ダクタク句集2016年(平成28年)12月 [ダクタク2016年12月]
12/31sat
ひっそりと 足の小指の 爪伸びず
(ひっそりと あしのこゆびの つめのびず)
※この一年、世界は激動、荒れた年だった。「内向き
に」というつもりはないが、我が身はまことに静か
な生活だ。一隅でひっそり働いている小指のよう
イェペスが ソルを奏でる 大晦日
(いぇぺすが そるをかなでる おおみそか)
※大掃除は何も年内じゃなくとも、と思うと楽になる。
イェペスの12弦ギターがソルの「24の練習曲」を
演奏するYouTubeを聴く。いつ聴いても、静かで
素直な曲とギターの音にホッコリする。
・・・いやいやゆっくり聴いてばかりはいられない。
早く入浴して紅白に備えねば
12/30fri
投函の 音で今年の 仕事終え
(とうかんの おとでことしの しごとおえ)
※今年も賀状アプリにやっと慣れたかなァと思った頃
には予定の枚数完了。また来年頑張って思い出して
ね、と言っているようだ。最近の枚数なら大した仕事
ではない。全部終えてポストに入れると、ポーンッと
乾いた音がした。ささやかな仕事納め・・・
年の暮れ 青空文庫で 荷風読む
(としのくれ あおぞらぶんこで かふうよむ)
※先日向島を散歩した折に、玉ノ井、鳩の巣の旧赤
線とそこを舞台とした荷風の「濹東綺譚」を思い出し
た。年末とてさしてせわしくはない。タブレットにかの
小説を呼び出してみる。ゆっくり眺める・・・
12/29thu
アカギレに 味噌をすりこむ 歌遥か
(あかぎれに みそをすりこむ うたはるか)
※昭和の30年代前半まで、食糧事情によるカロリー
とタンパク質不足、住宅事情と防寒具など、衣食住
全般が原因して、「冬は寒さを我慢する」時代だっ
た。 ♪母さんのアカギレ痛む、生味噌をすりこむ、
♪シモヤケおててがもうかゆい・・・などの童謡が
あった。今や遥か昔の話、最近はこうした歌も滅多
に聴かない。アカギレやシモヤケは死語に・・・
12/28wed
駆けぬのに 馬齢重ねて 年の暮れ
(かけぬのに ばれいかさねて としのくれ)
※誕生日を迎えた。年齢は70+α歳。来年は自分の
干支(酉)だけれども、せっかく馬齢を重ねている
のだから、ささやかでもほんの一隅であっても駆け
るようなことをしたい・・・
子が増えて 配給増えて 笑顔増え
(こがふえて はいきゅうふえて えがおふえ)
※終戦直後の生まれ。当時は米の配給があった。年の
瀬に家族が増えると、その年の配給が一人分遡って
増えたという。さしずめ年末調整のようなものだろう
か? 生まれつき親孝行と言われた?
配給は昭和30年代の終わり頃まで続いた。修学旅
行で宿泊するのに生徒は米を持参した。また、大学
で上京し寮に入る時は「米穀通帳」を持っていって
預けたっけ。今や信じられない話・・・
12/27tue
シモヤケは もう死語だろう まさかこれ
(しもやけは もうしごだろう まさかこれ)
※長年の外反母趾で散々靴選びをしてきたが、ここ数
年は樹脂製のサンダルを重宝している。
足の甲高で固定されるために、
足先、指がフリーになる。下駄
と同じ効用だ。しかも安価。
ただし、結構微妙で靴下を着
けないで裸足が一番。12月に入っても、朝夕の散
歩はこれで通した。靴下も要らない。足の皮膚も丈
夫になると・・・。ところが、指先だけは歩いても暖
かなくならないせいで、最近は赤く腫れて痛くなっ
た。日増しにひどくなる。 「シモヤケ」と判明・・・
12/26mon
間引きした 蕪の葉を煮て 粥つくり
(まびきした かぶのはをにて かゆつくり)
※大根の葉との微妙な差を楽しむなど、食生活だけは
枯淡の境地・・・
12/25sun
クリスマス 街華やかに でも家で
(くりすます まちはなやかに でもいえで)
※街は年々華やかに、テレビはバカ騒ぎ。でも家族で
楽しく、というのが傾向らしい。我々が賢くなったせ
いか?それともちょっと貧しくなったせいか?
