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ダクタク句集2023年(令和5年)下期 自選集 [自選集2023]

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2023年9月分コピー済 未選定

9/28thu
待宵や縦が良く合うお城かな
  (まつよいやたてがよくあうおしろかな)
   ※涼しくなったのも束の間、じりっじりっと
    気温が上がり今日はそのピーク。実は東京
    での会合を直前で延期した。賢かった。

9/24sun
喜捨の鐘二度目が寺の秋にしむ
  (きしゃのかねにどめがてらのあきにしむ)

僧招く胎蔵界に寺の秋
  (そうまねくたいぞうかいにてらのあき)
   ※こうも変わるものか? 昨日今日の最高気
    温は少し前までの最低気温にも及ばない。

9/22fri
風水のおとなしき地に秋めぐり
  (ふうすいのおとなしきちにあきめぐり)

曼殊沙華時期を違えず異夏消ゆ
  (まんじゅしゃげじきをたがえずいなつきゆ)
   ※どうやら異常な夏の終わりが近づいている。
    この地も暑さはひどく、色んな影響を被っ
    たが、風水害の被害は今のところ皆無に近
    い。28年になるこの地、有難いと思う。

9/18mon
モーツァルト秋はロンドか今日涼し
  (もーつぁるとあきはろんどかきょうすずし)
   ※各地の最高気温は相変わらず夕方のニュー
    ス種になっている。しかし今夕の涼しさは
    どうだ。湿度が低かったのだろうけれど、
    格段に秋を感じる気配だ。ただありがたや
    という気分。今日敬老の日。

9/17sun
本を繰る腕の涼しさ秋の朝
  (ほんをくるうでのすずしさあきのあさ)
   ※異常な高温の継続に、朝寝床での読書が快
    適になることを願っていた。一日やや涼し
    い日があり、しかしすぐ戻る。

9/15fri
石段に水つつしみて風の盆
  (いしだんにみずつつしみてかぜのぼん)

風の盆地方の声の手練れかな
  (かぜのぼんじかたのこえのてだれかな)

風の盆今年地方に聞きほれて
  (かぜのぼんことしじかたにききほれて)
   ※風の盆の季節、今年もテレビで見物した。
    4Kの充実した番組を満喫できた。とはいえ、
    どこの会場だったか? 上の街と下の街を
    繋ぐ長い石段があって、そこが格好の見物
    場所となり、下の広場がおわらの会場にな
    っていた。羨ましいと思った。
    男踊り、女踊り、いつも結構。比較的新し
    いという男女混合の振りも良かった。あそ
    こで見たいものだと思った。トイレが難し
    いかな、とも思った。

9/11mon
盆地秋記録的なる雨吸いて
  (ぼんちあききろくてきなるあめすいて)
   ※会津若松もかなりの雨にたたられた。この
    夏で言えば高温の記録も。新潟県の各地と
    同様、全国版のニュースにも現れた。

9/10sun
参道に婆の店あり風の秋
  (さんどうにばばのみせありかぜのあき)
   ※外房鴨川市の海岸国道から少し山に入った
    ところに清澄寺がある。日蓮が修行した古
    刹で、古くからの道場寺だった。日蓮が大
    成した後は聖地扱いの古寺となった。
    何十年も前独身時代、ドライブで近くまで
    行くと必ずここに寄った。参道にあったお
    ばさんの土産物店で世間話をするためだ。
    今もあるかな?と錯覚した。

9/8fri
北向きの銀行そそと颱風過
  (きたむきのぎんこうそそとたいふうか)
   ※市内に或る銀行の古手の支店がある。小さ
    な構えだが壁柱の石造りは古風で立派なも
    のだ。軽さと歯抜けが目立つ通りでは静か
    に評判を呼んできたが、もう取り壊される
    かも? 

