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ダクタク句集2022年(令和4年)下期 自選集 [自選集2022]

12/31sat
行く年も走りおおせし鉄路あり 
  (ゆくとしもはしおおせしてつろあり)
さわし柿切れ干し柿を食らう暮れ
  (さわしがききれほしがきをくらうくれ)
暮れなれど二人ポカンと映画見る
  (くれなれどふたりぽかんとえいがみる)
歳晩に火鉢を出して非日常 
  (さいばんにひばちをだしてひにちじょう)
愚痴を言う大晦日にも三つだけ 
  (ぐちをいうおおみそかせにもみっつだけ)
   ※年内の仕事は最低限にして昨日までに終わっ
    た。今日は心身ともに予備日? これが大正
    解。それで句の方をちょっと棚卸し。暮れの
    句を掃除し残った句を羅列する。
    映画は「恋におちたシェイクスピア」、なぜ
    かちゃんと通しでは見なかったヤツ。

12/30fri
煤払い終え扇橋の千代女かな 
  (すすはらいおえせんきょうのちよじょかな)
   ※先代入船亭扇橋の得意演目ではなかったよう
    だが、古いテープで「加賀の千代女」を聴き、
    いっぺんで好きになった。今その動画はアッ
    プされていないようだ。
    千代女の有名な句に「あさがおやつるべとら
    れてもらひみず」がある。扇橋は落語界一の
    俳句好きだった。

黒豆の出来は如何と長電話 
  (くろまめのできはいかんとながでんわ)

12/29thu
耕筰忌 からたちの花の 今やっと 
  (こうさくき からたちのはなの いまやっと)
   ※明治以降の日本の歌には、メロディの繰り返
    しで1番2番ではなくて全曲流れるように一
    つのメロディによるものが多い。
    城ヶ島の雨(梁田貞)初恋(越谷達之助)小
    諸なる古城のほとり(弘田龍太郎)などなど。
    へたくそな私が歌えるようになるまで大いに
    時間を要したが、その分味わい深い。当時は
    一種の流行だったのかも。

12/28wed
海鼠腸を 食う人を見て 喜寿迎ふ 
  (このわたを くうひとをみて きじゅむこう)

喜寿の席 トンカツ食いて 見つめらる
  (きじゅのせき とんかつくいて みつめらる)

生きるのみ 雨のあがりて 喜寿の冬
  (いきるのみ あめのあがりて きじゅのふゆ)
   ※満77歳の誕生日を迎えた。祝いの宴で一席、
    羞恥心を抑えて喜寿の3句。

12/27tue
極月や 火の用心の 江戸言葉 
  (ごくげつや ひのようじんの えどことば)
   ※年末は毎日夕方に「火の用心」の見回りをし
    ている。最近はうるさいとかやめろとか一部
    住民が反発する所があったらしい。なんとア
    ホがいることか。
    拍子木の音のあとに、「火の用心さっしゃり
    ましょう」と粋な呼びかけをする人がいる。
    ハハーンあの人だな。

12/26mon
歳末に 展望しえぬ 世事多く 
  (さいまつに てんぼうしえぬ せじおおく)
   ※メディアは一斉に年末モード。一年を振り返
    り、翌一年をばっさりと展望する、・・・の
    だが。展望と言える内容は少ない。

12/25sun
車椅子 押すは孫の子 クリスマス
  (くるまいす おすはまごのこ くりすます)

手袋やクルマ待つ間の毛玉とり
  (てぶくろやくるままつまのけだまとり)
   ※クリスマス光景点描。平和だ。

12/24sat
窓越しにダンス練習見る聖夜
  (まどごしにだんすれんしゅうみるせいや)
   ※クリスマスめいたものは身辺にも近所にもな
    いと思っていたが、そうでもない。
    近くに越して来た中国人の中年独身男性がど
    ういうわけか家にイルミネーションを飾って
    いる。へえ・・と驚いて眺める。公民館のホ
    ールでは練習か本番か・・・。優雅だ。

12/23fri
冬嵐 アクア通いの 医師休診
  (ふゆあらし あくあがよいの いしきゅうしん)

名を聞きぬ 顔はメールで 冬の孫
  (なをききぬ かおはめーるで ふゆのまご)
   ※安全を考えるときりがない。まして冬に生ま
    れた初孫だ。

12/22thu
新聞を 素早く読みて 冬至かな
  (しんぶんを すばやくよみて とうじかな)

さわし柿切れ干し柿を食らう暮れ
  (さわしがききれほしがきをくらうくれ)
   ※12月はバタバタと忙しいとか、あっという
    間だとかの声を聞く気はない。こう寒いので
    は暖かい屋内でじっとしているにしくはない。
    今日は冬至ではないか。

12/20tue
木枯らしや不意なる喉の内視鏡
  (こがらしやふいなるのどのないしきょう)
   ※親しい友が甲状腺ガンで死んでから2年にな
    る。こちとらも甲状腺ホルモン某の持病があ
    る上に最近とみに喉元のところでミニトラブ
    ルが起こる。美声もかすれることが多い。
    呼吸器科に行って訴えた。心配を取り除いて
    と。そしていきなりの内視鏡だ。結論は、
    「きれいです。なんにもありません。あって
    も年齢相応の嚥下トラブルでしょう」と。

12/19mon
サッカーは 冬の季語なり メッシ勝つ
  (さっかーは ふゆのきごなり めっしかつ)
   ※アルゼンチン、PK戦の末に優勝。冬の季語で
    ある所以はシーズン設定にあるだろうと想像で
    きるが、この熱戦にはふさわしくない。手に汗
    握る2時間だった。

12/18sun
年賀状仕舞いを告げて月下弦
  (ねんがじょうしまいをつげてつきかげん)
   ※年賀状仕舞いとした。迷った。ここでも下りの
    明確な階段を降りることになるのだぞ、と言い
    聞かせる。

12/17sat
農道の一角カフェとなりて冬
  (のうどうのいっかくかふぇとなりてふゆ)
   ※行ってみると洒落た料理をこざっぱりと提供
    する、地元にはない店だ。この手の店が方々
    に現れ、センスを感じながらも、音もなく
    消えていく。お客は地方都市の若い女房連、
    30km圏内、単価1500円で基本的にはゼロサム
    ゲームである。逞しい例外もあるけれど。

12/16fri
木賃といふアパートの煤払い
  (もくちんというあぱーとのすすはらい)
   ※周辺の他の物件に較べ、50年以上前に建て
    られたもの。居住者がいっしょに大掃除して
    いた。今どき貴重な光景。黒光りしている?

12/13tue
出勤は 冬夕焼け見て 深夜番
  (しゅっきんは ふゆゆやけみて しんやばん)

人参のとれてシチュウに大切りに
  (にんじんのとれてしちゅうにおおぎりに)

12/11sun
着ぶくれて 週末頼みの 吊り革に
  (きぶくれて しゅうまつだのみの つりかわに)
   ※久々に「週末頼みの通勤」の感覚を思い出し
    た。ところがちっとも苦ではない。

12/10sat
湯気の音 剃刀の音 昼下がり
  (ゆげのおと かみそりのおと ひるさがり)
   ※馴染みの床屋の主人がなくなり、そのまま閉
    店。ずっと近くの格安店に行った。料金はほ
    ぼ半分、時間は1/3、「どうしましょう」以
    外無言、悪くない。

12/9fri
十二月 火星いざよふ 月を待つ
  (じゅうにがつ かせいいざよう つきをまつ)
   ※18時前の散歩のときに十六夜の月が山の端
    を離れた。行く先には火星が待っている。見
    事な月だが、なかなか火星に追いつけない。
    さて、このレース、今夜はどうなるか?