・・・賢くなるには少し貧しいことが必要みたい
初氷 咳払いして ひとまたぎ
(はつごおり せきばらいして ひとまたぎ)
12/24sat
縄文の スープの味や イボキサゴ
(じょうもんの すーぷのあじや いぼきさご)
※加曽利貝塚(千葉市)の貝の中で、圧倒的に多いの
がイボキサゴ。大きいのでも1cm程度、殆どは5mm
かそれ以下だ。3kmほど離れた、当時の海岸まで出
掛け採集してきたもので、食用にしていたことは間違
いない。中の身を取り出して食べるのは当時としても
面倒だったことから、土器で沸かした湯の中に入れ、
「出汁(だし)」として使っていたのではという説がある。
これにはびっくり。調味料?
貝塚博物館ではイボキサゴを食べる体験催しが行わ
れている。千葉県内房一帯、今は木更津が主産地と
ある。もちろん食用への採取はない
12/23fri
三四郎 読んでいい恋 さらになし
(さんしろう よんでいいこい さらになし)
※今年は漱石没後100年。様々に取り上げられてい
る。その一つに曰く「三四郎は明治の婚活小説」と。
ナルホドとは思うが、半世紀前の読書からさしたる
効能はなかったようだ・・・
高台の 加曽利貝塚 笑顔見る
(たかだいの かそりかいづか えがおみる)
※歴史の会フィールドワークで千葉市の加曽利貝塚
に出かけた。薄日に南風、暖かな一日、貝塚での暮
らしも余裕あるものに感じられた。3000~5000年
前で、所有とか支配被支配の関係も生まれる前とか。
家族があり、暮らしのための協力があった
12/21wed
古稀の年 持病さわがず 冬至る
(こきのとし じびょうさわがず ふゆいたる)
※自慢にならないが、生活習慣病といわれる持病
(複数)がある。「良くつきあってこそ一病息災」と
長年世話になっているお医者さんから言われて
いる。おかげさまで、この一年何事もなかった
かぼちゃ食う くらし変わらず 冬の夜
(かぼちゃくう くらしかわらず ふゆのよる)
※柚子湯に入り、小豆入りのかぼちゃを食べる。こ
の二つ、セットで一家の健康を祈る。湯気が出る、
ささやかな習慣が広く続いている。最近の「家庭
で」ブームにも合致
12/20tue
菊坂に 住まう人あり 鉢八手
(きくざかに すまうひとあり はちやつで)
※以前に東京本郷の菊坂界隈にスケッチをしにでか
けた。様々な季節に思い出す。一葉が住んだという
谷あいの狭い土地は東京のど真ん中でありながら、
今でもひっそりとしていた。すさまじいビル化の波は
近くまでで、止まっていたが・・
12/19mon
錯覚や 屋根に横とう オリオン座
(さっかくや やねによことう おりおんざ)
※夕方の犬の散歩の時間、18時~19時。「オリオ
ン舞い立ちスバルはさざめく・・・」と唄う星座が、
この季節この時間には低く家々の屋根のすぐ上に
横たわっている。ものすごく大きく見える。立ったオ
リオンの2、3倍にも・・・。昇る満月が山のすぐ上で
大きく見える、あれと同じ
12/18sun
冬の薔薇 この寒い日に 窓拭けと
(ふゆのばら このさむいひに まどふけと)
※なんとも無体な命令である。寒くなるのを待つよう
に大掃除をせねばならぬとは。来年からは、せめて
10月頃までに済まそうと提案してみる
12/17sat
スピッツと いう犬ありて 名はレンホ
(すぴっつと いういぬありて なはれんほ)
※女党首が、それも明眸皓歯、言語明解な女性が度々
批判の言を口にすると、また小言を言っていると思わ
れる。男党首の場合よりひどく悪い印象を与える。
彼女への応援が目立って少ない所以の一つではなか
ろうか?ちと可哀想・・・
12/16fri
湯の町で 二人の首脳 ほっこりと
(ゆのまちで ふたりのしゅのう ほっこりと)
※温泉の効能が交渉の円滑な進展に寄与するかな?
