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ダクタク2017年5月 ブログトップ

ダクタク句集2017年(平成29年)5月 [ダクタク2017年5月]

5/31wed
泰山木 母の金歯の 恋しかり
     (たいさんぼく ははのきんばの こいしかり)
        ※母が死亡したのは故郷とは遠く離れた九州勤務の
         時だった。知らせのあった翌朝、空港に向かう時に
         目にしたのが社宅の庭にあった見事な泰山木。
         早朝の光に輝いていた、真っ白な花々を忘れない。

君くれし 鉋と鑿と カプチーノ
     (きみくれし かんなとのみと かぷちーの)
        ※この人からはよく物を貰う。いつもなにかと気を遣
         ってくれる。ありがたい。

5/30tue
二株の スイカの開花に 通いづめ
     (ふたかぶの すいかのかいかに かよいづめ)
        ※スイカは3度目の挑戦。小さめのラグビーボール
         型の品種。初心者は安全な接木済の苗で、やや
         高価。雌花の咲いた早朝に受粉をしてやるのだが、
         結構きまぐれでうまくいかない日も・・・。クルマで
         出かけ、よ~く会話をしながら・・・?。実がなる日
         を夢見れば、苦にならない。

5/29mon
卒寿なる 師を囲む五月 喜寿の顔
     (そつじゅなる しをかこむごがつ きじゅのかお)
        ※先輩が小学校の同級会を郷里相馬で開催した。
         九十歳の女の担任の先生を招き、盛会だったと
         か。車椅子を押して懐かしい所をめぐり、楽しい
         食事会。小学生時代から、この先輩は世話焼き、
         リーダー。心やさしい秀才だったに違いない。

5/28sun
ゴミ0日 シニア集いて 街せいせい
     (ごみぜろび しにあつどいて まちせいせい)
        ※今日日曜日は「ゴミ0(5/30)」の繰り上げ実施日。
         日頃から全くゴミがない区域もあればそうでない
         区域も、シニア総出で作業に励む。見る見るきれ
         いに。これ美風。薫風さやかに。

5/27sat
泰山木 根元に続く 靴の跡
     (たいさんぼく ねもとにつずく くつのあと)
        ※久しぶりのお湿りあり。泰山木の葉っぱが格段に
         光って見える。蕾がいくつか大きく、いい色になり
         つつある。夕方蕾を数えに近づいて見上げる。

5/26fri
蝶好きは 畑の虫も つぶしかね
     (ちょうずきは はたけのむしも つぶしかね)
        ※蝶と登山が好きな友人、今は登山もひかえている。
         彼が大事にしているレモンの木の葉を幼虫が旺盛
         に食い荒らしているという。彼はその幼虫を駆除(つ
         ぶ)したりせずに摘んで小箱に入れ、同じ柑橘系の
         木に「引越し」させてやろうと、その木を探しにクル
         マで出たという。「そこのキンカンの木に移してやっ
         たよ」と。こういう人がいるんですね・・・。

5/25thu
五月雨や 義父の枕辺で 浪花節
     (さみだれや ちちのまくらべで なにわぶし)
        ※知り合いの父親は施設に入っていて、奥さんが頻
         繁に通っている。浪花節好きの義父のために、そ
         の奥さんYouTubeで少しだけ習い、耳元で「うなっ
         て」みたという。そうしたら・・・プロの動画を見せて
         も無反応だった父親が明らかに喜んだというのだ。
         すごいね、この話。
         それにしても奥さんは勲一等モノだ。

薫風は 窓まで起てと そそのかし
     (くんぷうは まどまでたてと そそのかし)

5/24wed
指を折り 桃の摘果や 皮算用
     (ゆびをおり もものてきかや かわざんよう)
        ※2度目の摘果をする。かなりひどいアブラムシの
         被害に遭ったが、なんとか乗り越えた。難産の子
         ほど良く育つという? アレは残し、コレは摘んで、
         おいしい桃がいくつ食べられるか?

