腰を上げ
(うかぬひは ばっはのあだーじょで こしをあげ)
※犬の散歩は年中無休。悪天はまだしも、体調や気
分が最悪な日も。そんな日は急がず、これを聴く・・
・・・。霊験あらたか? →YouTubeはここです
雨雲の 隙間を調べ 裏切られ
(あまぐもの すきまをしらべ うらぎられ)
※天気があやしい時は、散歩の前にタブレットで局地
の雨雲レーダーを見る。大概はいいのだが、時には
・・・。一番薄い色の雨雲は降って濡れても傘は要ら
ない。もちろん犬にカッパは着せない。
ところが出発直後に激しい雨足になったり・・・
9/11sun
「弘法も筆を選ぶのよ」と 言われ買い
(「こうぼうもふでをえらぶのよ」と いわれかい)
※絵画教室のS先生が手にした私の筆は、なんと中学
校時代のもの。物持ちが良いほうではないが、何故
かこれだけは。60年近く昔のもの。
半信半疑のまま、筆を買った。なるほど・・・これはい
い、良い絵が描けそう。疑っていたわりには、納得が
ややイージーかな
雨降りの 画材屋でそっと 筆を買う
(あめふりの がざいやでそっと ふでをかう)
※教室に入って、イーゼルを買うのも、新しい筆を買
うのもなんとなく気恥ずかしさがある。「わたしゃ、
そんなレベルの者じゃございません」と言いたいの
だ。雨の日を狙って行ったわけではないが、お客は
他にいなかった。・・・はりまや橋のそばで恋する坊
さんがカンザシを買った気分?違うなァ・・・
9/10sat
パン生地を 機械に代わり こねて汗
(ぱんきじを きかいにかわり こねてあせ)
※深夜にベーカリーを使い、朝起きたら焼き上がり、
といういつものパターンが突如破綻。機械がウンと
もスンとも言わない。イースト菌を入れてしまった材
料を救済するために人力でこね上げる。手でこねる、
これが本来なのだが、久しぶりで疲れるし眠気は吹
っ飛ぶ。汗で塩気が多くなるかな?
・・・冷蔵庫に入れて、発酵をしばし抑え、明朝にオ
ーブンで焼くことにした。これでなんとか
9/9fri
カボチャども 今年は家計の 助っ人に
(かぼちゃども ことしはかけいの すけっとに)
※畑中を蹂躙したカボチャが、このところの野菜高で
存在感を増している。煮物、スープ、コロッケにサ
ラダ・・・大事に長く食べよう
犬吠えて 新米の香り 届く朝
(いぬほえて しんまいのかおり とどくあさ)
※妹が仲間とコメを作っている。今朝旦那が届けてく
れた。9月上旬の特急便だ。ありがたい。お返しに
瓢箪カボチャのデカ玉を上げれば良かったなァ・・・
9/8thu
花オクラ 喉元を過ぎる 夏の味
(はなおくら のどもとすぎる なつのあじ)
※花びらをさっとゆがいて、酢じょうゆで。ニュル
ニュルが通り過ぎる時、あのオクラの味が。近所の
畑自慢の方からのいただきもの
コンコーン 狐の嫁入り 今朝の秋
(こんこーん きつねのよめいり けさのあき)
※台風13号の影響か、朝方晴れていたかと思うと、
明るい空のまま雨が降る。天気雨。それの繰り返し。
何度か虹が見えた
9/7wed
漱石も 窓からポイッと 空弁当
(そうせきも 窓からぽいっと からべんとう)
※漱石の複数の作品に主人公がポイする場面がある。
昭和40年代の前半まで、列車のトイレには「停車中
は利用しないで下さい」と書いた札があった。大も小
も全部沿線にたれ流しだった。それよりもずっと前の
子供時代、蒸気機関車を見に線路沿いにいた時、
通り過ぎる車両からなにやら水っぽいものが顔にか
かったものだ。当時は喜んでいたが、今から思えば
洗面所の方だったことを祈るのみ・・・
味気なし 弁当買えぬ 窓開かず
(あじけなし べんとうかえぬ まどあかず)
※列車は速くなり、きれいになり、トンネルばかりにな
った。便利と快適さの代わりに失ったものは・・
9/6tue
朝練の 子が駆けていく 残暑かな