師走の夜 ほっこりさせる 長電話
(しわすのよ ほっこりさせる ながでんわ)
※日中と夜に或る先輩から電話。どちらも久しぶりに
長電話となった。いつもこちらの身を気にしてくれて
いる・・・ありがたい。山口よりもホッコリ・・・
12/15thu
脚線美 施設に入る 霜の朝
(きゃくせんび しせつにはいる しものあさ)
※毎朝通る介護施設の駐車場を、脚のきれいな子
が歩いて行く。短いスカートとコート、相当ご自慢
なのだろう。実に、ヒナにはマレ。・・・入所してい
る人たちが羨ましい。到る処青山あり・・・
12/14wed
リュック流行り 尊徳翁の よみがえり
(りゅっくはやり そんとくおうの よみがえり)
※背中に背負うバッグ。ビジネスマンもスーツにネク
タイで背負うとか。見栄えより、楽さ・機能性が重
視されるか。戦前の勤励報国の象徴として、すっ
かり姿を消した二宮尊徳像が浮かびます。・・・あ
のなつかしい校門横の銅像を思い出していたら、
いつしか「歩きスマホ」の姿になり現実に逆戻り
12/13tue
ポケモンを いじるアンチャン ベンツ止め
(ぽけもんを いじるあんちゃん べんつとめ)
※スマホ片手に運転する輩は一向に減らない。休日
の朝、高価なバージョンの新しいベンツが橋のたも
とで急停車した。こんな田舎にターゲットがある?
真剣な顔つきで運転席から外に出て来た・・・
12/12mon
仏言う 私を倒し 刑務所へ
(ほとけいう わたしをたおし けいむしょへ)
※石像を倒したり、お堂の仏像を盗んだりの事件が相
次いでいるとか。一方で年末に向かって仕事がまま
ならず、食い詰めるに近い人も多い。自首して刑務
所に行くしか・・・
ノーベル賞 極めた人の 顔すがし
(のーべるしょう きわめたひとの かおすがし)
12/11sun
AIと IOTがと 口揃え
(えいあいと あいおーてぃがと くちそろえ)
※次の経済を牽引するのは、この二つだという。しかし、
先進国ならどこでも同じことを言っているみたい。だ
から主戦場というべきなのだろう。経済を牽引するほ
どの独創性発揮、商品化・差別化ができるか・・・。
どの国の経済もなんとなく停滞している今が真剣勝
負の時、絶好の仕込み時なのでは
次の次 主役はAIが 教えるさ
(つぎのつぎ しゅやくはえいあいが おしえるさ)
12/10sat
狭い庭 今年も果樹の ニューフェース
(せまいにわ ことしもかじゅの にゅーふぇーす)
※我が家の庭にはブドウ、温州みかん、柿、梅、桃、
ブドウ、梅がL字型に一列に並んでいる。果樹に対
する家内の執念だ。しかし悪口は言えない。今年は
桃、ブドウ、柿が豊作で半ば以上を私が食べた。ち
なみに年末加入の新人は「すもも」
干し柿や 鳥のつつきし 後を食う
(ほしがきや とりのつつきし あとをくう)
※折しも鳥インフルエンザが各地で・・・。人間には
感染しない、70度以上で3分間とかいわれている
が、あまりにも見事な出来なのでついパクリとやっ
た。危険を感じるとよけいに美味。完食。・・・今の
ところ、大丈夫。酉年なのに
12/9fri
先駆けは 小気味いいもの 不安もね
(さきがけは こきみいいもの ふあんもね)
※安倍首相に続き、ソフトバンクの孫社長がトランプ
氏に会った。どちらも、随分早いコンタクト。周りが
遅いわけではない、拙速を避けているだけ・・・
合えば会う 合わねば会わぬ トラノミクス
(あえばあう あわねばあわぬ とらのみくす)