5/23tue
薫風や 奉仕の老若 満ち足りて
     (くんぷうや ほうしのろうにゃく みちたりて)
        ※皇居前広場桔梗門近くには、多くの清掃奉仕団の
         人々が作業を終え、帰りのバスを待っていた。若
         い人も多い。皆ニコニコして満足気な表情をしてい
         るのが印象的だった。

和田倉門 藩士末裔を 名乗りつつ
     (わだくらもん はんしまつえいを なのりつつ)
        ※皇居内公園はだめだったが、和田倉門は中濠沿
         いの一角、この内側は会津藩の上屋敷があったと
         ころ。カフェに西日が当たって、噴水が光っていた。

5/22mon
桔橋門 今回もまた 登りかね
     (はねばしもん こんかいもまた のぼりかね)
        ※北桔橋門は天守閣北の本丸大奥から外部に直
         接通じる門で、濠を深くして石垣は最も堅固にし
         てあったとか。 門に至る坂道は最も城らしい眺め
         の一つで、今までチャンスがなく今回こそと思った
         のだが・・・。単純な理由、月曜日と金曜日は皇居
         内公園入場禁止だった。唖然。呆然。ノーチェック。
         
五月晴れ 夏日やクスの 深い影
     (さつきばれ なつびやくすの ふかいかげ)
        ※午後3時過ぎ、皇居外周のコースは相変わらず
         の人気。外人観光客も目立つ。木陰が恋しい。

5/21sun
新樹風 嗄れ声を 今聴かん
     (しんじゅかぜ しわがれごえを いまきかん)
        ※北の丸公園の散策路そばに、吉田茂の銅像がある。
         もしも今生きていてくれるなら、今こそ・・・。言いたくも
         あるだろう。「憲法がこんなに長い間放っておかれると
         は思ってもいなかったぜ」 

長き日や 赤壁ことに 熱かりし
     (ながきひや あかかべことに あつかりし)
        ※旧近衛師団司令部の建物。今は東京国立近代美
         術館工芸館(別館)として使われている。赤いレン
         ガ壁の外観と表面のホール、2階への階段は昔日
         のままとか。工芸館は近く金沢市に移転されると聞
         いた。さてこの建物はどうなるのかな?

5/20sat
帽子忘れ 今日は一日 東京人
     (ぼうしわすれ きょうはいちにち とうきょうじん)
        ※5/19金曜日は仲間との都心散歩の会。今回で15回
         を数える。市ヶ谷駅で待ち合わせして、靖国神社~
         北の丸公園~東京近代美術館~皇居内散歩~東
         京駅のコースだ。ところが帽子を忘れた。今日も夏
         日。熱中症に注意してのスタート。

参拝や 何十年の 謹しみを
     (さんぱいや なんじゅうねんの つつしみを)
        ※靖国神社、何度か訪れているが、ちゃんと参拝し
         たことは記憶にない。70歳を越した今、丁寧に
         心を込めて参拝した。今回の主目的の一つ。

5/19fri
初夏の ふとんの軽きに 馴れぬ朝
     (はつなつの ふとんのかるきに なれぬあさ)
        ※もう十分暖かくなったと布団を替え、納得して寝
         入ったはずなのに、朝方早く目が覚める。まだ暗
         い。寒くなったのではなくて、布団の軽さがなんと
         なく心許ない・・・。

5/18thu
焼き鳥を買って帰る 真っ赤な夕焼け
     (やきとりをかってかえる まっかなゆうやけ)
        ※近くの坂道の中程にある焼き鳥屋。坂道は商売
         に向かないというが、商店が次々と廃業していく
         中で、ここだけは30年近く繁盛している。実にう
         まくて、安い。ネクタイのサラリーマンから、子供
         連れの母親、トラックの運転手などなど、夕方は
         いつも客が待っている。

5/17wed
タラの芽は 得られず戻る 山の駅
     (たらのめは えられずもどる やまのえき)
        ※会津若松市内では既に遅く買えなかった。それで
         はと、会津鉄道の停車時間の間に山間の駅前スー
         パーらしき店に急行。結果は「今日はない」と。
         雨も強くなり、諦める。今年はだめ。

五月雨や 県境の村の 道くねり
     (さみだれや けんざかいのむらの みちくねり)
        ※会津鉄道の県境近く。サクラが咲いている。まだ
         春の真っ盛り。

花ミズキ 赤のみ多き 村のあり
     (はなみずき あかのみおおき むらのあり)
        ※会津山村道場とか七ケ岳登山口とかの駅名があ
         る。このあたりは秋の紅葉が素晴らしい。
         会津高原尾瀬口駅からは東武線で、今市経由で
         浅草まで行く。この春から、この路線に速い特急
         が走っている。速すぎるかな? 今回はバカ空き。
         今市近くになると集落にミズキが目立つ。

