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ダクタク句集2020年(令和2年)最終 [自選集2020]

2020自選 20句 (応募用)
                         ***は伊藤園に応募済 2021.2.26

コロナ禍に 楽聖の日の ありて冬 ***
     (ころなかに がくせいのひの ありてふゆ)

大豆ぬく 婆に笑みあり 頬被り
     (だいずぬく ばばにえみあり ほおかぶり)

鵙日和 霊園を見て 決めかねて
     (もずびより れいえんをみて きめかねて)

色褪せる ドロップ缶や 秋の道
     (いろあせる どろっぷかんや あきのみち)

金木犀 宅配人の お世辞かな
     (きんもくせい たくはいにんの おせじかな)

秋めくや 釜のなおりて 昼の風呂
     (あきめくや かまのなおりて ひるのふろ)

としふれば アイスひとつに さじふたつ ***
     (としふれば あいすひとつに さじふたつ)

撃沈の時語る人にもマスクあり
     (げきちんのとき かたるひとにもますくあり)

月の夜 ウェットスーツの 影二つ
     (つきのよる うぇっとすーつの かげふたつ)

うたた寝や 海辺の駅の 月見草 ***
     (うたたねや うみべのえきの つきみそう)

半夏雨 亡父の句集に 栞して
     (はんげあめ ちちのくしゅうに しおりして)

石首魚の 骨で更けたり 夏至の夜
     (いしもちの ほねでふけたり げしのよる)

鯖と煮る 蕗のうまさよ 卯月かな
     (さばとにる ふきのうまさよ うづきかな)

草餅や 香り強くと 企みぬ ***
     (くさもちや かおりつよくと たくらみぬ)

春風や つましきも快 然りかな
     (しゅんぷうや つましきもかい しかりかな)

山笑う 晩学という 言葉知る
     (やまわらう ばんがくという ことばしる)

終活の メモ先送りす 春霞
     (しゅうかつの めもさきおくりす はるがすみ)

光あり 厚着を悔いて 西行忌
     (ひかりあり あつぎをくいて さいぎょうき)

七十五歳 AIとしゃべる 春の朝 ***
     (ななじゅうご えいあいとしゃべる はるのあさ)

冬おじや コゲせがむ子の 微熱かな ***
     (ふゆおじや こげせがむこの びねつかな)

寒の日や 正月ごとの 辞世の句
     (かんのひや しょうがつごとの じせいのく)

シクラメン 一人住まいが タオル干し
     (しくらめん ひとりずまいが たおるほし)



2020自選 40句

薔薇切りて 師走ひと月を 咲き尽くす
     (ばらきりて しわすひとつきを さきつくす)

コロナ禍に 楽聖の日の ありて冬
     (ころなかに がくせいのひの ありてふゆ)

大豆ぬく 婆に笑みあり 頬被り
     (だいずぬく ばばにえみあり ほおかぶり)

鵙日和 霊園を見て 決めかねて
     (もずびより れいえんをみて きめかねて)

色褪せる ドロップ缶や 秋の道
     (いろあせる どろっぷかんや あきのみち)

海を見る 食堂の人 吾亦紅
     (うみをみる しょくどうのひと われもこう)

金木犀 宅配人の お世辞かな
     (きんもくせい たくはいにんの おせじかな)

秋めくや 釜のなおりて 昼の風呂
     (あきめくや かまのなおりて ひるのふろ)

糸瓜忌や 布団重ねて 二度寝かな
     (へちまきや ふとんかさねて にどねかな)

風の盆 男踊りを 夢に見し
     (かぜのぼん おとこおどりを ゆめにみし)

稲妻や 雲の襖を 透かせたり
     (いなづまや くものふすまを すかせたり)

草の丈 独居老人の 家ありき
     (くさのたけ どっきょろうじんの いえありき)

秋来る エドワード・ホッパーの 影が好き
   (あききたる えどわーど・ほっぱーの かげがすき)

としふれば アイスひとつに さじふたつ
     (としふれば あいすひとつに さじふたつ)