※トラノミクスとは呼ぶまいが、米国の実利を重んじ、
そのための単純化と手続きの簡素化に徹するのだろ
う。トラは黄と黒、黄と黒は踏切、踏切はCAUTION
(用心、注意)に通じる
12/8thu
口ゆるむ 七十五年を 生きた人
(くちゆるむ ななじゅうごねんを いきたひと)
※太平洋戦争開戦の日。75年目。安倍首相の戦没者
慰霊のハワイ訪問が決まる。この間を生きた人々の
胸に去来するものは・・・
頬つねる トランプ相場 明日知れず
(ほほつねる とらんぷそうば あすしれず)
※あれよあれよという間に、騰勢止まらず最高値に。
問題はこれから・・・誰しもそう思っている
12/7wed
師走には 暗い通りが なつかしい
(しわすには くらいとおりが なつかしい)
※12月には都会のあちこちで年末イルミネーションが
始まる。地方の街でも年々華やかだ。住宅地でもクリ
スマスのイルミネーションがそこかしこの家に・・・
12/5mon
秩父宮 エンジと青で 着ぶくれし
(ちちぶのみや えんじとあおで きぶくれし)
※大学ラグビー対抗戦。伝統の早明戦が秩父宮ラグビ
ー場で行われた。満員の盛況とゲームの白熱。いい
ですねえ・・・
センターへ 若きウイング 突進し
(せんたーへ わかきういんぐ とっしんし)
※四月の入学入部から7ヶ月ほど。一年生の成長は目
覚しいと仙人(当ブログ「早稲田ラグビー部御意見番」
の主)は言う。なるほど。体力、技術と気力、知力・・・
これら全てで
12/4sun
小春日の 午後紙芝居の 声響く
(こはるびの ごごかみしばいの こえひびく)
※近くの小さな公園はいつも子供が群れて遊んでいる。
今日は紙芝居がやって来ている。わいわいがやがや
・・・飴を貰う光景が目の前に蘇る。
一向に始まらない・・・
12/3sat
遠き日も 枝からもいだ 柿の味
(とおきひも えだからもいだ かきのあじ)
※少年時代は食べ物が少なく、甘柿は実に嬉しかった。
今や枝から直接果物をとって食べられるなんて、贅
沢そのもの。しかしそれは都会人の感慨か?ここら
では、たわわに実った柿も見向きもされない。子供
たちは食べない、頼まれても取りもしない・・・
12/2fri
シニア言う 核心的利益は 目と膝か
(しにあいう かくしんてきりえきは めとひざか)
※他にも重要なところは多いが、目と膝は暮らしを成
り立たせるポイント。かの国のように、核心的利益
と宣言すれば、なんでも我がものにできるのなら、
たやすいのだが・・・
いたわるは 過保護はせぬが 右の膝
(いたわるは かほごはせぬが みぎのひざ)
※毎日2時間ほどは歩く。通常の歩行は人並み以上
にできると思っている。ところが冬期には右膝が重く、
ジワーっと痛くなることが多い。休んでは駄目らしい。
軽目のサポーターで保温しながら、距離は変えない。
最近の冬越しスタイル
12/1thu
良かったねえ 鬼の平蔵の 地味な顔
(よかったねえ おにのへいぞうの じみなかお)
※中村吉右衛門演じる長谷川平蔵シリーズ「鬼平犯科
帳」(池波正太郎原作)が来年初めで終わるとか。
ちょっとさびしいね・・・しぶかったなァ
ひっそりと 足の小指の 爪伸びず
(ひっそりと あしのこゆびの つめのびず)
※この一年、世界は激動、荒れた年だった。「内向き
に」というつもりはないが、我が身はまことに静か
な生活だ。一隅でひっそり働いている小指のよう
イェペスが ソルを奏でる 大晦日
(いぇぺすが そるをかなでる おおみそか)
