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ダクタク2019年6月 ブログトップ

ダクタク句集2019年(令和1年)6月 [ダクタク2019年6月]

6/30sun
梅雨の上り 待つ人ひとり 無人駅
     (つゆののぼり まつひとひとり むじんえき)
        ※台風は思った程でないまま過ぎ去ったが、梅雨
         の強嵐が吹きまくっている。犬の右目下に水泡
         が出来、一段とふくれてしまった。原因は目の
         病気、歯槽膿漏・・・等々? この一週間念入
         りに歯磨きをしたりケアをしてきたが、どうに
         も好転しない。庭の木々が大きく揺れるのを見
         ながら、明日の病院行きを決める。

6/29sat
大阪に 笑みと矢玉が 梅雨いくさ
     (おおさかに えみとやだまが つゆいくさ)
        ※何ひとつ方向付けが出せそうにないG20。参
         加することに意義もあろうが・・・。

良ければと 置かれた皿に 梅雨の雨
     (よければと おかれたさらに つゆのあめ)
        ※「良ければどうぞ」と書かれた札とともに多く
         の皿や湯呑などが閉店した商店の前に並べられ
         ている。

6/28fri
麻のれん 居酒屋さがす 神田かな
     (あさのれん いざかやさがす かんだかな)
        ※6/20都内散歩の続き
         神保町、駿河台下から靖国通りを神田駅方面目
         指して歩く。20回以上続く会が始まったのは
         7年前の神田駅ガード下の居酒屋でだった。
         「聖地」とも言える、その店の周辺を再訪した。
         しかし、店は容易には見つからない。場所の勘
         違い?倒産閉店?・・・。

麗しき ネパールの女や 梅雨の宴
     (うるわしき ねぱーるのひとや つゆのえん)
        ※結局その居酒屋は見つからなかった。とある居
         酒屋で今日の打ち上げ。とどこおりはない。

スマホ見せ 優しき孫を 暑気払い
     (すまほみせ やさしきまごを しょきばらい) 

薄くても サワー楽しき サクランボ
     (うすくても さわーたのしき さくらんぼ)

6/27thu
猫の碑や あじさいの陰に 佇めり
     (ねこのひや あじさいのかげに たたずめり)
        ※6/20都内散歩の続き
         山の上ホテル裏手の急坂が錦華坂。坂下には区
         立お茶の水小学校がある。ここには1873年
         創立の錦華小学校があったという。公立の小学
         校では最も古い学校の一つ。その1期生の一人
         が夏目漱石だ。
夏帽子 すずらん通りを 左側
     (なつぼうし すずらんどおりを ひだりがわ)
        ※神保町の古書店街のひとつ南側の通り。古いカ
         フェとか凝った専門店などがあった。その昔夏
         休みの半分ほどをバイトに費やし、この通りの
         店で高価な楽器を買った。帰りの巣鴨に向かう
         都電な中でいかに意気揚々としていたか。

6/26wed
阿久悠の 記念館涼し 梅雨晴れ間
     (あくゆうの きねんかんすずし つゆはれま)
        ※6/20都内散歩の続き
         明大本部(駿河台キャンパス)の明大博物館に
         寄る。刑罰に関する学説と資料展示がご自慢。
         阿久悠の記念館が併設されている。彼の写真と
         詩が入場者を迎える。いい先輩をもったものだ。
            「夢は砕けて夢と知り、
             愛は破れて愛と知り、
             時は流れて時と知り、
             友は別れて友と知り」

アレは梅雨 密会の地は 山の上
     (あれはつゆ みっかいのちは やまのうえ)
        ※山の上ホテルは改修中。昔懐かしい本館の建物
         は温存されている。

6/25tue
南風や 聖橋への 下り道
     (なんぷうや ひじりばしへの くだりみち)
        ※6/20都内散歩の続き
         湯島聖堂孔子廟の横、聖橋への下り道は快適。
         かつてランドマークだったに違いないニコライ
         堂の美しいドームが見える。

