ダクタク句集2018年(平成30年)2月 [ダクタク2018年2月]
2/28wed
句を作る 春本格の 前にこそ
(くをつくる はるほんかくの まえにこそ)
※春爛漫の時期は間近。しかし本格的な春は根暗の
者には明るすぎて眩しいし、賑やかすぎる。微妙さ
に欠ける、陰影がない。暖かくなったり、みぞれが降
ったり・・・今のうちにこそ句をしたため、詩を作るの
がいい。
これ、みんなイメージだけの考え。現実にはなにも
浮かばない。時期ではなくて要は感性や才能か。
2/27tue
日を映す 水面に気泡の ありて春
(ひをうつす みなもにきほうの ありて春
※いささか古風な句ですが、うららかな午前の日が
水面に揺れて、そこかしこに水底からの気泡が浮
き出している様は「水温む」の季語そのものに感
じました。
2/26mon
春雷や 光が主役の 五輪閉じ
(しゅんらいや ひかりがしゅやくの ごりんとじ)
※閉会式は光とCGが主役の感あり。ITの粋を集
め、その先端を誇示するよう。それで夜間の開催
か? なにか違う気がするねェ・・・。人一倍楽し
んだ口だから、文句は言えないが。
2/25sun
水鳥と 野焼きが揺れる 川面かな
(みずとりと のやきがゆれる かわもかな)
暗き日よ 野焼きの赤が 横に這い
(くらきひよ のやきのあかが よこにはい)
着ぶくれた 人煙から 野焼きかな
(きぶくれた ひとけむりから のやきかな)
※早朝から堤沿いの草原を野焼きしている。春の風
物詩だが、厚い雲が低く垂れ込め、絶好の日とは
言えない。しかし薄暗い草むらを火が静かに舐め
ていく様は面白い。煙がもうもうとたちこめ、作業し
ている人々が見えなくなる。
2/24sat
引鶴や フィギュアの舞いの かほどまで
(ひきづるや ふぃぎゅあのまいの かほどまで)
※昨夜のフィギュア女子シングル最終組5人の演技
は圧巻だった。高レベルで充実、まさに目を見張る
花の舞台だった。こんなことは滅多にない。
ふきのとう メダルなき日の 馳走かな
(ふきのとう めだるなきひの ちそうかな)
※「もう食べたよ」と言われ、興奮して秘密の場所
に急行。あった、あった。まだ小さめで数は少な
いが、天ぷらに。シーズン初めは殊のほか美味。
2/23fri
我が家は この道のさき 霞むさき
(わがいえは このみちのさき かすむさき)
※なんの取り柄もない句です。本当は今の家でもな
いし、自分の実家のことでもない。しかし何故か親
近感を感じる光景。もしかして、これから行く天国
の家のことを感じたのかな? そうだとしたら、か
えってアリキタリだなァ。
初めてなのに既視感ばっちり。考えても記憶には
ない。そう思わせる要素はなにか? 家や花、風、
光、時刻・・・人、音等々に因数分解して考えても、
「いい感じの正体」はわからない。
2/22thu
春の駅 夢二の女と すれ違う
(はるのえき ゆめじのおんなと すれちがう)
※夢二の女といってもいっぱいいるから、そのうち
の誰?ということになるが、幸い彼の描く女性像
はほぼ決まっている。そう、あのタイプの女性が
不意にすれ違った。まあ、単にそういうこと。
金沢、北九州・・・夢二の足跡にまつわる地方都
市は多い。ここ千葉県では九十九里浜が有名。
大正時代のように自由でおおらかな、美と情緒を
楽しむような時代の再現はないだろうか? 夢二
の再来もない。
2/21wed
栃の実や 亡母が遺せし 灰とこね
(とちのみや ははがのこせし はいとこね)
※風味豊かな栃餅はもともとは貴重な餅の増量材?