※大掃除は何も年内じゃなくとも、と思うと楽になる。
イェペスの12弦ギターがソルの「24の練習曲」を
演奏するYouTubeを聴く。いつ聴いても、静かで
素直な曲とギターの音にホッコリする。
・・・いやいやゆっくり聴いてばかりはいられない。
早く入浴して紅白に備えねば
12/30fri
投函の 音で今年の 仕事終え
(とうかんの おとでことしの しごとおえ)
※今年も賀状アプリにやっと慣れたかなァと思った頃
には予定の枚数完了。また来年頑張って思い出して
ね、と言っているようだ。最近の枚数なら大した仕事
ではない。全部終えてポストに入れると、ポーンッと
乾いた音がした。ささやかな仕事納め・・・
年の暮れ 青空文庫で 荷風読む
(としのくれ あおぞらぶんこで かふうよむ)
※先日向島を散歩した折に、玉ノ井、鳩の巣の旧赤
線とそこを舞台とした荷風の「濹東綺譚」を思い出し
た。年末とてさしてせわしくはない。タブレットにかの
小説を呼び出してみる。ゆっくり眺める・・・
12/29thu
アカギレに 味噌をすりこむ 歌遥か
(あかぎれに みそをすりこむ うたはるか)
※昭和の30年代前半まで、食糧事情によるカロリー
とタンパク質不足、住宅事情と防寒具など、衣食住
全般が原因して、「冬は寒さを我慢する」時代だっ
た。 ♪母さんのアカギレ痛む、生味噌をすりこむ、
♪シモヤケおててがもうかゆい・・・などの童謡が
あった。今や遥か昔の話、最近はこうした歌も滅多
に聴かない。アカギレやシモヤケは死語に・・・
12/28wed
駆けぬのに 馬齢重ねて 年の暮れ
(かけぬのに ばれいかさねて としのくれ)
※誕生日を迎えた。年齢は70+α歳。来年は自分の
干支(酉)だけれども、せっかく馬齢を重ねている
のだから、ささやかでもほんの一隅であっても駆け
るようなことをしたい・・・
子が増えて 配給増えて 笑顔増え
(こがふえて はいきゅうふえて えがおふえ)
※終戦直後の生まれ。当時は米の配給があった。年の
瀬に家族が増えると、その年の配給が一人分遡って
増えたという。さしずめ年末調整のようなものだろう
か? 生まれつき親孝行と言われた?
配給は昭和30年代の終わり頃まで続いた。修学旅
行で宿泊するのに生徒は米を持参した。また、大学
で上京し寮に入る時は「米穀通帳」を持っていって
預けたっけ。今や信じられない話・・・
12/27tue
シモヤケは もう死語だろう まさかこれ
(しもやけは もうしごだろう まさかこれ)
※長年の外反母趾で散々靴選びをしてきたが、ここ数
年は樹脂製のサンダルを重宝している。
足の甲高で固定されるために、
足先、指がフリーになる。下駄
と同じ効用だ。しかも安価。
ただし、結構微妙で靴下を着
けないで裸足が一番。12月に入っても、朝夕の散
歩はこれで通した。靴下も要らない。足の皮膚も丈
夫になると・・・。ところが、指先だけは歩いても暖
かなくならないせいで、最近は赤く腫れて痛くなっ
た。日増しにひどくなる。 「シモヤケ」と判明・・・
12/26mon
間引きした 蕪の葉を煮て 粥つくり
(まびきした かぶのはをにて かゆつくり)
※大根の葉との微妙な差を楽しむなど、食生活だけは
枯淡の境地・・・
12/25sun
クリスマス 街華やかに でも家で
(くりすます まちはなやかに でもいえで)
※街は年々華やかに、テレビはバカ騒ぎ。でも家族で
楽しく、というのが傾向らしい。我々が賢くなったせ
いか?それともちょっと貧しくなったせいか?
