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ダクタク2018年9月 ブログトップ

ダクタク句集2018年(平成30年)9月 [ダクタク2018年9月]

9/30sun
秋寒や 外来棟の 声低く
     (あきざむや がいらいとうの こえひくく)
        ※記録づくめの今夏の暑さに、残暑もさぞと覚悟
         を決めたのだが、意外やすんなり秋の気候にバ
         トンが渡ったようだ。それにしても今日は涼しさ
         を通り越して平年11月の寒さとか、患者の声も
         少なく、くぐもっている。

9/29sat
新語聴く 姦しからず 女子の会
     (しんごきく かしましからず じょしのかい)
        ※今風のカフェに入った。耳をすます。すぐに聞
         き分けができない言葉が混じる。若い女子かな
         と思ったら、アラフォー世代の数人だ。文庫本
         持参ではあったが、現代語仕入れに切り替え
         ざるを得なかった。かなりカシマシしい。

9/28fri
稲妻や 機影羽田へ 列をなす
     (いなづまや きえいはねだへ れつをなす)
        ※羽田が沖合拡張されてから、風向きや天候にも
         よるが、繁忙時間帯には当地木更津市の上空を
         「2列縦隊」で航空機が進入する。夕方見上げる
         視界に4機の灯りを数えるのは普通のこと。首を
         回すと5機、6機と見えることも。荒天の暗い夜空
         を一刻も早くと急いでいるようだ。

9/26wed
名月の 去りて雨よし 風もよし
     (めいげつの さりてあめよし かぜもよし)
        ※一昨日見事な中秋の名月を堪能したあとは雨模
         様が続いている。国連での各国首脳の演説や日
         米貿易交渉の行方など、嵐がいつ来てもおかし
         くない。

9/25tue
月今宵 里に帰れる 母の声
     (つきこよい さとにかえれる ははのこえ)
        ※母の実家は当時年老いた父親(祖父)と姉が住
         むだけの静かな家だった。それでも子供を連れ
         て里帰りした母はいつも喜んでいた。おしゃべ
         りする声までがいつもより弾んでいたような気
         がする。広い庭を月明かりが照らす遠い記憶。

9/24mon
しなやかな 線が描けない 夜長かな
     (しなやかな せんがかけない よながかな)
        ※70歳から始めた水彩画の教室通い。まだま
         だ入口にいるのだけれど、頭デッカチは難しさ、
         奥の深さだけを思う。
         「君、君、絵かきになるのではないのだから、
         肩の力を抜いて、まずは数を描き給え」・・・
         その声もわかっているのだが。

9/23sun
ツナサラダ ひとりの定番 秋の夜
     (つなさらだ ひとりのていばん あきのよる)
        ※ツナサラダはその昔の単身赴任生活を思い出さ
         せる。あり合わせの野菜を盛り沢山に食べる習
         慣がついたっけ。

9/22sat
秋彼岸 ページにうらら 陽が動き
     (あきひがん ぺーじにうらら ひがうごき)
        ※今日一日はひとりで、ゆったり気分。ご先祖様
         に感謝しながらウトウトする。

9/21fri
曼珠沙華 ビル迫り来る 子規の家
     (まんじゅしゃげ びるせまりくる しきのいえ)
        ※9月19日は子規忌(糸瓜忌)。根岸子規庵の
         子規の寝床から庭を見る。ヘチマや鶏頭・・・。
         ビルが見えなくて良かった。
         超々有名な句ふたつ。
          鶏頭の十四五本もありぬべし    子規
          糸瓜咲いて痰のつまりし仏かな   子規

9/20thu
山裾の 村道はるかに 酔芙蓉
     (やますその そんどうはるかに すいふよう)
        ※東名大井松田で下りてすぐ、開成町の福澤地区
         に、目指す酔芙蓉ロードがあった。店などもないし
         入場料をとる人もいない。農道沿い数百メートル
         に酔芙蓉が両側に植えられている。ちょうど見頃
         だし、これぞ静かなる圧巻!!

鮎壷の 滝轟々と 彼岸花
     (あゆつぼの たきごうごうと ひがんばな)
        ※水の町三島市の西隣長泉町にある「鮎壷の滝」
         を初めて目にした。富士の裾野から発した黄瀬
         川が住宅地のど真ん中に雄大な滝を作っている。
         思った以上の雄大さと富士山の恵みに驚く。

9/19wed
添乗員も またシニアなり 秋の旅
     (てんじょういんも またしにあなり あきのたび)
        ※先週末に静岡県三島、南足柄方面へ日帰りバ
         スハイクに出かけた。お決まりの観光地と買い
         物施設をめぐるコース。○○フルーツパーク、△
         △ヒモノセンターなどなど、その合間に観光地
         をちょこっと挟む。参加者の多くがシニアで、昼
         ご飯と買い物が目当てだから、文句は言えない。

9/17mon
老老が 敬うべしと この日あり
     (ろうろうが うやまうべしと このひあり)
        ※「敬われる」のではなく、老老が互いに敬う日。
         ハードルが高くなった。

9/15sat
新涼や 隣家の壁が 濃緑に
     (しんりょうや りんかのかべが こみどりに)
        ※雨模様の空が続き、安定した涼しさだ。隣家の
         屋根壁の塗り替えで、以前とは一転した色にな
         った。通りから眺めて「ほう、いい色だ」と正直思
         ったのだが、朝に晩に窓から見ていると、・・・
         「涼しげ」とは程遠い。

稔り田に ワシのカイトが ひるがえり
     (みのりだに わしのかいとが ひるがえり)
        ※大方の稲刈りが済んだ中で、勤め人がやってい
         る田の一部が残っている。どんな品種なのか? 
         彼はいろいろココロミル。今回は西洋凧がいくつ
         か。少しの風でも結構飛び回る。動く案山子だ。