だったといわれる。しかも、秋溢れるほどの実がな
ってもそのアクの強さで熊も食べないという。
良質の灰を使って丹念にアク抜きをしなくてはなら
ない。全工程は20日以上も。今では増量材どころ
か・・・。観光施設で売られる甘めの栃餅よりも、田
舎の家々で作られる栃餅が本物。
2/20tue
春の宿 おかみの顔が 海を越え
(はるのやど おかみのかおが うみをこえ)
※日本のスキー場の雪質がオーストラリア人に人気
だとか。それに加えて、宿の主人の心からのもてな
しがびっくりするほどのリピーターを呼んでいるらし
い。SNSによる伝播力のすさまじさ。
2/19mon
日韓の トップ抱き合う 春の夜
(にっかんの とっぷだきあう はるのよる)
※女子スケート500mは日韓のエースが金銀を
分け合う。 試合後抱き合ってのエール交換が
清々しかった。
金メダル とりて優しき 眼なり
(きんめだる とりてやさしき まなこなり)
※小平に対してインタビューアーが
「レース中の目は獣のようでした」と。
小平「獣かどうかはわかりませんが・・・」
2/17sat
春眠や 氷上の冴えは 夢ならず
(しゅんみんや ひょうじょうのさえは ゆめならず)
※目覚めても羽生の演技が幻のように・・・。
春眠や 鴨は一羽も 身じろがず
(しゅんみんや かもはいちわも みじろがず)
2/16fri
逢魔が時 冬の地震に 立ち竦む
(おうまがとき ふゆのじしんに たちすくむ)
※「逢魔が時」とは夕方薄暗くなった時分をいうら
しい。クルマでも歩く人でも識別しにくい時間帯
で事故も多い。こんな夕暮れに地震があった。
歩いていてわかったのだから相当ひどかったか
と思ったが、家にいても感じた人は少なかった。
「逢魔が時」は気味が悪い時間・・・。
2/15thu
宙翔ける 男メダルの 衒いなし
(そらかける おとこめだるの てらいなし)
※ハーフパイプの縁から遥かに上に飛び出し、かつ
回転しひねる。青空を泳ぐ姿は最高だが、危険も
大きい。平野は2大会連続「銀」。
2/13tue
頬に針 深夜のジャンプで つかえ取れ
(ほほにはり しんやのじゃんぷで つかえとれ)
※昨夜遅くジャンプ高梨が銅メダル。猫の目のよう
に変わるシャンツェの風、無心・・・。良かった。
2/12mon
カフェ用の 文庫本選ぶ 春の午後
(かふぇようの ぶんこぼんえらぶ はるのごご)
※風は強いが、日差しは暖かい。古くていい喫茶店
はあるが、なじみになったことはない。都内ではコ
ダワリのチェーン店が随分増えたとも聞く。こちら
ではすぐ近くにスターバックスがある。久しぶりに
出かけよう。
2/11sun
春霧や 異国の街の 気配見せ
(はるぎりや いこくのまちの けはいみせ)
※住んでいるのは丘に広がる、普通の団地だが、一
番高い辺りに木更津総合高の高い塔が聳えている。
春の朝霧が立ちこめて、遠くから団地を眺めると、
自分の住む団地をちょっと見直す。丘の裾はすっ
ぽり霧に囲まれ、その上に件の塔がいつになく気
高く見える。ヨーロッパの街に見えないこともない。
2/10sat
母のお湯 凍てつくクルマが よみがえり
(ははのおゆ いてつくくるまが よみがえり)
※息子のクルマのフロントガラスは真っ白。ちょっ
とやそっとで落ちない、今朝は一段とすごい。時
間がない、あせっている・・・。母親がお湯の入っ
たヤカンを持ってきてくれた。
2/9fri
梅咲けり されど剪りすぎを 後悔し
(うめさけり されどきりすぎを こうかいし)
※豪雪の峠もようやく過ぎたか、一転春本番ほどの
温度上昇が続くとか。家人はウォーキングの会で
南房総市保田に河津桜(地元では「頼朝桜」)を見
に行った。留守番役は庭の白梅を見ていた。
梅いくつ数えるほどの寂しさよ
2/8thu
百日目 雲水となりぬ 雪の宿
(ひゃくにちめ うんすいとなりぬ ゆきのやど)
※曹洞宗のお寺(道場)に一般人が修行僧として入
門を願い出ると、初めの百日間は寺外には禁足と
なり、様々な修行と作業が課される。その間に意
志の確認が幾重にもなされる。百日が明けると、
寺に所属する僧(雲水)として認定されるのだとか。
宿で待っていた両親との別れも許される。
2/7wed
MRI 半年ごとの 命乞い
(えむあーるあい はんとしごとの いのちごい)
※定期的な脳のMRI検査に行く。命乞いという意識
はないが、動脈瘤の大きさに変化がなければ「向
こう半年の命を猶予」ということになる。
やや大げさだが、こんな変にシビアで厄介な状況
に陥ったのは脳ドッグを受診したのがきっかけだ。
MRI ご託宣待つ 春の午後
(えむあーるあい ごたくせんまつ はるのごご)
※午後になり患者の減った院内はぽかぽかと快適。
うつらうつらしてたら順番が来た。なんとかセーフ。
やれやれ・・・。
2/5mon
バス停や ストック抱える 笑顔あり
(ばすていや すとっくかかえる えがおあり)
※早朝のバス停に花と笑顔が溢れる。昨日休日で南
房総の千倉辺りに花摘みに行ったかな。今日は友
人にお裾分け?
