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ダクタク2016年12月 ブログトップ

ダクタク句集2016年(平成28年)12月 [ダクタク2016年12月]

12/31sat
ひっそりと 足の小指の 爪伸びず
     (ひっそりと あしのこゆびの つめのびず)
        ※この一年、世界は激動、荒れた年だった。「内向き
         に」というつもりはないが、我が身はまことに静か
         な生活だ。一隅でひっそり働いている小指のよう 

イェペスが ソルを奏でる 大晦日
     (いぇぺすが そるをかなでる おおみそか)
        ※大掃除は何も年内じゃなくとも、と思うと楽になる。
         イェペスの12弦ギターがソルの「24の練習曲」を
         演奏するYouTubeを聴く。いつ聴いても、静かで
         素直な曲とギターの音にホッコリする。
         ・・・いやいやゆっくり聴いてばかりはいられない。
         早く入浴して紅白に備えねば

12/30fri
投函の 音で今年の 仕事終え
     (とうかんの おとでことしの しごとおえ)
        ※今年も賀状アプリにやっと慣れたかなァと思った頃
         には予定の枚数完了。また来年頑張って思い出して
         ね、と言っているようだ。最近の枚数なら大した仕事
         ではない。全部終えてポストに入れると、ポーンッと
         乾いた音がした。ささやかな仕事納め・・・

年の暮れ 青空文庫で 荷風読む
     (としのくれ あおぞらぶんこで かふうよむ)
        ※先日向島を散歩した折に、玉ノ井、鳩の巣の旧赤
         線とそこを舞台とした荷風の「濹東綺譚」を思い出し
         た。年末とてさしてせわしくはない。タブレットにかの
         小説を呼び出してみる。ゆっくり眺める・・・

12/29thu
アカギレに 味噌をすりこむ 歌遥か
     (あかぎれに みそをすりこむ うたはるか)
        ※昭和の30年代前半まで、食糧事情によるカロリー
         とタンパク質不足、住宅事情と防寒具など、衣食住
         全般が原因して、「冬は寒さを我慢する」時代だっ
         た。 ♪母さんのアカギレ痛む、生味噌をすりこむ、
          ♪シモヤケおててがもうかゆい・・・などの童謡が
         あった。今や遥か昔の話、最近はこうした歌も滅多
         に聴かない。アカギレやシモヤケは死語に・・・

12/28wed
駆けぬのに 馬齢重ねて 年の暮れ
     (かけぬのに ばれいかさねて としのくれ)
        ※誕生日を迎えた。年齢は70+α歳。来年は自分の
         干支(酉)だけれども、せっかく馬齢を重ねている
         のだから、ささやかでもほんの一隅であっても駆け
         るようなことをしたい・・・

子が増えて 配給増えて 笑顔増え
     (こがふえて はいきゅうふえて えがおふえ)
        ※終戦直後の生まれ。当時は米の配給があった。年の
         瀬に家族が増えると、その年の配給が一人分遡って
         増えたという。さしずめ年末調整のようなものだろう
         か? 生まれつき親孝行と言われた?
         配給は昭和30年代の終わり頃まで続いた。修学旅
         行で宿泊するのに生徒は米を持参した。また、大学
         で上京し寮に入る時は「米穀通帳」を持っていって
         預けたっけ。今や信じられない話・・・

12/27tue
シモヤケは もう死語だろう まさかこれ
     (しもやけは もうしごだろう まさかこれ)
        ※長年の外反母趾で散々靴選びをしてきたが、ここ数
         年は樹脂製のサンダルを重宝している。
白360-5.jpegsandals.jpg 足の甲高で固定されるために、
 足先、指がフリーになる。下駄
 と同じ効用だ。しかも安価。
 ただし、結構微妙で靴下を着
         けないで裸足が一番。12月に入っても、朝夕の散
         歩はこれで通した。靴下も要らない。足の皮膚も丈
         夫になると・・・。ところが、指先だけは歩いても暖
         かなくならないせいで、最近は赤く腫れて痛くなっ
         た。日増しにひどくなる。 「シモヤケ」と判明・・・

