ダクタク句集2022年(令和4年)11月 [ダクタク2022年11月]
11/30wed
小春日の港に人のいぬ無残
(こはるびのみなとにひとのいぬむざん)
※カップル観光客の聖地になりかけた木更津港
をまたぐ中の島大橋も人っ子ひとりいない。
海と港を見渡す昔日の静けさと言えないこと
もないが、今度は船が断然少ない。
11/28mon
朝刊の 読めぬ昏さや 時雨雲
(ちょうかんの よめぬくらさや しぐれぐも)
※いやでも冬の到来を感じた朝。真っ黒な雲が
空を覆い続けた。寒さもひとしお。
そうだ、コタツを作ろう。
11/27sun
冬めく日 自宅待機とやらでいる
(ふゆめくひ じたくたいきとやらでいる)
※ゼロコロナ目標ではないから、濃厚接触者の
更なる探索はしていない。しかしそれに準じ
た注意喚起はある。その筋から「自宅観察・
外出自粛」の要請があった。感染ルートは仄
めかす程度で、最後に「通常の日常対策で十
分です」とも。それなら言って来るな、と思
ったが。
11/26sat
曲りても 玉葱の苗 植え終わる
(まがりても たまねぎのなえ うえおわる)
※早生の苗を植えたところで雑事が増えたため
一休み。今回で予定した苗は全部植え終わっ
た。鉛筆の木軸ほどの太さの葉鞘が望ましい
というが苗の調達段階でそれは挫折する。そ
んな立派な苗ではない。黒マルチは使わない。
11/25fri
ワクチンの五回目 初冬の静寂
(わくちんのごかいめ しょとうのせいじゃく)
※集団接種会場で粛々と済ませた。慣れて哀し。
11/23wed
冬の日や事故せし妻の帰宅かな
(ふゆのひやじこせしつまのきたくかな)
事故調書自署なめらかに石蕗の花
(じこちょうしょじしょなめらかにつわのはな)
冬夕焼け惑い長きに見ずに果て
(ふゆゆやけまどいながきにみずにはて)
11/22tue
剪定の音続きたり冬支度
(せんていのおとつづきたりふゆじたく)
バサと落ち研ぎ手の腕を暮れに聞く
(ばさとおちとぎてのうでをくれにきく)
※11月恒例の垣根の刈り込みだが、近年は次
第に億劫になりつつある。着手せずに、今日
は刃物の研ぎ日とか勝手に決めて一日延ばし
にする。
11/21mon
テレビ電話互いに冬の身づくろい
(てれびでんわたがいにふゆのみづくろい)
三の酉あり火の用心と時候言い
(さんのとりありひのようじんとじこういい)
11/19sat
保母開ける窓少しだけ冬はじめ
(ほぼあけるまどすこしだけふゆはじめ)
※コロナ渦で換気は怠れない、しかい今朝の風
はつめたい。この前までのゆったり換気があ
っという間に冬の光景に。
11/18fri
雨音は幻聴 小春の日の朝
(あまおとはげんちょう こはるのひのあさ)
犬こばむ 晩秋日々の同じ道
(いぬこばむ ばんしゅうひびのおなじみち)
※5回目のワクチンを打ってきた。集団接種会
場では打つ人も迎えるスタッフも粛々と仕事
をこなしている印象。結構な形の雲が面白お
かしく晩秋の空を飾っているのに、ワクチン
接種にかくも馴れ切ってしまうとは・・・。
11/17thu
顎引いて 若く撮れると 秋の宿
(あごひいて わかくとれると あきのやど)
※小人数で近場の温泉郷に。家族外の同伴者と
の宿泊は何年ぶりか? もちろん恐る恐るの
出立だったが、ホテルに着いて湯に入って酒
が入れば・・・もう心配は雲散霧消。これが
いけない。
11/16wed
月島の 路地に山芋 並べあり
(つきしまの ろじにやまいも ならべあり)
病葉や 柿のヘタ虫 駆除を聞く
(わくらばや かきのへたむし くじょをきく)
11/15tue
秋フェスタ 膝をさすりて 餅の列
(あきふぇすた ひざをさすりて もちのれつ)