・・・賢くなるには少し貧しいことが必要みたい
初氷 咳払いして ひとまたぎ
(はつごおり せきばらいして ひとまたぎ)
12/24sat
縄文の スープの味や イボキサゴ
(じょうもんの すーぷのあじや いぼきさご)
※加曽利貝塚(千葉市)の貝の中で、圧倒的に多いの
がイボキサゴ。大きいのでも1cm程度、殆どは5mm
かそれ以下だ。3kmほど離れた、当時の海岸まで出
掛け採集してきたもので、食用にしていたことは間違
いない。中の身を取り出して食べるのは当時としても
面倒だったことから、土器で沸かした湯の中に入れ、
「出汁(だし)」として使っていたのではという説がある。
これにはびっくり。調味料?
貝塚博物館ではイボキサゴを食べる体験催しが行わ
れている。千葉県内房一帯、今は木更津が主産地と
ある。もちろん食用への採取はない
12/23fri
三四郎 読んでいい恋 さらになし
(さんしろう よんでいいこい さらになし)
※今年は漱石没後100年。様々に取り上げられてい
る。その一つに曰く「三四郎は明治の婚活小説」と。
ナルホドとは思うが、半世紀前の読書からさしたる
効能はなかったようだ・・・
高台の 加曽利貝塚 笑顔見る
(たかだいの かそりかいづか えがおみる)
※歴史の会フィールドワークで千葉市の加曽利貝塚
に出かけた。薄日に南風、暖かな一日、貝塚での暮
らしも余裕あるものに感じられた。3000~5000年
前で、所有とか支配被支配の関係も生まれる前とか。
家族があり、暮らしのための協力があった
12/21wed
古稀の年 持病さわがず 冬至る
(こきのとし じびょうさわがず ふゆいたる)
※自慢にならないが、生活習慣病といわれる持病
(複数)がある。「良くつきあってこそ一病息災」と
長年世話になっているお医者さんから言われて
いる。おかげさまで、この一年何事もなかった
かぼちゃ食う くらし変わらず 冬の夜
(かぼちゃくう くらしかわらず ふゆのよる)
※柚子湯に入り、小豆入りのかぼちゃを食べる。こ
の二つ、セットで一家の健康を祈る。湯気が出る、
ささやかな習慣が広く続いている。最近の「家庭
で」ブームにも合致
12/20tue
菊坂に 住まう人あり 鉢八手
(きくざかに すまうひとあり はちやつで)
※以前に東京本郷の菊坂界隈にスケッチをしにでか
けた。様々な季節に思い出す。一葉が住んだという
谷あいの狭い土地は東京のど真ん中でありながら、
今でもひっそりとしていた。すさまじいビル化の波は
近くまでで、止まっていたが・・
12/19mon
錯覚や 屋根に横とう オリオン座
(さっかくや やねによことう おりおんざ)
※夕方の犬の散歩の時間、18時~19時。「オリオ
ン舞い立ちスバルはさざめく・・・」と唄う星座が、
この季節この時間には低く家々の屋根のすぐ上に
横たわっている。ものすごく大きく見える。立ったオ
リオンの2、3倍にも・・・。昇る満月が山のすぐ上で
大きく見える、あれと同じ
12/18sun
冬の薔薇 この寒い日に 窓拭けと
(ふゆのばら このさむいひに まどふけと)
※なんとも無体な命令である。寒くなるのを待つよう
に大掃除をせねばならぬとは。来年からは、せめて
10月頃までに済まそうと提案してみる
12/17sat
スピッツと いう犬ありて 名はレンホ
(すぴっつと いういぬありて なはれんほ)
※女党首が、それも明眸皓歯、言語明解な女性が度々
批判の言を口にすると、また小言を言っていると思わ
れる。男党首の場合よりひどく悪い印象を与える。
彼女への応援が目立って少ない所以の一つではなか
ろうか?ちと可哀想・・・
12/16fri
湯の町で 二人の首脳 ほっこりと
(ゆのまちで ふたりのしゅのう ほっこりと)
※温泉の効能が交渉の円滑な進展に寄与するかな?
