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ダクタク2018年3月 ブログトップ

ダクタク句集2018年(平成30年)3月 [ダクタク2018年3月]

3/31sat
春風や 畦におりたつ 海の鳥
     (しゅんぷうや あぜにおりたつ うみのとり)
        ※朝の散歩コースにしている辺は海岸から3~5
         kmの内陸だが、群れをなす海鳥をみかけること
         がある。旅鳥のシギの仲間か? 目の前の小櫃
         川は東京湾に注ぐところで広大な干潟を形成し
         ている。生物が豊かに生息していて首都圏では
         数少ない貴重な場所らしい。川の上流を目指して、
         食事?に来てもおかしくない。 不詳。

3/29thu
いぬふぐり イヌトモ今朝も 顔見せず
     (いぬふぐり いぬともけさも かおみせず)
        ※当地はサクラ満開。朝の散歩に顔を合わせる人
         がこのところ来ない。この気温で花粉警報も赤く
         なっていたから、きっとそのせいに違いない。家
         の近所で我慢しているのだ。今朝の堤の景色を
         見られないとは・・・。

3/28wed
春眠や 本はふとんの 中で寝る
     (しゅんみんや ほんはふとんの なかでねる)

3/27tue
煙突も 煙も霞の 中に溶け
     (えんとつも けむりもかすみの なかにとけ)

春宵の 赤き通りと 通夜の客
     (しゅんしょうの あかきとおりと つやのきゃく)
        ※5月並みの気温も夕方には少し冷える。気温の
         せいで霞がかかったような大気も透き通ってきて、
         夕焼けの光が通りを染めている。

3/26mon
遍路行く 室戸吉良川 蔵の町
     (へんろいく むろときらがわ くらのまち)

湯上りに 主人の語り 春遍路
     (ゆあがりに しゅじんのかたり はるへんろ)
        ※「いつかは四国遍路へ・・・」と思い始めたのが
         50歳前後の頃。「全路徒歩で」が「一部でも」と
         なり、「ちょっとだけでも」という現在に至って、
         まだ実行していない。蔵の街を朝日に見るか、
         夕焼けか? 遍路宿って? いい主人がいる
         かな? いらぬ心配ばかりしている。

3/25sun
いつの間に 花花花か 春駆ける
     (いつのまに はなはなはなか はるかける)

春うらら 椅子組み立てる 釣り師かな
     (はるうらら いすくみたてる つりしかな)
        ※休日の釣り師、ゆっくりとアルミの椅子を準備
         している。ヘラブナ釣りは寒い中が似合う光景
         だが、こんな日もいいものだ。釣り師も一番落
         ち着くのはこの椅子の上だから、この季節この
         好天では釣れそうもないけれど家を出た・・・。

3/24sat           
春の朝 帰心に水差す 寒さかな
     (はるのあさ きしんにみずさす さむさかな)

法事終え 兄の横顔 春の風
     (ほうじおえ あにのよこがお はるのかぜ)
        ※両親と弟の回忌法要をまとめる形で郷里で行った。
         生憎みぞれ混じりの雨。肉親の法事としては今回
         を節目としていた兄はほっと一息という面持ち。温
         泉宿に移動してのお斎も楽しかった。

3/22thu
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獅子舞は あの日の通りの においまで
     (ししまいは あのひのとおりの においまで)

被り上げ タバコ吸ってる 獅子の春
     (かぶりあげ たばこすってる ししのはる)

彼岸獅子 戊辰の役に 手柄あり
     (ひがんじし ぼしんのえきに てがらあり)
        ※ちょうど150年前(今年は戊辰戦争150周年)、
         前線から籠城戦に戻る山川大蔵(やまかわおお
         くら、後の山川浩、陸軍少将)の一隊が包囲され
         ていた鶴ヶ城に容易に入城できないでいたとこ
         ろを、彼岸獅子の一団にまぎれて無事入城を果
         たした。

3/21wed
bandicam 2018-03-15 14-45-16-102.jpg
彼岸獅子 なつかしき顔の みな揃い
     (ひがんじし なつかしきかおの みなそろい)

人垣に 友の顔いくつ 彼岸獅子
     (ひとがきに とものかおいくつ ひがんじし)

あの笛は 母の背中よ 温かき
     (あのふえは ははのせなかよ あたたかき)

彼岸獅子 道端に黒き 雪ありて
     (ひがんじし みちばたにくろき ゆきありて)

3/20tue
彼岸獅子 舞い一番の 獅子を追い
     (ひがんじし まいいちばんの ししをおい)