12/8thu
滑子汁 ふうふうする間の 香りかな
  (なめこじる ふうふうするまの かおりかな)
   ※寒さはなかなか戻らないなと嘆いている間に、
    これが平年並みとなってしまう。とにかく暖
    かい部屋、熱いものが欲しい。

12/7wed
神無月 四万人を 呼ぶ娘
  (かんなづき よんまんにんを よぶむすめ)
   ※先月初旬あいみょんがワンマン・ライヴで甲
    子園球場を札止めにした!! よく知らない
    歌手、二三度聴いたことはある。とても信じ
    られないペンライトの波また波。

12/6tue
モーツァルト忌 朝一番で ジュピターを
 (もーつぁるとき あさいちばんで じゅぴたーを)
   ※季語にモーツァルト忌というのがあると知っ
    た。やや異様な感じがするが、せっかくだから
    交響曲第41番で記念日(の一日遅れ)を刻む
    ことにした。

12/5mon
戦ありて 落ち葉の上に 松落葉
  (いくさありて おちばのうえに まつおちば)
   ※公民館、集会所の大掃除。こういうのをしっか
    りやるのが、シニアの役目だと少しは認識して
    出かける。それにしても外の作業は今日あたり
    かなり酷だ。彼の地では、寒さの酷さを知る者
    が寒さ攻めにしている。

12/3sat
初炬燵 文庫本にて 漱石を
  (はつごたつ ぶんこぼんにて そうせきを)
   ※昨日今日一段と冷え込む。リビングにコタツと
    いうのは今まで避けてきたが、もうこの歳、そ
    んなことは言っていられない。

12/2fri
大どれの大根 店を攻略す
  (おおどれのだいこん みせをこうりゃくす)

新聞は 瑣事のみ多く 日向ぼこ
  (しんぶんは さじのみおおく ひなたぼこ)
   ※ネットを初め情報過多の今日では新聞の位置も
    難しい。ヘッドラインはとっくに知られている
    し、深掘りするにしても対象の選択は読者によ
    ってことなる。全方位型になると、瑣事の羅列
    となりかねない。購読料を払っているので目を
    通さざるを得ない。半ばいやいやだ。家内はチ
    ラシ以外殆ど読まない、はっきりしている。こ
    れがうらやましい。

12/1thu
干し柿の 遅れて吊るす 十余り
  (ほしがきの おくれてつるす とおあまり)
   ※日々の瑣事のみで静かにしていると12月の到
    来に感慨はない。しかしこの日長いこと途切れ
    ていた友人とのメール交換が出来て、これから
    年末の幸いなる予感がする。


          **********


11/30wed
小春日の港に人のいぬ無残
  (こはるびのみなとにひとのいぬむざん)
   ※カップル観光客の聖地になりかけた木更津港
    をまたぐ中の島大橋も人っ子ひとりいない。
    海と港を見渡す昔日の静けさと言えないこと
    もないが、今度は船が断然少ない。

11/28mon
朝刊の 読めぬ昏さや 時雨雲
  (ちょうかんの よめぬくらさや しぐれぐも)
   ※いやでも冬の到来を感じた朝。真っ黒な雲が
    空を覆い続けた。寒さもひとしお。
    そうだ、コタツを作ろう。

11/27sun
冬めく日 自宅待機とやらでいる
  (ふゆめくひ じたくたいきとやらでいる)
   ※ゼロコロナ目標ではないから、濃厚接触者の
    更なる探索はしていない。しかしそれに準じ
    た注意喚起はある。その筋から「自宅観察・
    外出自粛」の要請があった。感染ルートは仄
    めかす程度で、最後に「通常の日常対策で十
    分です」とも。それなら言って来るな、と思
    ったが。

11/26sat
曲りても 玉葱の苗 植え終わる
  (まがりても たまねぎのなえ うえおわる)
   ※早生の苗を植えたところで雑事が増えたため
    一休み。今回で予定した苗は全部植え終わっ
    た。鉛筆の木軸ほどの太さの葉鞘が望ましい
    というが苗の調達段階でそれは挫折する。そ
    んな立派な苗ではない。黒マルチは使わない。

11/25fri
ワクチンの五回目 初冬の静寂
  (わくちんのごかいめ しょとうのせいじゃく)
   ※集団接種会場で粛々と済ませた。慣れて哀し。

11/23wed
冬の日や事故せし妻の帰宅かな
  (ふゆのひやじこせしつまのきたくかな)

事故調書自署なめらかに石蕗の花
  (じこちょうしょじしょなめらかにつわのはな)

冬夕焼け惑い長きに見ずに果て
  (ふゆゆやけまどいながきにみずにはて)

11/22tue
剪定の音続きたり冬支度
  (せんていのおとつづきたりふゆじたく)

バサと落ち研ぎ手の腕を暮れに聞く
  (ばさとおちとぎてのうでをくれにきく)
   ※11月恒例の垣根の刈り込みだが、近年は次
    第に億劫になりつつある。着手せずに、今日
    は刃物の研ぎ日とか勝手に決めて一日延ばし
    にする。

11/21mon
テレビ電話互いに冬の身づくろい
  (てれびでんわたがいにふゆのみづくろい)

三の酉あり火の用心と時候言い
  (さんのとりありひのようじんとじこういい)

11/19sat
保母開ける窓少しだけ冬はじめ
  (ほぼあけるまどすこしだけふゆはじめ)
   ※コロナ渦で換気は怠れない、しかい今朝の風
    はつめたい。この前までのゆったり換気があ
    っという間に冬の光景に。

11/18fri
雨音は幻聴 小春の日の朝
  (あまおとはげんちょう こはるのひのあさ)

犬こばむ 晩秋日々の同じ道
  (いぬこばむ ばんしゅうひびのおなじみち)
   ※5回目のワクチンを打ってきた。集団接種会
    場では打つ人も迎えるスタッフも粛々と仕事
    をこなしている印象。結構な形の雲が面白お
    かしく晩秋の空を飾っているのに、ワクチン
    接種にかくも馴れ切ってしまうとは・・・。

11/17thu
顎引いて 若く撮れると 秋の宿
  (あごひいて わかくとれると あきのやど)
   ※小人数で近場の温泉郷に。家族外の同伴者と
    の宿泊は何年ぶりか? もちろん恐る恐るの
    出立だったが、ホテルに着いて湯に入って酒
    が入れば・・・もう心配は雲散霧消。これが
    いけない。

11/16wed
月島の 路地に山芋 並べあり
  (つきしまの ろじにやまいも ならべあり)

病葉や 柿のヘタ虫 駆除を聞く
  (わくらばや かきのへたむし くじょをきく)

11/15tue
秋フェスタ 膝をさすりて 餅の列
  (あきふぇすた ひざをさすりて もちのれつ)
   ※農協の収穫祭と言えどもフェスタと称する。
    一番人気はつきたての餅の販売だ。列のすぐ
    そばで絶えずついてこねて・・・。

