SSブログ
ダクタク2022年3月 ブログトップ

ダクタク句集2022年(令和4年)3月 [ダクタク2022年3月]

3/31thu
春に惑う 田舎住まいと 街住まい
  (はるにまどう いなかずまいと まちずまい)
   ※コロナ禍で「なにがなんでも都会で」という考
    えが見直されているという。もっと積極的に首
    都東京と東京圏の規模縮小を図るべきだと思う。
    事が起こったときに今の首都圏はゆとりが無さ
    過ぎるからだ。しかし・・・
    折しもこの週末、目黒川花見と会食の席に誘わ
    れた。即刻OK、久しぶりに歩きたい。いや、
    やめとけ。やっぱり惑う。

3/30wed
紫雲英田は みちのくにあり トラクター
  (げんげだは みちのくにあり とらくたー)
   ※ようやく田んぼに人の動きが見えた。これから
    春耕というか、4月中旬以降の田植えに向けた
    耕しが始まる。間に合うのかなと心配になる。

3/29tue
落ち雲雀 見失うほど 草はなし
  (おちひばり みうしなうほど くさはなし)
   ※雲雀は地方によっては姿を消したところもある
    とか。ふんだんに見れる当地のアリガタミを再
    認識。とはいえ、高速道路の騒音がなかった頃
    はさらに格段に良かったのだが。

3/28mon
花曇り 夕餉の好み 尋ねらる
  (はなぐもり ゆうげのこのみ たずねらる)
   ※ご飯のおかずを言い合っているとはなんと平和
    ボケで、能天気なことか!と一喝されそうな塩
    梅だ。まあ、いいではないか。・・・ちゃんと
    ニュースは見ているし。

3/27sun
釘付けは 一人静よ 露天風呂
  (くぎづけは ひとりしずかよ ろてんぶろ)
   ※午後になって雨模様だが気温は下がらない。当
    家の桃の花は一気に開く。陽光桜、ソメイヨシ
    ノ、桃、プラムなどの開花順はどうであったか、
    記憶も曖昧になってしまった。

3/26sat
花種の 名を書く木札 二つ三つ
  (はなだねの なをかくきふだ ふたつみつ)
   ※彼岸中には寒い日の戻りがあるというが、明け
    て暖かさが戻ってきた。

春光や かおり貴き 娘あり
  (しゅんこうや かおりとうとき むすめあり)
   ※初秋の9月に上総の国から京に向け、家族と旅
    立った娘がいた。菅原孝標の娘13歳である。
    この娘、源氏物語に憧れている更級日記の主役。
    1020年のこと。ざっと1000年も前の話。

3/24thu
忘るるな メールで頼む さくら餅
  (わするるな めーるでたのむ さくらもち)

花を見て より費やせり 御徒町
  (はなをみて よりついやせり おかちまち)
   ※我が家のモモより早く開花したサクラも寒さで
    もたもたしている。さて今日は?

3/22tue
春の雲 リルケ詩集の一個でも
  (はるのくもりるけししゅうのいっこでも)

敦子女史 鴎外読めと言われ春
  (あつこじょしおうがいよめといわれはる)
   ※春夏秋冬、読書の進まぬ理由をあれこれと並べ
    る。今は眠気。
    尾崎喜八「音楽への愛と感謝」(平凡社ライブ
    ラリー)、著者は昔から尊敬する神様のような
    人。怠る理由も許してくれる。

3/21mon
彼岸会も行った気になり庭の隅
  (ひがんえもいったきになりにわのすみ) 

山茱萸やウィルスいずれと思わしむ
  (さんしゅゆやうぃるすいずれとおもわしむ)
   ※山間部に入ったところに山茱萸が咲き誇ってい
    る里を見た。早春の花だが家の周囲では見かけ
    ない。別名でハルコガネバナとか、幸運をもた
    らすといい。

3/20sun
連翹や 登校の列より高く
  (れんぎょうや とうこうのれつよりたかく)

連翹や 家建たぬ地の 主のごと
  (れんぎょうや いえたたぬちの ぬしのごと)

3/19sat
落ち雲雀 見失わずに 草の陰
  (おちひばり みうしなわずに くさのかげ)

今ならば 濃き草餅と 称えんが
  (いまならば こきくさもちと たたえんが)
   ※母の草餅はヨモギが自ら選んで採集したものだ
    けに草のにおい芬々で、子供の時分においしい
    と言った記憶がない。

3/18fri
春眠や害鳥駆除のふれ聞こゆ
  (しゅんみんやがいちょうくじょのふれきこゆ)
   ※曜日を決めて春秋に行う農村、野山での駆除。
    害獣が対象の場合もある。猟銃を用いるのでオ
    ダヤカではないが、実施反対派ではない。

3/17thu
涅槃会は 行けずに朝の まぼろしに
  (ねはんえは いけずにあさの まぼろしに)

西行忌 彷徨ふ外の 兵ありて
  (さいぎょうき さまよふとつの へいありて)
   ※旧暦2月15日は釈迦入滅の日。今年は中止。
    西行はこの日にサクラの散る中で死にたいと歌
    に詠み、何度も言っていたとか。なんと実際に
    は翌日の16に亡くなった。

3/16wed
鳥曇り 北に平和を 言伝り
  (とりぐもり きたにへいわを ことづてり)
   ※北に帰る準備に余念がない鴨たちに、せめても
    のメッセージを託したつもり。

妻は日々 桃の蕾を 測りおり
  (つまはひび もものつぼみを はかりおり)
   ※桃の開花の前にサクラが咲いてしまうのでは?

