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ダクタク2019年4月 ブログトップ

ダクタク句集2019年(平成31年)4月 [ダクタク2019年4月]

4/30tue
春惜しむ 平成のにおい 定まらず
     (はるおしむ へいせいのにおい さだまらず)
        ※昭和のにおいが色濃く感じられたのは平成に入
         って10年以上もたったころ。
         「降る雪や明治は遠くなりにけり」 中村草田
         男のこの有名な句は昭和6年作とか。

手をかざし 春に行く御代の まぶしさよ
     (てをかざし はるにいくみよの まぶしさよ)

4/29mon
ハナミズキ 軒先あたりが 暮れ残り
     (はなみずき のきさきあたりが くれのこり)
        ※ヒマ人がテレビを見ていると、年の瀬が押し迫
         ってきた感じになる。「平成最後の〇〇」、食
         傷気味のこの謳い文句ももう少しで地上から消
         える。

4/28sun
霊園が オープンと言い 山笑う
     (れいえんが おーぷんといい やまわらう)
        ※テーマパークやパチンコ屋の開業ではあるまい
         に、霊園がオープンとは・・。考えたらおかし
         くなった。近くの山も笑っている。新芽が吹い
         て山は今新緑初期。日に日に緑が濃くなってい
         く。さて自分のお墓はどうしよう?

4/27sat
春嵐 いやがる犬の 注射しに
     (はるあらし いやがるいぬの ちゅうしゃしに)
        ※夏日近くの気温から一転2月並みの冷たい日に。
         近くの会場をパスしてしまったので、歩いて小
         一時間の会場まで犬を連れて行く。当家のメス
         犬様はクルマを好まない。雨に横殴りの風にと
         ことん難渋した。

4/26fri
野焼きする 煙が走り 鹿が飛ぶ
     (のやきする けむりがはしり しかがとぶ)
        ※風が強くなり山肌を煙が這い登る。いるはずの
         ない鹿が飛び出てきた。中ぐらいの外来種キョ
         ンだ。房総半島に多い害獣。昨年秋には野菜畑
         で、山から迷いでてきたキョンを見た。

4/25thu
蜘蛛の糸 サクラの花軸が 風に舞う
     (くものいと さくらのかじくが かぜにまう)
        ※すっかり葉桜になった並木道に、花軸が宙にい
         くつも揺れている。一部の木々に数え切れない
         ほど・・・。

シャクナゲに 白ミズキ咲き クレマチス
     (しゃくなげに しろみずきさき くれまちす)
        ※クレマチスも白。この時期主役の白い花々が咲
         きそろっている。信濃大町の作家丸山健二の
         「白い庭」を思い浮かべる。彼の庭の主役は
         バラ、シャクヤク、ボタンなど。

4/24wed
ぼそぼそと 術後の友に 春少し
     (ぼそぼそと じゅつごのともに はるすこし)
        ※甲状腺ガンの手術を受けた友人と電話で話す。
         声が出ない。しばらくはリハビリと並行して、
         専門医の経過観察が続くという。回復を祈る。

4/23tue
いざ水田 わが磨ききし 田植え機で
     (いざみずた わがみがききし たうえきで)

女房の 軽トラ苗を 満載し
     (にょうぼうの けいとらなえを まんさいし)
        ※田植えが真っ盛り。当節のこと、たくさんの人
         が集まってということはない。相当な広さであ
         っても、奥さんと二人で機械を操って、淡々と
         行う。

4/21sun
スマホ見せ 愛犬探す 少女あり
     (すまほみせ あいけんさがす しょうじょあり)
        ※今日は統一選後半の投票日。一段と暖かい晴れ
         日。子犬2匹を連れた娘が真剣な眼差しで周囲
         を見回していた。昨日の午後、近くの自宅から
         もう一匹の飼い犬が姿をくらましたとか。

4/20sat
統一選 街に昔日の さざめきが
     (とういつせん まちにせきじつの さざめきが)

石楠花の 向こうを赤の 選挙カー
     (しゃくなげの むこうをあかの せんきょかー)

窓々と ドライバー相手の 選挙戦
     (まどまどと どらいばーあいての せんきょせん)
        ※選挙活動は今日が最後。繁華街とか駅前でも人
         はわずかだ。この問題をどうするかを訴えるよ
         り、とりあえずは人影のない団地に繰り出す。
         人影は少ないが窓がある。窓の奥に人がいる。
         今日は土曜日。通りすがりのクルマもある。

4/18thu
はなずおう 今年五軒の 門の中
     (はなずおう ことしごけんの もんのなか)
        ※我が家のスオウが近所の庭に広がって何年か?
         今年はまた一軒増えた。全て鳥の仕業。草花で
         はなく低木だから時間がかかるのに。

4/17wed
ランドセル パン屋の前で 深呼吸
     (らんどせる ぱんやのまえで しんこきゅう)
        ※一段と大きくなった真新しいランドセル。なに
         もかも新鮮、広い社会への第一歩。

4/15mon
今年また 桜吹雪の 人となり
     (ことしまた さくらふぶきの ひととなり)
        ※嵐にも負けなかったサクラがほんの少しの風に
         散って舞う。堤の並木道でタイミングよく、遠
         山金四郎の桜吹雪を味わう。