11/14mon
孫自慢 歴史好きだと 葛の花
  (まごじまん れきしずきだと くずのはな)
   ※シニア同士の話題は、結局は子と孫と病気の
    自慢に落ち着く。幸いコロナ禍のせいで、聞
    く被害からは遠ざかっていたが、ぼちぼち再
    開の気配だ。

11/12sat
お十夜といふを知りてぞ喜寿の坂
  (おじゅうやというをしりてぞきじゅのさか)
   ※もうひと月余りで満で喜寿の歳を迎える。関
    西で主に浄土宗の仏事として十夜法要という
    のがある。「現世で十日十夜善いことをすれ
    ば・・・」という、これからでも間に合う、
    ドロナワOKの教えらしい。すがりたい気持
    ち?あります。

11/10thu
喜寿の日に 会社退けりと 星月夜
  (きじゅのひに かいしゃひけりと ほしづきよ)
   ※会社生活を終える感慨はその長さによるので
    はなかろうが、恵まれてかつ望まれて勤務を
    続けられたことは幸せなことだと思う。お疲
    れさま。

11/9wed
橡餅を 目指し竈に 火をくべぬ
  (とちもちを めざしかまどに ひをくべぬ)

子が可愛 鴉が泣きて 秋澄めり
  (こがかわい からすがなきて あきすめり)

蚯蚓鳴き 酒も喉越し 緩やかに
  (みみずなき さけものどご しゆるやかに)
   ※絵画教室の例会で先生が来ない。一番熱心な
    のに。何度電話をしたのに出ない・・・。も
    しかして? 彼女は80歳台中盤、一人暮ら
    し。終わるころ、ひょっこり顔を見せた。
    スマホ持たずに出先で一時間以上も立ち話と
    か。帰宅して着信の多さにびっくり。

11/6sun
秋の空 数合わせ気味の 守備位置に
  (あきのそら かずあわせぎみの しゅびいちに)

フェスなるも 法被が主役 いわし雲
  (ふぇすなるもはっぴがしゅやくいわしぐも)
   ※地域の蘇生と祭りのリベンジなど思惑が交錯
    しても、お天気には恵まれた。若手のエンジ
    ンに少しでも火がつくか?

11/5sat
ナレーターの 声ゆったりと 古都の秋
  (なれーたーの こえゆったりと ことのあき)
   ※養老孟司の愛読者、ファンではないが、彼と
    鎌倉を描いたBSシリーズ番組は好きだ。鎌倉
    への対し方、愛し方は大好きだし、それ以上
    に断然妬ましい。

11/4fri
ミサイルと 地震頻りに 夜長とて
  (みさいると じしんしきりに よながとて)

合唱の 女史再デビュー 雁渡る
  (がっしょうの じょしさいでびゅー かりわたる)
   ※地域の活発な女性陣、鳴りを潜めていたが、
    この週の各種催しから息を吹き返した感があ
    る。その昔のお局さんも加わる。

11/3thu
死ぬまでの 替え芯ありて 文化の日
  (しぬまでの かえしんありて ぶんかのひ)
   ※シャープペンシル用に替芯0.5mm,2Bを取り
    寄せた。普通の店にはないから少し多めに3
    ケースを買った。それ以来ではないが、次第
    に字を書くことは少なくなった。書く機会が
    減ったのと、PC,スマホのせいだ。
    一生懸命毎日書くようにしているが・・・。

国宝を みな見せるとぞ 文化の日
  (こくほうを みなみせると ぞぶんかのひ)

11/2wed
城下秋 旧町名を 音に読む
  (じょうかあき きゅうちょうめいを おとによむ)
   ※全国の城下町共通の、それらしい町名にはど
    うも馴染めない。大手町、馬場町、鍛治町、
    本町、寺町等々。せっかくのユニークな町名
    があったのに。ちなみに生まれた町の名は融
    通寺町。近くに桂林寺町。

11/1tue
畳織る 今年のイグサの 香りかな
  (たたみおる ことしのいぐさの かおりかな)
   ※7月までに収穫するイグサは油の処理、形状
    不良の厳しいリジェクトなどを経て、秋に
    「織り」が本格化し畳表となる。


          **********


10/31mon
友の待つ 広き階段 見上げ秋
  (とものまつ ひろきかいだん みあげあき)
   ※立派な階段、踊りがあって、また階段が。彼
    はどうやって登ったのかな? そう、エレベ
    ーターがあるのでは? ・・・もう遅い。

お隣の シュウメイギクの 揃い踏み
  (おとなりの しゅうめいぎくの そろいぶみ)

10/30sun
秋の夜のライン顔見し黙しおり
  (あきのよのらいんかおみしもくしおり)
   ※ラインが開通して初めて友人と顔を見ながら
    の会話を始めた時、相手がふっと押し黙った
    時があったならよーく考えた方が良い。相手
    は対面会話に感激したのではなく、こちらの
    顔の想像以上の老け込みに唖然として息を吞
    んだのだ。毎日見ている顔では気づかない老
    けの大きな溝がある。きっと。

10/29sat
杜鵑草 思い出しつつ つい疎遠
  (ほととぎす おもいだしつつ ついそえん)
   ※こんな時だからこそ親しい友人とはせめて連
    絡を保ちたい。遠隔での連絡手段が一般的に
    なっているとはいえ、ついその一歩が出ない
    ことも。

10/28fri
文化祭 準備を仕切る 嗄れ声
  (ぶんかさい じゅんびをしきる しゃがれごえ)

白マスク白髪が秋の草むしり
  (しろますくしらががあきのくさむしり)
   ※いくらなんでも俺は公民館の世話にはならな
    い、とイッパシの口をたたいていた男が、ど
    っぷりとは言わないまでも文化祭などの活動
    に参加している。アアとため息も出るが、同
    じ年代の人たちが手練れのエースである。

10/26wed
介護する 合間の絵筆 いわし雲
  (かいごする あいまのえふで いわしぐも)
   ※絵仲間の女性は80歳で介護の仕事をしてい
    る。絵教室も遅刻早退で忙しい。肝心の絵は
    あっさりしていて外連味がない。ごてごて塗
    りたくるコチトラは感心しきり。

10/25tue
公園に シニア週一 落葉掃き
  (こうえんに しにあしゅういち おちばはき)
   ※町内の道路、公園などの清掃はシニアの無償
    の労働に負っている。老人会、誘われたこと
    もない。とか言っているうちに10年近くだ。

10/24mon
イチジクの 絵にむらさきの 熟したり
  (いちじくの えにむらさきの じゅくしたり)
   ※当地の文化祭に仲間と水彩画を出展すること
    になった。いつもは間際に非才さを嘆くのだ
    が、今回は秋の野菜や果物をうまく描けた。
    それがどこであれ衆目に晒すというのは大変
    なことで、実はかなりホッとしている。

10/23sun
さつまいも 半分掘って 虫の里
  (さつまいも はんぶんほって むしのさと)
   ※関東南部は曇り日と雨天続きで日照時間が極
    端に少なかった。もう少しかな?と残してお
    いたサツマイモは意図せざる放置でどうなっ
    ていることやら。気をもんでいる。