12/26mon
間引きした 蕪の葉を煮て 粥つくり
     (まびきした かぶのはをにて かゆつくり)
        ※大根の葉との微妙な差を楽しむなど、食生活だけは
         枯淡の境地・・・

12/25sun
クリスマス 街華やかに でも家で
     (くりすます まちはなやかに でもいえで)
        ※街は年々華やかに、テレビはバカ騒ぎ。でも家族で
         楽しく、というのが傾向らしい。我々が賢くなったせ
         いか?それともちょっと貧しくなったせいか?
         ・・・賢くなるには少し貧しいことが必要みたい

初氷 咳払いして ひとまたぎ
     (はつごおり せきばらいして ひとまたぎ)

12/24sat
縄文の スープの味や イボキサゴ
     (じょうもんの すーぷのあじや いぼきさご)
        ※加曽利貝塚(千葉市)の貝の中で、圧倒的に多いの
         がイボキサゴ。大きいのでも1cm程度、殆どは5mm
         かそれ以下だ。3kmほど離れた、当時の海岸まで出
         掛け採集してきたもので、食用にしていたことは間違
         いない。中の身を取り出して食べるのは当時としても
         面倒だったことから、土器で沸かした湯の中に入れ、
         「出汁(だし)」として使っていたのではという説がある。
         これにはびっくり。調味料?
         貝塚博物館ではイボキサゴを食べる体験催しが行わ
         れている。千葉県内房一帯、今は木更津が主産地と
         ある。もちろん食用への採取はない

12/23fri
三四郎 読んでいい恋 さらになし
     (さんしろう よんでいいこい さらになし)
        ※今年は漱石没後100年。様々に取り上げられてい
         る。その一つに曰く「三四郎は明治の婚活小説」と。
         ナルホドとは思うが、半世紀前の読書からさしたる
         効能はなかったようだ・・・

高台の 加曽利貝塚 笑顔見る
     (たかだいの かそりかいづか えがおみる)
        ※歴史の会フィールドワークで千葉市の加曽利貝塚
         に出かけた。薄日に南風、暖かな一日、貝塚での暮
         らしも余裕あるものに感じられた。3000~5000年
         前で、所有とか支配被支配の関係も生まれる前とか。
         家族があり、暮らしのための協力があった

12/21wed
古稀の年 持病さわがず 冬至る
     (こきのとし じびょうさわがず ふゆいたる)
        ※自慢にならないが、生活習慣病といわれる持病
         (複数)がある。「良くつきあってこそ一病息災」と
         長年世話になっているお医者さんから言われて
         いる。おかげさまで、この一年何事もなかった

かぼちゃ食う くらし変わらず 冬の夜
     (かぼちゃくう くらしかわらず ふゆのよる)
        ※柚子湯に入り、小豆入りのかぼちゃを食べる。こ
         の二つ、セットで一家の健康を祈る。湯気が出る、
         ささやかな習慣が広く続いている。最近の「家庭
         で」ブームにも合致

12/20tue
菊坂に 住まう人あり 鉢八手
     (きくざかに すまうひとあり はちやつで)
        ※以前に東京本郷の菊坂界隈にスケッチをしにでか
         けた。様々な季節に思い出す。一葉が住んだという
         谷あいの狭い土地は東京のど真ん中でありながら、
         今でもひっそりとしていた。すさまじいビル化の波は
         近くまでで、止まっていたが・・
白360-5.jpeg20160909 本郷菊坂界隈hp.jpg

12/19mon
錯覚や 屋根に横とう オリオン座
     (さっかくや やねによことう おりおんざ)
        ※夕方の犬の散歩の時間、18時~19時。「オリオ
         ン舞い立ちスバルはさざめく・・・」と唄う星座が、
         この季節この時間には低く家々の屋根のすぐ上に
         横たわっている。ものすごく大きく見える。立ったオ
         リオンの2、3倍にも・・・。昇る満月が山のすぐ上で
         大きく見える、あれと同じ

12/18sun
冬の薔薇 この寒い日に 窓拭けと
      (ふゆのばら このさむいひに まどふけと)
        ※なんとも無体な命令である。寒くなるのを待つよう
         に大掃除をせねばならぬとは。来年からは、せめて
         10月頃までに済まそうと提案してみる