ニコライ堂 薫風受けて 僧二人
     (にこらいどう くんぷううけて そうふたり)
        ※「東京復活大聖堂教会」が正式名称とか。建物
         は国の重要文化財。1891年(明治27)建
         立、関東大震災で倒壊したが、その後再建。

6/24mon
明神の 小暗き裏手に 辿りつき
     (みょうじんの おぐらきうらてに たどりつき)
        ※6/20都内散歩の続き
         秋葉原から蔵前通りを上り、本郷三丁目近くで
         さすがに来過ぎに気づき、引き返して神田明神
         の裏手から石段を登る。すでに茅の輪が設置さ
         れて、夏越しの祓えも近い。帰宅して調べると
         どの神社も「茅の輪くぐり」は6月末までとし、
         夏越しの祓えも6月晦日だけでなく受け付ける
         とか。この日の参拝客にだれもくぐった人はな
         く、我々も茅の輪の横を歩いてきたのだが。

境内は 夏越し近くの 準備かな
     (けいだいは なごしちかくの じゅんびかな)
        ※「銭形平次」と大書した碑がある。野村胡堂の
         「銭形平次捕物控」の記念碑。 同じ神田では
         「半七捕物帳」(岡本綺堂)もあったなァ。
         前回3月の本所散策では「鬼平犯科帳」(池波
         正太郎)平蔵ゆかり?の地があった。

6/23sun
雑多なる 駅に手を振る 二人あり
     (ざったなる えきにてをふる ふたりあり)

夏至近く 秋葉原もまた ルツボかな
     (げしちかく あきはばらもまた るつぼかな)
        ※6/20木曜日の梅雨の晴れ間に、いつもの友人と
         三人で神田界隈を散歩した。前回と同じく秋葉
         原駅での待ち合わせ。電気店街の印象からすれ
         ば、ここは今や無国籍、多目的。メイドカフェ
         で売り、インバウンドが殺到している。耳を澄
         ますと様々な言葉が聞こえ、なによりエネルギ
         ーに溢れている。

6/22sat
レーダーを 見て傘を持ち 梅雨の朝
     (れーだーを みてかさをもち つゆのあさ)

雨雲や 妻はスイカの 受粉しに
     (あまぐもや つまはすいかの じゅふんしに)
        ※スイカの雄しべの花粉はデリケートだ。量が少
         ないし少しの雨にも流れてしまう。なるべく新
         鮮なうちに、雌しべに届けなければならない。
         早朝あやしい雲行きの場合には雨雲レーダーを
         チェックする。

6/21fri
酢の物を 徐々に好みて 古希を越え
     (すのものを じょじょにこのみて こきをこえ)
        ※古希を迎えるまでの10~15年間で食生活の
         基本が変わった。人後に落ちない生活習慣病、
         過剰な体重と問題を抱えながらも、それまでは
         なんにも対策らしきことは出来なかった。それ
         が、この年代を迎えると「かなり劇的に対策が
         身に付いた」のだ。野菜を食べる、特にキャベ
         ツは減量狙いで毎食一定量摂取する。運動する。
         その結果としてついてきたのは、「野菜好き」
         と「酢の物好き」と「減量成功」だった。
         実は古希を越えて久しいが、今では対策として
         の意識はなく、好みとして続いている。自分の
         体質は変わったのだ、とひそかに信じている。
         だからどうしたと言われれば、それだけのこと
         だが・・・。

6/19wed
梅雨の日や 形見となりし 長靴を
     (つゆのひや かたみとなりし ながぐつを)
        ※義兄の殆ど新品の長靴が届いた。故人の最後は
         左足一本だったが、これはちゃんと両足分ある。
         ありがたく使わせてもらうことにする。

