ダクタク句集2022年(令和4年)1月 [ダクタク2022年1月]
1/30sun
蠟梅の寺は散歩に遠くなり
(ろうばいのてらはさんぽにとおくなり)
※片道4千歩近くの寺まで、久しぶりに今回は
クルマで赴いた。かすかだが馥郁とした香り
が漂っていた。以前は毎朝この近くまで歩い
て、帰路も徒歩だった。ところが歳だからと、
大して意識もせずに次第に歩数が減少してい
る。・・・歳と身体のいたわり過ぎかも。
1/29sat
春近し 仏頂面の 料理かな
(はるちかし ぶっちょうづらの りょうりかな)
※なんとなく春の兆しを追い求める気持ちがあ
る。確実な暦の展開をあてにしている。どこ
かでオミクロンの性状に気を許してるのかも
知れないが。
1/28fri
疎開知る 着ぶくれの人 門の内
(そかいしる きぶくれのひと もんのうち)
葬場の閉めたる広さ寒夜かな
(そうじょうのしめたるひろさかんやかな)
1/27thu
野水仙 はためくほどの 風となり
(のすいせん はためくほどの かぜとなり)
鉄火丼 どんと来たりて 寒四郎
(てっかどん どんときたりて かんしろう)
※世の中の活気という意味では否応なしの右往
左往、長い様子見だ。超越?至難の業だ。
1/24mon
三寒の膝粘り切り四温かな
(さんかんのひざねばりきりしおんかな)
動画が師 剪定すれば 春近し
(どうががし せんていすれば はるちかし)
※寒中冬籠りとは言え、コロナ禍対策としてで
あり、気分的には落ち着かない日々だ。読書
も切れ目だし、夢枕獏「白鯨」を読み始める。
アノ「白鯨」と較べれば超読みやすいが、
500頁超の厚さだ。
1/23sun
冬ざれや 故郷の大津絵 耳の底
(ふゆざれや くにのおおつえ みみのそこ)
※実に約60年ぶりに会津大津絵という民謡を
聞いた。祖母の小声の歌を聞いた時以来かも。
いくつもの曲がある中で、地味な曲調と戊辰
戦役とその後の暮らしをうたった歌詞は切々
と訴えるものがある。
1/21fri
新しき 回線通じ 今日大寒
(あたらしき かいせんつうじ きょうだいかん)
怒髪立つも 外の寒気で 鎮まれり
(どはつたつも そとのかんきで しずまれり)
※インターネット、光電話等の契約先を変更し
た。昨年の11月以来やっと全ての工事や手
続きが終了した。
1/20thu
蔵壁に 鴉の影が 日脚伸ぶ
(くらかべに からすのかげが ひあしのぶ)
※大寒の日。さすがに日没後は冷える。しかし
冬至から一カ月近くたって、夕方の定刻に出
かけると確実に明るくなってきている。冷え
てもアッタカイ感じだ。その足は鈍いが。
1/19wed
寒稽古 青の絵の具で 始め見ん
(かんげいこ あおのえのぐで はじめみん)
※千葉県も近く「蔓延防止」対象地域に指定さ
れる。絵画教室も今回で暫くは休止となる。
今年最初の会は季語「寒稽古」に当たるが、
絵の出来は並み。
1/18tue
軒めぐり どんどの藁を 給いたり
(のきめぐり どんどのわらを たまいたり)
※どんど焼きが近くの田んぼで町内ごとに行わ
れた。それに先立って子供たちは、風の吹く
寒い日に町内の商店などを回り、大声で藁を
出してもらった。あの頃の梱包の多くは稲わ
ら製の筵だった。
1/17mon
冬の虹告げ丁重な礼言われ
(ふゆのにじつげていちょうなれいいわれ)
この冬は 筆の遅きが さらになり
(このふゆは ふでのおそきが さらになり)
※何年か前から起こった手の強張り。やさしく
握って書く字がままならない。強張ってペン
先が暴走することもしばしば。それを避けよ
うとゆっくり、軽く・・・結果遅くなる。
1/16sun
寒寝床 本持つ指の 頼りなき
(かんねどこ ほんもつゆびの たよりなき)
※当地温暖ではあるが、エアコンなしの部屋の
未明はさすがにこたえる。「指出し手袋」の
出動も指先や腕全体の冷えにはかなわない。
1/15sat
ウィスキーの 新瓶となり 小正月
(うぃすきーの しんびんとなり こしょうがつ)