※農協の収穫祭と言えどもフェスタと称する。
一番人気はつきたての餅の販売だ。列のすぐ
そばで絶えずついてこねて・・・。
11/14mon
孫自慢 歴史好きだと 葛の花
(まごじまん れきしずきだと くずのはな)
※シニア同士の話題は、結局は子と孫と病気の
自慢に落ち着く。幸いコロナ禍のせいで、聞
く被害からは遠ざかっていたが、ぼちぼち再
開の気配だ。
11/12sat
お十夜といふを知りてぞ喜寿の坂
(おじゅうやというをしりてぞきじゅのさか)
※もうひと月余りで満で喜寿の歳を迎える。関
西で主に浄土宗の仏事として十夜法要という
のがある。「現世で十日十夜善いことをすれ
ば・・・」という、これからでも間に合う、
ドロナワOKの教えらしい。すがりたい気持
ち?あります。
11/10thu
喜寿の日に 会社退けりと 星月夜
(きじゅのひに かいしゃひけりと ほしづきよ)
※会社生活を終える感慨はその長さによるので
はなかろうが、恵まれてかつ望まれて勤務を
続けられたことは幸せなことだと思う。お疲
れさま。
11/9wed
橡餅を 目指し竈に 火をくべぬ
(とちもちを めざしかまどに ひをくべぬ)
子が可愛 鴉が泣きて 秋澄めり
(こがかわい からすがなきて あきすめり)
蚯蚓鳴き 酒も喉越し 緩やかに
(みみずなき さけものどご しゆるやかに)
※絵画教室の例会で先生が来ない。一番熱心な
のに。何度電話をしたのに出ない・・・。も
しかして? 彼女は80歳台中盤、一人暮ら
し。終わるころ、ひょっこり顔を見せた。
スマホ持たずに出先で一時間以上も立ち話と
か。帰宅して着信の多さにびっくり。
11/6sun
秋の空 数合わせ気味の 守備位置に
(あきのそら かずあわせぎみの しゅびいちに)
フェスなるも 法被が主役 いわし雲
(ふぇすなるもはっぴがしゅやくいわしぐも)
※地域の蘇生と祭りのリベンジなど思惑が交錯
しても、お天気には恵まれた。若手のエンジ
ンに少しでも火がつくか?
11/5sat
ナレーターの 声ゆったりと 古都の秋
(なれーたーの こえゆったりと ことのあき)
※養老孟司の愛読者、ファンではないが、彼と
鎌倉を描いたBSシリーズ番組は好きだ。鎌倉
への対し方、愛し方は大好きだし、それ以上
に断然妬ましい。
11/4fri
ミサイルと 地震頻りに 夜長とて
(みさいると じしんしきりに よながとて)
合唱の 女史再デビュー 雁渡る
(がっしょうの じょしさいでびゅー かりわたる)
※地域の活発な女性陣、鳴りを潜めていたが、
この週の各種催しから息を吹き返した感があ
る。その昔のお局さんも加わる。
11/3thu
死ぬまでの 替え芯ありて 文化の日
(しぬまでの かえしんありて ぶんかのひ)
※シャープペンシル用に替芯0.5mm,2Bを取り
寄せた。普通の店にはないから少し多めに3
ケースを買った。それ以来ではないが、次第
に字を書くことは少なくなった。書く機会が
減ったのと、PC,スマホのせいだ。
一生懸命毎日書くようにしているが・・・。
国宝を みな見せるとぞ 文化の日
(こくほうを みなみせると ぞぶんかのひ)
11/2wed
城下秋 旧町名を 音に読む
(じょうかあき きゅうちょうめいを おとによむ)
※全国の城下町共通の、それらしい町名にはど
うも馴染めない。大手町、馬場町、鍛治町、
本町、寺町等々。せっかくのユニークな町名
があったのに。ちなみに生まれた町の名は融
通寺町。近くに桂林寺町。
11/1tue
畳織る 今年のイグサの 香りかな
(たたみおる ことしのいぐさの かおりかな)
※7月までに収穫するイグサは油の処理、形状
不良の厳しいリジェクトなどを経て、秋に