春うらら 急くな雄獅子の 弓くぐり
     (はるうらら せくなおじしの ゆみくぐり)
        ※獅子団それぞれに特徴があり、ご贔屓も生まれる。
         舞いを頼むとその家の前で、包んだ芳志(金額)に
         よって舞いのメニューが決まる。通常の3人の舞手
         によるものに加え、真ん中の牝獅子だけの舞い、
         連れてきている子供と牡獅子の舞い、牡獅子によ
         る弓くぐりの舞い・・・と多彩だ。子供の頃は圧巻の
         弓くぐりが見たくて、今で言う「おっかけ」をしたもの
         だ。なつかしい思い出。
         各家では椅子を持ち出し、年寄りを中央に座らせ、
         舞いを楽しんだ。テレビもない、観劇など滅多にな
         い時代であった。家の主人の親孝行。

3/19mon
笛聞かば 雪の通りに 飛び出せり
     (ふえきかば ゆきのとおりに とびだせり)

彼岸獅子 子役のありて 恋しかり
     (ひがんじし こやくのありて こいしかり)
        ※郷里会津若松市では春の彼岸に伝統の「彼岸
         獅子」が市内の各所で披露される。近郊の町か
         ら4、5組の獅子団が市中の商店、家を巡り、縁
         起物の舞を踊る。獅子団は連とも言える集団で、
         今は伝統文化保存会と称して、舞い方、笛太鼓
         の囃子方から構成される。会津に獅子団の音が
         聞こえるとやっと本格的な春が訪れる。

3/18sun
春嵐 備長炭の 窯たたく
     (はるあらし びんちょうたんの かまたたく)
        ※雨混じりの強風が窯をたたき続ける。わずかに
         白い湯気が立つ。原料はカシ。紀伊半島から伝
         えられた備長炭の生産を守っている。

春風に 備長炭は チンとなり
     (はるかぜに びんちょうたんは ちんとなり)
        ※炭の断面を見ると、真っ黒で密度が高い。炭同士
         がふれて出す音は金属音。

3/17sat
春野菜 安くなるかと ラジオ言い
     (はるやさい やすくなるかと らじおいい)
        ※朝6時の気温、昨日16度で今朝が3度、実に
         13度もの差。天候不順で高止まりしていた野
         菜がようやく安くなりそうという。暖かくなれば
         出荷量が増えて、のこと。
         しかし今朝の気温は! 大丈夫かな・・・。

3/16fri
桃スモモ 花咲く暖気の すさまじさ
     (ももすもも はなさくだんきの すさまじさ)
        ※昨日までの圧倒的な気温、サクラ開花予報も一
         新された。我が家の桃とプラム、昨年より4~5日
         開花が早い。

この春も 黄の競艶の 名に迷い
     (このはるも きのきょうえんの なにまよい)
        ※春に虫が一番好む色は黄色だとか。黄色の花は
         多いが、ここでいう黄の競艶?は「黄色の花をつけ
         る木」である。公園の植栽に、家々の庭の垣根越
         しに見られるもの。春を感じます。
         迷うのは(一年たつと忘れるのは)、
           マンサク(万作)
           レンギョウ(連翹)
           サンシュユ(山茱萸)
           ヤマブキ(山吹)
           トサミズキ(土佐水木)

3/14wed
春の午後 師の筆入る 絵に見入る
     (はるのごご しのふではいる えにみいる)

水仙の 小さき花よ 黄の微妙
     (すいせんの ちいさきはなよ きのびみょう)
        ※絵画教室では年に一度の作品展(4月)に向け、
         準備に入った。去年より少しは良い作品になった
         かなァ? わずかな自信も仲間の出展作と較べ
         ると、「あれーっ!?」としぼみがちだ。先生のア
         ドバイスとちょっとの加筆で大きくイメージを変え
         ることも。

3/13tue
ヘッドライト 後悔のみあり 春の霧
     (へっどらいと こうかいのみあり はるのきり)
        ※ちょっと前にTVで映画「ヘッド・ライト」(仏1955)
         を見た。なつかしかった。若い女との恋に家族を
         捨てた中年トラックドライバーの心の動きを描い
         たものだ。女との新たな暮らしを思い描いた矢先、
         女は病気で急死してしまう。中年男の恋とエゴ、
         暮らしと哀愁・・・をギャンは渋く演じる。

3/12mon
梅の里と 地名すぐにも 匂いあり
     (うめのさとと ちめいすぐにも においあり)

年齢で知る 春の芽吹きの すさまじさ
     (としでしる はるのめぶきの すさまじさ)

ハイウェイの 音の変わりし 彼岸前
     (はいうぇいの おとのかわりし ひがんまえ)
        ※春本格の様相。光に色に、風に香りに、音に・・・。

3/11sun
春つかむ 指のよごれや ふきのとう
     (はるつかむ ゆびのよごれや ふきのとう)
        ※この春も既にフキノトウの天ぷらを賞味した。そ
         してもう終盤なので、終盤向きの場所に採りに行
         く。数はないけれど大きくてうまそうな・・・。

春浅き 鎮魂の海は ただ青く
     (はるあさき ちんこんのうみは ただあおく)

3/10sat
雨音を しのぐ声あり 猫の恋
     (あまおとを しのぐこえあり ねこのこい)
        ※我が家の犬は猫が嫌い。先代もそうだった。雨音
         と猫の声、そして止まない犬の吠え・・・これが深夜
         に続くとちょっと困る。