9/7thu
草刈りて刈りて終わりし良夜かな
  (くさかりてかりておわりしりょうやかな)

この涼をひたすら待てり良夜かな
  (このりょうをひたすらまてりりょうやかな)

9/6wed
すんなりと起き上がってぞ今朝の秋
  (すんなりとおきあがってぞけさのあき)
   ※今朝早くから小雨が降って気温が下がった。
    起床時の「起動」も実に滑らかにいった。
    横になっていて、起き上がりざまの足腰の
    動きが多少重くなって久しい。最近はゆっ
    くり丁寧にやるようにしている。

9/5tue
集会所秋のバリウム列をなし
  (しゅうかいじょあきのばりうむれつをなし)
   ※胃ガンの検査、今年は市の中心近くの施設
    に赴いてではなく、各地区を廻る検診バス
    の世話になった。近いのはいいが、小さな
    列には見知った顔も。いいような悪いよう
    な・・・。素朴に健康。

9/4mon
ロレンスの沙漠の疾駆秋の色
  (ろれんすのさばくのしっくあきのいろ)
   ※何回目か、この映画をまた見た。今回は家
    のテレビで。今回が一番いい心持と素直に
    見ようという意思を持って。
    だから今回が一番いい感想だ。いや、やっ
    ぱり初めての時かな? いい勝負。感想の
    中身がちょっと違うかな。

9/2sat
子のマスク陽性となる夏の暮れ
  (このますくようせいとなるなつのくれ)
   ※コロナ感染者が相当増えているという。周辺
    でも陽性者が出て母親がびっくり、というの
    があった。これはきっと良いことなのだろう
    が、病院も患者側もさばさばとしていたと聞
    いた。

9/1fri
震災忌この地の震度六を知る
  (しんさいきこのちのしんどろくをしる)
   ※さしもの猛暑も地軸の傾きには抗しきれない。
    気温は下がらないが、朝夕の日影の広がりが
    日一日と変化している。
    首都直下大震災、対岸の火事にはならない。
    房総半島の共振範囲は微妙だが、この地の被
    災は免れないようだ。



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8/31thu
緑陰の影濃しすでに客があり
  (りょくいんのかげこしすでにきゃくがあり)

八月尽危険な暑さをかみしめる
  (はちがつじんきけんなあつさをかみしめる)
   ※これだけの暑さは異常という、歴史的とも
    いう、これからは何度も、とも。かみしめ
    ておくにしくはない。

8/29tue
旱天や実のなる木だけ水をやる
  (かんてんやみのなるきだけみずをやる)
   ※庭の果樹に関する限り、この暑い夏、日照
    りに恨みはない。もも、プラム、ぶどうと
    この間に収穫した果樹は皆例年よりかなり
    成績が良い。
    残るは柿と温州みかん、大切なこの時期実
    のつきは悪くない。素人の遊びの域を出な
    いが、悪くない気分。

8/28tue
次々とポッケから栗あげるとぞ
  (つぎつぎとぽっけからくりあげるとぞ)

栗飯のすでに香りが電話口
  (くりめしのすでにかおりがでんわぐち)

8/27sun
上弦の月に邯鄲酔いしれて
  (じょうげんのつきにかんたんよいしれて)
   ※月末から来月にかけての気温の予報も平年
    より高いとある。意外と朝晩のしのぎやす
    さがやってきて、裏をかいてくるかも。

8/26sat
絵を見せてやがて名を訊く酷暑なり
  (えをみせてやがてなをきくこくしょなり)
   ※75歳を超えると3年に一回認知症機能検査
    を受けさせられる。今日は何曜日?とかの
    試験と16枚の絵の名前を憶えているかどう
    か? 必要性は理解できるが、その代わり
    何千円でいいから金を払え! この無礼者!
    (逆に8000円ほど払わせられる)

8/25fri
一文字も書かず読まずに青芭蕉
  (ひともじもかかずよまずにあおばしょう)
   ※暑さの余り、3ヵ月前に訪れた漱石記念館
    を思い出した。こんな日も意外と風が通る
    涼しい家だったのかも知れない。とはいえ
    酷暑の日だったら、なんにもしないで終日
    ベランダから青芭蕉を眺めていたかも。

8/24thu
免許再た手続きしたる晩夏かな
  (めんきょまたてつづきしたるばんかかな)
   ※免許の更新は認知症試験を伴う。試験の内
    容、合否のラインには全く問題ないが、愉
    快なことではない。
    それに季節、晩夏であって欲しい。

