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ダクタク2017年11月 ブログトップ

ダクタク句集2017年(平成29年)11月 [ダクタク2017年11月]

11/30thu
鹿野山 古寺は甍も 黄ばみおり
     (かのうざん こじはいらかも きばみおり)

神宿る 銀杏の巨木 寺紅葉
     (かみやどる いちょうのきょぼく てらもみじ)
        ※昨日当地はうららかな小春日和。今が紅葉の見頃
         との情報で、絵画教室の仲間と急遽鹿野山神野寺
         にスケッチに出かけた。名物銀杏の大樹はさかりを
         終えていたが、境内の真っ赤なモミジは見事。朝の
         霧をかきわけ、登ってきた甲斐があった。
         巨木の下で描いていたら、次々と黄色の葉が落ち
         てくる。さすが葉もでかい。帽子に落ちる。グサッと
         いう。絵はまあまあ、しかしいい一日。

11/29wed
アイフォーン これ買う秋や 金貯めて
     (あいふぉーん これかうあきや かねためて)
        ※次々と最新のものを手にする快感はそんなに大き
         いのだろうか? とまらない? 結構高価だし、買っ
         たからには朝夕手放せない。

11/27mon
呼び合える 渡り帰る日 風強く
     (よびあえる わたりかえるひ かぜつよく)

子を呼ぶか 高く啼きつつ 鳥帰る
     (こをよぶか たかくなきつつ とりかえる)
        ※東京湾でタカの種類の帰りが観察されるという
         ニュースを見た。近くでも高く鳴きつつ南に行く
         鳥が何度か見られたが、生憎鳥の種類を確認
         する知識がない。

11/26sun
蓮根掘り もはや体験 すべからず
     (はすねほり もはやたいけん すべからず)
        ※初冬の風物詩、内房線沿いに蓮田が広がる。以前
         住んだ浜松市でも天竜川の支流沿いに蓮田があり、
         季節には蓮根堀りの作業を眺めたものだ。発動機
         によるポンプで水を噴出させ、泥を飛ばして蓮根を
         取り出し、浮かべた舟に乗せる。寒風の中、時には
         腰まで畑の水と泥に浸かりながらの作業だ。最近は
         観光用の体験教室なんてのもあるらしいが・・・。

11/25sat
早霜や 孫のクルマの 窓を拭く
     (はやじもや まごのくるまの まどをふく)
        ※出勤支度をした孫娘が出てくるまでに窓をきれい
         に拭いている。安全を願っての日課だろうが、部
         屋着が寒そうでよけい心配。

11/24fri
枯れススキ カラスが歩く ロータリー
     (かれすすき からすがあるく ろーたりー)
        ※JRの駅からの光景。利用客の少なかった側にも
         ロータリーが出来ている。海寄りの開発と人口増
         を当て込んでいる。しかし時間がかかるのだろう。

暖房車 子供の暮らし 孫のこと
     (だんぼうしゃ こどものくらし まごのこと)
        ※ローカル線は各停に限る。和服姿のオバサンの
         一団、お稽古事の帰りなのか、この時刻の常連の
         ようだ。「この前の続きだけれど」に始まって、子供
         の生活が話題だ。・・・いつしか話は進み、孫の話
         に。結構面白い。ウトウトしながら聴いている。

11/23thu
かすかなる 息で「古い顔」 忘年会
     (かすかなる いきでふるいかお ぼうねんかい)
        ※半年に一度の同期会。暮れは忘年会を兼ねる。酒
         は弱い上にこの顔ぶれが相手だと、途端にアルコー
         ルの回りが速くなる。やっとのことで肩組みして歌う。
         ♫ 幼い頃に遊んでた
           学生時代に付き合った
             、いろんな友がいたけれど
          みんなみんな今は亡い ああ懐かしい古い顔

11/22wed
干し柿の 数を減らして 見張り番
     (ほしがきの かずをへらして みはりばん)
        ※このところの寒さは一日の寒暖差も大きく、干し
         柿には最適らしい。しかし、そろそろとなると鳥た
         ちがやって来る。尾長、ヒヨドリなど。実に賢いし、
         かつ貪欲である。
         畑では良い出来だと楽しみにしていた落花生が
         軒並みハクビシンにやられガックリきた。鳥たち
         にも寛容ではいられない。

11/21tue
豊作や 僧が風切る スクーター
     (ほうさくや そうがかぜきる すくーたー)
        ※若い僧侶が秋晴れの街道を行く。農家は不順な夏
         の天候で心配されたが、まずまずの米作だったとか。
         秋の野菜収穫は絶好調。豊作であれば檀家の実入
         りも豊かだろう。お布施も・・・。お坊さんの表情も明
         るい。