撃沈の時 語る人もマスクあり
     (げきちんのとき かたるひともますくあり)

夏暁や 古き書に蚊の ミイラあり
     (なつあけや ふるきしょにかの みいらあり)

月の夜 ウェットスーツの 影二つ
     (つきのよる うぇっとすーつの かげふたつ)

サルスベリ 木陰スマホで 泣く娘あり
     (さるすべり こかげすまほで なくこあり)

うたた寝や 海辺の駅の 月見草
     (うたたねや うみべのえきの つきみそう)

半夏雨 亡父の句集に 栞して
     (はんげあめ ちちのくしゅうに しおりして)

石首魚の 骨で更けたり 夏至の夜
     (いしもちの ほねでふけたり げしのよる)

鯖と煮る 蕗のうまさよ 卯月かな
     (さばとにる ふきのうまさよ うづきかな)

薫風や 車椅子押す 人に吹く
     (くんぷうや くるまいすおす ひとにふく)

草餅や 香り強くと 企みぬ
     (くさもちや かおりつよくと たくらみぬ)

オダマキや 一日揺れて なお勁き
     (おだまきや いちにちゆれて なおつよき)

花おぼろ 十三参りの 虚空蔵
     (はなおぼろ じゅうさんまいりの こくうぞう)

春風や つましきも快 然りかな
     (しゅんぷうや つましきもかい しかりかな)

半呆けが いいという人 さくら餅
     (はんぼけが いいというひと さくらもち)

山笑う 晩学という 言葉知る
     (やまわらう ばんがくという ことばしる)

磯笛の 幻追いて 安房の海
     (いそぶえの まぼろしおいて あわのうみ)

終活の メモ先送りす 春霞
     (しゅうかつの めもさきおくりす はるがすみ)

光あり 厚着を悔いて 西行忌
     (ひかりあり あつぎをくいて さいぎょうき)

七十五歳 AIとしゃべる 春の朝
     (ななじゅうご えいあいとしゃべる はるのあさ)

師はこぼす 身内哀しや 冬薔薇
     (しはこぼす みうちかなしや ふゆそうび)

冬おじや コゲせがむ子の 微熱かな
     (ふゆおじや こげせがむこの びねつかな)

寒の日や 正月ごとの 辞世の句
     (かんのひや しょうがつごとの じせいのく)

新年会 口真似上手な 亡母がいて
     (しんねんかい くちまねじょうずな ははがいて)

シクラメン 一人住まいが タオル干し
     (しくらめん ひとりずまいが たおるほし)


2020自選 120句

薔薇切りて 師走ひと月を 咲き尽くす
     (ばらきりて しわすひとつきを さきつくす)

渋谷には 着ぶくれせぬ人 うごめいて
     (しぶやには きぶくれせぬひと うごめいて)

冬至来て 首の後ろの かゆみかな
     (とうじきて くびのうしろの かゆみかな)

コロナ禍に 楽聖の記念日 ありて冬
     (ころなかに がくせいのきねんび ありてふゆ)

教え子も 師もシニアなり 賀状書く
     (おしえごも しもしにあなり がじょうかく)

豆をぬく 婆に笑みあり 頬被り
     (まめをぬく ばばにえみあり ほおかぶり)

芭蕉忌の 日を確かめんと 暦帳
     (ばしょうきの ひをたしかめんと こよみちょう)

鵙日和 霊園を見て 決めかねて
     (もずびより れいえんをみて きめかねて)

色褪せる ドロップ缶や 秋の道
     (いろあせる どろっぷかんや あきのみち)

干す烏賊を 哀れと読みし 人のあり
     (ほすいかを あわれとよみし ひとのあり)

見つけたり 小さな秋と ちさき老い
     (みつけたり ちいさなあきと ちさきおい)

海を見る 食堂の人 吾亦紅
     (うみをみる しょくどうのひと われもこう)

嵐去り 一人整然 貝割れ菜
     (あらしさり ひとりせいぜん かいわれな)