8/23wed
洗い鯉好みし亡父の歳越えて
  (あらいごいこのみしちちのとしこえて)
   ※鯉の洗いは今の身の回りでは殆ど目にしな
    い。暑い中では、酢味噌でいただく懐かし
    い味だ。調べたら千葉県内でいくつか食す
    る場所があった。印旛沼周辺、養老渓谷と
    か。少し北の山間の味ではないみたい。

8/21mon
SLの汽笛サービス蝉時雨
  (えすえるのきてきさーびすせみしぐれ)
   ※甲子園の準決2試合を見る。
    ついでにYouTubeで磐越西線を走る観光列
    車の「雄姿」を久しぶりに見た。未だに元
    気だ。(当たり前、アップされたのは10
    年ほど前だ)

8/20sun
盆明けて深夜に重きカバン押す
  (ぼんあけてしんやにおもきかばんおす)
   ※海外からの帰国者がピークと聞いたが、リ
    ムジンバスの通りでもあるまいし、まして
    深夜だ。すごい音だ。
    ハハーン、旅行をしたカップルが喧嘩をし
    て家近くの道路で放り投げられた、ナ?
    きっとそうに違いない。

8/19sat
夏の果て雲の形を調べ居ぬ
  (なつのはてくものかたちをしらべいぬ)
   ※ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ秋の雲
    らしいのが現れた。が、秋の雲ではない。
    似て非なるものだ。関東南部の当地では空
    に雲が広がると、それで多少涼しく感じる。
    秋を感じる。これは末期的感覚!

8/18fri
朝涼し小鳥に吾にパンの耳
  (あさすずしことりにわれにぱんのみみ)

盆明けの会議紛糾夕まぐれ
  (ぼんあけのかいぎふんきゅうゆうまぐれ)
   ※会議の構成は半数以上がシニアなのに、意見
    が二つに割れて、それを訳ありと勘繰った一
    部が同意見の者を糾合して変に硬化してしま
    った。結果的な分断の状態ではある。
    まあ今日は甲子園が休みだからいいようなも
    のの・・・。

8/16wed
温湯なり夏のしまい湯動かざる
  (ぬるゆなりなつのしまいゆうごかざる)
   ※台風7号は報道のわりにすんなり近畿を通過
    してしまうのかと思いきや、方々に深刻な爪
    痕を残しつつある。殊に鳥取の各河川はひど
    い状況らしい、湯につかりながらラジオを聴
    いている。

8/15tue
主人なす大提灯の盆支度
  (あるじなすおおちょうちんのぼんじたく)
   ※故郷の盆の風物詩は商家の店先や元武家の
    民家の門口に吊るした家紋を入れた大提灯
    だ。全国共通の迎え火の光景は殆ど目にし
    なかった。京都と西日本の城下町の中に同
    じ盆の風習があるといわれる。

8/14mon
明けやすし咳き込む犬の名を呼べり
  (あけやすしせきこむいぬのなをよべり)

水羊羹伯母のいつもの持たせかな
  (みずようかんおばのいつものもたせかな)

8/13sun
糖尿値ラジオ体操だけでなく
  (とうにょうちらじおたいそうだけでなく)
   ※定期の診察でかかりつけ医から長らく観察
    を続けているHgA1cがやや危険側に向かい
    つつあるとの託宣を受けた。これは衝撃だ
    が想定の範囲内でもある。
    さて朝起床時からおこなっている体操、運
    動組み合わせの各種「割引」をやめようと
    思う。

8/11fri
夏の朝おしゃべり止めよとはいえず
  (なつのあさおしゃべりやめよはいえず)

気まぐれの昭和のタイマー風くれぬ
  (きまぐれのしょうわのたいまーかぜくれぬ)

8/10thu
蝉しぐれ友のポリープ皆消えて
  (せみしぐれとものぽりーぷみなきえて)

張りあふてあげてはもらい日々西瓜
  (はりおうてあげてはもらいひびすいか)
   ※ガソリン代のかかった西瓜、ドヤ顔で届け
    たら、帰りに西瓜を貰ってきた。これが甘
    い。すごい。