12/17sat
スピッツと いう犬ありて 名はレンホ
     (すぴっつと いういぬありて なはれんほ)
        ※女党首が、それも明眸皓歯、言語明解な女性が度々
         批判の言を口にすると、また小言を言っていると思わ
         れる。男党首の場合よりひどく悪い印象を与える。
         彼女への応援が目立って少ない所以の一つではなか
         ろうか?ちと可哀想・・・

12/16fri
湯の町で 二人の首脳 ほっこりと
     (ゆのまちで ふたりのしゅのう ほっこりと)
        ※温泉の効能が交渉の円滑な進展に寄与するかな?

師走の夜 ほっこりさせる 長電話
     (しわすのよ ほっこりさせる ながでんわ)
        ※日中と夜に或る先輩から電話。どちらも久しぶりに
         長電話となった。いつもこちらの身を気にしてくれて
         いる・・・ありがたい。山口よりもホッコリ・・・

12/15thu
脚線美 施設に入る 霜の朝
     (きゃくせんび しせつにはいる しものあさ)
        ※毎朝通る介護施設の駐車場を、脚のきれいな子
         が歩いて行く。短いスカートとコート、相当ご自慢
         なのだろう。実に、ヒナにはマレ。・・・入所してい
         る人たちが羨ましい。到る処青山あり・・・

12/14wed
リュック流行り 尊徳翁の よみがえり
     (りゅっくはやり そんとくおうの よみがえり)
        ※背中に背負うバッグ。ビジネスマンもスーツにネク
         タイで背負うとか。見栄えより、楽さ・機能性が重
         視されるか。戦前の勤励報国の象徴として、すっ
         かり姿を消した二宮尊徳像が浮かびます。・・・あ
         のなつかしい校門横の銅像を思い出していたら、
         いつしか「歩きスマホ」の姿になり現実に逆戻り

12/13tue
ポケモンを いじるアンチャン ベンツ止め
    (ぽけもんを いじるあんちゃん べんつとめ)
        ※スマホ片手に運転する輩は一向に減らない。休日
         の朝、高価なバージョンの新しいベンツが橋のたも
         とで急停車した。こんな田舎にターゲットがある? 
         真剣な顔つきで運転席から外に出て来た・・・

12/12mon
仏言う 私を倒し 刑務所へ
     (ほとけいう わたしをたおし けいむしょへ)
        ※石像を倒したり、お堂の仏像を盗んだりの事件が相
         次いでいるとか。一方で年末に向かって仕事がまま
         ならず、食い詰めるに近い人も多い。自首して刑務
         所に行くしか・・・

ノーベル賞 極めた人の 顔すがし
     (のーべるしょう きわめたひとの かおすがし)

12/11sun
AIと IOTがと 口揃え
     (えいあいと あいおーてぃがと くちそろえ)
       ※次の経済を牽引するのは、この二つだという。しかし、
        先進国ならどこでも同じことを言っているみたい。だ
        から主戦場というべきなのだろう。経済を牽引するほ
        どの独創性発揮、商品化・差別化ができるか・・・。
        どの国の経済もなんとなく停滞している今が真剣勝
        負の時、絶好の仕込み時なのでは

次の次 主役はAIが 教えるさ
     (つぎのつぎ しゅやくはえいあいが おしえるさ)

12/10sat
狭い庭 今年も果樹の ニューフェース
     (せまいにわ ことしもかじゅの にゅーふぇーす)
        ※我が家の庭にはブドウ、温州みかん、柿、梅、桃、
         ブドウ、梅がL字型に一列に並んでいる。果樹に対
         する家内の執念だ。しかし悪口は言えない。今年は
         桃、ブドウ、柿が豊作で半ば以上を私が食べた。ち
         なみに年末加入の新人は「すもも」

干し柿や 鳥のつつきし 後を食う
     (ほしがきや とりのつつきし あとをくう)
        ※折しも鳥インフルエンザが各地で・・・。人間には
         感染しない、70度以上で3分間とかいわれている
         が、あまりにも見事な出来なのでついパクリとやっ
         た。危険を感じるとよけいに美味。完食。・・・今の
         ところ、大丈夫。酉年なのに