散る花や 咲く花もあり 葉かげかな
     (ちるはなや さくはなもあり はかげかな)

4/14sun
人は笑み チューリップ畑の 沼に果つ
     (ひとはえみ ちゅーりっぷばたけの ぬまにはつ)
        ※千葉県佐倉市の「チューリップフェスタ」に出
         かけた。花の種類の多さと印旛沼沿いの園の広
         さにびっくり。小学校毎の畝が並んでいたり、
         掘った花を買うサービスがあったり、催しは多
         彩。快晴の園内は遠くが霞むほどで入園者はみ
         んな至極満足の体だ。
   F190413-0006b.jpg

モネがいる チューリップ畑の 青い空
     (もねがいる ちゅーりっぷばたけの あおいそら)
        ※4/7の句を再掲。
         やっぱりモネの「サッセンハイムのチューリッ
         プ畑」を思い起こした。

4/12fri
校庭を 駐車場にして 入学式
   (こうていを ちゅうしゃじょうにして にゅうがくしき)
        ※雨降り日の入学式。生徒が大事に手入れしてい
         たのを知っていただけに、「なんてバカなこと
         を、校庭がめちゃめちゃになるー」と憤る。し
         っかりと、無音で。

4/11thu
木魚あり 春の法事の 夢うつつ
     (もくぎょあり はるのほうじの ゆめうつつ)
        ※若い住職の読経の声が心地よい。差し込む春の
         日が暖かく、ついコックリしてしまう。

4/10wed
ジョウビタキ 留鳥となれ 春の雲
     (じょうびたき りゅうちょうとなれ はるのくも)
        ※紋付鳥とも呼ばれる尉鶲(ジョウビタキ)は渡
         り鳥で初夏には北方の大陸に帰ると言われる。
         そうかなあ・・・、夏にも、あの鳴き声は頻繁
         に聞いていたと思うのだが。どこかの愛鳥家の
         サイトで「韓国では留鳥とされている」とあっ
         た。よし、自信を持って観察していこう。

4/9tue
花の宴 まだ何度でもと 答えけり
     (はなのえん まだなんどでもと こたえけり)
        ※「今年のサクラも終わり、もう何度見ることが
         出来るかな?」 こういう一見弱気な質問をす
         る人には元気な(過ぎる)人が多い。

4/8mon
トンネルの 出口にサクラ また光り
     (とんねるの でぐちにさくら またひかり)

髭面の 手折れるサクラ 傘の下
     (ひげづらの たおれるさくら かさのした)
        ※近くの中学校のまわりには満開のソメイヨシノ
         に混じって、ヤマザクラと八重桜が追いかける
         ように咲き、鄙にはまれな見事な競艶ぶりだ。
         いや、鄙だからこその、この競艶。

4/7sun
鳶ゆうゆう カラスが後を 春うらら
     (とびゆうゆう からすがあとを はるうらら)
        ※サクラ満開。言うことない日曜日。

モネがいる チューリップ畠の 青い空
     (もねがいる ちゅーりっぷばたけの あおいそら)

4/6sat
トッピング サクラと答え 春朦朧
     (とっぴんぐ さくらとこたえ はるもうろう)
        ※一段と暖かくなり、当地河畔の桜も満開。気分
         が良く、頭も少しおかしくなりそう。

夜桜や 外反母趾の 痛さかな
     (よざくらや がいはんぼしの いたさかな)

4/5fri
つくしんぼ 東伏見の 土を割る
     (つくしんぼ ひがしふしみの つちをわる)
        ※藤島大「北風」を読んだ。早大ラグビー部の練
         習場が東伏見にあった頃、一年生フッカーの目
         を通して、伝統とハードな鍛錬と人間関係を豊
         かに描いている。OBの役割も印象的だ。
         「北風」は第二部歌だとか。学生ナンバー1に
         なった時以外、第一部歌「荒ふる」は封印され
         ている。著者も早大ラガーOB。

4/4thu
アイリスは 咲けど紫紺の 優勝旗
     (あいりすは さけどしこんの ゆうしょうき)
        ※甲子園選抜高校野球決勝戦は習志野(千葉)が
         東邦(愛知)に敗れた。あれよあれよの決勝進
         出で、春の紫紺の優勝旗が初めて千葉にやって
         来るかと期待したが・・・。

4/3wed
厚着して 病院に並ぶ ユキヤナギ
     (あつぎして びょういんにならぶ ゆきやなぎ)
        ※寒気団の襲来で寒さがもどってきている。午前
         8時ころに寒そうな列が出来ている。大半がお
         年寄り。なんとかならないかなァといつも思う。

4/2tue
サクラバナ いささかなりと 嫉妬して
     (さくらばな いささかなりと しっとして)
        ※新元号は万葉集の「梅の花」を愛でる巻の序文
         からとられたという。今朝の、今をときめく当
         地満開のサクラはきれいだったが、さて内心は
         どうであろうか?

4/1mon
新元号 ふーん煙草に 火をつける
     (しんげんごう ふーんたばこに ひをつける)
        ※新元号が「令和」に決まる。

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