6/18tue
紫陽花や 病の友に 歩を合わせ
     (あじさいや やまいのともに ほをあわせ)
        ※術後の友人を上野の山に連れ出した。まだ治療
        の山があるというが、元気そうで健啖ぶりにはホ
        ッとさせられた。

6/16sun
シンタマの 酢漬けに眼 覚めにけり
     (しんたまの すづけにまなこ さめにけり)
        ※6月に入ってからの雨の日に、富士山は降雪が
         あったというが、雨上がりの西空に真っ白な帽
         子をかぶった富士がきれいに見える。
         昨日の朝首輪をした犬と遭遇、我が家の犬に警
         戒して引き返し、自動車道の方にもどっていっ
         た。大丈夫かなと思った矢先に道路に飛び出し、
         轢かれて死んだ。アッという間の出来事。富士
         山に向かって、成仏を祈った。

6/15sat
木道に 車椅子の笑み 菖蒲園
     (もくどうに くるまいすのえみ しょうぶえん)
        ※菖蒲畑には木道が設えてあり、近くの施設から
         らしい車椅子が何台もゆっくり通る。本人も介
         添人もニッコリ、緩んでいる。スケッチの方は
         連敗脱出というまではいかず。少し前進、殆ど
         停滞、というところ。急ぐまい。
         8日には花菖蒲まつりがあって、茜襷(あかね
         だすき)に菅の笠(すげのかさ)の女性たちが
         菖蒲の花摘みをしたとか。

6/14fri
梅雨晴れ間 黒き土から 白きイモ
     (つゆはれま くろきつちから しろきいも)
        ※貴重な晴れ間にジャガイモを掘り出す。新しい
         品種とて家人は楽しみにしていた。まあまあの
         出来だ。

梅雨晴れ間 庭木を鋏む プロの音
     (つゆはれま にわきをはさむ ぷろのおと)
        ※西日本から嵐が近づいているらしい。気温が高
         く、ムシムシしている。今日は教室の仲間と袖
         ヶ浦公園の菖蒲園にスケッチに出かける。この
         季節の恒例としているのだが、絵の成績はひど
         く自己評価で実に3連敗中である。
         きれいなものをきれいに描くのはホントに難し
         い。今年は?

6/12wed
チャンドラー 分厚き本と 梅雨ごもり
     (ちゃんどらー ぶあつきほんと つゆごもり)
        ※梅雨らしい雨降りが続く。きらいな方ではない。
         家の中にこもって好きなことをシコシコしてい 
         ても、天候と薄暗い光がそれを許してくれそう
         な気がする。家人から何かいいつかることもな
         い。要するに曇天は天国である。

6/11tue
外れ年 モモを思いやる 梅雨の朝
     (はずれどし ももをおもいやる つゆのあさ)
        ※一昨日からの雨で庭の緑が一段と濃くなった。
         それにしても元気印の我が家のモモ、今年は
         「外れ年」のよう。去年は実の間引きを何度も
         重ねたが、それでも一本で150個ほどが収穫
         できた。今年はその1/5以下か? 外れ年と
         いう形容は良くない。有給休暇。充電の年か。

6/10mon
走り梅雨 シニアスマホ手に 疾走す
     (はしりづゆ しにあすまほてに しっそうす)
        ※見ただけでも寒気が。我が家の妻も運転中のス
         マホこそしないが、スピードはなかなかのもの。
         「スピードを出すな」も「危ないから」は効き
         目がない。「ガソリンを食うから」の方がいい
         みたい。なるほど、女のほうが合理的?