(あされんの こがかけていく ざんしょかな)
※2学期が始まり、近所の中学生が朝練の時刻に遅れ
るのか、全速で学校に走っていく。長い夏休みで朝
寝坊のクセが抜けない? 彼は野球部、走ることが
鍛錬になる
汗を拭き テレビドラマに 貰い泣き
(あせをふき てれびどらまに もらいなき)
※台風の大雨の被害が気がかりだが、暑さが戻って
きた。この夏も「不要不急の外出はしません」とばか
りに、公認の家ごもり。つい家でやや自堕落にテレ
ビを見る。猛暑、残暑の風物誌・・・夏の名残に
9/5mon
虎の子の ブドウの袋 外しかね
(とらのこの ぶどうのふくろ はずしかね)
※2本あるぶどうの木のうち新しい方が今年は実をた
くさんつけている。味見の結果も良好だが、粒立ち
は小さい。所有者の家内は更なる完熟を期待して、
袋を外さない。こちらは、熟れ過ぎで茶色に変色し
たらと心配。「大丈夫、袋の小さなアナから見てる
から」と自信ありそう。いずれにしてもささいな問題
9/4sun
地層ショー 万年単位の お話です
(ちそうしょー まんねんたんいの おはなしです)
※午後はバスに乗ってフィールドワーク。近くの山肌
や谷川の壁に、観察地層を訪ねる。遠く飛騨山地か
ら運ばれ堆積した、白い火山灰の層が見える。40
万年前とか。こうした露頭(崖となって地層を観察
できるところ)が実は故郷のここかしこにある
故郷の 地層モデルが 国連に
(ふるさとの ちそうもでるが こくれんに)
※今日のフィールドワークのキワメツケはここ。地磁気
の方向が77万年前に逆転したことを示す地層を市原
市田渕の養老川上流の露頭に訪ねた。この地層が
「国際模式地」として国連の機関に認められるかも、
近々わかる。地質年代に「チバニアン」の名前が・・・
9/3sat
先生は 地層を語る 子守唄
(せんせいは ちそうをかたる こもりうた)
※公民館主催の講演会は「ふるさとと地球の歴史」。
講師は県博物館の上席研究員K氏で地層と化石の
スペシャリスト。やさしく熱心に説いてくれるから、
数十万年昔にスリップする。ロマンを感じて・・・つい
スリープする人も
山に貝 菅生遺跡の ずっと前
(やまにかい すごういせきの ずっとまえ)
※当地には菅生遺跡がある。以前は貴重な集落遺跡
として、登呂遺跡とならんで教科書にも載っていた。
今はどうかな? その時期は弥生後期から古墳、奈
良時代とか。2000年から1300年前である。
今日の話はこの辺が海に沈んでいた頃を含め、数十
万年前~80万年前。貝が化石で地層に現れる。
これを大昔と表現するなら、菅生遺跡は昨日ほど・・
20万年前 ナウマン象は 門口に
(20まんねんまえ なうまんぞうは かどぐちに)
※氷河期を挟んだ暖期に、ナウマン象はこの辺にもい
た。講演では象の前足膝の臼部化石も展示された
9/2fri
病院の サマーコンサート 風涼し
(びょういんの さまーこんさーと かぜすずし)
※盛夏を避けて8月下旬の開催。療養病床の患者さん
が前列に並ぶ。「まだ、いい?大丈夫?帰る?」介護
の女性の声。「ううーん」と首を振る
お決まりの フォークソングに フラダンス
※院長の奥さん(副院長)が、地域の女性の活動に熱
心に参加しているとかで、出演グループは盛りだくさ
ん。心地よい出し物が続く
9/1thu
災害は 忘れる前に やって来る
(さいがいは わすれるまえに やってくる)
※210日。最近の災害の頻発ぶりは・・・
ひまわりは ローレンの域には まだ如かず
(ひまわりは ろーれんのいきには まだしかず)
※件の農家が休耕地に植えたひまわり。50cmほどの
高さで花をつけ始めた。まだまだこれから。ソフィア・
ローレン、名匠ヴィットリオ・デ・シーカの伊映画「ひま
わり」、あの感動的なひまわり畑。あれが目標。まさ
か・・・