師走の夜 ほっこりさせる 長電話
(しわすのよ ほっこりさせる ながでんわ)
※日中と夜に或る先輩から電話。どちらも久しぶりに
長電話となった。いつもこちらの身を気にしてくれて
いる・・・ありがたい。山口よりもホッコリ・・・
12/15thu
脚線美 施設に入る 霜の朝
(きゃくせんび しせつにはいる しものあさ)
※毎朝通る介護施設の駐車場を、脚のきれいな子
が歩いて行く。短いスカートとコート、相当ご自慢
なのだろう。実に、ヒナにはマレ。・・・入所してい
る人たちが羨ましい。到る処青山あり・・・
12/14wed
リュック流行り 尊徳翁の よみがえり
(りゅっくはやり そんとくおうの よみがえり)
※背中に背負うバッグ。ビジネスマンもスーツにネク
タイで背負うとか。見栄えより、楽さ・機能性が重
視されるか。戦前の勤励報国の象徴として、すっ
かり姿を消した二宮尊徳像が浮かびます。・・・あ
のなつかしい校門横の銅像を思い出していたら、
いつしか「歩きスマホ」の姿になり現実に逆戻り
12/13tue
ポケモンを いじるアンチャン ベンツ止め
(ぽけもんを いじるあんちゃん べんつとめ)
※スマホ片手に運転する輩は一向に減らない。休日
の朝、高価なバージョンの新しいベンツが橋のたも
とで急停車した。こんな田舎にターゲットがある?
真剣な顔つきで運転席から外に出て来た・・・
12/12mon
仏言う 私を倒し 刑務所へ
(ほとけいう わたしをたおし けいむしょへ)
※石像を倒したり、お堂の仏像を盗んだりの事件が相
次いでいるとか。一方で年末に向かって仕事がまま
ならず、食い詰めるに近い人も多い。自首して刑務
所に行くしか・・・
ノーベル賞 極めた人の 顔すがし
(のーべるしょう きわめたひとの かおすがし)
12/11sun
AIと IOTがと 口揃え
(えいあいと あいおーてぃがと くちそろえ)
※次の経済を牽引するのは、この二つだという。しかし、
先進国ならどこでも同じことを言っているみたい。だ
から主戦場というべきなのだろう。経済を牽引するほ
どの独創性発揮、商品化・差別化ができるか・・・。
どの国の経済もなんとなく停滞している今が真剣勝
負の時、絶好の仕込み時なのでは
次の次 主役はAIが 教えるさ
(つぎのつぎ しゅやくはえいあいが おしえるさ)
12/10sat
狭い庭 今年も果樹の ニューフェース
(せまいにわ ことしもかじゅの にゅーふぇーす)
※我が家の庭にはブドウ、温州みかん、柿、梅、桃、
ブドウ、梅がL字型に一列に並んでいる。果樹に対
する家内の執念だ。しかし悪口は言えない。今年は
桃、ブドウ、柿が豊作で半ば以上を私が食べた。ち
なみに年末加入の新人は「すもも」
干し柿や 鳥のつつきし 後を食う
(ほしがきや とりのつつきし あとをくう)
※折しも鳥インフルエンザが各地で・・・。人間には
感染しない、70度以上で3分間とかいわれている
が、あまりにも見事な出来なのでついパクリとやっ
た。危険を感じるとよけいに美味。完食。・・・今の
ところ、大丈夫。酉年なのに
12/9fri
先駆けは 小気味いいもの 不安もね
(さきがけは こきみいいもの ふあんもね)
※安倍首相に続き、ソフトバンクの孫社長がトランプ
氏に会った。どちらも、随分早いコンタクト。周りが