「織り」が本格化し畳表となる。
小春日の港に人のいぬ無残
(こはるびのみなとにひとのいぬむざん)
※カップル観光客の聖地になりかけた木更津港
をまたぐ中の島大橋も人っ子ひとりいない。
海と港を見渡す昔日の静けさと言えないこと
もないが、今度は船が断然少ない。
11/28mon
朝刊の 読めぬ昏さや 時雨雲
(ちょうかんの よめぬくらさや しぐれぐも)
※いやでも冬の到来を感じた朝。真っ黒な雲が
空を覆い続けた。寒さもひとしお。
そうだ、コタツを作ろう。
11/27sun
冬めく日 自宅待機とやらでいる
(ふゆめくひ じたくたいきとやらでいる)
※ゼロコロナ目標ではないから、濃厚接触者の
更なる探索はしていない。しかしそれに準じ
た注意喚起はある。その筋から「自宅観察・
外出自粛」の要請があった。感染ルートは仄
めかす程度で、最後に「通常の日常対策で十
分です」とも。それなら言って来るな、と思
ったが。
11/26sat
曲りても 玉葱の苗 植え終わる
(まがりても たまねぎのなえ うえおわる)
※早生の苗を植えたところで雑事が増えたため
一休み。今回で予定した苗は全部植え終わっ
た。鉛筆の木軸ほどの太さの葉鞘が望ましい
というが苗の調達段階でそれは挫折する。そ
んな立派な苗ではない。黒マルチは使わない。
11/25fri
ワクチンの五回目 初冬の静寂
(わくちんのごかいめ しょとうのせいじゃく)
※集団接種会場で粛々と済ませた。慣れて哀し。
11/23wed
冬の日や事故せし妻の帰宅かな
(ふゆのひやじこせしつまのきたくかな)
事故調書自署なめらかに石蕗の花
(じこちょうしょじしょなめらかにつわのはな)
冬夕焼け惑い長きに見ずに果て
(ふゆゆやけまどいながきにみずにはて)
11/22tue
剪定の音続きたり冬支度
(せんていのおとつづきたりふゆじたく)
バサと落ち研ぎ手の腕を暮れに聞く
(ばさとおちとぎてのうでをくれにきく)
※11月恒例の垣根の刈り込みだが、近年は次
第に億劫になりつつある。着手せずに、今日
は刃物の研ぎ日とか勝手に決めて一日延ばし
にする。
11/21mon
テレビ電話互いに冬の身づくろい
(てれびでんわたがいにふゆのみづくろい)
三の酉あり火の用心と時候言い
(さんのとりありひのようじんとじこういい)
11/19sat
保母開ける窓少しだけ冬はじめ
(ほぼあけるまどすこしだけふゆはじめ)
※コロナ渦で換気は怠れない、しかい今朝の風
はつめたい。この前までのゆったり換気があ
っという間に冬の光景に。
11/18fri
雨音は幻聴 小春の日の朝
(あまおとはげんちょう こはるのひのあさ)
犬こばむ 晩秋日々の同じ道
(いぬこばむ ばんしゅうひびのおなじみち)
※5回目のワクチンを打ってきた。集団接種会
場では打つ人も迎えるスタッフも粛々と仕事
をこなしている印象。結構な形の雲が面白お
かしく晩秋の空を飾っているのに、ワクチン
接種にかくも馴れ切ってしまうとは・・・。
11/17thu
顎引いて 若く撮れると 秋の宿
(あごひいて わかくとれると あきのやど)
※小人数で近場の温泉郷に。家族外の同伴者と
の宿泊は何年ぶりか? もちろん恐る恐るの
出立だったが、ホテルに着いて湯に入って酒
が入れば・・・もう心配は雲散霧消。これが
いけない。
11/16wed
月島の 路地に山芋 並べあり
(つきしまの ろじにやまいも ならべあり)
病葉や 柿のヘタ虫 駆除を聞く
(わくらばや かきのへたむし くじょをきく)
11/15tue
秋フェスタ 膝をさすりて 餅の列
(あきふぇすた ひざをさすりて もちのれつ)
※農協の収穫祭と言えどもフェスタと称する。