10/22sat
教師褒め 親父酒出す 秋の夕
  (きょうしほめ おやじさけだす あきのゆう)
   ※この句は8/5の
    「ほろ酔いの 教師は黒く 大夕焼」
    と同じ思い出につながる。中学校の事務の先
    生が帰途に我が家に寄って、私の部活の充実
    ぶりを褒めていった。
    誰も覚えていないかもしれないが、テニスと
    タバコと酒が大好きな、しょうもない先生。
    俺は好きだったよ。

10/20thu
欅 自らなる形 秋に満つ
  (けやき みずからなるかたち あきにみつ)
   ※散歩ルートにある3本のケヤキ。紅葉、落葉
    前の今、一年の成長を全身で現わしているよ
    うに思われる。何の変哲もないケヤキなのだ
    が、一年の成績は5だなと思う。

10/19wed
秋冷えて 昨夜は風呂に 入りしかと
  (あきひえて さくやはふろに いりしかと)
   ※実はよくある話。もっと寒くなると毎晩風呂
    に入るが、多少肌寒くなっても風呂は二日に
    一度、もう一日はシャワーで済ます。済ます
    というより、のんびり・ゆったりかつ気軽な
    シャワーが好きだ。それで掲句のような疑問
    が湧き出る。ボケのせいではない証拠にかな
    り以前からのことなのだが。

10/18tue
児童向け 大きな字読む 良夜かな
  (じどうむけ おおきなじよむ りょうやかな)
   ※図書館にはシニア向けに大文字本が用意され
    ているが、その分がさばるので敬遠していた。
    この前借りてきた季語写真集は親切な内容で
    わかりやすく気に入っていたら、中高生向け
    の児童図書とあった。

10/17mon
柿の実や 製材所の お茶時間
  (かきのみや せいざいしょの おちゃじかん)
   ※当家の一本の柿の木は今年お休み。数少ない
    実が殆ど7月までで落果した。周期的な不作
    なのか、以前のようなヘタ虫の被害か、今の
    ところ不明。

10/16sun
リヤカーに 子と芋と鍋 芋煮行
  (りやかーに こといもとなべ いもにこう)
   ※町内の親しい母親仲間が集まり、日と持ち寄
    りを決め、一切合切を積み込んで、町中から
    郊外の広い河畔の湧水場まで歩いていく。小
    一時間ほどもある女集団のおしゃべり付きの
    移動だ。今なら目立って、鼻つまみにもなろ
    うが、当時はなんとも街の光景になじんでい
    た。行った先は天国、おしゃべりと芋煮。息
    抜きと骨休め。

10/15sat
垣を剪り 果樹には秋の お礼肥
  (かきをきり かじゅにはあきの おれいごえ)
   ※金木犀も大方花を落としたし、少ししたら一
    年分の丈を詰める。秋の作業の一つ。

10/14fri
涼気早や 寒気となりて 坂の家
  (りょうきはや かんきとなりて さかのいえ)
   ※挨拶は寒いですねに変わった。坂の中途から
    見下ろす夕方の光景は光を失って空も地も鈍
    色。

10/12wed
長身の 荷風が覗く 路地の秋
  (ちょうしんの かふうがのぞく ろじのあき)
   ※YouTubeの朗読で荷風の「日和下駄」「濹東
    綺譚」を聞く。朗読で扱われているものの中
    では長い方、後者は3時間余りだ。しかし、
    いずれも以前に読んでいるので、歩きながら
    でも気軽に聞ける。細部は聞き流しても、む
    しろ荷風文章の達者なリズムが味わえる。

10/10mon
竿売りの 音高らかに 刈田道
  (さおうりの おとたからかに かりたみち)
  ※その道は行き止まりだよと言ってあげたかった
   が、農道をまっすぐに行く。テープの音が両側
   の小高い丘に反射するようだ。ナビ圏外の小道。
   あの手の軽トラのセールスは多分地の人ではな
   い。大量に安く仕入れて、県を跨ってでもひた
   すらに売り歩くと聞いた。

10/9sun
栗名月 雲の間にこそ 香りあり
  (くりめいげつ くものまにこそ かおりあり)
  ※ここ数日の曇天に半ば諦めていた十三夜、厚か
   った雲が夕方にかけゆっくり薄くなり、格好の
   名月待ちとなった。

客なくて 金木犀の 盛りかな
  (きゃくなくて きんもくせいの さかりかな)

10/7fri
コスモスや 犬に拒まれ 花の道
  (こすもすや いぬにこばまれ はなのみち)
  ※異常な寒さに我が家の犬はより元気になる。や
   や夏バテ気味の頃散歩を短縮して来のこと、今
   日その道に拒否権を発動した。

10/6thu
鰯雲 静かがよろし スピーカー
  (いわしぐも しずかがよろし すぴーかー)
  ※市がつけている広報スピーカー。防犯上の注意
   喚起や気候情報がメイン。不審者、詐欺電話情
   報、大雨や強風注意、警報、行方不明者捜索な
   ど幅広い。この季節に多いのが有害鳥獣駆除実
   施のお知らせ。等々。
   良く聞こえないという人も多い中で、近い人々
   は音の大きさに頭を抱えている。いずれにして
   も静かがいい。使わないで済むような。

10/4tue
露草や林間一帯を領す
  (つゆくさやりんかんいったいをりょうす)
  ※この光景は昨年まではなかった。一年草と言わ
   れる露草が辺り一面をわがもの顔に青い花を散
   りばめている。

10/3mon
クラス会 秋集合は 動物園
  (くらすかい あきしゅうごうは どうぶつえん)
  ※ミニクラス会を3年ぶりにやろうということに。
   年末年始の危険、風邪とのダブルパンチ、第8
   波だってこわいが・・・。慎重派と決行派、間
   をとってなるべく速やかに、ということになっ
   た。動物園の後は谷中に降りて一散歩、店に急
   ぐことに。

10/2sun
牛乳で コーヒー飲む癖 今朝の秋
  (ぎゅうにゅうで こーひーのむくせ けさのあき)
   ※コーヒーファンを自認して小うるさいことを
    言っていたのも今は昔。一日に一杯とする必
    要があり、その貴重な一杯を朝食の牛乳にイ
    ンスタントコーヒーを入れたことが運の尽き。
    「おや、おいしいねえ」となった。

10/1sat
法要の 客と出会いぬ 風蝶草
  (ほうようの きゃくとであいぬ ふうちょうそう)
   ※喪服の3人と出会った。理容店主の四十九日
    とわかった。故人は8月の暑い盛りに逝った。
    残暑が厳しいといわれていたが、台風と大雨
    が列島を翻弄している間にすっかり例年並み
    の気温になった。涼しい天国に早く来過ぎた
    と思っているかもしれない。


          **********


9/30fri
秋西日 茶筅日向に 干されあり
  (あきにしび ちゃせんひなたに ほされあり)

四方から 今ぞ今ぞと 虫の闇
  (しほうから いまぞいまぞと むしのやみ)

9/29thu
野分去り 他家の毬栗 数えけり
  (のわきさり たけのいがぐり かぞえけり)

秋場所や 初老力士の 力こぶ
  (あきばしょや しょろうりきしの ちからこぶ)
  ※台風後の散歩、俳句作り、九月場所テレビ桟敷
   そして草むしりか、九月もすっかり年寄りの種
   目で終わりそう。