※小正月なんて一般家庭では半ば死語。小豆粥
とかどんど焼きとか遥か子供時代にははっき
り残っていたが。
1/14fri
雪の道 おすそ分けとて 姪来たる
(ゆきのみち おすそわけとて めいきたる)
※いただいたカステラがすごくおいしかったか
らと言う。2切れだけだけど、それで十分。
1/13thu
ツィッターも ラインも如かず 冬静寂
(つぃったーも らいんもしかず ふゆしじま)
※冷えたが穏やかに晴れ上がる。この静寂の魅
力に対抗できる音は? 主張と騒音のSMS、
ウィルス禍の激しい噂。・・・。
1/12wed
褞袍てふ 便利はなくて 読書かな
(どてらちょう べんりはなくて どくしょかな)
※椅子に座っても寝っ転がっても、上半身と手
元指先が寒い。ドテラとかワタイレとかが懐
かしい。ヒートテックとかではなくて。
1/11tue
布団干す狭くて二枚ばかりなり
(ふとんほすせまくてにまいばかりなり)
※男が設計した家は家事には不向きと、とかく
の不平には慣れているが、寒中の晴れ間に布
団を干そうとして今更自分でも実感。
1/10mon
寒中は 空のみの野の いとどなり
(かんちゅうは そらのみののの いとどなり)
目方増え 医師に年賀の 声低く
(めかたふえ いしにねんがの こえひくく)
※ここ7,8年安定していた体重が怪しい動き
を見せている。想定範囲をこの半月ほど飛び
ぬけている。一足早く緊急事態宣言発出か。
1/9sun
着ぶくれて 北の民話を 繰り出せり
(きぶくれて きたのみんわを くりだせり)
正月や 突然友の 顔と声
(しょうがつや とつぜんともの かおとこえ)
※おそるおそるLineで友達を増やす。思わぬと
ころで友人とテレビ電話で話した。テレワー
クとかテレビ会議とか世の中では盛んだが、
遅ればせながら。
1/8sat
緩斜面 ゆっくり滑るを 夢に見し
(かんしゃめん ゆっくりすべるを ゆめにみし)
初夢や 主席を好きに 握手せり
(はつゆめや しゅせきをすきに あくしゅせり)
※日頃の思いとは別に、いざ対面すると興奮し
て握手までしてしまう。目覚めて醜態とは思
うのだが。ホンマモノの外交もこうした、イ
デオロギー・安保・経済上の便益・歴史など
・・・複雑なファクターを内包しつつ、目先
の国益で動いてしまう。こんなことがあるの
では?
1/7fri
南房総の雪 子供連れ立ち
(みなみぼうそうのゆき こどもつれだち)
街灯の下に 無限の雪降りて
(がいとうのしたに むげんのゆきふりて)
寒の夜 根雪になれと 思いしも
(かんのよる ねゆきになれと おもいしも)
氷砕く クルマの音や 寒椿
(こおりさく くるまのおとや かんつばき)
※雪国生まれの小生にとって昨日の大雪は予想
外の吉事。雪が降りしきる時の吸音するかの
ような静寂を雪が上がった未明から今朝まで
感じていた。満足。
1/6thu
着ぶくれて 道守る人 旗持てり
(きぶくれて みちまもるひと はたもてり)
※普段の暮らしが始まった。通勤、工事・・・
と周囲を見ていたら、雪が降ってきた。見る
見る積もってきた。降り止まぬ。びっくり。
新年にドクター✕を待つ祈り
(しんねんにどくたーえくすをまついのり)
1/5wed
寒の入り 寝床の日記の 行僅か
(かんのいり ねどこのにっきの ぎょうわずか)
※三が日はすうーと過ぎ、早や今日は寒の入り。
寝床の腕、指は防寒対策を施しているが、さ
すがにそれでも冷たい。就寝は素早く、払暁
はゆっくりと・・・このパターンは抜け出せ
そうにない。
1/4tue
冬茜 坂の途中の 家なりき
(ふゆあかね さかのとちゅうの いえなりき)
※都心住まいの頃の通勤路が不思議と印象深い。
中でも毎日上り下りした坂道は四季の光景が
焼き付いている。
1/3mon
万両や 我が時代に 歌ありて
(まんりょうや わがじだいに うたありて)
※紅白歌合戦の歌にしても、現代の若い人々は
歌、楽曲に本当に恵まれているのだろうか?