実はストックと金魚草の見分けがつかない。
2/4sun
日は長く オリオン高き 春立つ日
(ひはながく おりおんたかき はるたつひ)
※子供の頃に「立春」は寒の終わりと教えられて、
寂しい思いをした。雪も終わりで根雪がいずれ消
えてしまうと・・・。春を待つに相応しい年齢になっ
たのだけれど、当時の副作用は今に至っている。
立春を無視するように、昨日と変わらず寒いなァ
と安心する気持ちがどこかにある。
そこで駄句ダクを2つ。
立春や 犬は二度目の 糞をする
春立つ日 へえ今日なのと 寝ぼけ顔
2/3sat
節分や 小さき豆もつ ミズキかな
(せつぶんや ちさきまめもつ みずきかな)
※寒に耐えたハナミズキの木は小さな丸い花芽をつ
けている。ほころぶのは相当先だし、いっそのこと
今日の豆まきに使えないか・・・。
みぞれ降る バザーの女の あくびかな
(みぞれふる ばざーのひとの あくびかな)
※年に一度の福祉会館でのバザー。生憎の空模様
である。それをいいことに旺盛に買い占める人もい
るが、張り切った店の人はやや拍子抜け。
2/2fri
焼きたての かおり寒夜に 生地たたく
(やきたての かおりかんやに きじたたく)
※パンの生地は温度に大きく影響される。ホームベ
ーカリーが故障して捨てられてから、コネとタタキ
役が回って来た。人力。焼きたてを楽しみにひた
すらたたく。長くやっていても、季節ごとの最良パ
ターンはまだ掴めない。
2/1thu
春の窓 幻影前穂の 峰三つ
(はるのまど げんえいまえほの みねみっつ)
※大寒らしい厳しい寒さが続く。寒気団が居座って
いる。暖かい寝床からなかなか立ち上がれない。
うとうとしていると、日が差し込む窓に穂高の岩
稜が霞んでいる。
句を作る 春本格の 前にこそ
(くをつくる はるほんかくの まえにこそ)
※春爛漫の時期は間近。しかし本格的な春は根暗の
者には明るすぎて眩しいし、賑やかすぎる。微妙さ
に欠ける、陰影がない。暖かくなったり、みぞれが降
ったり・・・今のうちにこそ句をしたため、詩を作るの
がいい。
これ、みんなイメージだけの考え。現実にはなにも
浮かばない。時期ではなくて要は感性や才能か。
2/27tue
日を映す 水面に気泡の ありて春
(ひをうつす みなもにきほうの ありて春
※いささか古風な句ですが、うららかな午前の日が
水面に揺れて、そこかしこに水底からの気泡が浮
き出している様は「水温む」の季語そのものに感
じました。
2/26mon
春雷や 光が主役の 五輪閉じ
(しゅんらいや ひかりがしゅやくの ごりんとじ)
※閉会式は光とCGが主役の感あり。ITの粋を集
め、その先端を誇示するよう。それで夜間の開催
か? なにか違う気がするねェ・・・。人一倍楽し
んだ口だから、文句は言えないが。
2/25sun
水鳥と 野焼きが揺れる 川面かな
(みずとりと のやきがゆれる かわもかな)
暗き日よ 野焼きの赤が 横に這い
(くらきひよ のやきのあかが よこにはい)
着ぶくれた 人煙から 野焼きかな
(きぶくれた ひとけむりから のやきかな)
※早朝から堤沿いの草原を野焼きしている。春の風
物詩だが、厚い雲が低く垂れ込め、絶好の日とは
言えない。しかし薄暗い草むらを火が静かに舐め
ていく様は面白い。煙がもうもうとたちこめ、作業し
ている人々が見えなくなる。
2/24sat
引鶴や フィギュアの舞いの かほどまで
(ひきづるや ふぃぎゅあのまいの かほどまで)
※昨夜のフィギュア女子シングル最終組5人の演技
は圧巻だった。高レベルで充実、まさに目を見張る
花の舞台だった。こんなことは滅多にない。
ふきのとう メダルなき日の 馳走かな
(ふきのとう めだるなきひの ちそうかな)
※「もう食べたよ」と言われ、興奮して秘密の場所
に急行。あった、あった。まだ小さめで数は少な
いが、天ぷらに。シーズン初めは殊のほか美味。
2/23fri
我が家は この道のさき 霞むさき
(わがいえは このみちのさき かすむさき)