3/15tue
遅れ来し ラッパスイセン 仄かなり
  (おくれきし らっぱすいせん ほのかなり)
   ※昨日の異常な暑さは植物に強烈な一撃になった
    ようだ。圧巻は近所のふくらみかけた開花前の
    木蓮が一日で全部開いたこと。見事を通り越し
    て変身だ。脚色された舞台のよう。

3/14mon
子をなして 大事らくらく 嫁の春
  (こをなして だいじらくらく よめのはる)
   ※甥の娘が嫁ぎ先で出産した。幼いころから男顔
    負けのやんちゃぶりだったが、なるほど安産だ
    ったらしい。電話口でも元気いっぱいだった。

3/13sun
花辛夷 今年は畔を 厚くせん
  (はなこぶし ことしはあぜを あつくせん)
   ※東北地方では辛夷の花は農作業開始の目印とか。
    当地では早い所で4月中旬に田植えをする。も
    う農作業は始まっている。頑丈そうな分厚い畔
    作りも今は機械が行う。

3/12sat
辛夷咲く 今年ラッパは 先駆けず
  (こぶしさく ことしらっぱは さきげけず)
   ※辛夷が咲き始めた。上にコブシ、地にラッパス
    イセンというのが定番だったが、今年は違う。
    2月の寒さのせいか?でもサクラは例年並みだ
    という。丈の短い植物が深刻に寒さの被害に遭
    ったのかな。

3/11fri
昼前に 鶯餅の 店の前
  (ひるまえにうぐいすもちのみせのまえ)

七輪の 目刺しのコゲと においかな
  (しちりんの めざしのこげと においかな)

3/10thu
赤ともる ギフチョウを見し 春の茶屋
  (あかともる ぎふちょうをみし はるのちゃや)
   ※友人が写真と文を担当した全編蝶のカレンダー。
   3月は草丈も短い繁みに憩うギフチョウである。

3/9wed
雛仕舞う 長持ちの蓋 ギーとなり
  (ひなしまう ながもちのふた ぎーとなり)
   ※余裕を持って雛を飾り、雛祭りが過ぎたら、だ
    らだらせずに仕舞う。いずれにも気を配るゆと
    りがあったものだ。

3/8tue
春蘭や病疲れの口多し
  (しゅんらんややまいづかれのくちおおし)
   ※元気な知人が一人、ガンを患っている。なお意
    気軒高で治療を受けてきたが、なかなか良い結
    果が得られない。さすがに表情に弱さが見られ
    るようになった。それでも話は殆ど先方から。

3/7mon
戸惑いぬ 溢るるほどの ミモザ来る
  (とまどいぬ あふるるほどの みもざくる)

花ミモザ 図書館に行く 道しるべ
  (はなみもざ としょかんにいく みちしるべ)
   ※例年よりずっと遅いミモザ。今年木を小ぶりに
    しようというお宅から大きなバケツいっぱいの
    ミモザが届いた。

3/6sun
春の路地 母の友 奥に住みたり
  (はるのろじ ははのとも おくにすみたり)
   ※春一番の風もおさまる。この陽気は昔々の季節
    の光景を運んでくる。

3/5sat
蕗の薹 秘めたる場所の いい時分
  (ふきのとう ひめたるばしょの いいじぶん)
   ※昨年はゆったり構えていて終盤の食べごろのヤ
    ツをごっそりやられたっけ。この暖かさだ。油
    断は出来ない。

3/4fri
ラインにて 妹が句を見る 春の夕
  (らいんにて いもがくをみる はるのゆう)

牡丹の芽 見知らぬ人に 教えられ
  (ぼたんのめ みしらぬひとに おしえられ)
   ※兄弟とラインで顔を見たり、句を交換したり、
    とてもコロナ禍前にはなぜか恥ずかしくて出来
    なかったことだ。かと思うと初めての人に牡丹
    の芽の違いを教えられたり、思わぬ交流は以前
    と同じ。

3/3thu
雛の家 馳走したため 夕餉かな
  (ひなのいえ ちそうしたため ゆうげかな)
   ※正式にお客を招いて食事をふるまう時には、そ
    れがお祝い事でも不祝儀例えば法事とかの場合
    でも、ご馳走を予め筆で認め、客に供したもの
    だ。洋の東西を越えて共通しているものらしい。

3/2wed
低山の遠きにて春平らかなり
  (ていざんのとおきにてはるたいらかなり)
   ※山高きがゆえに貴からず。房総の山々に高山は
    ないが、深い無数の地の皺、人の住む多くの山
    並みを作っている。低きがゆえにゆったりとた
    おやかに見えることもある。

3/1tue
鷽を見し今日暖かき日となれり
  (うそをみし きょうあたたかきひとなれり)
   ※今朝我が庭の梅の木に「鷽うそ」を見た。確か
    に。頭の黒色、それに続くオレンジ・・・間違
    いない。留鳥で今頃は低地で過ごすとあるから、
    間違いないのだが何せ現れることが少ない。自
    信はあるのだが、哀しいかな、ド素人+門外漢
    だ。しかし人には尋ねない。しばらくは信じる
    ことにした。
nice!(0)  コメント(0) 
ダクタク2022年3月 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。