8/9wed
白服を着て半日は汗かかず
  (しろふくをきてはんにちはあせかかず)
   ※立派な服ではない、真白なTシャツに白い
    散歩用ズボンだ。今日長崎原爆忌、台風の
    影響が心配。

8/8tue
真空のパック新茶の香り立つ
  (しんくうのぱっくしんちゃのかおりたつ)
   ※新茶は初夏の季語。真空パックは四季の季
    語。有名な虚子の句
     「方丈に今とどきたる新茶かな」

8/7mon
心太もひとつ所望して盛夏
  (ところてんもひとつしょもうしてせいか)
   ※グテーレスが「地球は『沸騰期』に入った」
    と。

窓放ち毎夜の仕度熱帯夜
  (まどはなちまいよのしたくねったいや)

8/6sun
原爆忌同じ齢とつぶやけり
  (げんばくきおなじよわいとつぶやけり)

イヤホンで広島の鐘を聴きいたり
  (いやほんでひろしまのかねをききいたり)

広島のしじまを知りて原爆忌
  (ひろしまのしじまをしりてげんばくき)

静寂とは蝉の声なり原爆忌
  (しじまとはせみのこえなりげんばくき)

8/5sat
よれよれのTシャツ着たき大暑かな
  (よれよれのてぃしゃつきたきたいしょかな)

盛夏かな残せし長き映画見し
  (せいかかなのこせしながきえいがみし)
   ※酷暑と言われる夏も悪いことばかりではな
    い。見たい映画の在庫が大いに捌けた。し
    かも大して罪悪感なしに。

8/4fri
夏だ夏朝昨日よりもっと夏
  (なつだなつあさきのうよりもっとなつ)
   ※嫌われ者の猛暑だが、朝の澄んだギラギラ
    は夏のエネルギーそのもの。日々の散歩コ
    ースだが、今日も記憶に残る光景だ。

炎昼や妻マージャンにデイのごと
  (えんちゅうやつままーじゃんにでいのごと)

向日葵は見下ろしており件の絵
  (ひまわりはみおろしておりくだんのえ)

8/3thu
初ぶどう飴色となりぶら下がり
  (はつぶどうあめいろとなりぶらさがり)

戦やまず今年のトマト外れなし
  (いくさやまずことしのとまとはずれなし)

向日葵や沖縄は風六十五
  (ひまわりやおきなわはかぜろくじゅうご)

8/2wed
雷の来て一日の涼くれり
  (かみなりのきていちにちのりょうくれり)

プラム落ちて無事に道路を横切りぬ
  (ぷらむおちてぶじにどうろをよこぎりぬ)
   ※プラムの出来も今年は今までで最良。ぎり
    ぎり完熟まで待ってお裾分け。

8/1tue
過去になき気温上総の日照りかな
  (かこになききおんかずさのひでりかな)

喜雨はまずにおいとけむり畑道
  (きうはまずにおいとけむりはたけみち)
   ※8月に入ってやっと雨が降った。量は今の
    ところ僅か、大気の不安定さからくる雷雨
    だけだ。長い日照りの後の降り始めの独特
    の気配。


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7/31mon
胃を切りし人声高く油照り
  (いをきりしひとこえたかくあぶらでり)
   ※友人知人の中に胃ガンで手術をした人が数
    人いる。進行度にもよるのだろうが、最近
    の何人かの方が予後が元気だ。表向きだが、
    こちらが面食らうほどの声で充実の暮らし
    ぶりを伝えてくれる人も。

7/29sat
苗売りのリヤカーが行く夢一夜
  (なえうりのりやかーがいくゆめいちや)
   ※こう寝苦しい夜が続くと寝なくてはという
    強迫観念は薄くなる。どうにでもなれと。
    家々を廻る物売りのリヤカーなど、おぼろ
    になって数十年もスキップすれば・・・。

7/28fri
子を褒める気持ちや桃の実がとれて
  (こをほめるきもちやもものみがとれて)
   ※今季は枝の剪定と実欠きを今まで以上にや
    ったことが功を奏し、見事な形の桃が数多
    く採れた。お礼肥えをしっかりとやる。