3/9fri
才能の 静かに溢れ 春の宵
     (さいのうの しずかにあふれ はるのよい)

師の顔は わずかに歪み 春嵐
     (しのかおは わずかにゆがみ はるあらし)
        ※藤井6段の師弟対決勝利のニュースが届く。今回
         もただ驚くだけ。いつものことながら、快挙の度合い
         が十分に理解できない門外漢としては周囲のどよ
         めきと対戦者二人の表情を見ることしかない。

3/8thu
観覧車の 子らの声のごと 初雲雀
     (かんらんしゃの こらのこえのごと はつひばり)

雲雀来て 川面は鳥の なかりけり
     (ひばりきて かわもはとりの なかりけり)
        ※昨日いつもの散歩コースで初雲雀観察。今年の
         特色は初日から盛んに鳴き立てていることだ。

3/7wed
もどり寒 鵯の黙して 横切れり
     (もどりざむ ひよのもくして よこぎれり)
        ※身近な鳥の中でヒヨドリはとかく行儀が悪い。鳴
         き声がうるさい、食欲が旺盛、他の小鳥をやっつ
         ける・・・等々。それにしても「鵯」とはちょっと可哀
         想な気も。

もどり寒 夜また長く 沈みおり
     (もどりざむ よるまたながく しずみおり)
        ※一度暖かい生活に慣れると、寒い日は暗く、日が
         再び短くなったような気もする。屋内で静かにして
         いるか。

3/6tue
目も鼻も のども癒して 春の雨
     (めもはなも のどもいやして はるのあめ)
        ※晴れ続きも花粉症の人にとってはうらめしい。2
         日ほどの雨模様はプレゼント。

雌犬の 春大口の 欠伸する
     (めすいぬの はるおおぐちの あくびする)
        ※「人前で大口開けてあくびするものじゃない。お
          嬢様なんだから」
         「(-_-)゜zzz・・・・・」

3/5mon
梅の香に 楊枝作りの 主歩く
     (うめのかに ようじづくりの ぬしあるく)
        ※君津市久留里の伝統工芸に楊枝作りがある。ク
          ロモジから削り出され、久留里城にちなんで「雨
         城楊枝」と呼ばれる。本格的な職人は一人きり、
         後継者も弟子もいないとか。座っての仕事。普段
         はろくに運動もしない。一徹な人柄。その人がウォ
         ーキング・・・。

3/4sun
新しき 薬草食う 犬の春
     (あたらしき くすりぐさくう いぬのはる)
        ※名前を知らないが、犬は腹の調子が悪い時に路傍
         の細い草を食べる。普段は少しだけ、悪い時は大量
         に食って悪い食物とともに口からもどす。やっとやわ
         らかそうな草がのびてきた。

ゴイサギの 首回し見る 岸の春
     (ごいさぎの くびまわしみる きしのはる)
        ※他の鳥と違って、近くを通ってもゴイサギは悠然と
         している。川面を見張っていた目はぐるりとこちらに
         向けられる。

3/3sat
雛の段 重ねる亡母の 太い指
     (ひなのだん かさねるははの ふといゆび)
        ※思い出すのは、雛人形を優しく飾る姿ではなく、
         蔵の二階から人形が入った大きな木箱を下ろして
         来て、大小の箱を利用してひな壇を作っていた姿
         だ。緋毛氈で覆って出来た時、いつも手品のよう
         だと感心した。

ネモフィラよ 床屋に朝の 客五人
     (ねもふぃらよ とこやにあさの きゃくごにん)
        ※普通の理髪店より安い店がある。抜けるような青
         空、早くも客がたくさん。いがぐり頭の主人は若い
         が働き者、朝飯前にかたづける。

3/2fri
雪軒に 会津に嫁いで 糸紡ぐ
     (ゆきのきに あいづにとついで いとつむぐ)
         ※奥会津の雪深い村に受け継がれてきた素朴な
          織物の話。 「からむし」という植物から麻に似た
          糸を紡ぎ、織姫と呼ばれる女性が帯などに織り
          上げる。人気上昇中とか。

3/1thu
バラを描く 原色黄色の 旬や今
     (ばらをえがく げんしょくきいろの しゅんやいま)
        ※バラ一般の旬は5,6月だろうが、花屋の店先の
         バラはこれからが旬。待ちこがれる人にとって黄
         色のバラは春そのもの。バラ15本ほどとカスミ草
         を求め、画材にした。

春の日や 師の筆先の すこやかさ
     (はるのひや しのふでさきの すこやかさ)
        ※花特にバラを描かせると先生の絵は生き生きとす
         る。のびやかさは筆先の動きもそうだ。

冬の絵に 仲間の評は 春ならず
     (ふゆのえに なかまのひょうは はるならず)
        ※寒い中で描いた風景画を持っていった。皆の評価
         はいまひとつだ。
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