5/16tue
古戦場 骸葬る 寺ありて
     (こせんじょう むくろほうむる てらありて)
        ※下町にある、戊辰戦争の古戦場近くの寺に寄った。
         門から本堂まで、白い幕が張られていた。ひと目
         で寺に不幸があったと知れた。住職が急逝された
         とか。門近くで辞した。

雨をおして ソースカツ丼で ビール飲み
     (あめをおして そーすかつどんで びーるのみ)
        ※会津から今市に抜けるローカル線に乗った。生憎
         の雨で眺望は良くないが、山々や線路沿いの谷は
         若い新緑が煙っていて、なかなかのもの。途中の
         駅で降りて、見知りの店まで歩き昼食をとった。
         至極満足しました。

5/15mon
故郷の町並みは 歯の抜けるごと
     (ふるさとのまちなみは はのぬけるごと)
        ※地方都市はどこも同じだろうが、個人商店の衰退
         は通りに空き地を量産している。昔通りの家々が
         空き地のせいで、昔見えなかった角度から見えて、
         「ほほう・・・」と感心したり。
         粗末な家が多かったにしても、通りにびっしり詰
         まった頃の方が街としては断然豊かだった。

城下町 中心は軽き 店ばかり
     (じょうかまち ちゅうしんはかるき みせばかり)
        ※中心街は今流行りのインバウンド、若い観光客
         向けの店々が幅を利かせている。カタカナのカ
         フェ、ファッション店、色とりどりの土産物店など。
         果ては最近出来た店が歴史を語り、老舗を名乗
         っている・・・どこも古さを纏っている。

友は孫に 店を譲りて ヤマボウシ
     (ともはまごに みせをゆずりて やまぼうし)
        ※こうした街の有り様、変遷に多くの感慨を持つで
         あろう友人は多くを語らない。何十年もここに暮
         らしてきたのだから。

5/14sun
桐の花 昔家業の 栄えた日
     (きりのはな むかしかぎょうの さかえたひ)
        ※弟の納骨の法要のため会津若松市に帰省。小雨
         の中、久しぶりにゆっくり街を歩いた。その昔名家と
         言われた特産下駄の老舗はとっくに廃業。塀越しに
         見頃の桐の花が見えた。

五月雨や 酒造会社の 朽ちた壁
     (さみだれや しゅぞうがいしゃの くちたかべ)
        ※市内に幾十を数えた酒造会社も今や数えるばかり。
         大きな酒蔵の漆喰の壁が崩れ、茶色の地肌が雨に
         濡れている。

酒の蔵 裸電球の 闇深し
     (さけのくら はだかでんきゅうの やみふかし)
        ※大きな酒蔵が並んだ威容は、界隈に住む者にとっ
         ても誇りだった。電球一つ灯っていたが、かえって
         内部の暗さを感じさせる。さながら五月闇のよう。

5/11thu
パリ五月 そよ風好む 人多く
     (ぱりごがつ そよかぜこのむ ひとおおく)
        ※マカロン大統領誕生。ECの仕組みでの更なる踏
         み込みこそ、真の革命だよね。足元困難があろう
         とも「人類の壮大な実験」を続けないわけにいか
         ない・・・。

ソウルでは 過大公約 ムンゴール
     (そうるでは かだいこうやく むんごーる)
        ※反朴、反保守の一連の動きに乗ってムン楽勝。
         バラマキ公約はポピュリストの懸念大。話し合う
         外交を宣言。奥さんが良い面構えで美人だから、
         まあいいか。

5/10wed
ネギ坊主 中学生の 口喧嘩
     (ねぎぼうず ちゅうがくせいの くちげんか)
        ※畑に沿った通学路で、男の生徒同士の諍いの声
         が・・・。結構険悪な感じ。手や足が出るか・・・。
         大変だ。でも、大丈夫。パタッと口喧嘩がやみ、
         黙って並んで歩いていく。この二人は大丈夫だ、
         仲良くなるためのケンカ・・ネギ坊主が見ている。

5/9tue
夏みかん 酸っぱきゆえに 一人占め
     (なつみかん すっぱきゆえに ひとりじめ)
        ※庭木に夏みかんを植えている家は多いが、最近
         は立派に実ってもとる人はいない。昔に較べて特
         段酸っぱくなったわけではないと思うが、世界中か
         ら輸入されるオレンジはどれも個性的で甘い。お
         かげで方々の家庭からよく夏みかんをいただく。
         採りに来いという人も。我が家では私が独占。