一番人気はつきたての餅の販売だ。列のすぐ
そばで絶えずついてこねて・・・。
11/14mon
孫自慢 歴史好きだと 葛の花
(まごじまん れきしずきだと くずのはな)
※シニア同士の話題は、結局は子と孫と病気の
自慢に落ち着く。幸いコロナ禍のせいで、聞
く被害からは遠ざかっていたが、ぼちぼち再
開の気配だ。
11/12sat
お十夜といふを知りてぞ喜寿の坂
(おじゅうやというをしりてぞきじゅのさか)
※もうひと月余りで満で喜寿の歳を迎える。関
西で主に浄土宗の仏事として十夜法要という
のがある。「現世で十日十夜善いことをすれ
ば・・・」という、これからでも間に合う、
ドロナワOKの教えらしい。すがりたい気持
ち?あります。
11/10thu
喜寿の日に 会社退けりと 星月夜
(きじゅのひに かいしゃひけりと ほしづきよ)
※会社生活を終える感慨はその長さによるので
はなかろうが、恵まれてかつ望まれて勤務を
続けられたことは幸せなことだと思う。お疲
れさま。
11/9wed
橡餅を 目指し竈に 火をくべぬ
(とちもちを めざしかまどに ひをくべぬ)
子が可愛 鴉が泣きて 秋澄めり
(こがかわい からすがなきて あきすめり)
蚯蚓鳴き 酒も喉越し 緩やかに
(みみずなき さけものどご しゆるやかに)
※絵画教室の例会で先生が来ない。一番熱心な
のに。何度電話をしたのに出ない・・・。も
しかして? 彼女は80歳台中盤、一人暮ら
し。終わるころ、ひょっこり顔を見せた。
スマホ持たずに出先で一時間以上も立ち話と
か。帰宅して着信の多さにびっくり。
11/6sun
秋の空 数合わせ気味の 守備位置に
(あきのそら かずあわせぎみの しゅびいちに)
フェスなるも 法被が主役 いわし雲
(ふぇすなるもはっぴがしゅやくいわしぐも)
※地域の蘇生と祭りのリベンジなど思惑が交錯
しても、お天気には恵まれた。若手のエンジ
ンに少しでも火がつくか?
11/5sat
ナレーターの 声ゆったりと 古都の秋
(なれーたーの こえゆったりと ことのあき)
※養老孟司の愛読者、ファンではないが、彼と
鎌倉を描いたBSシリーズ番組は好きだ。鎌倉
への対し方、愛し方は大好きだし、それ以上
に断然妬ましい。
11/4fri
ミサイルと 地震頻りに 夜長とて
(みさいると じしんしきりに よながとて)
合唱の 女史再デビュー 雁渡る
(がっしょうの じょしさいでびゅー かりわたる)
※地域の活発な女性陣、鳴りを潜めていたが、
この週の各種催しから息を吹き返した感があ
る。その昔のお局さんも加わる。
11/3thu
死ぬまでの 替え芯ありて 文化の日
(しぬまでの かえしんありて ぶんかのひ)
※シャープペンシル用に替芯0.5mm,2Bを取り
寄せた。普通の店にはないから少し多めに3
ケースを買った。それ以来ではないが、次第
に字を書くことは少なくなった。書く機会が
減ったのと、PC,スマホのせいだ。
一生懸命毎日書くようにしているが・・・。
国宝を みな見せるとぞ 文化の日
(こくほうを みなみせると ぞぶんかのひ)
11/2wed
城下秋 旧町名を 音に読む
(じょうかあき きゅうちょうめいを おとによむ)
※全国の城下町共通の、それらしい町名にはど
うも馴染めない。大手町、馬場町、鍛治町、
本町、寺町等々。せっかくのユニークな町名
があったのに。ちなみに生まれた町の名は融
通寺町。近くに桂林寺町。
11/1tue
畳織る 今年のイグサの 香りかな
(たたみおる ことしのいぐさの かおりかな)
※7月までに収穫するイグサは油の処理、形状
不良の厳しいリジェクトなどを経て、秋に
「織り」が本格化し畳表となる。