と素直な疑念あり。今メディアの多様化の割
にその幅は狭いのでは? 拡散はするが模倣
と好みの境は漠としている。
1/1sat
元朝の 踏切の音 まっすぐ来
(がんちょうの ふみきりのおと まっすぐく)
元日や 妻は普段の 電話をし
(がんじつや つまはふだんの でんわをし)
※犬の散歩に盆も正月もない。ゆっくり帰って
きたら姪夫婦の年賀の来訪。嬉しいスタート。
蠟梅の寺は散歩に遠くなり
(ろうばいのてらはさんぽにとおくなり)
※片道4千歩近くの寺まで、久しぶりに今回は
クルマで赴いた。かすかだが馥郁とした香り
が漂っていた。以前は毎朝この近くまで歩い
て、帰路も徒歩だった。ところが歳だからと、
大して意識もせずに次第に歩数が減少してい
る。・・・歳と身体のいたわり過ぎかも。
1/29sat
春近し 仏頂面の 料理かな
(はるちかし ぶっちょうづらの りょうりかな)
※なんとなく春の兆しを追い求める気持ちがあ
る。確実な暦の展開をあてにしている。どこ
かでオミクロンの性状に気を許してるのかも
知れないが。
1/28fri
疎開知る 着ぶくれの人 門の内
(そかいしる きぶくれのひと もんのうち)
葬場の閉めたる広さ寒夜かな
(そうじょうのしめたるひろさかんやかな)
1/27thu
野水仙 はためくほどの 風となり
(のすいせん はためくほどの かぜとなり)
鉄火丼 どんと来たりて 寒四郎
(てっかどん どんときたりて かんしろう)
※世の中の活気という意味では否応なしの右往
左往、長い様子見だ。超越?至難の業だ。
1/24mon
三寒の膝粘り切り四温かな
(さんかんのひざねばりきりしおんかな)
動画が師 剪定すれば 春近し
(どうががし せんていすれば はるちかし)
※寒中冬籠りとは言え、コロナ禍対策としてで
あり、気分的には落ち着かない日々だ。読書
も切れ目だし、夢枕獏「白鯨」を読み始める。
アノ「白鯨」と較べれば超読みやすいが、
500頁超の厚さだ。
1/23sun
冬ざれや 故郷の大津絵 耳の底
(ふゆざれや くにのおおつえ みみのそこ)
※実に約60年ぶりに会津大津絵という民謡を
聞いた。祖母の小声の歌を聞いた時以来かも。
いくつもの曲がある中で、地味な曲調と戊辰
戦役とその後の暮らしをうたった歌詞は切々
と訴えるものがある。
1/21fri
新しき 回線通じ 今日大寒
(あたらしき かいせんつうじ きょうだいかん)
怒髪立つも 外の寒気で 鎮まれり
(どはつたつも そとのかんきで しずまれり)
※インターネット、光電話等の契約先を変更し
た。昨年の11月以来やっと全ての工事や手
続きが終了した。
1/20thu
蔵壁に 鴉の影が 日脚伸ぶ
(くらかべに からすのかげが ひあしのぶ)
※大寒の日。さすがに日没後は冷える。しかし
冬至から一カ月近くたって、夕方の定刻に出
かけると確実に明るくなってきている。冷え
てもアッタカイ感じだ。その足は鈍いが。
1/19wed
寒稽古 青の絵の具で 始め見ん
(かんげいこ あおのえのぐで はじめみん)
※千葉県も近く「蔓延防止」対象地域に指定さ
れる。絵画教室も今回で暫くは休止となる。
今年最初の会は季語「寒稽古」に当たるが、
絵の出来は並み。
1/18tue
軒めぐり どんどの藁を 給いたり
(のきめぐり どんどのわらを たまいたり)
※どんど焼きが近くの田んぼで町内ごとに行わ
れた。それに先立って子供たちは、風の吹く
寒い日に町内の商店などを回り、大声で藁を
出してもらった。あの頃の梱包の多くは稲わ
ら製の筵だった。
1/17mon
冬の虹告げ丁重な礼言われ
(ふゆのにじつげていちょうなれいいわれ)
この冬は 筆の遅きが さらになり
(このふゆは ふでのおそきが さらになり)
※何年か前から起こった手の強張り。やさしく
握って書く字がままならない。強張ってペン
先が暴走することもしばしば。それを避けよ
うとゆっくり、軽く・・・結果遅くなる。
1/16sun
寒寝床 本持つ指の 頼りなき
(かんねどこ ほんもつゆびの たよりなき)
※当地温暖ではあるが、エアコンなしの部屋の
未明はさすがにこたえる。「指出し手袋」の
出動も指先や腕全体の冷えにはかなわない。
1/15sat
ウィスキーの 新瓶となり 小正月
(うぃすきーの しんびんとなり こしょうがつ)
※小正月なんて一般家庭では半ば死語。小豆粥