9/14fri
アライグマ 捕まえ畑は 秋の声
     (あらいぐま つかまえはたけは あきのこえ)
        ※素人が作っている野菜畑にも明らかに四つ足動
         物の仕業とされる被害が続いた。県内で繁殖して
         いるハクビシンかと思ったら・・・、捕えてみれば
         アライグマ。これも「特定外来生物」として駆除
         対象になっている。顔はカワイイし、尻尾は大き
         くて人気者のそれ。

9/13thu
ネットから 虫の名知りて つかえ落ち
     (ねっとから むしのなしりて つかえおち)
        ※図鑑など虫の名前や姿から検索する手段はあっ
         たけれども、目の前のコノ鳴き声はナニ?という
         素人の疑問は解消されなかった。しかし最近のユ
         ーチューバーは多種多様な虫の鳴き声を名前入
         りで見せてくれる。「アオマツムシ」はこれだァとわ
         かった。マツムシとは違う外来種であることも。
         コオロギの鳴き声の種類も教わった。

9/12wed
幻想も 暑苦しくなく なり候
     (げんそうも あつくるしくなく なりそうろう)
        ※本格的に秋の涼しさ。OZAWAの幻想交響曲
         を聴く。・・・涼しさ、値千金。

9/10mon
八朔は みかんの品種と 思いけり
      (はっさくは みかんのひんしゅと おもいけり)
        ※八朔は字の通り八月朔日(ついたち)のこと、
         旧暦である。今日9月10日は八朔とか。した
         がって今晩の月は新月、まっくら。
         14日後9月24日が満月で、中秋の名月。9
         月は月を学ぶに良い月ということで、勉強に
         なります。蛇足ですが明日旧暦8月2日の月
         は特に二日月(ふつかづき)と呼ぶようです。
         超細身です。

9/9sun
秋嵐 西辺の幕を 吊り直す
     (あきあらし にしべのまくを つりなおす)
        ※台風など強風の都度、無残に地べたに落ちる日
         除けの幕。その都度落ちることが肝心なんだと説
         明するがわかってくれない。手製なので建物を傷
         めず、揺れても騒音が少なく、もっと風が強くなっ
         たら地面に疎開する。しかも復旧が容易だ。満点。

9/8sat
胆振なる 地方はいかに 秋の闇
     (いぶりなる ちほうはいかに あきのやみ)
        ※北海道地震の震源地は胆振地方東端の厚真町。
         室蘭に住んで胆振という地方名を初めて知った。
         今回その名が繰り返しTVで流れる。火山や湖に
         恵まれた景勝の地でもあるが、地震はごく少なか
         った。多くの人々の顔を思い出す。

9/7fri
稲妻や 枝豆ぬいて 駆けもどる 
      (いなずまや えだまめぬいて かけもどる)
        ※台風が過ぎ去っても強風がおさまらない。天気
         も不安定だ。我が家の枝豆は時期を遅らせてネ
         ットで囲い虫害対策を施したのだったが、肝心の
         成長が不十分、失敗に終わった。数少ない青豆
         は美味、と自らを慰めている。
         昨年は見事な枝豆を大量に収穫したが、信じら
         れないことに悉くカメムシに豆のエキスをチュー
         チューされていた。

9/5wed
台風の 風すさまじく 親子丼
     (たいふうの かぜすさまじく おやこどん) 

手のひらに 爪の跡あり 秋嵐
     (てのひらに つめのあとあり あきあらし)
        ※台風21号は関西地方に被害を与えて、日本海
         側を北上したが、昨夜から今日未明にかけて当
         地でも猛烈な風が吹き荒れた。深夜床について
         何度か目覚め、余りのひどさに拳を強く握り締め
         ていた。

9/4tue
鉄道を 越える小道に ウリひとつ
     (てつどうを こえるこみちに うりひとつ)
        ※「線路をわたってはいけません」の立札。これは
         「ここなら近道でわたれます」のお知らせ。
         さすがに伸び放題の夏草は刈られていない。地
         べたが見えない。何が出てくるか? なんと栄養
         満点の大きな白い瓜があった。びっくり。

9/3mon
露草の 踏まれしほどに ありて秋
     (つゆくさの ふあれしほどに ありてあき)
        ※台風21号の影響で前線が刺激され、雨模様が
         涼しさをもたらした。新学期が始まったばかりの
         中学生たちも落ち着いているように見えるのは
         気のせいか? この時期、生徒の自殺が一年の
         中で一番多いと聞いた。

9/2sun
店頭に 息子引き継ぐ 鉢あざみ
     (てんとうに むすこひきつぐ はちあざみ)

鉢もみじ 一子相伝の 極意をば
     (はちもみじ いっしそうでんの ごくいをば)
        ※近くの商店では跡を継いだ主が、花好き、盆栽
         好きだった亡父の遺産を引き継いだようだ。勤
         め人だったらしい彼はその道の秘伝を授けられ
         ているのだろうか?

9/1sat
さつまいも わがものがおに 九月かな
     (さつまいも わがものがおに くがつかな)
        ※当地の夏は暑さの不平を言わなければ災害は殆
         どなく、稲作も他の作物も生育は至極順調だ。恵
         まれている。
         さつまいもは旺盛にツルと葉を伸ばしている。これ
         を向きを変えたり、不要部分をカットしたり整理して
         やることが必要らしい。さらにツルは柔らかそうな部
         分を選び煮物にする。これが季節の美味となる。た
         だし毎日はいらない・・・。
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