9/28wed
国葬の過ぎてボートは生き返り
  (こくそうのすぎてぼーとはいきかえり)
  ※総意とは何だろう? 総意とは言えないけれど、
   本来は総意となってすべきことを識り重視し、
   右顧左眄せず突き進んだ・・・安部元総理の業
   績だと思う。右っぽいとか言われそうだが。

9/27tue
さびしいね大変ねとぞ彼岸過ぎ
  (さびしいねたいへんねとぞひがんすぎ)
  ※友人は男一人住まいの後期高齢者。都心でもさ
   まざまに支援の手、声掛けがあるという。しか
   しこの手の言葉は慰めにもなんにもならない、
   と友人は苦笑。そこまで落ち込んでいない、と。
   彼は175センチを超える偉丈夫である。

9/25sun
今朝の秋 呉服店主の 紺の足袋
  (けさのあき ごふくてんしゅの こんのたび)
   ※後ろに土蔵の蔵屋敷を構えた呉服商店。商売
    は今や細々とらしい。足袋の裏は白い。

9/24sat
かすかなる 踏切の音 自在秋
  (かすかなる ふみきりのおと じざいあき)
   ※台風が近くを通過している深夜、強風の合間
    に近くの踏切の音が聞こえる。かすかだが。
    耳が良いせい? 年齢と鍛錬?のせいで好き
    な音を自由に呼び起こすことが出来るように
    なった。この時間にローカル線が走るわけが
    ない。

9/23fri
短めの 形見の杖で 彼岸まで
  (みじかめの かたみのつえで ひがんまで)

秋彼岸 風に戦の末予感
  (あきひがん かぜにいくさのすえよかん)
   ※戦争、内外国葬2題、インフレ・経済、災害
    ・・・落ち着かないこと限りないが、これも
    聞こえ過ぎ、情報化社会故の不幸かもしれな
    い。どこかで分水嶺を越えてすうーっと静か
    になることもある。それが秋分の日。

9/22thu
風の盆 男踊りは 空を切り
  (かぜのぼん おとこおどりは くうをきり)
   ※今月初めの富山八尾町、越中おわら節のお祭
    り「風の盆」。この旋律と踊り、何故こんな
    にも哀切極まるものが生まれて、かつ継がれ
    ているのか? みんなで踊るのと、保存会の
    踊りを静粛に大事にただ眺めるのが並行して
    あるからなのかな?

9/21wed
木彫師 師の師は光雲 いわし雲
  (もくちょうし しのしはこううん いわしぐも)
   ※内房の小さな街に住む木彫師は高名な名前を
    口にする。僅かに「知ってる?」という気分
    が漂う。例の野猿像どころか最近は彫りたい
    ものとは無縁であると残念がる。

9/19mon
子規忌なり 少し老けたと 言いにけり
  (しききなり すこしふけたと いいにけり)

下弦なる 月確かめて 敬老の日
  (かげんなる つきたしかめて けいろうのひ)
   ※浮遊する敬老の日は今年子規忌と同じ19日
    になった。その業績から子規翁と呼ばれるこ
    とも多いが、亡くなったのは35歳。

9/18sun
街なかで 熊除けの鈴 秋まみれ
  (まちなかで くまよけのすず あきまみれ)
   ※無人を思わせる団地の静謐を破って鈴の音が
    聞こえる。日曜日の住人が無聊に任せてスピ
    ーカーで流しているのではない。

9/17sat
秋の日やメインツリーは果樹となる
  (あきのひやめいんつりーはかじゅとなる)
   ※ガーデニング風に言えば、我が家のメインツ
    リーはモモ、ブドウ、柿の3本。今年の成績
    を言えばいろいろあるが、後期高齢者の思い
    込みは安定していて、功が拮抗している。

9/15thu
よろず屋にバス待つ人の宿場町
  (よろずやにばすまつひとのしゅくばまち)

街なかに街道ありて秋夕暮れ
  (まちなかにかいどうありてあきゆぐれ)
   ※米を収穫して現金収入を手にした農家にとっ
    て一年で一番豊かさを感じる季節だ。思い切
    って遠出して温泉で骨を休めたり、近くの街
    に買い物に出たり。小さな商店街のある街ま
    では多くはバスで行きかえりだ。日常使いの
    品ではなく、好きな品を既に考えてある。
    小さな街の小さな商店街。一日声があふれる。

9/14wed
秋の日強し団地音一つなし
  (あきのひつよしだんちおとひとつなし)
   ※こんな音のない風景はミステリー映画の撮影
    に使えるのでは?なんて思いがうかぶが、今
    やこうしたシーンは全国に溢れ、履いて捨て
    るほどある。洗濯物のそよぎが「使用中」を
    示す。

9/13tue
無人駅の読書 針の進む音
  (むじんえきのどくしょ はりのすすむおと)
   ※こんな静かな無人駅があるところは貴重かな?
    いまどきは遠隔で音声案内がある。

9/11sun
耳元で癌を語りて夏に逝く
  (みみもとでがんをかたりてなつにいく)

ワケギ好き冷凍を説く床屋あり
  (わけぎずきれいとうをとくとこやあり)
   ※仲の良かった床屋の親父が死んだ。3年近く
    の肺ガンとの闘いの末である。なにをさせて
    も執念とこだわりの強い人だったから、ゆっ
    くりした床屋タイムの話はいつも楽しみだっ
    た。合掌。

9/10sat
名月もかすむ蝮の噂かな
  (めいげつもかすむまむしのうわさかな)
   ※見事な名月。さすがに。見えすぎなくらい。

9/7wed
我慢して 追肥をかてに 秋茄子
  (がまんして ついひをかてに あきなすび)
   ※9/7泉鏡花の忌日。代表作以外は読むことのな
    かった作家だが、ネットの朗読に親しんで鏡
    花も三つほど聴いた。いずれもスマホのおか
    げ、YouTubeのおかげ、ヒマのおかげ。鏡花
    との距離が随分縮まった。

9/6tue
稲刈り機揺られウクライナのことを
  (いねかりきゆられうくらいなのことを)

運転は孫に勝りて刈田かな
  (うんてんはまごにまさりてかりたかな)

一族も郎党もいず刈り終わる
  (いちぞくもろうとうもいずかりおわる)

稲刈りてデータを入れる月明かり
  (いねかりてでーたをいれるつきあかり)

9/5mon
カタロニア 野の鳥を見る 善衛の忌 
  (かたろにあ ののとりをみる よしえのき)
   ※少し左派がかった元日本ペンクラブ会長堀田
    善衛が亡くなったのが1998年9月5日。
    スペインアスツゥリアスとカタロニアに合わ
    せて5年近く住んだ作家である。著作も多い。
    小生がスペインオタクになった機縁である。
    野の鳥はピースピースと鳴く、とカザルス。

9/4sun
飴色の ぶどう袋に 妻方々
  (あめいろの ぶどうふくろに つまほうぼう)
   ※甘くはありませんがとお裾分けするが、おい
    しかったと言ってくれる人もいる。高級品が
    多い最近では昔のぶどうの味でなつかしかっ
    たという感想かな?