塀越しの シュウメイギクの 視線かな
     (へいごしの しゅうめいぎくの しせんかな)

金木犀 宅配人の お世辞かな
     (きんもくせい たくはいにんの おせじかな)

秋めくや 釜のなおりて 昼の風呂
     (あきめくや かまのなおりて ひるのふろ)

秋薊 男手のひらの なめらかに
     (あきあざみ おとこてのひらの なめらかに)

風立ちて 愁思小さきに 気づきおり
     (かぜたちて しゅうしちさきに きづきおり)

運動会 みな金網に 指かけて
     (うんどうかい みなかなあみに ゆびかけて)

糸瓜忌や 布団重ねて 二度寝かな
     (へちまきや ふとんかさねて にどねかな)

風の盆 男踊りを 夢に見し
     (かぜのぼん おとこおどりを ゆめにみし)

稲妻や 雲の襖を 透かせたり
     (いなづまや くものふすまを すかせたり)

入院の人に 最後のぶどう摘む
     (にゅういんのひとに さいごのぶどうつむ)

草の丈 独居老人の 家ありき
     (くさのたけ どっきょろうじんの いえありき)

秋来る エドワード・ホッパーの 影が好き
   (あききたる えどわーど・ほっぱーの かげがすき)

富士黒く 芙蓉の里は 涼しかり
     (ふじくろく ふようのさとは すずしかり)

朝顔や ふの妙語る 亭主あり
     (あさがおや ふのみょうかたる ていしゅあり)

としふれば アイスひとつに さじふたつ
     (としふれば あいすひとつに さじふたつ)

撃沈の時 語る人もマスクあり
     (げきちんのとき かたるひともますくあり)

駅頭に 弟の顔や 夏帰郷
     (えきとうに おとうとのかおや なつききょう)

夏暁や 古き書に蚊の ミイラあり
     (なつあけや ふるきしょにかの みいらあり)

月の夜 ウェットスーツの 影二つ
     (つきのよる うぇっとすーつの かげふたつ)

サルスベリ 木陰スマホで 泣く娘あり
     (さるすべり こかげすまほで なくこあり)

河童忌に 祝日の名を 問われけり
     (かっぱきに しゅくじつのなを とわれけり)

うたた寝や 海辺の駅の 月見草
     (うたたねや うみべのえきの つきみそう)

半夏雨 抜歯は疼く 傘の下
     (はんげあめ ばっしはうずく かさのした)

ペンキ屋は 見上げるばかり 梅雨の空
     (ぺんきやは みあげるばかり つゆのそら)

夏燕 いる軒下に 雨宿り
    (なつつばめいる のきしたにあまやどり)

皺が割く 房州うちわの 女竹かな
     (しわがさく ぼうしゅううちわの めだけかな)

半夏生 夕日に釣り師の 影崩れ
     (はんげしょう ゆうひにつりしの かげくずれ)

半夏雨 亡父の句集に 栞して
     (はんげあめ ちちのくしゅうに しおりして)

蚊遣焚く 床屋の助手の 話好き
     (かやりたく とこやのじょしゅの はなしずき)

梅雨寒や 老斑無断で 二つ三つ
     (つゆざむや ろうはんむだんで ふたつみつ)

石首魚の 骨で更けたり 夏至の夜
     (いしもちの ほねでふけたり げしのよる)

ダ・ヴィンチは 何度もぬりしと 梅雨の夜
    (ダ・ヴィンチは なんどもぬりしと つゆのよる)

伯母いつも 薄塩水で サクランボ
     (おばいつも うすしおみずで さくらんぼ)

シロップに もぎたての梅を 選りにけり
     (しろっぷに もぎたてのうめを よりにけり)

鯖と煮る 蕗のうまさよ 卯月かな
     (さばとにる ふきのうまさよ うづきかな)

ピレネーを 五月に越える 銀の道
     (ぴれねーを ごがつにこえる ぎんのみち)