秋の句を 諳んじ若き 僧が行く
     (あきのくを そらんじわかき そうがいく)
        ※後を継いだ坊さんは地域の文化活動にも積極的だ。
         句会とか歴史講座などにお寺を開放している。彼自
         身が句会の有力メンバー。

11/20mon
山茶花や 早咲きだけを 取り柄とし
     (さざんかや はやざきだけを とりえとし)
        ※早朝に山茶花の掃除をした。よその家はやっと咲
         き始めが多い。今年の11月は寒い日が続いてい
         るから、早咲きの我が家の花が季節感としては最
         高だったかな・・・などと、得意になっている。

手袋と ジャンパー厚く 身構えり
     (てぶくろと じゃんぱーあつく みがまえり)
        ※今朝の冷え込みは一段と厳しい。1月並との予報
         だった。朝の散歩の武装は2段目に切り替え。犬
         は変わらず。

11/19sun
温顔と なる人多く 冬に入る
     (おんがんと なるひとおおく ふゆにいる)
        ※元職場の10年ぶりの同窓会。現役30人を含め、
         130人の大盛会だった。懐かしい顔がまわりに
         いっぱい。

11/17fri
小春日和 身知らず柿の 箱開ける
     (こはるびより みしらずがきの はこあける)
        ※故郷の兄が送ってくれた会津名産の身知らず柿。
         箱に詰めた大粒の柿に焼酎をかけ渋を抜いて食
         べる。箱には開ける日が書いてある。子供の時か
         ら馴染みの柿、早々と味見する。美味。たくさん食
         べると腹を冷やすからと、祖母から注意された日
         々が思い起こされる。

柿たわわ 食い散らしたる 日々遥か
     (かきたわわ くいちらしたる ひびはるか)
        ※こちらは時期的にはちょっと前。小粒の甘柿。

11/16thu
松茸や 薄いが施設の 土瓶蒸し
     (まつたけや うすいがしせつの どびんむし)
        ※介護付き有料老人ホームに見学に行った。それ
         も丁寧なバージョンらしくて、昼食と喫茶付きであ
         る。最近は地方でも街中の一角に開業する例が
         多い。自然が多すぎて、人間の住む環境が恋しい、
         といった笑えない話は減ったみたい。びっくりした
         のは昼食についた土瓶蒸しだ。マッタケを過度に
         ありがたがる人種には属さないが、つましい暮ら
         しだから何年ぶりだろう?

11/15wed
秋日和 ものみな俳句と 虚子言うが
     (あきびより ものみなはいくと きょしいうが)
        ※虚子は句に言う、「秋風や眼中のもの皆俳句」。
         しかし凡人になかなかそうは・・・。

11/14tue
故郷の 紅葉ひときわ チバニアン
     (ふるさとの もみじひときわ ちばにあん)
        ※市原市養老川沿いの地層が地球の歴史を画する
         標準標本と認められた。地球新生代の一時期(77
         万年前~13万年前)の名称として「チバニアン(千
         葉時代)」が採用され、全世界で使用される。一時
         期とはいえ、ざっと64万年間、6400世紀分だ。
         以前訪れた場所、紅葉の盛りにはちょっと早いが、
         地球の磁場NSの転換を証明する地層が朝の光に
         輝いている。

11/13mon
潮騒の ような音あり 秋の夜
     (しおさいのようなおとあり あきのよる)
        ※深夜から未明の頃、なんにも音がしない、静寂そ
         のものの時でも、じーっと耳を澄ますと「シーーー
         ーー」と低いが切れ目のない音を感じる。あれは
         なに? この話をして同調してくれる人は三人に
         一人もいない。「そんな音しない」「おかしいんじゃ
         ないか?」「あれは血流の音?」とさまざま。私と
         しては耳の澄まし方が足りないのではと言いたい
         気持ちも。しかし、最近読んだ2冊の本で、偶然こ
         の音を表現する記事を読んだ。
         ほーら、かすかな潮騒はあるんだよ。生理学的な
         説明は要らない。山の中でも聞こえる潮騒がなく
         なったら大変だから。

11/12sun
人知れず コンビニ裏の アケビかな
     (ひとしれず こんびにうらの あけびかな)
        ※なんとか今年も収穫?したい。侵入罪、窃盗罪に
         ならないように気をつけて、暗くなってこっそりと。
         ちょうど絵画教室の会があるから格好の素材にな
         るのでは、と思っている。