12/9fri
先駆けは 小気味いいもの 不安もね
     (さきがけは こきみいいもの ふあんもね)
        ※安倍首相に続き、ソフトバンクの孫社長がトランプ
         氏に会った。どちらも、随分早いコンタクト。周りが
         遅いわけではない、拙速を避けているだけ・・・

合えば会う 合わねば会わぬ トラノミクス
     (あえばあう あわねばあわぬ とらのみくす)
        ※トラノミクスとは呼ぶまいが、米国の実利を重んじ、
         そのための単純化と手続きの簡素化に徹するのだろ
         う。トラは黄と黒、黄と黒は踏切、踏切はCAUTION
         (用心、注意)に通じる

12/8thu
口ゆるむ 七十五年を 生きた人
     (くちゆるむ ななじゅうごねんを いきたひと)
        ※太平洋戦争開戦の日。75年目。安倍首相の戦没者
         慰霊のハワイ訪問が決まる。この間を生きた人々の
         胸に去来するものは・・・

頬つねる トランプ相場 明日知れず
     (ほほつねる とらんぷそうば あすしれず)
        ※あれよあれよという間に、騰勢止まらず最高値に。
         問題はこれから・・・誰しもそう思っている

12/7wed
師走には 暗い通りが なつかしい
     (しわすには くらいとおりが なつかしい)
        ※12月には都会のあちこちで年末イルミネーションが
         始まる。地方の街でも年々華やかだ。住宅地でもクリ
         スマスのイルミネーションがそこかしこの家に・・・

12/5mon
秩父宮 エンジと青で 着ぶくれし
     (ちちぶのみや えんじとあおで きぶくれし)
        ※大学ラグビー対抗戦。伝統の早明戦が秩父宮ラグビ
         ー場で行われた。満員の盛況とゲームの白熱。いい
         ですねえ・・・
センターへ 若きウイング 突進し
     (せんたーへ わかきういんぐ とっしんし)
        ※四月の入学入部から7ヶ月ほど。一年生の成長は目
         覚しいと仙人(当ブログ「早稲田ラグビー部御意見番」
         の主)は言う。なるほど。体力、技術と気力、知力・・・
         これら全てで

12/4sun
小春日の 午後紙芝居の 声響く
     (こはるびの ごごかみしばいの こえひびく)
        ※近くの小さな公園はいつも子供が群れて遊んでいる。
         今日は紙芝居がやって来ている。わいわいがやがや
         ・・・飴を貰う光景が目の前に蘇る。
         一向に始まらない・・・

12/3sat
遠き日も 枝からもいだ 柿の味
     (とおきひも えだからもいだ かきのあじ)
        ※少年時代は食べ物が少なく、甘柿は実に嬉しかった。
         今や枝から直接果物をとって食べられるなんて、贅
         沢そのもの。しかしそれは都会人の感慨か?ここら
         では、たわわに実った柿も見向きもされない。子供
         たちは食べない、頼まれても取りもしない・・・

12/2fri
シニア言う 核心的利益は 目と膝か
     (しにあいう かくしんてきりえきは めとひざか)
        ※他にも重要なところは多いが、目と膝は暮らしを成
         り立たせるポイント。かの国のように、核心的利益
         と宣言すれば、なんでも我がものにできるのなら、
         たやすいのだが・・・

いたわるは 過保護はせぬが 右の膝
     (いたわるは かほごはせぬが みぎのひざ)
        ※毎日2時間ほどは歩く。通常の歩行は人並み以上
         にできると思っている。ところが冬期には右膝が重く、
         ジワーっと痛くなることが多い。休んでは駄目らしい。
         軽目のサポーターで保温しながら、距離は変えない。
         最近の冬越しスタイル

12/1thu
良かったねえ 鬼の平蔵の 地味な顔
     (よかったねえ おにのへいぞうの じみなかお)
        ※中村吉右衛門演じる長谷川平蔵シリーズ「鬼平犯科
         帳」(池波正太郎原作)が来年初めで終わるとか。
         ちょっとさびしいね・・・しぶかったなァ
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