9/3sat
剃りたての 頬を撫でつつ 桐一葉
  (そりたての ほほをなでつつ きりひとは)
   ※例年より低い気温が続く。台風は沖縄県先島
    近辺で停滞の後東北に動き始めた。

朝に切る ぶどう三房を 仏前に
  (あさにきる ぶどうみふさを ぶつぜんに)

9/2fri
近道の 秋灯の家 時計鳴る
  (ちかみちの しゅうとうのいえ とけいなる)
   ※やっぱり昭和か?ちょっと古めの時計の音が
    聞こえた。窓に映る灯りも古めの暖色系だし、
    新しい家にしてはやや奇々怪々。

9/1thu
度を重ね 二百十日の 俄雨
  (どをかさね にひゃくとおかの にわかあめ)

小椋鳥 夕立家に 帰りかね
  (こむくどり ゆうだちいえに かえりかね)
   ※ムクドリは常に群れで行動するのに、突然の
    激しい雨に打たれ、一羽が木の根元に取り残
    された。いつもは群れの旺盛な動きに舌打ち
    することもあるが今日の姿はほんの小鳥だ。


          **********

8/30tue
秋の風来て花痩せしサルスベリ
  (あきのかぜきてはなやせしさるすべり)

露草や 初お目見えの 庭の朝
  (つゆくさや はつおめみえの にわのあさ)
   ※曇り日が続いたのち昨日今日は一段と涼しい
    日。夜の気温が20度を切ると涼しいから一
    気に寒いへ悲鳴に変わる。庭の草の中に露草
    発見! 25年来、我が庭で初めて。

8/28sun
秋と聞き 山門今日は 中に入る
  (あきときき さんもんきょうは なかにいる)

眼鏡かえ スマホで秋の 季語一つ
  (めがねかえ すまほであきの きごひとつ)

8/27sat
夏豪雨 気圧配置の 骨身まで
  (なつごうう きあつはいちの ほねみまで)
   ※秋田、山形、新潟を中心に、この夏豪雨の被
    害が広がった。気圧配置の固定化と前線の居
    座り、線状降水帯の連続発生等によるものだ
    った。一週間ほど前からの事前の予報の通り
    であったが、それでも被害は甚大なものに。

8/25thu
眠らねば 班増えるとて 晩夏かな
  (ねむらねば はんふえるとて ばんかかな)

譲られし 苗のトマトの 味野生
  (ゆずられし なえのとまとの あじやせい)

8/24wed
少年の目に父祖の地よ盆地秋
  (しょうねんのめにふそのちよぼんちあき)
   ※8/23は白虎隊の日、自刃した日。その場所飯
    盛山からは砲煙にかすむ城下だけでなく会津
    盆地の初秋の景色が広く見えただろう。命全
    うすればもっともっと馴染んだはずの故郷の
    景色が。

8/22mon
朗読の声朝に聞く邦子の忌
  (ろうどくのこえあさにきくくにこのき)
   ※8/22は向田邦子忌日。YouTubeの朗読物は特に
    この1,2年で優良コンテンツが激増してい
    る。中でも人気を博しているのは、明治以降
    の大作家連の短編と向田邦子のドラマものだ。
    わかるような気がする。

8/21sun
三代の 球児いよよの ガッツあり
  (さんだいの きゅうじいよよの がっつあり)
   ※夏の甲子園も決勝を残すのみ。東北勢同士の
    決勝を夢見たが、まあ仙台育英の優勝が実現
    すれば大殊勲だ。

8/19fri
つかまらせ 花緒をすげる 秋めく日
  (つかまらせ はなおをすげる あきめくひ)
   ※当地はからっとした天気。こんな日はあらぬ
    ことを幻のように想像してみたい。下駄ばき
    で鼻緒が切れて困っていた少女がいた・・・。

8/18thu
対策の 水を飲みつつ 白槿
  (たいさくの みずをのみつつ しろむくげ)

溶接工 腕さえわたる 盆の明け
  (ようせつこう うでさえわたる ぼんのあけ)
   ※60歳を超えて所属した会社で一緒だった人
    と偶然会った。何年ぶりか? 溶接工のキャ
    ップを務めていた名人、その腕の変わらぬ自
    信はほんの2,3言でわかる。

8/17wed
葡萄一房光を貯めて下がりおり
  (ぶどうひとふさひかりをためてさがりおり)
   ※不順な気候の中で、我が家の名もないぶどう
    は大奮闘。例年より遅れ気味だがより多くの
    房をつけている。緑色の固い粒々が次第に飴
    色に、光を通すようになってきた。早いヤツ
    をつまみ食い出来るのがこの時期の無上の喜
    び。

8/16tue
学徒兵命全うすれば夏
  (がくとへいいのちまっとうすればなつ)
   ※学徒の繰上げ卒業にまつわる事実が新たにわ
    かったことを伝える特別番組を見た。決然と
    出陣式で雨中行進をした人たちの中で、なお
    多くの若人が戦地に行かなくても済んだこと
    を知る。

8/15mon
逢ひとふて 驟雨疾走 孫産まる
  (あいとうて しゅううしっそう まごうまる)
   ※姪夫婦に待望の初孫ができた。日頃冷静な二
    人だが、狂喜して病院に向かう。

8/14sun
嵐去る 盆の街角 見渡しぬ
  (あらしさる ぼんのまちかど みわたしぬ)

久闊の 言葉探して 盂蘭盆会
  (きゅうかつの ことばさがして うらぼんえ)

年寄りて 盆にことなし 風の音
  (としよりて ぼんにことなし かぜのおと)

8/13sat
盂蘭盆会 レーダーで追う 故郷の雲
  (うらぼんえ れーだーでおう くにのくも)
   ※スマホでPCで現在地以外の地域の天気、雨
    雲レーダー、災害可能性や警報・注意報のチ
    ェックが容易にかつ即座に出来る。
    必要があればそのまま即電話でコンタクトを
    とる、地域のメディアにアクセスをすること
    も可能だ。通信とデータ送受の革新は急速。
    しかし自然の猛威を前にして、出来ることは
    限られる。これは変わらない。

8/12fri
調律の 待たれる頭 炎天下
  (ちょうりつの またれるあたま えんてんか)

起動時の 膝の重さよ 秋立ちぬ
  (きどうじのひざのおもさよあきたちぬ)
   ※朝起きがけの膝の重さは老化速報。一年後の
    歩行能力を知ることが出来る。そう思う。ほ
    んの5~10歩で重さは消え、快調になるの
    だが。PCのように再起動で問題解決、とは
    いかない。立秋、しばらくは残暑、その後は
    確実に秋、着実に老化。

8/11thu
高山病 肩の小屋にて 米を炊く
  (こうざんびょう かたのこやにて こめをたく)
   ※若い頃4月に連休を待ちきれず、登山に出か
    けた。槍沢小屋を朝に出て槍ヶ岳を目指すシ
    ンプルな計画。ただ積雪は多く、ジグザグの
    登りが最後まで直登となる。登りの残り1/4
    くらいのところでガタンと体力が落ちた。
    先に着いて小屋で寛ぐ人の姿がはっきり見え
    るところだった。そこからなんと2時間強か
    かったのだ。1時間半はその場所でストップ。
    動けない。好天で良かった。50年前のこと。
    今では最高の思い出。今日は「山の日」とか。  