とかどんど焼きとか遥か子供時代にははっき
り残っていたが。
1/14fri
雪の道 おすそ分けとて 姪来たる
(ゆきのみち おすそわけとて めいきたる)
※いただいたカステラがすごくおいしかったか
らと言う。2切れだけだけど、それで十分。
1/13thu
ツィッターも ラインも如かず 冬静寂
(つぃったーも らいんもしかず ふゆしじま)
※冷えたが穏やかに晴れ上がる。この静寂の魅
力に対抗できる音は? 主張と騒音のSMS、
ウィルス禍の激しい噂。・・・。
1/12wed
褞袍てふ 便利はなくて 読書かな
(どてらちょう べんりはなくて どくしょかな)
※椅子に座っても寝っ転がっても、上半身と手
元指先が寒い。ドテラとかワタイレとかが懐
かしい。ヒートテックとかではなくて。
1/11tue
布団干す狭くて二枚ばかりなり
(ふとんほすせまくてにまいばかりなり)
※男が設計した家は家事には不向きと、とかく
の不平には慣れているが、寒中の晴れ間に布
団を干そうとして今更自分でも実感。
1/10mon
寒中は 空のみの野の いとどなり
(かんちゅうは そらのみののの いとどなり)
目方増え 医師に年賀の 声低く
(めかたふえ いしにねんがの こえひくく)
※ここ7,8年安定していた体重が怪しい動き
を見せている。想定範囲をこの半月ほど飛び
ぬけている。一足早く緊急事態宣言発出か。
1/9sun
着ぶくれて 北の民話を 繰り出せり
(きぶくれて きたのみんわを くりだせり)
正月や 突然友の 顔と声
(しょうがつや とつぜんともの かおとこえ)
※おそるおそるLineで友達を増やす。思わぬと
ころで友人とテレビ電話で話した。テレワー
クとかテレビ会議とか世の中では盛んだが、
遅ればせながら。
1/8sat
緩斜面 ゆっくり滑るを 夢に見し
(かんしゃめん ゆっくりすべるを ゆめにみし)
初夢や 主席を好きに 握手せり
(はつゆめや しゅせきをすきに あくしゅせり)
※日頃の思いとは別に、いざ対面すると興奮し
て握手までしてしまう。目覚めて醜態とは思
うのだが。ホンマモノの外交もこうした、イ
デオロギー・安保・経済上の便益・歴史など
・・・複雑なファクターを内包しつつ、目先
の国益で動いてしまう。こんなことがあるの
では?
1/7fri
南房総の雪 子供連れ立ち
(みなみぼうそうのゆき こどもつれだち)
街灯の下に 無限の雪降りて
(がいとうのしたに むげんのゆきふりて)
寒の夜 根雪になれと 思いしも
(かんのよる ねゆきになれと おもいしも)
氷砕く クルマの音や 寒椿
(こおりさく くるまのおとや かんつばき)
※雪国生まれの小生にとって昨日の大雪は予想
外の吉事。雪が降りしきる時の吸音するかの
ような静寂を雪が上がった未明から今朝まで
感じていた。満足。
1/6thu
着ぶくれて 道守る人 旗持てり
(きぶくれて みちまもるひと はたもてり)
※普段の暮らしが始まった。通勤、工事・・・
と周囲を見ていたら、雪が降ってきた。見る
見る積もってきた。降り止まぬ。びっくり。
新年にドクター✕を待つ祈り
(しんねんにどくたーえくすをまついのり)
1/5wed
寒の入り 寝床の日記の 行僅か
(かんのいり ねどこのにっきの ぎょうわずか)
※三が日はすうーと過ぎ、早や今日は寒の入り。
寝床の腕、指は防寒対策を施しているが、さ
すがにそれでも冷たい。就寝は素早く、払暁
はゆっくりと・・・このパターンは抜け出せ
そうにない。
1/4tue
冬茜 坂の途中の 家なりき
(ふゆあかね さかのとちゅうの いえなりき)
※都心住まいの頃の通勤路が不思議と印象深い。
中でも毎日上り下りした坂道は四季の光景が
焼き付いている。
1/3mon
万両や 我が時代に 歌ありて
(まんりょうや わがじだいに うたありて)
※紅白歌合戦の歌にしても、現代の若い人々は
歌、楽曲に本当に恵まれているのだろうか?
と素直な疑念あり。今メディアの多様化の割
にその幅は狭いのでは? 拡散はするが模倣
と好みの境は漠としている。
1/1sat
元朝の 踏切の音 まっすぐ来
(がんちょうの ふみきりのおと まっすぐく)
元日や 妻は普段の 電話をし
(がんじつや つまはふだんの でんわをし)
※犬の散歩に盆も正月もない。ゆっくり帰って
きたら姪夫婦の年賀の来訪。嬉しいスタート。