遅いわけではない、拙速を避けているだけ・・・
合えば会う 合わねば会わぬ トラノミクス
(あえばあう あわねばあわぬ とらのみくす)
※トラノミクスとは呼ぶまいが、米国の実利を重んじ、
そのための単純化と手続きの簡素化に徹するのだろ
う。トラは黄と黒、黄と黒は踏切、踏切はCAUTION
(用心、注意)に通じる
12/8thu
口ゆるむ 七十五年を 生きた人
(くちゆるむ ななじゅうごねんを いきたひと)
※太平洋戦争開戦の日。75年目。安倍首相の戦没者
慰霊のハワイ訪問が決まる。この間を生きた人々の
胸に去来するものは・・・
頬つねる トランプ相場 明日知れず
(ほほつねる とらんぷそうば あすしれず)
※あれよあれよという間に、騰勢止まらず最高値に。
問題はこれから・・・誰しもそう思っている
12/7wed
師走には 暗い通りが なつかしい
(しわすには くらいとおりが なつかしい)
※12月には都会のあちこちで年末イルミネーションが
始まる。地方の街でも年々華やかだ。住宅地でもクリ
スマスのイルミネーションがそこかしこの家に・・・
12/5mon
秩父宮 エンジと青で 着ぶくれし
(ちちぶのみや えんじとあおで きぶくれし)
※大学ラグビー対抗戦。伝統の早明戦が秩父宮ラグビ
ー場で行われた。満員の盛況とゲームの白熱。いい
ですねえ・・・
センターへ 若きウイング 突進し
(せんたーへ わかきういんぐ とっしんし)
※四月の入学入部から7ヶ月ほど。一年生の成長は目
覚しいと仙人(当ブログ「早稲田ラグビー部御意見番」
の主)は言う。なるほど。体力、技術と気力、知力・・・
これら全てで
12/4sun
小春日の 午後紙芝居の 声響く
(こはるびの ごごかみしばいの こえひびく)
※近くの小さな公園はいつも子供が群れて遊んでいる。
今日は紙芝居がやって来ている。わいわいがやがや
・・・飴を貰う光景が目の前に蘇る。
一向に始まらない・・・
12/3sat
遠き日も 枝からもいだ 柿の味
(とおきひも えだからもいだ かきのあじ)
※少年時代は食べ物が少なく、甘柿は実に嬉しかった。
今や枝から直接果物をとって食べられるなんて、贅
沢そのもの。しかしそれは都会人の感慨か?ここら
では、たわわに実った柿も見向きもされない。子供
たちは食べない、頼まれても取りもしない・・・
12/2fri
シニア言う 核心的利益は 目と膝か
(しにあいう かくしんてきりえきは めとひざか)
※他にも重要なところは多いが、目と膝は暮らしを成
り立たせるポイント。かの国のように、核心的利益
と宣言すれば、なんでも我がものにできるのなら、
たやすいのだが・・・
いたわるは 過保護はせぬが 右の膝
(いたわるは かほごはせぬが みぎのひざ)
※毎日2時間ほどは歩く。通常の歩行は人並み以上
にできると思っている。ところが冬期には右膝が重く、
ジワーっと痛くなることが多い。休んでは駄目らしい。
軽目のサポーターで保温しながら、距離は変えない。
最近の冬越しスタイル
12/1thu
良かったねえ 鬼の平蔵の 地味な顔
(よかったねえ おにのへいぞうの じみなかお)
※中村吉右衛門演じる長谷川平蔵シリーズ「鬼平犯科
帳」(池波正太郎原作)が来年初めで終わるとか。
ちょっとさびしいね・・・しぶかったなァ