11/11sat
居残りし バリウム重し 秋の夜
     (いのこりし ばりうむおもし あきのよる)
        ※例年11月に胃がん検診を受けている。バリウム
         を飲む検査だが、医療、検査方法が大きく進歩し
         ている中で、これだけは何十年も殆ど変わらない。
         受診した人の検査後の苦痛を考えると、どうにか
         ならないか?の疑問が残る。バリウムの排出、今
         年も翌朝まで持ち越した。

11/10fri
立冬の 夜飼い犬の 鳴きやまず
     (りっとうのよる かいいぬの なきやまず)
        ※今年の立冬は11月7日

11/9thu
風雨去り 青空ランク 「4」の秋
     (ふうふさり あおぞららんく よんのあき)
        ※空の青さを計る評価色票というのがあるらしい。
         それも分光器による測定ではなく、5枚の青色の
         どれに一番近いかで判定する。超アナログな方
         法。今朝の当地の青空は「快適」なランク4。濃
         いきれいな秋空だった。

11/8wed
野菜手に ダム人帰る 秋の暮
     (やさいてに だむびとかえる あきのくれ)
        ※ダムを保守する人々が交代で街に帰っていく。近
         くの村で求めた野菜を持って。キノコやアケビなど、
         ここにはお宝も多い。 

紅葉の 中をスーパーの バス来たる
     (こうようの なかをすーぱーの ばすきたる)
        ※客を呼ぶスピーカーの声が村に響く。肉、魚、冷
         凍食品やインスタント食品などが満載だ。時刻が
         決まっているのか、村の年寄りやおかみさん連中
         が通りに出て待っている。

11/7tue
模擬店は 中学生の クリごはん
     (もぎてんは ちゅうがくせいの くりごはん)
        ※「食べてって下さい」とか誘われると弱い。味噌
         汁付きで300円。売り子ぶりを眺めながら食べ
         る。賑やかだ。いい風味、うまかった。青空だ。

野菜など 持ち寄る秋の 抽選会
     (やさいなど もちよるあきの ちゅうせんかい)
        ※近くの体育館では演芸会。中学生の弦楽演奏に
         続き、各種演奏や踊り、詩吟など。最後は延々と
         カラオケで歌いまくる。とても聞けたものではない
         が、顔見知りが出演するのと、終わった後の抽選
         会が楽しみでみんなじいっと堪えて?いる。

11/6mon
ふかしたる 大芋の湯気 子の目線
     (ふかしたる おおいものゆげ このめせん)
        ※今年の収穫したサツマイモは品種のせいかどうか
         大ぶりである。無理は覚悟で、切らずにそのまま
         ふかしてみた。「アッチッチー」と言いながら半分に
         すると盛大な湯気が・・・。その向こうに子供たちの
         顔が見える。今時の子供は女の子でもイモ好きは
         少なくなったというが、大芋の迫力はすごい。

11/5sun
秋の灯や 父の草書に 歯が立たず
     (あきのひや ちちのそうしょに はがたたず)
        ※文化の日。先人の文物に接し、楽しむなかで、更
         なる文化が育まれるものだろうけれど、親の書付
         すら読めないとは・・・。

故郷の 料理伝える 秋の風
     (ふるさとの りょうりつたえる あきのかぜ)
        ※知り合いの台湾出身の奥さんが「台湾風中華ち
         まき」を文化祭で披露した。大好評。うちの家内は
         ミニ料理教室のアシスタントを務めた。

11/4sat
秋を吸う 夫婦の遅き 歩みかな
     (あきをすう ふうふのおそき あゆみかな)
        ※中風を患っている男性を奥さんが肘を支え寄り
         添って、川沿いの道をゆっくりゆっくり散歩してい
         る。毎朝のことだ。そして絶えず小声で会話しな
         がら。多分その一日の会話量は我が家の一ヶ月
         分にも相当する。

11/3fri
高台の 校庭柿の 畑あり
     (たかだいの こうていかきの はたけあり)
        ※今日は文化の日。近くの古い小学校は校庭の外
         れが果樹園のようになっている。石段を登って校
         庭に上がるところも柿畑があるところも今の小学
         校の作りにはないゆとりを感じさせる。登校日では
         ないが校舎からは歌声が聞こえる。

11/2thu
新涼や ラジオ体操 二番まで
     (しんりょうや らじおたいそう にばんまで)
        ※爽やかな晴天が続く。暑くもなく寒くもない秋の
         良さを味わう一日。

11/1wed
屋根伝う 朝顔目指す いわし雲
     (やねつたう あさがおめざす いわしぐも)
        ※11月。台風がやってくる度に秋が深まってきてい
         るのに、この家は今でも朝顔が垣根から壁伝いに
         屋根まで伸びている。青一色だが見事な大輪だ。
         特殊な品種なのだろうか? 樹勢ならぬ花の勢い
         がすさまじい程たくましい。

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