8/10tue
眼前は 水被る稲 晩夏光
  (がんぜんは みずかぶるいね ばんかこう)
   ※東北北部に豪雨被害が続いている。当地は暑
    さ続きで、盆明けの稲の刈入れを前にしてい
    る。とんでもない違い。

8/8mon
小型船 夏のくらしの 音がもれ
  (こがたせん なつのくらしの おとがもれ)
   ※くらしの音と問われたら、NHKラジオの正午
    過ぎ「昼のいこい」のテーマと答えるかもし
    れない。木更津港に係留している小型鋼船の
    一つからこれが聞こえた時、ジーーンときま
    したね。

8/7sun
白球の清涼と女子のブラスよ
  (はっきゅうのせいりょうとじょしのぶらすよ)
   ※夏の甲子園開幕。観客、応援団を入れての試
    合は一層熱が入る。それにしても応援席は女
    性上位だ。チェアガールにブラスバンド、女
    子は皆余裕たっぷり、笑顔がこぼれている。
    お付き合い参加ではない。

がしんたれ強豪以外よ暴れたれ
  (がしんたれきょうごういがいよあばれたれ)
   ※大阪桐蔭、何馬身か空いて智弁和歌山等々下
    馬評はどれも関西勢優位のよう。

8/6sat
原爆忌 乞ひ願ふこと 今多く
  (げんばくき こいねがうこと いまおおく)
 
母削る 鉛筆が誇り 原爆忌
  (ははけずる えんぴつがほこり げんばくき)
  ※今でも当時母が毎晩削ってくれた鉛筆のカッコ
   良さは周囲を寄せ付けなかったと思っている。
   ちなみに、幼少時代の私は暴れたら手が付けら
   れないと匙を投げられた挙句、家の中で「原爆」
   と呼ばれていた。
   
8/5fri
ホーン越し やや声低く 大暑かな
  (ほーんごし ややこえひくく たいしょかな)

上向いて ヴィーナス夏の かんばせを
  (うえむいて びーなすなつの かんばせを)

揺らぐごと 雲海に浮く 肩の小屋
  (ゆらぐごと うんかいにうく かたのこや)

8/4thu
外人の 教師が走る 夏の朝
  (がいじんの きょうしがはしる なつのあさ)
   ※オーストラリア出身の幼稚園の外人先生が走
    る。いつも遅れてくるようだ。おはようござ
    いますと挨拶する表情はいつも照れている。
    大きい幼稚園は差別化の目玉として英語教育
    を掲げる。ネーティヴの先生がいますよとい
    うわけだ。しかしそれ以外の仕事もなんでも
    やらされるみたい。園児を乗せたバスが着く
    と、にこやかにお迎えする。到着園児の顔、
    人数、バスの座席点検・・・朝から大変だ。

8/3wed
潮干狩り 一坪ほどが わが漁場
  (しおひがり ひとつぼほどが わがりょうば)
   ※海上は風通し万全だけれど、アサリを求めて
    さまようと予期せぬ密にもなりかねない。そ
    れで「動き回らないで」とスピーカーが。マ
    スク着用の注意はないが、しっかり着けてい
    る人が多い。もう今年は終わり、死なないで。
8/2tue
ほろ酔いの 教師は黒く 大夕焼
  (ほろよいの きょうしはくろく おおゆやけ)
   ※部活の指導を終えた教師は自転車でいち早く
    ご帰還。近くの一杯飲み屋に駆け込む。真っ
    赤な顔で家に向かう頃、生徒たちに会う。そ
    して「おう、気をつけて帰れよ」と。自転車
    はすでにふらふら・・・。世の中がすべて今
    より寛容な時代。

8/1mon
雨音は 夢か幻聴 蝉しぐれ
  (あまおとは ゆめかげんちょう せみしぐれ)
   ※深夜確かに雨音を聴いた。朝になってあれは
    雨でなかったとがっかりすることのないよう
    に、寝床でしっかり耳をそばだてた。しかし
    朝がっかりした。余計落胆した。降雨のシル
    シは露ほどもない。
    今朝はほんのちょっとだけど涼しいが、これ
    ぞ降雨のシルシでは? 家人はすげなく否定。
    降雨なしが決定。
    これからは寝床から起きて立って外を眺めて
    確認しようということになった。もっとも小
    生は少年時代に寝ぼけ癖の輝かしい戦歴があ
    るから、起き上がっての確認もそこまで含め
    て睡眠中の出来事となるかも。
    認知症の忍び寄っているせいなのか、熱中症
    近辺の暑さのせいなのか?


          **********

7/31sun
風鈴や 南部湯宿の 闇の濃さ
  (ふうりんや なんぶゆやどの やみのこさ)
   ※花巻市郊外の花巻温泉郷台温泉に宿泊したこ
    とがある。いい湯いい宿だった。遅くついた
    のに印象深いのは夏の闇の深さと透明な湯の
    せいか。

7/30sat
兜虫 遅き経済の 良さ知らず
  (かぶとむし おそきけいざいの よさしらず)
   ※この国はかつて高い経済成長を実現し、効率
    第一を叫んで、その果実を満喫した。その頃、
    個人商店は消え失せ、全国の街々が画一化し
    ていった。背後で家庭が地域が変質した。
    人間だって(後の言葉で言えば)クローンの
    ようなサラリーマンが労働者が生きがいとし
    て、その路線に沿い、貢献した。絶頂時には
    「21世紀は日本の世紀」とまで。
    ところが今、「失いし20~30年」とかを
    聞いている。聞いて久しい。
    「経済成長は神話だよ、続かない」「多くを
    失っているんだよ。今良く考えなければ手遅
    れになると・・・」50年以上前にアンチ高
    度成長を言った人はいっぱいいたね、そう言
    えば。ためにする人も多かったが、深刻な正
    論もあった。

7/29fri
煙草屋の 解体終わり 晩夏なる
  (たばこやの かいたいおわり ばんかなる)
   ※店先販売はとうの昔にやめ、長いこと自販機
    がならんでいた。不思議なもので店も住まい
    も一緒に解体されると、かなりのおばあさん
    が日がな店番をしていたことが思い出される。

7/28thu
夏号の 稿を渡せり 白き道
  (なつごうの こうをわたせり しろきみち)
  ※一回きりと代理を頼まれた。夏を迎えるエッセ
   イなんでも、という。地域のミニコミ誌みたい
   なもの。安請け合いした直後に梅雨が明け、真
   夏の暑さが襲ってきた。「なんでも」を頼りに
   やっとこ駄文を弄した。どうせ誰も見ない、と
   思ったことを後悔した。

7/27wed
端居やめ 犬の背たんと 流しけり
  (はしいやめ いぬのせたんと ながしけり)

冷麺や 腰にさしたる 扇子かな
  (れいめんや こしにさしたる せんすかな)

7/25mon
夏稽古 代役の子に 黒子あり
  (なつげいこ だいやくのこに ほくろあり)

夏稽古 来ぬ子の役を 全部やり
  (なつげいこ こぬこのやくを ぜんぶやり)
   ※地域で演劇の指導をしている人の稽古場を端
    で見せてもらった。こんな人がいることが大
    変貴重に思えるが、やはりコロナ禍のせいで、
    せっかくの夏休みの強化練習も参加者が思う
    に任せないとのことだ。