7/27thu
悔やむことルーチンとなり夜光虫
  (くやむことるーちんとなりやこうちゅう)
   ※今更悔やんでも何にもならない、もうとっ
    くにわかっていることだけれど。
    ははん・・・またやっている。制御不能。

7/26wed
皇后のアガパンサスよ巨き愛
  (こうごうのあがぱんさすよおおきあい)
   ※7/24の誕生花はアガパンサスだった。花言
    葉は純粋な愛。当家のアガパンサスもすぐ
    隣家のそれも、背が高い。他所で見るより
    背が高い。何故か雅子皇后を思った。
    最近の笑顔は良い。花言葉もぴったり。

7/25tue
AIに画像使えと大暑かな
  (えーあいにがぞうつかえとたいしょかな)
   ※生成AIの開発をめぐっての議論が世界的規
    模でまっことかまびすしい。大きな懸念、
    論点の一つが著作権侵害にかかわる問題だ。
    LLCがどこからどの範囲でどう形をのこして
    情報を得るか? フフッ、高みの見物。

7/24mon
風鈴やつたなき句を短冊に
  (ふうりんやつたなきくをたんざくに)

オハグロの雨なき庭にとどまりて
  (おはぐろのあめなきにわにとどまりて)

7/23sun
文庫本持つ手細りて梅雨末期
  (ぶんこぼんもつてほそりてつゆまっき)
   ※朝晩はやや凌ぎやすい。特に朝早くは長袖
    の寝巻に替えてゆっくり読書が出来る。そ
    ういえば定期の検診でかかりつけ医から筋
    肉維持の大切さを説かれ、太腿の中頃を自
    分の両手で測ってみるように言われた。
    体重の減少は良くても、それが筋肉の減少
    によるものだったら問題ということらしい。

7/22sat
巴里祭終電車なる映画見し
  (ぱりーさいしゅうでんしゃなるえいがみし)
   ※フランス映画はいいなあ。監督フランソワ
    ・トリュフォーの描くカトリーヌ・ドヌー
    ブの円熟味だ。食傷気味のハリウッド映画
    の陰で・・・。

梅雨寒や明日は切らむ足の爪
  (つゆざむやあしたはきらんあしのつめ)

7/21fri
久闊や今日の炎暑を見舞い合う
  (きゅうかつやきょうのえんしょをみまいあう)

古い顔梅雨の晴れ間のともしらが
  (ふるいかおつゆのしらがのともしらが)
   ※「古い顔」という歌を、宴の最後に肩を組
    み輪になって歌う。前回から4年近く経っ
    ているから一同の老けはすごい。
    78~81歳だし当然のことだ。ホッとし
    ている。

7/20thu
夏帽子代々木駅から道険し
  (なつぼうしよよぎえきからみちけわし)

日盛りやゆるり集まる同期会
  (ひざかりやゆるりあつまるどうきかい)
   ※先日の東京猛暑日の昼日中、以前の勤務先
    の同期会に出席した。年齢を考慮しての正
    午開催なのだが、この日は裏目に。

7/19wed
門仲の居酒屋前に夏帽子
  (もんなかのいざかやまえになつぼうし)
   ※あの、有名な居酒屋は健在だろうか?午後
    5時少し前に店を開くのだが、その1時間
    前から行列が出来る。幸いアーケードの屋
    根で西日が当たることはない。しかし苦労
    して入店しても、カウンターの上に片方の
    肩を入れて立って飲むのだ。
    バカ安、バカ旨。

7/18tue
早起きの姐やにやさし白粉花
  (はやおきのねえやにやさしおしろいばな)

茄子の花日照りの下で父描けり
  (なすのはなひでりのしたでちちかけり)

7/16sun
噴火忌や観光バスの馬力増え
  (ふんかきやかんこうばすのばりきふえ)
   ※故郷の歳時記で磐梯山噴火忌を季語にした
    句を読んだ。明治21年7月15日、午前8時少
    し前とある。記憶にある最初の裏磐梯は急
    坂で息せき切ったバスに乗って到着した。
    毘沙門沼のエメラルド、他の五色沼の神秘、
    桧原湖の光り、5歳の子供にはこの世のも
    のとは思えなかった。噴火のお蔭とは!