※なんの取り柄もない句です。本当は今の家でもな
いし、自分の実家のことでもない。しかし何故か親
近感を感じる光景。もしかして、これから行く天国
の家のことを感じたのかな? そうだとしたら、か
えってアリキタリだなァ。
初めてなのに既視感ばっちり。考えても記憶には
ない。そう思わせる要素はなにか? 家や花、風、
光、時刻・・・人、音等々に因数分解して考えても、
「いい感じの正体」はわからない。
2/22thu
春の駅 夢二の女と すれ違う
(はるのえき ゆめじのおんなと すれちがう)
※夢二の女といってもいっぱいいるから、そのうち
の誰?ということになるが、幸い彼の描く女性像
はほぼ決まっている。そう、あのタイプの女性が
不意にすれ違った。まあ、単にそういうこと。
金沢、北九州・・・夢二の足跡にまつわる地方都
市は多い。ここ千葉県では九十九里浜が有名。
大正時代のように自由でおおらかな、美と情緒を
楽しむような時代の再現はないだろうか? 夢二
の再来もない。
2/21wed
栃の実や 亡母が遺せし 灰とこね
(とちのみや ははがのこせし はいとこね)
※風味豊かな栃餅はもともとは貴重な餅の増量材?
だったといわれる。しかも、秋溢れるほどの実がな
ってもそのアクの強さで熊も食べないという。
良質の灰を使って丹念にアク抜きをしなくてはなら
ない。全工程は20日以上も。今では増量材どころ
か・・・。観光施設で売られる甘めの栃餅よりも、田
舎の家々で作られる栃餅が本物。
2/20tue
春の宿 おかみの顔が 海を越え
(はるのやど おかみのかおが うみをこえ)
※日本のスキー場の雪質がオーストラリア人に人気
だとか。それに加えて、宿の主人の心からのもてな
しがびっくりするほどのリピーターを呼んでいるらし
い。SNSによる伝播力のすさまじさ。
2/19mon
日韓の トップ抱き合う 春の夜
(にっかんの とっぷだきあう はるのよる)
※女子スケート500mは日韓のエースが金銀を
分け合う。 試合後抱き合ってのエール交換が
清々しかった。
金メダル とりて優しき 眼なり
(きんめだる とりてやさしき まなこなり)
※小平に対してインタビューアーが
「レース中の目は獣のようでした」と。
小平「獣かどうかはわかりませんが・・・」
2/17sat
春眠や 氷上の冴えは 夢ならず
(しゅんみんや ひょうじょうのさえは ゆめならず)
※目覚めても羽生の演技が幻のように・・・。
春眠や 鴨は一羽も 身じろがず
(しゅんみんや かもはいちわも みじろがず)
2/16fri
逢魔が時 冬の地震に 立ち竦む
(おうまがとき ふゆのじしんに たちすくむ)
※「逢魔が時」とは夕方薄暗くなった時分をいうら
しい。クルマでも歩く人でも識別しにくい時間帯
で事故も多い。こんな夕暮れに地震があった。
歩いていてわかったのだから相当ひどかったか
と思ったが、家にいても感じた人は少なかった。
「逢魔が時」は気味が悪い時間・・・。
2/15thu
宙翔ける 男メダルの 衒いなし
(そらかける おとこめだるの てらいなし)
※ハーフパイプの縁から遥かに上に飛び出し、かつ
回転しひねる。青空を泳ぐ姿は最高だが、危険も
大きい。平野は2大会連続「銀」。
2/13tue
頬に針 深夜のジャンプで つかえ取れ
(ほほにはり しんやのじゃんぷで つかえとれ)
※昨夜遅くジャンプ高梨が銅メダル。猫の目のよう
に変わるシャンツェの風、無心・・・。良かった。
2/12mon
カフェ用の 文庫本選ぶ 春の午後
(かふぇようの ぶんこぼんえらぶ はるのごご)
※風は強いが、日差しは暖かい。古くていい喫茶店
はあるが、なじみになったことはない。都内ではコ
ダワリのチェーン店が随分増えたとも聞く。こちら
ではすぐ近くにスターバックスがある。久しぶりに
出かけよう。
2/11sun
春霧や 異国の街の 気配見せ
(はるぎりや いこくのまちの けはいみせ)
※住んでいるのは丘に広がる、普通の団地だが、一