7/23sat
蝉時雨「巴里は燃えているか」聞こゆ
  (せみしぐれ ぱりはもえているかきこゆ)

百日紅の赤「巴里は燃えているか」
  (さるすべりのあか ぱりはもえているか)
   ※NHKスペシャル「映像の世紀」シリーズの通
    しのテーマ。作曲した加古隆のインタビュー
    番組を聴いた。やっぱり憎いねェ。

7/22fri
百日紅 警報の声 流れけり
  (さるすべり けいほうのこえ ながれけり)
   ※当家の一本の桃の木。小粒とは言え実は多く
    たわわだが、今年は虫の被害が多かった。プ
    ラムのカイアガラムシに気を取られノーケア
    だった。
    やっと不順な天候の合間を縫って収穫し終え
    た。さて来年に向けてはどうしようか? 思
    案を始めている。

7/20wed  
ああいえばこういう夏の国訛り
  (ああいえばこういうなつのくになまり)
   ※Lineでのテレビ電話、これが少し前だったら、
    「用もないのに顔はいらない」とか言って一
    方的に敬遠したろうに、この齢になると、晩
    くやってきた、この便利な仕組みに結構素直
    になじんでいる。年齢による羞恥心の欠如?
    いやそんなことをいうほど衒いもない。

7/19tue
夏時雨桃の実落ちる音にせく
  (なつしぐれもものみおちるおとにせく)
   ※不順な天候が続く。担当の雑草刈りも果樹の
    世話も意に沿っては進まない。やっぱり九州
    山口地方に梅雨末期に似た豪雨の被害が心配
    になる。

7/18mon
祇園会や 小雨に白の 角隠し
  (ぎおんえや こさめにしろの つのかくし)
   ※故郷の近く会津田島町の祇園会のメインは花
    嫁行列。今年はどうなるのだろうか? 近年
    は嫁のナリテが町の内外から押し寄せるとい
    う。7月16日は1月16日とともに、昔の
    言葉で「藪入り」、奉公人や嫁入りした娘が
    実家に里帰りした日だ。今や完全な死語。
    こちらの花嫁はその日のうちに帰るのだろう。

7/17sun
宵山に 泣いたらあかん 稚児の声
  (よいやまに ないたらあかん ちごのこえ)
   ※久しぶりの京都祇園祭のフル日程が無事に進
    むことを切に祈る。NHKドラマ『京都人の密
    かな愉しみ』はええなァ。直近は「Blue修業
    中 門出の桜」かな。源孝志ディレクターに
    よるもの。くせはあるものの、ええ腕しては
    るわァ。

7/16sat
夏の雨 頼朝が行く 国境
  (なつのあめ よりともがいく くにざかい)
   ※近くに鎌倉街道という古道がある。随分説明
    を受け、フィールドワークにも出かけたが、
    仔細の記憶はゼロ。ただ南の安房の国から上
    総の国に、頼朝が土地の豪族、兵を募りなが
    ら北上したのはテレビの通りらしい。

7/15fri
ラケット背に 女剣士が 夏椿
  (らけっとせに おんなけんしが なつつばき)
   ※小雨の中を自転車で行く姿は凛々しい。コー
    ト使えまいに、と思うが今は体育館で大勢で
    乱打練習が出来るらしい。

7/13wed
短夜や ひそかに話す 人通る
  (みじかよ やひそかにはなす ひととおる)

夏帽子 カフェを待つ間の 立ち向かい
  (なつぼうし かふぇをまつまの たちむかい)
   ※カフェテラスという屋外の店が大都市で増え
    ている。最近は地方都市でも狭い舗道を占拠
    してテラスと称しているのが多い。ましてや
    そこの空くのを待っている御婦人連がある。

7/11mon
命がけ 炎暑の選挙 いかと見る
  (いのちがけ えんしょのせんきょ いかとみる)
   ※参議院選挙が終わった。普通の人が普通に与
    えられる選挙権、それは勝ち取った権利。被
    選挙数の比較優位によってのみ代議員となれ
    る。この価値をどうみる、どうみるべきか? 
    これのない国々の人々よ。

7/10sun
短夜に口の遅さを嘆じけり
  (みじかよにくちのおそさをたんじけり)
   ※加齢とともに口が重くなる、口数が減る。語
    彙も減る。自分だけはそこまでにはならない
    と、根拠なしの自信もあるにはあったのだが、
    そんな希望もあえなくコロナ禍によって潰え
    去った。

7/9sat
涼しけり政治の海に笑み消えぬ
  (すずしけりせいじのうみにえみきえぬ)

長州と江戸の間で夏憤死
  (ちょうしゅうとえどのあいだでなつふんし)
   ※元首相の街頭演説中の死。毀誉の混じるとこ
    ろはあったが、圧倒的な天性とそれ故のゆと
    りとユーモアを備えた政治家。合掌。

7/8fri
若妻が 夫の腕ひく 夏木立
  (わかづまが おっとのうでひく なつこだち)

杖を持て 実を引き寄せて 袋掛け
  (つえをもて みをひきよせて ふくろがけ)

7/7thu
築地塀 驟雨のあとを 見せてあり
  (ついじべい しゅううのあとを みせてあり)
   ※文化財に指定されている江戸時代の築地。荒
    い素地がむき出しになっているから年々の雨
    等による浸食が心配だ。とは言え、俄雨の後
    の箇所を指でエグルように強く触れてみた。
    大丈夫だ。指にはなにもついてこない。

7/6wed
浮雲の 行先知らず 芙美子の忌
  (うきぐもの いきさきしらず ふみこのき)
   ※林芙美子の「浮雲」をネットの朗読で全編聞
    いた。全部で8時間余り。戦争と男と女の物
    語。名匠成瀬巳喜男、高峰秀子、森雅之主演
    の同名の映画も鮮明に覚えているが、ネット
    朗読版も気に入った。忍耐あっての「聴破」
    だが、この長い時間が戦中戦後の時間の経過
    と変遷を味わうにはよりフィットするのかも
    知れない。芙美子忌は6月28日。

7/4mon
暁に僅かに僅かなれど喜雨
  (あかつきにわずかにわずかなれどきう)
   ※台風の影響で暑さをもたらした気圧配置が崩
    れ、雨模様の不安定な天気になった。文字通
    りの「喜雨」。西日本の豪雨の気配がないで
    もないが、当地当家の野菜、果樹にとっては
    喜雨だ。人間にとっても。

7/3sun
なお強き 膝をさすりて 半夏かな
  (なおつよき ひざをさすりて はんげかな)

7/2sat
半夏生 犬ともに我れ 脚強く
  (はんげしょう いぬともにわれ あしつよし)
   ※山登りなどには長くネックになっていた右膝
    が、この十年近く朝夕の平地歩行には悲鳴を
    あげず、持ちこたえている。幸い今に至って
    も平地に限れば2、3時間連続でも行ける。
    これも、臆病に無理を避けたこと、そして我
    が家の犬のお蔭だ。

7/1fri
街ゆがみ 夏の絵描くは ゆがむまま
  (まちゆがみ なつのえかくは ゆがむまま)
   ※都心の馴染みの通りもしばらく見ぬ間に変貌
    し、ニョキニョキと高層マンションとやらが
    両側に。不自然に見上げてやっと変化を知る。
    猛暑がその歪みを激しく助長する。

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