朝露や ぶどうの蔓の 朝の伸び
     (あさつゆや ぶどうのつるの あさののび)

6/9sun
梅雨入るも 岬の道は 晴れ上がり
     (つゆいるも みさきのみちは はれあがり)
        ※公民館の催しで「野山歩き会」があった。今回
         は内房南部にある大房岬(だいぶさみさき)を
         回遊する。地元の小学校の運動会と重なり参加
         者が目減りしたため、会講師のY氏から参加を
         懇請された。市の無料バスを利用するためには
         利用者の数が多いことが条件になるからだ。
         目標の岬の半島を遥かに眺める海岸から歩き始
         める。心配された天気は回復し、雲間から日差
         しがふり注ぐ。

杉落葉 山路を下りて 海光る
     (すぎおちば やまじをおりて うみひかる)
        ※この岬は内房の海に突き出た緑豊かな半島で、
         少年自然の家を始め、各種の施設と遊歩道があ
         る。なにより周囲に広がる海岸美が素晴らしい。
         倉本聰のテレビドラマ「やすらぎの郷」で海と
         海岸のロケに使われているとか。
         半島の標高はさして高くないが、展望台に登っ
         たかと思うと波打ち際まで下りてみたり、たち
         まち体力を消耗する。

砲台の 新緑染みて 謂れ聴く
     (ほうだいの しんりょくしみて いわれきく)
        ※太平洋戦争に準備された砲台跡がいくつかある。
         東京湾口で敵艦の進入を防ぐため、横須賀の三
         浦半島と内房沿いの各地に砲台が建設された。
         結局は使用されなかったもの。
         当時は海に向けて樹木は切り払われたのだろう
         が、今では伸びて様変わり、鬱蒼としている。

6/7fri
エンドウの 実を山ほどに 斃れけり
     (えんどうの みをやまほどに たおれけり)

菜種ごと 鋤き込まれてぞ 夏来る
     (なたねごと すきこまれてぞ なつきたる)
        ※春の菜の花は花が終わって種ができると、その
         まま畑に機械で鋤き込まれる。土壌の養分が増
         すのだろうが、「チリカ」窒素燐酸カリ「はみ
         ね」葉実根・・・肥料としてどんな効果がある
         のだろう?

6/5wed
脚を撫で 紫陽花を見る 路地の家
     (あしをなで あじさいをみる ろじのいえ)
        ※前年末に亡くなった家人の姉の連れ合いが亡く
         なった。本来は頑健な身体の持ち主だったが、
         最後の10年ほどは様々な病気に罹り、家を離
         れ痛みと不自由の暮らしだった。糖尿病で2年
         ほど前に下肢を切断したが、義足にして心機一
         転と思っていただけに残念。合掌。

6/4tue
ゴイサギの 身じろぎもせず 青田風
     (ごいさぎの みじろぎもせず あおたかぜ)

迂回せり チガヤの果てに 霞む道 
     (うかいせり ちがやのはてに かすむみち)
        ※昨日のことである。薄曇りの一日で、半袖にそ
         よ風がぴったり、本当に心地良かった。体調も
         あろうが、こんなに気持ちの良い日は年に何日
         もない。十日間も続けば、もう天国だァ。

6/3mon
泰山木 切り花届く その白き
     (たいさんぼく きりばなとどく そのしろき)
        ※泰山木が好きだ。25年ほど前5月下旬に母が
         亡くなった時、北九州から急ぎ帰る朝に目にし
         たのが契機。この季節になると家人の友人の旦
         那様が、枝ごと花をいくつか切って届けて下さ
         る。キリッとした柑橘系の良い香りがする。

6/2sun
髪鋏み スイカ植えしか オクラはと
     (かみはさみ すいかうえしか おくらはと)
        ※いつも通う理髪店。よそより少し安い。釣り師
         としては県下で名の知れた主人だが、今は畑仕
         事が生きがい。6,7月は日が長く、店が終わ
         った後も畑に通っている。

6/1sat
雀の子 学校今年も 始まれり
     (すずめのこ がっこうことしも はじまれり)
        ※6月、巣立ったばかりの雀の子が兄弟姉妹揃っ
         て飛び回っている。まだ警戒することを知らな
         いで、同級生の後を追い、地面を這い庭の植栽
         の隙間に隠れたり。令和も早一ヶ月が過ぎた。
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