5/7sun
眺めるは 夫婦の丹精 藤の花
     (ながめるは ふうふのたんせい ふじのはな)
        ※見事な藤棚だ。近所の人が三々五々眺めにやって
         来る。ここの夫婦は揃ってガーデニング好きとか。
         年季が入っているのだろう。藤の木の幹の太さ、
         花房の見事さ、花の色だって他所よりも濃いよう
         な気がする。

5/6sat
欲張りの 妻に加担し 開墾す
     (よくばりの つまにかたんし かいこんす)
        ※地主さんの了解を得たと言って、新たに畑を広げ
         ている。ところが長いこと耕作されていないので、
         一面スギナだらけ。土壌は砂地で養分は少なく、
         酸性なのだろう。だからスコップで30センチ以上
         掘り返す。スギナは地下茎ごと全部摘む。開墾は
         大げさだが、大変な労働・・・。連休前半のイベント
         となった。

5/5fri
ナツユキソウ 北海道からの 同居人
     (なつゆきそう ほっかいどうからの どうきょにん)
        ※今から40年ほど前北海道勤務の頃に出会った花。
         白い清楚な花で、塀や垣根が少ない道内の家々に
         良く似合っていた。調べてみたらセラスチューム
         Cerastiumが正式名みたい。Snow in Summer
         とも呼ばれるらしい。日本ではシロミミナグサとも。
         今日は「子供の日」。先日前を通りかかった女子中
         学生が「可愛いね。この花、大好き」と言う声が聞こ
         えた。度重なる引越しにもめげず、同居してきた甲斐
         があったというもの。
白360-5.jpegなつゆきそう.jpg

5/4thu
卯の花の 垣根見つける 回り道
     (うのはなの かきねみつける まわりみち)
        ※暖かい気候で家々の花は咲き誇っている。卯の花
         の垣根の家があった。久しぶりに出会った。

卯の花の 匂いあるはず 深呼吸
     (うのはなの においあるはず しんこきゅう)
        ※今月2日が八十八夜とか。
         ♪夏も近づく八十八夜・・・
         ♪卯の花の匂う垣根に・・・

5/3wed
はぐれ鳶 カラスに追われ 春霞
     (はぐれとび からすにおわれ はるがすみ)
        ※営巣、子育ての時だからテリトリーに敏感なのだ
         ろう。鳶でも鷹でもカラスの夫婦には刃が立たな
         い。執拗に追い回し、相手が域外に姿を隠すまで
         続く。

営巣の 鷹を見送る 時雨前
     (えいそうの たかをみおくる しぐれまえ)
        ※鷹には強い鳥のイメージがあるが、現実の暮らし
         ではそうでもないのではと思わせる。雨の来そう
         な空に現れた鷹は、他の鳥がいない間に巣の材
         料を運ぶ。

5/2tue
春陰や 森繁が誦む 千曲川
     (しゅんいんや もりしげがよむ ちくまがわ)
        ※YouTubeに森繁久彌が朗読する藤村「千曲川旅
         情の歌」がある。春先のやわらかな光の信州が目
         に浮かぶ。いいなァ・・・。絶品。

アイリスや 翅もつ虫の そろい踏み
     (あいりすや はねもつむしの そろいぶみ)

ハナミズキ 花いたむころ 空みだれ
     (はなみずき はないたむころ そらみだれ)
        ※昨日は午後になって雷が荒れ狂った。ハナミズキ
         の真っ白な花が一部茶色になってしまう頃、天気
         も不安定に。

5/1mon
初ツバメ 腕初まくり 佳き五月
     (はつつばめ うではつまくり よきごがつ)
        ※さあ五月。季節として最高。
         今日は天気が不安定になるとも言っていたが、朝方
         は晴れ、今年一番の気温だ。午後には雷も、の予報。
         今のところ、ツバメの低空飛行はみられないが・・・。

一面の 水鏡劇場 田植えかな
     (いちめんの みずかがみげきじょう たうえかな)
        ※4月中にこの付近は田植えが終わっている。朝の
         散歩道の中で、高めの橋のたもとが格好の水田展
         望台。稲作列島は巨大な貯水ダムだといわれると
         ころを実感する。年々田が集約されているのか、
         田植え直後の広々とした水田は青空や家々を水面
         に映している。

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