五月雨や 大樹の下で 名乗り合う
     (さみだれや たいじゅのしたで なのりあう)

鉢馬酔木 父祖伝来の 枝伸ばし
     (はちあしび ふそでんらいの えだのばし)

薫風や 車椅子押す 人に吹く
     (くんぷうや くるまいすおす ひとにふく)

矢車草 透明な青を 今朝見たり
     (やぐるまそう とうめいなあおを けさみたり)

草餅や 香り強くと 企みぬ
     (くさもちや かおりつよくと たくらみぬ)

藤の花 蜂入りしまま 迷路かな
     (ふじのはな はちいりしまま めいろかな)

おさえめに 八十八夜の くしゃみかな
     (おさえめに はちじゅうはちやの くしゃみかな)

手に下げた 早生の新玉 家路かな
     (てにさげた わせのしんたま いえじかな)

苗を積む 妻のやる気は ほとばしり
     (なえをつむ つまのやるきは ほとばしり)

夕まぐれ クレマチス白き 雨後の舞い
     (ゆうまぐれ くれまちすしろき うごのまい)

オダマキや 一日揺れて なお勁き
     (おだまきや いちにちゆれて なおつよき)

花おぼろ 十三参りの 虚空蔵
     (はなおぼろ じゅうさんまいりの こくうぞう)

春風や つましきも快 然りかな
     (しゅんぷうや つましきもかい しかりかな)
半呆けが いいという人 さくら餅
     (はんぼけが いいというひと さくらもち)

山笑う 晩学という 言葉知る
     (やまわらう ばんがくという ことばしる)

いにしえの 砦を埋める 黄花かな
     (いにしえの とりでをうめる きばなかな)

鉢馬酔木 花ほころべば 父来たり
     (はちあしび はなほころべば ちちきたり)

師が描ける 埴輪の背には 黄花咲き
     (しがかける はにわのせには きばなさき)

磯笛の 幻追いて 安房の海
     (いそぶえの まぼろしおいて あわのうみ)

春彼岸 妻畑から 墓参り
     (はるひがん つまはたけから はかまいり)

花ニラや 楚々として庭を 席巻す
     (はなにらや そそとしてにわを せっけんす)

終活の メモ先送りす 春霞
     (しゅうかつの めもさきおくりす はるがすみ)

第六感 老女は春に 冴え返り
     (だいろくかん ろうじょははるに さえかえり)

春めくや 耳に残れる かんこかな
     (はるめくや みみにのこれる かんこかな)

三角の 一角昏し 冬の星
     (さんかくの いっかくくらし ふゆのほし)

かげろひや 申告すべき なにもなし
     (かげろいや しんこくすべき なにもなし)

年一度 脳見る検査 余寒かな
     (ねんいちど のうみるけんさ よざむかな)

光あり 厚着を悔いて 西行忌
     (ひかりあり あつぎをくいて さいぎょうき)

七十五歳 AIとしゃべる 春の朝
     (ななじゅうご えいあいとしゃべる はるのあさ)

一の午 祖母の手をとり 雪の上
     (いちのうま そぼのてをとり ゆきのうえ)

夫婦して 門口に立つ 赤マフラー
     (ふうふして かどぐちにたつ あかまふらー)

師はこぼす 身内の哀しさ 冬薔薇
     (しはこぼす みうちのかなしさ ふゆそうび)

冬おじや コゲせがむ子の 微熱かな
     (ふゆおじや こげせがむこの びねつかな)

手作りの 木椅子冷たき 寒の朝
     (てづくりの きいすつめたき かんのあさ)

寒の日や 正月ごとの 辞世の句
     (かんのひや しょうがつごとの じせいのく)

角々に デイのお迎え 初時雨
     (かどかどに でいのおむかえ はつしぐれ)

新年会 口真似上手な 母がいて
     (しんねんかい くちまねじょうずな ははがいて)

シクラメン 一人住まいが タオル干し
     (しくらめん ひとりずまいが たおるほし)





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