番高い辺りに木更津総合高の高い塔が聳えている。
春の朝霧が立ちこめて、遠くから団地を眺めると、
自分の住む団地をちょっと見直す。丘の裾はすっ
ぽり霧に囲まれ、その上に件の塔がいつになく気
高く見える。ヨーロッパの街に見えないこともない。
2/10sat
母のお湯 凍てつくクルマが よみがえり
(ははのおゆ いてつくくるまが よみがえり)
※息子のクルマのフロントガラスは真っ白。ちょっ
とやそっとで落ちない、今朝は一段とすごい。時
間がない、あせっている・・・。母親がお湯の入っ
たヤカンを持ってきてくれた。
2/9fri
梅咲けり されど剪りすぎを 後悔し
(うめさけり されどきりすぎを こうかいし)
※豪雪の峠もようやく過ぎたか、一転春本番ほどの
温度上昇が続くとか。家人はウォーキングの会で
南房総市保田に河津桜(地元では「頼朝桜」)を見
に行った。留守番役は庭の白梅を見ていた。
梅いくつ数えるほどの寂しさよ
2/8thu
百日目 雲水となりぬ 雪の宿
(ひゃくにちめ うんすいとなりぬ ゆきのやど)
※曹洞宗のお寺(道場)に一般人が修行僧として入
門を願い出ると、初めの百日間は寺外には禁足と
なり、様々な修行と作業が課される。その間に意
志の確認が幾重にもなされる。百日が明けると、
寺に所属する僧(雲水)として認定されるのだとか。
宿で待っていた両親との別れも許される。
2/7wed
MRI 半年ごとの 命乞い
(えむあーるあい はんとしごとの いのちごい)
※定期的な脳のMRI検査に行く。命乞いという意識
はないが、動脈瘤の大きさに変化がなければ「向
こう半年の命を猶予」ということになる。
やや大げさだが、こんな変にシビアで厄介な状況
に陥ったのは脳ドッグを受診したのがきっかけだ。
MRI ご託宣待つ 春の午後
(えむあーるあい ごたくせんまつ はるのごご)
※午後になり患者の減った院内はぽかぽかと快適。
うつらうつらしてたら順番が来た。なんとかセーフ。
やれやれ・・・。
2/5mon
バス停や ストック抱える 笑顔あり
(ばすていや すとっくかかえる えがおあり)
※早朝のバス停に花と笑顔が溢れる。昨日休日で南
房総の千倉辺りに花摘みに行ったかな。今日は友
人にお裾分け?
実はストックと金魚草の見分けがつかない。
2/4sun
日は長く オリオン高き 春立つ日
(ひはながく おりおんたかき はるたつひ)
※子供の頃に「立春」は寒の終わりと教えられて、
寂しい思いをした。雪も終わりで根雪がいずれ消
えてしまうと・・・。春を待つに相応しい年齢になっ
たのだけれど、当時の副作用は今に至っている。
立春を無視するように、昨日と変わらず寒いなァ
と安心する気持ちがどこかにある。
そこで駄句ダクを2つ。
立春や 犬は二度目の 糞をする
春立つ日 へえ今日なのと 寝ぼけ顔
2/3sat
節分や 小さき豆もつ ミズキかな
(せつぶんや ちさきまめもつ みずきかな)
※寒に耐えたハナミズキの木は小さな丸い花芽をつ
けている。ほころぶのは相当先だし、いっそのこと
今日の豆まきに使えないか・・・。
みぞれ降る バザーの女の あくびかな
(みぞれふる ばざーのひとの あくびかな)
※年に一度の福祉会館でのバザー。生憎の空模様
である。それをいいことに旺盛に買い占める人もい
るが、張り切った店の人はやや拍子抜け。
2/2fri
焼きたての かおり寒夜に 生地たたく
(やきたての かおりかんやに きじたたく)
※パンの生地は温度に大きく影響される。ホームベ
ーカリーが故障して捨てられてから、コネとタタキ
役が回って来た。人力。焼きたてを楽しみにひた
すらたたく。長くやっていても、季節ごとの最良パ
ターンはまだ掴めない。
2/1thu
春の窓 幻影前穂の 峰三つ
(はるのまど げんえいまえほの みねみっつ)
※大寒らしい厳しい寒さが続く。寒気団が居座って
いる。暖かい寝床からなかなか立ち上がれない。
うとうとしていると、日が差し込む窓に穂高の岩
稜が霞んでいる。