7/13thu
年代の入りしウチワ古団扇
  (ねんだいのはいりしうちわふるうちわ)
   ※団扇を配ることがなくなってきているから
    古い団扇を大切にしている。比較的新しい
    もので年代が特定できるものがあり、昭和
    と分かってびっくり。35年以上も前。

7/12wed
家にいて四万六千日の夢
  (いえにいてしまんろくせんにちのゆめ)
   ※観音様の結縁日に参詣すると四万六千日分
    の功徳があるというコスパ抜群のお話。こ
    のことは知っていたのだが、これが鬼灯市
    の日取りと同じとは気づかなかった。田舎
    者だねえ。

7/10mon
息ひそめ西瓜の受粉日の始め
  (いきひそめすいかのじゅふんひのはじめ)
   ※不順な気候に人間世界はやり込められ続き
    だが、当地の作物は結構順調だという話を
    聞く。当家の畑作物、果樹もしかり、今の
    ところうまくいっている。

7/8sat
朝曇り入院せりと仔細なく
  (あさぐもりにゅういんせりとしさいなく)
   ※近くに住む親族が転倒して骨折3ヵ所。最
    悪上手く回復しなければ車椅子ということ
    も。しばらくは落ち着かない日々となりそ
    う。

7/6thu
夏帽子やっと小さくなりし顔
  (なつぼうしやっとちいさくなりしかお)
   ※雷雨と俄雨が続いたが、蒸し暑い晴れ間に
    戻った。頃は7月、梅雨明けは待たずに夏
    の道具を少しだけ。一番大きな麦わら帽子
    で、帽子の似合わぬ、でかい顔が・・・。

7/5wed
七月や九州の雨上がらざる
  (しちがつやきゅうしゅうのあめあがらざる)

上海の夏エアコンの止まらずと
  (しゃんはいのなつえあこんのとまらずと)

ウクライナ西日戦慄じりじりと
  (うくらいなにしびせんりつじりじりと)

7/4tue
真夜中の雷怖さ伝え得ず
  (まよなかのかみなりこわさつたええず)
   ※関東の急な強雨と雷の発生はずうっと北関
    東から埼玉付近までに限られていた。しか
    し遂に今朝ニ時までの一時間に最大級の雷
    に襲われた。雷鳴その音と数、激しさ、落
    雷点の近さと数、継続時間・・・そのどれ
    をとっても「怖さ」では史上No1だ。
    さすが雷銀座生まれの雷、半端でない。

雷鳴や有り金参ると息殺し
  (らいめいやありがねまいるといきころし)

暗闇に白爪草の稲光
  (くらやみにしろつめぐさのいなびかり)

7/3mon
七月の句帳綴りて青インク
  (しちがつのくちょうつづりてあおいんく)

バスで行くお田植祭や弾んだ日
  (ばすでいくおたうえさいやはずんだひ)
   ※稲作の一毛作化に遠因があるらしいが、他
    に農業機械化、苗栽培の分業化、農薬によ
    る栽培短縮、早期刈入れでの台風時期の回
    避、ざっとこんな理由で田植えはぐうーん
    と早くなった。故郷でのお田植祭はすべて
    7月に入ってからだ。

7/2sun
球拾ふ弟の蹴り半夏生
  (たまひろうおとうとのけりはんげしょう)

腕を噛み上目遣いの犬の梅雨
  (うでをかみうわめづかいのいぬのつゆ)

7/1sat
暑しとて人犬床に熱帯夜
  (あつしとてひといぬゆかにねったいや)

短夜や薬効うすき犬の咳
  (みじかよややっこううすきいぬのせき)
   ※とはいえ、一応医師の所見と処方は貰ってい
    るがあてにはならないので、様々な咳止め対
    策を試している。ハチミツを舐めさせ、蓮根
    汁が効くといって濾して飲ませたり、最近は
    もっと安直に大根の汁がいいとか・・・。
    結構効いている、かと思うと思い切り咳き込
    んで、短夜はたちまち過ぎていく。
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